JP3857554B2 - シートベルト装置用スリップアンカおよびその製造方法 - Google Patents

シートベルト装置用スリップアンカおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートベルト装置のウェビングをその長手方向に摺動自在に案内するスリップアンカ技術に係り、特に、ウェビングのジャミング現象を防止するシートベルト装置用スリップアンカおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車両座席に付設されるシートベルト装置は、車両衝突時などに衝撃力や加速度が作用しても、乗員を拘束して安全性を図るようにした緊急性の安全装置である。この種のシートベルト装置には、車体のセンターピラー等に揺動自在にスリップアンカが取り付けられており、このスリップアンカにてシートベルト装置のウェビングをその長手方向に摺動自在に案内している。
【0003】
従来、この種のシートベルト装置のスリップアンカには特開平7−329710号公報および特開2001−80460号公報に開示されたものがある。
【0004】
前者のシートベルト装置用スリップアンカ1は、図24に示すようにウェビング案内部2を有し、このウェビング案内部2にウェビング支持部3とガイドベロー部4とにより形成されるウェビング挿通用の案内路5を備えている。この案内路5にウェビングWを摺動自在に挿通させ、ウェビングWがスリップアンカにて転向支持されるようになっている。
【0005】
ウェビング挿通用案内路5は直線状の挿通ガイド部5aと両側の湾曲逃げ部5bとから構成されているが、ガイドベロー部4とウェビング支持部3とが平面状で対向設置されてウェビング挿通用案内路5が形成される。
【0006】
また、後者のシリンダヘッド装置用スリップアンカ1Aは、図25に示すように、ウェビング案内部2のウェビング引出側に独立したガイドカバー7をアンカ支持部8全体を覆うように被せ、このガイドカバー7の先端部をウェビング支持部3とガイドベロー部4とで形成されるウェビング挿通用案内路5を超えて下方まで延設し、ウェビングを抑えるように案内したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前者の場合、図24に示すように、スリップアンカ1にて転向支持されるウェビングWはウェビング挿通用案内路5内を通されて案内されるが、車両衝突時などの緊急時のようにウェビングWが急激に引き出されたり、またウェビングが急速に格納される際には、ウェビング挿通用案内路5を案内されるウェビングWはスリップアンカ1にて大きく転回して向きが反転せしめられる。このとき、ウェビングWの引出力や格納力が一様でないと、ウェビングWはスリップアンカ1にて大きな慣性力作用を受けて浮き上がったり、また、ウェビングWの幅方向にスライドシフトしてウェビング挿通用案内路5の湾曲逃げ部5bに逃げ込むことがある。
【0008】
ウェビングWの浮き上がりに対しては、ガイドベロー部4により抑えたり、また、ウェビングWの幅方向スライドシフトはウェビング挿通用案内路5に形成した湾曲逃げ部5bで吸収しているが、そのとき、ウェビングWはガイドベロー部4とウェビング幅方向に線接触して案内される。
【0009】
このため、ウェビングWはガイドベロー部4の先端部両側に線接触して折りくせが付けられたり、折り目ができて引張力が作用するとウェビングWが反転したり、捩られたりして折れ曲がる虞がある。ウェビングWが折れ曲がった状態でスリップアンカ1に案内されると、ウェビング挿通用案内路5に折れ曲がった状態で噛み込まれ、ジャミング現象が発生する。
【0010】
ウェビングWにジャミング現象が発生すると、ウェビングWを損傷させたり、ベルト切れが生じたりし、ウェビングWをスリップアンカ1にて安定的にかつ円滑にスライドさせることができず、シートベルト装置の機能が損なわれる虞がある。
【0011】
また、図25に示す後者の場合、シートベルト装置用スリップアンカ1は、ウェビング案内部2のウェビング挿通用案内路5を覆うようにガイドベロー部4から独立したガイドカバー7が設けられており、このガイドカバー7にてウェビングWを抑えつけているため、ウェビングWの格納時にウェビングWの捩れや折れ曲がりを有効的にかつ確実に防止できるが、ウェビングWの引出しの際には問題がある。
【0012】
ウェビング引出しの際には、前者のシートベルト装置用スリップアンカ1と同様に、ガイドベロー部4とウェビング支持部3とが平面状に対向しており、ガイドベロー部4がウェビングWと幅方向に線接触するだけであるため、ウェビングWが捩れたり、折れ曲がる虞がある。
【0013】
このため、後者のシートベルト装置用スリップアンカ1Aにおいても、車両緩衝時や緊急のウェビング引出し時に、ウェビングWが捩れたり、折れ曲がった状態でウェビング挿通用案内路5に噛み込まれ、ウェビングWのスムーズで安全な引出し作用が行われない欠点があった。
【0014】
また、ウェビング係合摺動面22は、ウェビングの引き出し時および格納時において、常に良好なスライド性を保持していなければならないが、ウェビングに対して強い衝撃力が急激に働くと、スライド性は、かえってジャミング現象を起こす要因となる場合がある。そのため、スライド性を保持しつつ、どのような方向からの作用力に対しても、ウェビングの引き出し方向を正確に調整する働きを備えたシートベルト用スリップアンカが要求されていた。
【0015】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、ウェビングの折れ曲がりや捩れを有効的かつ未然に防止し、ウェビングのジャミング現象を確実に防いで、ウェビングの摺動を円滑にかつスムーズに案内することができるシートベルト装置用スリップアンカおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
本発明の他の目的は、ウェビング挿通用案内路がウェビングを面接触にて案内し、ウェビングの折れ曲がりや捩れを未然にかつ確実に防止し、シートベルト装置の機能を損なうことなく、安全性をより一層向上させたシートベルト装置用スリップアンカおよびその製造方法を提供するにある。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、金属プレートを樹脂モールド成形してスリップアンカを一体成形でき、生産性を高め、スリップアンカを効率よく安価に製造できるシートベルト装置用スリップアンカおよびその製造方法を提供するにある。
【0018】
