JP3858886B2 - クランク軸の焼入れ方法及び焼入れ装置並びにクランク軸の製造方法 - Google Patents

クランク軸の焼入れ方法及び焼入れ装置並びにクランク軸の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、クランク軸を焼入れした際の焼割れや置割れを防止しつつ、耐摩耗性及び耐疲労強度を得ることができる、クランク軸の焼入れ方法及び焼入れ装置、並びに、この方法で焼入れするクランク軸の製造方法に関するものである。
なお、置割れとは、放置しておくことにより残留応力等に起因して発生する割れを言う。
周知のように、クランク軸は、ピン及びジャーナルを有する容積型機関の動力伝達部材である。このクランク軸は、クランクケース内のメインベアリングに支持され、燃焼工程にあるピストンの昇降運動を、コネクティンロッドを介して回転運動に変換すると共に、他のピストンに吸入、圧縮又は排気工程のための上下運動を行わせる。このようにしてクランク軸は、エンジンの出力を連続した回転力として取り出す。
ところで、大荷重を受けながら高速回転をするクランク軸には、高い強度や耐摩耗性、剛性が要求されることから、高炭素鋼やCr−Mo鋼、Ni−Cr鋼等を型打鍛造したものが多用されてきた。また、一方で素材コストを安価に抑えるために、ミーハナイト鋳鉄や球状黒鉛鋳鉄等も用いられている。
かかるクランク軸の耐摩耗性及び疲労強度を向上させるためには、クランク軸のピン及びジャーナルそれぞれの表面に高周波焼入れを行うことが有効である。高周波焼入れを行ったクランク軸中の焼入れ硬化部位は、マルテンサイト変態による硬化や、膨張によって生じる圧縮残留応力による疲労強度向上が見込まれる。
クランク軸のフィレットR部を含めて高周波焼入れする場合には、クランクアームのピン側とジャーナル側のそれぞれのフィレットR部においてもマルテンサイト変態による硬化や、膨張によって生じる圧縮残留応力による疲労強度向上を狙っている。
しかしながら、図6に示すようなクランク軸のアーム部5におけるピン側頂上部付近(以下、「ピン頂上部P1」と称する。)や、クランク軸のアーム部5においてカウンタウェイト4がない場合のジャーナル側頂上部付近(以下、「ジャーナル頂上部P2」と称する。)の肉厚が小さい部分においては引張応力が発生する場合があり、これが焼入れ中の割れの原因となる。なお、図6中の3は高周波加熱コイル(以下、単に「コイル」という。)を示す。
即ち、ピン1及びジャーナル2それぞれのフィレットR部1a、2aを焼入れすると、図7に示すように、フィレットR部1a、2aからスラスト部1b、2bにかけて焼割れ、置割れAが発生する場合がある。なお、図7はピン1に発生した焼割れ、置割れAについて示した図である。焼割れ、置割れが生じたクランク軸は使用不可能で、不良コストの増大となる。このため、焼割れ、置割れを防止するために、ピンやジャーナルの円筒部のみに対して高周波焼入れを行うと共に、フィレットR部に対してはロール加工を行うことにより加工残留応力を発生させ、これによりクランク軸の耐摩耗性及び耐疲労特性を向上させることが行われてきた。
しかしながら、このような方法では、疲労き裂の発生が最も懸念されるフィレットR部に対しては、塑性加工によって残留応力を付与するだけであるため、導入する残留応力が母材降伏応力以下になってしまい、また、変態強化でないために表面硬さの増加を望むことができないという問題があった。
そこで、「補助冷却手段の使用により、各部の冷却速度を均一化することによって、クランク軸のピン及びジャーナルの円筒部(円柱部)、フィレットR部及びスラスト部に形成される焼入れ硬化層を均一にし、フィレットR部の焼割れを防止する」という技術が提案されている。
特開2002−173711号公報
この特許文献1で提案された技術では、補助冷却手段をコイルに固定し、クランク軸を回転させつつ補助冷却手段の噴射孔から直接フィレットR部及びフィレット部に冷却液を噴射して冷却することで、円筒部の熱容量と異なる熱容量を有する該フィレットR部及び該フィレット部に、該円筒部に形成される硬化層と均一な硬化層を形成するとしている。
