JP3855206B2 - パチンコ機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は権利発生から権利消化までの過程が段階的に推移するパチンコ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術としては例えば実開平6−46773号公報がある。
この公報には始動入賞口と変動入賞装置を構成する開閉板とを1つの取付基板に集約して設け、打球をその弾発力を一定に保持して始動入賞口にも開閉板にも入賞させることができるようにしたパチンコ機が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、権利発生から権利消化までの過程が段階的に推移するパチンコ機において、打球の打込み態様を単純化することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、入賞球の通過時に特別な権利が発生する権利発生領域に連通された特定入賞口と、発生した権利を有効化する権利行使口と、この権利行使口への入賞によって開放される可変入賞口とを備えたパチンコ機であって、前記特定入賞口の近傍にはこの特定入賞口を閉鎖した第1の状態と、前記特定入賞口を開放した第2の状態とに変換される可動部材を設置してこの可動部材にはこの可動部材が前記第1の状態となったときに前記特定入賞口に向って転落した遊技球を前記特定入賞口の近隣に配置された前記可変入賞口に導入する誘導斜面を形成した構成を有する。
【0005】
請求項2の発明は、遊技盤面には前記特定入賞口と、前記可変入賞口と、前記可動部材とが近隣に集められて設置された入賞口ユニットを装着した構成を有する。
【0006】
請求項3の発明は、遊技盤面には前記特定入賞口と、前記権利行使口と、前記可変入賞口と、前記可動部材とが近隣に集められて設置された入賞口ユニットを装着した構成を有する。
【0007】
【作用】
請求項1の発明では、可動部材が第1の状態となって特定入賞口が閉鎖され、可変入賞口が開放された状態では、特定入賞口上へ転落した遊技球は可動部材の誘導斜面によって案内されて可変入賞口に導入されるため、権利獲得時に特定入賞口および権利発生領域への入賞を狙って打球を打込むときの打込み強さと、権利消化時に可変入賞口への入賞を狙って打球を打込むときの打込み強さとが均等となる。
【0008】
請求項2の発明では、入賞口ユニットを遊技盤面に装着すると、特定入賞口と可変入賞口と可動部材とが遊技盤面に一括してセットされる。
【0009】
請求項3の発明では、入賞口ユニットを遊技盤面に装着すると、特定入賞口と可変入賞口と権利行使口と可動部材とが遊技盤面に一括してセットされる。 また、権利発生後に権利行使口への入賞を狙って打球を打込むときの打込み強さと、特定入賞口および可変入賞口への入賞を狙って打込むときの打込み強さが同等となる。
【0010】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、可動部材が第2の状態となって特定入賞口が開放された権利獲得時の状態で、特定入賞口および権利発生領域を狙って打球を打込むときの打込み強さと、特定入賞口が可動部材によって閉鎖されて可変入賞口が開放された権利消化時の状態で可変入賞口への入賞を狙って打球を打込むときの打込み強さとを均等にすることができ、権利獲得時でも、権利消化時でも、遊技球を同一の遊技ゾーンへ打込み強さを変えずに打込んでゲームを進行させることができ、複雑な権利獲得ゲームでの打球の打込み態様を単純化することができる。
【0011】
請求項2の発明によれば、特定入賞口、可変入賞口、可動部材を遊技盤面にセットする手数を軽減することができるとともに、権利獲得時でも権利消化時でも遊技球を同一の遊技ゾーンへ打込み強さを変えずに打込んでゲームを進行させることができる。
【0012】
請求項3の発明によれば、権利発生、権利の有効化、権利の消化に関連する各入賞口が同一の遊技ゾーンに集められ、特定入賞口を狙って打球を打込むときの打込み強さと、権利行使口を狙って打球を打込むときの打込み強さと、可変入賞口への入賞を狙って打球を打込むときの打込み強さとを切換える必要がなくなるので、権利獲得時でも、権利有効化時でも、権利消化時でも一定の打込み強さで同一の遊技ゾーンへ打球することができ、ゲーム中における打球の打込み態様をさらに単純化することができるとともに、ゲーム中遊技者が権利の推移状況に合わせて視線を移動させる必要がなくなるので、遊技者の疲労感を軽減することができる。
