JP3857451B2 - 微細接合装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触式ICカードなどの情報担体に搭載されるICチップとコイルの接続などに好適な微細接合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
非接触式ICカード等の非接触式情報担体は、定期券、運転免許証、テレホンカード、キャッシュカード等の代替品としての使用が検討されており、大量の使用が見込まれるところから、製造工程をいかに簡略化し、単価を下げるかが最も重要な技術的課題の1つになっている。
【0003】
本願出願人は、先に、かかる技術的課題を解決するため、ICチップの入出力端子(パッド)とコイルの両端部とが直接接続されたものを不織布製のフレキシブル基体の内部に埋設してフレキシブルICモジュールを得、次いで当該フレキシブルICモジュールの表裏面にカバーシートを被着して所要の非接触式情報担体を製造する方法を提案した(特願平9−163614号)。
【0004】
この方法によれば、ICチップの入出力端子とコイルの両端部とを直接接続したので、ICチップを配線基板上に実装し、当該配線基板に形成された電極端子にコイルの両端部を接続する場合に比べて、非接触式情報担体を薄形化及び低コスト化することができる。また、ICチップとコイルの接続体をフレキシブル基体の内部に埋設したので、微小なICチップ及び低剛性のコイルの取扱いが容易になり、非接触式情報担体の製造効率を高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ICチップに対するコイルの直接接続手段としては、接合部分をボンディングツールにて強圧しつつ、当該ボンディングツールより超音波を発振して、そのエネルギにてICチップに形成された金バンプを溶融して接合するウェッジボンディング法、ICチップの入出力端子に形成されたハンダバンプを低加圧下で加熱溶融して接合するハンダ法、ICチップの入出力端子に形成された金バンプを低加圧下で加熱溶融して接合する溶接法、それにICチップの入出力端子に形成されたニッケルバンプとコイルの心線とを加熱下で接触させて拡散により合金化する拡散接合法等が考えられる。
【0006】
これらの各直接接続方法のうち、ウェッジボンディング法によると、コイルの接合部分が強圧を受けることによって扁平状に変形するので、変形部と非変形部との境界部からコイルが断線しやすく、また、接合部分に超音波及び強圧を加えることからICチップにダメージを与えやすい。これに対して、ハンダ法や溶接法それに拡散接合法にはかかる不都合がないので、これらの接合法は、非接触式情報担体の信頼性、耐久性、生産性を高める上でより好ましいICチップとコイルの直接接続方法と言える。
【0007】
ハンダ法や溶接法それに拡散接合法を実行するための加熱ヘッドとしては、接合部分を接合に必要な温度まで加熱可能な熱源を有するものであれば任意のものを用いることができるが、ICチップの熱によるダメージを最小限に押え、かつ高い接続効率を得るためには、極めて短時間のうちに接合部分を所要温度まで加熱することができ、かつ熱を狭い領域内に集中することができ、さらには加熱条件の設定及び維持管理が容易であることが求められる。
【0008】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ICチップの入出力端子にコイルを直接接続するに好適な微細接合装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、微細接合装置を、微小なギャップを隔てて配置された2つの電極を有する加熱ヘッドと、当該加熱ヘッドを所定の接合位置又は非接合位置に移動するヘッド駆動部と、前記加熱ヘッドを前記所定の接合位置まで移動したときに前記2つの電極及び被接合物と接触するリボン状抵抗発熱体と、前記電極に電力を供給する電源部とを備え、前記リボン状抵抗発熱体を前記電極を介してその両側に取り付けられたリボン巻回リール及びリボン巻取リールに巻回し、前記リボン巻回リールより引き出され前記リボン巻取リールに巻き取られた前記リボン状抵抗発熱体の一部を前記各電極の先端部に接触させ、前記リボン巻回リール又は前記リボン巻取リールを駆動することによって前記リボン状抵抗発熱体を長さ方向に駆動できるようにするという構成にした。
