JPH09145011A - 燃焼器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＢＦＧ焚燃焼器のように、低カロリーの燃焼
性の悪い燃料を使う燃焼器は、燃焼用空気の導入方法、
配分等に特異性があり、ＬＮＧ焚燃焼器とデュアル化は
困難で、実用化されていないのが現状である。それ故、
使用燃料が特定されるという制約があり不具合である。
本発明はこのような不具合を解消し、デュアル化を可能
とした燃焼器の提供を課題とする。 【解決手段】 ノズルに燃焼用流体を供給する第１ない
し第４の流路を有し、燃料をＢＦＧとＬＮＧで切替えて
使用するようにした燃焼器であって、ＢＦＧ焚きの場合
には第１ないし第４の流路を、ＢＦＧ、休止、ＢＦＧ、
燃焼空気の流路とし、また、ＬＮＧ焚きの場合にはこれ
をＬＮＧ、ＬＮＧ、燃焼空気、燃焼空気の流路に切替え
ると共に第２流路のＬＮＧを第３，４流路の燃焼空気と
予混合するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、高炉ガス（Ｂｌａ
ｓｔ Ｆｕｒｎａｃｅ Ｇａｓ・・・以下ＢＦＧとい
う）焚燃焼器において、天然ガス（Ｌｉｑｕｅｆｉｅｄ
ＮａｔｕｒａｌＧａｓ・・・以下ＬＮＧという）焚き
を可能にした燃焼器に関する。

【０００２】

【従来の技術】ガスタービンコンバインドサイクルの高
効率化のためにタービン入口温度の上昇化を図る必要が
あるが、反面、入口温度の上昇はＮＯｘの増加を招きオ
ゾン層の破壊、光化学スモッグ発生等の環境問題の原因
となる。

【０００３】ＮＯｘの発生を燃料の側からみると、ＮＯ
ｘは燃料中に含まれる窒素化合物から生成されるもので
あり、特殊な燃料例えばＢＦＧ、石炭ガス化ガス（コー
クス炉ガスＣＯＧ）等を燃料とする発電プラントでは、
フューエルＮＯｘとして問題となるが、主力燃料である
ＬＮＧにはこれが含まれておらず、特に問題とならな
い。

【０００４】反面、ＬＮＧは高カロリー燃料であり、火
炎温度が高いと高濃度のサーマルＮＯｘが発生する。現
状このＢＦＧ焚燃焼器は、ガス性状の特異性からＢＦＧ
専焼燃焼器としている。

【０００５】図２は、従来のＢＦＧ焚燃焼器の概略図で
ある。円環状に形成されたＢＦＧノズル２１と、それを
取り囲んで一次燃焼用空気ノズル２２が配置されて構成
されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前記した従来のＢＦＧ
焚燃焼器のように、低カロリーの燃焼性の悪い燃料を使
う燃焼器は、通常の燃焼器（例えばＬＮＧ燃焼器）とは
その燃焼用空気の導入方法や配分が大きく異る。

【０００７】そのためＬＮＧなどの通常燃料とのデュア
ル（Ｄｕａｌ）化が困難であり、実用化されていないの
が現実である。

【０００８】本発明はこの問題点を解消し、デュアル化
を可能とした燃焼器を提供することを課題とするもので
ある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は前記した課題を
解決するべくなされたもので、ノズルに燃焼用流体を供
給する第１ないし第４の流路を有し、燃料を高炉ガス
（ＢＦＧ）と天然ガス（ＬＮＧ）とで切替えて使用する
ものであって、高炉ガス（ＢＦＧ）焚きの場合には前記
第１ないし第４の流路を、高炉ガス（ＢＦＧ）、休止、
高炉ガス（ＢＦＧ）、燃焼空気の流路とし、天然ガス
（ＬＮＧ）焚きの場合には同第１ないし第４の流路を、
天然ガス（ＬＮＧ）、天然ガス（ＬＮＧ）、燃焼空気、
燃焼空気の流路に切替えると共に第２流路の天然ガス
（ＬＮＧ）を第３，４流路の燃焼空気と予混合するよう
にした燃焼器を提供し、高炉ガス（ＢＦＧ）焚きの場合
と天然ガス（ＬＮＧ）焚きの場合とで流路を切替えて使
用し、特に天然ガス（ＬＮＧ）焚きに際しては予混合方
式として、二重の空気ノズルを流れる燃焼空気にメイン
燃料である天然ガス（ＬＮＧ）が予混合し、希薄燃料と
なって好ましい燃焼が行われるものである。

