JPH0938968A - 外観の改良されたスタンパブルシートの製造方法 - Google Patents

外観の改良されたスタンパブルシートの製造方法

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JPH0938968A
JPH0938968A JP19751595A JP19751595A JPH0938968A JP H0938968 A JPH0938968 A JP H0938968A JP 19751595 A JP19751595 A JP 19751595A JP 19751595 A JP19751595 A JP 19751595A JP H0938968 A JPH0938968 A JP H0938968A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
sheet
stampable
fiber
resin
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Application number
JP19751595A
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English (en)
Inventor
Kensuke Oono
賢祐 大野
Takao Kimura
隆夫 木村
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートの有
する強度等の機械的特性を維持しつつ、表面外観が優
れ、かつホットメルト型の接着層や接着剤を用いて製造
した従来品に見られる性能劣化や実用上の問題が発生す
る恐れのないスタンパブルシートの製造方法を提供す
る。 【解決手段】繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシート
(A)のマトリックス樹脂(a)に対して実質的に熱融
着強度を有しない熱可塑性樹脂(b1)の層とこの樹脂
(b1)と強固に接着または熱融着可能な熱可塑性樹脂
(b2)の層とを有する表皮形成用シート(b)の樹脂
(b1)の層を、シート(A)の表面に重ね合わせ、樹
脂(a)および樹脂(b1)の融点または軟化点以上の
温度条件で加熱圧着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外観の改良されたス
タンパブルシートに関する。さら詳しくは、強度等の機
械的特性に優れるのみならず、表面外観が優れ自動車の
外板、家電製品のハウジング等の製造に供して好適なス
タンパブルシートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂に強化繊維を複
合させてなる繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシート
は、自動車の外板、家電製品のハウジング等の成形素材
の一つとして使用されており、この分野においては高度
の機械的物性と共に良好な外観が要求されている。この
ような繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートの成形
においては、通常、マトリックスとする熱可塑性樹脂の
融点以上の温度までシートを予熱し、次いで一対の雄雌
型の間で比較的高圧でプレス成形する方法により、概ね
均一な物性を有する成形品が得られている。しかしなが
ら、このプレス成形法では、通常100〜300kgf
/cm2 の高圧下で行うため、成形型並びに成形装置
が大型で高価なものになるばかりでなく、表面に強化繊
維の流れ模様等が現れ、満足できる成形品が得られない
と云う問題があつた。
【0003】また最近に至り、得られる成形品の外観を
改良するため、成形素材たるスタンパブルシートの片面
または両面に、それ自体平滑性と光沢に優れた熱可塑性
樹脂シートを新たに積層、接合し、得られた積層型スタ
ンパブルシートを、素材スタンパブルシートを構成する
熱可塑性樹脂(マトリックス)の融点より高い温度まで
予熱し、次いで一対の雄雌型の間でスタンプ成形した
り、圧空成形したりする方法が試みられている。これら
スタンプ成形法および圧空成形法においては、通常0.
1〜20kgf/cm2 と比較的低い圧力で成形でき
るので成形型並びに成形装置は小型なものとなり経済的
にも有利であるうえ、表面外観も比較的優れた成形品が
得られることから、最近、スタンプ成形法および圧空成
形法が特に注目されている状況にある。
【0004】そして、従来より知られているスタンプ成
形法や圧空成形法に使用する積層型スタンパブルシート
においては、平滑性等に優れた熱可塑性樹脂シートと成
形素材たるスタンパブルシートを接合するのに、これら
両シートを構成するそれぞれの熱可塑性樹脂のどちらに
も熱融着性を有するホットメルト型の接着層を介在させ
たり、他の接着剤を用いて接着する等の方法が専ら採用
されていた。しかしながら、これらの方法には両シート
を構成する熱可塑性樹脂の選択、組み合わせに種々制約
があり実用的なものと云えるには至っていない。
