JP3288745B2 - バリ取り装置 - Google Patents

バリ取り装置

Info

Publication number
JP3288745B2
JP3288745B2 JP09184692A JP9184692A JP3288745B2 JP 3288745 B2 JP3288745 B2 JP 3288745B2 JP 09184692 A JP09184692 A JP 09184692A JP 9184692 A JP9184692 A JP 9184692A JP 3288745 B2 JP3288745 B2 JP 3288745B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deburring
tool
main shaft
pressing
deburring tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09184692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05261619A (ja
Inventor
清勝 瀬上
一儀 滝川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Usui Co Ltd
Original Assignee
Usui Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Usui Co Ltd filed Critical Usui Co Ltd
Priority to JP09184692A priority Critical patent/JP3288745B2/ja
Publication of JPH05261619A publication Critical patent/JPH05261619A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3288745B2 publication Critical patent/JP3288745B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバリ取り装置に係るもの
であって、被加工物に貫通穴を設けたときに裏面側に生
じるバリ、特に非平面的(3次元的)周縁に生じたバリを
取るのに有効なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、被加工物に貫通穴を開口する
と、この貫通穴の裏面側にバリが生じる。このバリは、
貫通穴の裏面側が外部に露出していれば、貫通穴の裏面
側に、ドリル、リーマ、ヤスリ等のバリ取り工具を臨ま
せて容易に取り去る事が可能である。しかしながら、被
加工物の形状が複雑で、貫通穴の裏面側が外部に露出せ
ず、研磨工具を臨ませる事ができない状態であると、通
常のヤスリ等を用いたバリ取り作業が困難となる。
【0003】そのため、貫通穴の裏面側に生じたバリ
を、電動工具を用いた手作業で表面側から取る事が行わ
れている。この方法は、卓上ボール盤にチャッキングし
たバリ取り工具を回転駆動させ、このバリ取り工具に、
手で保持した被加工物の貫通穴を挿入し、必要に応じ被
加工物を僅かに傾けて切削しながら略一回転させ、貫通
穴の裏面側のバリを取り除くものである。しかしなが
ら、この方法は、被加工物を一回づつ手で保持して行う
ものであるから、多くの手間が掛かるとともにバリ取り
工具と接触した被加工物が振動し易く、バリ取り精度が
悪くなっていた。また被加工物を直接手で保持するた
め、怪我等を生じ易く、危険なものであった。
【0004】また、従来、裏面側のバリを取る方法とし
て、実開昭60−146618号公報記載の考案が存在
する。この考案は、弓形またはL字型に曲げた切削工具
を被加工物の貫通孔に挿入し、該工具を移動して、貫通
孔の裏面側に生じたバリを取るものである。しかしなが
ら、この方法は予め曲がった切削工具を貫通孔に挿入す
る必要があるため、小さな貫通孔には切削工具を挿入で
きず、バリ取りを困難としていた。またこの考案は、切
削工具を電動で回動するのではなく、手で保持して移動
を行うものであるから、切削工具を貫通孔の全周長にわ
たって強く押圧しながら少なくとも一回転する必要があ
り、作業を長時間行う事が困難となり、工作精度も不均
一なものであった。
【0005】また、電動化により裏面側のバリを取る方
法も存在する。この提案は、実開昭63−10023号
公報記載の考案の如くバリ取り工具として、細いワイヤ
ーを束ねたものや、偏心した突起を設けたものを使用し
