JPH07268480A - 鋳鉄クランク軸 - Google Patents

鋳鉄クランク軸

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JPH07268480A
JPH07268480A JP4466394A JP4466394A JPH07268480A JP H07268480 A JPH07268480 A JP H07268480A JP 4466394 A JP4466394 A JP 4466394A JP 4466394 A JP4466394 A JP 4466394A JP H07268480 A JPH07268480 A JP H07268480A
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進 沼尻
Hiroshi Okamura
宏 岡村
Katsuki Nanjiyou
活己 南條
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 曲げ疲労強度及び耐摩耗性が優れた鋳鉄クラ
ンク軸を提供する。 【構成】 炭素3.4〜3.9%、シリコン1.7〜
2.4%、マンガン0.4〜0.8%、銅0.8〜1.
8%、マグネシウム0.02〜0.06%、燐0.1%
以下、硫黄0.025%以下(何れも重量%)を含み、
残部鉄からなる鋳放しクランク軸のクランクピン部及び
ジャーナル部の外周面及びフィレット部に高周波焼入れ
を施し、焼入れ層内における球状黒鉛外周のフエライト
層をほとんど消失させた鋳鉄製のクランク軸。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野)本発明は、鋳鉄クランク軸に関す
るものである。
(従来の技術)従来から自動車用エンジンの製造コスト
の低減及び軽量化を図るために、球状黒鉛鋳鉄製のクラ
ンク軸が提唱されている。上記球状黒鉛鋳鉄には、JI
S−FCD70クラスの鋳鉄が普通に採用されている
が、鋳放し粗材に必要な機械加工を施して製造されたク
ランク軸は、第2図の曲げ疲労強度を調べた線図におい
て、曲線FCDで示されているように、曲げ疲労強度
が低く、かつクランクピン部及びジャーナル部の摩耗が
大きく、更にこれらクランクピン部及びジャーナル部と
協働するコネクティングロッド及びクランクケースの軸
受メタルの摩耗が大きいことが確認された。これは第4
図(A)に示されているFCD70の鋳放し粗材の金属
組織を示した顕微鏡写真に符号fで示されているよう
に、析出した球状黒鉛gを囲んで柔らかいフエライト層
(以下フエライトリングと称する)が多量に析出するこ
とに基因することが判明した。また、上記FCD70材
の鋳放し品の曲げ疲労強度を改善すると共に耐摩耗性を
向上するために、鋳放し粗材に機械加工を施したのち、
クランクピン部及びジャーナル部に高周波焼入れを施し
研磨を行ったクランク軸について、曲げ疲労強度を調べ
たところ、上記第2図中に曲線FCD′で示されてい
るように10%程度の改善が認められるが、期待したほ
どの成果はなく、耐摩耗性の点についても僅かの向上し
か得られなかった。上記焼入れを行なったクランクピン
部及びジャーナル部の金属組織が第4図(B)に示され
ており、球状黒鉛gの外周に折出したフエライトリング
fは、鋳放し粗材よりは減っているが、なお相当量残存
し、このフエライトリングfの残存が、高周波焼入れを
行なったにも拘わず、十分な曲げ疲労強度及び耐摩耗性
の向上が得られなかった原因であると推測された。更
に、FCD70材で鋳造したクランク軸の鋳放し粗材
を、約850℃に加熱して略2時間その温度に保持し衝
風冷却によって室温まで冷却する焼準を行ったところ、
曲げ疲労強度及び耐摩耗性において可成の改善が得られ
ることが認められた。しかしながら、この場合、本質的
に多くの屈曲部を有するクランク軸の複雑な形状のため
に、クランク軸の各部を均等に衝風冷却することは実際
上難かしく、不均等な冷却に基因してクランク軸の各部
に発生した残留応力が、その後に行なわれる高周波焼入
れによって部分的に解放される際に、焼入れ変形が生じ
易いという新たな問題が生起した。上記焼入れ変形量
が、焼入れ後に行なわれる研磨加工の研磨代を超えると
寸度不良のため使用不能となるが、従来はこの不良品が
可成の率で発生するために、製造コストの増大を招く不
具合があった。
(発明が解決しようとする課題)本発明は、上記事情に
鑑み創案されたもので、曲げ疲労強度及び耐摩耗性が優
れた鋳鉄クランク軸を安価に提供することを目的とする
ものである。
(課題を解決するための手段)上記目的を達成するた
め、本発明は、炭素3.4〜3.9%,シリコン1.7
〜2.4%,マンガン0.4〜0.8%,銅0.8〜
1.2%,マグネシウム0.02〜0.06%,燐0.
