JP3853803B2 - プラズマ処理装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、処理ガスをプラズマ化してワークに当て、洗浄、成膜、エッチング、表面改質などの表面処理を行なう装置に関し、特に、プラズマ発生空間の外にワークを配置する所謂リモート式のプラズマ処理装置に関する。
プラズマ処理装置は、ワークを電極間のプラズマ発生空間内に配置する所謂ダイレクト式と、外部に配置する所謂リモート式に大別される。
リモート式のプラズマ処理装置として、例えば特許文献1に記載のものは、電源に接続された電圧印加電極と、この電極と対向するとともに接地された接地電極とを有し、これら電極どうし間にプラズマ化空間(プラズマ発生空間)が形成されるようになっている。このプラズマ化空間に処理ガスを導入してプラズマ化し、下方のワークへ向けて吹出す。これによって、ワークのプラズマ表面処理を行なうことができる。
この種リモート式プラズマ処理装置では、ワークとの距離が短いと電圧印加電極からワークにアークが落ち易くなり、逆に距離を大きくするとワークにプラズマガスが届きにくく処理効率が悪くなる。特に、略常圧下(大気圧近傍での圧力下)でのプラズマ処理において、その傾向が顕著である。そこで、上掲特許文献1では、電圧印加電極の下面に絶縁部材を介して金属板が設けられている。金属板は、電気的に接地されている。この金属板によって電極とワークの間の電界遮蔽を行なうことができる。これによって、ワークにアークが落ちるのを防止できるとともに、プラズマガスをワークに確実に到達させ処理効率を確保できる。
特開2003−100646号公報(第1頁)
前記特許文献1記載の装置において、絶縁部材と金属板の間に微小隙間等の空気層があると、そこで放電が生じ、絶縁部材等が焦げてパーティクルが発生し、処理品質が損なわれるおそれがある。
上記問題点を解決するために、本発明の第1の特徴は、プラズマ化空間(プラズマ発生空間)に通した処理ガスをプラズマ化空間の外部に配置したワークへ吹出し、ワークの表面処理を行なう装置であって、前記プラズマ化空間を形成するための電極と、電気的に接地された状態で、前記電極のワークを向くべき側を遮るように設けられた導電部材(電界遮蔽や放電防止のための導電性を有する部材)と、前記電極と導電部材の間に介在された絶縁体からなる絶縁部材と、を備え、前記絶縁部材が、当該絶縁部材と導電部材との間が火花電圧に達しない(すなわち絶縁破壊されない)程度の誘電率と厚さを有していることにある。また、前記絶縁部材と導電部材の間に間隙が形成され、この間隙にかかる電圧が火花電圧すなわち絶縁破壊電圧より小さくなるように(後述の式(2)が満たされるように)、前記絶縁部材の誘電率と厚さが設定されていることにある。これによって、絶縁部材と導電部材の間にアーク(火花)等の放電が発生するのを防止できる。
前記装置の設計・製造に際し、前記絶縁部材と導電部材の間の離間距離すなわちこれら部材間の間隙の厚さdに拘わらず、これら部材間にかかる電圧が火花電圧より小さくなるように、前記絶縁部材の誘電率と厚さの設定を行なうことが望ましい。これによって、絶縁部材と導電部材の間の離間距離すなわち間隙の厚さdが変動しても、これら部材間でアーク等の放電が発生するのを確実に防止することができる。前記設定は、離間距離すなわち間隙の変動が想定される一定の範囲内で有効であればよい。絶縁部材と導電部材がぴったり重ねられ、両者の間に隙間が形成されていなくても、仮想的に厚さdの隙間を設けたとして、dの大きさに拘わらず、これら部材間にかかる電圧が火花電圧より小さくなるように、絶縁部材の誘電率と厚さを設定することが望ましい。絶縁部材と導電部材の間に厚さdの隙間が設定されている場合、その厚さdが多少増減したとしても、すなわちdの大きさに拘わらず、絶縁部材と導電部材の間にかかる電圧が火花電圧より小さくなるように、絶縁部材の誘電率と厚さを設定することが望ましい。
前記装置の設計・製造に際し、前記火花電圧の測定実験を行ない、平均より低いレベルで火花が起きた測定データに基づいて、前記絶縁部材と導電部材の間の離間距離すなわちこれら部材間の間隙の厚さに対する火花電圧の関係を求めることが望ましい。これによって、絶縁部材と導電部材の間でアーク等の放電が発生するのを一層確実に防止することができる。
前記電極のプラズマ化空間形成面とワークを向くべき側の面に固体誘電体が設けられ、ワーク側の固体誘電体に前記絶縁部材が重ねられていてもよい。その場合、前記絶縁部材の誘電率と厚さは、固体誘電体の誘電率とワーク側部分の厚さを考慮して定められる。ワーク側の固体誘電体と絶縁部材とが一体に構成されていてもよい。ワーク側の固体誘電体を「絶縁部材」の一部とみなしてもよい。
本発明は、プラズマ化空間に通した処理ガスをプラズマ化空間の外部に配置したワークへ吹出し、ワークの表面処理を行なう装置であって、前記プラズマ化空間を形成するための電極と、電気的に接地された状態で、前記電極のワークを向くべき側を遮るように設けられた導電部材と、を備え、前記電極と導電部材の間に絶縁体として気体層が形成され、この気体層の厚さが、前記電極と導電部材の間にかかる電圧が火花電圧より小さくなるように設定されていることを第2の特徴とする。これによって、電極と導電部材の間にアーク(火花)等の放電が発生するのを防止できる。
