JP2019157880A - コンロッド、内燃機関およびコンロッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大端部の内周面における転動疲労強度に優れ、且つ、従来よりも低コストで製造し得るコンロッドを提供する。【解決手段】コンロッド(1)は、鋼から形成され、ロッド本体部(10)と、ロッド本体部の一端に設けられた小端部(20)と、ロッド本体部の他端に設けられた大端部(30)とを備え、大端部の少なくとも内周面(30a)が焼入れされている一体型のコンロッドである。大端部の内周面のビッカース硬さHVが700以上であり、大端部は、焼入れされていない未焼入れ部(nq)を外周面(30b)に有する。【選択図】図2
Description
本発明は、コンロッドに関し、特に、鋼から形成された一体型のコンロッドに関する。または、本発明は、そのようなコンロッドを備えた内燃機関やそのようなコンロッドの製造方法にも関する。
内燃機関には、ピストンとクランクシャフトとを連結するためにコンロッド(あるいはコネクティングロッド)と呼ばれる部材が用いられている。コンロッドは、棒状のロッド本体部と、ロッド本体部の一端に設けられた小端部と、ロッド本体部の他端に設けられた大端部とを備える。小端部がピストンに接続されるのに対し、大端部はクランクシャフトに接続される。より具体的には、小端部に形成された貫通孔にピストンのピストンピンが挿通される。また、大端部に形成された貫通孔にクランクシャフトのクランクピンが挿通される。これにより、コンロッドがピストンおよびクランクシャフトに接続される。
コンロッドは、大端部が2つに分割された分割型と、大端部が分割されていない一体型とに大別される。一体型コンロッドは、主に単気筒の内燃機関に用いられる。
一体型コンロッドの大端部の内周面とクランクピンとの間には、フリクションロスを低減するためにニードルベアリングが配置される。内燃機関の運転時にピストンを経由して伝わる爆発力は、コンロッドを転がり軸受けに押し付けるので、大端部の内周面には、大きな応力が発生する。この応力が過大な場合、大端部の内周面には、フレーキング(flaking)と呼ばれる疲労破壊現象が発生する。
転動疲労によるフレーキングが発生すると、不快な音と振動が発生し、内燃機関や車両の商品性および快適性を損なってしまう。そのため、コンロッドにはフレーキングが発生しないことが求められる。
従来、フレーキングの発生を抑制して長寿命化を実現するために、肌焼鋼(例えばSCM420)から形成されたコンロッドに対し、浸炭処理を施すことが一般に行われている。浸炭処理によってコンロッドの表面から炭素を浸透させることにより、表面近傍の炭素濃度が高くなる。そのため、焼入れ後に表面硬度が高くなり、そのことによりフレーキングの発生が抑制される。
図15に、一体型コンロッドの製造工程の例を示す。図15に示す例では、まず、素材である鋼としてSCM420を用意する。次に、用意した鋼を鍛造によってコンロッドの形状に成形し、続いて、焼準を行う。
次に、成形体の表面に銅めっきを施し、その後、所定の機械加工を行うことによって小端部の貫通孔や大端部の貫通孔などを形成する。
続いて、浸炭、焼入れおよび焼戻しを順次行う。このとき、大端部の内周面などのめっき層によって覆われていない部分(機械加工の際の切削によりめっき層が除去された部分)は、浸炭によって表面付近の炭素量が多くなるので、硬化する。一方、ロッド本体部などのめっき層によって覆われている部分(つまり浸炭防止処理が施されている部分)は、浸炭によっても炭素量がほとんど多くならないので、ほとんど硬化しない。
その後、仕上げ加工を施されてコンロッドが完成する。上述した方法(以下では「防炭法」と呼ぶ)によれば、ロッド本体部の硬さの上昇を抑えつつ、大端部の内周面の硬さを高くすることができるので、ロッド本体部の靭性を確保しつつ、フレーキングの発生を抑制することができる。つまり、転動疲労強度が向上する。
特許文献1には、上述した防炭法とは異なる方法が開示されている。特許文献1の方法では、コンロッド全体に浸炭処理が行われた後、高周波誘導加熱により局所的な焼戻しが行われる。高周波誘導加熱による局所的焼戻しを行う工程を含む製造方法を、以下では「高周波焼戻し法」と呼ぶ。
図16に、高周波焼戻し法を用いる場合の製造工程の例を示す。図16に示す例では、まず、素材である鋼としてSCM420を用意する。次に、用意した鋼を鍛造によってコンロッドの形状に成形し、続いて、焼準を行う。
次に、所定の機械加工を行うことによって小端部の貫通孔や大端部の貫通孔などを形成し、浸炭、焼入れおよび焼戻しを順次行う。このとき、コンロッド全体が硬化する。
続いて、高周波誘導加熱による局所的な焼戻しを行う。この焼戻しは、少なくともロッド本体部に対して行われ、大端部に対しては行われない。その後、仕上げ加工を施されてコンロッドが完成する。
上述した高周波焼戻し法を用いる場合でも、大端部の内周面が浸炭処理によって硬化されることにより、転動疲労強度が向上する。また、局所的な焼戻しによって、ロッド本体部の硬さを選択的に低下させることができるので、防炭法のように銅めっき層の形成や除去を行うことなく、ロッド本体部を靭性と曲げ強度のバランスのよい硬さにすることができる。
最近では、一体型コンロッドには、さらなる低コスト化が要望されており、上述した防炭法および高周波焼戻し法では、必ずしもその要望に応えることができない。また、高周波焼戻し法では、浸炭のばらつきに加えて高周波熱処理のばらつきも加わるため、品質がばらつくおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、大端部の内周面における転動疲労強度に優れ、且つ、従来よりも低コストで製造し得るコンロッドを提供することにある。
本発明の実施形態によるコンロッドは、鋼から形成され、ロッド本体部と、前記ロッド本体部の一端に設けられた小端部と、前記ロッド本体部の他端に設けられた大端部と、を備え、前記大端部の少なくとも内周面が焼入れされている一体型のコンロッドであって、前記大端部の前記内周面のビッカース硬さHVが700以上であり、前記大端部は、焼入れされていない未焼入れ部を外周面に有する。
ある実施形態では、前記未焼入れ部は、前記外周面の、前記大端部の軸方向における中心から両側に向かって延びており、前記大端部の前記軸方向に沿った長さd1と、前記未焼入れ部の前記軸方向に沿った長さd2とは、0.4d1≦d2<d1の関係を満足する。
ある実施形態では、前記未焼入れ部のビッカース硬さHVは400以下である。
ある実施形態では、本発明のコンロッドは、0.62質量%以上0.68質量%以下のC、0.10質量%以上1.00質量%以下のSi、0.20質量%以上1.00質量%以下のMn、0.030質量%以下のP、0.030質量%以下のS、0.01質量%以上0.1質量%以下のCu、0.01質量%以上0.1質量%以下のNi、0.05質量%以上1.00質量%以下のCr、0.30質量%以下のAlおよび0.03質量%以下のNを含有する鋼から形成されている。
