JP3859758B2 - バーナ装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ガスと一次空気とを混合させて燃焼させるバーナ装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
給湯器や風呂装置等の燃焼装置の燃焼運転を行うバーナ装置が広く用いられている。図１１に示すように、このバーナ装置７は、かつては、複数のブンゼンタイプバーナ３４を配列配置することによって形成されていたが、最近においては、窒素酸化物の生成の少ないクリーンな燃焼を達成するために、例えば図１０に示すような淡バーナ５と濃バーナ６を隣り合わせに交互に配列配置してなる全一次空気燃焼式のバーナ装置７が採用されるようになってきている。
【０００３】
前記淡バーナ５は、燃料ガスと一次空気を混合させることにより空気量が理論空気量よりも多い低濃度予混合ガスを作成して噴出燃焼する構成となっており、また、濃バーナ６は、燃料ガスと一次空気を混合させることにより空気量が理論空気量よりも少ない高濃度予混合ガスを作成して噴出燃焼する構成となっている。なお、このような全一次空気燃焼式のバーナ装置７においては、例えば淡バーナ５と濃バーナ６の配列領域下部側にバーナ枠体等が設けられ、淡バーナ５および濃バーナ６に二次空気が供給されないように構成されている。
【０００４】
この濃淡バーナ６，５のバーナ装置７を燃焼させたときには、淡バーナ５から噴出する低濃度予混合ガスは隣りの高濃度予混合ガスの高温の熱をもらって燃焼し、濃バーナ６から噴出する高濃度予混合ガスは隣りの淡バーナから噴出する低濃度予混合ガス中の空気をもらって燃焼するが、淡バーナ５から噴出する低濃度予混合ガスの量が濃バーナ６から噴出する高濃度予混合ガスの量よりも遥かに多く、このため、バーナ装置７の燃焼面は殆ど低濃度予混合ガスの低温火炎で占められる結果、低温燃焼が達成され、これにより、窒素酸化物の生成の少ないクリーンな燃焼が達成されるようになっている。
【０００５】
ところで、前記給湯器等の燃焼装置において、バーナ装置７を形成する淡バーナ５および濃バーナ６をバーナ燃焼時に常に全て燃焼させるのではなく、燃焼装置の要求燃焼熱量に応じて、一部の濃淡バーナ６，５を燃焼させたり、あるいは全ての濃淡バーナ６，５を燃焼させたりする、いわゆる、能力切り換え式のバーナ装置７が用いられている。能力切り換え式のバーナ装置７は、例えば、図８に示されるように、濃バーナ６と淡バーナ５とが隣り合わせに交互に配列されたバーナ配列群を有する濃淡バーナユニット３（３Ａ，３Ｂ，３Ｃ）を有しており、これらの濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂ，３Ｃがバーナ配列群のバーナ配列方向に配設されて、濃バーナ６と淡バーナ５とが隣り合わせに交互に配列されているものである。
【０００６】
なお、各濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂ，３Ｃには、それぞれ独立した燃料ガスの供給通路としてのガス供給通路８ａ，８ｂ，８ｃが設けられており、各ガス供給通路８ａ，８ｂ，８ｃにはそれぞれ、電磁弁等のガス弁２ａ，２ｂ，２ｃが介設されている。
【０００７】
このバーナ装置７のバーナ燃焼を行うときには、例えば、燃焼装置への要求燃焼熱量に応じて以下のような能力切り換え式のバーナ燃焼が行われる。まず、要求燃焼熱量が小さいときには、図９の（ａ）に示すように、ガス供給ノズル８ａのガス弁２ａのみが開かれ、それにより、ガス供給通路８ａからの燃料ガスの供給によって濃淡バーナユニット３Ａの各濃バーナ６および淡バーナ５のみの燃焼運転が行われる。また、燃焼装置への要求燃焼熱量が大きくなると、同図の（ｂ）に示すように、ガス供給通路８ｂのガス弁２ｂも開かれ、それにより、ガス供給通路８ｂからの燃料ガスの供給が行われて、濃淡バーナユニット３Ｂの各濃バーナ６および淡バーナ５の燃焼が行われる。そうすると、濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂのバーナ燃焼が行われるために、バーナ装置７によってより多くの熱量を供給できるようになる。
【０００８】