第2の特徴において、前記電極のプラズマ化空間形成面とワークを向くべき側の面に固体誘電体が設けられ、ワーク側の固体誘電体と前記導電部材とによって前記気体層が画成され、この気体層の厚さが、前記ワーク側の固体誘電体と導電部材の間にかかる電圧が火花電圧より小さくなるように設定されていることが望ましい。設計・製造に際し、前記電極と導電部材の間の離間距離に拘わらず、前記ワーク側の固体誘電体と導電部材間にかかる電圧が火花電圧より小さくなるように、前記気体層の厚さを設定することが望ましい。これによって、電極と導電部材の間の離間距離が変動しても、これら部材間でアーク等の放電が発生するのを確実に防止することができる。前記設定は、離間距離の変動が想定される一定の範囲内で有効であればよい。また、前記火花電圧の測定実験を行ない、平均より低いレベルで火花が起きた測定データに基づいて、前記気体層の厚さに対する火花電圧の関係を求めることが望ましい。これによって、電極と導電部材の間でアーク等の放電が発生するのを一層確実に防止することができる。
第1、第2の特徴において、前記導電部材が、前記絶縁体を向く面と、前記プラズマ化空間に連なる吹出し口を形成する縁面と、ワークを向くべき面とを有し、前記絶縁体を向く面と吹出し口縁面とのなす角と、吹出し口縁面とワークを向くべき面とのなす角のうち、少なくとも前者が、面取り(R面取り、角面取りを含む)されていることが望ましい。前記吹出し口縁面が、絶縁体を向く面とワークを向くべき面にそれぞれ向かって丸みを付けられているのが、より望ましい。これによって、電極と導電部材の間、または絶縁部材と導電部材の間で放電が発生するのをより確実に防止できる。
第1の特徴において、前記絶縁部材が、前記電極を向く面と、前記プラズマ化空間に連なる処理ガス導出路を形成する面と、前記導電部材を向く面とを有し、前記電極を向く面と導出路形成面とのなす角と、導出路形成面と導電部材を向く面とのなす角のうち、少なくとも前者が、面取り(R面取り、角面取りを含む)されていることが望ましい。前者の面取りによって、絶縁部材の電極を向く面と導出路形成面とのなす角がプラズマによって欠けるのを防止でき、パーティクルが発生するのを防止できる。後者の面取りによって、絶縁部材と導電部材の間で放電が起きるのをより確実に防止できる。2つの角の両方を面取りする場合には、電極を向く面と導出路形成面とのなす角が、導出路形成面と導電部材を向く面とのなす角より大きく面取りされていることが望ましい。前記導電部材の吹出し口縁面が、前記絶縁部材の導電部材を向く面と導出路形成面とのなす角の面取りと導電部材を向く面との境と略同位置又はそれより引込んでいることが望ましい。これによって、絶縁部材と導電部材の間で放電が発生するのをより確実に防止できる。
本発明は、略常圧下でのプラズマ処理において特に有効である。本発明における略常圧(大気圧近傍の圧力)とは、1.013×104〜50.663×104Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、好ましくは、1.333×104〜10.664×104Paであり、より好ましくは、9.331×104〜10.397×104Paである。
本発明によれば、ワークにアークが落ちるのを防止できるとともに処理効率を確保できるだけでなく、絶縁部材と導電部材の間に隙間があったり、絶縁部材を気体層に変えたとしても、その隙間や気体層でアーク等の放電が発生するのを防止でき、処理品質を確保することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係るプラズマ処理装置Mの概略構成を示したものである。
プラズマ処理装置Mは、互いに対向する一対の電極31,32を有している。一方の電圧印加電極31には、電圧印加手段としての電源3が接続され、他方の接地電極32は接地されている。これら電極31,32の間にプラズマ発生空間30aが形成されている。プラズマ発生空間30aには、電源3によって電界が印加されてグロー放電が起きる。そこに処理ガス源2からの処理ガスが導入されてプラズマ化される。このプラズマ化された処理ガスが後記吹出し口40bから下方のワークWすなわち被処理物に吹付けられる。これによって、ワークWの表面処理がなされるようになっている。なお、本実施形態の処理は、常圧下で実行されるようになっている。
各電極31,32の他方との対向面と下面には、空間30aでのアーク放電防止のための固体誘電体33が溶射にて被膜されている。なお、図面において、固体誘電体33の厚さは、誇張して図示されている。
電極31,32の下面側(ワーク側)の固体誘電体33の下側には、固体の絶縁体からなる絶縁部材40が設けられている。絶縁部材40の中央部には、プラズマ発生空間30aの下流に連なる処理ガス導出路40aが形成されている。