本発明の実施形態による内燃機関は、上述したいずれかの構成を有するコンロッドを備える。
本発明の実施形態によるコンロッドの製造方法は、ロッド本体部と、前記ロッド本体部の一端に設けられた小端部と、前記ロッド本体部の他端に設けられた大端部とを備えた一体型のコンロッドの製造方法であって、前記ロッド本体部、前記小端部および前記大端部を含むコンロッドを、鋼から形成する工程(A)と、前記工程(A)の後に、前記大端部の少なくとも内周面に対して焼入れを行う工程(B)と、を包含し、前記工程(B)は、前記大端部を高周波誘導加熱により加熱する加熱工程と、前記大端部を前記外周面側から冷却する第1冷却工程であって、前記加熱工程の開始から所定時間遅れて開始され前記加熱工程と並行して行われる第1冷却工程と、前記加熱工程および前記第1冷却工程の終了後に、所定の冷却速度で前記大端部を冷却する第2冷却工程と、を含む。
ある実施形態では、前記第1冷却工程は、前記外周面の、前記大端部の軸方向における略中心に冷却水を噴射することによって行われる。
ある実施形態では、前記第2冷却工程における前記所定の冷却速度は、200℃/秒以上である。
ある実施形態では、前記工程(B)は、前記大端部の前記内周面のビッカース硬さHVが700以上となり、且つ、前記大端部が、焼入れされていない未焼入れ部を外周面に有するように行われる。
ある実施形態では、前記工程(B)は、前記未焼入れ部が、前記外周面の、前記大端部の軸方向における中心から両側に向かって延びており、前記大端部の前記軸方向に沿った長さd1と、前記未焼入れ部の前記軸方向に沿った長さd2とが、0.4d1≦d2<d1の関係を満足するように行われる。
ある実施形態では、前記工程(A)において、前記コンロッドは、0.62質量%以上0.68質量%以下のC、0.10質量%以上1.00質量%以下のSi、0.20質量%以上1.00質量%以下のMn、0.030質量%以下のP、0.030質量%以下のS、0.01質量%以上0.1質量%以下のCu、0.01質量%以上0.1質量%以下のNi、0.05質量%以上1.00質量%以下のCr、0.30質量%以下のAlおよび0.03質量%以下のNを含有する鋼から形成される。
ある実施形態では、本発明のコンロッドの製造方法は、前記大端部に対して浸炭処理を行う工程を包含しない。
以下、本発明の実施形態の作用・効果を説明する。
本発明の実施形態によるコンロッドでは、大端部の少なくとも内周面が焼入れされており、焼入れによる硬化によって、大端部の内周面のビッカース硬さHVが700以上とされている。これにより、十分な転動疲労強度が得られる。また、本発明の実施形態によるコンロッドは、コンロッドの一部に対して選択的な焼入れが可能な方法(例えば高周波誘導加熱による焼入れ)を用いることにより、浸炭処理を行うことなく製造することができるので、低コスト化を図ることができる。さらに、本発明の実施形態によるコンロッドでは、大端部が焼入れされていない未焼入れ部を外周面に有しているので、大端部の靱性を確保し、焼割れの発生を防止することができる。
未焼入れ部は、外周面の、大端部の軸方向における中心から両側に向かって延びる。焼割れの発生をより確実に防止する観点からは、未焼入れ部のサイズがある程度大きいことが好ましく、具体的には、未焼入れ部の軸方向に沿った長さd2は、大端部の軸方向に沿った長さd1の40%以上である(0.4d1≦d2)ことが好ましい。また、大端部のスラスト面は、クランクシャフトのスラスト面に接触する部分であるので、十分な硬さを有していることが好ましい。そのため、大端部のスラスト面全体に焼入れがなされていることが好ましいので、未焼入れ部の軸方向に沿った長さd2は、大端部の軸方向に沿った長さd1よりも小さい(d2<d1)ことが好ましい。このように、大端部の軸方向に沿った長さd1と、未焼入れ部の軸方向に沿った長さd2とは、0.4d1≦d2<d1の関係を満足することが好ましい。
未焼入れ部は、焼入れされていない部分であるので、大端部の内周面よりも硬さが低い。未焼入れ部のビッカース硬さHVは、例えば400以下である。
本発明の実施形態によるコンロッドは、0.62質量%以上0.68質量%以下のC、0.10質量%以上1.00質量%以下のSi、0.20質量%以上1.00質量%以下のMn、0.030質量%以下のP、0.030質量%以下のS、0.01質量%以上0.1質量%以下のCu、0.01質量%以上0.1質量%以下のNi、0.05質量%以上1.00質量%以下のCr、0.30質量%以下のAlおよび0.03質量%以下のNを含有する鋼から形成されていることが好ましい。鋼のC(炭素)含有量が0.62質量%以上0.68質量%以下であることにより、大端部の内周面の硬度を十分に高くしつつ、焼割れの発生をより確実に抑制することができる。
本発明の実施形態によるコンロッドは、各種の内燃機関に好適に用いられる。
本発明の実施形態によるコンロッドの製造方法では、大端部の少なくとも内周面に対して焼入れを行う工程(B)が、大端部を高周波誘導加熱により加熱する加熱工程と、大端部を外周面側から冷却する第1冷却工程であって、加熱工程の開始から所定時間遅れて開始され加熱工程と並行して行われる第1冷却工程と、加熱工程および第1冷却工程の終了後に、所定の冷却速度で前記大端部を冷却する第2冷却工程とを含む。このように、焼入れ工程(工程(B))において、加熱工程と並行して第1冷却工程が行われることにより、大端部の内周面を十分に硬化させつつ、大端部の外周面の一部を実質的に焼入れがなされないままとすることができる。そのため、本発明の実施形態による製造方法によれば、十分な転動疲労強度が得られるとともに、焼割れの発生を防止することができる。
第1冷却工程は、外周面の、大端部の軸方向における略中心に冷却水を噴射することによって好適に行うことができる。
大端部の内周面を十分に硬化させる観点からは、第2冷却工程における冷却速度(Ms点までの冷却速度)は、200℃/秒以上であることが好ましい。
工程(B)(焼入れ工程)は、大端部の内周面のビッカース硬さHVが700以上となり、且つ、大端部が、焼入れされていない未焼入れ部を外周面に有するように行われることが好ましい。大端部の内周面のビッカース硬さHVが700以上であることにより、十分な転動疲労強度が得られる。また、大端部が焼入れされていない未焼入れ部を外周面に有していることにより、大端部の靱性を確保し、焼割れの発生を防止することができる。