【0010】
前記構成の微細接合装置によれば、以下の手順でICチップの入出力端子にコイルをハンダ付け又は溶接することができる。即ち、ハンダバンプや金バンプが形成されたICチップの入出力端子にコイルの端部を重ねあわせた後、ヘッド駆動部によりコイルの上方より加熱ヘッドを下降して、ICチップ及びコイルの接合部分に押圧力を作用する。次いで、加熱ヘッドを構成する各電極に電源部からの電力を供給して抵抗発熱体に通電し、当該抵抗発熱体の通電部分に抵抗発熱を起させる。この熱によってハンダバンプや金バンプを溶融し、ICチップの入出力端子とコイルとを接合する。接合完了後は、ヘッド駆動部により加熱ヘッドを上昇して抵抗発熱体をコイルから離隔する。
【0011】
また、前記構成の微細接合装置によれば、以下の手順でICチップの入出力端子にコイルを拡散接合することができる。即ち、ニッケルバンプが形成されたICチップの入出力端子にコイルの端部を重ねあわせた後、ヘッド駆動部によりコイルの上方より加熱ヘッドを下降して、ICチップ及びコイルの接合部分に押圧力を作用する。次いで、接合ヘッドを構成する各電極に電源部からの電力を供給して抵抗発熱体に通電し、当該抵抗発熱体の通電部分に抵抗発熱を起させる。この熱及び加熱ヘッドの押圧力によってニッケルバンプとコイルの心線との間に拡散を起こさせ、ICチップの入出力端子とコイルとを接合する。接合完了後は、ヘッド駆動部により接合ヘッドを上昇して抵抗発熱体をコイルから離隔する。
【0012】
本構成の微細融接装置は、微小なギャップを隔てて対向に配置された2つの電極の先端部に抵抗発熱体を接触させ、電極からの電力供給によって抵抗発熱体を発熱させるので、ギャップを狭小化することによって加熱領域を極めて狭い領域内に限定することができる。したがって、例えば100μm程度の微小な領域内の接合が可能で、ICチップの入出力端子とコイルとの接合に容易に適用できると共に、ICチップの熱的ダメージを防止できる。
【0014】
抵抗発熱体をリボン状に形成すると、通電により発生した熱が当該抵抗発熱体を伝って通電領域外に逃げやすいので、加熱領域をさらに狭い領域内に限定することができる。したがって、より微小な領域内の接合が可能となり、かつICチップへの熱的影響をより抑制することができる。また、接合完了後に電極に対するリボン状抵抗発熱体の接触位置を変更すると、常時清浄なリボン状抵抗発熱体を接合部に突き当てることができるので、接合部への異物の混入が防止できる。即ち、絶縁被覆を剥離することなく被覆導線を直接入出力端子に接触させて接合作業を行うと、接合ヘッドから与えられる熱によって絶縁被覆が昇華し炭化物が発生するが、この炭化物はリボン状抵抗発熱体の巻き取りによって順次接合領域外に排出されるので、前回の接合時にリボン状抵抗発熱体に付着した炭化物が次回の接合時に接合部分に接触せず、接合部への炭化物の混入を防止できる。したがって、コイル接合前の絶縁被覆の剥離が不要となり、被覆導線からなるコイルの接合を容易かつ確実に行うことができる。
【0015】
なお、前記リボン状抵抗発熱体としては、通電によって所定温度まで発熱可能なものであれば任意の素材から成るものを用いることができるが、比抵抗及び熱伝導率が共に大きく、電力供給部分を速やかに所定温度まで昇温できて、しかも発熱部分を微小な領域に限定する効果が大きいことから、高純度の単結晶モリブデンからなるモリブデンリボンを用いることが好ましい。
【0016】
また、前記リボン状抵抗発熱体を繰り返し使用できるようにするため、リボン状抵抗発熱体と接する部分に、当該リボン状抵抗発熱体に付着した異物を除去するための異物除去手段、例えばブラシやナイフエッジを備えることもできる。
【0017】