さらに、燃焼装置への要求燃焼熱量が大きくなると、同図の（ｃ）に示すように、ガス供給通路８ｃのガス弁２ｃも開かれ、ガス供給通路８ｃからの燃料ガスの供給により、濃淡バーナユニット３Ｃの各濃バーナ６および淡バーナ５の燃焼が行われるようになり、それにより、バーナ装置７を形成する全ての濃バーナ６および淡バーナ５の燃焼が行われる。そうすることにより、バーナ装置７によってより一層大きな熱量を供給することができるようになる。
【０００９】
なお、以上のような能力切り換え式のバーナ装置７における能力切り換えポイント（濃淡バーナユニット３Ａ〜３Ｃの選択ポイント）は、例えば表１に示すように、燃焼装置の要求燃焼熱量を示す号数により与えられている。
【００１０】
【表１】

【００１１】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の能力切り換え式のバーナ装置７の濃淡バーナユニット３Ｂ，３Ｃのように、濃淡バーナユニット３を形成するバーナ配列群の端側が淡バーナ５と成していると、淡バーナ５に供給される低濃度予混合ガスの空気量が理論空気量よりも高いために燃えにくく、この濃淡バーナユニット３（３Ｂ，３Ｃ）を単独で燃焼させることはできない。
【００１２】
そのため、バーナ装置７の燃焼を前記の如く３段階に切り換えて燃焼させるために、３個の濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂ，３Ｃを設ける必要があり、各濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂ，３Ｃにそれぞれ独立したガス供給通路８ａ，８ｂ，８ｃを設け、ガス弁２ａ，２ｂ，２ｃも設けなくてはならないために、バーナ装置７の構成が複雑になってしまうといった問題があった。そして、このようにバーナ装置７の構成が複雑なのにもかかわらず、バーナ装置７の能力切り換え燃焼は前記の如く３段階（３通り）にしか行うことができず、バーナ燃焼の多様化を図ることができなかった。
【００１３】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構成で多段階に燃焼能力を切り換えることができるバーナ装置や多様な能力切り換えを行うことができるバーナ装置を提供することにある。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成により課題を解決するための手段としている。すなわち、本第１の発明は、燃料ガスと一次空気を混合させることにより高濃度予混合ガスを作成して噴出燃焼させる濃バーナと、燃料ガスと一次空気を混合させることにより低濃度予混合ガスを作成して噴出燃焼させる淡バーナとが隣り合わせに交互に配列されたバーナ配列群を有し、該バーナ配列群の両端側が濃バーナと成している濃淡バーナユニットをバーナ配列群のバーナ配列方向に複数配設して成り、各濃淡バーナユニットにはそれぞれ独立したノズルホルダが対を成して配置され、各ノズルホルダはそれぞれ独立した燃料ガスの供給通路に接続され、ノズルホルダには前記濃バーナと淡バーナの配列に対応させて燃料ガスを濃バーナに噴出する濃バーナ用ノズルと燃料ガスを淡バーナに噴出する淡バーナ用ノズルとが交互に配設されており、隣り合う濃淡バーナユニットはその境界部に設けられた濃バーナを互いに共有する構成と成し、当該共有の濃バーナの空気・ガス導入口には隣り合う一方側の濃淡バーナユニットと対を成すノズルホルダの対応する濃バーナ用ノズルの先端と他方側の濃淡バーナユニットと対を成すノズルホルダの対応する濃バーナ用ノズルの先端とが共に臨まれていることを特徴として構成されている。
【００１５】
また、本第２の発明は、燃料ガスと一次空気を混合させることにより高濃度予混合ガスを作成して噴出燃焼させる濃バーナと、燃料ガスと一次空気を混合させることにより低濃度予混合ガスを作成して噴出燃焼させる淡バーナとが隣り合わせに交互に配列されたバーナ配列群を有し、該バーナ配列群の少なくとも片端側は淡バーナと成している複数の濃淡バーナユニットが前記バーナ配列群の配列方向に配設されて隣り合う濃淡バーナユニットがその端側に淡バーナと淡バーナとが隣り合わせになるように配設されており、この隣り合わせに配設された淡バーナと淡バーナとの間には濃バーナを有して該濃バーナに燃料ガスを供給する専用のガス供給通路を有する濃バーナ専用ユニットが介設されていることを特徴として構成されている。
【００１６】
