JP3170483B2 - 曲面加工方法 - Google Patents

曲面加工方法

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JP3170483B2
JP3170483B2 JP09779198A JP9779198A JP3170483B2 JP 3170483 B2 JP3170483 B2 JP 3170483B2 JP 09779198 A JP09779198 A JP 09779198A JP 9779198 A JP9779198 A JP 9779198A JP 3170483 B2 JP3170483 B2 JP 3170483B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調機器の圧縮機
に形成されているスクロール壁の壁面等、場所によって
曲率が変化する曲面をエンドミルによって切削加工する
ための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、場所によって曲率が変化する曲面
をエンドミルで切削加工する方法として、特開平7−5
1916号公報に示されるようなスクロール状工作物の
加工方法が知られている。その概要を図7〜図10に基
づいて説明する。
【0003】図7及び図8に示すように、加工対象であ
る工作物30は、円板状のフランジ部31を有し、この
フランジ部31の前面(図7では手前面)から前方にス
クロール状壁32が突設されており、このスクロール状
壁32は、中心部34及びインボリュート曲線部35か
らなっている。中心部34は、スクロール状壁32の内
壁面と外壁面との境界点を挾む所定領域に形成され、円
弧や直線等、インボリュート曲線以外の形状が組み合わ
されてなっている。インボリュート曲線部35は、上記
中心部34を挾む外壁面35A及び内壁面35Bを有
し、両壁面35A,35Bは互いに同一の円を基礎円と
するインボリュート曲線状に形成されている。
【0004】そして、上記方法では、図8に示すように
チャック15でフランジ部31を把持しながら、図9に
示すようなエンドミル16を用い、次の手順でスクロー
ル状壁32の加工が進められる。
【0005】1)図10においてエンドミル16の位置
を模擬的に表した円16A,16Bに示されるように、
エンドミル16の中心Otを工作物30におけるインボ
リュート曲線の基礎円中心Owに対し図の下方向に基礎
円半径ro分だけ相対的にずらし、この位置でエンドミ
ル16をインボリュート曲線部35の内壁面35Bの径
方向外側部に対して内側から接触させる(図10の
)。なお、図10ではスクロール状壁32の位置を固
定してこれに対するエンドミル16の位置を円16A,
16Bとして表示しているが、上記方法は、上記チャッ
ク15とともに工作物30を基礎円中心Ow回りに回転
させながら加工を進めるものであり、加工開始時は、実
際には図10に示した位置からスクロール状壁32が1
80°回転した位置でその左側から内壁面35Bの径方
向外側部にエンドミル16が当てられる。
【0006】2)図10の上下方向の相対位置は変える
ことなく、基礎円中心Owを中心にして図の反時計回り
方向に工作物30を回転させながら、この回転に伴う内
壁面35Bの半径減少分だけ工作物30またはエンドミ
ル16を図の左右方向に相対移動させる。このような動
作により、内壁面35Bがその径方向外側部分から径方
向内側部分に向かって加工されることとなる(図10の
及び円16A)。
【0007】3)円16Bに示すようにエンドミル16
が上記インボリュート曲線状内壁面35Bから中心部3
4にさしかかった時点(図10の)からは、図の左右
方向の相対移動及び工作物回転に加えて上下方向にもエ
ンドミル16と工作物30とを相対移動させることによ
り、中心部34を加工する(同図)。
【0008】4)中心部34の終点に達した時点では、
エンドミル16は基礎円中心Owに対して上記と逆向き
(図10では上向き)に基礎円半径ro分だけずれた位
置に自動的に位置することとなる。この状態から、前記
と同様、図の上下方向の相対移動は行わず、工作物30
の回転駆動を続けながら、左右方向にのみエンドミル1
6と工作物30とを相対移動させることにより、インボ
リュート曲線部35の外壁面35Aをその径方向内側部
分から径方向外側部分に向かって連続加工する(同図
)。
【0009】すなわち、この方法では、単一のエンドミ
ル16を用いて、インボリュート曲線部35の外壁面3
5B→中心部34の壁面→インボリュート曲線部35の
外側面35Aの順に切削加工が進められる。
【0010】なお、図10において、破線で示す曲線は
切削加工前のスクロール状壁32の壁面を示しており、
網目で示す領域は、各加工位置においてエンドミル16
と切削加工前のスクロール状壁32の壁面とがオーバー
