JP3857199B2 - 毛髪脱染剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化染料等の染料によって染色された毛髪を脱染するための毛髪脱染剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の毛髪脱染剤組成物としては、特表2000−504348号公報に記載の薬剤が知られている。この薬剤はアスコルビン酸、ヒドロキシエチルセルロース、水等を含有するゲル状組成物、アスコルビン酸等を含有する粉末状組成物として提供され、酸化染料等の染料をアスコルビン酸によって還元脱色するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の毛髪脱染剤組成物においては、ゲル状組成物である場合、アスコルビン酸の保存安定性が十分に得られず、十分な脱染力が得られないという問題があった。また、粉末状組成物である場合、アスコルビン酸の保存安定性は得られるが、薬剤が毛髪へなじみにくいため、操作性が悪く、十分な脱染力が得られないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、十分な操作性及び脱染力を得ることができる毛髪脱染剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の毛髪脱染剤組成物では、第1剤と第2剤とが使用時に混合調製される毛髪脱染剤組成物であって、前記第1剤はゲル状又は液状の組成物であるとともに、前記第2剤は固体状の組成物であり、第1剤と第2剤には下記に示す成分が含有されているものである。
【0006】
第1剤:(A)カラヤガム及びトラガントガムから選ばれる少なくとも一種。
(B)水。
第2剤:(C)アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体から選ばれる少なくとも一種。
【0007】
請求項2に記載の発明の毛髪脱染剤組成物では、請求項1に記載の発明において、さらに、前記第1剤には(D)成分として前記(A)成分以外の水溶性高分子化合物から選ばれる少なくとも一種、が含有されるものである。
【0008】
請求項3に記載の発明の毛髪脱染剤組成物では、請求項2に記載の発明において、前記(D)成分は、セルロース系水溶性高分子化合物であるものである。
請求項4に記載の発明の毛髪脱染剤組成物では、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、さらに、前記第2剤には(E)フマル酸が含有されるものである。
【0009】
請求項5に記載の発明の毛髪脱染剤組成物では、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、刷毛を用いて毛髪に塗布されるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の毛髪脱染剤組成物としての毛髪脱染剤は、第1剤と第2剤とが使用時に混合調製されるものである。混合調製された第1剤と第2剤の混合物は、毛髪に塗布され、染毛処理が施された毛髪の脱染に適用されるものである。この第1剤は液状又はゲル状の組成物であり、第2剤は固体状の組成物である。この第1剤には(A)カラヤガム及びトラガントガムから選ばれる少なくとも一種及び(B)水が含有される。また、第2剤には(C)アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体から選ばれる少なくとも一種が含有される。
<第1剤>
本実施形態における第1剤には、(A)カラヤガム及びトラガントガムから選ばれる少なくとも一種及び(B)水が含有される。また、第1剤には(D)成分として(A)成分以外の水溶性高分子化合物から選ばれる少なくとも一種が含有されることが好ましい。第1剤にはその他に多価アルコール、界面活性剤が含有される。
【0011】
(A)カラヤガム及びトラガントガムから選ばれる少なくとも一種は毛髪脱染剤に適度な粘度を与えるための増粘剤として配合される。
カラヤガムは、アオギリ科の植物であるカラヤの樹液を乾燥及び精製して得られる天然多糖類である。トラガントガムはマメ科の植物から得られる天然多糖類である。これらのカラヤガム及びトラガントガムは、水溶性が良好であり、一般に水溶性高分子化合物に分類されるものである。
【0012】
混合物中における(A)成分の含有量は、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、最も好ましくは0.5〜3重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、増粘する作用が十分に得られなく、毛髪脱染剤に適度な粘度を与えることができないおそれがある。一方、10重量%を超えて配合すると、第1剤が高粘度となり第2剤との混合調製が困難となるおそれがある。
【0013】
(B)水は、(A)成分、第2剤等の可溶化剤として配合される。混合物中における(B)成分の含有量は、好ましくは20〜98重量%、より好ましくは50〜98重量%、最も好ましくは70〜95重量%である。この含有量が20重量%未満であると、使用時に第2剤と混合調製する際、第2剤の溶解性が低下するおそれがある。一方、98重量%を超えて配合すると、毛髪脱染剤の粘度が低くなり、操作性に不具合が生じるおそれがある。
【0014】
