JPH03267347A - 高速回転部材 - Google Patents

高速回転部材

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JPH03267347A
JPH03267347A JP6613090A JP6613090A JPH03267347A JP H03267347 A JPH03267347 A JP H03267347A JP 6613090 A JP6613090 A JP 6613090A JP 6613090 A JP6613090 A JP 6613090A JP H03267347 A JPH03267347 A JP H03267347A
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JP
Japan
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graphite
pearlite
speed rotating
rotating member
hardening
Prior art date
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Application number
JP6613090A
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English (en)
Inventor
Taisei Ueno
上野 大成
Kimiteru Otsuka
公輝 大塚
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高負荷を受けて回転する高速回転部材に関する
ものである。
〔従来の技術〕
D OHC型ガソリンエンジン、ターボ加給器付エンジ
ン、高回転型ディーゼルエンジン等のクランク軸に用い
られる高負荷を受けて高速回転する部材は、最小膜厚が
1μm程度の薄い油膜の層を介したすべり軸受で支えら
れている。従来、これらの高速回転部材には、軸受の摩
耗、焼付き等の有害な問題に対して優位な特性を持った
鍛鋼製部材が使用されている。球状黒鉛鋳鉄部材が用い
られることもあるが、これらは軸受性能の面からかなり
劣っていた。
以下にその理由を説明する。
高強度かつ高耐摩耗性が要求されるクランクシャフト等
に用いられる球状黒鉛鋳鉄は、従来からCu、Sn等を
適量添加してパーライト化を促進させた材料を使用して
いるが、運転中に発生する多大な衝撃過重に対し折損し
ないよう高い靭性が求められる。このため高靭性をも兼
ね備えた合金組成でなければならず、靭性を低下させる
Cu、Sn等の元素の添加量には制限があり、この場合
黒鉛を囲むようにフェライトが析出した組織となる。フ
ェライトは比較的粘りがある組織であり、仕上研削加工
やラッピング加工時に表層部の黒鉛周囲に基地組織がば
りとして毛羽立ち、数μm−10数μmの突出物ができ
る。
すべり軸受によって支えられている上記高速回転部材は
、潤滑油によって形成される油膜が1μm程度まで薄く
なるため、回転部材の摺動面状に突出するものが存在す
ると、正常な油膜が形成されないばかりでなく、油膜厚
さ以上の高さの突出物があれば軸受材と直ちに接触して
、比較的軟らかい軸受材表面を損傷することになる。こ
れが進行すると過大な摩耗を生じ、時には焼付きという
好ましからざる結果を招くことになる。このような黒鉛
まわりのはりの発生をできるだけ避けるため、先に本発
明者等は、 号≠4呻=≠、パーライトの面積率が92%以上であり
、黒鉛の平均粒径が35μm以下であり、上記パーライ
トと黒鉛との間にフェライトがなく、≠4千加工ばりを
除去し、球状黒鉛鋳鉄部材の表層部の黒鉛を表面に露出
させ、又は表面より凹んだ穴の底に埋設させ、前記黒鉛
を露出又は埋設している。
一方、黒鉛の回りにフェライトを有する通常の球状黒鉛
鋳鉄に高周波焼入等の表面硬化処理を施し、耐摩耗性を
向上させた例も見受けられる。
例えば、特開昭55−164055号公報及び特告昭5
9−11654号公報では、化学成分を限定することに
よって、基地組織中のパーライト量を適性化し、プレス
成形用型材に要求されるような表面焼入性、肉盛性(溶
接時に割れ難い)を両立させている。しかしながら、こ
の発明は、高速回転部材に必要とされる優れた機械的性
質と、すべり軸受系の性能と耐久性を向上させることを
目的とした本発明とは、発想も微視的メカニズムも異な
ったものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
高速回転部材として鍛鋼材を用いた場合、鍛造費、加工
費のいずれも鋳鉄材に比べてかなり高価であるが、現実
ではエンジン性能確保のためやむを得ず鍛鋼材を採用し
ている場合がほとんどである。ゆえに、球状黒鉛鋳鉄の
前記問題点を低コストにて解決する手段を持って実用化
すれば大きな原価低減効果が期待できる。
前記のように軸受材の摩耗、焼付き等の軸受性能を大き
く左右する因子は、回転部材表面の突出であり、球状黒
鉛鋳鉄の場合表層部の黒鉛回りに発生するぼりであるた
め、これを抑制することにより高負荷に耐える優れた高
速回転部材を実現することができる。
前記の黒鉛回りのフェライトを抑制した材料を用いるこ
とにより、加工ばりをかなり防ぐことができるが、最近
の厳しい加工条件のもとではそれによっても十分なめら
かな表面は得難くなってきている。また、黒鉛回りに生
じたはりを表面処理によって除去する方法は、特殊な装
置と多くのノウハウを必要とし、一般に使用するにはか
なりの労力を要する。