ラップする領域を示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記インボリュート曲
線部35では、中心部34に近づくにつれて曲率が増大
し、図例ではインボリュート曲線部内壁面35Bと中心
部34の壁面との境界部もしくはその近傍で曲率が最大
になる。一方、エンドミル16と加工曲面との接触長さ
は、図10に示された網目領域を参照しても明らかなよ
うに、加工曲面の曲率がエンドミル16の曲率に近づく
につれて(実際には曲率が大きくなるにつれて)増大す
る。従って、加工位置と接触長さとの関係は図11のグ
ラフに示されるようになる。すなわち、エンドミル16
と加工曲面との接触長さは、インボリュート曲線部内壁
面35Bの加工終了間際から急増し、この内壁面35B
の加工終了時もしくは中心部34にさしかかった時点で
著しいピークを迎える。
【0012】ここで、上記エンドミル16には、図8に
示すように、断続切削を避けてスムーズな切削を行うべ
く切削刃16aが螺旋状に形成され、この切削刃16a
がエンドミル16の根元側に進行する向きにエンドミル
16が回転駆動される。具体的には、図12に示すよう
に、エンドミル16の軸方向に延びる仮想直線であって
エンドミル16の回転にかかわらずその位置にとどまる
直線Lと、エンドミル16と一体に回る螺旋状切削刃1
6aとの交点Qが、エンドミル16の回転に伴って上記
直線Lに沿い根元側に後退する(同図では右側に移動す
る;矢印Ax)ような向きにエンドミル16が回転駆動
される(同図矢印Ar)。
【0013】従って、上記接触長さが大きくなるほど、
エンドミル16が工作物30をチャック15から浮き上
がらせようとする力(図8及び図9の矢印B)が増大
し、この力は中心部34もしくはその近傍に存する最大
曲率点で最も強くなる。このような引張力の増大に対抗
して工作物30を静止状態に保つためには、チャック1
5による工作物30のクランプ力(図8の矢印A)を増
加させる必要があるが、このようなクランプ力の増加に
伴ってフランジ部31の歪みが大きくなり(図8参
照)、その分加工精度が低下する不都合が発生する。
【0014】本発明は、このような事情に鑑み、工作物
を把持する力を特に強めることなく、場所によって曲率
が変化する工作物曲面を良好に切削加工することができ
る曲面加工方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、場所によって曲率が変化する
曲面をもつ工作物を把持し、その曲面に回転するエンド
ミルの側面を当てながら当該曲面を切削加工する方法に
おいて、上記曲面のうち上記エンドミルの外周面の曲率
に最も近い部分を含む特定部分に対してエンドミルをそ
の回転に伴って切削刃が進行する方向と逆の方向に切り
込むことにより上記特定部分を切削加工した後、このエ
ンドミルの軸方向と直交する方向に当該エンドミルと工
作物とを相対移動させて上記特定部分以外の曲面部分を
切削加工するものである。
【0016】なお、ここで「エンドミルの回転に伴って
切削刃が進行する方向」とは、前記図12に示したよう
に、エンドミル16の外周面上の任意の位置に固定的に
設定された(すなわちエンドミル16の回転にかかわら
ず静止しているものと仮想された)エンドミル中心軸と
平行な方向の直線Lと、エンドミル16と一体に回る螺
旋状切削刃16aとの交点Qに着目した場合、エンドミ
ル16の回転に伴って上記交点Qが直線L上を移動する
方向(同図矢印Ax)を意味する。
【0017】この方法によれば、工作物の曲面におい
て、その曲率がエンドミルの外周面の曲率に最も近い部
分を含む特定部分、すなわちエンドミルとの接触長さが
最も大きくてエンドミルから最も強い引張力を受ける部
分を含む特定部分に対しては、エンドミルをその回転に
伴って切削刃が進行する方向と逆の方向に切り込む切削
動作が行われることにより、その切込み力が上記引張力
と相殺され、総じて工作物に作用する軸方向力は大幅に
軽減される。その後、特定部分以外の部分、すなわちエ
ンドミルとの接触長さが比較的小さい部分については、
エンドミルの軸方向と直交する方向に当該エンドミルと
工作物とを相対移動させて切削加工することにより、効
率の高い切削加工ができる。従って、この方法では、工
作物を把持する力を特に強くしなくても、加工対象曲面
全体を良好に切削加工することができる。
【0018】なお、上記「曲面」は、狭義の曲面に限ら
ず、その一部に曲率が0の面すなわち平面が含まれてい
るものであってもよい。
【0019】また、曲面の途中に上記特定部分が存在す
る場合には、例えばこの特定部分を切削加工した後、こ
のエンドミルの軸方向と直交する方向に当該エンドミル
と工作物とを相対移動させて上記特定部分から曲面の一
方の端部に至るまでの部分を切削加工し、次いで当該曲
面の他方の端部と上記特定部分との間の部分を切削加工
すれば、効率のよい曲面加工ができる。