上記構成の本第１の発明において、濃淡バーナユニットを形成するバーナ配列群は、その両端側が濃バーナと成しているために、各濃淡バーナユニットはそれぞれ独立に燃焼運転可能である。そのため、例えば、燃焼能力の異なる第１、第２の濃淡バーナユニットをバーナ配列群のバーナ配列方向に配設すると、第１の濃淡バーナユニットの単独燃焼、第２の濃淡バーナユニットの単独燃焼、第１、第２の濃淡バーナユニット両方の燃焼の３段階の能力切り換え式のバーナ燃焼が行えるようになり、従来のように、３つの濃淡バーナユニットを用いて３段階の能力切り換え式のバーナ燃焼を行っていたバーナ装置に比べ、簡単な構成で多段階の多様なバーナ燃焼が行えるようになる。
【００１７】
一方、上記構成の本第２の発明においては、複数の濃淡バーナユニットはその少なくとも片端側は淡バーナと成しており、その濃淡バーナユニットがバーナ配列群の配列方向に配設されて、淡バーナと淡バーナとが隣り合わせに配設されたところには濃バーナを有する濃バーナ専用ユニットが介設されているために、この濃バーナ専用ユニットのみの燃焼、濃バーナ専用ユニットと１つの濃淡バーナユニットの燃焼、濃バーナ専用ユニットと複数の濃淡バーナユニットの燃焼といったように、バーナ燃焼の多様化が図られる。
【００１８】
以上のように、本第１の発明においては、簡単な構成で多段階の燃焼を行うバーナ装置が形成され、本第２の発明においては、多様なバーナ燃焼を行うバーナ装置が形成されることにより、上記課題が解決される。
【００１９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。説明の都合上、先ず、実施形態例の説明の前に本発明に関連する参考例を説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例や、参考例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。図１には、本発明に係るバーナ装置に関連する参考例の要部構成が模式図により示されている。同図に示すように、参考例のバーナ装置７も、従来例と同様に、濃バーナ６と淡バーナ５とが隣り合わせに交互に配列されたバーナ配列群を有する濃淡バーナユニット３を有しており、この濃淡バーナユニット３がバーナ配列群をバーナ配列方向に配列されて形成されている。
【００２０】
参考例が従来例と異なることは、この濃淡バーナユニット３（３Ａ，３Ｂ）が、いずれもその両端側を濃バーナ６と成した濃淡バーナユニットにより形成されており、これら２つの濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂによって３段階にバーナ燃焼の切り換えを行うバーナ装置７と成していることである。なお、参考例でも、各濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂにはそれぞれ独立したガス供給通路８ａ，８ｂが設けられており、各ガス供給通路８ａ，８ｂにはそれぞれガス弁２ａ，２ｂが介設されている。
【００２１】
参考例は以上のように構成されており、次に、その動作について説明する。参考例では、前記の如く、各濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂはいずれもその両端側を濃バーナ６と成しているために、濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂで単独にバーナ燃焼ができるようになっており、例えばこのバーナ装置７が設けられている給湯器等の燃焼装置への要求燃焼熱量が小さいときには、図２の（ａ）に示すように、ガス供給通路８ａのガス弁２ａのみが開かれて濃淡バーナユニット３Ａへの燃料ガスの供給が行われ、濃淡バーナユニット３Ａのみのバーナ燃焼が行われる。そして、それにより、４本の淡バーナ５の燃焼と５本の濃バーナ６の燃焼が行われる。
【００２２】
