JP3854410B2 - 積層材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床材などの建材として使用される積層材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、基材の表面に化粧用あるいは保護用の樹脂シートを設けて基材の層と樹脂シートの層から構成される積層材を形成することが行なわれている。基材としては主に不織布、紙、樹脂シート類が用いられ、その他に木材(単板)や合板などの木質系基材が用いられている。基材の表面に樹脂シートを設けるにあたっては基材に樹脂シートを接着剤で接着するようにしており、接着剤としては水溶性接着剤よりも接着性の高いホットメルト接着剤や溶剤系接着剤が用いられている。また基材の表面に樹脂シートを設けるにあたっては、加熱して溶融させた樹脂シートを基材の表面に加圧接着することも行なわれている。
【0003】
しかし上記のような接着剤を用いて積層材を製造する方法では、基材の層と樹脂シートの層の接着性(密着性)を高めるために、基材の表面にプライマー処理(表面の平滑化処理)やプラズマ処理(表面の粗面化処理)などの表面処理が必要となり、製造工程の増大化や複雑化を招くという問題があった。特に、建材として用いられる積層材を製造する場合には、表面処理を施す基材の表面積が大きくなるために、表面処理のための大掛かりな装置が必要となったり表面処理が施しにくくなるという問題があった。
【0004】
また加熱溶融した樹脂シートを基材に加圧接着する方法では、溶融した樹脂シートが硬化する際に大きな収縮を起こすと共に溶融した樹脂シートは線膨張係数が大きくて寸法安定性や成形性(保形性)が小さいので、基材の層と樹脂シートの層の接着性(密着性)を高くすることができないという問題があった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、表面処理を施さなくても層間の接着性を高めることができる積層材の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る積層材の製造方法は、木粉と熱可塑性樹脂4として加熱溶融させたオレフィン系樹脂と混合して押出成形する複合材1の押出成形と、複合材1にこの複合材1の熱可塑性樹脂4に対して同等以下の融点を有する樹脂シート5をラミネートする複合材1と樹脂シート5のラミネートと、該樹脂シート5を複合材1と基材2の間に介在させて行なう、複合材1と樹脂シート5の基材2への加圧接着と、を連続的に行なうことを特徴とするものである。
【0011】
また本発明の請求項に係る積層材の製造方法は、請求項1の構成に加えて、複合材1に30〜70重量%の粉体3を含有させることを特徴とするものである。
【0013】
また本発明の請求項に係る発明は、請求項1又は2の構成に加えて、樹脂シート5は酸基を有する樹脂で形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
まず、本発明の参考例について説明する。
【0018】
耐加熱性のある粉体3としては、熱によって溶融したり形状が崩れたり破壊されたりすることが少なく、複合材1中にほぼ均一に分散可能な大きさ(50〜300μm程度)の粉体を用いることができ、おがくず、パルプ粉、パーチクルボードの切削粉などの木粉を好適に用いることができる。また粉体3としては炭酸カルシウム、タルク、シラスバルーンなどの無機質粉体を木粉と併用することができ、これを併用することによって、複合材1(複合材1から形成される層)の研磨性や寸法安定性を高くすることができ、しかも木粉のみを用いるよりもコストダウンを図ることができる。
【0019】
粉体3として木粉を用いた場合は複合材1に木質感を付与することができ、積層材を木質感のある外観に形成することができる。また粉体3として木粉を用いると共に基材2として木質系基材を用いた場合は、木粉と木質系基材が同系(どちらも木質系)であるために両者の親和性が高く、従って、複合材1を基材2の表面に接着した際に複合材1と基材2の接着性(密着性)を高くすることができる。
【0020】
熱可塑性樹脂4としては、入手が容易で安価なオレフィン系樹脂を好適に用いることができ、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などを例示することができる。またその他の熱可塑性樹脂4としてポリ塩化ビニル(PVC)やポリスチレン(PS)やABS樹脂(アクリロニトリルとブタジエンとスチレンの共重合体)を用いることができる。
【0021】