【0020】この方法は、前記図7にも示したようなイ
ンボリュート曲線状のスクロール壁の加工に特に適した
ものとなっている。すなわち、本発明は、最も曲率の大
きい部分を含む中心部から径方向外側にインボリュート
曲線状のスクロール壁が展開された工作物の当該壁面を
加工する曲面加工方法として好適であり、この場合に
は、上記工作物に対し、上記中心部において最も曲率の
大きい部分を含む特定部分にエンドミルをその回転に伴
って切削刃が進行する方向と逆の方向に切り込むことに
より当該特定部分を切削加工した後、上記工作物を上記
インボリュート曲率の基礎円中心回りに回転させながら
エンドミルの軸方向と直交する方向に当該エンドミルと
工作物とを相対的に直線移動させて上記特定部分以外の
部分を切削加工するようにすればよい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0022】図1は、本発明方法を実施するための加工
装置の一例を示したものである。図において、べッド1
0上にはY軸コラム12が立設され、このY軸コラム1
2に沿って昇降可能、すなわち、上下方向であるY軸方
向に沿って移動可能に主軸台14が装着されている。こ
の主軸台14は、前記図9に示したようなエンドミル1
6を着脱可能に把持する主軸17を備え、上記Y軸コラ
ム12内に設けられたボールねじ機構、及び図2に示す
Y軸モータ13によって昇降駆動されるようになってい
る。
【0023】上記べッド10上には、上記エンドミル1
6の中心軸と平行なZ軸方向に延びるレール18が設置
され、このレール18に沿ってスライド可能にZ軸テー
ブル20が装着されている。このZ軸テーブル20は、
Z軸モータ22及び図略のボールねじ機構によって上記
Z軸方向にスライド駆動されるようになっている。
【0024】このZ軸テーブル20上には、上記Z軸方
向とY軸方向とに直交するX軸方向にスライド可能にX
軸テーブル24が装着されている。このX軸テーブル2
4は、図2に示すX軸モータ25及び図略のボールねじ
機構によって上記X軸方向にスライド駆動されるように
なっている。
【0025】このX軸テーブル24上には工作物台26
が立設されている。この工作物台26は、上記Z軸と平
行なC軸回りに回転可能に図略の主軸を支持している。
この主軸は、C軸モータ(回転駆動手段)28によって
C軸回りに回転駆動されるとともに、その前端部にはチ
ャック15を備え、前記図7にも示したような工作物3
0が着脱可能に装着されるようになっている。
【0026】なお、この実施の形態の加工対象である工
作物30は、前記図7に示したものと全く同様であり、
ここでは説明を省略する。また、上記チャック15の回
転中心軸の位置は、当該チャック15の回転に伴ってこ
れに把持された工作物30がそのインボリュート基礎円
中心Ow回りに回転するような位置に設定されている。
【0027】この加工装置は、図2に示すようなNC制
御装置40を備えている。このNC制御装置40は、上
記Z軸モータ22を作動させることにより、工作物30
に対するエンドミル16の位置決めを行うとともに、上
記X軸モータ25、Y軸モータ13、及びC軸モータ2
8の作動制御により上記工作物30におけるスクロール
状壁32の壁面加工を実行させるものであり、この加工
制御に関与する機能として、データ読取り部42、補間
データ演算部44、及びパルス分配部46を備えてい
る。
【0028】データ読取り部42は、外部から入力され
るNCデータ(スクロール状壁32の加工形状や送り速
度等)を読取り、記憶するものである。補間データ演算
部44は、データ読取り部42で読み取られたデータに
基づき、上記スクロール状壁32を加工するための補間
データ(詳細後述)を演算し、出力するものである。パ
ルス分配部46は、上記補間データからX軸、Y軸、Z
軸、C軸の各軸にパルスを分配し、各軸モータ25,1
3,22,28に出力するものである。
【0029】なお、この実施の形態では、エンドミル1
6をY軸方向に移動させ、工作物30をX軸方向に移動
させるものを示しているが、工作物30をY軸方向に移
動させても良いし、エンドミル16をX軸方向に移動さ
せるようにしてもよい。また、エンドミル16もしくは
工作物30をX軸方向、Y軸方向の両方向に移動させる
ようにしてもよい。
【0030】次に、上記装置により実行されるスクロー
ル状壁32の加工方法を説明する。
【0031】1)工作物30全体をインボリュート基礎
円中心Ow回りに回転させることにより、当該工作物3
0を図3に示すような回転位置、すなわち、同図の円1
6Bに示すようにエンドミル16の中心Otが前記基礎
円中心Owに対しY軸方向に沿って負の向き(下方)に
基礎円半径ro分だけ相対的にずれた位置で当該エンド
ミル16が中心部34の特定部分(すなわち最も曲率が
大きくてエンドミル16の曲率に近い部分を含む部分)