本発明の別の目的は、ウェビングを円滑かつスムーズに案内してウェビングの折損や破損を有効的に防止し、ウェビングの長寿命化を図ることができるシートベルト装置用スリップアンカおよびその製造方法を提供するにある。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、ウェビングに対して急激に強い衝撃力が加わった場合でも、ウェビングの捩れやジャミング現象、横滑り現象を未然に防止し、シートベルト装置としての機能を保持することが可能なシートベルト装置用スリップアンカおよびその製造方法を提供するにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るシートベルト装置用スリップアンカは、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、金具プレートに樹脂被覆材をモールド成形してスリップアンカを製造し、このスリップアンカは車体側に取り付けられるアンカ取付部と、ウェビングをその長手方向に摺動可能に案内するウェビング挿通用案内路を備えたウェビング案内部とを一体成形したシートベルト装置用スリップアンカにおいて、前記ウェビング案内部はウェビングを摺動自在に支持させるウェビング支持部と、このウェビング支持部からウェビング引出し側に屈曲させた庇状のガイドベロー部とを一体に備え、前記庇状のガイドベロー部は、アンカ取付部からウェビング引出側に突出するように、かつ前記ガイドベロー部の先端部表面側を横断面が外側に膨出する弧状湾曲面に、その先端部裏面側をプレート状案内面にそれぞれ形成し、前記プレート状案内面の延長線がウェビング支持部のウェビング引出側で横断面円弧状のウェビング係合摺動面に外接あるいはその近傍を通るように構成し、前記ウェビング支持部とガイドベロー部との間にウェビング挿通用案内路を形成したものである。
【0021】
また、上述した課題を解決するために、本発明に係るシートベルト装置用スリップアンカは、請求項2に記載したように、前記ウェビング支持部は、ウェビング挿通用案内路に面して横断面円弧状のウェビング係合摺動面を形成し、このウェビング係合摺動面は横断面の曲率半径を8mm〜10mmとしたり、さらに、請求項3に記載したように、前記庇状のガイドベロー部は、先端部裏面側のプレート状案内面から先端部表面側の弧状湾曲面にかけて滑らかな連続面で接続し、前記ガイドベロー部の弧状湾曲面は、ウェビング支持部に形成されるウェビング挿通用案内路からウェビング引出側に膨出して形成されたり、また、請求項4に記載したように、前記ガイドベロー部は、車体側へのスリップアンカ取付状態で、ウェビング支持部のウェビング係合摺動面の頂面を通る水平面近傍まで延びて終端しており、前記ガイドベロー部とウェビング支持部との間に形成されるウェビング挿通用案内路はウェビングの厚さの2倍以下の通路間隙を有するものである。
【0022】
さらに、上述した課題を解決するために、本発明に係るシートベルト装置用スリップアンカは、請求項5に記載したように、前記ウェビング案内部のウェビング挿通用案内路は、ウェビングの幅に対応する直線状ガイド部と、このガイド部の両端部から滑らかに立ち上がる弧状の湾曲逃げ部とを有し、前記ウェビング支持部は直線状ガイド部から湾曲逃げ部の湾曲部にかけた領域で半円弧状横断面を有する形状に構成されたり、また、請求項6に記載したように、前記ウェビング挿通用案内路の両側に形成される湾曲逃げ部は弧状の湾曲部とこの湾曲部から基端側に延びる直線部とを有し、上記弧状湾曲部に対応するウェビング支持部は直線状ガイド部から直線部にかけて円弧状横断面の曲率半径が漸次小さくなるように形成し、湾曲逃げ部の直線部では湾曲部から半円弧状横断面を滑らかに連続させる一方、上記直線部に対応するガイドベロー部はプレート状案内面の先端側の曲率半径を湾曲逃げ部の曲線部から基端側に向けて漸次大きくなるように形成されたものである。
【0023】
また、本発明に係るシートベルト用スリップアンカは、上述した課題を解決するために、請求項7に記載したように、金具プレートに樹脂被覆材をモールド成形してスリップアンカを製造し、このスリップアンカは車体側に取り付けられるアンカ取付部と、ウェビングをその長手方向に摺動可能に案内するウェビング挿通用案内路を備えたウェビング案内部とを一体成形したシートベルト装置用スリップアンカにおいて、前記ウェビング案内部はウェビングを摺動自在に支持させるウェビング支持部と、このウェビング支持部からウェビング引出し側に庇状に屈曲させたガイドベロー部とを一体に備え、前記庇状のガイドベロー部は、アンカ取付部からウェビング引出側に突出するように、かつ、前記ガイドベロー部の先端部表面側を横断面が外側に膨出する弧状湾曲面に、その先端部裏面側をプレート状案内面にそれぞれ形成し、前記ウェビング案内部は、ウェビング挿通用案内路の直線状ガイド部に対応するウェビング支持部にばね部材で形成されたスリッププレートを装着し、このスリッププレートで横断面円弧状のウェビング係合摺動面を形成し、前記ガイドベロー部のプレート状案内面の延長線がウェビング支持部のウェビング引出側で横断面円弧状のウェビング接合摺動面に外接あるいはその近傍を通るように構成する一方、前記ウェビング支持部とガイドベロー部との間にウェビング挿通用案内路を形成したものである。
さらに、本発明に係るシートベルト用スリップアンカは、上述した課題を解決するために、請求項8に記載したように、前記スリッププレートが横滑り防止手段を備え、この横滑り防止手段は、スリッププレートに左右対称に2箇所ずつ設けられ、かつ、円弧状方向に延びる長穴としたり、さらに請求項9に記載したように、前記横滑り防止手段は、スリッププレートに左右対称に1箇所ずつ設けられ、かつ、円弧状方向に延びる長穴としたり、さらに請求項10に記載したように、前記横滑り防止手段は、長円形、ひし形、三角形または四角形に形成された長穴としたものである。
【0024】
一方、本発明に係るシートベルト装置用スリップアンカは、上述した課題を解決するために、請求項11に記載したように、金具プレートに樹脂被覆材をモールド成形してスリップアンカを製造し、このスリップアンカは車体側に取り付けられるアンカ取付部と、ウェビングをその長手方向に摺動可能に案内するウェビング挿通用案内路を備えたウェビング案内部とを一体成形したシートベルト装置用スリップアンカにおいて、前記ウェビング案内部は、ウェビングを摺動自在に支持させるウェビング支持部と、このウェビング支持部のウェビング引出し側に庇状に屈曲させ、モールド用成形孔を形成した金具プレートの庇状プレートベロー部とを一体に成形し、上記庇状のプレートベロー部にポケット状のガイドカバーをワンタッチで装着し上記ガイドカバーの係止突起をプレートベロー部のモールド成形孔に係止させて庇状のガイドベロー部を構成し、前記庇状のガイドベロー部は、アンカ取付部からウェビング引出側に突出するように、前記ガイドベロー部のガイドカバーの先端部表面側を横断面が外側に膨出する弧状湾曲面に、先端部裏面側をプレート状案内面にそれぞれ形成し、上記ガイドベロー部とウェビング支持部との間にウェビング挿通用案内路を形成し、前記ウェビング支持部はウェビング挿通用案内路に面して横断面円弧状のウェビング係合摺動面を形成したものである。
【0025】