絶縁部材40の下側に金属板からなる導電部材51が設けられている。導電部材51の中央部には、導出路40aの下流に連なる吹出し口50aが形成されている。導電部材51は、接地線5を介して電気的に接地されている。導電部材51は、電極31,32より処理ガスの吹出し側すなわちワークWの側に配され、電極構造30がワークWと直接対面するのを遮っている。導電部材51において電極31,32とは逆側の下面が、処理すべきワークWと直接対面するようになっている。
これによって、電極31からワークWにアークが落ちるのを防止できるとともに、吹出し口50aをワークWに近づけ、プラズマガスをワークWに確実に到達させることができ、処理効率を確保することができる。また、電界がワークWへ洩れるのを防止でき、ワークWが電界によって影響を受けないようにすることができる。導電部材51は、アーク等の放電を防止する放電防止部材または電極31からの電界を遮蔽する電界遮蔽部材を構成している。
なお、導電部材51は、一対の電極31,32のうち少なくとも電圧印加電極31の下側に設けられていればよい。
絶縁部材40と導電部材51の間には間隙40bが形成されている。常圧下の間隙40b内には、空気が入り込んでいる。間隙40bは、絶縁性を高めるために積極的に形成した場合もあり、本来形成されるべきでないが何らかの原因で形成された場合もある。例えば、互いに別体の絶縁部材40と導電部材51を単に重ね合わせただけの場合、間隙が形成されることがある。
上記間隙40bにかかる電圧Vxは、次式で表される。
Vx=εεppd/2(ε+ε+εεd) (式1)
ここで、d:間隙40bの厚さすなわち絶縁部材40と導電部材51の間の離間距離
pp:電極31のピーク間電圧
ε:固体誘電体33の比誘電率
ε:絶縁部材40の比誘電率
:固体誘電体33の電極下側部分の厚さ
:絶縁部材40の厚さ
なお、間隙40bすなわち空気の比誘電率は、「1」としてある。
ピーク間電圧Vppは、所望のグロー放電プラズマが得られるように例えば数kV〜数十kVの範囲で決められている。
固体誘電体33の電極下側部分の厚さtは、プラズマ発生空間30a側部分の厚さと等しくなっている。この固体誘電体33の比誘電率ε(すなわち材質)と厚さtは、良好なグロー放電を維持できるように設定されている。
プラズマ処理装置Mの絶縁部材40の比誘電率εと厚さtは、上記Vpp、ε、tを考慮しつつ、間隙40bの空気が絶縁破壊を起さないように設定してある。すなわち、間隙40bの火花電圧(絶縁破壊電圧)をVxoとすると、
Vxo>Vx=εεppd/2(ε+ε+εεd) (式2)
が満たされるように設定されている。
これによって、間隙40bでアークが形成されるのを防止できる。よって、絶縁部材40が焦げてパーティクルが発生するのを防止でき、その結果、処理品質を確保することができ、歩留まりを向上させることができる。
ところで、絶縁部材40の比誘電率εは、その材質によって定まる。アルミナでは、約7.5であり、アルカリガラスでは6〜9であり、パイレックス(登録商標)ガラスでは4.5〜5.0であり、石英ガラスでは3.5〜4.5であり、塩化ビニールでは3.0〜3.5である。したがって、材質を定めたうえで、その比誘電率εに応じて厚さtを設定するのが望ましい。
間隙40bの火花電圧Vxoは、下記の既知文献式3を用いて求めることが可能である。
Vxo=2.405δd(1+0.328(δd/10)−1/2) (式3)
〔文献:電気学会大学講座 電離気体論 P.116(オーム社刊)より〕
式3において、火花電圧Vxoの単位は「kV」であり、間隙40bの厚さdの単位は、「mm」である(式5において同様)。δは、相対空気密度であり、間隙40b内の温度をT〔℃〕、圧力をP〔mmHg〕とすると、
δ=0.386P/(273+T) (式4)
である。例えば、20℃、760mmHgでは、δ=1.00122867である。このときの式3すなわち間隙40bの厚さdに対する火花電圧Vxo(文献値)をグラフ化すると、図3の一点鎖線のようになる。
しかし、上記文献式3は平均を示し、実際にはそれより低い電圧で火花が起きる場合もあり得る。そこで、発明者らは、火花電圧Vxoを実験によって改めて式化することにした。すなわち、図2に示すように、電極31に相当する電圧印加側の電極板31Xの下面に比誘電率が同一(比誘電率=4.4)で厚さの異なるガラス49をかわるがわる取り付け、ガラス49とその下方の導電部材相当の接地金属板51Xの間隙40bに火花放電が立つときのピーク間電圧Vppを調べた。間隙40bの厚さは、d=0.5mmとした。ここで、ガラス49は、プラズマ処理装置Mの固体誘電体33および絶縁部材40に相当する。したがって、その厚さはt+tに相当する。また、ε=ε=4.4である。
その結果、上記式3の文献値に対するばらつきがマイナス方向に最も大きかったのは、厚さ(t+t)が2.9mmのときのVpp=11.4kVであった。この結果を式1の右辺に代入することによって、下記の通り、間隙40bの厚さdに対する火花電圧Vxoの式を得た。
Vxo=8.65d/(1.52d+1) (式5)