基材2としては木質系基材を用いることができ、木材(単板)、合板、繊維板、OSB(オリエンテッドストランドボード)、無機系繊維などの木質系繊維以外の繊維と木質系繊維を含有する繊維板などを例示することができる。また基材2としてはロックウール系繊維板などの無機質系基材を用いることができる。
【0022】
そして参考例の積層材を製造するにあたっては、まず加熱溶融させた熱可塑性樹脂4と粉体3を均一に混合し、この混合物を押出成形やプレス成形などによりシート状に成形して複合材1を形成する。この時の熱可塑性樹脂4の加熱温度は熱可塑性樹脂4が溶融する温度以上であればよく、使用する熱可塑性樹脂4の種類に応じて適宜設定する。
【0023】
また複合材1にはその全量に対して30〜70重量%の粉体3を含有させるのが好ましい。粉体3の含有量が30重量%未満であれば粉体3の含有量が低すぎて、複合材1と基材2の接着性を高くするなど、本発明の効果を発揮することができなくなる恐れがあり、粉体3の含有量が70重量%を超えると粉体3の含有量が高すぎて、複合材1の流れ性が低くなって成形性が低下したり複合材1が脆くなったりする恐れがある。また複合材1の厚みは適宜設定することができるが、例えば、0.5〜3mmにすることができる。
【0024】
この後、複合材1を基材2の表面に重ね合わせて配置し、複合材1のみあるいは複合材1と基材2を加熱して複合材1を溶融させると共に複合材1と基材2を密着させるように加圧接着する。あるいは複合材1を加熱して溶融させた後、この複合材1を基材2の表面に重ね合わせて配置し、複合材1と基材2を密着させるように加圧接着する。この時の加熱は、複合材1あるいは複合材1と基材2を180〜200℃の雰囲気下に5〜10分間放置するようにして行なうことができる。またこの時の加圧は、プレス機等で複合材1を基材2側に押圧するようにして行なうことができ、圧力は10kg/cm程度、時間は30秒間程度に設定することができる。
【0025】
上記のように加圧接着した後、複合材1と基材2を自然放熱などで冷却して複合材1を固化させることによって、図1に示すような、基材2の表面に複合材1が接着されて一体化された積層材を形成することができる。
【0026】
参考例にあっては、加熱溶融させた複合材1を基材2の表面に加圧接着するので、接着剤が不要となり、従って、接着剤を用いる場合に必要なプライマー処理やプラズマ処理などの表面処理が不要となり、製造工程の増大化や複雑化を防ぐことができる。また複合材1に粉体3を含有させているので、粉体3と基材2の親和性によって、樹脂のみの樹脂シートを用いた場合よりも複合材1と基材2の接着性を高くすることができると共に、溶融した複合材1の熱可塑性樹脂4が基材2へ浸透することで生じるアンカー効果によって、接着剤を用いた場合よりも複合材1と基材2の接着性を高くすることができる。
【0027】
さらに複合材1は熱可塑性樹脂4と耐加熱性の粉体3の混合物であるので、熱可塑性樹脂のみからなる樹脂シートに比べて、熱可塑性樹脂4の溶融温度にまで加熱したとしても粘度の急激な低下(流動性が高くなる)することがなくて保形性を確保することができ、取り扱いやすくなって、加熱後に基材2に重ね合わせたりする際の作業性を高くすることができる。また加圧接着する際のクリアランスを操作するだけで、つまり加圧接着時の圧力を操作するだけで、複合材1からなる層の厚みを容易に規制することができ、複合材1からなる層の厚みを容易に設定することができる。
【0028】
加えて複合材1は加熱して溶融した場合に良好な成形性を有するので、基材2への接着と同時に所望の形状に成形(押出成形やプレス成形)することが可能である。また熱可塑性樹脂のみからなる樹脂シートと比較して、複合材1は粉体3を含有しているために線膨張係数が小さく、接着の際の寸法安定性を高くすることができると共に接着後の複合材1からなる層の寸法安定性も高くすることができる。
【0029】
図2に本発明の実施の形態を示す。この積層材は図1のものにおいて、複合材1と基材2の間に樹脂シート5を設けて形成されている。樹脂シート5は複合材1の熱可塑性樹脂と同様の熱可塑性樹脂を用いて厚み20〜200μmに形成することができるが、樹脂シート5の樹脂としては複合材1の熱可塑性樹脂に対して同等以下の融点を有するものを用いるのが好ましい。
【0030】