焼割れの発生をより確実に防止する観点からは、未焼入れ部のサイズがある程度大きいことが好ましく、具体的には、未焼入れ部の軸方向に沿った長さd2は、大端部の軸方向に沿った長さd1の40%以上である(0.4d1≦d2)ことが好ましい。また、大端部のスラスト面は、クランクシャフトのスラスト面に接触する部分であるので、十分な硬さを有していることが好ましい。そのため、大端部のスラスト面全体に焼入れがなされていることが好ましいので、未焼入れ部の軸方向に沿った長さd2は、大端部の軸方向に沿った長さd1よりも小さい(d2<d1)ことが好ましい。このように、工程(B)は、大端部の前記軸方向に沿った長さd1と、未焼入れ部の軸方向に沿った長さd2とが、0.4d1≦d2<d1の関係を満足するように行われることが好ましい。
工程(A)において、コンロッドは、0.62質量%以上0.68質量%以下のC、0.10質量%以上1.00質量%以下のSi、0.20質量%以上1.00質量%以下のMn、0.030質量%以下のP、0.030質量%以下のS、0.01質量%以上0.1質量%以下のCu、0.01質量%以上0.1質量%以下のNi、0.05質量%以上1.00質量%以下のCr、0.30質量%以下のAlおよび0.03質量%以下のNを含有する鋼から形成されることが好ましい。鋼のC(炭素)含有量が0.62質量%以上0.68質量%以下であることにより、大端部の内周面の硬度を十分に高くしつつ、焼割れの発生をより確実に抑制することができる。
本発明の実施形態によるコンロッドの製造方法は、大端部に対して浸炭処理を行う工程を包含しないことが好ましい。浸炭処理を行う工程を包含しないことにより、低コスト化を図ることができる。
本発明の実施形態によると、大端部の内周面における転動疲労強度に優れ、且つ、従来よりも低コストで製造し得るコンロッドを提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1(a)および(b)に、本実施形態におけるコンロッド1を示す。図1(a)は、コンロッド1を模式的に示す平面図である。図1(b)は、図1(a)中の1B−1B’線に沿った断面図である。
コンロッド1は、図1(a)および(b)に示すように、ロッド本体部10と、ロッド本体部10の一端に設けられた小端部20と、ロッド本体部10の他端に設けられた大端部30とを備える。
ロッド本体部(軸部)10は、棒状である。ロッド本体部10の断面形状は、典型的には、略H字状である。
小端部20は、ピストンピンを通すための貫通孔(ピストンピン孔)22を有する。小端部20は、ピストンピンを介してピストンに接続される。小端部20の内周面(ピストンピン孔22の外縁を規定する面)20aは、典型的には、ベアリングを介さずにピストンピンと接触する。
大端部30は、クランクピンを通すための貫通孔(クランクピン孔)32を有している。大端部30は、クランクピンを介してクランクシャフトに接続される。クランクピン孔32内には、典型的には、転がり軸受けが配置されるため、大端部30の内周面(クランクピン孔32の外縁を規定する面)30aは、転がり軸受けと接触する。コンロッド1は、大端部30が2つに分割されていない、一体型のコンロッドである。
以下の説明においては、ロッド本体部10の延びる方向を「長手方向」と呼び(図1中の方向X)、ピストンピン孔22およびクランクピン孔32の中心軸の方向を「軸方向」と呼ぶ(図1中の方向Y)。また、長手方向および軸方向に直交する方向を「幅方向」と呼ぶ(図1中の方向Z)。
コンロッド1は、鋼(鉄合金)から形成されている。より具体的には、コンロッド1は、一般的な肌焼鋼よりも炭素含有量が多い鋼から形成されている。
本実施形態のコンロッド1では、大端部30の少なくとも内周面30aが焼入れされている。焼入れにより、大端部30の内周面30aは硬化されており、具体的には、大端部30の内周面30aのビッカース硬さHV(表面硬度)が700以上とされている。
焼入れは、コンロッド1の一部に対して選択的に行われる。コンロッド1のロッド本体部10および小端部20は、焼入れされていない。このような選択的な焼入れは、高周波誘導加熱により好適に行うことができる。なお、後に詳述するように、コンロッド1の製造の際に、浸炭処理は行われない。
また、本実施形態のコンロッド1では、大端部30にも焼入れされていない部分が存在する。図2は、大端部30を拡大して示す断面図である。大端部30は、図2に示すように、焼入れされていない未焼入れ部nqを外周面30bに有する。未焼入れ部nqは、外周面30bの軸方向Yにおける中心から両側に向かって延びている。未焼入れ部nqの軸方向Yに沿った長さd2は、大端部30の軸方向Yに沿った長さd1よりも小さい(d2<d1)。つまり、未焼入れ部nqは、大端部30のスラスト面30cには達していない。さらに言い換えると、内周面30a全体に加えてスラスト面30c全体にも焼入れがなされている。
未焼入れ部nqは、焼入れされていない部分であるので、内周面30aやスラスト面30cよりも硬さが低い。具体的には、未焼入れ部nqのビッカース硬さHVは、400以下である。
上述したように、本実施形態のコンロッド1では、大端部30の少なくとも内周面30aが焼入れされており、焼入れによる硬化によって、大端部30の内周面30aのビッカース硬さHVが700以上とされている。これにより、後に検証結果を交えて説明するように、十分な転動疲労強度が得られる。
また、本実施形態のコンロッド1は、コンロッド1の一部に対して選択的な焼入れが可能な方法(例えば高周波誘導加熱による焼入れ)を用いることにより、浸炭処理を行うことなく製造することができるので、低コスト化を図ることができる。
さらに、本実施形態のコンロッド1では、大端部30が焼入れされていない未焼入れ部nqを外周面30bに有することにより、以下の効果が得られる。
本願発明者の検討によれば、図3に示すように、大端部30が外周面30bに未焼入れ部nqを有していない場合、つまり、大端部30がその全体にわたって焼入れされている場合、大端部30に焼割れが発生するおそれがあることがわかった。焼割れとは、焼入れの過程で発生する割れであり、焼入応力を主な原因とする。
これに対し、本実施形態のように、大端部30が未焼入れ部nqを外周面30bに有することにより、大端部30の靱性を確保し、焼割れの発生を防止することができる。
焼割れの発生をより確実に防止する観点からは、未焼入れ部nqのサイズがある程度大きいことが好ましく、具体的には、未焼入れ部nqの軸方向Yに沿った長さd2は、大端部30の軸方向Yに沿った長さd1の40%以上である(0.4d1≦d2)ことが好ましい。
また、大端部30のスラスト面30cは、クランクシャフトのスラスト面に接触する部分であるので、十分な硬さを有していることが好ましい。そのため、大端部30のスラスト面30c全体に焼入れがなされていることが好ましいので、未焼入れ部nqの軸方向Yに沿った長さd2は、本実施形態のように、大端部30の軸方向Yに沿った長さd1よりも小さい(d2<d1)ことが好ましい。図4に示すように、未焼入れ部nqがスラスト面30cに達していると(つまりd2=d1であると)、大端部30のスラスト面30cの硬さが不足するおそれがある。