【0005】例えば、ポリプロピレンをマトリックスと
するスタンパブルシートに対しては、ホットメルト型の
接着層として酸変性ポリプロピレンを用い、これに少な
くともポリアミド層を有する平滑性等に優れた熱可塑性
樹脂シートのポリアミド層を接着、積層することは比較
的容易であるが、上記ポリアミド層に代えポリカーボネ
ート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂
等よりなる層を有する熱可塑性樹脂シートを積層する技
術は、未だ開発されていないのが実状である。また、仮
に平滑性等に優れた熱可塑性樹脂シートと成形素材たる
スタンパブルシートを接合できるホットメルト型の接着
層や接着剤として好適な組成物が見つかったとしても、
これらは高価であるためコスト高となり、さらに多くの
場合、ホットメルト型接着層等は曲げ特性等の機械的特
性の点で性能が劣り、製品の面剛性不足等の点で性能が
劣る等の実用上の問題が発生する恐れもあり、このよう
なスタンパブルシートは、その利用分野、使用量の拡大
にとって大きな障害となる要素を内在している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来からの
上記問題点を解決しようとするものであり、繊維強化熱
可塑性樹脂スタンパブルシートの有する強度等の機械的
特性を維持しつつ、表面外観が優れ、かつホットメルト
型の接着層や接着剤を用いて製造した従来品に見られる
性能劣化や実用上の問題が発生する恐れのないスタンパ
ブルシートの製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、繊維強化熱可塑性
樹脂スタンパブルシートを基体とし、この基体の表面に
熱可塑性樹脂表皮が形成されてなるスタンパブルシート
を製造する際、表皮形成用シートとして、基体のマトリ
ックス樹脂(a)に対して実質的に熱融着強度を有しな
い熱可塑性樹脂(b1)の層と、この熱可塑性樹脂(b
1)と強固に接着または熱融着可能な熱可塑性樹脂(b
2)の層を有する多層シートを用い、基体の表面に多層
シートの熱可塑性樹脂(b1)の層を重ね合わせ、加熱
圧着することにより、繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブ
ルシートと上記熱可塑性樹脂(b1)の層との間に強化
繊維の橋渡しによる強固な結合を生じさせることがで
き、ホットメルト型の接着層や接着剤を用いることなく
積層面同士を強固に接合でき、前記本発明の目的が容易
に達成されるとの知見を得、本発明を完成したものであ
る。
【0008】しかして、本発明においては、上記課題を
解決するため、熱可塑性樹脂(a)をマトリックスとす
る繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシート(A)の表
面に熱可塑性樹脂よりなる表皮(B)が形成されてなる
外観の改良されたスタンパブルシートの製造方法におい
て、(i)表皮(B)形成用シートとして、少なくとも
一方の表面側にはJIS K6744(1977)に規
定する剥離試験による前記熱可塑性樹脂(a)との熱融
着強度が300gf/cm以下である熱可塑性樹脂(b
1)よりなる層を有し、他の表面側には前記熱可塑性樹
脂(b1)よりなる層に接着または熱融着された熱可塑
性樹脂(b2)よりなる層を有する多層シート(b)を
用い、(ii)前記多層シート(b)を、その熱可塑性
樹脂(b1)よりなる層が繊維強化熱可塑性樹脂スタン
パブルシート(A)の表面に接するように重ね合わせ、
前記熱可塑性樹脂(a)および熱可塑性樹脂(b1)の
融点または軟化点以上の温度条件で、繊維強化熱可塑性
樹脂スタンパブルシート(A)に圧着することを特徴と
するスタンパブルシートの製造方法にすると云う手段を
講じている。
【0009】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
に係るスタンパブルシートの製造方法においては、熱可
塑性樹脂(a)をマトリックスとする繊維強化熱可塑性
樹脂スタンパブルシート(A)(以下、単に「シート
(A)」とも云う。)の表面に、特定の多層シート
(b)を用いて熱可塑性樹脂よりなる表皮(B)を形成
させることが必要である。
【0010】本発明で使用するシート(A)としては、
i)強化繊維マットに溶融状態の熱可塑性樹脂(a)を
含浸させ、これを加圧、冷却する方法(ラミネート
法)、ii)熱可塑性樹脂(a)の粉粒体と所定長さの
強化繊維とを混合・分散させた後、この混合物をウェブ
状となし、このウェブを加熱下で加圧し、冷却する方法
(乾式分散法)、iii)熱可塑性樹脂(a)の粉粒体
と所定長さの強化繊維とを水中または水泡中で混合・分
散させた後、抄造法によりウェブ状となし、このウェブ
を乾燥し加熱下で加圧し、冷却する方法(湿式分散法)
等により得たられたシート状物が挙げられる。これらの
中では、後述の理由により、ii)およびiii)の方
法により得たられた複合シートが好ましい。そして、シ
ート(A)としては、通常厚さ0.5〜6mmのものが
使用されるが、シート(A)の厚さはこの範囲に限定さ