(D)成分である(A)成分以外の水溶性高分子化合物から選ばれる少なくとも一種は、毛髪脱染剤に適度な粘度を与える増粘剤及び(A)成分の粘度安定性を確保するための粘度安定剤として配合される。(D)成分の具体例としては、セルロース系水溶性高分子化合物、でんぷん系水溶性高分子化合物、天然系水溶性高分子化合物、合成系水溶性高分子化合物等が挙げられる。セルロース系水溶性高分子化合物としてはメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びそれらの塩類等が挙げられる。でんぷん系水溶性高分子化合物としては、でんぷん類、デキストリン、カルボキシメチルでんぷん等が挙げられる。天然系水溶性高分子化合物としては、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。合成系水溶性高分子化合物としては、カルボキシビニル重合体、ポリアクリル酸とその塩類、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらの(D)成分の中でも、(A)成分の粘度安定性を確保する効果に優れることから、好ましくはセルロース系水溶性高分子化合物、さらに好ましくはカルボキシメチルセルロース又はヒドロキシメチルセルロース、最も好ましくはカルボキシメチルセルロースである。
【0015】
混合物中における(D)成分の含有量は、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、最も好ましくは0.5〜3重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、成分(A)の粘度安定性が十分に得られないおそれがある。一方、10重量%を超えて配合すると、毛髪脱染剤の粘度が過大となり、操作性に不具合が生じるおそれがある。
【0016】
多価アルコールは、(A)成分、第2剤等の溶解性を向上させるために配合される。多価アルコールの具体例としてはプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン(重合度5以上)等が挙げられる。混合物中における多価アルコールの含有量は、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、最も好ましくは0.5〜3重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、(A)成分、第2剤等の溶解性を十分に向上できないおそれがある。一方、10重量%を超えて配合しても、それ以上の効果は得られにくい。
【0017】
界面活性剤は、第1剤の安定性を向上させるために配合される。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0018】
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)アルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという)アルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。POEアルキルエーテル類の具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル等が挙げられる。
【0019】
カチオン性界面活性剤の具体例としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
【0020】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩等が挙げられる。
【0021】
両性界面活性剤の具体例としては、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
【0022】
これらの界面活性剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの界面活性剤の中でも、第1剤の安定性を向上させる効果に優れることから、少なくとも非イオン性界面活性剤を含有させることが好ましい。混合物中における界面活性剤の含有量は、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、最も好ましくは0.5〜3重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、第1剤の安定性を十分に向上できないおそれがある。一方、10重量%を超えて配合しても、それ以上の効果は得られにくい。
【0023】
この第1剤には、その他に油性成分、pH調整剤、粘度調整剤、保湿剤、帯電防止剤、毛髪柔軟剤、酸化防止剤、防腐剤、金属封鎖剤、賦形剤、色素、香料等を配合することも可能である。
【0024】
この第1剤の剤型は、乳化液状、水溶液状、分散液状等の液状又はゲル状である。これらの剤型の中でも、第2剤と混合調製して得られる混合物を毛髪に塗布する際の操作性が良好であることから、ゲル状であることが好ましい。
<第2剤>
本実施形態における第2剤には、(C)アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体から選ばれる少なくとも一種が含有される。また、第2剤には(E)フマル酸が含有されることが好ましい。第2剤には、その他の成分として分散剤等が含有される。
【0025】