他方、本発明に係るスリップアンカの製造方法は、上述した課題を解決するために、請求項12に記載したように、帯状鋼板をプレス成形して金具プレートを成形し、この金具プレートのプレス成形時に金具プレートのアンカ取付部とウェビング案内部を所要の角度で屈曲成形するとともに、前記ウェビング案内部からプレートベロー部をさらに所要の角度で庇状に屈曲成形させ、前記ウェビング案内部に穿設されるウェビング挿通孔の少なくともウェビング係合側縁部を両側に膨出させて円弧状膨出部を形成し、続いて円弧状膨出部が形成された金具プレートをモールド成形により樹脂被覆材を被着させてウェビング引出側に庇状に屈曲させたガイドベロー部と、ウェビング挿通ガイド部を上記ガイドベロー部との間に構成するウェビング支持部とをそれぞれ形成し、前記庇状のガイドベロー部は、アンカ取付部からウェビング引出側に突出するように、かつ前記ガイドベロー部の先端部表面側を横断面が外側に膨出する弧状湾曲面に、先端部裏面側をプレート状案内面にそれぞれ形成し、前記プレート状案内面の延長線がウェビング支持部のウェビング引出側で横断面円弧状のウェビング接合摺動面に外接あるいはその近傍を通るように構成してスリップアンカを製造する方法である。
【0026】
また、本発明に係るスリップアンカの製造方法は、上述した課題を解決するために、請求項13に記載したように、前記スリップアンカに装着されるスリッププレートが、ばね部材を湾曲成形してトレーリングエッジ側とトレーリングエッジ側に、内側に屈曲された係止部を形成し、前記スリッププレートのトレーリングエッジ側の係止部を押えローラでスリップアンカのウェビング支持部の一方の顎部に押し付けて保持した状態で、前記スリッププレートのリーディングエッジ側の係止部をばね部材製のフックメンバと係合させてウェビング支持部の横断面円弧状部に巻き付けるように引き寄せ、前記フックメンバにて前記スリッププレートのリーディングエッジ側を前記ウェビング支持部の円弧面に沿って前記ウェビング支持部の他方の顎部まで引き寄せた状態で、前記フックメンバを引き抜きつつ、前記スリッププレートを前記ウェビング支持部の横断面円弧状部の円弧面側に手動あるいは自動的に押し付け、この押付力と前記スリッププレートのばね力により、前記リーディングエッジ側の係止部を前記ウェビング支持部の他方側の顎部に当接させて係止させ、前記スリッププレートのばね作用により前記スリップアンカの前記ウェビング支持部に前記スリッププレートを装着する方法である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るシートベルト装置用スリップアンカの実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本発明に係るシートベルト装置用スリップアンカの第1実施形態を示す全体的な斜視図である。
【0029】
スリップアンカ10は、車両の車体側、例えば車体のセンターピラーに直接、あるいはショルダアジャスタ装置(図示せず)を介して回動自在に取り付けられる。スリップアンカ10はプレス成形された金具プレート11を樹脂被覆材14を用いて樹脂モールド成形することにより樹脂被覆されて一体成形される。ショルダアジャスタ装置はスリップアンカ10を昇降自在に支持したもので、例えば、特開平5−294208号公報に開示されたものがある。
【0030】
スリップアンカ10は、アンカ幅が75mm〜85mm程度、好ましくは80mm程度に形成され、車両の車体側に回動自在に取り付けられるアンカ取付部12とこのアンカ取付部12と一体成形されたウェビング案内部13とを有する。アンカ取付部12とウェビング案内部13とは幅方向の折曲線FLを境にしてくの字状に所要角度αで折曲される。
【0031】
スリップアンカ10のアンカ取付部12は、取付ボルト等を挿通自在に案内するボルト取付孔15を有し、このボルト取付孔15を介してスリップアンカ10は車両の車体側に直接あるいは間接的に回動自在に取り付けられる。
【0032】
また、スリップアンカ10のウェビング案内部13はウェビング支持部16と庇状のガイドベロー部17とを所要角度β、例えば30度の角度をなして一体に有し、このウェビング支持部16とガイドベロー部17との間にウェビングWを摺動可能に挿通させるウェビング挿通用案内路18を形成している。
【0033】
ウェビングは挿通用案内路18は図2に示すように、直線状の挿通ガイド部20と、この挿通ガイド部20の両端部側から弧状あるいは湾曲状に滑らかに立ち上がる湾曲逃げ部21a,21bを有する。湾曲逃げ部21a,21bは挿通ガイド部20から延びる湾曲部とこの湾曲部から延びる直線部とを有し、直線部はガイドベロー部17の基端部側に延び途中で終端している。
【0034】
ガイドベロー部17のベロー先端外周側は図3に示すように、曲率半径数mm程度、例えば5mmの円弧状あるいは滑らかな湾曲面形状の弧状湾曲面17aに成形され、その裏面側がウェビングWの平坦なプレート状案内面17bに形成される。プレート状案内面17bから弧状湾曲面17aにかけて曲率半径の小さな、例えば1mm〜2mm程度の湾曲面を介して連続的に滑らかに接続している。
【0035】
一方、ウェビング案内部13のウェビング支持部16はガイドベロー部17を囲むようにコ字状に形成され、幅広の円弧状のウェビング係合摺動面22を図2および図3において上向きに形成している。ウェビング係合摺動面22は、直線状の挿通ガイド部20だけでなく、湾曲逃げ部21a,21bの湾曲部にも形成される。
【0036】
ウェビング係合摺動面22は、ウェビング支持部16の横断面円弧状部をスリッププレート23で巻装し、組み付けて覆設することにより形成される。スリッププレート23は弾性係数の大きなばねプレートであり、このスリッププレート23がウェビング支持部16の横断面円弧状の直線部分を覆設している。スリッププレート23はトレーリングエッジとリーディングエッジの両端部がウェビング支持部16の顎部に掛止めされて、ウェビング支持部16に一体的に装着される。ウェビング係合摺動面22は、曲率半径8mm〜10mm程度、例えば9mmで湾曲成形され、ウェビング挿通用案内路18を案内され、向きが反転されるウェビングWを大きな接触面積で滑らかにスライド自在に支持し、ウェビングWのスライド性を向上させている。
【0037】
スリッププレート23には横滑り防止手段25が設けられている。図1および図2に示す第1実施形態では、横滑り防止手段25としてスリッププレート23の円周方向(円弧状方向)に延びる長穴25aを設けてある。また図4はスリッププレート23の展開図を示す。スリッププレート23は図4に示す板状部材をウェビング支持部16の曲率半径にあわせて曲げ加工して成形される。長穴25aは、横滑り防止手段25としての機能を持ち、ウェビングWの幅方向の横滑りを規制し、その摺動方向を調整する作用を備える。
【0038】
図5は、図2におけるII−II線に沿う断面形状を示す。図5に示すように、長穴25aの外周縁部23aは、ウェビング支持部16の長穴25aに対応する場所に設けられた、長穴25aと同形状の深さ1.5mm程度の凹部19に係合するよう、曲げ加工されている。
【0039】
スリッププレート23の横滑り防止手段25としては、上記のような長穴形状のほかに、円周方向の縦溝を凹設した曲面形状としても、さらに、スリッププレート23にエンボス加工を円周方向に施し、方向性を持たせた凹凸曲面形状の帯を円周方向に形成し、ウェビングWとの摺動性に緊急時のための方向付けを持たせ、横滑りを防止するようにしてもよい。
【0040】