れるものではない。
【0011】シート(A)のマトリックスである熱可塑
性樹脂(a)は、上に例示する方法で強化繊維と複合化
できるものである限り特に制限はない。その具体例とし
てはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリアセタール、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレ
ンオキシッド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィ
ド等を挙げることができ、これらの熱可塑性樹脂は単独
使用または2種以上の混合使用のいずれであってもよ
い。またこれらの熱可塑性樹脂(a)には、一般的に用
いられる各種添加剤、充填材、あるいは耐衝撃性改良材
等を適量混合しておくこともできる。
【0012】これら熱可塑性樹脂(a)の中では、強化
繊維、特にガラス繊維による特性向上(強度、剛性、耐
久性等)が顕著である点から、ポリプロピレン、ポリア
ミドおよびポリエステル(ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート)等の結晶性樹脂が好
ましく、さらに成形性、諸物性および経済性を総合的に
満足すると云う観点からポリプロピレンが特に好まし
い。
【0013】シート(A)を構成する強化繊維として
は、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維のほか、その他の
無機繊維、有機繊維等が用いられるが、ガラス繊維が最
も一般的である。ガラス繊維を用いる場合には、所望に
より炭素繊維、アラミッド繊維、金属繊維、セラミック
繊維等を適量併用してもよい。ガラス繊維を強化繊維と
し、前記ii)の乾式分散法、またはiii)の湿式分
散法によりシート(A)を製造する場合、ガラス繊維と
しては通常ガラスチョップドストランドが用いられる
が、このガラスチョップドストランドは、用途に応じア
ミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリン
グ剤等のカップリング剤、ポリビニルアルコール、ポリ
酢酸ビニル、ポリウレタン等の収束剤等で事前に表面処
理を施して用いることができる。ガラス繊維に限らず、
このような強化繊維の表面処理は、シート(A)のマト
リックスである熱可塑性樹脂(a)および表皮(B)形
成用多層シート(b)の熱可塑性樹脂(b1)の両方に
有効な処理を施すことが更に好ましい。
【0014】本発明で使用するシート(A)は、通常強
化繊維を10〜70重量%、好ましくは20〜50重量
%含有する。強化繊維としては、繊維長1〜50mmの
ものを使用できるが、好ましくは6〜25mmのものを
使用するのがよい。繊維長が1mm未満のものを使用す
ると、シート(A)とこれに圧着される多層シート
(b)との間の橋渡し効果が不十分となる傾向を示すの
で好ましくない。また、繊維長が50mmを超えるもの
を使用すると、強化繊維の含有量が同じである場合、橋
渡しに寄与する繊維の数が少なくなり、やはり橋渡し効
果が不十分となる傾向を示すので好ましくない。
【0015】また、強化繊維としては、繊維径3〜30
μmのものを使用できるが、好ましくは6〜15μmの
ものを使用するのがよい。繊維径が3μm未満のものを
使用すると、シート(A)およびこれに圧着される多層
シート(b)への侵入力が弱く両者間の橋渡し効果が不
十分となる傾向を示すので好ましくない。また、繊維径
が30μmを超えるものを使用すると、強化繊維の含有
量が同じである場合、橋渡しに寄与する繊維の数が少な
くなり、やはり橋渡し効果が不十分となる傾向を示すの
で好ましくない。
【0016】図1は本発明で使用するシート(A)の一
例を示す断面略図である。図1において、1はシート
(A)、11は熱可塑性樹脂(a)、12は強化繊維を
それぞれ示す。本発明で使用するシート(A)には、こ
の図1に示す構造の単層体のほか、これを複数層に積層
した多層体、単層体の一方の表面に他の熱可塑性樹脂よ
りなる層を積層したもの等も含まれる。
【0017】本発明においては、前記シート(A)の表
面に熱可塑性樹脂よりなる表皮(B)を形成するのに、
少なくとも一方の表面側にはJIS K 6744(19
77)に規定する剥離試験による前記熱可塑性樹脂
(a)との熱融着強度が300gf/cm以下である熱
可塑性樹脂(b1)よりなる層を有し、他の表面側には
前記熱可塑性樹脂(b1)よりなる層に接着または熱融
着された熱可塑性樹脂(b2)よりなる層を有する特定
の多層シート(b)を用いる。
【0018】多層シート(b)の一方の表面側の層は上
記熱可塑性樹脂(b1)よりなり、この層は、溶融また
は軟化された状態でシート(A)の表面に圧着された
際、同時に溶融または軟化されたシート(A)中の強化
繊維の一部を受け入れ強化繊維の橋渡しを生じさせると
云う機能を発揮する。
【0019】この層を構成する熱可塑性樹脂(b1)と
しては、JIS K 6744(1977)に規定する剥
離試験により測定した前記熱可塑性樹脂(a)との熱融