を切削することが可能となる回転位置に位置決めする。
【0032】2)エンドミル16を所定の向きに高速回
転駆動する。具体的には、当該回転に伴ってエンドミル
16の螺旋状切削刃16aがエンドミル先端から後退す
る向き(図9のエンドミル16を先端側から見て反時計
回りとなる向き;図12では矢印Arの向き)に回転駆
動する。
【0033】3)上記回転状態のまま、エンドミル16
をその先端側からスクロール状壁32の特定部分に対し
て軸方向に切り込ませる(図3の(1))。この特定部分
は、インボリュート曲線部内壁面35Bと中心部34と
の境界部分もしくはその近傍の中心部34の部分であっ
て、曲率が最も大きい部位を含んでいてエンドミル16
との接触長さが最も大きい部分であり(円16Bに付さ
れた網目領域参照)、従って、エンドミル16から最も
強い引張力(すなわち工作物30をチャック15から浮
かそうとする力)を受ける部位である。しかし、この特
定部分に対して上記引張力と反対方向にエンドミル16
を切り込むことにより、この切込み力と上記引張力とを
相殺することができ、これにより、上記引張力に起因し
てチャック15から工作物30が浮き上がるのを有効に
防止することが可能になる。
【0034】4)上記のような軸方向の切込みが終了し
た後、エンドミル16のY軸方向の位置を固定したまま
(すなわちインボリュート基礎円中心Owに対してその
基礎円半径分だけ偏心させたまま)、上記基礎円中心O
wを中心として図3の時計回り方向に工作物30を回転
させ、この回転に伴う内壁面35Bの半径増加分だけ工
作物30とエンドミル16とをX軸方向に相対移動させ
る。このような動作により、図4(a)(b)(c)に
示すように、エンドミル16と内壁面35Bとの接触点
における壁面35Bの法線方向をX軸方向に保ちなが
ら、内壁面35Bがその径方向内側部分から径方向外側
部分に向かって加工されることとなる(図3の(2)
(3))。このとき、工作物30に対して働く軸方向力
は、エンドミル16の回転による引張力のみであり、上
記のような軸方向力の相殺はないが、この内壁面35B
での加工は、図10の円16Aに付された網目領域に表
されるように、当該内壁面35Bとエンドミル16との
接触長さが比較的小さい状態での加工であるため、通常
のクランプ力であっても、チャック15からの工作物3
0の浮き上がりは回避できる。
【0035】5)エンドミル16が内壁面35Bの終端
まで達した時点、すなわち内壁面35Bの加工が完了し
た時点で、エンドミル16を一旦工作物30から後退さ
せる。そして、このエンドミル16をY軸方向に沿って
上向きに基礎円直径分2roだけ上昇させた状態で、図
5(a)に示すようにインボリュート曲線部35の外壁
面35Aの径方向外側端に同図右側から接触させる。す
なわち、基礎円BCの中心Owから上方に基礎円半径r
o分だけずれた位置で外壁面35Aに接触させる。この
まま、工作物30を基礎円中心Owを中心に同図反時計
回りに回転させながら、これに伴う半径減少分だけエン
ドミル16を径方向外側から内側に向けてX軸方向に直
線移動させる。これにより、外壁面35Aの加工が進め
られる(図3の(4)及び図5(b))。
【0036】6)外壁面35Aの加工が終わり、エンド
ミル16が中心部34にさしかかると、上記X軸方向の
エンドミル16の移動及びC軸回りの工作物30の回転
に加えて、Y軸方向に工作物30を移動させ、最初に加
工した特定部分に至るまで中心部34壁面の加工を行う
(図3(5) 及び図5(c))。これにより、全壁面の加
工が終了する。
【0037】なお、本発明方法の加工対象となる曲面
は、前記のようなインボリュート形状のものに限らず、
場所によって曲率が変化する種々の曲面に対して適用が
可能である。例えば、図6に示すような略放物線状の曲
面38を加工する場合には、まず、最も曲率の大きい部
位Pを含む中心部分に対してエンドミル16を軸方向
(図の奥行き方向)に切り込み(同図)、次いでこの
エンドミル16と工作物30とをエンドミル16の軸方
向と直交する方向(図の上下方向及び左右方向)に相対
移動させて上記中心部分から曲面の一方の端部に至るま
での領域を加工し(同図)、次いで他方の端部と上記
中心部分との間の領域を加工するようにすればよい(同
図)。また、加工対象となる曲面には、曲率が0であ
る面すなわち平面が一部含まれていてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明は、曲率が変化する
曲面をエンドミルで切削加工するにあたり、エンドミル
の外周面の曲率に最も近い部分を含む特定部分に対して
エンドミルをその回転に伴って切削刃が進行する方向と
逆の方向に切り込むことにより、この切込み力とエンド
ミルの回転に伴う引張力とを相殺し、その後、エンドミ
ルの軸方向と直交する方向に当該エンドミルと工作物と
を相対移動させて他の部分を切削加工するものであるの