ウェビング挿通用案内路18に案内されて挿通されるウェビングWは、図3に示すように、ウェビング支持部16のウェビング係合摺動面22に摺動可能に接触して案内され、ウェビング係合摺動面22と大きな接触面積をもってウェビングWはスライドせしめられる。
【0041】
ウェビングWは、日本工業規格に規定された幅50mm程度、例えば幅47mmの織りベルトであり、厚さ1.2mm〜1.5mm程度と2mm以下に形成される。ウェビングWがウェビング挿通用案内路18をスムーズに案内されるように、案内路18はガイドベロー部17の先端とウェビング係合摺動面22との間が、ウェビングWの厚さより大きな間隙に形成される。ウェビング挿通用案内路18の最小間隙は、ウェビングWの厚さより大きく、例えば1.2倍以上で2倍以下に形成される。
【0042】
ガイドベロー部17の背面側のプレート状案内面17bは、ウェビング支持部16からウェビング引出し側に庇状に傾斜しており、プレート状案内面17bの延長線が図3に示すようにウェビング係合摺動面22にほぼ外接するように、あるいはウェビング係合摺動面22に近接するように延びている。ガイドベロー部17はアンカ取付部12およびウェビング支持部18と一体に成形されている。
【0043】
このスリップアンカ10は、アンカ取付部12とウェビング案内部13とがなす角度αは、15度〜25度程度、好ましくは約20度であり、ウェビング案内部13であるウェビング支持部16とガイドベロー部17とがなす角度βは20度〜40度程度、好ましくは約30度に形成される。ガイドベロー部17は、ウェビング支持部16よりウェビングW引出し側に庇状に傾斜して取り付けられてウェビングWの引出し時や収納時の摺動がスムーズに行われるようにガイドしている。このスリップアンカ10では、ガイドベロー部17はアンカ取付部12からウェビング引出し側に大きく突出するように一体成形にて形成される。ガイドベロー部17の先端は、小さな曲率半径、例えば1mm〜2mm程度の湾曲部を介して背面側のプレート状案内面17bが正面側の弧状湾曲面17aに連続するようになっている。ガイドベロー部17の先端は、ウェビング係合摺動面22の頂面にて成形される水平面近くで終端し、一体成形のための成形型の抜きが考慮されている。
【0044】
次に本発明に係るシートベルト用スリップアンカ10の作用について説明する。
【0045】
ウェビング案内部13に形成されるウェビング支持部16とガイドベロー部17とで形成されるウェビング案内構造により、ウェビング挿通用案内路18を通されるウェビングWはウェビング支持部16の滑らかな円弧状ウェビング係合摺動面22に大きな接触面積で面接触して案内される。ウェビングWの案内支持面と反対側はガイドベロー部17のプレート状案内面17bに接触して抑えられ、ガイドされる。
【0046】
その際、ウェビング挿通用案内路18を案内されるウェビングWが何らかの原因で浮き上がっても、ウェビングWはガイドベロー部17のプレート状案内面17bと浮き上がりが抑えられつつ面接触状態で案内されるので、ウェビングWが捩れたり、折れ曲がるのを有効的にかつ未然に防止でき、ガイドベロー部17でウェビングWに折れくせを付けるのを効果的に防止できる。
【0047】
ウェビングWの巻取り時にも、ウェビングWが何らかの原因で浮き上がっても、ウェビングWはガイドベロー部17の円弧状湾曲面17aと滑らかに面接触して、ウェビングWの捩れや折れ曲がりを有効的に防止することができる。
【0048】
図6はスリップアンカ10を図2の下方から見たウェビング支持部16の底面図であり、図7は図2のVII−VII線に沿うウェビング支持部16の横断面図である。図6および図7に示すように、スリップアンカ10のウェビング支持部16は左右幅が例えば85mm、円弧状部分が例えば16mm〜20mm程度、例えば18mmの幅を有する幅広に形成される。
【0049】
また、図8は図2のVIII−VIII線に沿う断面図であり、図9は図2のIX−IX線に沿う平断面、図10は図2のX−X線に沿う平断面図である。
【0050】
図9および図10から分かるように、スリップアンカ10のウェビング支持部16は直線状の挿通ガイド部20の両端部から湾曲逃げ部21aに向う湾曲部はウェビング係合案内面24の曲率半径が漸次小さくなるように形成され、湾曲逃げ部21aの湾曲部と直線部の境界付近ではウェビング支持部16の曲率半径が直線状挿通ガイド部20の半分程度となり(図9参照)、湾曲逃げ部21aの湾曲部から続く直線部では滑らかに連続し、湾曲逃げ部21aの基端側ではウェビング支持部16の曲率半径は、直線状挿通ガイド部20の半分以下で約1/3程度となる(図10参照)。
【0051】
また、ウェビング案内部13のガイドベロー部17は、自由端側先端部の円弧状湾曲面17bの曲率半径が直線状挿通ガイド部20から湾曲逃げ部21aの湾曲部にかけて変化しないが、湾曲逃げ部21aの直線部基端側は、湾曲部との境界から基端側にかけて、ガイドベロー部17先端の曲線半径が直線状ガイド部20に対応する先端の曲率半径約1mm〜2mm程度から数倍程度、例えば5mm〜6mm程度に漸次大きくなる。
【0052】
しかして、図8ないし図10に示すように、ウェビング案内部13はウェビング支持部16の曲率半径とガイドベロー部17の曲率半径を湾曲逃げ部21a沿いに変化させることにより、何らかの原因でウェビングWが幅方向にスライドし、湾曲逃げ部21aに入り込んでも、ウェビングWがウェビング支持部16およびガイドベロー部17から受ける接触面圧力をウェビング幅方向全体に亘り略均圧化させることができる。湾曲逃げ部21bにウェビングWが入り込んだ場合も同様である。このウェビングWの幅方向面圧力を均一化させる面均圧接触構造を採用することにより、ウェビングWが幅方向にシフトし、湾曲逃げ部21aに入り込んでも、ウェビングWの幅方向面圧が幅方向に亘ってほぼ均一となるので、ウェビングWが折れ曲がったり、捩れたりするのを有効的に防止でき、ウェビングWに折りぐせを付けることを有効的に防止できる。
【0053】
このスリップアンカ10はウェビング支持部16とガイドベロー部17とにウェビングWの幅方向面均圧接触構造を採用することで、ウェビング支持部16の接触面積の大きなウェビング支持構造と、庇状のガイドベロー部17のプレート状案内面17bによる面接触ガイド構造により、ウェビングWの折れ曲がりや捩れを有効的にかつより一層確実に防止できる。このため、スリップアンカ10のウェビング挿通案内路18に沿ってウェビングWがその長手方向に摺動自在に案内されて支持される。ウェビングWはウェビング挿通案内路18に沿って向きが反転するように転回支持される。
【0054】
ウェビングWがスリッププレート23上を摺動する際には、横滑り防止手段25により、ウェビングWの幅方向の横滑りを防止し、その摺動方向を調整する作用力が働くので、緊急時に、ウェビングWに対し急激に強い衝撃力が加わった場合でも、ウェビングWのスライド性を保持しつつ、ウェビングWが幅方向に横滑りし、湾曲逃げ部21aに入り込む現象を防止する。従ってジャミング現象が発生しないので、耐衝撃時にもシートベルト装置としての安全性能を一層高めることができる。
【0055】
次にシートベルト装置用のスリップアンカ10の製造方法について説明する。
【0056】