着強度が300gf/cm以下のものを使用できる。本
発明においては、表皮(B)の形成に当たり熱可塑性樹
脂(b1)とシート(A)のマトリックス(熱可塑性樹
脂(a))との熱融着強度を利用しないので、熱可塑性
樹脂(b1)の選択範囲が広い。
【0020】使用できる熱可塑性樹脂(b1)の具体例
を、代表的な熱可塑性樹脂(a)との組み合わせにおい
て列記すると次の通りであるが、本発明で使用できる熱
可塑性樹脂(b1)はここに例示されたものに限定され
るものではない。 (1)熱可塑性樹脂(a)がポリエチレンであるとき;
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメチ
ルメタクリレート (2)熱可塑性樹脂(a)がポリプロピレンであると
き;ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、ABS
樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル (3)熱可塑性樹脂(a)がポリスチレンであるとき;
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
アミド (4)熱可塑性樹脂(a)がポリ塩化ビニルであると
き;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド (5)熱可塑性樹脂(a)がABS樹脂であるとき;ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド
【0021】多層シート(b)の熱可塑性樹脂(b1)
よりなる層は、シート(A)と同様の方法で製造した繊
維強化樹脂シートに由来する熱可塑性樹脂(b1)をマ
トリックスとする繊維強化樹脂層であってもよい。熱可
塑性樹脂(b1)よりなる層を上記繊維強化樹脂層にす
ると、シート(A)中の強化繊維による橋渡しに、この
繊維強化樹脂層中の強化繊維による橋渡しが加わるた
め、シート(A)と多層シート(b)との接合が一層強
固なものとなり好適である。
【0022】多層シート(b)の他の表面側の層は上記
熱可塑性樹脂(b2)よりなり、この層を形成する熱可
塑性樹脂(b2)は、熱可塑性樹脂(b1)よりなる層
と強固に接着または熱融着可能なものである限り、任意
の熱可塑性樹脂が使用可能である。熱可塑性樹脂(b
2)の代表例としては、ポリアミド、ポリメチルメタア
クリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、ABS樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることが
できる。
【0023】熱可塑性樹脂(b2)として、熱可塑性樹
脂(a)および(b1)のいずれの融点または軟化点よ
りも高い融点または軟化点を有するものを選択し、熱可
塑性樹脂(a)および(b1)よりなる層が溶融状態ま
たは軟化状態とされ、熱可塑性樹脂(b2)よりなる層
は未溶融または未軟化状態として圧着すると、シート
(A)中の強化繊維の侵入をより確実に熱可塑性樹脂
(b1)の層までに止めることができ、外観の優れた製
品を効率よく製造することができ好ましい。この場合、
熱可塑性樹脂(b2)としては、その融点または軟化点
が熱可塑性樹脂(a)および(b1)の融点または軟化
点よりも30℃程度、好ましくは50℃程度高いものと
するのがよい。
【0024】上記のように、多層シート(b)の各層を
構成する熱可塑性樹脂(b1)および(b2)は、シー
ト(A)のマトリックス(熱可塑性樹脂(a))との関
連で選択され、各種の組み合わせが可能であるが、熱可
塑性樹脂(a)がポリオレフィンであるときには、多層
シート(b)の熱可塑性樹脂(b1)および(b2)を
ポリオレフィン以外の熱可塑性樹脂とするのが好まし
い。例えば、熱可塑性樹脂(a)がポリプロピレンであ
るときには、多層シート(b)の熱可塑性樹脂(b1)
および(b2)をポリアミド、ABS樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリエステルよりなる群から選ばれる熱
可塑性樹脂とするのが好ましい。このような組み合わせ
とすることにより、機械的特性の優れたシート(A)の
表面に、表面特性の優れた表皮(B)を特別の接着層を
用いることなく形成でき、樹脂材料の選択幅も顕著に拡
大されると云う利点がある。
【0025】多層シート(b)の厚さは、特に限定され
るものではないが、一般的には0.1〜2mmとする。
その熱可塑性樹脂(b1)よりなる層の厚さは、通常
0.02〜1mm、好ましくは0.05〜0.5mmと
し、そして、熱可塑性樹脂(b2)よりなる層の厚さ
は、通常0.05〜1.5mm、好ましくは0.1〜1
mmとする。
【0026】図2は本発明で使用する表皮(B)形成用
多層シート(b)の一例を示す断面略図である。図2に
おいて、2は多層シート(b)、21は熱可塑性樹脂
(b2)、22は熱可塑性樹脂(b1)をそれぞれ示
す。多層シート(b)は、少なくとも一方の表面側に前
記熱可塑性樹脂(b1)よりなる層を有し他の表面側に