しかしながら、上記の特許文献1に開示された技術は、表面硬化層を均一にする方法であるが、表面硬化層を均一にしただけでは、割れの発生原因となる引張応力発生の低減には効果が少ない。従って、クランク軸の焼割れ或いは置割れを防止することには限界がある上に、焼入れ後の焼戻しを省略したりすることも困難であった。
本発明が解決しようとする問題点は、クランク軸のピンやジャーナル表面の耐摩耗性、疲労強度を向上させるために、ピンやジャーナルのフィレットR部に高周波焼入れを行うと、ピン頂上部のように、肉厚の薄い部分における引張残留応力の影響により、焼入れ中の割れや遅れ破壊である置き割れが発生するという点である。
発明者らは、従来、断片的にしか判っていなかったクランク軸における引張応力の発生メカニズムを明らかにし、この結果をもとに、スラスト部を冷却しない方が焼割れ、置割れ防止には有効であることを知見し、これが可能な焼入れ方法及び装置を成立させ、この方法を実施して焼き割れ及び置割れを発生し難いクランク軸を得ることができた。これは、カウンタウェイトのない場合のジャーナルに関しても同様である。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、
本発明のクランク軸の焼入れ方法は、
ピン及び/又はジャーナルの加熱後の冷却を行う際、
前記ピン及び/又はジャーナルの円筒部、フィレットR部のみを冷却したり、必要に応じて、さらに、前記ピン及び/又はジャーナルの肩部及び/又はトップ部も併せて冷却することを最も主要な特徴とする。
この本発明のクランク軸の焼入れ方法においては、肩部やトップ部は先行して冷却しても良いし、同じタイミングで冷却を開始しても良い。
また、本発明のクランク軸の焼入れ装置は、
(1)ピン及び/又はジャーナルのスラスト部に冷却剤がかからないようにするための手段を備えたこと、
或いは、
(2)ピン及び/又はジャーナルの円筒部、フィレットR部を冷却するための第1の冷却手段及び前記ピン及び/又はジャーナルのスラスト部に冷却剤がかからないようにするための手段を備えた高周波加熱コイルと、
該高周波加熱コイルとは独立した冷却手段であって、前記ピン及び/又はジャーナルの肩部及び/又はトップ部を冷却するための第2の冷却手段とを備え、必要に応じ、この第2の冷却手段にも、前記ピン及び/又はジャーナルのスラスト部に冷却剤がかからないようにするための手段を備えさせたこと、
を最も主要な特徴とする。
また、本発明のクランク軸の製造方法は、上記何れかの本発明の焼入れ方法により、クランク軸の表面を焼入れ硬化することを特徴とする。
本発明は、クランク軸の高周波焼入れにおいて、冷却方法と冷却範囲を適正化することによって焼割れ、置割れの原因となる引張残留応力の低減を図ることができる。これにより、高周波焼入れ後の焼戻し省略による生産性向上が図れ、かつ、割れ発生による不良コスト低減を図ることができる。
本発明の上述の冷却方法と冷却範囲の適正化によって、焼割れ、置割れの原因となる残留引張応力が低減できることを以下に説明する。
図8は、従来のクランク軸素材の焼入れ状態を説明する図であり、通常のクランク軸の高周波焼入れの場合、加熱後の冷却時には、ピン1やジャーナル2の円筒部1c、2c、フィレットR部1a、2a、スラスト部1b、2bの範囲に冷却剤が噴射される。
これにより、上記各部の表面よりマルテンサイト変態が開始されるが、一般的に焼入れ性の高い低合金鋼では材料の表面部と内部のマルテンサイト変態時間にずれが生じる。そして、内部組織のマルテンサイト変態時の体積膨張が表面部に引張応力を発生させ、焼割れ或いは残留引張応力として残存し、置割れに至る場合がある。従って、特許文献1に記載の技術のように表面の硬化層を均一にするだけでは、表面の引張応力を低減することはできない。