また、燃焼装置への要求燃焼熱量が大きくなり、濃淡バーナユニット３Ａのみの燃焼では要求燃焼熱量の供給が行えなくなりそうになったときには、同図の（ｂ）に示すように、ガス供給通路８ａのガス弁２ａが閉じられ、その代わりにガス供給通路８ｂのガス弁２ｂが開かれる。そうすると、濃淡バーナユニット３Ａへの燃料ガスの供給が停止され、それにより濃淡バーナユニット３Ａのバーナ燃焼が停止されると共に、濃淡バーナユニット３Ｂへの燃料ガスの供給が行われて濃淡バーナユニット３Ｂ単独のバーナ燃焼が行われる。そして、濃淡バーナユニット３Ｂの単独燃焼により、６本の淡バーナ５と７本の濃バーナ６の燃焼が行われることになり、この状態は図９の（ｂ）に示した従来のバーナ装置７の濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂの燃焼とほぼ同様のバーナ燃焼となる。
【００２３】
そして、燃焼装置への要求燃焼熱量がさらに大きくなり、濃淡バーナユニット３Ｂ単独燃焼では要求燃焼熱量の供給が行えなくなりそうなときには、図２の（ｃ）に示すように、ガス供給通路８ａのガス弁２ａを開き、濃淡バーナユニット３Ａと濃淡バーナユニット３Ｂの両方のバーナ燃焼を行うことにより、全ての濃バーナ６および淡バーナ５の燃焼が行われ、図９の（ｃ）に示した従来のバーナ装置７における濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂ，３Ｃの全部の燃焼とほぼ同様のバーナ燃焼が行われる。
【００２４】
したがって、参考例のバーナ装置７においては、表２に示す能力切り換えポイントにおいて、濃淡バーナユニット３Ａ単独燃焼、濃淡バーナユニット３Ｂ単独燃焼、濃淡バーナユニット３Ａと３Ｂの両方の燃焼が行われる。
【００２５】
【表２】

【００２６】
参考例によれば、上記のように、濃淡バーナユニット３を２つ設け、これらの濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂのバーナ燃焼を切り換えることにより、濃淡バーナユニット３を３つ設けて構成した従来のバーナ装置７と同様に、３段階の能力切り換え式のバーナ燃焼を行うことができる。そして、濃淡バーナユニット３の数が少ない分だけガス供給通路８の数やガス弁２の数も少なくすることができ、装置構成の簡易化を図ることが可能となり、その分だけバーナ装置７のコストも安くすることができる。
【００２７】
図３には、本発明に係るバーナ装置の第１実施形態の要部構成が模式図により示されている。本実施形態例は上記参考例とほぼ同様に構成されており、本実施形態例が上記参考例と異なる特徴的なことは、隣り合う濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂはその境界部に設けられた濃バーナ６（６ｃ）を互いに共有する構成と成しており、この共有の濃バーナ６ｃは隣り合う濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂのそれぞれの専用のガス供給通路８ａ，８ｂに導通接続されていることである。
【００２８】
なお、淡バーナ５と濃バーナ６とが隣り合わせに交互に配設された濃淡バーナユニット３においては、図５に示すように、各濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂに燃料ガスを供給するためのガス供給通路８ａ，８ｂにそれぞれ、淡バーナ用ノズル９と濃バーナ用ノズル１０とを交互に配設したノズルホルダ１２ａ，１２ｂが接続されているが、本実施形態例では、濃バーナ６ｃに向けて各ノズルホルダ１２ａ，１２ｂ側から燃料ガスを噴出する濃バーナ用ノズル１０ａ，１０ｂを、濃バーナ用ノズル１０と淡バーナ用ノズル９の配列方向（バーナ配列群の配列方向）と交わる方向に並べている。
【００２９】
そして、図４に示すように、濃バーナ６ｃの空気・ガス導入口１１に向けて濃バーナ用ノズル１０ａ，１０ｂの一方又は両方から燃料ガスの噴出を行うことにより、ガス供給通路８ａからの燃料ガスとガス供給通路８ｂからの燃料ガスをそれぞれ濃バーナ６ｃに導入して一次空気と混合し、高濃度予混合ガスを形成している。また、このように、濃バーナ用ノズル１０ａ，１０ｂをバーナ配列群に対して交わる方向に並べることにより、濃バーナ６ｃとその両隣りの淡バーナ５との間隔を他の濃バーナ６と淡バーナ５との間隔と等しい間隔となるように配列している。
【００３０】
本実施形態例は以上のように構成されており、本実施形態例も上記参考例と同様に、濃淡バーナユニット３Ａの単独燃焼、濃淡バーナユニット３Ｂの単独燃焼、濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂの両方の燃焼の３段階のバーナ燃焼が行われ、上記参考例と同様の効果を奏することができる。