前記熱可塑性樹脂(b2)よりなる層を有するものであ
れば、図2に示すような2層構成のシートに限定される
ものではなく、所望により中間層としてガスバリヤ性樹
脂よりなる層等が配されたものであってもよい。このよ
うな多層シート(b)は、熱可塑性樹脂(b1)、熱可
塑性樹脂(b2)および所望によりその他の熱可塑性樹
脂を原料とし、共押出成形法、押出ラミネーション法等
従来より公知のシート成形法により製造することができ
る。
【0027】熱可塑性樹脂(b1)よりなる層を熱可塑
性樹脂(b1)よりなる繊維強化樹脂層にするときに
は、予め繊維強化樹脂シートを作成し、このシートに熱
可塑性樹脂(b2)を押出ラミネートして得ることがで
きる。図3はこのタイプの多層シート(b)の一例を示
す断面略図である。図3において、3は多層シート
(b)、31は熱可塑性樹脂(b2)、32は熱可塑性
樹脂(b1)、33は強化繊維をそれぞれ示す。
【0028】本発明に係る製造方法においては、(i)
熱可塑性樹脂(a)をマトリックスとするシート(A)
の表面に前記多層シート(b)の熱可塑性樹脂(b1)
よりなる層を重ね合わせ、(ii)熱可塑性樹脂(a)
および熱可塑性樹脂(b1)の融点または軟化点以上の
温度条件で、多層シート(b)をシート(A)に圧着す
ることにより、シート(A)の表面に表皮(B)を形成
することが必要である。
【0029】また、上記表皮(B)の形成は、シート
(A)の一方の表面には限られず、所望ににより表裏両
面であってもよい。表裏両面とも外観の改良されたスタ
ンパブルシートを得たい場合には、多層シート(b)2
枚をシート(A)の表裏両面に重ね合わせ、上記所定の
方法に従い表皮(B)を形成すればよい。
【0030】シート(A)の表面に前記多層シート
(b)を重ね合わせ、両者を所要の温度条件で圧着する
自体的方法としては、両者を別々に作成し、(イ)シー
ト(A)の表面に前記多層シート(b)の熱可塑性樹脂
(b1)よりなる層を重ね合わせ、上記所要の温度条件
まで加熱した後所定の時間加圧する方法、または(ロ)
両者を上記所要の温度条件まで加熱し、シート(A)の
表面に前記多層シート(b)の熱可塑性樹脂(b1)よ
りなる層を重ね合わせた後所定の時間加圧する方法が一
般的である。また、他の方法としては、前記多層シート
(b)を共押出成形法、押出ラミネーション法で製造し
つつ、熱可塑性樹脂(b1)よりなる層が溶融または軟
化状態にあるうちに、この層を、別途作成し熱可塑性樹
脂(a)が溶融または軟化する温度まで予熱されたシー
ト(A)の表面に重ね合わせると共に加圧する方法が挙
げられる。
【0031】上記いずれの方法においても、通常、加圧
は所要の温度に維持された平板プレス、または一対のロ
ーラーにより行われる。そして加圧操作は、圧力は通常
0.1〜100kgf/cm2 、好ましくは1〜20k
gf/cm2 とされ、時間は数秒〜2分程度とされる
が、使用するシート(A)および多層シート(b)の厚
み、これらを構成する樹脂や強化繊維の種類、特性によ
り適宜変更することができる。なお、上記のようにして
表皮(B)が形成され、外観の改良されたスタンパブル
シートは、樹脂の結晶化または固化温度より充分低い温
度まで冷却して製品として取り出されるが、シート厚み
の均一化、および反り・変形防止等のため、上記加圧は
冷却中も継続するのが好ましい。
【0032】図4は本発明に係る製造方法で得られた外
観の改良されたスタンパブルシートの一例を示す断面略
図であり、表皮(B)形成用多層シート(b)として図
2に示す多層シート(b)を使用した例である。図4に
おいて、Aはシート(A)、Bは表皮(B)、12`は
橋渡しされた強化繊維をそれぞれ示し、その他の符号
は、図1および図2におけると同じである。また、図5
は本発明に係る製造方法で得られた外観の改良されたス
タンパブルシート他の例を示す断面略図であり、表皮
(B)形成用多層シート(b)として図3に示す多層シ
ート(b)を使用した例である。図5において、33`
は橋渡しされた強化繊維を示し、その他の符号は、図
1、図3および図4におけると同じである。
【0033】このようにして得られる外観の改良された
スタンパブルシートは、そのままシート状のパネル状製
品として使用することができる。また、雄雌型の間で1
〜5kgf/cm2 程度の圧力で押圧するスタンプ成
形、雄型または雌型のいずれかを用い1〜10kgf/
cm2 程度の流体圧をかける差圧成形に供することに
より、自動車部品、家電製品・OA機器等のハウジング
等の各種成形品とすることができる。さらに、シート
(A)の表面に表皮(B)を形成させる段階で、熱可塑
性樹脂(a)および熱可塑性樹脂(b1)未だ溶融状態
または軟化状態にある間にスタンプ成形または差圧成形
することもできる。得られる成形品は、強度に優れるの
勿論、平滑で美麗な外観を呈しているので、特別な表面
加工を施す必要がない。
【0034】
【実施例】次に、本発明を、実施例および比較例により
更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えな
い限りこれらの例の記載に限定されるものではない。な