そこで、本発明者らは、金属組織並びに力学的な観点からこの部分に3次元モデルを適用して、焼割れ、置割れの発生機構を鋭意検討した。その結果、焼割れや置割れの発生は、内部がマルテンサイト変態した時、フィレットR部からスラスト部にかけて焼割れ、置割れの要因となる大きな引張り応力が発生することが原因であることが判明した。なお、図9は冷却開始からの時間と、フィレットR部からスラスト部にかけての最大主応力と、マルテンサイト分率との関係を示した図、図10の(a)は冷却開始時、(b)は図10の時間aの際、(c)は図9の時間bの際、(d)は最終状態のフィレットR部からスラスト部にかけての最大主応力を示した図である。
上記のフィレットR部からスラスト部にかけての最大主応力と、マルテンサイト分率との関係から、ピンやジャーナルの頂上部におけるフィレットR部の終端部に引張残留応力が発生する原因の一つとして以下の点が考えられる。
つまり、従来のように、フィレットR部、スラスト部と円筒部のみを冷却剤によって冷却する場合は、ピン、ジャーナルの頂上部のフィレットR部側は速く冷却されることになるが、フィレットR部側と反対側(ピンをピン肩部、ジャーナルでカウンタウェイトの無い部分をジャーナル肩部と称する。)は遅れて冷却されるため、遅れて収縮することになる。このため、フィレットR側のスラスト部との接続部付近(図10(d)における矢印c付近)にはこの遅れた収縮により生じるモーメント(図10(d)における矢印m)の影響でさらに引張応力が発生する。
この点を解決するための方法として、スラスト部を冷却しない方法が考えられる。スラスト部を冷却しない場合、フィレットR部側の冷却が遅くなって、前記モーメントを低減でき、フィレットR部の終端に発生する引張応力が低減できる。この考え方に従うと、ピンのトップ部や肩部を冷却して、フィレットR部側の冷却を相対的にさらに遅らせると効果はさらに上がると考えられる。
以上の発生メカニズムを基に、本発明者らは、当該の引張応力を低減するためには、冷却方法や冷却範囲を変更することがポイントであることを知見し、さらに検討を重ねた結果、高周波焼入れを行っても、焼割れや置割れの発生が抑制でき、高周波焼入れ後の焼戻し省略による生産性向上や、割れ発生による不良コスト低減を図ることができる上述の本発明を見出した。
本発明の効用の理由としては、ピンの円筒部、フィレットR部のみ、或いは、必要に応じて、さらに肩部やトップ部を冷却して、スラスト部を冷却しないこととした場合、スラスト部からトップ部付近のマルテンサイト変態による体積膨張時期が遅れるため、フィレットR部における終端部の引張応力が大幅に低下することによる。これは、カウンタウェイトのない場合のジャーナル部に関しても同様である。
以下、本発明の効果を確認するために行った実施結果について説明する。
(1)実施方法
図11は、直列4気筒用クランク軸のピン1及びジャーナル2の焼入れ後における硬化層範囲B(ハッチングを入れた箇所)の例を示している。通常、クランク軸は、図8(b)に示すような半円筒型のコイル3を用いて焼入れされるが、クランク軸はジャーナル2の中心線上を軸に回転する際、コイル3は軸部外周上の半周を囲んだ状態で追随し、180°回転することで全周加熱される。加熱後の冷却は、コイル3のジャケットより冷却剤が噴霧され、加熱と同様に180°回転することで全周冷却される。加熱、冷却共に、実施条件で指定した時間だけクランク軸が回転する。
本発明との差異を明確にするため、図1に示した本発明の場合の冷却範囲(円筒部1c、フィレットR部1aと、必要に応じて、肩部1e、トップ部1d。図1(a)(b)では、肩部1eとトップ部1dにハッチングを入れて示している。)と、図8に示した従来技術での冷却範囲(円筒部1c、フィレットR部1a及びスラスト部1b)で焼入れ試験を実施した。
以下、本発明の実施の形態について説明する。ここでは、ピンを焼入れした場合について説明するが、ジャーナルの場合も、対象がジャーナルとなるだけで、概略同様である。
本発明による焼入れ方法を実施するための構成として、図2及び図3に、請求項2、3を実現するための請求項7に相当する構成を示す。図3のように、コイル3にピン1の円筒部1c、フィレットR部1a付近を冷却する第1の冷却手段11と、ピン1のトップ部1dと肩部1eを冷却する第2の冷却手段12を備える。なお、図3中の12bは冷却剤の噴射口を示す。