【００１０】また、高炉ガス（ＢＦＧ）焚きのときに
は、燃料である高炉ガス（ＢＦＧ）が中心部に偏りす
ぎ、メイン燃料廻りの空気が多くなりすぎるということ
もなくなり、中央部でパイロットノズルとなる流路によ
り供給される高炉ガス（ＢＦＧ）で形成される拡散火炎
で保炎され、安定した燃焼が確保できるものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図１に基
づいて説明する。

【００１２】１は燃焼器を示し、そのノズル部は複数の
流路を集めて構成され、中央部に第１の流路２、その外
側には第２の流路４、またその外側には第３の流路５、
更にその外側には第４の流路６が配置されている。

【００１３】また、第２の流路４は連通孔７で第３の流
路５に連通すると共に、同第２の流路４から放射状に延
びる複数の枝路８を経て連通孔９で第４の流路６と連通
している。

【００１４】いま、この燃焼器１がＢＦＧ燃焼器として
用いられるときには、中央部の第１の流路２にはＢＦＧ
が供給され、パイロットノズル２Ａとなって燃焼器内に
拡散火炎域３を作って保炎し、主燃料が燃料分希薄なも
のであったとしても燃焼を安定化するようになってい
る。

【００１５】また、第２の流路４は休止され、ここには
何も流れない。そして第３の流路５にＢＦＧが供給さ
れ、第４の流路６に供給される燃焼用空気と相俟って燃
焼される。

【００１６】一方、この燃焼器１がＬＮＧ燃焼器として
用いられる場合には、中央にある第１の流路２にＬＮＧ
が供給され、ＢＦＧ燃焼器の場合と同様にパイロットノ
ズル２で拡散燃焼させ、燃焼器内に拡散火炎域３を形成
して保炎する。

【００１７】このパイロットノズル２の廻りは第２の流
路４でＬＮＧが供給され、メインノズルとなっている。
また、第３の流路５と第４の流路６とには、燃焼空気が
供給され、前記第２の流路４に供給されるＬＮＧを連通
孔７又は枝路８の連通孔９から受入れ、予混合気を形成
してノズル５Ａ，５Ｂから噴出し、前記拡散火炎域３の
火炎で燃焼し保炎する。

【００１８】なお、前記したＢＦＧ焚きからＬＮＧ焚き
に変る場合の流路の切替えは、図示しない切替装置でこ
れを行なう。

【００１９】前記第１ないし第４の流路２，４，５，６
へ供給するそれぞれの流体を、使用燃料がＢＦＧの場合
とＬＮＧの場合の各パターンに区分して整理すると、下
表の通りになる。

【００２０】

【表１】

【００２１】このように本実施の形態によれば、使用燃
料がＢＦＧの場合とＬＮＧの場合に応じて流路を切替え
使用することにより１つの装置で両方の燃料に対処で
き、いわゆるデュアル化が可能となったものである。

【００２２】そしてＬＮＧ焚きの場合にあっては予混合
方式による低ＮＯｘ燃焼を達成し、また、ＢＦＧ焚きの
場合には、燃料が中心部に偏りすぎることなく、パイロ
ット火炎となる拡散火炎で保炎され、安定した燃焼を確
保されるものである。

【００２３】以上、本発明を図示の実施の形態について
説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、
本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて
よいことはいうまでもない。

【００２４】

【発明の効果】以上、本発明によれば、使用燃料が燃料
性状を大きく相異するＢＦＧとＬＮＧであっても、同一
の燃焼器で燃焼することができ、しかも、低ＮＯｘで、
かつ安全確実に焚くことが可能となったものである。

【００２５】従って、通常ＢＦＧを焚くこととなってい
る燃焼器であっても、高炉が停止してＢＦＧが休風とな
っても、直ちにＬＮＧに切替えて運転することができる
ので、タービンの継続運転が可能となり、操業の安定
性、信頼性を一段と高めることができたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態に係る燃焼器の概略図

【図２】従来の燃焼器の概略図

【符号の説明】

１ 燃焼器 ２ 第１の流路 ４ 第２の流路 ５ 第３の流路 ６ 第４の流路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ノズルに燃焼用流体を供給する第１ない
   し第４の流路を有し、燃料を高炉ガスと天然ガスとで切
   替えて使用するものであって、高炉ガス焚きの場合には
   前記第１ないし第４の流路を、高炉ガス、休止、高炉ガ
   ス、燃焼空気の流路とし、天然ガス焚きの場合には同第
   １ないし第４の流路を、天然ガス、天然ガス、燃焼空
   気、燃焼空気の流路に切替えると共に第２流路の天然ガ
   スを第３，４流路の燃焼空気と予混合するようにしたこ
   とを特徴とする燃焼器。