一方、黒鉛回りにフェライト環を有する通常の球状黒鉛
鋳鉄に高周波焼入、窒化等の表面硬化法を施した場合、
フェライトの部分が完全に硬化されず加工ばりを抑制す
ることができない。
本発明は、請求項1〜4に記載した特徴を持った部材に
より、表層部を表面処理によって硬化させて耐摩耗性を
向上させる手段と、黒鉛回りに生じる加工ばりを抑制し
て軸受材の損傷を防ぐ手段の両者の利点の相乗効果を得
ることによって、優れた軸受性能と強度部材としての機
械的性質を兼ねそなえた高速回転部材を比較廉価に提供
することを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、パーライトの面積率が92%以上であり、黒
鉛の平均粒径が35μm以下であり、前記パーライトと
黒鉛との間に実質的にフェライト環がなく、黒鉛が実質
的に隙間なく充填された球状黒鉛鋳鉄を素材とし、表層
部を表面処理によって硬化させることにより、上記目的
を達成したものである。
〔作用〕
本発明においては、パーライトと黒鉛の間に実質的にフ
ェライトを有しない球状黒鉛鋳鉄を素材として用いてい
るため、表層部を硬化させる高周波焼入や窒化処理等の
表面処理を施した場合、黒鉛の回りがフェライトの影響
を受けずに均一な硬化組織となる0通常の球状黒鉛鋳鉄
では黒鉛の回りにフェライトが析出しているため、この
部分が完全に硬化されず、加工の際に黒鉛回りにはりを
生じ易い。黒鉛回りに実質的にフェライト環を有しない
組織、すなわち表面硬化処理によって合理的に均一な硬
化層を得ることができる組織とするためにはパーライト
面積率が92%以上であることが必要である。また、黒
鉛の平均粒径を35μm以下に制限することにより、さ
らに加工ばりを生じ難くしている。一方、機能部材とし
てのクランクシャフト等の高速回転部材に要求される機
械的性質を達成するためには、黒鉛が隙間なく充填され
ていることが必要である。
また、上記材質を合理的に達成するためには、素材の化
学組成が重量%でC:3.O〜4゜0%、Si : 1
.8〜3.0%、Mn:0.5%以下、Mg:0.01
〜0.08%、P:0.05%以下、S:0.02%以
下、Cu:0.20〜0゜80%、残部Fe及び不可避
的不純物よりなることが好ましい。
さらに、高速回転部材に要求される強度を満足するため
には、素材の機械的性質が引張強さ80kgf/M”以
上、耐力50kgfr謳2以上、伸び5%以上、弾性係
数17800kgf /+nm”以上を有することが望
ましい。
一方、球状黒鉛鋳鉄材の表層部を硬化させる手段として
は、迅速な処理で安定した硬化が可能で、かつ一般に普
及しており、例えば鍛造部材を本発明による鋳造部材に
材質変更した場合に装置をそのまま流用できる、等の理
由により高周波焼入が最適である。
〔実施例〕
次に本発明の一実施例につき説明する。
(1)試料の製作 鉄と不可避的不純物と第1表の成分とからなる材料から
直径65m×長さ300mmの試験片を製作した。所望
の材料を得るために、試験片の温度が900℃まで下が
ったとき850℃に加熱された連続炉に入炉し10分間
保持した後、炉外へ取り出しブロアーによって75℃/
分の冷却速度で強制冷却した。
第1表     (wt%) 得られた試験片の金属組織写真を第3図に示す。
上記の製作方法によってパーライト面積率は92%以上
、黒鉛の平均粒径は35μm以下であり、黒鉛周囲にフ
ェライト環がない組織となっている。
比較のために第1表の化学成分の鋳放し品の金属組織写
真を第4図に示す。この組織は従来の球状黒鉛鋳鉄を代
表する組織で、パーライト率が85%あり、黒鉛の周囲
をフェライトが環状に取り囲んだ組織となっている。
(2)高周波焼入 まず、最初に最適な高周波焼入条件を実験的に検討した
。第5図は、基地が均一なオーステナイトになるまでの
焼入温度での保持時間と、素材のパーライト率の関係を
示したものである。高速回転部材における高周波焼入で
は、■部材の歪を最小限度に抑える、■表層部のみを硬
化させ内部の靭性は保つ、■表面に高い圧縮残留応力を
発生させ、疲労強度を向上させる等の影響や効果を考慮
した条件を設定しなければならない。このためには表層
部を比較的高い温度に高周波加熱し、できるだけ短時間
保持した後に焼入することが有効と考えられる。第5図
において、パーライト率が多くなる程、また、保持温度
が比較的高い程短時間の保持でオーステナイトが均一と
なり効果的な焼入硬化を行えることが分かる。
次に、上記の検討結果を考慮して、試験片の高周波焼入
を行った。
前記試験片の外周を直径的60mmまで荒加工し、外面
コイル型高周波誘導加熱装置を用いて、出力電力40k
W、周波数10kHzにて表面温度が900℃になるま
で加熱し、3秒保持してから焼入を行なった後、240
℃にて3時間焼戻しした。
二の結果得られた試験片の焼入硬化部の金属組織写真を
第1図に示す。黒鉛の回りがほぼ均一にマルテンサイト
化していることがわかる。
一方、比較のために従来の黒鉛の周囲にフェライトが析
出している試験片(第4図)を、前記と同一条件で高周
波焼入して得られた金属組織写真を第2図に示す。高周
波焼入の後も黒鉛の周囲のフェライトは存在しており、
また、マルテンサイト化している部分においても不均一
な組織になっていることがわかる。
これらの試験片の硬さを測定してみたところ、HMV 
500以上である深さは、本発明による材料の場合は0
. 5〜0.75mm間で安定しているが、従来材では
O−0,75とばらつきが大きいことも確認された。
さらに、上記によって高周波焼入を施された試験片の両
者の表面を同一条件によって、表面粗さRmax=1.