この式5は、間隙40bの厚さdに対し、火花が起きるいわば最低レベルの火花電圧Vxoを表したものである。式5をグラフにすると、図3の破線のようになる。当然ながら、この破線は、文献式3の一点鎖線より下に位置している。
プラズマ処理装置Mの製造において、絶縁部材40の比誘電率εと厚さtを設定する際は、式5すなわち最低レベルの火花電圧Vxoを基準にして間隙40bの電圧Vxがそれより小さくなるか否か、すなわち式2が満たされるか否かを判定する。これによって、間隙40bでアーク等の放電が発生するのを一層確実に防止することができる。
また、図3に示すように、グラフ上において、式1で表される電圧Vxの曲線(同図の実線)が、式5の最低レベル火花電圧Vxoを示す破線より全体的(またはdの取り得る範囲において部分的)に下になるようにする。下限は、厚さdに対する電圧Vxの値が、同じ厚さdにおける火花電極Vxoの値の例えば0.8〜0.9倍になるあたりが好ましい。これによって、間隙40bの厚さdの大小に拘わらず、該間隙40bでアーク等の放電が発生するのを防止することができる。特に、間隙40bが本来形成されるべきでないのに何らかの原因で形成され、その厚さdが予測不能な場合に有効である。
なお、図3の実線は、以下の条件による。
固体誘電体33の材質:アルミナ(ε=7.5) 厚さ:t=0.5mm
絶縁部材40の材質:アルカリガラス(ε=7.0) 厚さ:t=6.2mm
ピーク間電圧:Vpp=13kV
勿論、間隙40bを積極的に形成したときのようにその厚さdが分かっている場合には、当該厚さdにおいて式2が満たされていれば足りる。図3のグラフ上で言うと、電圧Vxの線が、少なくとも当該厚さdの地点(またはその周辺)で最低レベル火花電圧Vxoの線より下に位置していればよい。
パーソナルコンピュータ等の計算機で実行されるグラフ作成機能付きの表計算ソフトウェアを用意し、これに式1や式5を登録しておき、ε,ε,t,t等を入力パラメータとして図3のようなグラフが描かれるようにしておけば、上記判定を簡単に行なうことができる。
次に、本発明に係るプラズマ処理装置の一具体態様を説明する。
図4〜図6に示すように、該具体態様に係るプラズマ処理装置M1は、ワーク送り機構4と、この送り機構4上に位置するようにして架台(図示せず)に支持されたプラズマノズルヘッド1と、このノズルヘッド1に接続された処理ガス源2と、電源3を備えている。
処理ガス源2には、処理内容に応じた処理ガスが貯えられている。例えばプラズマ洗浄用の処理ガスとしてNの純ガスまたはNと微量のOとの混合ガスが貯えられている。液相で貯え、適量ずつ気化するようになっていてもよい。
電源3は、例えばパルス状の高周波電圧を出力するようになっている。このパルスの立上がり時間及び/又は立下り時間は、10μs以下、電極31,32間での電界強度は10〜1000kV/cm、周波数は0.5kHz以上であることが望ましい。なお、電圧形状は、パルス状に代えて、正弦波状であってもよい。上記概略構成で述べたように、ピーク間電圧Vppは、数kV〜数十kVの範囲で定められる。ここでは、例えばVpp=14〔kV〕に設定されている。
図5に示すように、送り機構4は、水平に並べられた多数のローラ4aを有している。これらローラ4a上に大面積の板状ワークWが載せられ、左右へ送られる。このワークWに、上記ノズルヘッド1でプラズマ化された処理ガスが吹き付けられ、例えば洗浄などのプラズマ表面処理が行なわれる。勿論、ワークWを固定する一方、ノズルヘッド1を移動させるようになっていてもよい。
プラズマ処理装置M1のプラズマノズルヘッド1について詳述する。
ノズルヘッド1は、上側のガス整流部10と、下側の放電処理部20を備え、図5の紙面と直交する前後方向に長く延びている。
ガス整流部10は、前後細長の容器状をなす本体11を有し、この本体11にパイプユニット12が収容されている。パイプユニット12は、左右一対のパイプ13,13と、これらを挟持する上下一対のパイプホルダ14,14を有し、本体11と同方向に延びている。パイプユニット12によって本体11の内部が上下2つのチャンバー11a,11bに仕切られている。図4及び図6に示すように、ガス整流部10の長手方向の一端部に一方のパイプ13のインレットポート13aが設けられ、他端部に他方のパイプ13のインレットポート13aが設けられている。なお、各パイプ13,13のポート13a,13a側の端部とは逆側の端部は、プラグによって塞がれている。
処理ガス源2からのガス供給管2aが二手に分岐し、一方のパイプ13の前端部と、他方のパイプの後端部にそれぞれ接続されている。処理ガス源2の処理ガスが、管2aを経て2つのパイプ13,13に導入され、これらパイプ13,13内を互いに逆方向に流れる。各パイプ13,13の上側部および上側のパイプホルダ14には、孔11eが前後長手方向に延在されている。孔11eは、スポット状をなして前後に短間隔置きに多数設けられていてもよく、スリット状をなして前後に延びていてもよい。パイプ13,13内の処理ガスは、この孔11eを通って上側チャンバー11aへ漏れ出る。その後、パイプユニット12の両脇のスリット状の隙間11cを通って下側チャンバー11bへ流れ込む。これによって、処理ガスを長手方向に均一化することができる。