ている。しかしながら、細いワイヤーのバリ取り工具
は、バリ取り精度が悪く、不良品が発生し易いものであ
った。また偏心した突起を設けたバリ取り工具は、被加
工物の貫通穴に正確に挿入しないと、偏心突起とバリと
が接触せず、バリ取りができない。またこの考案は、貫
通穴の穴径に合致したスリーブを使用するため、穴径の
異なる貫通穴のバリ取りを行うには、複数種のスリーブ
を必要とする。またワイヤーや偏心した突起は、回転に
よってその移動範囲の直径が大きくなるため、被加工物
の加工毎に工具の回転を停止しないと、貫通穴に工具を
挿入或は抜き取りできないものとなり、加工に手間が掛
かりコスト高となるものであった。
【0006】また、バリの発生する開口周縁が円形でな
く、例えば管体の側面に開口を設けた場合には、図8に
示すように被加工物(31)内面の開口縁(34)が、非平
面で馬のクラ型の三次元的な周縁を形成する。このクラ
型の周縁にバリが生じると、この周縁は円形を形成して
いないため、自動化したバリ取りができず、人手による
効率の悪いバリ取り作業を行うため、手間が掛かるもの
であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のごとき
課題を解決しようとするものであって、被加工物の貫通
穴に生じたバリ取り作業を、自動化した安全な装置によ
り、高精度のバリ取りを可能にするとともにこのバリ取
りを、廉価で効率的に行おうとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上述のごとき課
題を解決するため、被加工物に対して進退動可能な基台
上に、駆動モーターとユニバーサルジョイントを介して
接続する主軸を形成し、この主軸の先端にバリ取り工具
を連結して回動可能とするとともにこの主軸の外周に、
主軸を軸心と交差する方向に押圧可能な押圧手段を周方
向に一定間隔で複数個設け、この押圧手段により、ユニ
バーサルジョイントを基点として、バリ取り工具を駆動
モーターの軸心に対し傾斜可能とし、周方向の押圧手段
で順次主軸を押圧することにより、バリ取り工具を傾斜
状態で駆動モーターの軸心を中心として回転移動可能と
するとともに押圧手段による主軸の押圧部とバリ取り作
業部との間隔に、湾曲可能な弾性部を形成して成るもの
である。
【0009】また、弾性部は、主軸に形成しても良い。
【0010】また、弾性部は、バリ取り工具に形成して
も良い。
【0011】また、バリ取り工具は、切削工具により形
成しても良い。
【0012】また、バリ取り工具は、研削工具により形
成しても良い。
【0013】また、バリ取り工具は、研磨工具により形
成しても良い。
【0014】
【作用】本発明は上述の如く構成したものであるから、
被加工物の貫通穴の裏面側に生じたバリを除去するに
は、まず基台上の駆動モーターを起動し、ユニバーサル
ジョイントを介して主軸を回転駆動する。そしてこの主
軸の回転により、主軸の先端に連結したバリ取り工具が
回転駆動される。このバリ取り工具は、切削工具や研削
工具または研磨工具により形成する事が可能である。ま
たバリ取り工具の先端方向には、チャック等の固定手段
に固定した被加工物の貫通穴を臨ませて位置している。
【0015】次に、基台を被加工物の方向に移動し、被
加工物の貫通穴にバリ取り工具を挿入する。この挿入
は、全ての押圧手段のアクチュエーターを作動して、主
軸を中心方向に押圧し、バリ取り工具の先端が、貫通穴
の裏面側に突出するまで行う。またこの時点では、主軸
およびバリ取り工具は、駆動モーターと同一軸心上で回
転している。このため、バリ取り工具の挿入時に、従来
方法の如く、主軸の回転を停止させたり、被加工物を工
具で突いたり、接触して振動させる事などがなく、スム
ーズな挿入が可能となる。
【0016】また、バリ取り工具の挿入後、押圧手段を
作動して、主軸を軸心と交差する方向に押圧する。この
主軸への押圧方法は、ユニバーサルジョイントより先端
側で周方向に一定間隔で複数個設けた押圧手段を、一定
方向に順次作動する。この押圧手段の押圧力を受けた主
軸は、屈曲可能なユニバーサルジョイントを介して駆動
モーターと接続しているため、ユニバーサルジョイント
を基点としてバリ取り工具を駆動モーターの軸心に対し
傾斜する事となる。
【0017】そして、バリ取り工具は、複数個設けた押
圧手段が一定方向に順次生じさせる押圧力により、傾斜
状態で駆動モーターの軸心を中心として回転移動する。
このバリ取り工具の回転移動は、被加工物の貫通穴の中
で行われるため、被加工物の貫通穴が円形であれば、バ
リ取り工具は円錐状に広がった先端部側のみを貫通穴の