加えて、前記微細接合装置の加熱ヘッドと対向する部分には、電極に対する被接合物の位置決めを容易にして接合作業を効率化するため、被接合物を取り付けて電極に対する当該被接合物の接合位置を調整するX−Yテーブルを備えることもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る微小接合装置の一例を、図1〜図3に基づいて説明する。図1は本例に係る微小接合装置の全体構成図、図2は接合ヘッド及びその周辺部分の拡大正面図、図3は接合ヘッドの駆動部を示す要部断面図である。
【0019】
図1〜図3から明らかなように、本例の微小接合装置は、作業テーブル兼用の基台1と、当該基台1上に取り付けられた加熱ヘッド2及びヘッド駆動部3並びに制御部4とから基本的に構成されている。
【0020】
加熱ヘッド2は、図2に詳細に示すように、絶縁体21に取り付けられ微小なギャップdを隔てて対向に配置された2つの電極22a,22bと、当該電極22a,22bを介してその両側に配置されたリボン巻回リール23a及びリボン巻取リール23bと、これらの各リール23a,23bに巻回され、その一部が前記電極22a,22bの先端部に接触するように配線されたリボン状抵抗発熱体24と、リボン巻取リール23bを駆動するモータ25と、前記各リール23a,23bに付設され前記リボン状抵抗発熱体24に付着した異物を除去する異物除去手段26とを備えて成る。
【0021】
なお、前記リボン状抵抗発熱体24としては、通電によって所定温度まで発熱可能なものであれば任意の素材から成るものを用いることができるが、比抵抗及び熱伝導率が共に大きく、電力供給部分を速やかに所定温度まで昇温できて、しかも発熱部分を微小な領域に限定する効果が大きいことから、高純度の単結晶モリブデンからなるモリブデンリボンを用いることが特に好ましい。また、前記異物除去手段26としては、ブラシやナイフエッジ等を用いることができ、基台1上への除去した異物の落下を防止するため、当該異物除去手段26の周囲を箱状の異物収納体(図示省略)にて覆うこともできる。
【0022】
加熱ヘッド2は、図1及び図3に示すように、ピン27aを介してヘッド支持体27に旋回可能にピン結合されており、その末端部にはヘッド駆動部3を連結するためのブラケット28が突設されている。
【0023】
ヘッド駆動部3は、図3に示すように、基台1上に設定されたソレノイド31と、当該ソレノイド31の駆動軸31aに付設されたスプリングやゴム等の弾性体32と、一端が前記弾性体32を介して前記ソレノイド31の駆動軸31aに連結され、他端が前記ブラケット28にピン結合された連結軸33と、前記ソレノイド31をオン・オフするスイッチ34とから成る。なお、当該スイッチ34としては、手元スイッチを用いることもできるしフットスイッチを用いることもできる。また、当該ヘッド駆動部3には、必要に応じて、前記弾性体32の弾力を調整するための手段を設けることもできる。
【0024】
制御装置4は、電源部4a及び接合条件を設定するための入力部4bを含んで構成される。
【0025】
以下に、実施形態例に係る微細接合装置の主な仕様を列挙する。
1.電圧 0.1〜3.0(V)
2.電流 1〜99(A)
3.出力時間 0.1〜30(mS)
4.モリブデンテープの厚み 20(μm)
5.モリブデンテープの幅 2(mm)。
【0026】
次に、前記のように構成された微細接合装置を用いたICチップとコイルとの直接接続方法について説明する。
【0027】
まず、ICチップとして入出力端子(パッド)にハンダバンプ又は金バンプが形成されたものを用い、ハンダバンプ又は金バンプを加熱溶融してコイルを融接する場合を、図2に基づいて説明する。
【0028】
図2において、符号41はICチップを、符号51はコイルを示している。ICチップ41としては、入出力端子41aにハンダバンプ又は金バンプ42が形成されたものが用いられる。一方、コイル51としては、図4(a)に示すように、銅やアルミニウムなどの良導電性金属材料からなる心線51aの周囲に樹脂などの絶縁層51bが被覆された線材から成るもの、又は図4(b)に示すように、心線51aの周囲に金やハンダなどの接合用金属層51cが被覆され、かつ当該接合用金属層51cの周囲に絶縁層51bが被覆された線材から成るもの、又は図4(c)に示すように、心線51aの周囲に絶縁層51bが被覆され、かつ当該絶縁層51bの周囲に加熱処理又は溶剤処理によって溶融する融着層51dが被覆された線材から成るもの等を用いることもできる。