このように、大端部30の軸方向Yに沿った長さd1と、未焼入れ部nqの軸方向Yに沿った長さd2とは、0.4d1≦d2<d1の関係を満足することが好ましい。
コンロッド1の材料である鋼は、0.62質量%以上0.68質量%以下のC(炭素)、0.10質量%以上1.00質量%以下のSi(シリコン)、0.20質量%以上1.00質量%以下のMn(マンガン)、0.030質量%以下のP(リン)、0.030質量%以下のS(硫黄)、0.01質量%以上0.1質量%以下のCu(銅)、0.01質量%以上0.1質量%以下のNi(ニッケル)、0.05質量%以上1.00質量%以下のCr(クロム)、0.30質量%以下のAl(アルミニウム)および0.03質量%以下のN(窒素)を含有する(残部はFe(鉄)および不可避不純物である)ことが好ましい。後に検証結果を参照しながら詳述するように、鋼の炭素含有量が0.62質量%以上0.68質量%以下であることにより、転動疲労強度の確保と焼割れの防止とを両立することが容易となる。
続いて、図5を参照しながら、本実施形態のコンロッド1の製造方法を説明する。図5は、コンロッド1の製造方法の例を示すフローチャートである。
まず、ロッド本体部10、小端部20および大端部30を含むコンロッド(ワークピース)1を、鋼から形成する(工程S1〜S4)。具体的には、まず、素材である鋼を用意する(工程S1)。ここでは、既に説明した組成の鋼、つまり、0.62質量%以上0.68質量%以下のC、0.10質量%以上1.00質量%以下のSi、0.20質量%以上1.00質量%以下のMn、0.030質量%以下のP、0.030質量%以下のS、0.01質量%以上0.1質量%以下のCu、0.01質量%以上0.1質量%以下のNi、0.05質量%以上1.00質量%以下のCr、0.30質量%以下のAlおよび0.03質量%以下のNを含有する(残部はFeおよび不可避不純物である)鋼を用意する。
次に、用意した鋼を鍛造によってコンロッド1の形状に成形し(工程S2)、続いて、調質を行う(工程S3)。
その後、所定の機械加工を行うことによって小端部20のピストンピン孔22や大端部30のクランクピン孔32などを形成する(工程S4)。
続いて、大端部30の少なくとも内周面30aに対して焼入れを行う(工程S5)。この局所的な焼入れは、高周波誘導加熱により行われる。焼入れ工程S5については後に詳述する。
次に、焼戻し(工程S6)および仕上げ加工(工程S7)を順次行うことによってコンロッドが完成する。
本実施形態の製造方法における焼入れ工程S5は、大端部30を高周波誘導加熱により加熱する加熱工程を含む。焼入れ工程S5は、さらに、第1冷却工程および第2冷却工程を含む。
第1冷却工程は、大端部30を外周面30b側から冷却する工程である。第1冷却工程は、加熱工程の開始から所定時間遅れて開始され、加熱工程と並行して行われる。
第2冷却工程は、所定の冷却速度で大端部30を冷却する工程であり、加熱工程および第1冷却工程の終了後に行われる。
ここで、図6(a)、(b)、図7(a)、(b)、(c)および図8を参照しながら、上述した加熱工程、第1冷却工程および第2冷却工程を含む焼入れ工程S5をより詳しく説明する。図6(a)および(b)は、焼入れ工程S5に用いられる高周波誘導加熱装置80を模式的に示す図である。図7(a)、(b)および(c)は、それぞれ加熱工程、第1冷却工程および第2冷却工程が行われている様子を示す図である。図8は、焼入れ工程S5における加熱工程、第1冷却工程および第2冷却工程のタイムチャートの例である。
高周波誘導加熱装置80は、図6(a)および(b)に示すように、加熱コイル81と、第1冷却ジャケット82と、制御部83と、第2冷却ジャケット84とを備える。図6(a)は、コンロッド(ワークピース)1の周囲に第1冷却ジャケット82が配置された状態を示す平面図であり、図6(b)は、コンロッド1の周囲に第2冷却ジャケット84が配置された状態を示す断面図である。
加熱コイル81は、被加熱物(ここではコンロッド1)を加熱するための部材である。高周波電流が加熱コイル81に流されることにより、被加熱物の内部に誘導電流が流れ、被加熱物が加熱(昇温)される)。焼入れ工程S5において、コンロッド1は、加熱コイル81が大端部30のクランクピン孔32内に位置するように配置される。加熱コイル81の下部は、閉塞部材81aによって塞がれている。
第1冷却ジャケット82および第2冷却ジャケット84は、加熱された被加熱物を冷却するための部材である。第1冷却ジャケット82は、略円環状であり、第1冷却工程において、コンロッド1の大端部30を包囲している。第1冷却ジャケット82は、その内周面に、周方向に沿って配置された複数の冷却水噴射口82aを有している。冷却水噴射口82aから冷却水が噴射されることにより、冷却が行われる。なお、冷却水噴射口82aの個数および配置は、図6(a)に示した例に限定されない。
第2冷却ジャケット84は、コンロッド1の大端部30の上面および側面(外周面30b)を冷却するための上側面冷却ジャケット84Aと、大端部30の下面を冷却するための下面冷却ジャケット84Bと、大端部30の内周面30aを冷却するための内周面冷却ジャケット84Cとを含む。第2冷却工程において、上側面冷却ジャケット84Aは、大端部30の上方に配置される。また、下面冷却ジャケット84Bは、大端部30の下方に配置され、内周面冷却ジャケット84Cは、ピストンピン孔32の上方に配置される。上側面冷却ジャケット84A、下面冷却ジャケット84Bおよび内周面冷却ジャケット84Cのそれぞれは、1つまたは複数の冷却水噴射口84aを有している。冷却水噴射口84aから冷却水が噴射されることにより、冷却が行われる。なお、冷却水噴射口84aの個数および配置は、図6(b)に示した例に限定されない。
制御部83は、加熱コイル81、第1冷却ジャケット82および第2冷却ジャケット84の動作を制御する。制御部83は、例えばコンピュータであり、CPU、ROM、RAMなどを有する。
高周波誘導加熱装置80を用いた焼入れ工程S5は、具体的には、以下のようにして行われる。
まず、図7(a)に示すように、加熱コイル81が大端部30内に位置するようにコンロッド1がセットされた状態で、加熱コイル81による大端部30の加熱が開始される(加熱工程の開始)。図7(a)では、大端部30が加熱される様子を模式的に実線の矢印で示している。また、図8に示す例では、加熱工程は、約7.5秒行われる。