裏面側に接触し、貫通穴の裏面側に生じたバリを取り去
る事が可能となる。
【0018】また、押圧手段による主軸の押圧部とバリ
取り作業部との間隔には、湾曲可能な弾性部を形成して
いるため、押圧手段の作動タイミングが多少不正確なも
のであっても、弾性部が柔軟に対応し、正確なバリ取り
作業が可能となる。また、例え貫通穴の周縁に極端に大
きなバリが残留し、このバリとバリ取り工具が接触して
バリ取り工具に大きな反発力が加わっても、上記弾性部
から湾曲可能としているため、バリ取り工具を破損した
り、異常に摩耗させる事がなく、バリ取り工具の保護が
可能となる。
【0019】次に、バリ取りを終了した被加工物の貫通
穴からバリ取り工具を引き出すには、まず全ての押圧手
段のアクチュエーターを作動し、主軸を中心方向に押圧
する。この主軸への押圧を行うと、傾斜状態で駆動モー
ターの軸心を中心として回転移動していたバリ取り工具
は、駆動モーターの軸心と同一軸心で回転を行う。そし
て基台を、上記とは逆に被加工物から遠ざかる方向に移
動すれば、バリ取り工具を被加工物の貫通穴から引き出
す事ができる。またこのバリ取り工具の引き出しを行う
場合、主軸の回動を停止しても良いが、主軸を回動した
ままの状態で行えば、駆動モーターの再起動、停止時間
等の待ち時間が不要となり、バリ取り作業が迅速化し、
作業性を向上できる。
【0020】このように、被加工物の貫通穴の裏面側に
生じたバリを取り去る場合に、バリ取り作業の自動化を
行っている。このため、作業者が被加工物を手で保持し
ながらバリを取る必要がなく、手作業を不要とするもの
であるから、高精度で安全なバリ取り作業が可能にな
る。
【0021】また、バリ取り工具は、傾斜状態で駆動モ
ーターの軸心を中心として回転移動を行うため、被加工
物の貫通穴の穴径よりも細い直径のバリ取り工具を用い
るものとなり、バリ取り工具の直径よりも大きな貫通穴
を有する被加工物であれば、バリ取り工具を貫通穴の穴
径毎に替える必要がなく、そのまま使用できるため、廉
価で効率的なバリ取り作業が可能になる。
【0022】また、バリ取り工具は、直径が小さいほど
傾斜角度が大きく取れるから、バリ取り効果を高める事
ができる。勿論、この場合、バリ取り工具の強度を保て
る範囲の直径である事は前提となる。
【0023】また、バリ取り工具の貫通穴への挿入時、
引き出し時に、バリ取り工具は傾斜状態で駆動モーター
の軸心を中心として回転移動する事なく、駆動モーター
と同一軸心で回転するため、被加工物にバリ取り工具が
無理に突き当たったり、接触して振動するような事がな
く、工具の破損や被加工物への傷等を防止し、バリ取り
精度を向上する事などが可能となる。
【0024】また、被加工物の貫通穴が円形以外の場合
には、複数の押圧手段の押圧移動量や押圧時期を調節し
て、バリ取り工具の回転移動形状を任意の形状に形成す
れば、バリ取り工具の先端は貫通穴の周縁に倣って回転
移動可能となり、馬のクラ型等の複雑な3次元形状をな
す開口縁のバリも確実に除去できる。
【0025】また、弾性部を、主軸に形成すれば、バリ
取り作業部と弾性部間の間隔が長くなり、例え被加工物
の貫通穴の周縁に大きく突設したバリとバリ取り作業部
とが接触しても、弾性部への負担が小さく、弾性部の保
護を行って、長期の使用が可能となる。この場合、主軸
の回転は低速であることが望ましい。
【0026】また、弾性部を、バリ取り工具に形成すれ
ば、バリ取り作業部と弾性部間の間隔が短くなり、バリ
取り作業部は被加工物の貫通穴の周縁への追従性が向上
し、さらに確実なバリ取り作業が可能となる。この場
合、主軸の回転は高速であっても良い。
【0027】
【実施例】以下本発明の第1実施例を説明すれば、(1
1)は基台で、図1に示す如くエアシリンダー等の進退
手段(12)により軌道(13)上に進退動可能に設置して
いる。この基台(11)は、減速機付可変モーター等の駆
動モーター(14)を上面に形成し、この駆動モーター
(14)にユニバーサルジョイント(15)を介して主軸
(16)を接続することにより、主軸(16)をユニバーサ
ルジョイント(15)から屈曲可能な状態で回転駆動して
いる。
【0028】また、主軸(16)は、先端にホルダー(1
7)を接続し、このホルダー(17)にバリ取り工具(1
8)を接続する。また主軸(16)は、外周に主軸筒(2
0)を形成し、この主軸筒(20)内で回動可能としてい
る。またさらに主軸筒(20)の外周には、外周間隔(2
1)を介して環状の外周枠(22)を形成している。この
外周枠(22)は、図2に示す如く基台(11)に接続固定
し、十字方向に4つの押圧手段(23)を周方向に一定間
隔で保持している。