【0029】
融着層51dを有する線材としては、住友電工株式会社製の自己融着マグネットワイヤ「ボンドメット線(SSB)」を挙げることができ、この種の線材を用いると、コイル巻回後に加熱処理又は溶剤処理を施して融着層51dを溶融することによってコイルの隣接する線間を結合することができるので、コイルの剛性を高めることができ、その取り扱いを容易なものにすることができる。また、各線間を結合することにより線間距離を常に一定にすることができるので、コイルの浮遊容量が一定になり、通信特性を安定させることができる。さらに、ICチップ41とコイル51との接合体をカード基体に搭載して非接触ICカードを製造する場合には、融着層51dが溶融されたコイル51をカード基体上におくことだけでコイル51とカード基体との接合を完了することができるので、非接触ICカードのケーシング作業をより効率化することができる。
【0030】
なお、心線51aの周囲に絶縁層51bが被覆された線材を用いる場合には、巻回されたコイルの線間距離を大きくして浮遊容量の発生を抑制し通信特性の劣化を防止するため、並びに微細接合装置による絶縁層51bの剥離範囲を狭い範囲に制限して心線51aとICチップ41に形成されたテスト用端子41b(図2参照)との導通を防止するため、可能な限り絶縁層51bの膜厚(絶縁層51b及び融着層51dの両者を有する場合には総厚)が大きな線材を用いることが好ましい。例えば、心線の線径が40μmのコイル用被服導線にあっては、通常5μm前後の膜厚の絶縁層が被覆されているが、10μm乃至20μm程度の絶縁層を形成することが好ましい。
【0031】
ICチップ41とコイル51との直接接続を実行するに先立ち、入力部4bを操作して、電源部4aから加熱ヘッド2への電力供給条件、例えば電流値、電圧値、電力供給時間等を設定する。即ち、入出力端子41aに設けられたハンダバンプ42を利用してコイル51をハンダ付けする場合と、入出力端子41aに設けられた金バンプ42を利用してコイル51を溶接する場合とでは、リボン状抵抗発熱体24の加熱条件が異なるので、入力部4bを操作して所要の電力供給条件を設定する。また、電極22a,22bのギャップdが可変に構成されている場合には、入力部4bを操作して所要のギャップdを選択する。
【0032】
制御部4の条件設定が終了した後、図2に示すように、基台1上の所定位置にICチップ41を位置決めして載置し、当該ICチップ41の入出力端子41a上にコイル51の端部を重ねあわせる。
【0033】
スイッチ34をオンしてソレノイド31を励磁し、その駆動軸31aを上向きに突出させる。これによって、当該駆動軸31aに取り付けられた弾性体32及び連結軸33それに加熱ヘッド2に設けられたブラケット28が上昇し、加熱ヘッド2の先端部がピン27aを中心として基台1側に下降する。このため、リボン状抵抗発熱体24を介して電極22a,22bが弾性体32の弾性力によってコイル51に押圧され、ICチップ41の入出力端子41aに対するコイル51の位置決めが完了する。
【0034】
次いで、電源部4aから電極22a,22bに所定電力を所定時間供給し、電極22a,22bに接触したリボン状抵抗発熱体24に通電して、リボン状抵抗発熱体24に抵抗発熱を起させる。この熱によってコイル51の絶縁層51b(融着層51dを有する線材を用いた場合には、融着層51dを含む。)を昇華して除去すると共に、ハンダバンプや金バンプ42を溶融して、ICチップ41の入出力端子41aとコイル51とを接合する。
【0035】
接合完了後、スイッチ34をオフしてソレノイド31の励磁を断ち、その駆動軸31aを下向きに吸引させる。これによって、加熱ヘッド2の先端部を上昇してリボン状抵抗発熱体24をコイル51から離隔する。最後に、モータ25を駆動してリボン巻取リール23bを所定角度回転し、電極22a,22bに対するリボン状抵抗発熱体24の接触位置を変更する。この過程において、リボン状抵抗発熱体24が異物除去手段26と摺動し、リボン状抵抗発熱体24に付着した絶縁層51bの燃焼炭化物等が除去される。