【００３１】
また、本実施形態例によれば、濃淡バーナユニット３Ａと３Ｂの境界部の濃バーナ６ｃは濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂの共有のバーナと成しており、各ガス供給通路８ａ，８ｂに導通接続されているために、上記参考例のように、濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂの境界部に濃バーナ６が隣り合わせに配設されているときに比べ、濃バーナ６の本数を少なくすることができるし、濃淡バーナユニット３Ａと３Ｂの両方のバーナ燃焼を行うときに、濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂの境界部において濃バーナ６が隣り合わせで燃焼するよりもバーナ燃焼し易くすることができる。
【００３２】
図６には、本発明に係るバーナ装置の第２実施形態例の要部構成が模式図により示されている。本実施形態例でも、バーナ装置７は、濃バーナ６と淡バーナ５とを隣り合わせに交互に配列したバーナ配列群を有する複数の濃淡バーナユニット３（３Ａ，３Ｂ，３Ｃ）を有しており、これらの濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂ，３Ｃはバーナ配列群の配列方向に配列されている。本実施形態例では、各濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂ，３Ｃは少なくともその片端側が淡バーナ５と成しており、隣り合う濃淡バーナユニット３Ａと３Ｂ、３Ｂと３Ｃは、その端側の淡バーナ５と淡バーナ５とが隣り合わせになるように配設されている。
【００３３】
また、この隣り合わせに配設された淡バーナ５と淡バーナ５との間には、濃バーナ６を有して、この濃バーナ６に燃料ガスを供給する専用のガス供給通路８ｄを有する濃バーナ専用ユニット１が介設されている。なお、ガス供給通路８ｄにはガス弁２ｄが設けられており、各濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂ，３Ｃにはそれぞれ、ガス弁２ａ，２ｂ，２ｃを介設したガス供給通路８ａ，８ｂ，８ｃが接続されている。
【００３４】
本実施形態例は以上のように構成されており、濃バーナ６は単独燃焼も可能であることから、本実施形態例における濃バーナ専用ユニット１は単独でも燃焼することができ、かつ、濃淡バーナユニット３（３Ａ，３Ｂ，３Ｃ）と組み合わせて燃焼させることにより、例えば濃淡バーナユニット３Ｂの両端側の淡バーナ５を両側から濃バーナ専用ユニット１の濃バーナ６で挟んで燃焼させることもできる。
【００３５】
そのため、本実施形態例においては、濃バーナ専用ユニット１単独、濃バーナ専用ユニット１と濃淡バーナユニット３Ａ、濃バーナ専用ユニット１と濃淡バーナユニット３Ｂ、濃バーナ専用ユニット１と濃淡バーナユニット３Ｃ、濃バーナ専用ユニット１と濃淡バーナユニット３Ａと３Ｂ、濃バーナ専用ユニット１と濃淡バーナユニット３Ａと３Ｃ、濃バーナ専用ユニット１と濃淡バーナユニット３Ｂと３Ｃ、濃バーナ専用ユニット１と濃淡バーナユニット３Ａと３Ｂと３Ｃの８通りのバーナ燃焼が行われ、このバーナ装置７を用いた燃焼装置の要求燃焼熱量に対応させて多様な燃焼を行うことができる。
【００３６】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記第１実施形態例では、濃バーナ６と淡バーナ５とが隣り合わせに交互に配列されたバーナ配列群の両端側が濃バーナ６と成している濃淡バーナユニット３を２つ設けてバーナ装置７を形成したが、バーナ配列群の両端側が濃バーナ６と成している濃淡バーナユニット３を３個以上配設してバーナ装置７を形成してもよい。
【００３７】
バーナ配列群の両端側が濃バーナ６と成している濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂ，３Ｃをバーナ配列群のバーナ配列方向に配設し、上記第１実施形態例のように、その境界部の濃バーナ６を隣り合う濃淡バーナユニット３Ａと３Ｂ、３Ｂと３Ｃの互いに共有する共有の濃バーナ６とするときには、例えば図７に示すように、各濃淡バーナユニット３Ａ，３Ｂ，３Ｃに接続されるガス供給通路８ａ，８ｂ，８ｃからの燃料ガスを共有の濃バーナ６に供給する濃バーナ用ノズル１０ａと１０ｂ１、１０ｂ２と１０ｃを、他の濃バーナ用ノズル１０と淡バーナ用ノズル９の配列方向と交わるように配列することにより、上記第１実施形態例と同様の効果を奏することができる。