シートベルト装置用スリップアンカ10を製造する場合には、帯状鋼板を予め用意する。帯状鋼板は厚さ3mm〜4mm程度、例えば3.2mm厚の鋼板が用いられる。
【0057】
この帯状鋼板を、例えば特開平8−188117号公報に開示されたプレス機械等のプレス装置により図11および図12に示す金具プレート11をプレス成形にて一体成形する。
【0058】
この金具プレート11は、プレート取付部26とアンカ案内部27とを折曲線FLを介して一体に所要角度α、例えば約20度の角度に折曲される。プレート取付部26は中央にボルト挿通孔28が穿設される。
【0059】
また、金具プレート11のアンカ案内部27は、ウェビング支持部30とプレートベロー部31とにより一体に成形され、ウェビング支持部30とプレートベロー部31との間にウェビング挿通孔32が形成される。ウェビング挿通孔32は直線状の挿通ガイド部33とこの挿通ガイド部33の両端部から弧状あるいは滑らかな湾曲状に立ち上がる湾曲逃げ部34a,34bとから形成される。
【0060】
アンカ案内部27のウェビング挿通孔32には少なくともウェビング係合側縁部を金具プレート11の左右両側に盛り上がらせて横断面円弧状膨出部36が形成される。このウェビング挿通孔32の少なくともウェビング係合側縁部に形成される円弧状膨出部36は前述した特開平8−188117号公報開示のプレス装置によりプレス成形時に形成される。スリップアンカ10のウェビング支持部16にスリッププレート23を組み付けて装着する場合には、円弧状膨出部36の成形は必ずしも必要ではない。
【0061】
金具プレート11がウェビング挿通孔32のウェビング非係合側を除いた例えば3側方のウェビング係合側縁部をプレート両側に膨出させ、円弧状膨出部36を縁部に形成することで、金具プレート11を補強構造とし、剛性力を高めることができる。また、円弧状膨出部36を形成した金具プレート11を樹脂モールド成形にて樹脂被覆を施し、スリップアンカ10を製造する際、樹脂被覆材14との接触面積大きくすることができ、樹脂被覆を安定的にかつ強固に施すことができる。
【0062】
樹脂被覆材39を施したスリップアンカ10をそのまま長年使用することにより、樹脂被覆が万一破損しても、ウェビングWは円弧状膨出部36と接触することとなり、ウェビングWが金具プレート11の鋭い角部と接触することがない面接触構造となるので、ウェビングWを損傷させることが少ない。
【0063】
また、金具プレート11のプレートベロー部31は、ウェビング支持部30から所要角度β、例えば20度〜30度の角度をなして屈曲され、中央部にモールド用成形孔37が窓孔として穿設される。この成形孔37やボルト挿通孔28、ウェビング挿通孔32および円弧状膨出部36はいずれもプレス成形加工の際に成形される。
【0064】
このようにプレス装置にて打抜き成形等のプレス成形により、帯状鋼板から金具プレート11が成形され、成形された金具プレート11は樹脂モールド成形時に成形型内にセットされる。金具プレート11をセットした成形型内に溶融した樹脂被覆材14をインジェクション注入してモールド成形することで、図1および図2に示すスリップアンカ10が製造される。
【0065】
製造されたスリップアンカ10は、プレートベロー部31のモールド用成形孔37を介して樹脂被覆材14が舌片状のプレートベロー部3の表面側および裏面側に廻り込むので、樹脂被覆材14で成形された樹脂成形品は強固な固着構造となり、プレートベロー部3に一体化させることができる。
【0066】
金具プレート11に樹脂被覆材14を成形型内でモールド成形して製造されたスリップアンカ10に、スリッププレート23が必要に応じて組み付けられて装着される。スリッププレート23は図13および図14に示すように弾性係数の大きなばね部材で全体として略半円筒状に成形される。
【0067】
スリッププレート23は、例えばフェライト系ステンレス鋼材料で形成されるが、適宜ばね係数の金属製のばね材料で形成してもよい。ステンレス鋼プレートは、圧延を繰り返す圧延ロール成形により加工確度を向上させ、ビッカース硬さで420〜430程度まで加工確度を向上させてばね性を持たせることができる。
【0068】
横滑り防止手段25としての長孔25aは、スリッププレート23を成形する際に同時に穴あけ加工を行って形成する。
【0069】
このとき長穴25aの外周縁部23aは、穴あけ加工と同時に曲げ加工が施され、スリッププレート裏面、すなわちスリップアンカ取付け面側に向けて滑らかな曲線形状を構成するよう形成される(図5参照)。この曲げ加工により外周縁部23aが成形されウェビングWの引っかかりや損傷が防止される。
【0070】
その他、周方向に延びる縦溝を長手方向に列状に形成したり、また、長手方向に延びる横溝を周方向に沿って列状に形成してもよい。さらに、スリッププレート23にエンボス加工を施して凹凸面を形成するなどして、スリッププレート23のスリップ性を適宜調整することが可能である。
【0071】
スリッププレート23は、続いて曲げ加工によりプレート本体40を所要形状の円弧状に形成するとともに、スリッププレート23のリーディングエッジとトレーリングエッジは内側に折曲されて係止部41が構成される。スリッププレート23の前後端に係止部41が形成されるとともに、プレート両側も内側に折曲され、この内側折曲部43がスリップアンカ10のウェビング支持部16に形成される周溝44に係合せしめられる。スリッププレート23の軸方向長さは、ウェビングWの幅に対応した値に設定される。
【0072】
スリッププレート23は、表面にクロムメッキ等の金属メッキが施される。
【0073】
しかして、スリッププレート23はスリップアンカ10のウェビング支持部16に、図3に示すように、装着される。スリッププレート23のウェビング支持部16への装着は、図15に示すようにして行なわれる。
【0074】
ばね材料のスリッププレート23のトレーリングエッジ側の係止部41を押えローラ46でウェビング支持部16の一方の顎部16aに押し付け、保持させる。押えローラ46でスリッププレート23のトレーリングエッジ側を押え付け、保持した状態で、スリッププレート23のリーディングエッジ側の係止部41をばね材料製のフックメンバ47で引っ掛けてウェビング支持部16に巻き付けるように引き寄せる。フックメンバ47でスリッププレート23のリーディングエッジ側をウェビング支持部16の円弧面に沿ってウェビング支持部16の他側の顎部16bまで引き寄せた後、フックメンバ47を引き抜きつつ、スリッププレート23をウェビング支持部16の円弧面側に手動あるいは自動的に押し付ける。この押付けによりスリッププレート23のばね力により、そのリーディングエッジ側の係止部41がウェビング支持部16の他方側の顎部16bに当接して係止せしめられ、スリッププレート23はばね作用によりスリップアンカ10のウェビング支持部16に強固に装着され、固定される。
【0075】
スリップアンカ10にスリッププレート23が装着された状態で、スリッププレート23の前後端部の係止部41はウェビング支持部16の顎部16a,16bに係合して係止せしめられる一方、スリッププレート23の両側に形成される内側折曲部43,43はウェビング支持部16の対応する周溝44,44に係合する。この係合により、スリッププレート23はウェビング支持部16に安定的に装着され、この装着状態でウェビング支持部16に安定した滑らかなウェビング係合摺動面22が形成される。