このように樹脂シート5の樹脂として複合材1の熱可塑性樹脂と同等以下の融点のものを用いることによって、複合材1のみを加熱溶融して加圧接着する場合よりも低い温度で樹脂シート5を溶融させて複合材1と基材2に接着させると共に樹脂シート5で複合材1と基材2を接着させることができ、複合材1のみを加熱溶融して加圧接着する場合よりも複合材1の接着を早めることができるものである。また複合材1のみを加熱溶融して加圧接着する場合よりも低い温度で複合材1と基材2を接着させることができ、複合材1のみを加熱溶融して加圧接着する場合よりも加熱温度を低くしたり加圧力を小さくすることができて複合材1や基材2に破損が発生しにくくなるものである。つまり複合材1と同等の融点を持つ樹脂シート5を使用しても、後述のように樹脂シート5は複合材1に比較して流動性が高いために、樹脂シート5を使用しない場合に比較して、加圧条件を低く設定することができるなどのメリットがある。
【0031】
また樹脂シート5の樹脂として酸基を有するものを用いるのが好ましい。このような樹脂としては、マレイン酸や無水マレイン酸などで変性し、マレイン酸などを酸基として有するポリプロピレンやポリプロピレンを用いた共重合樹脂などを使用することができる。このように酸基を有する樹脂で形成される樹脂シート5を複合材1と基材2との間に介在させると、酸基によって樹脂シート5と複合材1の親和性及び樹脂シート5と基材2(特に木質系基材)の親和性を高めることができ、酸基を有さない樹脂で形成される樹脂シート5を用いた場合よりも、複合材1と基材2と樹脂シート5の接着強度を高めることができるものである。
【0032】
また樹脂シート5としては、その溶融時の流動性が複合材1の溶融時の流動性よりも高いものを用いるのが好ましい。樹脂シート5及び複合材1の流動性の指標は、JIS K 7210の熱可塑性プラスチックの流れ性試験方法で規定されるメルトフローレート(略称:MFR、メルトインデックス(略称:MI)と同意義)を用いる。このような樹脂シート5としては、例えば、MFR20のPE系共重合樹脂やMFR25のPP系共重合樹脂を用いることができる。ここで具体例を挙げる。MFR20のポリプロピレンで形成される複合材料1と、MFR60、20、8の三種類の樹脂シート5をそれぞれ組み合わせて三種類の積層材を形成した。三種類とも同圧力で加圧成形すると、複合材1よりもMFRが大きい樹脂シート5(MFR60)を用いた場合が、他の樹脂シート5を用いた場合よりも基材2への入り込みが大きくなってアンカー効果が高くなった。逆に言えば、複合材1よりもMFRが大きい樹脂シート5を用いることによって、低圧条件で成形しても基材2への入り込みが大きくなって、基材2への樹脂シート5及び複合材1の融着が可能となるのである。尚、MFR8であっても融点の低い樹脂で樹脂シート5形成すれば、基材2への樹脂シート5及び複合材1の融着が可能である。
【0033】
このように溶融時の流動性が複合材1よりも高い樹脂シート5を用いるので、複合材1のみを加熱溶融して加圧接着するのと同条件、あるいはこれよりも温度が低い条件で基材2に複合材1を接着させる場合であっても、溶融した樹脂シート5を基材2に入り込まるようにして複合材1と樹脂シート5と基材2と接着させることができ、複合材1のみを加熱溶融して加圧接着する場合よりも複合材1の基材2への接着力を高めることができるものである。
【0034】
上記のような複合材1と基材2の間に樹脂シート5を介在させた積層材を形成するにあたっては、図3に示すように、基材2の表面に樹脂シート5を重ねて置くと共に樹脂シート5の表面に複合材1を重ねて置き、この後、複合材1と樹脂シート5あるいは複合材1と樹脂シート5と基材2を加熱して複合材1及び樹脂シート5を溶融させると共に複合材1と樹脂シート5と基材2を密着させるように加圧接着する。あるいは複合材1及び樹脂シート5を加熱して溶融させた後、この複合材1と樹脂シート5を基材2の表面に重ね合わせて配置し、複合材1と樹脂シート5と基材2を密着させるように加圧接着する。この時の加熱条件や加圧条件は上記と同様に設定することができる。
【0035】
上記のように加圧接着した後、複合材1と樹脂シート5と基材2を自然放熱などで冷却して複合材1及び樹脂シート5を固化させることによって、図2に示すような、基材2の表面に複合材1及び樹脂シート5が接着されて一体化された積層材を形成することができる。
【0036】
また複合材1と基材2の間に樹脂シート5を介在させた積層材は、図4に示すような製造装置を用いて連続的に製造することができる。図4において、10は押出成形機であって、シート状の複合材1を連続的に押出成形するものである。11は対向して配置される一対のラミネートロールであって、これらの間に複合材1と樹脂シート5を挟んで両者をラミネートするものである。12はプレスロールであって、ラミネートされた複合材1と樹脂シート5を基材2の表面に押し付けて接着させるものである。13は加圧冷却用ロールであって、基材2に接着された複合材1及び樹脂シート5を基材2に押し付けると共に複合材1及び樹脂シート5を冷却するものである。14はカッターであって、基材2に接着された複合材1及び樹脂シート5を所定の大きさに切断するものである。