次に、加熱工程の開始から所定時間(以下では「開始遅延時間」と呼ぶ)遅れたタイミングで、図7(b)に示すように、第1冷却ジャケット82による大端部30の外周面30b側からの冷却が開始される(第1冷却工程の開始)。第1冷却工程は、第1冷却ジャケット82の冷却水噴射口82aから冷却水を、外周面30bの軸方向Yにおける略中心に噴射することによって行われる。図7(b)では、大端部30が加熱される様子を模式的に実線の矢印で示し、大端部30が冷却される様子を模式的に点線の矢印で示している。また、開始遅延時間は、例えば約4秒である。また、図8に示す例では、第1冷却工程は、加熱工程の終了から所定時間(以下では「終了遅延時間」と呼ぶ)遅れて終了する。終了遅延時間は、例えば約0.5秒である。なお、加熱工程と第1冷却工程とが同時に終了しても(つまり終了遅延時間がゼロであっても)よい。
加熱工程および第1冷却工程の終了後に、第2冷却ジャケット84による大端部30の冷却が開始される(第2冷却工程の開始)。第2冷却工程は、上側面冷却ジャケット84A、下面冷却ジャケット84Bおよび内周面冷却ジャケット84Cの冷却水噴射口84aから冷却水を、大端部30の上面、外周面30b、下面および内周面30aに噴射することによって行われる。図7(c)では、冷却水を点線の矢印で示している。なお、内周面冷却ジャケット84Cから噴射された冷却水は、加熱コイル81の閉塞部材81aに当たって、内周面30aに向かって飛散する。加熱工程の終了から第2冷却工程の開始までの時間(均熱時間)は、例えば約1.0秒である。なお、均熱時間がゼロであってもよい(つまり加熱工程の終了と同時に第2冷却工程が開始されてもよい)。また、図8に示す例では、第2冷却工程は、加熱工程の開始から11.5秒経過時に終了する(つまり約3秒間行われる)。
このようにして、焼入れ工程S5が完了する。
なお、焼戻し工程S6を、高周波誘導加熱装置80により行ってもよい。つまり、焼き戻し工程S6において、局所的に焼戻しが行われてもよい。コンロッド1全体に焼戻しが行われてもよい。
上述した本実施形態の製造方法では、焼入れ工程において、加熱工程と並行して第1冷却工程が行われることにより、大端部30の内周面30aを十分に(内周面30aのビッカース硬さHVを700以上に)硬化させつつ、大端部30の外周面30bの一部を実質的に焼入れがなされないままとする(つまり未焼入れ部nqとする)ことができる。これに対し、第1冷却工程を行わずに単に加熱工程のみを行うと、大端部30の内周面30aが十分に硬化するように加熱した場合には、大端部30の外周面30bに未焼入れ部nqが存在しなくなる(図3に示した状態となる)おそれがあり、大端部30の外周面30bに未焼入れ部nqが存在するように加熱を抑えた場合には、大端部30の内周面30aが十分に硬化しないおそれがある。
また、本実施形態の製造方法は、大端部30に対して浸炭処理を行う工程を包含しないので、従来の手法に比べて低コスト化を図ることができる。
大端部30の内周面30aを十分に硬化させる観点からは、第2冷却工程における冷却速度(Ms点までの冷却速度)は、200℃/秒以上であることが好ましい。図9に、焼入れ工程S5における大端部30の温度変化の例を示す。図9には、図6(a)中の4つの領域R1、R2、R3およびR4(加熱箇所それぞれの測定点)における温度変化の例を示している。図9に示す例では、4つの領域R1、R2、R3およびR4のすべてにおいて、第2冷却工程における冷却速度(ピーク温度からMs点までの冷却速度)が200℃/秒以上である。
続いて、種々の条件でコンロッドを実際に試作し、転動疲労強度などを検証した結果を説明する。表1、図10、図11および図12に、サンプルA〜Lのコンロッドについての検証結果を示す。
サンプルA〜Iは、熱処理として高周波誘導加熱による焼入れ工程を行って作製し、サンプルJ〜Lは、熱処理として浸炭を行って作製した。表1には、サンプルA〜Lの材料である鋼の炭素含有量、得られたコンロッドの大端部の内周面のビッカース硬さHV(表面硬度)、転動疲労寿命(L50寿命)、製品寿命および残留オーステナイト量を示している。ここでは、転動疲労寿命が比較的長い場合に製品寿命が長く(「○」)、転動疲労寿命が比較的短い場合に製品寿命が短い(「×」)としている。また、表1には、サンプルA〜Iに関し、大端部の外周面に未焼入れ部が存在するように焼入れ工程(上述したような第1冷却工程を含む焼入れ工程)を行った場合および未焼入れ部が存在しないように焼入れ工程(上述したような第1冷却工程が省略された焼入れ工程)を行った場合のそれぞれについて、焼割れの発生の有無を検証した結果も示している。焼割れが発生する場合を「×」、焼割れが発生しない場合を「○」とし、また、焼割れの発生が抑制される傾向にはあるが、十分には抑制されない場合を「△」としている。
図10は、鋼の炭素含有量と表面硬度との関係を示すグラフである。図11は、表面硬度と転動疲労寿命との関係を示すグラフである。図12は、鋼の炭素含有量と転動疲労寿命との関係を示すグラフである。
表1および図10に示すように、炭素含有量が0.62質量%以上であるサンプルA〜Hでは、内周面のビッカース硬度HVが700以上であり、浸炭を行って作製されたサンプルJ〜Lと同等かそれ以上の表面硬度が得られた。なお、表1には炭素含有量しか示していないが、サンプルA〜Iのコンロッドの材料である鋼は、既に述べた好ましい組成の鋼、つまり、0.10質量%以上1.00質量%以下のSi、0.20質量%以上1.00質量%以下のMn、0.030質量%以下のP、0.030質量%以下のS、0.01質量%以上0.1質量%以下のCu、0.01質量%以上0.1質量%以下のNi、0.05質量%以上1.00質量%以下のCr、0.30質量%以下のAlおよび0.03質量%以下のNを含有する(残部はFeおよび不可避不純物である)鋼である。
また、表1、図11および図12に示すように、サンプルA〜Hでは、サンプルJ〜Lと同等の転動疲労寿命および製品寿命が得られた。これに対し、炭素含有量が0.55質量%であるサンプルIでは、サンプルJ〜Lを下回る転動疲労寿命および製品寿命しか得られなかった。これは、サンプルIの残留オーステナイト量が、サンプルA〜Hよりも少なかったためであると考えられる。残留オーステナイト量が適切に設定されることにより、応力緩和作用と応力誘起変態による疲労強度向上効果が得られる。残留オーステナイト量は、鋼の炭素含有量と相関があり、炭素含有量が少ないと残留オーステナイト量も少なくなり、炭素含有量が多いと残留オーステナイト量も多くなる。
これらのことから、大端部の内周面のビッカース硬さHVが十分に高く(具体的には700以上であり、また、残留オーステナイト量が十分に多いと、十分な転動疲労寿命が得られることが確認された。また、内周面のビッカース硬度HVを十分に高くする(具体的には700以上とする)とともに残留オーステナイト量を十分に多くするためには、鋼の炭素含有量が0.62質量%以上であることが好ましいことがわかる。