プラズマノズルヘッド1の放電処理部20について説明する。
図5及び図6に示すように、放電処理部20は、左右一対の電極31,32からなる電極構造30と、この電極構造30を保持するホルダ21とを有している。
各電極31,32は、例えばステンレス等の導電性材料によって出来、断面四角形状をなして図5の紙面と直交する前後方向へ直線状に延びている。各電極31,32の角は、アーク防止のためにRになっている。これら電極31,32間に、プラズマ発生空間30aが前後方向へスリット状に延びるようにして形成されている。プラズマ発生空間30aの厚さ(電極31,32間の間隔)は、例えば2mmである。各電極30の対向面と上面と下面には、サンドブラストが施されたうえで、例えば比誘電率ε=7.5のアルミナからなる固体誘電体33が溶射にて被膜されている。固体誘電体33の厚さtは、例えばt=1mmである。
なお、図5において、符号3aは、電源3から電圧印加電極31への給電線であり、符号3bは、接地電極32からの接地線である。また、符号30cは、電極温調用の冷媒路である(図6において省略)。
電極30,30のためのホルダ21は、アッパープレート22と、左右一対のサイドプレート23と、左右一対のアングル部材(アングルホルダ)24と、ロア部50(図4において省略)を備えている。各アングル部材24は、絶縁樹脂からなり、断面逆L字状をなして図5の紙面と直交する前後方向へ延びている。アングル部材24は、各電極30の上面と背面に宛がわれている。2つのアングル部材24,24の上側部どうし間に間隙24aが形成されている。間隙24aは、電極31,32間のプラズマ発生空間30aの上流に連なっている。
2つのアングル部材24,24の上面に剛性鋼材からなるアッパープレート22が被せられている。アッパープレート22の左右中央部には、前後に延びるスリット22aが形成されている。スリット22aは、ガス整流部10の下側チャンバー11bの下流に連なるとともに、間隙24aの上流に連なっている。これによって、ガス整流部10からの処理ガスが、スリット22aおよび間隙24aを経て、電極間空間30aに導入されるようになっている。
各アングル部材24の背面(外側面)には、剛性鋼材からなるサイドプレート23が、それぞれ宛がわれている。各サイドプレート23の上端部は、アッパープレート22にボルト締めにて連結され、剛結合されている。アッパープレート22と左右のサイドプレート23により門型のフレームが構成されている。
各サイドプレート23には、押しボルト25(電極接近手段)と引きボルト26(電極離間手段)が、それぞれ長手方向に離間して複数設けられている。押しボルト25は、サイドプレート23にねじ込まれるとともに、先端がアングル部材24の背面に突き当てられ、ひいてはアングル部材24を介して電極30を他方の電極に接近する方向に押している。引きボルト26は、樹脂製のボルトカラー(ボルトホルダ)27に収容された状態で電極30にねじ込まれ、電極30を他方の電極から遠ざかる方向に引いている。これらボルト25,26のねじ込み量を調節することによって、長尺電極30,30の歪みを矯正でき、電極間空間30aの厚さを全長にわたって一定にすることができる。また、電極31,32が、クーロン力や、該電極31,32の金属本体と表面の誘電体層33との熱膨張率の違いや電極内部の温度差による熱応力等熱応力等によって歪むのを阻止することができる。この結果、処理ガスを確実に均一に吹出すことができ、ひいてはワークWを確実に均一にプラズマ処理することができる。
ホルダ21の底部を構成するロア部50は、板状の絶縁部材40と、金属板からなる導電部材51を備え、図5の紙面と直交する前後方向に水平に延びている。ロア部50は、左右のサイドプレート23,23とアングル部材24,24と電極構造30の下面に跨り、自身より上側のノズルヘッド1の構成要素を支持している。ロア部50の左右両端部は、サイドプレート23,23より突出されている。この左右突出部が、図示しない支持手段によって支持されている。
絶縁部材40の材質には、例えば比誘電率ε=4.4のガラスが用いられている。
絶縁部材40の上面には、凸条40cが図5の紙面と直交する前後長手方向に延びるようにして形成されている。この凸条40cが、アングルホルダ24の下端面に形成された凹溝24bに嵌め込まれている。
絶縁部材40の左右幅方向の中央部に導出路40a(吹出し路)が形成されている。導出路40aは、スリット状をなして図3の紙面と直交する前後方向に細長く延び、プラズマ化空間30aの下流に連なっている。絶縁部材40において導出路40aの左右両側の内端面すなわち導出路形成面は、電極31,32の対向面すなわちプラズマ化空間形成面よりそれぞれ左右外側に僅かに引込んでいる。これによって、導出路40aは、プラズマ化空間30aより幅広すなわち流路断面積が大きくなっている。