【００３８】
さらに、上記第２実施形態例では、濃バーナ専用ユニット１は２本の濃バーナ６を有する構成としたが、濃バーナ専用ユニット１を構成する濃バーナ６の数は１本でもよいし、３本以上でも構わない。
【００３９】
さらに、各バーナ装置７を形成する各濃淡バーナユニット３に配設される濃バーナ６の本数や淡バーナ５の本数は特に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
【００４０】
さらに、濃バーナ専用ユニット１や複数の濃淡バーナユニット３の燃焼により切り換えるバーナ装置７の能力切り換えポイントは特に限定されるものではなく、例えばバーナ装置７が設けられる燃焼装置に応じて適宜設定されるものであり、濃淡バーナユニット３を形成する濃バーナ６、淡バーナ５の本数や濃バーナ専用ユニット１を構成する濃バーナ６の本数等を適宜設定することにより、様々な能力切り換え動作を行うことができるバーナ装置７を形成することができる。
【００４１】
【発明の効果】
本第１の発明によれば、濃バーナと淡バーナとを隣り合わせに交互に配設してなるバーナ配列群の両端側を濃バーナと成した濃淡バーナユニットを、バーナ配列群のバーナ配列方向に配設することにより、全ての各濃淡バーナユニットを単独で燃焼させることが可能となり、この濃淡バーナユニットの単独燃焼と複数の濃淡バーナユニットを組み合わせての燃焼とにより、簡単な構成で多段階のバーナ燃焼を行うことができる。
【００４２】
そのため、濃バーナと淡バーナとを隣り合わせに交互に配列したバーナ配列群を複数有して濃バーナと淡バーナとが隣り合わせに交互になるように単純に配設した従来のバーナ装置のように、バーナ配列群を有する濃淡バーナユニットのうち、片端側又は両端側が淡バーナと成している濃淡バーナユニット単独での燃焼を行うことができず、バーナ配列群の両端側が濃バーナと成している濃淡バーナユニット単独燃焼と、この濃淡バーナユニットを他の１つ以上の濃淡バーナユニットに組み合わせて燃焼させるバーナ燃焼とのいずれかしか行えないといったことはなく、少ない濃淡バーナユニット数で多段階のバーナ燃焼を行うことができる。
【００４３】
例えば、従来のバーナ装置において、３段階の能力切り換え式のバーナ装置を構成するためには、バーナ配列群の両端側が濃バーナと成している第１の濃淡バーナユニットの他に、片端側が淡バーナと成している第２、第３の濃淡バーナユニットを設け、第１の濃淡バーナユニット単独燃焼、第１、第２の濃淡バーナユニットの燃焼、第１、第２、第３の濃淡バーナユニットの燃焼により行われていたが、本発明においては、バーナ配列群の両端側が濃バーナと成している第１、第２の濃淡バーナユニットを設け、第１の濃淡バーナユニット単独燃焼、第２の濃淡バーナユニット単独燃焼、第１、第２の濃淡バーナユニットの燃焼の３段階の燃焼を行うことが可能となる。そして、このように、濃淡バーナユニットの個数を少なくすることができる分だけ、本第１の発明においてはバーナ装置のコストダウンを図ることができる。
【００４４】
さらに、前記各濃淡バーナユニットにはそれぞれ独立した燃料ガスの供給通路が設けられ、隣り合う濃淡バーナユニットはその境界部に設けられた濃バーナを互いに共有する構成と成し、該共有の濃バーナは隣り合う濃淡バーナユニットのそれぞれの専用の燃料ガスの供給通路に導通接続されている本第１の発明によれば、隣り合う濃淡バーナユニットの境界部に設けられた濃バーナを互いに共有する構成とすることで、バーナ装置の全ての領域において濃バーナと淡バーナとを隣り合わせに交互に配列することが可能となり、様々に能力切り換えされて行われるバーナ燃焼を全ての場合において非常に良好に行うことができる。
【００４５】
また、このように、隣り合う濃淡バーナユニットの境界部に設けられた濃バーナを共有する構成とした本第１の発明によれば、濃淡バーナユニットを構成する全ての濃バーナを同じ大きさとした場合には、隣り合う濃淡バーナユニット端側の濃バーナ同士を隣り合わせに配列するときに比べて、隣り合う濃淡バーナユニットの境界部における濃バーナの配列スペースも小さくすることが可能となり、バーナ装置の小型化を図ることができる。