また、表1に示すように、サンプルA〜Hでは、大端部の外周面に未焼入れ部が存在すると、存在しない場合に比べ、焼割れの発生が抑制されることがわかった。なお、サンプルAとサンプルB〜Hとの比較からわかるように、焼割れの発生をより確実に抑制する観点からは、鋼の炭素含有量が0.68質量%以下であることが好ましいことがわかる。
上述した検証結果から、本実施形態のコンロッド1では、十分な転動疲労強度が得られるとともに、焼割れの発生が抑制されることが確認された。
本実施形態におけるコンロッド1は、各種の内燃機関に好適に用いられる。図13に、本実施形態におけるコンロッド1を備えた単気筒内燃機関100の一例を示す。内燃機関100は、クランクケース110、シリンダブロック120およびシリンダヘッド130を有している。
クランクケース110内にはクランクシャフト111が収容されている。クランクシャフト111は、クランクピン112およびクランクウェブ113を有している。クランクピン112と、クランクウェブ113とは、別体に形成されている。つまり、クランクシャフト111は、組立て式のクランクシャフトである。
クランクケース110の上に、シリンダブロック120が設けられている。シリンダブロック120には、円筒状のシリンダスリーブ121がはめ込まれており、ピストン122は、シリンダスリーブ121内を往復し得るように設けられている。
シリンダブロック120の上に、シリンダヘッド130が設けられている。シリンダヘッド130は、シリンダブロック120のピストン122やシリンダスリーブ121とともに燃焼室131を形成する。シリンダヘッド130は、吸気ポート132および排気ポート133を有している。吸気ポート132内には燃焼室131内に混合気を供給するための吸気弁134が設けられており、排気ポート133内には燃焼室131内の排気を行うための排気弁135が設けられている。
ピストン122とクランクシャフト111とは、コンロッド1によって連結されている。具体的には、コンロッド1の小端部20に形成されたピストンピン孔にピストン122のピストンピン123が挿通されているとともに、大端部30に形成されたクランクピン孔にクランクシャフト111のクランクピン112が挿通されており、そのことによってピストン122とクランクシャフト111とが連結されている。
単気筒の内燃機関100では、フリクションロスの低減が重要であるので、図13に示すように、コンロッド1の大端部30の内周面30aとクランクピン112との間には、ニードルベアリング114が設けられている。ニードルベアリング114が設けられている場合、コンロッド1がニードルベアリング114に押し付けられることにより、大端部30の内周面30aに応力が発生する。この応力が過大であると、フレーキングの発生が懸念されるが、本実施形態におけるコンロッド1は、耐フレーキング性に優れているので、フレーキングの発生が商品として必要な期間以上の長期間にわたって防止される。
内燃機関100全体の耐久性を高める観点からは、クランクピン112の表面硬度および疲労強度も高いことが好ましい。そのため、クランクピン112は、浸炭処理または浸炭窒化処理を施されていることが好ましい。
図14に、図13に示した内燃機関100を備えた自動二輪車を示す。図14に示す自動二輪車では、本体フレーム301の前端にヘッドパイプ302が設けられている。ヘッドパイプ302には、フロントフォーク303が車両の左右方向に揺動し得るように取り付けられている。フロントフォーク303の下端には、前輪304が回転可能なように支持されている。
本体フレーム301の後端上部から後方に延びるようにシートレール306が取り付けられている。本体フレーム301上に燃料タンク307が設けられており、シートレール306上にメインシート308aおよびタンデムシート308bが設けられている。
また、本体フレーム301の後端に、後方へ延びるリアアーム309が取り付けられている。リアアーム309の後端に後輪310が回転可能なように支持されている。
本体フレーム301の中央部には、図10に示した内燃機関100が保持されている。内燃機関100は、本実施形態におけるコンロッド1を備えている。内燃機関100の前方には、ラジエータ311が設けられている。内燃機関100の排気ポートには排気管312が接続されており、排気管312の後端にマフラー313が取り付けられている。
内燃機関100には変速機315が連結されている。変速機315の出力軸316に駆動スプロケット317が取り付けられている。駆動スプロケット317は、チェーン318を介して後輪310の後輪スプロケット319に連結されている。変速機315およびチェーン318は、内燃機関100により発生した動力を駆動輪に伝える伝達機構として機能する。
図14に示した自動二輪車には、本実施形態におけるコンロッド1を備えた内燃機関100が用いられているので、商品として必要な期間以上の長期間にわたってフレーキングの発生が防止される。また、本実施形態におけるコンロッド1は、小型軽量化にも適している。高寿命化により、高負荷をコネクティングロッド1にかけることが可能になるためである。コンロッド1の小型軽量化により、内燃機関100や車体も軽量化され、自動二輪車の走行安定性や、乗りやすさ、扱いやすさが向上し、商品性が向上する。
なお、本実施形態におけるコンロッド1を備えた内燃機関100は、自動二輪車に限定されず、ライダーが跨って乗る鞍乗り型車両全般に好適に用いられる。例えば、バギーなどのATVにも用いられる。
また、本実施形態におけるコンロッド1は、発電機や農作業機器などで用いられる小型内燃機関にも用いることができる。
上述したように、本発明の実施形態によるコンロッド1は、鋼から形成され、ロッド本体部10と、ロッド本体部10の一端に設けられた小端部20と、ロッド本体部10の他端に設けられた大端部30と、を備え、大端部30の少なくとも内周面30aが焼入れされている一体型のコンロッド1であって、大端部30の内周面30aのビッカース硬さHVが700以上であり、大端部30は、焼入れされていない未焼入れ部nqを外周面30bに有する。
本発明の実施形態によるコンロッド1では、大端部30の少なくとも内周面30aが焼入れされており、焼入れによる硬化によって、大端部30の内周面30aのビッカース硬さHVが700以上とされている。これにより、十分な転動疲労強度が得られる。また、本発明の実施形態によるコンロッド1は、コンロッド1の一部に対して選択的な焼入れが可能な方法(例えば高周波誘導加熱による焼入れ)を用いることにより、浸炭処理を行うことなく製造することができるので、低コスト化を図ることができる。さらに、本発明の実施形態によるコンロッド1では、大端部30が焼入れされていない未焼入れ部nqを外周面30bに有しているので、大端部30の靱性を確保し、焼割れの発生を防止することができる。