【0036】
本例の微細接合装置は、微小なギャップdを隔てて平行に配置された2つの電極22a,22bの先端部にリボン状抵抗発熱体24を接触させ、電極22a,22bからの電力供給によってリボン状抵抗発熱体24を発熱させるので、加熱領域を極めて狭い領域内に限定することができ、ICチップ41の入出力端子41aとコイル51との接合を実現できる。特に、リボン状抵抗発熱体24としてモリブデンリボンを用いた場合には、比抵抗及び熱伝導率が共に大きく、狭い通電領域に大きな熱量を発生させることができるので、例えば100μm又はそれ以下の微小な領域内のハンダ付け又は溶接が可能となる。また、接合完了後に電極に対するリボン状抵抗発熱体24の接触位置を変更するので、常時清浄なリボン状抵抗発熱体24を接合部に突き当てることができ、接合部への異物の混入が防止できる。さらに、リボン巻回リール23a及びリボン巻取リール23bに異物除去手段26を備えて、リボン状抵抗発熱体24に付着した炭化物等を除去するようにしたので、リボン状抵抗発熱体24の繰り返し使用が可能となり、ランニングコストを引き下げることができる。
【0037】
次に、ICチップとして入出力端子にニッケルバンプが形成されたものを用い、ニッケルバンプとコイルの心線とを拡散接合する場合を、図5に基づいて説明する。
【0038】
図5において、符号41はICチップを、符号51はコイルを示している。ICチップ41としては、入出力端子41aに無電解めっき法にてニッケルバンプ43が形成され、その表面に腐食防止用の金層43aが、例えばフラッシュめっき法により被覆されたものが用いられる。ニッケルバンプの高さは、10〜20μmが望ましい。これ以下では熱ダメージが入出力端子のアルミパッドに及び、これ以上では高さのバラツキが発生しやすくなって接合の歩留まりが劣化するからである。一方、コイル51としては、上例の場合と同様に、図4(a)〜(c)に例示されたものを用いることができる。
【0039】
ICチップ41とコイル51との直接接続を実行するに先立ち、入力部4bを操作して、電源部4aから加熱ヘッド2への電力供給条件を、拡散接合に適した条件に設定する。また、電極22a,22bのギャップdが可変に構成されている場合には、必要に応じ入力部4bを操作して所要のギャップdを選択する。
【0040】
制御部4の条件設定が終了した後、図5に示すように、基台1上の所定位置にICチップ41を位置決めして載置し、当該ICチップ41の入出力端子41a上にコイル51の端部を重ねあわせる。
【0041】
以下、上例の場合と同様に、ICチップ41の入出力端子41aに対するコイル51の位置決めを行った後、電源部4aから電極22a,22bに所定電力を所定時間供給し、電極22a,22bに接触したリボン状抵抗発熱体24に通電して、リボン状抵抗発熱体24に抵抗発熱を起させる。この熱によってコイル51の絶縁層51b(融着層51dを有する線材を用いた場合には、融着層51dを含む。)を昇華して除去すると共に、ニッケルバンプ43とコイル51の心線51dとの間に拡散を起こさせて、ICチップ41の入出力端子41aとコイル51とを接合する。拡散接合法によると、コイル51の接合部は、図5に示すように略楕円状に圧潰される。
【0042】
それ以後の操作については、上例の場合と同じであるので、重複を避けるために説明を省略する。又、接合の効果も、コイル51の接合部が略楕円状に圧潰される点を除いて上例の場合と同じであるので、説明を省略する。
【0043】
以下に、拡散接合法を実施するに好適な諸条件を列挙する。
Figure 0003857451
【0044】
本例の場合、使用したコイル用線材の引張強度は約35(g)であり、接合部の引張強度は約31(g)であった。引張試験の結果、試料の破断は全てコイル用線材の断線によるものであり、バンプ42とコイル用線材との接続部、及びバンプ42とアルミパッド間でのはがれ不良は発生しなかった。このことから、本発明に係る微細接合装置を利用してICチップの入出力端子と被覆銅線とを拡散接合すると、引張強度をほとんど低下させずに良好な接合を実現できることがわかった。
【0045】