【００４６】
さらに、本第２の発明によれば、隣り合う濃淡バーナユニット端側の淡バーナと淡バーナとが隣り合わせになるように配設され、この淡バーナと淡バーナとの間に濃バーナ専用ユニットを介設することにより、この濃バーナ専用ユニット単独、あるいは、濃淡バーナユニットと濃バーナ専用ユニットとの組み合わせによって、能力切り換えを非常に多様に行うことができるバーナ装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に関連するバーナ装置の参考例を示す要部構成図である。
【図２】 上記参考例の動作を示す説明図である。
【図３】 本発明に係るバーナ装置の第１実施形態例を示す要部構成図である。
【図４】 上記第１実施形態例のバーナ装置における共有の濃バーナ６ｃの構成を濃バーナ６ｃに導入される燃料ガス供給手段と共に示す説明図である。
【図５】 上記第１実施形態例のバーナ装置における濃バーナ用ノズル１０と淡バーナ用ノズル９の配列状態を示す説明図である。
【図６】 本発明に係るバーナ装置の第２実施形態例を示す要部構成図である。
【図７】 本発明に係るバーナ装置のさらに他の実施形態例のバーナ装置における濃バーナ用ノズル１０と淡バーナ用ノズル９の配列状態を示す説明図である。
【図８】 従来の能力切り換え式の全一次空気燃焼式バーナ装置を示す説明図である。
【図９】 図８に示した従来のバーナ装置の動作を示す説明図である。
【図１０】 従来の全一次空気燃焼式のバーナ装置を示す平面説明図である。
【図１１】 従来の複数のブンゼンタイプバーナ３４を配列したバーナ装置を示す説明図である。
【符号の説明】
１ 濃バーナ専用ユニット
２，２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ ガス弁
３，３Ａ，３Ｂ，３Ｃ 濃淡バーナユニット
４ ダミーバーナ
５ 淡バーナ
６，６ｃ 濃バーナ
７ バーナ装置
８，８ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄ ガス供給通路
９ 淡バーナ用ノズル
１０ 濃バーナ用ノズル

Claims (2)

1. 燃料ガスと一次空気を混合させることにより高濃度予混合ガスを作成して噴出燃焼させる濃バーナと、燃料ガスと一次空気を混合させることにより低濃度予混合ガスを作成して噴出燃焼させる淡バーナとが隣り合わせに交互に配列されたバーナ配列群を有し、該バーナ配列群の両端側が濃バーナと成している濃淡バーナユニットをバーナ配列群のバーナ配列方向に複数配設して成り、各濃淡バーナユニットにはそれぞれ独立したノズルホルダが対を成して配置され、各ノズルホルダはそれぞれ独立した燃料ガスの供給通路に接続され、ノズルホルダには前記濃バーナと淡バーナの配列に対応させて燃料ガスを濃バーナに噴出する濃バーナ用ノズルと燃料ガスを淡バーナに噴出する淡バーナ用ノズルとが交互に配設されており、隣り合う濃淡バーナユニットはその境界部に設けられた濃バーナを互いに共有する構成と成し、当該共有の濃バーナの空気・ガス導入口には隣り合う一方側の濃淡バーナユニットと対を成すノズルホルダの対応する濃バーナ用ノズルの先端と他方側の濃淡バーナユニットと対を成すノズルホルダの対応する濃バーナ用ノズルの先端とが共に臨まれていることを特徴とするバーナ装置。
2. 燃料ガスと一次空気を混合させることにより高濃度予混合ガスを作成して噴出燃焼させる濃バーナと、燃料ガスと一次空気を混合させることにより低濃度予混合ガスを作成して噴出燃焼させる淡バーナとが隣り合わせに交互に配列されたバーナ配列群を有し、該バーナ配列群の少なくとも片端側は淡バーナと成している複数の濃淡バーナユニットが前記バーナ配列群の配列方向に配設されて隣り合う濃淡バーナユニットがその端側に淡バーナと淡バーナとが隣り合わせになるように配設されており、この隣り合わせに配設された淡バーナと淡バーナとの間には濃バーナを有して該濃バーナに燃料ガスを供給する専用のガス供給通路を有する濃バーナ専用ユニットが介設されていることを特徴とするバーナ装置。

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