導電部材51は、絶縁部材40の下面を全体的に覆っている。導電部材51は、例えばステンレスの板にて構成されている。導電部材51の左右幅方向の中央部には、吹出し口50aが形成されている。吹出し口50aは、スリット状をなして図5の紙面と直交する前後長手方向に細長く延び、導出路40aの下流に連なっている。ひいては、導出路40aを介して電極構造30のプラズマ化空間30aに連なっている。導電部材51の吹出し口50a縁面は、絶縁部材40の導出路40a形成面より外側に僅かに引込んでいる。これによって、吹出し口50aは、導出路40aより幅広すなわち流路断面積が大きくなっている。
なお、絶縁部材40を、一体モノに代えて左右一対の板部材によって構成し、これら板部材どうしの間に導出路40aを形成してもよい。同様に、導電部材51を、一体モノに代えて左右一対の板部材によって構成し、これら板部材どうしの間に吹出し口50aを形成してもよい。
導電部材51の下方に、ワークWが配置されるようになっている。これによって、ワークWへのアークを防止しつつ、ノズルヘッド10をワークWに近づけることができ、常圧下においてもプラズマをワークWに確実に到達させることができる。
導電部材51の左右両側部の上面には、ナット55が溶接にて固定されている。一方、絶縁部材40の下面には、ナット55を嵌め込む凹部40dが形成されている。また、絶縁部材40には、上面から凹部40dに達するボルト挿通孔40eが形成されている。そして、金属製のボルト56が、挿通孔40eを通してナット55に螺合されている。これによって、絶縁部材40に導電部材51が固定されている。ボルト56の頭部に、接地リード線5の端子5aが係合されている。このリード線5が、接地されている。これによって、導電部材51が、ボルト56およびナット55を介して電気的に接地されている。
絶縁部材40における電極31,32の下側部分40xの下面には、凹部40fが形成されている。これによって、絶縁部材40と導電部材51の間に間隙40bが積極的に形成されている。凹部40fひいては間隙40bは、導出路40aと吹出し口50aに連なっている。間隙40bの厚さdは、例えば、d=1mmである。
常圧プラズマ処理装置M1において、絶縁部材40(ε=4.4)の電極下側部分40x(間隙40bを除く)の厚さtは、式2を満たすように設定されている。例えばt=5mmである。これによって、間隙40bでのアークを防止することができ、処理品質を確保できる。
次に、本発明の他の態様を説明する。
図7に示すように、電極31,32と導電部材51との間には、絶縁部材40が無くてもよい。すなわち、電極31,32と導電部材51は、所定の距離dだけ離れ、両者の間に間隙40bが形成されている。詳細には、電界印加電極31の下面に、厚さ:t、比誘電率:εの固体誘電体33が被膜されており、この固体誘電体33の下面と導電部材51の上面とによって間隙40bが画成されている。間隙40b内は、空気で満たされている。空気は、良好な絶縁耐力を有する絶縁体となる。これにより、間隙すなわち気体層(空気層)40bは、電極31と導電部材51を絶縁する絶縁手段を構成している。なお、図7において、固体誘電体33は、電界印加電極31の対向面と下面にのみ被膜され、接地電極32には被膜されていないが、図1と同様に、両電極31,32に被膜することにしてもよい。
気体層40bの厚さdは、当該気体層40bが絶縁破壊を起さないように設定されている。すなわち、電極31の下側の固体誘電体33と導電部材51の間にかかる電圧Vxが、火花電圧Vxoより小さくなるように設定されている。具体的には、次式が満たされるように設定されている。
Vxo>Vx=εppd/2(t+εd) (式6)
式6は、上記式2において、ε=1、t=0と置いたものである。基準となる火花電圧Vxoは、式3の文献値(図3の一点鎖線)よりも、式5の最小レベル実験値(同図の破線)を用いるのが望ましい。これによって、気体層40bでアークが発生するのを防止できる。また、図3の実線と同様に、Vxがdの値に拘わらずVxoを下回るようにすることにより、気体層40bの厚さdが何らかの原因で変動したとしても、アーク発生を確実に防止することができる。なお、dが本来の値を含む一定の範囲内において、Vxo>Vxが満たされていれば十分である。
図8に示すように、電極31,32と導電部材51との間に絶縁部材40が無いだけでなく、電界印加電極31に固体誘電体33が設けられていなくてもよい。これによって、電極31の金属本体と導電部材51とによって、気体層40bが画成されている。なお、この場合、接地電極32の少なくとも他方の電極31との対向面には、固体誘電体33を設ける必要がある。
図8態様において、気体層40bの厚さdは、電極31と導電部材51の間にかかる電圧Vx(=Vpp)が、火花電圧Vxoより小さくなるように設定されている。火花電圧Vxoとしては、既述態様と同様に、式3の文献値(図3の一点鎖線)よりも、式5の最小レベル実験値(同図の破線)を用いるのが望ましい。
すなわち、最小レベル実験値の式5より、
Vpp≦8.65d/(1.52d+1) (式7)
が満たされるように、使用電圧Vppに対し気体層40bの厚さdを設定する。これによって、気体層40bでアークが発生するのを防止できる。
