JP3852803B2 - 管状材の端面円周角部の面取り加工装置および加工方法 - Google Patents

管状材の端面円周角部の面取り加工装置および加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、被加工材、例えば、硬質非金属材料、非鉄金属、鋼等の長尺管、短尺管、管状部品、リング状等の管状材の端面円周角部をもつ製品の面取り加工装置、すなわち、金属管の切断面に形成されたいわゆるバリの除去や溶接のための開先形成に適する面取り加工装置および該装置を用いた面取り加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製管工程において生産された長尺管は通常仕上げ工程で鋸やディスクカッター等で一定の寸法に切断されるので、切断面の内側角部および外側角部にバリと言われるかえりが形成される。このため、バリを除去して管の端面を平滑に仕上げる加工が従来から行われている。また、バリの除去目的以外にも管の端面に平滑なテーパーを形成する加工や被加工材の端面同士を溶接するために開先を形成したりする加工が行われている。
【0003】
これらの加工目的のために、切削工具による切削、砥石を用いた研削、ワイヤブラシやベルトサンダーを用いた研磨等の面取り加工機が使用されている。例えば、切削工具としては、ドリルやバイト、管の内側のかえりを除去するバーリングリーマ等が用いられ、ブラシ(特開昭50−128895号公報、米国特許第4,133,070号明細書)、ワイヤ−バフ(実開平5−93751号公報)、回転砥石(米国特許第4,934,109号明細書、実用新案登録2551035号公報、特開平10−544号公報)、回転切削刃(特開平5−23958号公報)を用いる装置等が公知である。小径管および中径管用面取り加工機は、通常、刃物回転式のバイト面取りにより仕上げが行われている。しかし、バイト方式による面取りは、作業能率が悪く、この方式に代わるものとして、特開昭50−103790号公報には、転送スキッド側沿部に回転ブラシを並べて、管を押圧転送せしめながらブラシで管端面を研磨する装置が開示されている。
【0004】
特公昭60−59082号公報は、ジルコニウム合金、ステンレス鋼等の被加工材の端面円周部の軸芯回りに回転する切削工具を用い、該切削工具は管端面の外周エッジをテーパー切削するバイトと、ドリルを組み合わせたものとし、ドリルを管端面の内周エッジを切削する刃部および管端面を管軸に対して直角に切削する刃部を有する特殊な構造とした装置を開示している。特開平6−55314号公報は、被加工材の端面円周部等の面取りバイトの把持装置に関するものであり、被加工材の端面円周部の外周の面取り用の第1バイトおよび内周の面取り用の第2、第3バイトを着脱自在に取り付けたものを開示している。
【0005】
研磨材を使用するものとしては、特開平8−112747号公報には、中口径管の端面円周部の内外面の研磨および開先加工を自動的に行うことのできるベルトサンダを用いた研磨装置が開示されている。米国特許第4,934,109号明細書は、ガスパイプラインの工事現場等で不正確に切断された管端面に溶接用の開先を形成する場合に適する可搬装置として、被加工材の円周の内面に配置した支持体から被加工材の中心軸に沿って管端面の外側に伸びる支持シャフトを設け、このシャフトと直交する方向に伸びる支持体に回転砥石車を設け、この支持体を人手によりネジ棒を回して回転砥石車を被加工材の端面に押し当てる装置が記載されている。この装置は、被加工材の中心軸方向に対して垂直方向に切断された面、あるいはやや傾斜して切断された円周面に沿って回転砥石車を公転させ、回転砥石の回転している平面部で管端面を研削するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