【0013】
また、入賞口ユニットを遊技盤面に組付けるだけで、特定入賞口と権利行使口と可変入賞口と可動部材とを遊技盤面の所定位置に一括してセットすることができ、権利の推移に関連する機構を遊技盤面に組付ける手数を軽減することができる。
【0014】
【実施例】
次に、本発明の第1実施例を図1〜図4に従って説明する。
パチンコ機の遊技盤面1の中央部付近には左普通図柄表示部と、中普通図柄表示部と、右普通図柄表示部とを有する図柄表示体2aと、天入賞口2bとを有する普通図柄表示装置2が装着されている。
【0015】
普通図柄表示装置2の右方には右上入賞口3aを有する右上入賞装置3が設置され、普通図柄表示装置2の左方には電源投入時に時計回りに回転駆動される回転体4aを有し、発生した権利を有効化する権利行使口(始動入賞口)5が開設された始動入賞装置4が設置されている。
【0016】
普通図柄表示装置2の下方には遊技球の通過時に普通図柄表示装置2を作動させて図柄表示体2aによる3つの普通図柄の変動表示を開始させるゲート6が設置されている。
【0017】
遊技盤面1に打込まれた遊技球がゲート6を通過すると、普通図柄表示装置2の図柄表示体2aの左普通図柄表示部、中普通図柄表示部、右普通図柄表示部がそれぞれ0,1,2,3,4,5,6,7,8,9の10図柄の変動表示を一斉に開始する。
【0018】
遊技盤面1の下部に組付けられた入賞口ユニット7において、遊技盤面1にねじ止めされた横長状のベース板8の後側にはこのベース板8に結合されてベース板8の長さとほぼ等しい長さを有するケース体9が設置されている。
【0019】
ベース板8の前面の左右部の上端付近には左下入賞口12aを有する左入賞器12と、右下入賞口13aを有する右入賞器13とが結合されている。
【0020】
ベース板8の前面の中央部の若干左方には前端に垂立された前壁板10aと、この前壁板10aの後面の両側縁および下端縁に連接された後壁板10bと、前壁板10aの後面に連接されて後壁板10b間に傾斜して設置された誘導板10cとを有する特定入賞器10が結合され、この特定入賞器10の上部には権利行使口5およびゲート6の下流に配置された横長状の特定入賞口14が開設されている。
【0021】
特定入賞器10の下部後方には特定入賞口14に連通されて特定入賞口14に入賞した入賞球の停留が可能で入賞球が通過したときに特別な権利が発生する権利発生領域15と、特定入賞口14に入賞した入賞球のうち、権利発生領域15を迂回して転動した入賞球が通過し、通過によって権利が発生しない普通領域16とが左右に隣り合って形成されている。
【0022】
権利発生領域15の途中にはケース体9内に設置された第1ソレノイド28のプランジャ28aに連動可能に結合されて前後方向へ進退動する球止め部材27が設置されている。
【0023】
第1ソレノイド28が消磁された状態では球止め部材27が前方へ進動して権利発生領域15が球止め部材27によって遮断された状態となり、権利発生領域15に導入された入賞球が権利発生領域15に停留する。
【0024】
第1ソレノイド28が励磁されると、球止め部材27が後方へ退動して権利発生領域15が開通され、このとき、権利発生領域15に停留していた停留球は釈放されて権利発生領域15を通り抜け、その通過が通過検出スイッチ29によって検出される。
【0025】
特定入賞口14に入賞した入賞球が権利発生領域15を通過してその通過が通過検出スイッチ29によって検出されると、特別装置が作動して特別な権利が発生する。
【0026】
特定入賞器10の右方には特定入賞口14の近隣に配置された可変入賞口(大入賞口)17が開設されるとともに、特定入賞器10の右方にはベース板8に前後方向への搖動可能に結合されて可変入賞口17を開閉する扉体18が設置されている。
【0027】
扉体18はケース体9内に設置された第2ソレノイド19のプランジャに連動可能に結合され、権利有効化時には第2ソレノイド19が励磁されて扉体18が前方へ搖動して可変入賞口17が開放され、権利消化後第2ソレノイド19が消磁されて扉体18が後方へ復帰搖動し、可変入賞口17が閉鎖される。
【0028】
特定入賞口14に入賞した入賞球が権利発生領域15を通過して権利が発生した状態で遊技球が権利行使口5に入賞すると、発生した権利が有効化されて可変入賞口17が9.3 秒間開放され、9.3 秒後に権利消化済み状態となって可変入賞口17が閉鎖される。