お、以下の記載において、特に記載のない限り「%」は
重量基準を意味する。
【0035】以下の各例で用いた熱可塑性樹脂および強
化繊維は、次の通りである。 ポリプロピレン:粉末状ポリプロピレン、三菱化学(株)製試作品 X1780 Q 融点163℃ 平均粒径300μm 強化ガラス繊維:ガラスチョップドストランド、日本電気硝子(株)製試作品 1 3−IP−169G、繊維径10μm、繊維長13mm 共重合ナイロン:ナイロン6とナイロン66を主体とする共重合体 三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名ノバミ ッド#2430 融点195℃ ナイロン6 :三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名ノバミ ッド#1020 融点224℃ ABS樹脂 :三菱レイヨン(株)製、商品名ダイヤペット#3001 Vicat法による軟化点102℃ PMMA :三菱レイヨン(株)製、商品名アクリペットV 軟化点120℃ ポリカーボネート:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名ユー ピロンS2000 軟化点155℃ ポリ塩化ビニル樹脂:三菱化学(株)製、商品名KR600 軟化点86℃
【0036】実施例1 先ず、ポリプロピレンおよび強化ガラス繊維を主原料と
して、湿式分散法によりガラス繊維含有量が30重量
%、密度が1.1g/cm3 であり、寸法が縦310
mm、横340mm、厚さ3mmの繊維強化熱可塑性樹
脂スタンパブルシートを作成した。このシートは、ガラ
ス繊維が表面に露出し外観が著しく劣ったものであつ
た。次に、共重合ナイロンおよびナイロン6を用い、熱
プレス法により共重合ナイロン層(80μm)/ナイロ
ン6層(80μm)なる2層構成の表皮形成用シートを
作成した。次いで、上記繊維強化熱可塑性樹脂スタンパ
ブルシートの両面に、上記表皮形成用シートの共重合ナ
イロン層が接触するように重ね合わせ、210℃のオー
ブン中で7分間予熱して繊維強化熱可塑性樹脂スタンパ
ブルシートのマトリックス樹脂と表皮形成用シートの共
重合ナイロン層とが溶融状態となった積層体を得た。
【0037】引き続き、得られた積層体を210℃に保
った油圧プレスで10kgf/cm 2 の加圧を1分間
行った後、さらに60℃に保った油圧プレスで10kg
f/cm2 の加圧を続けながら3分間冷却することに
より、厚さ約3.2mmの目的とするスタンパブルシー
トを得た。得られたスタンパブルシートの表面を観察し
たところ、平滑性および光沢が極めて優れたものであっ
た。また、繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートと
表皮形成用シートとの接合面の接着強度を、JIS K
6744(1977)に準拠して測定したところ2.1
kgf/cmであり、両者は強固に接合されていること
が確認された。
【0038】実施例2 実施例1におけると同様にして、同例で得られたのと同
様のポリプロピレンをマトリックス樹脂とする繊維強化
熱可塑性樹脂スタンパブルシートを作成した。次に、A
BS樹脂およびPMMAを用い、熱プレス法によりAB
S樹脂層(500μm)/PMMA層(400μm)な
る2層構成の表皮形成用シートを作成した。次いで、上
記繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートの両面に、
上記表皮形成用シートのABS樹脂層が接触するように
重ね合わせ、185℃のプレス温度条件で実施例1と同
様にして、厚さ約4.5mmの目的とするスタンパブル
シートを得た。得られたスタンパブルシートの表面を観
察したところ、平滑性および光沢が極めて優れたもので
あった。また、繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシー
トと表皮形成用シートとの接合面の接着強度を、実施例
1と同様の方法により測定したところ2.4kgf/c
mであり、両者は強固に接合されていることが確認され
た。
【0039】実施例3 実施例1におけると同様にして、同例で得られたのと同
様のポリプロピレンをマトリックス樹脂とする繊維強化
熱可塑性樹脂スタンパブルシートを作成した。次に、P
MMAおよびポリカーボネートを用い、熱プレス法によ
りPMMA層(400μm)/ポリカーポネート層(5
00μm)なる2層構成の表皮形成用シートを作成し
た。次いで、上記繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシ
ートの両面に、上記表皮形成用シートのPMMA層が接
触するように重ね合わせ、185℃のプレス温度条件で
実施例1と同様にして、厚さ約4.5mmの目的とする
スタンパブルシートを得た。得られたスタンパブルシー
トの表面を観察したところ、平滑性および光沢が極めて
優れたものであった。また、繊維強化熱可塑性樹脂スタ
ンパブルシートと表皮形成用シートとの接合面の接着強
度を、実施例1と同様の方法により測定したところ2.