管状材の円周端面角部の面取り加工装置において、切削工具で面取り加工する場合、完全な面取りを行うには、端面角部の外周エッジのテーパー切削、内周エッジのテーパー切削および管の中心軸線に対して直角方向の切断面の研削が必要であり、切削加工面は3箇所となる。このため、各加工面ごとに専用の切削工具を採用すればよいことになり、小径被加工材の端面角部の内面側のかえりの除去はバーリングリーマー等を用いて実施できるが、他の工具を含めて、各工具の操作制御装置の構造の複雑化は避けられず、しかも、工具相互間の調整狂いが起こりやすく、高精度で、円滑・迅速、低コストの面取り加工は、特に小径被加工材に対しては困難であった。
【0007】
特公昭60−59082号公報記載の発明は、切削工具を二つに減らして、上記の3箇所の切削を行うようにしているが、ドリルの径と被加工材の円周の径はほぼ等しいものに限られ、特殊な構造のドリルとバイトを用いており、相対する被加工材の円周部との厳密な位置決めが必要となる等の制約がある。また、米国特許第4,934,109号明細書記載の発明は、管状材の内側に可搬式の研磨工具の支持体を配置するため、ある程度以上の中径管および大径管にしか使用できず、小径管の場合、その内側に支持体を配置することは困難となり、管の端面円周角部の内側角部の面取り加工も困難であり、また、回転砥石車を切断面に押し当てて位置決めする機構等も必要である。
【0008】
特に最近は、例えば半導体製造装置等に使用される細径ステンレス鋼管は、その表面並びに管端面を超高清浄に仕上げる必要があり、小径の金属管の端面のバリを迅速、高精度に除去して平滑にするために適する面取り加工装置、特に、切断面が真円状でなかったり、バリ形状のムラがあっても切削抵抗を緩衝して、高精度の面取り加工ができる装置の開発が求められている。
本発明は、これらの課題を解決し、中径管状材から小径管状材の面取り加工を一個の切削工具のみを用いて、迅速に精度よく低コストで可能とした装置および方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、管状材のみならず、端面円周角部を有する製品の角部の面取り加工にも適する装置および方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、迅速な面取り加工を可能とし、切削抵抗の緩衝に効果を発揮する装置であり、管状材の端面円周角部を切削工具により面取り加工する装置において、該面取り加工装置は、管状材に対向してレール上に載置され、切削工具が管状材の端面円周角部と接触した状態で切削工具を管状材の端面円周角部に沿って公転させる回転機構を構成する円筒状ロータ、該円筒状ロータ内に固定され、切削工具を自転させる回転駆動源、該回転駆動源と一体になったホルダーの中心部にその軸が通り、該回転駆動源に連接した切削工具、とからなり、該面取り加工装置は、管状材の中心軸線と該円筒状ロータの回転中心軸線を一直線に一致させた状態で、該切削工具を管状材の端面円周角部に向けて前進するように移動させることができ、該切削工具は、自転のための回転駆動源に接続された回転軸とその先端部に設けられた切削面とからなり、管状材の端面円周角部に対して前進後退自在であり、かつ、前進したときに切削面が端面円周角部に傾斜して接触するようにホルダーに保持され、該ホルダーは、切削面を管状材の端面円周角部に接触可能とする傾動機構を有してなることを特徴とする管状材の端面円周角部の面取り加工装置を提供する。
【0010】
傾動機構としては、公知の手段が採用可能であるが、本発明の装置においては、特に、管状材の中心軸線と平行で、管状材の肉厚の中心を通る線の延長上に固定支持部の支点が位置決め調整され、固定支持部と可動支持部によりホルダーを支持し、固定支持部を支点とし、可動支持部がバネを介して弾力的にホルダーに接続されて上下動するものが好適である。傾動機構は、バネを介して弾力的にホルダーに接続されてなるようにすると、高速の高精度の傾動操作が可能であり、バネにより切削工具と被加工面との接触が弾力的に行われ、切削工具の追随性がよく望ましい。
また、最も効率よく面取りを行うには、回転軸の先端部に設けられた切削工具は、槍の穂先状の略円錐状であり、円錐面を切削面とすることが望ましい。切削工具の素材は、超硬工具や高速度工具鋼等の通常の切削工具材や、砥石材を使用できる。