【0076】
このようにして製造されたスリップアンカ10は車両の車体側に直接あるいはショルダアジャスト装置を介して回動自在に取り付けられる。スリップアンカ10は例えば車両のセンターピラーに回動自在に取り付けられ、図示しないシートベルト装置のリトラクタから引き出されたウェビングWを、図1に示すように、スリップアンカ10のウェビング挿通用案内路18を通され、摺動自在に支持される。
【0077】
スリップアンカ10のウェビング挿通用案内路18を案内されたウェビングWはウェビング引抜き側に引き出され、その先端部に装着されたタングプレートにより、車体側据付けのバックル(図示せず)にワンタッチで着脱自在に装着される。
【0078】
車両に搭乗した乗員がシートベルト装置の使用時には、スリップアンカ10に挿通されるウェビングWの転向角度γは、セット時には例えば40度〜50度、具体的には45度をなし、通常運転時では80度以内にセットされる。すなわち、ウェビングWは通常運転時には、スリップアンカ10のウェビング引出し側とウェビング格納側がなす角度γは80度以内に設定される。
【0079】
しかし、車両衝突時等の緊急時には、ウェビングWの転向角度γは大きくなり、衝突の瞬間では108度〜120度程度に達することがある。このため、スリップアンカ10は、車両衝突時等の緊急時にも充分なアンカ強度が得られるように、衝突の瞬間の過渡現象時の転向角度をmax135度と設定し、この転向角度がmax時にもスリップアンカ10は充分な機械的・物理的強度が得られるように設計される。
【0080】
また、このスリップアンカ10は、ウェビング案内部13のウェビング支持部16とガイドベロー部17とが直接対向設置されず、ガイドベロー部17のプレート状案内面17aの延長線がウェビング支持部16のウェビング係合摺動面22にほぼ外接するように形成され、ガイドベロー部17はウェビング支持部16からウェビング引抜き側に斜設されて庇状に設けられる。
【0081】
一方、ウェビング支持部16は幅広のウェビング係合摺動面22を有し、このウェビング係合摺動面22でウェビングWを安定的に接触面積を大きくとって支持している。このウォータビークル支持部16のウェビング支持構造と、ガイドベロー部17のプレート状案内面17aによるウェビングWとの面接触構造により、ウェビングWに捩りや折れ曲がりを生じさせることなく、安定的かつスムーズに案内することができる。
【0082】
さらに、ウェビング支持部16に横滑り防止手段25を設けた構成としたので、ウェビングWに対して急激な衝撃力が加わった場合でも、高いガイド効果によりウェビングWの折れ曲がりや捩れが防止され、ジャミング現象を生じない。
【0083】
従って、このスリップアンカ10においては、ウェビングWに折りくせを付けたり、捩ることを有効的に防止して、ウェビングWを安定的かつスムーズにその長手方向にスライド自在に案内するので、ウェビングWの損傷や損耗を有効的にかつ未然に防ぎ、ウェビングWの損傷やベルト切れを防止することができ、ウェビングWの長寿命化を図ることができる。
【0084】
本発明に係るシートベルト用スリップアンカ10における横滑り防止手段25のバリエーションを下記に示す実施形態に例示する。
【0085】
図16には横滑り防止手段25を左右各1箇所に配置し、かつ、円周方向(円弧状方向)に延びる長穴25bとした第2実施形態を示す。第2実施形態は第1実施形態において左右各2個とした長穴25aを各1個の長穴25bに置き換えたものであるので、第2実施形態におけるスリッププレート23の平面図は省略する。
【0086】
また、図17および図18に示す第3実施形態のように、スリッププレート23の円周方向に長いひし形の長穴25cと三角形の長穴25dとを組み合わせて横滑り防止手段25を構成してもよい。
【0087】
さらに図19に示す第4実施形態のように、ひし形の長穴25fをスリッププレート23の周方向に複数個連鎖状に配列したものを複数列形成して横滑り防止手段25を構成してもよい。ウェビングWの幅方向のスライドを防止するため、種々の横滑り防止手段が考えられる。
【0088】
横滑り防止手段25の必要がない場合には、図20に示す第5実施形態のように横滑り防止手段25を設けず、スリッププレート23を平板で構成してもよい。
【0089】
ウェビング係合摺動面22は、スリッププレート23で形成する代りに、ウェビング支持部16の樹脂被覆材を直接露出させ、この露出面で形成してもよい。
【0090】
上述した横滑り防止手段25としての長穴は、形状や個数など任意に決定してよく、例えば長穴はスリッププレート23の幅方向中央部だけに設けてもよく、また、左右対称に設けてもよいし、左右非対称であってもかまわない。本発明者らの検討によれば、図2に示す第1実施形態のように左右対称に各2個ずつ長穴25aを設けたものや、図17に示す第3実施形態のように横滑り防止手段25をひし形の長穴25cおよび三角形の長穴25dに形成したものは特にガイド性能が良好であり、ウェビングWの摺動方向の方向付け効果が高い。そのため耐衝撃時でも、ウェビングを良好にガイドし、捩れや折れ曲がり等が発生しない。
【0091】
次に、本発明に係るシートベルト装置用スリップアンカの他の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0092】
この第6実施形態に示されたスリップアンカ10Aは、図21ないし図23に示されたアンカ構造を有する。このスリップアンカ10Aは金具プレート11のプレートベロー部31の部分を部分的に樹脂モールド成形することなく、プレートベロー部31を外部に露出させ、プレートベロー部31を除いた部分をモールド成形させる。
【0093】
そして、スリップアンカ10Aのプレートベロー部31に成形孔37を利用してポケット状ガイドカバー50をワンタッチで装着させ、ガイドベロー部17を形成する。ガイドカバー50はプレートベロー部31を収納する偏平な収納空間51をカバー本体52に形成し、このカバー本体52をプレートベロー部31の自由端側から挿入する。カバー本体52の収納室内51に突出して対をなす係止突起53,53をプレートベロー部31の成形孔37に係合させ、係止させることでガイドカバー50が装着される。
【0094】
スリップアンカ10Aのプレートベロー部31にガイドカバー50を被せるように装着し、ガイドカバー50の係止突起53,53をプレートベロー部31の成形孔37に係合させ、係止させることで、ガイドカバー50を安定的にワンタッチで装着でき、ガイドベロー部17を構成できる。
【0095】
プレートベロー部31に取り付けられるガイドカバー50は先端部をウェビング支持部16のウェビング係合摺動面22の側方まで延設することができ、その自由端部の長さは適宜設定できる。
【0096】
そして、ガイドベロー部12のガイドカバー50の先端部表面側を円弧状湾曲面50aに、先端部背面側をプレート状案内面51bとすることにより、第1実施形態で示したものと同様の作用効果を奏することができる。
