JP4480281B2 - ダネッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、載置される物品の形状に応じた凹凸面により形成された物品収容部を有する合成樹脂で一体成形されたダネッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、凹凸面により形成された物品収容部を有する合成樹脂で一体成形されたダネッジにおいて、ダネッジの凹部に溜まった水を除去するために、ダネッジの一番低い凹部に、水抜き孔を形成したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ダネッジの凹部に溜まった水は、ダネッジを傾けたりして、ダネッジの凹部に形成された水抜き孔から排除するようにしているが、ダネッジに収容される物品の底部の面積が大きく、従って、物品収容部の底部の平面部の面積が大きい場合には、平面部に、水抜き孔に向かって傾斜する勾配を形成することができないために、ダネッジの水抜きが悪いという問題があった。また、物品収容部に収容される物品が、重量物の場合には、物品収容部の底部の平面部の面積を大きくして、ダネッジが載置される床や作業台やパレットの上面と、ダネッジの底面との接触面積を大きくして、安定した状態で、物品が収容されたダネッジを保管したり、運搬するようにしているが、この場合にも、物品収容部の底部の平面部の面積が大きいので、ダネッジの水抜きが悪いという問題があった。
【0004】
また、ダネッジを真空成形により合成樹脂で一体成形する場合には、金型が片面しかないので、ダネッジの表面と裏面の勾配が同一となってしまうために、ダネッジの凹部等に、容易に勾配を付けることができないという問題があった。
【0005】
更に、ダネッジを裏返して、物品収容部等に溜まった水を排除することも可能であるが、大きなダネッジを引っ繰り返す作業は、作業者に相当の負担が掛かるとともに、水抜き作業の作業性が悪いという問題があった。
【0006】
更にまた、ダネッジが載置されているパレットを、フォークリフトに乗った作業者が、パレットのフォーク挿入孔にフォークを差し込んで、ダネッジが載置されたパレットを運搬する作業が行われるが、この際、ダネッジに雨水等が溜まっている場合には、作業者が、その都度、フォークリフトから降りて、ダネッジに溜まっている雨水等を拭き取らなければならず、パレットの運搬作業の作業性が悪く、しかも、作業者に相当の作業負担が掛かるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来のダネッジが有する課題を解決することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、最低部と、相対する長側壁と相対する短側壁とからなる周状土手部と、物品収容部とを有するダネッジにおいて、前記物品収容部が、内部土手部と長側壁側土手と短側壁側土手とにより形成されており、且つ、前記長側壁側土手の両側に位置する前記最低部には、水抜き孔が穿設されているとともに、前記水抜き孔に遠い方の長側壁を持ち上げて、ダネッジを傾斜させた際に、前記水抜き孔方向に向かって傾斜する傾斜壁を、前記長側壁側土手に形成したものである。
【0009】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0010】
Cは、平面から見た輪郭形状が略方形状のダネッジに形成された物品収容部であり、収納される物品の下部形状に略対応して、所望の形状に形成されており、本実施例においては、3個の同一物品が収容されるように、3個の略同一構造を有する物品収容部Cが形成されている。
【0011】
1は、ダネッジの一番低い底面を構成する平板状の最低部であり、2a1、2a2は、略方形状のダネッジの一方の相対する長辺から、外側に向かって傾斜した長側壁であり、2b1、2b2は、もう一方の相対する短辺から、外側に向かって傾斜した短側壁であり、長側壁2a1、2a2及び短側壁2b1、2b2の上端には、外側に水平に延在する周状のフランジ3が形成されている。そして、長側壁2a1、2a2、短側壁2b1、2b2及び周状のフランジ3により、周状土手部Bが形成されている。
【0012】
物品収容部Cは、周状土手部Bと、平板状の最低部1から上方に膨出された種々の内部土手部4により仕切られている。本実施例においては、3個の物品収容部Cは、各物品収容部Cを区画する内部土手部4を構成する、平面形状が略コの字状の中央内部土手4aにより仕切られており、また、内部土手部4は、適宜、長側壁2a1、2a2に形成された長側壁側土手4bや短側壁2b1、2b2に形成された短側壁側土手4cを有している。
【0013】
4dは、各物品収容部Cの平板状の最低部1を上方に膨出させることにより形成された一対の平行な高さの低い膨出リブであり、各物品収容部Cの平板状の最低部1の周囲に配置された内部土手部4を構成する中央内部土手4aや長側壁側土手4bを連結することのないように、膨出リブ4dの両端部には、平板状の最低部1の一部が残存するように構成されており、膨出リブ4dにより、平板状の最低部1が区画されないように構成されている。膨出リブ4dは、平板状の最低部1の面積が大きい場合に、平板状の最低部1の強度を上げるために、必要に応じて、適宜、形成することができる。