(C)アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体から選ばれる少なくとも一種は、染色された毛髪から染料のみを還元して脱色するための還元剤として配合される。アスコルビン酸誘導体の具体例としては、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸アンモニウム、アスコルビン酸モノエタノールアミン、アスコルビン酸ジエタノールアミン、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、ミリスチン酸アスコルビル、ラウリン酸アスコルビル、酢酸アスコルビル、プロピオン酸アスコルビル、酒石酸アスコルビル、クエン酸アスコルビル、コハク酸アスコルビル、安息香酸アスコルビル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、アスコルビルエチル、アスコルビン酸アラントイン、アスコルビン酸キトサン、アスコルビン酸メチルシラノール、テトラデシルヘキシルアスコルビル、アミノプロピルアスコルビルフォスフェート、アスコルビン酸ポリペプタイド、アスコルビルグルコシド、アスコルビルメチルシラノールペクチネート等が挙げられる。
【0026】
混合物中における(C)成分の含有量は、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは2〜20重量%、最も好ましくは5〜15重量%である。この含有量が1重量%未満であると、十分な脱染効果が得られないおそれがある。一方、25重量%を超えて配合すると、第1剤に対する溶解性が悪くなるおそれがある。
【0027】
ここで、前記(B)成分と(C)成分の重量比((B)/(C))は、好ましくは3〜90、より好ましくは3.3〜49、最も好ましくは5.0〜19である。この重量比が3未満であると、(C)成分の溶解性が低下するおそれがある。一方、90を超えると脱染力が十分に得られないおそれがある。
【0028】
(E)フマル酸は脱染後に分解された酸化染料等の染料による再着色(再酸化)を抑制するために配合される。混合物中における(E)成分の含有量は、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、最も好ましくは0.2〜2重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、脱染後の再着色を防止する効果が十分に得られないおそれがある。一方、5重量%を超えて配合すると、第1剤に対する溶解性が低下するおそれがある。
【0029】
分散剤は、(C)成分、(E)成分等が凝集して塊状態を形成することを抑制し、第1剤と第2剤の混合調製時に第1剤中における第2剤の分散性を向上させるために配合される。分散剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩、タルク、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン等が挙げられる。これらの中でも、分散性を改善する効果が高いことから、好ましくはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム及びタルクから選ばれる少なくとも一種、さらに好ましくはステアリン酸マグネシウムである。混合物中における分散剤の含有量は、好ましくは0.001〜3重量%、より好ましくは0.01〜2重量%、最も好ましくは0.1〜1重量%である。この含有量が0.001重量%未満であると、第2剤の分散性を十分に向上させることができないおそれがある。一方、3重量%を超えて配合しても、それ以上の分散性を向上させる効果が得られない。
【0030】
この第2剤には、上記の第1剤に記載される水以外の各成分を配合することも可能である。
この第2剤の剤型は、粉末状、粒状等の固体状である。
<混合物>
第1剤と第2剤は、任意の割合で混合することができる。第1剤と第2剤の混合割合は、好ましくは重量基準で第1剤:第2剤=50:1〜3:1、さらに好ましくは第1剤:第2剤=20:1〜5:1である。この混合割合より第1剤が多くなるか、又は第2剤が多くなると、第1剤中及び第2剤中における各成分の含有量を設定しにくくなるおそれがある。
【0031】
混合物の粘度は、好ましくは2000〜30000センチポアズ、より好ましくは4000〜25000センチポアズ、最も好ましくは6000〜20000センチポアズである。この粘度が2000センチポアズ未満であると、毛髪への付着力が弱くなるおそれがある。一方、30000センチポアズを超えると、混合物の操作性が悪くなるおそれがある。
【0032】
混合物の剤型は、乳化液状、水溶液状、分散液状等の液状又はゲル状である。前記第1剤に記載の理由によって、混合物の剤型はゲル状であることが好ましい。この混合物は、例えば刷毛、コーム(櫛)等の塗布具につけて毛髪に塗布することができる。このとき、混合物の操作性を十分に発揮できることから、刷毛を用いて毛髪に塗布されることが好ましい。刷毛の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げられる。これらの材質の中でも混合物がなじみ易いことから、好ましくはポリプロピレン又はナイロン、さらに好ましくはポリプロピレンである。
【0033】
さて、各成分が調合された第1剤及び第2剤はそれぞれ別の容器に充填され、使用時まで保存される。このとき、第2剤は固体状組成物である。従って、(C)成分が溶媒に溶解され、溶液として保存された場合と比較して、(C)成分の保存安定性を十分に得ることができる。
【0034】