第1の冷却手段11の拡大図を図4に示す。図4に示すように、この第1の冷却手段11の両端に、第1の冷却手段11から噴射される矢印で示す冷却剤が必要以上に飛び散らないように、例えば図4に白抜き矢印のように圧縮空気を噴射するノズル11aを備えている。
また、第2の冷却手段12の先端の拡大図を図5に示す。この第2の冷却手段12の先端部にも、この第2の冷却手段12から噴射された矢印で示す冷却剤が必要以上に飛び散らないように、白抜き矢印で示すように圧縮空気を噴射するノズル12aが備えられている。この第2の冷却装置12は、隣のピン1側にも冷却剤及び圧縮空気用のノズル12aが配置されており、隣のピン1の焼入れ時には、隣のピン1もこの第2の冷却手段12によって冷却することが可能である。
この第2の冷却手段12の形状は、図3及び図5に示した実施例では、半円状の1組の冷却手段としたものを示しているが、形状は周りとの干渉が無く、かつ、ピン1の所要箇所を冷却できるものであれば形状は任意で良い。また、請求項1を実現するためには、第2の冷却手段12から冷却剤を噴射しないようにすれば良い。
上記の装置により、ピン1のトップ部1dからスラスト部1bを冷却しないように、圧縮空気をフィレットR部1aの終端部に吹き付ける等により水切りを行い、冷却範囲を制御する。
また、ジャーナル2の焼入れ時のカウンタウェイトのない部分(図3の円で囲んだa部)の冷却時においても同様の装置構成にて実施した。装置構成は類似のため、ここでは説明を省略するが、実施結果のみ下記に示す。
(2)実施条件
実施例に用いた焼入れ条件を以下に示す。
周波数:20kHz、出力:100〜150kW、加熱時間:5sec、冷却時間:15sec、ワーク回転数:50rpm、冷却剤:水溶性ポリマー10%、冷却剤流量密度:10000L/m2 ・min、フィレットR部の焼入れ深さ:1.0〜3.0mm、焼入れ後の硬さ:HV650〜700。
(3)評価方法
焼入れ直後の焼割れ、およびpH1.0の塩酸浸漬1時間後、200時間放置した後の置割れ発生有無で評価した。評価位置は、図5に示すような、フィレットR部からスラスト部にかけての位置とした。
(4)結果
評価を下記表1及び表2に示す。下記表1はピンを焼入れした場合、表2はジャーナルを焼入れした場合の結果を示したもので、表中の割れ無は、焼割れ及び置割れ共に発生しなかったものを、割れ有は、置割れが発生したものを意味する。
上記の表1及び表2より明らかなように、本発明を実施することにより、クランク軸の高周波焼入れにおいて、冷却方法と冷却範囲を適正化でき、焼割れ、置割れの原因となる応力低減、及び、割れ防止を図れることが明らかとなった。すなわち、前記引張応力を低減するためには、冷却方法と冷却範囲を変更することがポイントであり、この冷却方法と冷却範囲を適正に行うことで、高周波焼入れを行っても、焼割れや置割れの発生が抑制でき、高周波焼入れ後の焼戻し省略による生産性向上、かつ、割れ発生による不良コスト低減を図ることができる。
上記の実施例は、同じタイミングで冷却したものについてのものであるが、ピンの肩部やトップ部を先行して冷却した場合も、同様の結果が得られる。この場合、ピンの肩部やトップ部冷却の先行時間はマルテンサイト変態開始温度への到達時間で規定されるため、加熱条件や冷却条件、クランク軸の形状等に依存し、これら条件ごとにこの先行時間は異なる。
本発明は、他のタイプのクランク軸(直列3気筒、直列6気筒、V型6気筒、V型8気筒等)にも適用できることは言うまでもない。
また、本発明は、ピンのスラスト部のみを冷却せずに、ピンの円筒部、フィレットR部や、肩部、トップ部のみを冷却することによって、スラスト部からトップ部付近のマルテンサイト変態による体積膨張時期が遅れるため、フィレットR部の終端部の引張応力が大幅に低下する。これは、カウンタウェイトのない場合のジャーナル部に関しても同様である。