【0097】
その際、ガイドカバー50は、図1ないし図3に示されたガイドベロー部17より、より下方まで延設することができるので、ウェビングWのガイドをより安定的かつスムーズなものとすることができる。
【0098】
スリップアンカ10Aの他の構成は、図1ないし図3に示されるスリップアンカ10と異ならないので同じ部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0099】
【発明の効果】
本発明に係るシートベルト装置用スリップアンカおよびその製造方法においては、ウェビング案内部に形成されるウェビング挿通用案内路がウェビングを面接触させて摺動自在に案内し、ウェビングの折れ曲がりや捩れを未然にかつ確実に防止し、ウェビングのジャミング現象を防止してウェビングの摺動を安定的かつ円滑に行なうことができ、シートベルト装置の機能を充分に維持でき、損なうことがない。
【0100】
また、本発明に係るシートベルト装置用スリップアンカおよびその製造方法においては、金属プレートを樹脂モールド成形で一体成形してスリップアンカを製造し、この製造時にスリップアンカのウェビング引出し側にガイドベロー部をウェビング支持部から所要角度屈曲させて庇状に一体成形できるので、生産性を高め、スリップアンカを効率よく安価に製造でき、庇状ガイドベロー部のプレート状案内面や弧状湾曲面でウェビングの浮き上がりを面接触で押え付け摺動を案内することができるので、ウェビングに折りぐせを付けたり、捩れが生じるのを有効的に防止でき、ウェビングのジャミング現象を有効的に防止してウェビングの損傷やウェビングのベルト切れを防止でき、ウェビングの長寿命化を図ることができる。
【0101】
さらに、本発明に係るシートベルト用スリップアンカおよびその製造方法によれば、ウェビング係合摺動面に装着されたスリッププレートに横滑り防止手段として穴あけ加工により長穴を設けたので、ウェビングに強い衝撃力が加わった場合でも、ウェビングに捩れやジャミング現象、横滑り現象が生じないため、ウェビングの摺動に支障がなく、シートベルト装置としての機能を損なうことがなく、安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシートベルト用スリップアンカの第1実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明に係るシートベルト用スリップアンカの第1実施形態を示す正面図。
【図3】図2に示されたスリップアンカのIII−III線に沿う断面図。
【図4】本発明に係るシートベルト用スリップアンカの第2実施形態におけるスリッププレートの展開図。
【図5】図2におけるII−II線に沿う断面図。
【図6】図2に示されたスリップアンカを下方から見た底面図。
【図7】図2に示されたスリップアンカのVI−VI線に沿う断面図。
【図8】図2に示されたスリップアンカのVII−VII線に沿う断面図。
【図9】図2に示されたスリップアンカのVIII−VIII線に沿う断面図。
【図10】図2に示されたスリップアンカのIX−IX線に沿う断面図。
【図11】図2に示されたスリップアンカを構成する金具プレートを示す正面図。
【図12】図11の金具プレートのXII−XII線に沿う断面図。
【図13】図2に示されたスリップアンカに装着されるスリッププレートを示す側面図。
【図14】図12に示されたスリッププレートを下方から見た図。
【図15】図2に示されたスリップアンカにスリッププレートの装着手順を示す模式図。
【図16】本発明に係るシートベルト用スリップアンカの他の実施形態を示すもので、図3に対応する断面図。
【図17】本発明に係るシートベルト用スリップアンカの第3実施形態を示す正面図。
【図18】本発明に係るシートベルト用スリップアンカの第3実施形態におけるスリッププレートの展開図。
【図19】本発明に係るシートベルト用スリップアンカの第4実施形態におけるスリッププレートの展開図。
【図20】本発明に係るシートベルト用スリップアンカの第5実施形態を示す正面図。
【図21】本発明に係るシートベルト用スリップアンカの第6実施形態を示すもので、図3に対応する断面図。
【図22】図15に示されたスリップアンカのプレートベロー部に装着されるガイドカバーの正面図。
【図23】(A)は図16に示されたガイドカバーの平面図、(B)は上記ガイドカバーの背面図。
【図24】従来のシートベルト装置用スリップアンカの全体を示す斜視図。
【図25】従来のシートベルト装置用スリップアンカの他の例を示す断面図。
【符号の説明】
10 スリップアンカ
11 金具プレート
12 アンカ取付部
13 ウェビング案内部
14 樹脂被覆材
15 ボルト取付孔
16 ウェビング支持部
17 ガイドベロー部
17a 弧状湾曲面
17b プレート状案内面
18 ウェビング挿通用案内路
19 凹部
20 挿通ガイド部
21a,21b 湾曲逃げ部
22 ウェビング係合摺動面
23 スリッププレート
24 ウェビング係合摺動面
25 横滑り防止手段
26 プレート取付部
27 アンカ案内部
28 ボルト挿通孔
30 ウェビング支持部
31 プレートベロー部
32 ウェビング挿通孔
33 挿通ガイド部
34a,34b 湾曲逃げ部
36 円弧状膨出部
37 モールド成形孔
39 樹脂被覆材
40 プレート本体
41 係止部
43 内側折曲部
44 周溝
50 ガイドカバー
51 収納空間
52 カバー本体
53 係止突起

Claims (13)

  1. 金具プレートに樹脂被覆材をモールド成形してスリップアンカを製造し、このスリップアンカは車体側に取り付けられるアンカ取付部と、ウェビングをその長手方向に摺動可能に案内するウェビング挿通用案内路を備えたウェビング案内部とを一体成形したシートベルト装置用スリップアンカにおいて、
    前記ウェビング案内部はウェビングを摺動自在に支持させるウェビング支持部と、このウェビング支持部からウェビング引出し側に屈曲させた庇状のガイドベロー部とを一体に備え、
    前記庇状のガイドベロー部は、アンカ取付部からウェビング引出側に突出するように、かつ前記ガイドベロー部の先端部表面側を横断面が外側に膨出する弧状湾曲面に、その先端部裏面側をプレート状案内面にそれぞれ形成し、
    前記プレート状案内面の延長線がウェビング支持部のウェビング引出側で横断面円弧状のウェビング係合摺動面に外接あるいはその近傍を通るように構成し、
    前記ウェビング支持部とガイドベロー部との間にウェビング挿通用案内路を形成したことを特徴とするシートベルト装置用スリップアンカ。
  2. 前記ウェビング支持部は、ウェビング挿通用案内路に面して横断面円弧状のウェビング係合摺動面を形成し、このウェビング係合摺動面は横断面の曲率半径を8mm〜10mmとした請求項1記載のシートベルト装置用スリップアンカ。
  3. 前記庇状のガイドベロー部は、先端部裏面側プレート状案内面から先端部表面側の弧状湾曲面にかけて滑らかな連続面で接続し、前記ガイドベロー部の弧状湾曲面は、ウェビング支持部に形成されるウェビング挿通用案内路からウェビング引出側に膨出して形成された請求項1記載のシートベルト装置用スリップアンカ。