次に、毛髪脱染剤の使用方法について説明する。使用時には、まず第1剤と第2剤を混合することによって混合物を調製する。次に、この混合物を刷毛に付着させる。このとき、第1剤には(A)成分が含有され、混合物には適度な粘度が付与されている。従って、混合物を刷毛に対してなじみ易くすることができる。よって、混合物は刷毛から垂れ落ちることなく、刷毛に速やかに移動して、刷毛に付着される。
【0035】
続いて、刷毛に付着した混合物は、酸化染毛剤によって染毛処理が施された毛髪に塗布される。このとき、混合物は第1剤に含有する(A)成分によって、刷毛よりも、さらに毛髪に対してなじみ易くなっている。よって、混合物は刷毛にほとんど残ることなく、刷毛から毛髪に速やかに移動して毛髪になじむため、十分な操作性及び脱染力を得ることができる。また、(C)成分の保存安定性は十分に得られているため、(C)成分によって毛髪を染色している染料を十分に還元脱色することができる。
【0036】
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 本実施形態の毛髪脱染剤組成物においては、第1剤は、(A)成分及び(B)成分を含有する液状又はゲル状組成物である。また、第2剤は、(C)成分を含有する固体状組成物である。従って、(C)成分の保存安定性を十分に得ることができるため、十分な脱染力を得ることができる。また、混合物を毛髪に容易になじませることができるため、十分な操作性及び脱染力を得ることができる。
【0037】
・ 本実施形態の毛髪脱染剤組成物においては、第1剤には(D)成分が含有されている。従って、(A)成分の粘度安定性を十分に得ることができる。
・ 本実施形態の毛髪脱染剤組成物においては、(D)成分はセルロース系水溶性高分子化合物である。従って、(A)成分の粘度安定性をさらに十分に得ることができる。
【0038】
・ 本実施形態の毛髪脱染剤組成物においては、第2剤には(E)成分が含有されている。従って、脱染後に分解された染料による再着色(再酸化)を抑制することができる。
【0039】
・ 本実施形態の毛髪脱染剤組成物においては、刷毛を用いて毛髪に塗布するものである。従って、混合物の操作性を十分に発揮することができる。
【0040】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜5及び比較例1〜3)
表1に示す毛髪脱染剤の第1剤及び第2剤を混合調製し、それぞれ別の容器に充填した。なお、実施例1〜5及び比較例1〜3における第1剤の剤型はゲル、実施例1〜5、比較例1及び比較例2における第2剤の剤型は粉末、比較例3における第2剤の剤型は水溶液である。調製した第1剤及び第2剤を40℃の恒温槽中で6ヶ月保存した。
【0041】
次に、6ヶ月保存後の第2剤について高速液体クロマトグラフィーによって(C)成分を定量分析し、(C)成分の残存量を算出した。(C)成分の残存量と(C)成分の配合量から(C)成分の残存率(=残存量/配合量×100[%])を算出し下記(a)に記載の評価基準によって(C)成分の保存安定性の評価を行った。
【0042】
また、B型粘度計によって調製直後及び6ヶ月保存後の第1剤の動粘度を測定し、動粘度比率(=調製直後の動粘度/保存後の動粘度)算出した。下記の(b)に記載の評価基準によって動粘度比率から(A)成分の粘度安定性の評価を行った。
【0043】
続いて、6ヶ月保存後の第1剤及び第2剤を混合調製することによって混合物を得た。なお、実施例1〜5、比較例1及び比較例2における第1剤と第2剤の混合比率は重量基準で第1剤:第2剤=10:1の割合、比較例3における第1剤と第2剤の混合比率は重量基準で第1剤:第2剤=3:2の割合で混合した。次に、専門のパネラーが20代女性の健常な毛髪(2剤型の酸化染毛剤によって染毛処理済み)に刷毛を用いて混合物を塗布し、一定時間放置した後プレーンリンスを施して脱染処理を仕上げた。このとき、専門のパネラーが下記(c)の評価基準によって刷毛への付着性、下記(d)の評価基準によって操作性の評価及び下記(e)の評価基準によって脱染力の評価を行った。
【0044】
一方、2剤型の酸化染毛剤によって染毛処理が施された毛束に上記混合物を塗布し、一定時間放置した後、プレーンリンスを施すことによって脱染処理を仕上げた。脱染処理を仕上げた毛束を室温で一週間放置した後、専門のパネラーが再着色防止効果について下記(f)の評価基準によって評価を行った。
【0045】
(a)(C)成分の保存安定性
残存率が95%以上(◎)、残存率が80%以上95%未満(○)、残存率が70%以上80%未満(△)及び残存率が70%未満(×)の4段階で評価した。
【0046】
(b)(A)成分の粘度安定性
動粘度比率が0.80以上1.20未満(5)、動粘度比率が0.60以上0.80未満又は1.2以上2.0未満(4)、動粘度比率が0.40以上0.60未満又は2.0以上4.0未満(3)、動粘度比率が0.20以上0.40未満又は4.0以上6.0未満(2)及び動粘度比率が0.20未満又は6.0以上(1)の5段階で評価した。
【0047】
(c)刷毛への付着性
混合物の刷毛へのなじみ、混合物の垂れ落ちについて、優(5)、良(4)、可(3)、やや不良(2)及び不良(1)の5段階で官能評価した。
【0048】
(d)操作性
混合物の毛髪へのなじみ、混合物の垂れ落ちについて、優(5)、良(4)、可(3)、やや不良(2)及び不良(1)の5段階で官能評価した。
【0049】
(e)脱染力
毛髪全体の脱染の程度を目視にて観察して、優(5)、良(4)、可(3)、やや不良(2)及び不良(1)の5段階で官能評価した。
【0050】
(f)再着色防止効果