1%以下、硫黄0.025%以下(何れも重量%)を含
み、残部鉄からなる鋳放しクランク軸のクランクピン部
及びジャーナル部の外周面及びフィレット部に高周波焼
入れを施し、焼入れ層内における球状黒鉛外周のフエラ
イト層をほとんど消失させたことを特徴とする鋳鉄クラ
ンク軸を提案するものである。
(作 用)本発明によれば、鋳鉄クランク軸が上記組成
を有することによって、鋳放し組織中の析出フエライト
が、マトリックス中の遊離析出分及び球状黒鉛の周りの
析出分即ちフエライトリングを含み、5%以下(面積
比)に低減し、特にフエライトリングが大巾に減少(面
積比にして1%程度)に低減する。この結果、クランク
軸の曲げ疲労強度が大巾に向上し、クランクピン部及び
ジャーナル部、これらと協働するコネクティングロッド
及びクランクケース側の軸受メタルの摩耗低減が達成さ
れる。
(実施例)以下本発明の実施例を添付図面について具体
的に説明する。先づ第1図において、符号10は後述す
る組成の粒状黒鉛鋳鉄からなるクランク軸を総括的に示
し、同クランク軸10は、クランクピン部12と、ジャ
ーナル部14と、上記ピン部12及びジャーナル部14
を結合するウエブ16とからなり、一部のウエブ16に
は、バランスウエイト18が一体的に形成されている。
上記ピン部12と、同ピン部に隣接するウエブ部分とに
わたって、略軸線方向に延在した重量軽減用の鋳抜き孔
20が形成され、また上記ジャーナル部14の端部から
ウエブ16にわたって、同じく重量軽減用の鋳抜き孔2
2が形成されている。上記ピン部12及びジャーナル部
14の外周摺動面の耐摩耗性を向上すると共に曲げ疲労
強度を改善するために、鋳造されたクランク軸の必要部
分に研磨代を残して機械加工を行ったのち、焼準等の熱
処理を行なうことなく、ピン部12の軸部12a及び同
軸部に隣接するフィレット部12bに夫々高周波焼入れ
が施され、同様にジャーナル部14の軸部14a及び同
軸部に隣接するフィレット部14bにも夫々高周波焼入
れが施される。通常の場合、上記軸部12a及び14a
には、夫々3〜5mm程度の深さの焼入れが全周にわた
り実質的に均等に行なわれ、また上記フィレット部12
b及び14bには、夫々2〜3.5mm程度の深さの焼
入れが全周にわたり実質的に均等に施される。クランク
軸10は、炭素3.4〜3.9%,シリコン1.7〜
2.4%,マンガン0.4〜0.8%,銅0.8〜1.
