JPH1038222A - 元混合式面状火炎型バーナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化を図るために、混合ガス室の容積を小
さくすると共に、状態の良好な混合ガスを得て完全燃焼
できるようにする。 【解決手段】 第１の混合ガス室３の左右の両端から、
第２の混合ガス室３Ｌと３Ｒとを鶴翼状に連設し、それ
ぞれに燃焼板４・４Ｌ・４Ｒを設けると共に、第１の混
合ガス室３の背面側には送風機１を取り付け、その空気
吸入口１Ａから取り込んだ空気をオリフィス１Ｂを介し
て第１の混合ガス室３に供給できるように形成する。そ
して、オリフィス１Ｂの第１の混合ガス室３側開口端の
周囲に燃料供給口２Ａを開設し、この開口を燃料ガス供
給管２に接続した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、元混合式の面状
火炎型バーナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】元混合式の面状火炎型バーナーとして
は、例えば図３に示した構造の元混合式面状火炎型バー
ナー１００Ｂが知られている。図３において、太線で示
す箇所は構成部材の肉厚部分であって、一般に耐熱性の
金属材料、例えばステンレス鋼板などによって構成され
ている部分であり、ハッチングを施した箇所は混合ガス
を通過させるための燃焼穴４Ａが多数開設された燃焼板
４の断面部分である。

【０００３】すなわち、このバーナーにおいては、燃料
ガスと、この燃料ガスの燃焼に必要な量の酸素を含む空
気との混合ガス７が、燃焼板４の背面側の混合ガス室３
に供給されて多数の燃焼穴４Ａを通り抜け、外側の燃焼
面に平面状に分布する火炎８を形成して燃焼するように
仕組まれている。

【０００４】この場合の燃焼板４は、薄板状（例えば、
板厚２〜４ｍｍ程度）の耐火材料、例えばメタルファイ
バーを通気可能な状態に焼結した後、図のような多数の
微小な燃焼穴４Ａを開設して形成したものを主体として
形成されている。

【０００５】上記構成の面状火炎型バーナーは、先混合
式の単一ノズル型バーナーに比べて燃焼の完結が速いた
め、ＮＯ_X の発生量が低減できる、火炎８が長くならな
いので装置の小型化が図れる、などと云ったメリットが
あり、吸収冷凍機における高温再生器の加熱装置などと
しても使用されるようになってきている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記元混合式
面状火炎型バーナーにおいては、逆火、すなわち混合ガ
ス室の混合ガスに火が付くと云った不測の事故が起こっ
た場合にも、被害が最少限度に抑えられるように、混合
ガス室の容積を小さくする必要があるが、容積を小さく
すると混合状態の良好なガスを得るのが困難になり、完
全燃焼し難くなると云った問題点があり、この点の解決
が課題となっていた。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記した従来技
術の課題を解決するためになされたもので、燃料ガスお
よびこの燃料ガスの燃焼に必要な量の酸素を含む空気が
供給される混合ガス室と、この混合ガス室に臨んで配設
され、混合ガス室の混合ガスが通過して混合ガス室とは
反対側の面に火炎を形成する燃焼穴が多数開設された燃
焼板とを備えて形成される元混合式面状火炎型バーナに
おいて、

【０００８】混合ガス室が、燃料ガスおよび空気がそれ
ぞれの供給経路から供給される第１混合ガス室と、この
第１混合ガス室に連設された第２混合ガス室とからなる
ようにした第１の構成の元混合式面状火炎型バーナと、

【０００９】前記第１の構成の元混合式面状火炎型バー
ナにおいて、第２混合ガス室を、第１混合ガス室を中心
に対称に形成するようにした第２の構成の元混合式面状
火炎型バーナと、

【００１０】前記第２の構成の元混合式面状火炎型バー
ナにおいて、第２混合ガス室を、第１混合ガス室の燃焼
板火炎形成側に屈曲して形成するようにした第３の構成
の元混合式面状火炎型バーナと、