2kgf/cmであり、両者は強固に接合されているこ
とが確認された。
【0040】実施例4 実施例1におけると同様にして、同例で得られたのと同
様のポリプロピレンをマトリックス樹脂とする繊維強化
熱可塑性樹脂スタンパブルシートを作成した。次に、ポ
リ塩化ビニル樹脂(1)およびABS樹脂を用い、熱プ
レス法によりポリ塩化ビニル樹脂(1)層(1000μ
m)/ABS樹脂層(300μm)なる2層構成の表皮
形成用シートを作成した。次いで、上記繊維強化熱可塑
性樹脂スタンパブルシートの両面に、上記表皮形成用シ
ートのポリ塩化ビニル樹脂層が接触するように重ね合わ
せ、185℃のプレス温度条件で実施例1と同様にし
て、厚さ約5.5mmの目的とするスタンパブルシート
を得た。得られたスタンパブルシートの表面を観察した
ところ、平滑性および光沢が極めて優れたものであっ
た。また、繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシートと
表皮形成用シートとの接合面の接着強度を、実施例1と
同様の方法により測定したところ2.6kgf/cmで
あり、両者は強固に接合されていることが確認された。
【0041】実施例5 実施例1におけると同様にして、同例で得られたのと同
様のポリプロピレンをマトリックス樹脂とする繊維強化
熱可塑性樹脂スタンパブルシートを作成した。次に、ポ
リ塩化ビニル樹脂(2)および強化ガラス繊維を主原料
として、湿式分散法によりガラス繊維含有量が30重量
%、密度が1.6g/cm3 であり、寸法が縦310
mm、横340mm、厚さ1mmのガラス繊維強化ポリ
塩化ビニル樹脂シートを作成し、これに厚さ300μm
のABS樹脂シートを積層した2層構成の表皮形成用シ
ートを作成した。次いで、上記繊維強化熱可塑性樹脂ス
タンパブルシートの両面に、上記表皮形成用シートのガ
ラス繊維強化ポリ塩化ビニル樹脂シート層が接触するよ
うに重ね合わせ、185℃のプレス温度条件で実施例1
と同様にして、厚さ約5.5mmの目的とするスタンパ
ブルシートを得た。得られたスタンパブルシートの表面
を観察したところ、平滑性および光沢が極めて優れたも
のであった。また、繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブル
シートと表皮形成用シートとの接合面の接着強度を、実
施例1と同様の方法により測定したところ3.4kgf
/cmであり、両者は強固に接合されていることが確認
された。
【0042】比較例1 実施例1に記載の例において、同例で用いた繊維強化熱
可塑性樹脂スタンパブルシートに代え、前記ポリプロピ
レンをプレス成形して得たガラス繊維を含まないシート
を用いたほかは、同例におけると同様にして、ポリプロ
ピレンシートの表面に表皮形成用シートを接合した積層
シートを得た。得られた積層シートについて、ポリプロ
ピレンシートと表皮形成用シートとの接合面の接着強度
を、実施例1と同様の方法により測定したところ0.2
kgf/cmであり、両者の接合は不十分なものであっ
た。
【0043】比較例2 実施例2に記載の例において、同例で用いた繊維強化熱
可塑性樹脂スタンパブルシートに代え、前記ポリプロピ
レンをプレス成形して得たガラス繊維を含まないシート
を用いたほかは、同例におけると同様にして、ポリプロ
ピレンシートの表面に表皮形成用シートを接合した積層
シートを得た。得られた積層シートについて、ポリプロ
ピレンシートと表皮形成用シートとの接合面の接着強度
を、実施例1と同様の方法により測定したところ0.3
kgf/cmであり、両者の接合は不十分なものであっ
た。
【0044】比較例3 実施例3に記載の例において、同例で用いた繊維強化熱
可塑性樹脂スタンパブルシートに代え、前記ポリプロピ
レンをプレス成形して得たガラス繊維を含まないシート
を用いたほかは、同例におけると同様にして、ポリプロ
ピレンシートの表面に表皮形成用シートを接合した積層
シートを得た。得られた積層シートについて、ポリプロ
ピレンシートと表皮形成用シートとの接合面の接着強度
を、実施例1と同様の方法により測定したところ0.1
kgf/cmであり、両者の接合は不十分なものであっ
た。
【0045】比較例4 実施例4に記載の例において、同例で用いた繊維強化熱
可塑性樹脂スタンパブルシートに代え、前記ポリプロピ
レンをプレス成形して得たガラス繊維を含まないシート
を用いたほかは、同例におけると同様にして、ポリプロ
ピレンシートの表面に表皮形成用シートを接合した積層
シートを得た。得られた積層シートについて、ポリプロ
ピレンシートと表皮形成用シートとの接合面の接着強度
を、実施例1と同様の方法により測定したところ0.1
kgf/cmであり、両者の接合は不十分なものであっ
た。
【0046】以上の結果より、本発明の製造方法による
と、表皮(B)の形成により繊維強化熱可塑性樹脂スタ
ンパブルシート(A)の表面外観が大幅に改善され、し
かも表皮(B)が極めて強固に接合されたスタンパブル
シートが得られることが確認された。また、表皮(B)
の接合は、繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシート
(A)の強化繊維の橋渡しが有効に作用していることも
明らかである。
【0047】
【発明の効果】本発明は、ホットメルト型の接着層や接
着剤を用いることなく、表面外観に優れ、繊維強化熱可
塑性樹脂スタンパブルシートの有する強度等の機械的特
性を維持し、しかも従来品に見られた性能劣化や実用上
の問題が発生する恐れのないスタンパブルシートの工業