【0037】
このような装置を用いて積層材を形成するにあたっては、まず押出成形機10で加熱溶融させた熱可塑性樹脂4と粉体3を均一に混合し、この混合物をシート状に押出成形して複合材1を形成する。次に、樹脂シート5をロール体15から解きながらラミネートロール11の間に導入すると共に押出成形されたシート状の複合材1をラミネートロール11の間に導入し、樹脂シート5を複合材1の片面にラミネートする。この後、ラミネートされた複合材1と樹脂シート5を搬送ロール16で連続的に搬送されてくる基材2の表面に重ね合わせて配置し、プレスロール12により複合材1の上側から複合材1と樹脂シート5を押圧して複合材1と樹脂シート5を基材2に熱融着させる。次に複合材1と樹脂シート5が熱融着された基材2は、搬送ロール16にて加圧冷却用ロール13の下側にまで搬送される。次に加圧冷却用ロール13により複合材1の上側から複合材1と樹脂シート5を3〜15kg/cmで押圧して複合材1と樹脂シート5を基材2に接着させると共に複合材1と樹脂シート5を常温付近にまで冷却して固化させる。この後、複合材1及び樹脂シート5をカッター14で切断することによって、積層材を形成することができる。
【0038】
このように連続工法により積層材を形成することによって、複合材1の再加熱や樹脂シート5の加熱の必要がないかあるいは非常に少なくすることができ、生産性の向上及び省エネルギー化を図ることができる。つまり、複合材1を押出成形した後、複合材1を冷却することなく樹脂シート5とラミネートすると共に基材2の表面に載置するので、複合材1を溶融状態で基材2の表面に載置することができると共に複合材1に残存する押出成形の際の熱で樹脂シート5を加熱溶融させることができ、複合材1の再加熱や樹脂シート5の加熱の必要がないかあるいは非常に少なくすることができるのである。
【0039】
また上述のように、樹脂シート5を用いることによる基材2の加熱条件を緩くしたり加熱する必要がなくなる効果と相まって、加熱冷却用ロール13による連続的な加圧冷却が可能であるために、生産性を低下させずに積層材(基材2)の反りを抑制することができるものである。さらに複合材1を押出成形することによって、複合材1が押出方向に延伸されることになってプレス成形などに比較して強度が向上することになり、このために積層材の強度を向上させることができるものである。また複合材1を押出成形により連続的に形成することによって、複合材1に連続的な他の成形、例えば、積層材を床材として用いる場合のサネ形状の加工や押出方向に長いV溝の加工などの連続的な成形が可能になるものである。
【0040】
【実施例】
以下に、本発明の実施例ではないが、実施をする上で参考となる参考例を挙げる。
【0041】
参考例1乃至3)
加熱溶融した熱可塑性樹脂4としてポリプロピレン50重量%を用意した。また粉体3として木粉50重量%を用意した。これらを混合した後、押出成形して厚み2mmのシート状の複合材1を形成した。また基材2としては厚み12mmの合板を用いた。
【0042】
そして表1に示す温度に複合材1あるいは複合材1と基材2を加熱すると共に複合材1を基材2の表面に重ね合わせ、10kg/cmの圧力で両者を加圧接着することによって積層材を形成した。
【0043】
(比較例
上記参考例の基材2の表面に表面サンダー及びプラズマ処理の表面処理を施した後、基材2の表面に二液型水性ユリア系接着剤を塗布し、この面に複合材1を重ね合わせると共に120℃加熱して接着剤を硬化させることによって、基材2の表面に複合材1を接着剤により接着して積層材を形成した。尚、上記の表面処理を行なわない場合は、基材2に複合材1を接着させることができなかった。
【0044】
上記の参考例1乃至3及び比較例で得られた積層材について、JAS規格(普通合板)の1類浸漬剥離試験を行なった。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0003854410
【0046】
表1から判るように、複合材1と基材2を接着剤で接着した比較例の積層板よりも、複合材1と基材2を加熱加圧接着した参考例1乃至3のほうが層間の剥離が起こりにくくなった。
【0047】
参考例4
参考例1乃至3と同様の複合材1及びPE系共重合樹脂(日本ポリオレフィン(株)製の品番ET182で厚み20μm)の樹脂シート5を200℃に加熱溶融させると共に参考例1乃至3と同様の基材2を100℃に加熱し、樹脂シート5と複合材1をこの順で基材2の表面に重ね合わせ、10kg/cm、200℃、10秒間の条件で両者を加圧接着(熱プレスによる接着)することによって積層材を形成した。