  4. 前記ガイドベロー部は、車体側へのスリップアンカ取付状態で、ウェビング支持部のウェビング係合摺動面の頂面を通る水平面近傍まで延びて終端しており、前記ガイドベロー部とウェビング支持部との間に形成されるウェビング挿通用案内路はウェビングの厚さの2倍以下の通路間隙を有する請求項1記載のシートベルト装置用スリップアンカ。
  5. 前記ウェビング案内部のウェビング挿通用案内路は、ウェビングの幅に対応する直線状ガイド部と、このガイド部の両端部から滑らかに立ち上がる弧状の湾曲逃げ部とを有し、前記ウェビング支持部は直線状ガイド部から湾曲逃げ部の湾曲部にかけた領域で半円弧状横断面を有する形状に構成された請求項1記載のシートベルト装置用スリップアンカ。
  6. 前記ウェビング挿通用案内路の両側に形成される湾曲逃げ部は弧状の湾曲部とこの湾曲部から基端側に延びる直線部とを有し、上記弧状湾曲部に対応するウェビング支持部は直線状ガイド部から直線部にかけて円弧状横断面の曲率半径が漸次小さくなるように形成し、湾曲逃げ部の直線部では湾曲部から半円弧状横断面を滑らかに連続させる一方、上記直線部に対応するガイドベロー部はプレート状案内面の先端側の曲率半径を湾曲逃げ部の曲線部から基端側に向けて漸次大きくなるように形成した請求項5記載のシートベルト装置用スリップアンカ。
  7. 金具プレートに樹脂被覆材をモールド成形してスリップアンカを製造し、このスリップアンカは車体側に取り付けられるアンカ取付部と、ウェビングをその長手方向に摺動可能に案内するウェビング挿通用案内路を備えたウェビング案内部とを一体成形したシートベルト装置用スリップアンカにおいて、
    前記ウェビング案内部はウェビングを摺動自在に支持させるウェビング支持部と、このウェビング支持部からウェビング引出し側に庇状に屈曲させたガイドベロー部とを一体に備え、
    前記庇状のガイドベロー部は、アンカ取付部からウェビング引出側に突出するように、かつ、前記ガイドベロー部の先端部表面側を横断面が外側に膨出する弧状湾曲面に、その先端部裏面側をプレート状案内面にそれぞれ形成し、
    前記ウェビング案内部は、ウェビング挿通用案内路の直線状ガイド部に対応するウェビング支持部にばね部材で形成されたスリッププレートを装着し、このスリッププレートで横断面円弧状のウェビング係合摺動面を形成し、
    前記ガイドベロー部のプレート状案内面の延長線がウェビング支持部のウェビング引出側で横断面円弧状のウェビング接合摺動面に外接あるいはその近傍を通るように構成する一方、
    前記ウェビング支持部とガイドベロー部との間にウェビング挿通用案内路を形成したことを特徴とするシートベルト装置用スリップアンカ。
  8. 前記スリッププレートは横滑り防止手段を備え、
    前記横滑り防止手段は、スリッププレートに左右対称に2箇所ずつ設けられ、かつ、円弧状方向に延びる長穴とした請求項7記載のシートベルト用スリップアンカ。
  9. 前記横滑り防止手段は、スリッププレートに左右対称に1箇所ずつ設けられ、かつ、円弧状方向に延びる長穴とした請求項7記載のシートベルト用スリップアンカ。
  10. 前記横滑り防止手段は、長円形、ひし形、三角形または四角形に形成された長穴とした請求項7から9いずれか記載のシートベルト用スリップアンカ。
  11. 金具プレートに樹脂被覆材をモールド成形してスリップアンカを製造し、このスリップアンカは車体側に取り付けられるアンカ取付部と、ウェビングをその長手方向に摺動可能に案内するウェビング挿通用案内路を備えたウェビング案内部とを一体成形したシートベルト装置用スリップアンカにおいて、
    前記ウェビング案内部は、ウェビングを摺動自在に支持させるウェビング支持部と、このウェビング支持部のウェビング引出し側に庇状に屈曲させ、モールド用成形孔を形成した金具プレートの庇状プレートベロー部とを一体に成形し、
    上記庇状のプレートベロー部にポケット状のガイドカバーをワンタッチで装着し上記ガイドカバーの係止突起をプレートベロー部のモールド成形孔に係止させて庇状のガイドベロー部を構成し、
    前記庇状のガイドベロー部は、アンカ取付部からウェビング引出側に突出するように、前記ガイドベロー部のガイドカバーの先端部表面側を横断面が外側に膨出する弧状湾曲面に、先端部裏面側をプレート状案内面にそれぞれ形成し、
    上記ガイドベロー部とウェビング支持部との間にウェビング挿通用案内路を形成し、前記ウェビング支持部はウェビング挿通用案内路に面して横断面円弧状のウェビング係合摺動面を形成したことを特徴とするシートベルト装置用スリップアンカ。
  12. 帯状鋼板をプレス成形して金具プレートを成形し、
    この金具プレートのプレス成形時に金具プレートのアンカ取付部とウェビング案内部を所要の角度で屈曲成形するとともに、前記ウェビング案内部からプレートベロー部をさらに所要の角度で庇状に屈曲成形させ、
    前記ウェビング案内部に穿設されるウェビング挿通孔の少なくともウェビング係合側縁部を両側に膨出させて円弧状膨出部を形成し、
    続いて円弧状膨出部が形成された金具プレートをモールド成形により樹脂被覆材を被着させてウェビング引出側に庇状に屈曲させたガイドベロー部と、ウェビング挿通ガイド部を上記ガイドベロー部との間に構成するウェビング支持部とをそれぞれ形成し、
    前記庇状のガイドベロー部は、アンカ取付部からウェビング引出側に突出するように、かつ前記ガイドベロー部の先端部表面側を横断面が外側に膨出する弧状湾曲面に、先端部裏面側をプレート状案内面にそれぞれ形成し、前記プレート状案内面の延長線がウェビング支持部のウェビング引出側で横断面円弧状のウェビング接合摺動面に外接あるいはその近傍を通るように構成してスリップアンカを製造することを特徴とするスリップアンカの製造方法。
  13. 前記スリップアンカに装着されるスリッププレートが、ばね部材を湾曲成形してトレーリングエッジ側とトレーリングエッジ側に、内側に屈曲された係止部を形成し、
    前記スリッププレートのトレーリングエッジ側の係止部を押えローラでスリップアンカのウェビング支持部の一方の顎部に押し付けて保持した状態で、前記スリッププレートのリーディングエッジ側の係止部をばね部材製のフックメンバと係合させてウェビング支持部の横断面円弧状部に巻き付けるように引き寄せ、
    前記フックメンバにて前記スリッププレートのリーディングエッジ側を前記ウェビング支持部の円弧面に沿って前記ウェビング支持部の他方の顎部まで引き寄せた状態で、前記フックメンバを引き抜きつつ、前記スリッププレートを前記ウェビング支持部の横断面円弧状部の円弧面側に手動あるいは自動的に押し付け、
    この押付力と前記スリッププレートのばね力により、前記リーディングエッジ側の係止部を前記ウェビング支持部の他方側の顎部に当接させて係止させ、前記スリッププレートのばね作用により前記スリップアンカの前記ウェビング支持部に前記スリッププレートを装着することを特徴とする請求項12に記載のスリップアンカの製造方法。
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