【0029】この押圧手段(23)は、図2に示す如く外
周枠(22)の外面に設けたケーシング(24)に、主軸
(16)方向への摺動が可能な押圧杆(25)を形成し、こ
の押圧杆(25)の先端を、外周枠(22)の摺動孔(26)
を介して外周間隔(21)に突出する。この押圧杆(25)
は、ケーシング(24)に介装したスプリング(27)の復
元押圧力により、常時は主軸筒(20)を介して主軸(1
6)を付勢している。また、この4個所の押圧杆(25)
の付勢力は均等であるため、主軸(16)を軸心方向に安
定する事が可能となる。
【0030】また、押圧手段(23)は、押圧杆(25)の
基端部に磁性体(28)を形成し、この磁性体(28)を励
磁により主軸(16)方向に誘導するソレノイドコイル
(30)を外周に形成する。このように形成すると、押圧
杆(25)の高精度の押圧操作が可能となる。また押圧杆
(25)の作動は、隣接する2個所の押圧手段(23)のソ
レノイドコイル(30)を一定回転方向に略同時に励磁
し、2個所の励磁電流を制御バランスする事により、バ
リ取り工具(18)を傾斜状態で駆動モーター(14)の軸
心を中心として略円錐状に回転移動可能とする。
【0031】また、ホルダー(17)に固定したバリ取り
工具(18)に臨ませて、被加工物(31)を保持するチャ
ック(32)を形成している。
【0032】また、主軸(16)は、押圧手段(23)によ
る主軸(16)への押圧部とホルダー(17)との間隔に、
フレキシブルジョイント等の湾曲可能な弾性部(37)を
形成し、この弾性部(37)を介して主軸(16)を湾曲可
能としている。
【0033】上述の如く構成したものに於て、被加工物
(31)の貫通穴(33)の裏面側に生じたバリを除去する
には、まず基台(11)上の駆動モーター(14)を起動
し、ユニバーサルジョイント(15)を介して主軸(16)
を回転駆動する。そしてこの主軸(16)の回転駆動と同
時に、主軸(16)の先端に連結したバリ取り工具(18)
が駆動される。またバリ取り工具(18)には、切削工具
や研削工具または研磨工具を用いる事が可能である。ま
たこのバリ取り工具(18)の先端に臨ませて、チャック
(32)に固定した被加工物(31)の貫通穴(33)が位置
する。
【0034】次に、エアシリンダー等の進退手段(12)
を作動して基台(11)を被加工物(31)の方向に移動
し、被加工物(31)の貫通穴(33)にバリ取り工具(1
8)を挿入する。この挿入は、全ての押圧手段(23)の
ソレノイド(30)を励磁して、押圧杆(25)で主軸(1
6)を中心方向に押圧し、バリ取り工具(18)の先端
が、貫通穴(33)の裏面側に突出するまで行う。またこ
の時点では、主軸(16)は、4つの押圧手段(23)の押
圧杆(25)によって、均等な力で軸心方向に付勢されて
いるので、主軸(16)およびバリ取り工具(18)は、駆
動モーター(14)と同一軸心上で回転している。このた
め、バリ取り工具(18)の挿入時に、従来方法の如く、
被加工物(31)をバリ取り工具(18)で無理に突いた
り、接触して振動等させる事がなく、スムーズな挿入が
可能となる。
【0035】また、バリ取り工具(18)の挿入後、押圧
手段(23)のソレノイドコイル(30)を励磁して、押圧
杆(25)の磁性体(28)を主軸(16)方向に誘導し、主
軸筒(20)を介して押圧杆(25)で主軸(16)を軸心と
交差する方向に押圧する。この押圧杆(25)の主軸(1
6)への押圧は、次のように行われる。
【0036】例えば、貫通穴(33)が円形の場合には、
まず第1の押圧手段(23)のソレノイドコイル(30)を
励磁し、押圧杆(25)の押圧方向に主軸(16)を押圧す
る。次にこの第1の押圧手段(23)に隣接する第2の押
圧手段(23)のソレノイドコイル(30)を弱く励磁し、
序々に励磁電流を上昇させて、第2の押圧杆(25)の押
圧方向に主軸(16)を押圧する。またこの押圧と同時
に、第1のソレノイドコイル(30)への励磁電流を序々
に下げ、励磁力を低下させて、第1の押圧杆(25)によ
る押圧を徐々に解除する。このように隣接する押圧手段
(23)のソレノイドコイル(30)を、励磁電流を制御し
て一定回転方向に順次作動し、複数の押圧杆(25)によ
る主軸(16)への連続的な押圧を行う。またこの場合
の、各押圧手段(23)の押圧杆(25)による主軸(16)
の押圧力、押圧繰出量等は同一とする。
【0037】また、押圧手段(23)の押圧杆(25)の押
圧力を受けた主軸(16)は、屈曲可能なユニバーサルジ
ョイント(15)を介して駆動モーター(14)と接続して
いる。このため、ユニバーサルジョイント(15)を基点