【0014】
5は、平板状の最低部1に穿設された水抜き孔であり、水抜き孔5は、周状土手部Bや内部土手部4に接近して穿設されている。また、水抜き孔5付近に位置する周状土手部Bや内部土手部4には、相対する長側壁2a1、2a2の一方を持ち上げて、ダネッジを傾斜させた際に、水抜き孔5方向に向かって、下方に傾斜するように形成された傾斜壁が形成されている。
【0015】
例えば、物品収容部C1は、平板状の最低部1aと、周状土手部Bと、中央内部土手4aと、長側壁側土手4bと短側壁側土手4cとにより区画されており、水抜き孔5aは、長側壁側土手4bの両側に位置するとともに、周状土手部Bに接近して、平板状の最低部1に穿設されている。そして、水抜き孔5a付近の周状土手部Bには、水抜き孔5aに遠い方の長側壁2a2を持ち上げて、ダネッジを傾斜させた際に、水抜き孔5方向に向かって、下方に傾斜する傾斜壁6aが形成されている。従って、水抜き孔5aが穿設されている長側壁2a1と反対側の長側壁2a2を持ち上げると、平板状の最低部1aに溜まった水は、傾斜壁6aに誘導されて、水抜き孔5a方向に流れ、水抜き孔5aからは排出されることになる。
【0016】
同様に、短側壁側土手4cと、中央内部土手4aと、短側壁側土手4cと中央内部土手4aとを連結する連結土手4eとによりコの字形成された平板状の最低部1aの連結土手4e付近には、水抜き孔5bが穿設されており、そして、連結土手4eには、水抜き孔5bに遠い方の長側壁2a1を持ち上げて、ダネッジを傾斜させた際に、水抜き孔5b方向に向かって、下方に傾斜する傾斜壁6bが形成されている。従って、長側壁2a1を持ち上げると、平板状の最低部1aに溜まった水は、傾斜壁6bに誘導されて、水抜き孔5b方向に流れ、水抜き孔5bからは排出されることになる。
【0017】
また、周状土手部Bと、中央内部土手4aと、連結土手4e等に囲まれた平板状の最低部1bの周状土手部B付近にも、同様の水抜き孔5cが穿設されており、そして、連結土手4eには、水抜き孔5bに遠い方の長側壁2a1を持ち上げて、ダネッジを傾斜させた際に、水抜き孔5c方向に向かって、下方に傾斜する傾斜壁6cが形成されている。従って、長側壁2a1を持ち上げると、平板状の最低部1bに溜まった水は、傾斜壁6cに誘導されて、水抜き孔5c方向に流れ、水抜き孔5cからは排出されることになる。
【0018】
上述したように、ダネッジの1辺を持ち上げて、ダネッジを傾斜させた際に、周状土手部Bや中央内部土手4aや連結土手4e等の付近に穿設された水抜き孔5に向かって、平板状の最低部1に溜まった水が、水抜き孔5に誘導されるように、周状土手部Bや中央内部土手4aや連結土手4eに、下方に傾斜する傾斜壁6を設けることにより、ダネッジを引っ繰り返すことなく、単に、ダネッジの1辺を持ち上げて、ダネッジを傾斜させることにより、平板状の最低部1に溜まった水を排出することができる。従って、ダネッジの水抜き作業の作業性が向上するとともに、作業者の負担が軽減されることになる。
【0019】
また、ダネッジが載置されているパレットを、フォークリフトに乗った作業者が、パレットのフォーク挿入孔にフォークを差し込んで運搬作業を行う際に、ダネッジに水が溜まっていても、フォークリフトから降りることなく、パレットを、ダネッジの相対する長側壁2a1、2a2の一方が下方に位置するように傾斜させることにより、平板状の最低部1に溜まった水を排出することができるので、パレットの運搬作業の作業性が向上するとともに、作業者の作業負担を軽減することができる。
【0020】
なお、上述した実施例には、ダネッジの相対する長側壁2a1、2a2の一方が下方に位置するように傾斜させるようにした例が示されているが、当然のことながら、ダネッジの相対する短側壁2b1、2b2の一方が下方に位置するように傾斜さることにより、平板状の最低部1に溜まった水を排出するように構成することもできる。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0022】
単に、ダネッジを傾斜させることにより、平板状の最低部に溜まった水を排出することができ、従って、ダネッジの水抜き作業の作業性が向上するとともに、作業者の負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のダネッジの斜視図である。
【図2】図2は本発明のダネッジの平面図である。
【符号の説明】
B・・・・・・・・・・・・・周状土手部
C・・・・・・・・・・・・・物品収容部
1・・・・・・・・・・・・・最低部
4・・・・・・・・・・・・・内部土手部
5・・・・・・・・・・・・・水抜き孔
6・・・・・・・・・・・・・傾斜壁

Claims (1)

  1. 最低部と、相対する長側壁と相対する短側壁とからなる周状土手部と、物品収容部とを有するダネッジにおいて、前記物品収容部が、内部土手部と長側壁側土手と短側壁側土手とにより形成されており、且つ、前記長側壁側土手の両側に位置する前記最低部には、水抜き孔が穿設されているとともに、前記水抜き孔に遠い方の長側壁を持ち上げて、ダネッジを傾斜させた際に、前記長側壁側土手には、前記水抜き孔方向に向かって傾斜する傾斜壁が形成されていることを特徴とするダネッジ。
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