【0029】
特定入賞口14の上方には特定入賞口14を閉鎖して特定入賞口14および権利発生領域15への入球を妨げる第1の状態と、特定入賞口14を開放して特定入賞口14および権利発生領域15への入球を許容する第2の状態とに変換される可動部材20が前後方向への進退動可能に設置され、この可動部材20の前部にはベース板8の前面の前方および後方に出没する開閉部20aが形成され、可動部材20の後部には1対の軸25が貫挿された摺動部20bが形成されている。
【0030】
可動部材20はケース体9内に設置された第3ソレノイド22のプランジャ22aに連動可能に結合され、第3ソレノイド22が消磁された状態では可動部材20はその前部に形成された開閉部20aがベース板8の前面の前方へ進出して特定入賞口14を閉鎖した第1の状態となり、第3ソレノイド22が励磁されると、可動部材20は開閉部20aがベース板1の前面の後方へ退避して特定入賞口14を開放した第2の状態に変換される。
【0031】
可動部材20の上面にはこの可動部材20の開閉部20aが前方へ進出して特定入賞口14を閉鎖したときに特定入賞口14に向って転落した遊技球を変向させて可変入賞口17に導入する誘導斜面21が可変入賞口17側へ右下り状に傾斜して形成されている。
【0032】
可動部材20が前方へ進動して特定入賞口14が閉鎖され、可変入賞口17が開放された権利消化時の状態で遊技球が可動部材20上へ転落すると、その遊技球は誘導斜面21を伝って可変入賞口17側へ転り落ちて可変入賞口17に導入される。
【0033】
ゲームに際し、遊技盤面1に打出された遊技球がゲート6を通過すると、普通図柄表示装置2の図柄表示体2aの左普通図柄表示部、中普通図柄表示部、右普通図柄表示部が、3つの普通図柄の変動表示を一斉に開始し、遊技球がゲート6を通過してから約6.6 秒以上経過すると、図柄表示体2aが左普通図柄、中普通図柄、右普通図柄の順に3図柄の変動表示を停止する。
【0034】
3図柄の変動停止時に特定された停止図柄の組合わせが000,111,222,333,444,555,666,777,888,999の10通りの当り図柄の組合わせのうちの何れかとなった場合には第1の状態で保持された可動部材20が後方へ退動して5.5 秒間第2の状態に変換され、特定入賞口14が5.5 秒間開放されて特定入賞口14および権利発生領域15への入球が可能な状態が5.5 秒間継続する。
【0035】
図柄表示体2aの停止図柄の組合わせが上記当り図柄以外の外れ図柄の組合わせとなった場合には可動部材20は前方へ進動したままの状態で保持される。
【0036】
特定入賞口14が開放されている間に遊技球が特定入賞口14に入賞し、入賞した入賞球が権利発生領域15を通過すると、特別装置が作動して特別な権利が発生する。
【0037】
権利発生中に遊技球が権利行使口5に入賞すると、発生した権利が有効化されて可変入賞口17が9.3 秒間開放され、可変入賞口17が開放されてから9.3 秒後に可変入賞口17が閉鎖されて権利消化状態が終了する。
【0038】
遊技球が開放中の可変入賞口17に10個入賞したときにはその時点で可変入賞口17が閉鎖される。
【0039】
また、権利発生中に遊技球が権利行使口5に16個入賞したとき、または、特定入賞口14に入賞した入賞球が再度権利発生領域15を通過したときには既に発生していた権利が消失する。
【0040】
続いて、上記した構成を有する実施例の作用と効果を説明する。
本例では権利発生領域15に連通された特定入賞口14を、普通図柄表示装置2の図柄表示体2aを作動させるゲート6および権利行使口5の下流で、可変入賞口17の近隣に配置し、特定入賞口14の上方には図柄表示体2aの表示図柄に基いて作動して特定入賞口14を閉鎖および開放する可動部材20を設置し、この可動部材20には特定入賞口14が可動部材20によって閉鎖されたときに特定入賞口14に向って転落した遊技球を可変入賞口17を導入する誘導斜面21を形成してある。
【0041】
このため、ゲート6を狙って打球を打込むときの打込み強さと、権利行使口5を狙って打球を打込むときの打込み強さと、特定入賞口14を狙って打球を打込むときの打込み強さと、可変入賞口17への入賞を狙って打球を打込むときの打込み強さとをほぼ同等にすることができ、権利発生前、権利獲得時、権利有効化時、権利消化時の各状況の推移に合わせて打球の打込み強さを切換える必要が無くなり、権利発生前でも、権利獲得時でも、権利有効化時でも、権利消化時でも、常に打球を一定の打込み強さで同一の遊技球流域に打込んで打込み強さを変えずにゲームを進行させることができる。