ある実施形態では、未焼入れ部nqは、外周面30bの、大端部30の軸方向Yにおける中心から両側に向かって延びており、大端部30の軸方向Yに沿った長さd1と、未焼入れ部nqの軸方向Yに沿った長さd2とは、0.4d1≦d2<d1の関係を満足する。
未焼入れ部nqは、外周面30bの、大端部30の軸方向Yにおける中心から両側に向かって延びる。焼割れの発生をより確実に防止する観点からは、未焼入れ部nqのサイズがある程度大きいことが好ましく、具体的には、未焼入れ部nqの軸方向Yに沿った長さd2は、大端部30の軸方向Yに沿った長さd1の40%以上である(0.4d1≦d2)ことが好ましい。また、大端部30のスラスト面30cは、クランクシャフトのスラスト面に接触する部分であるので、十分な硬さを有していることが好ましい。そのため、大端部30のスラスト面30c全体に焼入れがなされていることが好ましいので、未焼入れ部nqの軸方向Yに沿った長さd2は、大端部30の軸方向Yに沿った長さd1よりも小さい(d2<d1)ことが好ましい。このように、大端部30の軸方向Yに沿った長さd1と、未焼入れ部nqの軸方向に沿った長さd2とは、0.4d1≦d2<d1の関係を満足することが好ましい。
ある実施形態では、未焼入れ部nqのビッカース硬さHVは400以下である。
未焼入れ部nqは、焼入れされていない部分であるので、大端部30の内周面30aよりも硬さが低い。未焼入れ部nqのビッカース硬さHVは、例えば400以下である。
ある実施形態では、本発明のコンロッド1は、0.62質量%以上0.68質量%以下のC、0.10質量%以上1.00質量%以下のSi、0.20質量%以上1.00質量%以下のMn、0.030質量%以下のP、0.030質量%以下のS、0.01質量%以上0.1質量%以下のCu、0.01質量%以上0.1質量%以下のNi、0.05質量%以上1.00質量%以下のCr、0.30質量%以下のAlおよび0.03質量%以下のNを含有する鋼から形成されている。
本発明の実施形態によるコンロッド1は、0.62質量%以上0.68質量%以下のC、0.10質量%以上1.00質量%以下のSi、0.20質量%以上1.00質量%以下のMn、0.030質量%以下のP、0.030質量%以下のS、0.01質量%以上0.1質量%以下のCu、0.01質量%以上0.1質量%以下のNi、0.05質量%以上1.00質量%以下のCr、0.30質量%以下のAlおよび0.03質量%以下のNを含有する鋼から形成されていることが好ましい。鋼のC(炭素)含有量が0.62質量%以上0.68質量%以下であることにより、大端部30の内周面30aの硬度を十分に高くしつつ、焼割れの発生をより確実に抑制することができる。
本発明の実施形態による内燃機関100は、上述したいずれかの構成を有するコンロッド1を備える。
本発明の実施形態によるコンロッド1は、各種の内燃機関100に好適に用いられる。
本発明の実施形態によるコンロッド1の製造方法は、ロッド本体部10と、ロッド本体部10の一端に設けられた小端部20と、ロッド本体部10の他端に設けられた大端部30とを備えた一体型のコンロッド1の製造方法であって、ロッド本体部10、小端部20および大端部30を含むコンロッド1を、鋼から形成する工程(A)と、工程(A)の後に、大端部30の少なくとも内周面30aに対して焼入れを行う工程(B)と、を包含し、工程(B)は、大端部30を高周波誘導加熱により加熱する加熱工程と、大端部30を外周面30b側から冷却する第1冷却工程であって、加熱工程の開始から所定時間遅れて開始され加熱工程と並行して行われる第1冷却工程と、加熱工程および第1冷却工程の終了後に、所定の冷却速度で大端部30を冷却する第2冷却工程と、を含む。
本発明の実施形態によるコンロッド1の製造方法では、大端部30の少なくとも内周面30aに対して焼入れを行う工程(B)が、大端部30を高周波誘導加熱により加熱する加熱工程と、大端部30を外周面30b側から冷却する第1冷却工程であって、加熱工程の開始から所定時間遅れて開始され加熱工程と並行して行われる第1冷却工程と、加熱工程および第1冷却工程の終了後に、所定の冷却速度で大端部30を冷却する第2冷却工程とを含む。このように、焼入れ工程(工程(B))において、加熱工程と並行して第1冷却工程が行われることにより、大端部30の内周面30aを十分に硬化させつつ、大端部30の外周面30bの一部を実質的に焼入れがなされないままとすることができる。そのため、本発明の実施形態による製造方法によれば、十分な転動疲労強度が得られるとともに、焼割れの発生を防止することができる。
ある実施形態では、第1冷却工程は、外周面30bの、大端部30の軸方向Yにおける略中心に冷却水を噴射することによって行われる。
第1冷却工程は、外周面30bの、大端部30の軸方向Yにおける略中心に冷却水を噴射することによって好適に行うことができる。
ある実施形態では、第2冷却工程における所定の冷却速度は、200℃/秒以上である。
大端部30の内周面30aを十分に硬化させる観点からは、第2冷却工程における冷却速度(Ms点までの冷却速度)は、200℃/秒以上であることが好ましい。
ある実施形態では、工程(B)は、大端部30の内周面30aのビッカース硬さHVが700以上となり、且つ、大端部30が、焼入れされていない未焼入れ部nqを外周面30bに有するように行われる。
工程(B)(焼入れ工程)は、大端部30の内周面30aのビッカース硬さHVが700以上となり、且つ、大端部30が、焼入れされていない未焼入れ部nqを外周面30bに有するように行われることが好ましい。大端部30の内周面30aのビッカース硬さHVが700以上であることにより、十分な転動疲労強度が得られる。また、大端部30が焼入れされていない未焼入れ部nqを外周面30bに有していることにより、大端部30の靱性を確保し、焼割れの発生を防止することができる。
ある実施形態では、工程(B)は、未焼入れ部nqが、外周面30bの、大端部30の軸方向Yにおける中心から両側に向かって延びており、大端部30の軸方向Yに沿った長さd1と、未焼入れ部nqの軸方向Yに沿った長さd2とが、0.4d1≦d2<d1の関係を満足するように行われる。
焼割れの発生をより確実に防止する観点からは、未焼入れ部nqのサイズがある程度大きいことが好ましく、具体的には、未焼入れ部nqの軸方向Yに沿った長さd2は、大端部30の軸方向Yに沿った長さd1の40%以上である(0.4d1≦d2)ことが好ましい。また、大端部30のスラスト面30cは、クランクシャフトのスラスト面に接触する部分であるので、十分な硬さを有していることが好ましい。そのため、大端部30のスラスト面30c全体に焼入れがなされていることが好ましいので、未焼入れ部nqの軸方向Yに沿った長さd2は、大端部30の軸方向Yに沿った長さd1よりも小さい(d2<d1)ことが好ましい。このように、工程(B)は、大端部30の軸方向Yに沿った長さd1と、未焼入れ部nqの軸方向Yに沿った長さd2とが、0.4d1≦d2<d1の関係を満足するように行われることが好ましい。