【0048】
(比較例2)
樹脂シート5を用いなかった以外は参考例4と同様にして積層材を形成した。
【0049】
参考例5
基材2を常温に、加圧接着の際の温度を140℃にした以外は参考例4と同様にして積層材を形成した。
【0050】
(比較例3)
樹脂シート5を用いなかった以外は、参考例5と同様にして積層材を形成した。
【0051】
参考例4及び、並びに比較例2及び3について、複合材1と基材2を離れる方向に引き剥がすようにして平面引張試験を行なった。その結果、基材2の温度や加圧接着時の温度が高い参考例4及び比較例2、及び基材2の温度や加圧接着時の温度が低くても樹脂シート5を用いた参考例5では、平面引張試験での引き剥がし強度が10kg/cmとなって(基材2の表面に破壊が起こる)平面引張試験の結果が良好(表2の評価に○で示す)であったが、基材2の温度や加圧接着時の温度が低くて且つ樹脂シート5を用いなかった比較例3では、基材2に複合材1を十分な強度で接着することができず、平面引張試験での引き剥がし強度が10kg/cmに達しなかった(表2の評価に×で示す)。つまり樹脂シート5を用いると、基材2の温度や加圧接着時の温度が低くても複合材1を基材2の表面に強固に接着することができることが判る。
【0052】
【表2】
Figure 0003854410
【0053】
【発明の効果】
上記のように本発明は、木粉と熱可塑性樹脂として加熱溶融させたオレフィン系樹脂とを混合して押出成形する複合材の押出成形と、複合材にこの複合材の熱可塑性樹脂に対して同等以下の融点を有する樹脂シートをラミネートする複合材と樹脂シートのラミネートと、該樹脂シートを複合材と基材の間に介在させて行なう、複合材と樹脂シートの基材への加圧接着と、を連続的に行なうので、溶融した樹脂シートを基材に入り込ませるようにして複合材と樹脂シートと基材と接着させることができ、複合材のみを加熱溶融して加圧接着する場合よりも複合材の基材への接着力を高めることができるものである。また、基材に重ね合わせる前に予め複合材と樹脂シートをラミネートすることによって、基材に重ね合わせた後、複合材と樹脂シートを接着するよりも複合材と樹脂シートの接着性を高めることができるものである。また、複合材を溶融状態で基材の表面に載置することができると共に複合材に残存する押出成形の際の熱で樹脂シートを加熱溶融させることができ、複合材の再加熱や樹脂シートの加熱の必要がないか、あるいは非常に少なくすることができるものである。
【0055】
また複合材に30〜70重量%の粉体を含有させるので、複合材の流れ性が低くならないようにして成形性の低下を防止することができると共に複合材あるいは複合材からなる層が脆くならないようにすることができるものである。
【0057】
また樹脂シートは酸基を有する樹脂で形成されているので、酸基によって樹脂シートと基材との親和性を高めることができ、複合材と樹脂シートと基材の接着性を高めることができるものである。
【0059】
また複合材の押出成形、及び複合材と樹脂シートのラミネート、及び複合材と樹脂シートの基材への加圧接着を連続的に行なうので、複合材を再加熱する必要が無く、生産性を向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図3】同上の製造方法の一例を示す断面図である。
【図4】同上の製造方法の他例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 複合材
2 基材
3 粉体
4 熱可塑性樹脂
5 樹脂シート

Claims (3)

  1. 木粉と熱可塑性樹脂として加熱溶融させたオレフィン系樹脂と混合して押出成形する複合材の押出成形と、複合材にこの複合材の熱可塑性樹脂に対して同等以下の融点を有する樹脂シートをラミネートする複合材と樹脂シートのラミネートと、該樹脂シートを複合材と基材の間に介在させて行なう、複合材と樹脂シートの基材への加圧接着と、を連続的に行なうことを特徴とする積層材の製造方法。
  2. 複合材に30〜70重量%の木粉を含有させることを特徴とする請求項1に記載の積層材の製造方法。
  3. 樹脂シートは酸基を有する樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層材の製造方法。
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