本発明は、前記の各例に示した実施形態に限るものではなく、各請求項に記載の技術的思想の範囲であれば、その実施形態の変更は任意である。
以上の本発明は、クランク軸素材の焼入れに限らず、同様の複雑な形状をした素材の焼入れにも適用できる。
本発明において実施する冷却範囲を説明する図であり、(a)(b)は見る方向を異ならせた斜視図、(c)は正面図、(d)は(c)の要部拡大図である。 本発明の冷却態様の説明図である。 冷却手段の説明図で、(a)はピンのトップ部がコイル側にある場合、(b)はクランク軸の軸方向から見た第2の冷却手段の図である。 第1の冷却手段の要部拡大説明図である。 第2の冷却手段の要部拡大説明図である。 ピン頂上部とジャーナル頂上部を説明する図である。 実態クランク軸でのピンに発生した焼割れ、置割れ現象を示す図である。 従来の焼入れ状態を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面から見た図、(c)は(a)の要部拡大図である。 金属組織並びに力学的な観点から見た焼割れ、置割れの発生メカニズムを示した図で、冷却開始からの時間と、フィレットR部からスラスト部にかけての最大主応力及びマルテンサイト分率との関係を示した図である。 (a)〜(d)は冷却開始から最終状態までのフィレットR部からスラスト部にかけての最大主応力の変化を順を追って示した図である。 クランク軸のピン及びジャーナルの焼入れ後における硬化層範囲Bの例を示した図である。
符号の説明
1 ピン
1a フィレットR部
1b スラスト部
1c 円筒部
1d トップ部
1e 肩部
2 ジャーナル
2a フィレットR部
2b スラスト部
2c 円筒部
2d フィレットR部
3 コイル
4 カウンタウェイト
5 アーム部
11 第1の冷却手段
12 第2の冷却手段

Claims (8)

  1. クランク軸の表面を焼入れする方法であって、
    ピン及び/又はジャーナルの加熱後の冷却を行う際、
    前記ピン及び/又はジャーナルの円筒部、フィレットR部のみを冷却することを特徴とするクランク軸の焼入れ方法。
  2. 請求項1に記載のクランク軸の焼入れ方法において、
    さらに、前記ピン及び/又はジャーナルの肩部も併せて冷却することを特徴とするクランク軸の焼入れ方法。
  3. 請求項1又は2に記載のクランク軸の焼入れ方法において、
    さらに、前記ピン及び/又はジャーナルのトップ部も併せて冷却することを特徴とするクランク軸の焼入れ方法。
  4. クランク軸の表面を焼入れするための装置であって、
    ピン及び/又はジャーナルのスラスト部に冷却剤がかからないようにするための手段を備えたことを特徴とするクランク軸の焼入れ装置。
  5. クランク軸の表面を焼入れするための装置であって、
    ピン及び/又はジャーナルの円筒部、フィレットR部を冷却するための第1の冷却手段及び前記ピン及び/又はジャーナルのスラスト部に冷却剤がかからないようにするための手段を備えた高周波加熱コイルと、
    該高周波加熱コイルとは独立した冷却手段であって、前記ピン及び/又はジャーナルの肩部及び/又はトップ部を冷却するための第2の冷却手段とを備えたことを特徴とするクランク軸の焼入れ装置。
  6. 前記第2の冷却手段にも、前記ピン及び/又はジャーナルのスラスト部に冷却剤がかからないようにするための手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のクランク軸の焼入れ装置。
  7. 請求項4〜6の何れかに記載のクランク軸の焼入れ装置において、
    前記スラスト部に冷却剤がかからないようにするための手段が圧縮空気を噴射するノズルであることを特徴とするクランク軸の焼入れ装置。
  8. 請求項1〜3の何れかに記載の焼入れ方法により、クランク軸の表面を焼入れ硬化することを特徴とするクランク軸の製造方法。
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