【0011】
本発明の上記面取り加工装置を用いて管状材の端面円周角部を面取り加工するには、管状材の中心軸線と平行で、管状材の肉厚の中心を通る線の延長上に固定支持部の支点を位置決め調整し、管状材の端面円周角部に切削面を接触させて切削工具の回転軸を自転させると共に該回転軸を回転機構により公転させて、管状材の端面円周角部の内側のみ、外側のみ、または内側、外側の両方を面取り加工するとよい。
この方法では、一つの切削工具のみで内側、外側の両方を面取り加工することができる。内側、外側はどちらを先に加工してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明を細径金属管の面取り加工に適用した実施の形態を詳述する。図1は、本発明の面取り加工装置を示す一部切欠き側面図である。図2のAは、図1のX−X線断面図、Bは、同じくY−Y線断面図である。図3は、本発明の装置で使用するのに適する切削工具の形状を示す側面図である。図4は、本発明の装置を用いて管状材の端面円周角部の内側を面取り加工する方法を示す側面図である。図5は、同じく外側を面取り加工する方法を示す側面図である。
【0013】
図1に示すように、加工位置に搬送された被加工材1の外周をチャッキング装置2により締着し、位置決め固定する。面取り加工装置は、被加工材1に対向して設置されている。切削工具3は、回転駆動源5と一体になったホルダー4の中心部にその軸3bが通り、回転駆動源5に連接したもの等、例えば、市販されている超硬ロータリーカッターなど毎分数万回の高速回転可能な工具が適する。回転駆動源5、例えば空気圧モータは、ロータリージョイント6、ワンタッチソケット7によりエア供給系P−1に接続している。空気圧モータにエアを供給することにより切削工具3を回転することができ、切削工具3は、その軸3bを回転軸として自転することになる。
【0014】
切削工具3の空気圧モータ等の回転駆動源5は、円筒状ロータ8内に収容し、ネジ等(図示せず)により固定する。回転機構を構成する円筒状ロータ8の回転中心軸線は、被加工材1の中心軸線と一致するように、被加工材1と円筒状ロータ8を配置する。円筒状ロータ8は、回転駆動源9、例えば電動モータにより回転伝動ベルト10を介して回転させる。管状材1の中心軸線とローター8の回転中心軸線を一直線に一致させた状態で、切削工具3を被加工材1の端面円周角部に向けて前進するように、レール11上に載置した面取り加工装置をシリンダー12を作動させて移動させる。
【0015】
ホルダー4は、可動支持部Aと固定支持部Bの2点で支持する。図2に示すように、固定支持部Bは、ホルダ−4の後端側に位置し、ホルダー4にその支持部材15をネジ16、16で止め、ホルダー4の両側面部にブラケット17、17を設け、ブラケット17、17と支持部材15とに支持ピン18、18を遊嵌して該支持ピン18、18でホルダ−4を支持する。支持ピン18、18はホルダー4の傾動の支点となる。この支持方式は、固定支持部Bを支点にして、以下に示すような切削工具の傾動が可能となる方式であればよく、特にピンによる支持に限定されない。
管状材1の径の大きさに応じて、ブラケット17、17を上下動させることにより、管状材1の中心軸の延長線から支点までの距離を調整できるようにし、管状材1の径が大きいときはそれに応じて中心軸線と支点間の距離を大きくする。
【0016】
一方、可動支持部Aは、ホルダ−4の先端側に位置し、ホルダー4にその支持部材19をネジ20、20で止め、ホルダー4の下部にヨーク21を設け、そのヨーク21上にホルダー4を挟んで垂直に2本の支持ピン22、22を平行に立設し、支持部材19の左右両端に上下の位置を違えて設けた挿入孔23、23に支持ピン22、22を挿入遊嵌する。支持ピン22、22には弦巻バネ24、24を嵌め、該バネ24、24を介して、ナット25、25を締めつけることにより、ヨーク21に対して支持部材19が固定される。ナット25、25の回転締め付けによりバネ力の強弱を調整可能とする。ヨーク21は、エアシリンダー14により上下動させる。ヨーク21を上昇させるときは図示の左側のナット25とバネ24に加わる力でホルダー4が上昇し、ヨーク21を下降させるときは図示の右側のナット25とバネ24に加わる力でホルダー4が下降する。