なお、前記実施形態例においては、加熱ヘッド2の駆動源としてソレノイド31を用いたが、他の動力、例えばモータや形状記憶合金を用いることも勿論可能である。
【0046】
また、前記実施形態例においては、ICチップ41の入出力端子41aにニッケルバンプ42を形成したが、パラジウムや銅をもってバンプを形成することもできる。
【0047】
また、前記実施形態例においては、ICチップ41の入出力端子41aとコイル51との接合に適用した場合について説明したが、その他、マイクロパターン回路のジャンパ接合にも応用することができる。
【0048】
さらに、前記実施形態例においては省略したが、微小部分の融着を容易にするため、基台1に顕微鏡を備えることもできる。また、電極22a,22bに対する被接合物(ICチップ41及びコイル51)の位置決めを容易にして接合作業を効率化するため、図6に示すように、被接合物を取り付けて電極22a,22bに対する当該被接合物の接合位置を調整するためのX−Yテーブル61を基台1上に備えることもできる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の微細接合装置は、微小なギャップを隔てて対向に配置された2つの電極の先端部に抵抗発熱体を接触させ、電極からの電力供給によって抵抗発熱体を発熱させるので、加熱領域を極めて狭い領域内に限定することができ、ICチップに熱的なダメージを与えることなく、ICチップの入出力端子とコイルとの接合を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例に係る微小接合装置の全体構成図である。
【図2】加熱ヘッド及びその周辺部分の拡大正面図である。
【図3】加熱ヘッドの駆動部を示す要部断面図である。
【図4】コイルの断面構造を例示する断面図である。
【図5】実施形態例に係る微小接合装置を用いたICチップの入出力端子とコイルとの拡散接合方法を示す要部断面図である。
【図6】他の実施形態例に係る微小接合装置の全体構成図である。
【符号の説明】
1 基台
2 加熱ヘッド
3 ヘッド駆動部
4 制御部
4a 電源部
4b 入力部
21 絶縁体
22a,22b 電極
23a リボン巻回リール
23b リボン巻取リール
24 リボン状抵抗発熱体
25 モータ
26 異物除去手段
27a ピン
28 ブラケット
31 ソレノイド
31a 駆動軸
32 弾性体
33 連結軸
34 スイッチ
41 ICチップ
51 コイル
61 X−Yテーブル

Claims (4)

  1. 微小なギャップを隔てて配置された2つの電極を有する加熱ヘッドと、当該加熱ヘッドを所定の接合位置又は非接合位置に移動するヘッド駆動部と、前記加熱ヘッドを前記所定の接合位置まで移動したときに前記2つの電極及び被接合物と接触するリボン状抵抗発熱体と、前記電極に電力を供給する電源部とを備え
    前記リボン状抵抗発熱体を前記電極を介してその両側に取り付けられたリボン巻回リール及びリボン巻取リールに巻回し、前記リボン巻回リールより引き出され前記リボン巻取リールに巻き取られた前記リボン状抵抗発熱体の一部を前記各電極の先端部に接触させ、前記リボン巻回リール又は前記リボン巻取リールを駆動することによって前記リボン状抵抗発熱体を長さ方向に駆動できるようにしたことを特徴とする微細接合装置。
  2. 請求項1に記載の微細接合装置において、前記リボン状抵抗発熱体として、単結晶モリブデンからなるものを用いたことを特徴とする微細接合装置。
  3. 請求項1に記載の微細接合装置において、前記リボン状抵抗発熱体と接する部分に、当該リボン状抵抗発熱体に付着した異物を除去するためのブラシ又はナイフエッジを備えたことを特徴とする微細接合装置。
  4. 請求項1に記載の微細接合装置において、前記加熱ヘッド、前記リボン状抵抗発熱体、前記リボン巻回リール及び前記リボン巻取リールと対向する部分に、前記被接合物を取り付けて前記電極に対する当該被接合物の接合位置を調整するX−Yテーブルを備えたことを特徴とする微細接合装置。
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