【００１１】前記第１〜第３の構成の元混合式面状火炎
型バーナにおいて、第１混合ガス室に燃焼用の空気を強
制的に供給するための空気供給装置を備えると共に、こ
の装置の空気供給経路に臨んで燃料ガスの供給口を開設
し、供給する空気の圧力を利用して燃料ガスを第１混合
ガス室に吸い込み、燃料ガスと空気とを攪拌混合するよ
うにした第４の構成の合式面状火炎型バーナと、を提供
することにより、前記従来技術の課題を解決するもので
ある。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図１・図２に基づいて本発
明の実施形態を詳細に説明する。なお、理解を容易にす
るため、これらの図においても前記図３において説明し
た部分と同様の機能を有する部分には、同一の符号を付
した。

【００１３】本発明の元混合式面状火炎型バーナ１００
は、図１に示したように第１の混合ガス室３の左右の両
端から、第２の混合ガス室３Ｌと３Ｒとを鶴翼状に連設
し、それぞれに燃焼板４・４Ｌ・４Ｒを設けて形成され
る。

【００１４】また、第１の混合ガス室３の背面側には送
風機１を取り付け、その空気吸入口１Ａから取り込んだ
空気を、図示しないフィルターを通して濾過したのち、
オリフィス１Ｂを介して第１の混合ガス室３に供給でき
るように形成する。

【００１５】そして、オリフィス１Ｂの第１の混合ガス
室３側開口端の周囲に燃料供給口２Ａを開設し、この開
口を燃料ガス供給管２に連通させている。

【００１６】したがって、上記構成の元混合式面状火炎
型バーナ１００においては、送風機１を起動すると、空
気吸入口１Ａから取り込まれた空気５がフィルターで濾
過されたのちオリフィス１Ｂを介して第１の混合ガス室
３に供給される。このとき、燃料ガス供給管２に設けた
図示しないバルブが開いていると、第１の混合ガス室３
に流入する空気５の圧力によって、燃料ガス６が燃料供
給口２Ａから吸引されて第１の混合ガス室３に吸い込ま
れる。

【００１７】そして、第１の混合ガス室３に供給された
空気５と燃料ガス６とは、そこで攪拌混合されて燃焼可
能な混合ガス７となり、一部は燃焼板４の図示しない燃
焼穴を通過して混合ガス室３の反対側に火炎８を形成
し、残部は第２の混合ガス室３Ｌ・３Ｒに流入し、それ
ぞれの燃焼板４Ｌ・４Ｒの図示しない燃焼穴を通過し
て、混合ガス室３Ｌ・３Ｒの反対側に火炎８Ｌ・８Ｒを
形成する。

【００１８】このとき、第１の混合ガス室３の容積は小
さく、且つ、空気５および燃料ガス６が流入する側と、
混合ガス７となって通過排出する際の排出口である燃焼
板４との間隔が狭いので、あるところでは空気が不足
し、他のあるところでは空気が過剰となるなどの理由か
ら、燃焼板４に形成される火炎８は不完全燃焼炎となり
易いが、その火炎８を囲むようにその外側に形成される
火炎８Ｌ・８Ｒは、空気５と燃料ガス６が第１の混合ガ
ス室３よりさらに遠い位置まで流れていく間に攪拌混合
が促進され、状態の良い混合ガス７となって完全燃焼す
るので、この完全燃焼炎により中央部の不完全燃焼炎
（８）の燃焼が促進される。

【００１９】このように、本発明の元混合式面状火炎型
バーナ１００においては、不完全燃焼を起こし難いの
で、例えば吸収冷凍機における高温再生器の加熱装置と
して使用する場合などに、小型化を図る目的で水管群と
の設置間隔を若干短めに取って、その火炎が水管群に多
少接触して冷却されることがあっても、未燃焼ガスを排
出すると云った懸念がない。

【００２０】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸
脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。