5μm程度まで研削仕上した。この結果、本発明による
材料でははりの発生はほとんどなく、黒鉛がきれいに丸
く表面に現われているのが確認されたが、従来材には最
大5μm程度のぼりが黒鉛をおおうように存在するのが
確認された。
(3)高速回転試験 上記の通り製作された本発明による高速回転試験片につ
いて、回転数を500Orpm、軸受負荷を1.515
kgf/cn−m/sの静荷重、軸受を自動車エンジン
用クランク軸に用いられているケルメツト製すべり軸受
とし、75時間の耐久テストを行なったところ、鍛鋼の
代表材質である8480調質材にて製作した試験片に比
べて遜色ない軸受材の耐摩耗特性を示した。このテスト
条件は848C調質材に対しても焼付き限界に近い厳し
いものであり、本発明によってR鋼製の高速回転部材に
代替できる球状黒鉛鋳鉄製高速回転部材が完成できたこ
とが示された。(試験装置については、末永、他;日立
金属技報、5 (1989)。
89、によった) 〔発明の効果〕 本発明によれば、従来高負荷を受けて高速回転する部材
の材料として軸受特性の面から不適当とされてきた球状
黒鉛鋳鉄の組織を制限し、かつ表層部を表面処理によっ
て硬化させることによって、鍛鋼なみの軸受性能を持つ
高速回転部材を得ることができる。
本発明は量産における作業においても迅速でがつ安定し
た効果を得ることができ、がっ廉価に実施することがで
き、工業的に著しい効果を得ることができるものである
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による表層部の金属組織写真、第2図は
従来材料の表層部の金属組織写真、第3図は本発明に係
る材料の表面処理前の金属組織写真、第4図は従来材料
の表面処理前の金属組織写真、第5図は焼入温度での必
要な保持時間とパーライト率の関係を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)パーライトの面積率が92%以上であり、黒鉛の
    平均粒径が35μm以下であり、前記パーライトと黒鉛
    の間に実質的にフェライト環がなく、黒鉛が実質的に隙
    間なく充填されている球状黒鉛鋳鉄を素材とし、表層部
    を表面処理によって硬化させたことを特徴とする高速回
    転部材。
  2. (2)素材の化学組成が、重量%でC:3.0〜4.0
    %、Si:1.8〜3.0%、Mn:0.5%以下、M
    g:0.01〜0.08%、P:0.05%以下、S:
    0.02%以下、Cu:0.20%〜0.80%、残部
    Fe及び不可避的不純物よりなることを特徴とする請求
    項1に記載の高速回転部材。
  3. (3)素材の引張強さ80kgf/mm^2以上、耐力
    50kgf/mm^2以上、伸び5%以上、縦弾性係数
    17800kgf/mm^2以上を有することを特徴と
    する請求項1または2に記載の高速回転部材。
  4. (4)表層部の表面処理が高周波焼入であることを特徴
    とする請求項1及び3のいずれかに記載の高速回転部材
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07268480A (ja) * 1994-02-04 1995-10-17 Mitsubishi Motors Corp 鋳鉄クランク軸
EP0776380A1 (en) * 1994-08-22 1997-06-04 The Torrington Company Surface treated iron bearing element
CN105063465A (zh) * 2015-07-30 2015-11-18 乔治费歇尔汽车产品(昆山)有限公司 一种球墨铸铁壳体的配方及其铸造工艺

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