2%,マグネシウム0.02〜0.06%,燐0.1%
以下、硫黄0.025%以下(何れも重量%)を含み、
残部鉄からなる球状黒鉛鋳鉄によって作られている。上
記組成成分に示されているように、通常の球状黒鉛鋳鉄
より多量の銅及びマンガン、特に前者を含むことによっ
て、第3図(A)の顕微鏡写真に見られるように、鋳放
し状態で球状黒鉛gの外周に析出するフエライト即ちフ
エライトリングfが著しく少なくなり、マトリックス中
の遊離フエライトを含む全フエライト量は面積比で5%
以下に大巾に減少する。特に曲げ疲労強度及び耐摩耗性
に特に影響が大きい球状黒鉛gの周りのフエライトリン
グfは、而積比にして1%以下に減少し、このことは従
来のFCD70材の鋳放し組織を示した第4図(A)の
顕微鏡写真(全フエライト量が面積比で約10%)との
対比により明白である。次に、上記クランクピン部12
の軸部12a及びフィレット部12b、ジャーナル部1
4の軸部14a及びフィレット部14bに夫々高周波焼
入れを施すことによって、焼入れ層の金属組織が第3図
(B)の顕微鏡写真で示したように変化する。同図から
明らかなように、鋳放し状態で僅かに存在したフエライ
トリングfが、実質的に消滅してしまい、最悪の場合で
も1/10%のオーダの極く微量、換言すれば殆ど消失
してしまうことが確認された。この結果、第2図の曲げ
疲労強度を示す線図中に、曲線FCDで示されている
ように、曲げ疲労強度が、従来のFCD70材の鋳放し
品(同図に曲線FCDで示されている)と較べ、曲げ
疲労強度が70〜80%増大し、同時にフエライトリン
グの消失によってクランクピン部12及びジャーナル部
14の耐摩耗性も当然のことながら著しく向上した。ま
た、上記高周波焼入れに先立ち焼準等の熱処理が行なわ
れないので、高周波焼入れに際して焼入れ変形の発生が
少なく、不良品の発生が少ないために製造コストの大巾
な増大を招くような不具合はなかった。なお、上述した
本発明に係るクランク軸の金属組成中、特に銅の含有量
と全フエライト量との関係が第5図に示されている。同
図に曲線Frで示されているように、銅量が0.8〜
1.2%の範囲でフエライト量が5%以下になり、上述
したような優れた効果が得られる。
(発明の効果)叙上のように、本発明に係る鋳鉄クラン
ク軸は、炭素3.4〜3.9%,シリコン1.7〜2.
4%,マンガン0.4〜0.8%,銅0.8〜1.2
%,マグネシウム0.02〜0.06%,燐0.1%以
下、硫黄0.025%以下 (何れも重量%)を含み、
残部鉄からなる鋳放しクランク軸のクランクピン部及び
ジャーナル部の外周面及びフィレット部に高周波焼入れ
を施し、焼入れ層内における球状黒鉛外周のフエライト
層をほとんど消失させたことを特徴とし、鋳鉄クランク
軸の曲げ疲労強度及び耐摩耗性を大巾に改善することが
できるので、産業上極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す要部断面図、第2図は
本発明に係るクランク軸と従来の同種クランク軸の曲げ
疲労強度とを対比して示した線図、第3図(A)は本発
明に係るクランク軸の鋳放し粗材の金属組織を示した写
真、第3図(B)は第3図(A)に示した鋳放し粗材に
高周波焼入れを施したものの金属組織を示した写真、第
4図(A)は従来のFCD70材を用いたクランク軸の
鋳放し粗材の金属組織を示した写真、第4図(B)は第
2図の鋳放し素材に高周波焼入れを施したものの金属組
織を示した写真、第5図は球状黒鉛鋳鉄の組成中銅の含
有量と鋳造粗材中のフエライト量との関係を示した線図
である。 10…クランク軸、12…クランクピン部、14…ジャ
ーナル部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素3.4〜3.9%,シリコン1.7〜
    2.4%,マンガン0.4〜0.8%,銅0.8〜1.
    2%,マグネシウム0.02〜0.06%,燐0.1%
    以下、硫黄0.025%以下(何れも重量%)を含み、
    残部鉄からなる鋳放しクランク軸のクランクピン部及び
    ジャーナル部の外周面及びフィレット部に高周波焼入れ
    を施し、焼入れ層内における球状黒鉛外周のフエライト
    層をほとんど消失させたことを特徴とする鋳鉄クランク
    軸。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013503975A (ja) * 2009-10-05 2013-02-04 バイエリッシュ モトーレン ヴェルケ アクチエンゲゼルシャフト 鋳鉄鋳造部品およびその製造方法

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