として、バリ取り工具(18)を駆動モーター(14)の軸
心に対して傾斜させる。そして押圧杆(25)が一定方向
に順次生じさせる押圧力により、バリ取り工具(18)は
傾斜状態で駆動モーター(14)の軸心を中心として回転
移動する。このバリ取り工具(18)の移動回転は、被加
工物(31)の貫通穴(33)の中で行うため、被加工物
(31)の貫通穴(33)が円形であれば、バリ取り工具
(18)は円錐状に広がった先端方向のみを貫通穴(33)
の裏面側に接触し、貫通穴(33)の裏面側に生じたバリ
を取り去る事が可能となる。
【0038】また、被加工物(31)の貫通穴(33)が円
形以外の場合や3次元周縁の場合に、複数のソレノイド
コイル(30)の励磁電流を強くしたり弱めたり、また励
磁電流の発生時期を制御して、押圧手段(23)の押圧杆
(25)の押圧移動量や押圧時期を調節し、バリ取り工具
(18)の回転形状を任意に形成する事も可能であり、バ
リ取り工具(18)の先端を貫通穴(33)の3次元周縁に
倣って回転移動させる事もできる。
【0039】また、押圧手段(23)は、ソレノイドコイ
ル(30)と磁性体(28)とスプリング(27)との組み合
わせにより形成しているので、励磁電流の正確な制御
と、スプリング(27)の復元力により、高度の押圧操作
が可能となる。またこのように構成し、ソレノイドコイ
ル(30)の励磁電流を下げる事により、上述の如く貫通
穴(33)の形状が円形でない場合にも、バリ取り工具
(18)の回転範囲を最大寸法に合わせれば、穴径の径小
の寸法部に於ては、押圧手段(23)の押圧杆(25)は、
励磁前の位置方向に押し戻されて、径小部を強く切削し
たりする事がなく、貫通穴(33)の形状に沿ったバリ取
り工具(18)の移動を可能とする。
【0040】また、押圧杆(25)による主軸(16)への
押圧は、主軸筒(20)を介して行う。また主軸(16)は
主軸筒(20)に対してボールベアリング等を介して回動
可能としているので、押圧杆(25)の押圧中にも、主軸
筒(20)は主軸(16)と共回りする事がなく、押圧杆
(25)の押圧によって主軸(16)の回転に負担を掛ける
事がない。
【0041】また、バリ取り工具(18)は、主軸(16)
に設けた湾曲可能な弾性部(37)によって、押圧手段
(23)の作動タイミングが多少不正確なものであって
も、弾性部(37)が柔軟に対応し、正確なバリ取り作業
が可能となる。また、例え貫通穴(33)の周縁に極端に
大きなバリが残留し、このバリとバリ取り工具(18)が
接触してバリ取り工具(18)に大きな反発力が加わる事
がある。しかしこのような場合にも、上記弾性部(37)
を介して主軸(16)を湾曲できるため、バリ取り工具
(18)を破損したり、異常に摩耗させる事がなく、バリ
取り工具(18)の保護が可能となる。
【0042】次に、バリ取りを終了した被加工物(31)
の貫通穴(33)からバリ取り工具(18)を引き出すに
は、まず、全てのソレノイドコイル(30)への励磁を行
って、全ての押圧手段(23)の押圧杆(25)により主軸
(16)を中心方向に押圧する。この主軸(16)への押圧
を行うと、傾斜状態で駆動モーター(14)の軸心を中心
として回転移動していたバリ取り工具(18)は、確実に
駆動モーター(14)と同一軸心の回転駆動となる。この
ためバリ取り工具(18)は、貫通穴(33)からの引き出
しを行う場合に、貫通穴(33)と接触する事がなく、貫
通穴(33)への傷等の発生を防止する事が可能となる。
【0043】そして、進退手段(12)を上記とは逆方向
に作動して、基台(11)を被加工物(31)から遠ざかる
方向に移動すれば、バリ取り工具(18)を被加工物(3
1)の貫通穴(33)から引き出す事ができる。またこの
バリ取り工具(18)の引き出しを行う場合に、主軸(1
6)の回動を停止しても良いが、主軸(16)を回動した
ままの状態で行えば、駆動モーター(14)の再起動、停
止時間等の待ち時間が不要となり、バリ取り作業が迅速
化し、作業性を向上できる。
【0044】また、上記第1実施例では、弾性部(37)
を主軸(16)に形成した。その結果バリ取り作業部(3
8)と弾性部(37)間の間隔が長くなり、例え被加工物
(31)の貫通穴(33)の周縁に大きく突設したバリとバ
リ取り作業部(38)とが接触しても、弾性部(37)への
負担が小さく、弾性部(37)の保護を行って、長時間の
使用が可能となった。しかし第2実施例では、弾性部
(37)を、図3に示す如くバリ取り工具(18)に形成す
る。このように形成すると、バリ取り作業部(38)と弾
性部(37)との間隔が短くなり、バリ取り作業部(38)