【００２１】例えば、第２の混合ガス室３Ｌ・３Ｒは、
第１の混合ガス室３の左右両端からではなく、上下それ
ぞれの両端から鶴翼状に連設しても良いし、左右および
上下、すなわち四方に連設することもできる。また、第
１の混合ガス室３の形状も、横長や縦長の矩形とした
り、円形や楕円形に形成することもできる。

【００２２】また、燃焼板４・４Ｌ・４Ｒは、何れも緩
やかな曲面に形成しても良いし、燃焼板４・４Ｌ・４Ｒ
全体を一体化して構成することも可能である。

【００２３】また、第２混合ガス室３Ｌ・３Ｒは、不完
全燃焼炎が形成され易い第１の混合ガス室３の周囲に配
置されてあれば良いので、精確に対称である必要はな
い。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明になる元混
合式面状火炎型バーナでは、中央部に位置する第１の混
合ガス室を取り囲むように第２の混合ガス室を配置して
いるので、第１の混合ガス室における燃料ガスと空気と
の攪拌混合が不完全で部分的に不完全燃焼を起こして
も、その周囲に設けた第２の混合ガス室では燃料ガスと
空気との攪拌混合が完全に行われて完全燃焼するので、
この完全燃焼炎によって前記中央の不完全燃焼炎の燃焼
が促進される。

【００２５】すなわち、本発明の元混合式面状火炎型バ
ーナにおいては、全体としては不完全燃焼を起こし難い
ので、例えば吸収冷凍機における高温再生器の加熱装置
として使用する場合などに、小型化を図る目的で水管群
との設置間隔を若干短くし、その火炎が水管群に多少接
触して冷却されることがあっても、未燃焼ガスを排出す
ると云った懸念がない。

【００２６】また、請求項４の発明では、燃料ガスの供
給が燃焼用空気の供給に伴って自動的に行われるので、
装置構成が簡略化できると云った利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明になるバーナの全体構成を示す説明図で
ある。

【図２】本発明になるバーナの要部の構成例を示す説明
図である。

【図３】従来技術の説明図である。

【符号の説明】

１ 送風機 １Ａ 空気吸入口 １Ｂ オリフィス ２ 燃料ガス供給管 ２Ａ 燃料供給口 ３・３Ｌ・３Ｒ 混合ガス室 ４・４Ｌ・４Ｒ 燃焼板 ４Ａ 燃焼穴 ５ 空気 ６ 燃料ガス ７ 混合ガス ８・８Ｌ・８Ｒ 火炎 １００・１００Ｂ 元混合式面状火炎型バーナ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料ガスおよびこの燃料ガスの燃焼に必
   要な量の酸素を含む空気が供給される混合ガス室と、こ
   の混合ガス室に臨んで配設され、混合ガス室の混合ガス
   が通過して混合ガス室とは反対側の面に火炎を形成する
   燃焼穴が多数開設された燃焼板とを備えて形成される元
   混合式面状火炎型バーナであって、 混合ガス室が、燃料ガスおよび空気がそれぞれの供給経
   路から供給される第１混合ガス室と、この第１混合ガス
   室に連設された第２混合ガス室とからなることを特徴と
   する元混合式面状火炎型バーナ。
2. 【請求項２】 第２混合ガス室が第１混合ガス室を中心
   に対称に形成されたことを特徴とする請求項１記載の元
   混合式面状火炎型バーナ。
3. 【請求項３】 第２混合ガス室が第１混合ガス室の燃焼
   板火炎形成側に屈曲して形成されたことを特徴とする請
   求項２記載の元混合式面状火炎型バーナ。
4. 【請求項４】 第１混合ガス室に燃焼用の空気を強制的
   に供給するための空気供給装置を備えると共に、この装
   置の空気供給経路に臨んで燃料ガスの供給口を開設し、
   供給する空気の圧力を利用して燃料ガスを第１混合ガス
   室に吸い込み、燃料ガスと空気とを攪拌混合することを
   特徴とする請求項１〜３何れかに記載の元混合式面状火
   炎型バーナ。