脱染処理後、毛髪に残留している染料が毛髪に再着色する程度を目視にて観察して、再着色が確認されない(◎)、再着色がほとんど確認されない(○)、再着色がやや目立つ(△)及び再着色が目立つ(×)の4段階で官能評価した。
【0051】
これらの評価結果を第1剤及び第2剤の組成とともに、表1に示す。なお、第1剤及び第2剤の組成を示す数値は重量%を示す。
【0052】
【表1】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜5では、6ヶ月保存後の(C)成分の残存率が95%以上であり、(C)成分の保存安定性に優れる結果となった。また、操作性及び脱染力についても3以上の評価結果となり、十分な操作性及び脱染力を得ることができた。さらに、実施例1〜4では(D)成分としてセルロース系水溶性高分子化合物が配合されているため、(A)成分の粘度安定性について良好な結果が得られた。加えて、実施例1〜3では(D)成分としてカルボキシメチルセルロースが配合されているため、(A)成分の粘度安定性について優れた結果となった。また、実施例1、2、4及び5では、(E)成分が配合されているため、再着色防止効果に優れる結果となった。
【0053】
これらに対して、比較例1及び2では(A)成分が配合されていないため、操作性及び脱染力が不良及びやや不良の結果となっている。また、比較例3では第1剤に(A)成分が配合されているが、第2剤が水溶液である。従って、(C)成分の残存率が70%未満であり、(C)成分の保存安定性が不十分である結果となっている。これに伴って、比較例3では脱染力が十分に得られていない。
【0054】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記実施形態においては、第2剤の剤型は粉末状等である。これら以外に、第2剤を打錠機の圧縮応力、凝集力等によって球状、円柱状等の錠剤に成形してもよい。このように構成した場合、第1剤と第2剤を混合調製する際に、第2剤の飛散を抑制することができる。
【0055】
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記(D)成分は、カルボキシメチルセルロースである請求項3に記載の毛髪脱染剤組成物。このように構成した場合、(A)成分の粘度安定性を一層十分に得ることができる。
【0056】
(2) さらに、前記第2剤にはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム及びタルクから選ばれる少なくとも一種が含有されることを特徴とする請求項1から請求項5及び上記(1)のいずれか一項に記載の毛髪脱染剤組成物。このように構成した場合、第2剤の分散性を向上させることができる。
【0057】
(3) 前記(B)成分と(C)成分の重量比((B)/(C))が3〜90であることを特徴とする請求項1から請求項5、上記(1)及び(2)のいずれか一項に記載の毛髪脱染剤組成物。このように構成した場合、より十分な脱染力を得ることができる。
【0058】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の毛髪脱染剤組成物によれば、十分な操作性及び脱染力を得ることができる。
【0059】
請求項2に記載の発明の毛髪脱染剤組成物によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、(A)成分の粘度安定性を十分に得ることができる。
請求項3に記載の発明の毛髪脱染剤組成物によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、(A)成分の粘度安定性をさらに十分に得ることができる。
【0060】
請求項4に記載の発明の毛髪脱染剤組成物によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、脱染後に分解された染料による再着色(再酸化)を抑制することができる。
【0061】
請求項5に記載の発明の毛髪脱染剤組成物によれば、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、操作性を十分に発揮することができる。
Claims (5)
- 第1剤と第2剤とが使用時に混合調製される毛髪脱染剤組成物であって、前記第1剤はゲル状又は液状の組成物であるとともに、前記第2剤は固体状の組成物であり、第1剤と第2剤には下記に示す成分が含有されていることを特徴とする毛髪脱染剤組成物。
第1剤:(A)カラヤガム及びトラガントガムから選ばれる少なくとも一種。
(B)水。
第2剤:(C)アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体から選ばれる少なくとも一種。 - さらに、前記第1剤には(D)成分として前記(A)成分以外の水溶性高分子化合物から選ばれる少なくとも一種、が含有されることを特徴とする請求項1に記載の毛髪脱染剤組成物。
- 前記(D)成分は、セルロース系水溶性高分子化合物であることを特徴とする請求項2に記載の毛髪脱染剤組成物。
- さらに、前記第2剤には(E)フマル酸が含有されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の毛髪脱染剤組成物。
- 刷毛を用いて毛髪に塗布されるものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の毛髪脱染剤組成物。
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