的有利な製造方法を提供できると云うという優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明で使用する繊維強化熱可塑性樹脂
スタンパブルシート(A)の一例を示す断面略図であ
る。
【図2】図2は本発明で使用する表皮(B)形成用多層
シート(b)の一例を示す断面略図である。
【図3】図3は本発明で使用する表皮(B)形成用多層
シート(b)の他の例を示す断面略図である。
【図4】図4は本発明に係る製造方法で得られた外観の
改良されたスタンパブルシートの一例を示す断面略図で
ある。
【図5】図5は本発明に係る製造方法で得られた外観の
改良されたスタンパブルシート他の例を示す断面略図で
ある。
【符号の説明】
1 :繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシート(A) 11 :熱可塑性樹脂(a) 12 :強化繊維 12`:橋渡しされた強化繊維 2 :多層シート(b) 21 :熱可塑性樹脂(b2) 22 :熱可塑性樹脂(b1) 3 :多層シート(b) 31 :熱可塑性樹脂(b2) 32 :熱可塑性樹脂(b1) 33 :強化繊維 33`:橋渡しされた強化繊維 A :繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシート(A)
の層 B :表皮(B)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(a)をマトリックスとす
    る繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシート(A)の表
    面に熱可塑性樹脂よりなる表皮(B)が形成されてなる
    外観の改良されたスタンパブルシートの製造方法におい
    て、(i)表皮(B)形成用シートとして、少なくとも
    一方の表面側にはJIS K6744(1977)に規
    定する剥離試験による前記熱可塑性樹脂(a)との熱融
    着強度が300gf/cm以下である熱可塑性樹脂(b
    1)よりなる層を有し、他の表面側には前記熱可塑性樹
    脂(b1)よりなる層に接着または熱融着された熱可塑
    性樹脂(b2)よりなる層を有する多層シート(b)を
    用い、(ii)前記多層シート(b)を、その熱可塑性
    樹脂(b1)よりなる層が繊維強化熱可塑性樹脂スタン
    パブルシート(A)の表面に接するように重ね合わせ、
    前記熱可塑性樹脂(a)および熱可塑性樹脂(b1)の
    融点または軟化点以上の温度条件で、繊維強化熱可塑性
    樹脂スタンパブルシート(A)に圧着することを特徴と
    する外観の改良されたスタンパブルシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂(b2)が熱可塑性樹
    脂(a)および(b1)のいずれの融点または軟化点よ
    りも高い融点または軟化点を有するものであることを特
    徴とする請求項1記載の外観の改良されたスタンパブル
    シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂(a)がポリオレフィ
    ンであり、前記多層シート(b)を構成する熱可塑性樹
    脂(b1)および熱可塑性樹脂(b2)がポリオレフィ
    ン以外の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の外観の改良されたスタンパブルシ
    ートの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂(a)がポリプロピレ
    ンであり、前記多層シート(b)を構成する熱可塑性樹
    脂(b1)および熱可塑性樹脂(b2)がポリアミド、
    ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレ
    ート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステルよ
    りなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の外観の
    改良されたスタンパブルシートの製造方法。
  5. 【請求項5】 繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシー
    ト(A)が、粉粒状の熱可塑性樹脂(a)とガラスチョ
    ップドストランドを主原料とし、湿式分散法または乾式
    分散法によって製造されたシートであることを特徴とす
    る請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の外観の改良
    されたスタンパブルシートの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記多層シート(b)を構成する熱可塑
    性樹脂(b1)よりなる層が、粉粒状の熱可塑性樹脂
    (b1)とガラスチョップドストランドを主原料とし、
    湿式分散法または乾式分散法によって製造された繊維強
    化樹脂シートからなる層であることを特徴とする請求項
    1〜請求項5のいずれか1項記載の外観の優れたスタン
    パブルシートの製造方法。
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