【0017】
切削工具3は、位置決め固定された被加工材1の中心軸線に切削工具3が接近または遠ざかるように、固定支持部Bの支持ピン18、18を支点として、可動支持部Aにより、傾動可能(図において上下方向)となっている。管状材1の中心軸線と平行で、管状材1の肉厚の中心を通る線の延長上に固定支持部Bの支点を位置決め調整し、管状材1の端面円周角部に切削工具の切削面3aを接触させて切削工具3の回転軸を自転させる。切削工具3の回転軸は、切削加工中は管状材1の中心軸線に対してやや傾いている。
【0018】
バネ24、24は、切削工具3が管状材1の端面円周角部を切削する際に切削工具3を弾力的に支持しているので、管状材1の真円度が悪い場合、あるいはバリ高さが不均一の場合等に切削抵抗を緩衝し、切削工具3の回転用のモータ及びロータ8の回転用のモーターの負荷を軽減する。ロータ8の外側にロータリージョイント15を介してエア供給系P−2、P−3に接続しているスピードコントローラ13を設け、シリンダ14の作動を制御し、切削工具3の傾動度合い、傾動時間等を調整し、かつ被切削面に押しつける力をコントロールするとともにバネ24、24の作用に加えて切削工具3を弾力的に支持して切削抵抗を緩衝する

【0019】
切削工具3は、図3のA〜Eに示すように、マスターバー、超鋼バー、ロータリーバー等と称される切削面3aと軸部3bとからなる切削工具や研削砥石を用いる。切削面の形状は、通常のリーマーや棒状の砥石等の円筒状の切削面を有する各種の形状の工具を使用できるが、特に小径管の面取り加工には、従来から使用されているバーリングリーマーと同形状の円錐状の形状からなるものが好適であり、表面に適宜の形状の切削刃を有しているものが好ましい。また、円錐面を窪んだ曲面とすれば、端面円周角部に丸みを持たせたテーパー面を形成することもできる。
【0020】
切削工具の形状は、管状材の端面円周角部の面取り形状に応じて選択する。例えば、図3のD、Eのように、切削面が回転軸に平行な工具を使用すると、削り面が広く、削り深さの少ない面取りとなり、特に薄肉管の芋継溶接時の面取りに効果がある。また、図3のA〜Cのように、円錐形状を使用すると、大きいバリの除去、厚肉の芋継溶接の溶接開先の形成に好適である。
【0021】
中心軸線に対する円錐面の傾斜角度は、被加工材1の径、肉厚、切削工具3の先端と固定支持部の支点間の距離、バリの形成状況等に応じて適宜定める。傾斜角度が小さいほど、また切削工具3の先端と支点間の距離が大きいほど、端面円周角部に形成されるテーパーの角度は小さくなる。例えば、径20mmで管壁の肉厚3mmで、切削工具の先端と支点間の距離を125mmとした場合、円錐の底面直径16mm、円錐の高さ25mm、円錐面の傾斜角度35度程度が好ましい。面取りによる切削量は、切削工具3の切削面3aと被加工材1の端面円周角部との接触面積により定まるが、所定の切削量とするため、切削工具3の傾動角度、管状材1の端面への切削面3aの送り込み量、バネ24の伸縮量、切削工具3の自転速度、公転速度、切削時間等を制御する。切削工具3の自転速度、公転速度は、空気圧モータに供給するエアー量、ユニットモータの回転速度で調整できる。
【0022】
被加工材は、長尺材に限らず、管状の開口部をもつ種々の部品にも適用できる。本発明の装置は、被加工材が丸棒材の場合はその端面の外側の面取り加工に使用することができる。切削工具の回転駆動源としては、空気圧モータに代えて電動モータ等を当然使用できる。
【0023】
次に、本発明装置の具体的な使用方法を被加工材1として、管状材を対象とした例について説明する。管状材1の端面円周角部の内径、外径、肉厚に応じて、面取り加工装置のローター8および切削工具3等の位置を調整する。この調整により、ローター8の回転中心軸線が位置決め固定した被加工材1の中心軸線と一致するようにする。
【0024】
被加工材1を搬送ロール等の搬送テーブル(図示せず)により1本ずつ面取り加工装置の設置箇所に供給し、ストッパー(図示せず)等により所定の位置に停止させて、供給した被加工材1の中心軸線をローター8の中心軸線と一致するように調整する。そして、光センサー(図示せず)等のセンサーにより所定の位置に停止したことを確認の上、チャッキング装置2により締着する。ついで、空気圧モータ5にエアー供給系P−1からエアーを供給してホルダー4に把持した切削工具3の軸3bを回転させる。このとき、切削工具3の中心軸線は、略水平状態で被加工材1の肉厚の略中心となる高さにセットされている。
【0025】
ついで、エアシリンダー14を作動させて固定支持部Bのブラケット17に遊嵌したピン18を支点にして、切削工具3の先端部を上向きに傾動させた状態で前進させて被加工材1の端面に切削工具3の先端を接近させて停止させる。次に図4−Aに示すように、エアシリンダー14を作動させて(1)、切削工具3を下向きに傾動させ、切削工具3を被加工材1の端面内側より中心軸に寄って位置させる。次に切削工具3をその切削面3aが被加工材1の端面内側に位置するまで前進させ停止する(2)。さらにエアシリンダー14を作動させて(3)、切削工具3を上向きに押し上げ、図4−Bに示すように切削工具3の切削面3aを管状材1の端面内側に接触させる。これにより、切削工具3の切削面3aは、被加工材1の端面の内側角部に接触し、切削が開始される。
【0026】
この開始時に、切削工具3の自転、公転が行われていた方がより良い結果をもたらす。そこで、この接触時点を例えば、予想してタイマーにセットして、ロータ8をモータ9で予め回転させる。図4−Cに示すように、ロータ8は、その水平中心軸線を回転軸として回転し、これにより、切削工具3は、被加工材1の端面円周角部に沿って公転する(4)。すなわち、切削工具3は、空気圧モータ5による自転と同時にロータ8の回転により公転することとなる。この切削工具3の自転と公転により被加工材1の端面円周角部のバリは一挙に切削除去される。なお、切削に要する時間は、公転が2〜3回行われる程度の時間で十分である。
【0027】
所定の切削時間経過後、切削工具3を自転、公転を継続したまま、エアシリンダー14を作動させて(5)、切削工具3を下向きに傾動させ、切削工具3を後退させる(6)。一旦後退させた後、切削工具3を下向きに傾動させた状態で前進させて被加工材1の端面に切削工具3の先端を接近させ停止させる。次に、図5−Aに示すように、エアシリンダー14を作動させて(7)、切削工具3を上向きに傾動させ、切削工具3を被加工材1の端面外側になる水準に位置させる。次に切削工具3をその切削面3aが被加工材1の端面外側に位置するまで前進させ(8)、さらにエアシリンダー14を作動させて切削工具3を下向きに押し下げ(9)、図5−Bに示すように切削工具3の切削面3aを管状材1の端面外側に接触させる。これにより、切削工具3の回転している切削面3aは、被加工材1の端面の外側角部に接触し、切削が開始される。
【0028】
その後、端面内側の切削と同様に、図5−Cに示すように、ローター8を、その水平中心軸線を回転軸として回転させ、切削工具3を被加工材1の端面円周角部に沿って回転させる(10)。今度は、端面円周角部の外側のバリが内側のバリの切削除去と同様に一挙に切削除去される。所定の切削時間経過後、切削工具3を自転、公転を継続したまま、シリンダー14を作動させて(11)、切削工具を上向きに傾動させ、切削工具3を後退させる(12)。以上の工程により一つの工具で管状材1の端面円周角部の内外面のバリ取りが短時間で完了する。
【0029】
本発明の装置および方法を用いれば、外径約20mm、内径約17mm程度の被加工材の端面円周角部の面取りが管状材1本当たり約6秒以内の高速度で実施できる。なお、上記具体例は、管状材の端面の内側を先にバリ取り加工する例を示したが、外側を先に加工してもよい。また、必要に応じて、外側のみ、内側のみの加工としてもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、一本の切削工具により被加工材の端面円周角部の外側および/または内側のバリ除去や開先形成等の面取り加工が可能であり、切削工具の構造が複雑でなく、装置を簡易化できるのでコスト低減効果が大きい。また、切削工具3はバネ24により付勢されているので、切削工具3は弾力的に被加工材1の角部に押し当てられているため管端面の形状の歪みがあっても、柔軟に端面の円周角部に追随する作用をもたらし、円滑な切削が可能になる。よって、従来、特に困難であった中径管ないし細径管の端面円周角部の内側および/または外側に形成されるバリを高精度で迅速に除去でき、管内面の超高清浄度を要求される半導体製造装置用のステンレス鋼管等、細径管の端面の面取りに顕著な効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面取り装置を示す一部切欠き側面図である。
【図2】図1のX−X線(A)およびY−Y線(B)断面図である。
【図3】本発明の装置で使用する切削工具3の形状を示す側面図である。
【図4】本発明の装置を用いて管状材の端面内側を面取り加工する実施例の工程を示す側面図である。
【図5】本発明の装置を用いて管状材の端面外側を面取り加工する実施例の工程を示す側面図である。
【符号の説明】
1 被加工材
2 チャッキング装置
3 切削工具
4 ホルダー
5 回転駆動源
8 ロータ
9 回転駆動源
10 回転伝動ベルト
11 レール
12 シリンダー
13 スピードコントローラー
14 エアシリンダー
15 支持部材
17 ブラケット
18 支持ピン
19 支持部材
21 ヨーク
22 支持ピン
24 バネ

Claims (4)

  1. 管状材の端面円周角部を切削工具により面取り加工する装置において、
    該面取り加工装置は、管状材に対向してレール上に載置され、切削工具が管状材の端面円周角部と接触した状態で切削工具を管状材の端面円周角部に沿って公転させる回転機構を構成する円筒状ロータ、該円筒状ロータ内に固定され、切削工具を自転させる回転駆動源、該回転駆動源と一体になったホルダーの中心部にその軸が通り、該回転駆動源に連接した切削工具、とからなり、
    該面取り加工装置は、管状材の中心軸線と該円筒状ロータの回転中心軸線を一直線に一致させた状態で、該切削工具を管状材の端面円周角部に向けて前進するように移動させることができ、
    切削工具は、自転のための回転駆動源に接続された回転軸とその先端部に設けられた切削面とからなり、管状材の端面円周角部に対して前進後退自在であり、かつ、前進したときに切削面が端面円周角部に傾斜して接触するようにホルダーに保持され、
    該ホルダーは、切削面を管状材の端面円周角部に接触可能とする傾動機構を有してなることを特徴とする管状材の端面円周角部の面取り加工装置。
  2. 該傾動機構は、管状材の中心軸線と平行で、管状材の肉厚の中心を通る線の延長上に固定支持部の支点が位置決め調整され、該固定支持部と可動支持部によりホルダーを支持し、固定支持部を支点とし、可動支持部がバネを介して弾力的にホルダーに接続されて上下動するものであることを特徴とする請求項1記載の面取り加工装置。
  3. 回転軸の先端部に設けられた切削工具は、略円錐状であり、円錐面を切削面とすることを特徴とする請求項1記載の面取り加工装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の面取り加工装置を用いて管状材の端面円周角部を面取り加工する方法において、管状材の中心軸線と平行で、管状材の肉厚の中心を通る線の延長上に固定支持部の支点を位置決め調整し、管状材の端面円周角部に切削面を接触させて切削工具の回転軸を自転させると共に該回転軸を公転させて、一つの切削工具のみで管状材の端面円周角部の内側のみ、外側のみ、または内側、外側の両方を面取り加工する方法。
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