は被加工物(31)の貫通穴(33)の周縁への追従性が向
上し、さらに確実なバリ取り作業が可能となる。この場
合、主軸(16)の回転は高速であっても良い。
【0045】また、上記各実施例では、押圧手段(23)
は、4つの押圧杆(25)を形成し、この押圧杆(25)の
基端部に形成した磁性体(28)を、外周のソレノイドコ
イル(30)の励磁により主軸(16)方向に誘導可能とし
た。しかし、第3実施例では、押圧手段(23)は、図4
に示す如く、磁性体(28)やソレノイドコイル(30)を
設ける事なく、6つのエアーシリンダー部(39)を設け
ている。
【0046】この押圧手段(23)は、六角形型の外周枠
(22)にエアーシリンダー部(39)を固定し、エアーシ
リンダー部(39)の先端の押圧杆(25)を主軸筒(20)
の外周間隔(21)に進退可能に位置している。そして、
押圧手段(23)の作動を行うには、まず第1のエアーシ
リンダー部(39)を伸張して、先端の押圧杆(25)で主
軸筒(20)を介して主軸(16)を押圧する。次に、第1
のエアーシリンダー部(39)に隣接する第2のエアーシ
リンダー部(39)を伸張し、先端の押圧杆(25)で主軸
(16)を押圧する。また、伸張状態の第1のエアーシリ
ンダー部(39)を収縮し、第1の押圧杆(25)による主
軸(16)への押圧を停止するとともに第2のエアーシリ
ンダー部(39)に隣接する第3のエアーシリンダー部
(39)の伸張を行う。このように複数のエアーシリンダ
ー部(39)を順次作動して、バリ取り工具(18)を略円
錐状に回転し、被加工物(31)の貫通穴(33)に生じた
バリ取り作業が可能となる。
【0047】また、各々の押圧手段(23)は、図4、図
5に示す如く外周枠(22)の外周方向にクランク型のス
テー(40)を固定し、このステー(40)の先端に螺着し
た調整ボルト(41)に引張り発条(42)の一方側を接続
している。そして、この引張り発条(42)を伸張すると
ともに他方側を、主軸筒(20)の軸方向に固定した固定
ボルト(43)に接続している。このように引張り発条
(42)を接続すると、エアーシリンダー部(39)の無作
動状態に於て、各々の引張り発条(42)が主軸筒(20)
を外周方向に均一な力で引張し、バリ取り工具(18)
は、確実に駆動モーター(14)と同一軸心に位置する事
が可能となる。このためバリ取り工具(18)は、貫通穴
(33)への挿入時や引き出し時、貫通穴(33)と接触し
て、貫通穴(33)に傷等を生じさせる事がない。
【0048】また、上記実施例では、押圧手段(23)
は、磁性体(28)、エアーシリンダー部(39)等のアク
チュエーターを押圧杆(25)に接続し、押圧杆(25)の
作動を行った。しかし、第4実施例では、押圧手段(2
3)は、図6に示す如く振れ止めのガイド(44)で支持
された外周枠(22)を作動可能としている。この外周枠
(22)は、図7に示す如く先端を半球状に突設した4つ
の押圧杆(25)を摺動孔(26)に挿通している。この押
圧杆(25)にスプリング(27)を介装する事により、ス
プリング(27)の復元押圧力により、常時は押圧杆(2
5)で主軸筒(20)を介して主軸(16)を付勢してい
る。また、この4個所の押圧杆(25)の付勢力は均等で
あるため、主軸(16)を軸心方向に安定する事が可能と
なる。
【0049】また、外周枠(22)は、下側の両隅に設け
た一対の偏心軸受部(45)に作動軸(46)を進退可能に
挿通している。そしてこの作動軸(46)の一端を、モー
ター(47)の回転軸(48)に設けた回転板(49)に偏心
状態で接続し、また他端をピロー等の軸支部(50)で軸
支している。そして一対のモーター(47)を同期して回
転する事により、複数の作動軸(46)を偏心して回転可
能としている。
【0050】また、この軸支部(50)およびモーター
(47)を載置台(51)上に載置し、この載置台(51)
を、エアーシリンダー等の前後動手段(52)に接続する
事により、前後方向に移動可能としている。このように
形成すると、前後動手段(52)の収縮状態に於て、作動
軸(46)を貫通した偏心軸受部(45)は、モーター(4
7)の回転板(49)側に位置し、軸支部(50)に対して
偏心量が大きくなり、押圧手段(23)による主軸(16)
への押圧量を大きく調整可能としている。
【0051】また、前後動手段(52)を伸張すると、偏
心軸受部(45)は、軸支部(50)側に位置し、軸支部
(50)に対しての偏心量が小さくなり、主軸(16)への
押圧量を小さく調整できる。またこの状態で、主軸(1
6)への押圧が生じない位置にモーター(47)を停止す
れば、バリ取り工具(18)は駆動モーター(14)と同一