で、工作物の把持力を特に増加させることなく、加工対
象曲面全域を良好に切削加工できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法が実施される加工装置の一例として
示されるスクロール加工装置の全体斜視図である。
【図2】上記加工装置に備えられるNC制御装置の機能
構成を示すブロック図である。
【図3】本発明方法による工作物の加工手順を示す説明
図である。
【図4】(a)(b)(c)は上記スクロール状工作物
におけるインボリュート曲線部の内壁面を加工する様子
を示す正面図である。
【図5】(a)(b)は上記スクロール状工作物におけ
るインボリュート曲線部の外壁面を加工する様子を示す
正面図、(c)は上記スクロール状工作物における中心
部を加工する様子を示す正面図である。
【図6】略放物線状の曲面の加工に本発明方法を適用し
た例を示す断面図である。
【図7】スクロール状工作物の一例を示す正面図であ
る。
【図8】上記スクロール状工作物がチャックにより把持
されている様子を示す断面側面図である。
【図9】上記スクロール状工作物の壁面がエンドミルで
加工されている様子を示す断面側面図である。
【図10】従来の方法による工作物の加工手順を示す説
明図である。
【図11】従来の方法による加工中での工作物とエンド
ミルとの接触長さの変化を示すグラフである。
【図12】エンドミルの回転に伴ってその螺旋状切削刃
が進行する方向を説明するための説明図である。
【符号の説明】
15 チャック 16 エンドミル 16a 切削刃 30 工作物 32 スクロール状壁 34 中心部 35 インボリュート曲線部 35A インボリュート曲線部の外壁面 35B インボリュート曲線部の内壁面 38 略放物線状の曲面 40 NC制御装置 BC インボリュート曲線の基礎円 Ow インボリュート曲線の基礎円の中心 ro インボリュート曲線の基礎円の半径

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 場所によって曲率が変化する曲面をもつ
    工作物を把持し、その曲面に回転するエンドミルの側面
    を当てながら当該曲面を切削加工する方法において、上
    記曲面のうち上記エンドミルの外周面の曲率に最も近い
    部分を含む特定部分に対してエンドミルをその回転に伴
    って切削刃が進行する方向と逆の方向に切り込むことに
    より上記特定部分を切削加工した後、このエンドミルの
    軸方向と直交する方向に当該エンドミルと工作物とを相
    対移動させて上記特定部分以外の曲面部分を切削加工す
    ることを特徴とする曲面加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の曲面加工方法において、
    上記特定部分は上記曲面の途中部分であり、この特定部
    分を切削加工した後、このエンドミルの軸方向と直交す
    る方向に当該エンドミルと工作物とを相対移動させて上
    記特定部分から曲面の一方の端部に至るまでの部分を切
    削加工し、次いで、当該曲面の他方の端部と上記特定部
    分との間の部分を切削加工することを特徴とする曲面加
    工方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の曲面加工方法において、
    上記曲面は、中心部から径方向外側にインボリュート曲
    線状のスクロール壁が展開された工作物の当該壁面であ
    り、この工作物に対し、上記中心部もしくはその近傍の
    特定部分にエンドミルをその回転に伴って切削刃が進行
    する方向と逆の方向に切り込むことにより当該特定部分
    を切削加工した後、上記工作物を上記インボリュート曲
    率の基礎円中心回りに回転させながらエンドミルの軸方
    向と直交する方向に当該エンドミルと工作物とを相対的
    に直線移動させて上記特定部分以外の部分を切削加工す
    ることを特徴とする曲面加工方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101747551B1 (ko) * 2015-12-02 2017-06-14 (주)금강칠판교구산업 승강식 다용도 칠판

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KR101747551B1 (ko) * 2015-12-02 2017-06-14 (주)금강칠판교구산업 승강식 다용도 칠판

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JPH11291110A (ja) 1999-10-26

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