【0042】
また、入賞口ユニット7を遊技盤面1に装着することによって、特定入賞口14と可変入賞口17と可動部材20とを遊技盤面1の所定位置に一括してセットすることができる。
【0043】
次に、図5に示す本発明の第2実施例について説明すると、本例では遊技盤面の下部に装着された入賞口ユニット7Aのベース板8Aの左右端部には第1実施例と同様な左入賞器12と右入賞器13とが結合されるとともに、ベース板8Aには、権利発生領域15および普通領域16に連通された特定入賞口14が開設されて第1実施例と同様に形成された特定入賞器10と、第1実施例と同様な可変入賞口17を開閉する扉体18と、第1実施例と同様な誘導斜面21を有し、特定入賞口14を開閉する可動部材20と、権利行使口30が開設された始動入賞器31とが近隣に集められて取付けられている。
【0044】
権利行使口30は特定入賞口14および可変入賞口17の斜め上方に配置され、特定入賞口14および可変入賞口17はそれぞれ権利行使口30の下流に配置されている。
【0045】
始動入賞器31内には電源投入時に時計回りに回転駆動されて回転動作によって権利行使口30を開閉する回転体32が設置され、この回転体32には権利行使口30に入賞した入賞球を上死点で受取って下死点で放出する球受け部32aが凹設されている。
【0046】
第2実施例によれば、権利発生、権利の有効化、権利の消化に関連する各入賞口が同一の遊技ゾーンに集められ、特定入賞口14を狙って打球を打込むときの打込み強さと、権利行使口30を狙って打球を打込むときの打込み強さと、可変入賞口17への入賞を狙って打球を打込むときの打込み強さとを切換える必要がなくなるので、権利獲得時でも、権利有効化時でも、権利消化時でも一定の打込み強さで同一遊技ゾーンへ打球することができ、ゲーム中における打球の打込み態様をさらに単純化することができるとともに、ゲーム中遊技者が権利の推移状況に合わせて視線を移動させる必要がなくなるので、遊技者の疲労感を軽減することができる。
【0047】
また、入賞口ユニット7Aを遊技盤面に組付けるだけで、特定入賞口14と権利行使口30と可変入賞口17と可動部材20とを遊技盤面の所定位置に一括してセットすることができ、権利の推移に関連する機構を遊技盤面に組付ける手数を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す遊技盤の正面図である。
【図2】同じく、入賞口ユニットの正面図である。
【図3】図2のX1−X1線断面図である。
【図4】図2のX2−X2線断面図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す入賞口ユニットの正面図である。
【符号の説明】
1 遊技盤面
5,30 権利行使口
7,7A 入賞口ユニット
10 特定入賞器
14 特定入賞口
15 権利発生領域
17 可変入賞口
18 扉体
20 可動部材
21 誘導斜面
31 始動入賞器

Claims (3)

  1. 入賞球の通過時に特別な権利が発生する権利発生領域に連通された特定入賞口と、発生した権利を有効化する権利行使口と、この権利行使口への入賞によって開放される可変入賞口とを備えたパチンコ機であって、前記特定入賞口の近傍にはこの特定入賞口を閉鎖した第1の状態と、前記特定入賞口を開放した第2の状態とに変換される可動部材を設置してこの可動部材にはこの可動部材が前記第1の状態となったときに前記特定入賞口に向って転落した遊技球を前記特定入賞口の近隣に配置された前記可変入賞口に導入する誘導斜面を形成したことを特徴とするパチンコ機。
  2. 遊技盤には前記特定入賞口と、前記可変入賞口と、前記可動部材とが近隣に集められて設置された入賞口ユニットを装着したことを特徴とする請求項1記載のパチンコ機。
  3. 遊技盤面には前記特定入賞口と、前記権利行使口と、前記可変入賞口と、前記可動部材とが近隣に集められて設置された入賞口ユニットを装着したことを特徴とする請求項1記載のパチンコ機。
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