軸心に位置する事が可能となる。
【0052】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成したものである
から、被加工物の貫通穴に生じたバリ取り作業を行う場
合に、自動化を行っているから、高精度で安全なバリ取
り作業が可能となる。
【0053】また、バリ取り工具は、傾斜状態で駆動モ
ーターの軸心を中心として略円錐状に回転移動を行うた
め、被加工物の貫通穴の穴径よりも細い直径のバリ取り
工具を用いるものとなり、バリ取り工具の直径よりも大
きな貫通穴を有する被加工物であれば、バリ取り工具を
貫通穴の穴径毎に替える必要がなく、そのまま使用でき
るため、廉価で効率的なバリ取り作業が可能になる。ま
た、バリ取り工具は、直径が小さいほど傾斜角度が大き
く取れるから、バリ取り効果を高める事ができる。勿
論、この場合、バリ取り工具の強度を保てる範囲の直径
である事は前提となる。
【0054】また、バリ取り工具の貫通穴への挿入時、
引き出し時に、バリ取り工具は傾斜状態で駆動モーター
の軸心を中心として回転移動する事がなく、駆動モータ
ーと同一軸心で回転駆動しているため、被加工物にバリ
取り工具が無理に突き当たったり、接触して振動するよ
うな事がなく、工具の破損や被加工物への傷等を防止
し、バリ取り精度を向上する事などが可能となる。
【0055】また、被加工物の貫通穴の周縁や3次元周
縁を有する場合には、複数の押圧手段の押圧移動量や押
圧時期を調節して、バリ取り工具の回転移動形状を任意
の形状に形成すれば、バリ取り工具の先端は貫通穴の周
縁に倣って回転移動可能となり、馬のクラ型等をなす開
口縁のバリも確実に除去できる。
【0056】また、押圧手段による主軸の押圧部とバリ
取り作業部との間隔には、湾曲可能な弾性部を形成して
いるため、押圧手段の作動タイミングが多少不正確なも
のであっても、弾性部が柔軟に対応し、正確なバリ取り
作業が可能となる。また、貫通穴の周縁に極端に大きな
バリが残留し、このバリとバリ取り工具が接触してバリ
取り工具に大きな反発力が加わっても、上記弾性部から
湾曲できるので、バリ取り工具を破損したり、異常に摩
耗させる事がなく、バリ取り工具の保護が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部を切欠いた状態を示す第1実施例の側面
図。
【図2】一部を切欠いた状態を示す第1実施例の正面
図。
【図3】一部を切欠いた状態を示す第2実施例の側面
図。
【図4】第3実施例の一部を示す正面図。
【図5】図4のA−A線拡大断面図
【図6】第4実施例の一部を示す斜視図。
【図7】第4実施例の一部を示す正面図。
【図8】被加工物の一例の部分透視状態を示す斜視図。
【符号の説明】
11 基台 14 駆動モーター 15 ユニバーサルジョイント 16 主軸 18 バリ取り工具 23 押圧手段 31 被加工物 37 弾性部 38 バリ取り作業部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−116025(JP,A) 特開 平4−336908(JP,A) 特開 昭59−219110(JP,A) 実開 平1−125161(JP,U) 実開 昭63−133957(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23D 79/00 B23C 3/12 B24B 9/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物に対して進退動可能な基台上
    に、駆動モーターとユニバーサルジョイントを介して接
    続する主軸を形成し、この主軸の先端にバリ取り工具を
    連結して回動可能とするとともにこの主軸の外周に、主
    軸を軸心と交差する方向に押圧可能な押圧手段を周方向
    に一定間隔で複数個設け、この押圧手段により、ユニバ
    ーサルジョイントを基点として、バリ取り工具を駆動モ
    ーターの軸心に対し傾斜可能とし、周方向の押圧手段で
    順次主軸を押圧することにより、バリ取り工具を傾斜状
    態で駆動モーターの軸心を中心として回転移動可能とす
    るとともに押圧手段による主軸の押圧部とバリ取り作業
    部との間隔に、湾曲可能な弾性部を形成した事を特徴と
    するバリ取り装置。
  2. 【請求項2】 弾性部は、主軸に形成した事を特徴とす
    る請求項1記載のバリ取り装置。
  3. 【請求項3】 弾性部は、バリ取り工具に形成した事を
    特徴とする請求項1記載のバリ取り装置。