ある実施形態では、工程(A)において、コンロッド1は、0.62質量%以上0.68質量%以下のC、0.10質量%以上1.00質量%以下のSi、0.20質量%以上1.00質量%以下のMn、0.030質量%以下のP、0.030質量%以下のS、0.01質量%以上0.1質量%以下のCu、0.01質量%以上0.1質量%以下のNi、0.05質量%以上1.00質量%以下のCr、0.30質量%以下のAlおよび0.03質量%以下のNを含有する鋼から形成される。
工程(A)において、コンロッド1は、0.62質量%以上0.68質量%以下のC、0.10質量%以上1.00質量%以下のSi、0.20質量%以上1.00質量%以下のMn、0.030質量%以下のP、0.030質量%以下のS、0.01質量%以上0.1質量%以下のCu、0.01質量%以上0.1質量%以下のNi、0.05質量%以上1.00質量%以下のCr、0.30質量%以下のAlおよび0.03質量%以下のNを含有する鋼から形成されることが好ましい。鋼のC(炭素)含有量が0.62質量%以上0.68質量%以下であることにより、大端部30の内周面30aの硬度を十分に高くしつつ、焼割れの発生をより確実に抑制することができる。
ある実施形態では、本発明のコンロッド1の製造方法は、大端部30に対して浸炭処理を行う工程を包含しない。
本発明の実施形態によるコンロッド1の製造方法は、大端部30に対して浸炭処理を行う工程を包含しないことが好ましい。浸炭処理を行う工程を包含しないことにより、低コスト化を図ることができる。
本発明の実施形態によると、大端部の内周面における転動疲労強度に優れ、且つ、従来よりも低コストで製造し得るコンロッドを提供することができる。本発明の実施形態によるコンロッドは、各種の内燃機関に好適に用いられる。
1:コンロッド、10:ロッド本体部、20:小端部、20a:小端部の内周面、22:ピストンピン孔、30:大端部、30a:大端部の内周面、30b:大端部の外周面、30c:スラスト面、32:クランクピン孔、80:高周波誘導加熱装置、81:加熱コイル、82:第1冷却ジャケット、82a:冷却水噴射口、83:制御部、84:第2冷却ジャケット、84A:上側面冷却ジャケット、84B:下面冷却ジャケット、84C:内周面冷却ジャケット、84a:冷却水噴射口、nq:未焼入れ部
Claims (12)
- 鋼から形成され、
ロッド本体部と、
前記ロッド本体部の一端に設けられた小端部と、
前記ロッド本体部の他端に設けられた大端部と、を備え、
前記大端部の少なくとも内周面が焼入れされている一体型のコンロッドであって、
前記大端部の前記内周面のビッカース硬さHVが700以上であり、
前記大端部は、焼入れされていない未焼入れ部を外周面に有する、コンロッド。 - 前記未焼入れ部は、前記外周面の、前記大端部の軸方向における中心から両側に向かって延びており、
前記大端部の前記軸方向に沿った長さd1と、前記未焼入れ部の前記軸方向に沿った長さd2とが、0.4d1≦d2<d1の関係を満足する、コンロッド。 - 前記未焼入れ部のビッカース硬さHVは400以下である、請求項1または2に記載のコンロッド。
- 0.62質量%以上0.68質量%以下のC、0.10質量%以上1.00質量%以下のSi、0.20質量%以上1.00質量%以下のMn、0.030質量%以下のP、0.030質量%以下のS、0.01質量%以上0.1質量%以下のCu、0.01質量%以上0.1質量%以下のNi、0.05質量%以上1.00質量%以下のCr、0.30質量%以下のAlおよび0.03質量%以下のNを含有する鋼から形成されている、請求項1から3のいずれかに記載のコンロッド。
- 請求項1から4のいずれかに記載のコンロッドを備えた内燃機関。
- ロッド本体部と、前記ロッド本体部の一端に設けられた小端部と、前記ロッド本体部の他端に設けられた大端部とを備えた一体型のコンロッドの製造方法であって、
前記ロッド本体部、前記小端部および前記大端部を含むコンロッドを、鋼から形成する工程(A)と、
前記工程(A)の後に、前記大端部の少なくとも内周面に対して焼入れを行う工程(B)と、
を包含し、
前記工程(B)は、
前記大端部を高周波誘導加熱により加熱する加熱工程と、
前記大端部を前記外周面側から冷却する第1冷却工程であって、前記加熱工程の開始から所定時間遅れて開始され前記加熱工程と並行して行われる第1冷却工程と、
前記加熱工程および前記第1冷却工程の終了後に、所定の冷却速度で前記大端部を冷却する第2冷却工程と、
を含む、コンロッドの製造方法。 - 前記第1冷却工程は、前記外周面の、前記大端部の軸方向における略中心に冷却水を噴射することによって行われる、請求項6に記載のコンロッドの製造方法。
- 前記第2冷却工程における前記所定の冷却速度は、200℃/秒以上である、請求項6または7に記載のコンロッドの製造方法。
- 前記工程(B)は、前記大端部の前記内周面のビッカース硬さHVが700以上となり、且つ、前記大端部が、焼入れされていない未焼入れ部を外周面に有するように行われる、請求項6から8のいずれかに記載のコンロッドの製造方法。
- 前記工程(B)は、前記未焼入れ部が、前記外周面の、前記大端部の軸方向における中心から両側に向かって延びており、前記大端部の前記軸方向に沿った長さd1と、前記未焼入れ部の前記軸方向に沿った長さd2とが、0.4d1≦d2<d1の関係を満足するように行われる、請求項9に記載のコンロッドの製造方法。
- 前記工程(A)において、前記コンロッドは、0.62質量%以上0.68質量%以下のC、0.10質量%以上1.00質量%以下のSi、0.20質量%以上1.00質量%以下のMn、0.030質量%以下のP、0.030質量%以下のS、0.01質量%以上0.1質量%以下のCu、0.01質量%以上0.1質量%以下のNi、0.05質量%以上1.00質量%以下のCr、0.30質量%以下のAlおよび0.03質量%以下のNを含有する鋼から形成される、請求項6から10のいずれかに記載のコンロッドの製造方法。
- 前記大端部に対して浸炭処理を行う工程を包含しない、請求項6から11のいずれかに記載のコンロッドの製造方法。
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CN115141922A (zh) * | 2022-07-28 | 2022-10-04 | 大连船用柴油机有限公司 | 大型低速船用柴油机活塞杆表面淬火水冷工艺方法 |
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2018
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