なお、図8態様の装置について、気体層40bの厚さdを1mmとし、供給電圧Vppを増減させ、アークが少しでも確認される範囲を測定したところ、Vpp≧3kVであった。これによって、式7が、十分に安全域であることが確認された。
図9は、絶縁部材40の導出路形成部の形状についての変形態様を示したものである。該態様では、絶縁部材40の上面(電極構造30を向く面)と導出路40a形成面とのなす角が、R面取りされ、第1面取り部40rが形成されている。また、絶縁部材40の導出路40a形成面と下面(導電部材30を向く面)とのなす角が、R面取りされ、第2面取り部40sが形成されている。
第1面取り部40rによって、絶縁部材40の上面と導出路形成面とのなす角がプラズマによって欠けるのを防止でき、パーティクルが発生するのを防止できる。ひいては、処理品質を向上させることができ、歩留まりを高めることができる。
第1面取り部40rは、第2面取り部40sより大きい。すなわち、第1面取り部40rの曲率半径Rが、第2面取り部40sのものより大きい。これによって、絶縁部材40の上面と導出路形成面とのなす角の欠損、ひいてはパーティクルの発生をより確実に防止できる。
なお、第1、第2面取り部を、R面取りに代えて、角面取りにて形成することにしてもよい。
更に、図9態様では、導電部材51の吹出し口50a縁面が、絶縁部材40を向く上面とワークWを向くべき下面にそれぞれ向かって半円状の丸みを付けられている。換言すると、導電部材51の上面と吹出し口50a縁面とのなす角がR面取りされるとともに、吹出し口50a縁面と下面のなす角がR面取りされている。これによって、電極31と導電部材51の間、または絶縁板41と導電部材51の間でアークが飛ぶのを一層確実に防止することができる。なお、導電部材51の上面と吹出し口50a縁面とのなす角だけを面取りし、吹出し口50a縁面と下面のなす角は面取りしないことにしてもよい。R面取りに代えて、角面取りにしてもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その精神に反しない限りにおいて種々の形態を採用可能である。
例えば、導電部材としての導電部材51は、少なくとも電圧印加電極31に対して設けられていればよく、接地電極32に対しては設けられていなくてもよい。
絶縁部材40は、少なくとも電圧印加電極31と導電部材51の間に設けられていればよく、接地電極32と導電部材51の間には設けられていなくてもよい。
最低レベルの火花電圧Vxo(式5)に代えて、平均の火花電圧Vx(文献式3)を基準にして、絶縁部材40の比誘電率εと厚さtを定めることにしてもよい。
電極31,32の対向面や下面に設けられる固体誘電体33は、溶射膜に代えて、電極31,32の金属本体とは別体の誘電体の薄板にて構成してもよい。
本発明は、常圧下だけでなく、減圧下でのプラズマ処理にも適用でき、グロー放電だけでなく、コロナ放電等の他の放電を利用したプラズマ処理にも適用できる。また、洗浄、エッチング、成膜、表面改質、アッシング等の種々のプラズマ処理に遍く適用できる。
本発明は、例えば、半導体製造工程における基材の洗浄、エッチング、成膜等の表面処理に利用可能である。
本発明に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す正面断面図である。 最低レベルの火花電圧式を求めるための実験装置の概略図である。 絶縁部材と金属板(導電部材)の間の間隙の厚さに対する電圧を示すグラフである。 本発明の一具体態様に係る常圧プラズマ処理装置のノズルヘッドの斜視図である。 上記ノズルヘッドの正面断面図である。 図5のVI−VI線に沿う上記ノズルヘッドの側面断面図である。 本発明の変形態様を示す断面図である。 本発明の変形態様を示す断面図である。 本発明の変形態様を示す断面図である。
符号の説明
M,M1 常圧プラズマ処理装置
W ワーク
30a プラズマ化空間
31 電圧印加電極
32 接地電極
33 固体誘電体
40a 導出路
40b 間隙、気体層
40 絶縁部材
40r,40s 面取り部
51 導電部材
50a 吹出し口

Claims (12)

  1. 処理ガスを、電極にて形成したプラズマ化空間に通しプラズマ化空間の外部に配置されたワークへ吹出し、ワークの表面処理を行なう装置を製造するに際し、
    電気的に接地される導電部材を前記電極のワークを向くべき側を遮るように設け、前記電極と導電部材の間に絶縁体からなる絶縁部材を介在させることにし、
    前記絶縁部材と導電部材の間の離間距離すなわちこれら部材間の間隙の厚さの変動が想定される範囲内において前記絶縁部材と導電部材の間にかかる電圧が火花電圧より小さくなるように、前記絶縁部材の誘電率と厚さを設定することを特徴とするプラズマ処理装置の製造方法
  2. 処理ガスを、電極にて形成したプラズマ化空間に通しプラズマ化空間の外部に配置されたワークへ吹出し、ワークの表面処理を行なう装置を製造するに際し、
    電気的に接地される導電部材を前記電極のワークを向くべき側を遮るように設け、前記電極と導電部材の間には絶縁体からなる絶縁部材を介在させることにし、
    前記絶縁部材と導電部材の間の火花電圧の測定実験を行ない、平均より低いレベルで火花が起きた測定データに基づいて、前記絶縁部材と導電部材の間の離間距離すなわちこれら部材間の間隙の厚さに対する火花電圧の関係を求める一方、
    前記間隙の厚さの変動が想定される範囲内において前記絶縁部材と導電部材の間にかかる電圧が、前記測定データに基づく火花電圧より小さくなるように、前記絶縁部材の誘電率と厚さを設定することを特徴とするプラズマ処理装置の製造方法
  3. 前記電極のプラズマ化空間形成面とワークを向くべき側の面に固体誘電体設け、ワーク側の固体誘電体に前記絶縁部材重ねることにし、
    前記絶縁部材の誘電率と厚さの設定に際し、前記ワーク側の固体誘電体の誘電率と厚さを考慮することを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処理装置の製造方法
  4. 処理ガスを、電極にて形成したプラズマ化空間に通しプラズマ化空間の外部に配置されたワークへ吹出し、ワークの表面処理を行なう装置を製造するに際し、
    電気的に接地される導電部材を前記電極のワークを向くべき側を遮るようにして設け、前記電極と導電部材の間に絶縁体として気体層形成し、
    この気体層の厚さの変動が想定される範囲内において前記電極と導電部材の間にかかる電圧が火花電圧より小さくなるように、前記気体層の厚さを設定ることを特徴とするプラズマ処理装置の製造方法。
  5. 処理ガスを、電極にて形成したプラズマ化空間に通しプラズマ化空間の外部に配置されたワークへ吹出し、ワークの表面処理を行なう装置を製造するに際し、
    前記電極のプラズマ化空間形成面とワークを向くべき側の面に固体誘電体設けるとともに
    電気的に接地される導電部材を前記電極のワークを向くべき側を遮るように設け、前記電極のワーク側の固体誘電体と前記導電部材の間には絶縁体として気体層を形成し、
    前記気体層の厚さの変動が想定される範囲内において前記ワーク側の固体誘電体と導電部材の間にかかる電圧が火花電圧より小さくなるように、前記気体層の厚さを設定ることを特徴とするプラズマ処理装置の製造方法。
  6. 前記火花電圧の測定実験を行ない、平均より低いレベルで火花が起きた測定データに基づいて、前記気体層の厚さに対する火花電圧の関係を求める一方、
    前記気体層の厚さの変動が想定される範囲内において前記気体層にかかる電圧が前記測定データに基づく火花電圧より小さくなるように、前記気体層の厚さを設定することを特徴とする請求項4又は5に記載のプラズマ処理装置の製造方法。
  7. 請求項1〜3の何れかに記載の製造方法によるプラズマ処理装置であって、
    前記絶縁部材と前記導電部材との間の間隙の厚さが、ゼロであることを特徴とするプラズマ処理装置。
  8. 請求項1〜3の何れかに記載の製造方法によるプラズマ処理装置であって、
    前記絶縁部材と前記導電部材との間に間隙が形成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  9. 請求項1〜6の何れかに記載の製造方法によるプラズマ処理装置であって、
    前記導電部材が、前記絶縁体を向く面と、前記プラズマ化空間に連なる吹出し口を形成する縁面と、ワークを向くべき面とを有し、前記絶縁体を向く面と吹出し口縁面とのなす角と、吹出し口縁面とワークを向くべき面とのなす角のうち、少なくとも前者が、面取りされていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  10. 請求項1〜6の何れかに記載の製造方法によるプラズマ処理装置であって、
    前記導電部材が、前記絶縁体を向く面と、前記プラズマ化空間に連なる吹出し口を形成する縁面と、ワークを向くべき面とを有し、前記吹出し口縁面が、絶縁体を向く面とワークを向くべき面にそれぞれ向かって丸みを付けられていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  11. 請求項1〜3の何れかに記載の製造方法によるプラズマ処理装置であって、
    前記絶縁部材が、前記電極を向く面と、前記プラズマ化空間に連なる処理ガス導出路を形成する面と、前記導電部材を向く面とを有し、前記電極を向く面と導出路形成面とのなす角と、導出路形成面と導電部材を向く面とのなす角のうち、少なくとも前者が、面取りされていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  12. 請求項1〜3の何れかに記載の製造方法によるプラズマ処理装置であって、
    前記絶縁部材が、前記電極を向く面と、前記プラズマ化空間に連なる処理ガス導出路を形成する面と、前記導電部材を向く面とを有し、前記電極を向く面と導出路形成面とのなす角と、導出路形成面と導電部材を向く面とのなす角が、それぞれ面取りされ、しかも、前者が、後者より大きく面取りされていることを特徴とするプラズマ処理装置。
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