  4. 【請求項4】 バリ取り工具は、切削工具により形成し
    た事を特徴とする請求項1記載のバリ取り装置。
  5. 【請求項5】 バリ取り工具は、研削工具により形成し
    た事を特徴とする請求項1記載のバリ取り装置。
  6. 【請求項6】 バリ取り工具は、研磨工具により形成し
    た事を特徴とする請求項1記載のバリ取り装置。
JP09184692A 1992-03-17 1992-03-17 バリ取り装置 Expired - Fee Related JP3288745B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09184692A JP3288745B2 (ja) 1992-03-17 1992-03-17 バリ取り装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09184692A JP3288745B2 (ja) 1992-03-17 1992-03-17 バリ取り装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05261619A JPH05261619A (ja) 1993-10-12
JP3288745B2 true JP3288745B2 (ja) 2002-06-04

Family

ID=14037942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09184692A Expired - Fee Related JP3288745B2 (ja) 1992-03-17 1992-03-17 バリ取り装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3288745B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6846226B2 (en) * 2000-06-28 2005-01-25 Michael Kapgan Burr removal apparatus
JP6664246B2 (ja) * 2016-03-23 2020-03-13 若林工業株式会社 長孔のバリ取り装置及びこれを用いたバリ取り方法
CN115488718B (zh) * 2022-11-18 2023-02-28 龙口市通达油管有限公司 一种油管接头圈打磨去毛刺装置及其打磨去毛刺方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05261619A (ja) 1993-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3852803B2 (ja) 管状材の端面円周角部の面取り加工装置および加工方法
JP3288745B2 (ja) バリ取り装置
JP2001212729A (ja) 棒状ワークの研削方法及び研削装置
JP2891035B2 (ja) 管端仕上げ装置
JP3078595B2 (ja) バリ取り装置
JP5080120B2 (ja) ポリゴン加工装置及びポリゴン加工方法
JP3838896B2 (ja) バリ取り装置
JP3415833B2 (ja) 端面加工機
JP4401701B2 (ja) 円筒部材の加工方法及び円筒部材の加工装置及び円筒部材
US4712535A (en) Method and apparatus for severing wafers
JP2001162410A (ja) ワーク固定装置
JP2005118981A (ja) 円形研削を行う方法及び装置
KR20010002291A (ko) 너트 탭핑 시스템
JPH04336908A (ja) 穴内面の自動バリ取り方法とその装置
JPH10128647A (ja) バリ取り方法及び該バリ取り方法に使用する研削砥石のバリ取り構造
JP5328011B2 (ja) 歯車材料支持装置、歯車加工装置、及び歯車製造方法
TW592851B (en) Sequential loading apparatus
JP2007237377A (ja) 溝加工装置および溝加工法
JPS6331333B2 (ja)
JP3405601B2 (ja) 貫通穴の開口縁加工装置
CN210281865U (zh) 一种研磨机构
JP3210704B2 (ja) 研削盤およびトラバース研削方法
JP3170483B2 (ja) 曲面加工方法
JPH0115453Y2 (ja)
JPH0351048Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees