JP3852064B2 - 乾式流水検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スプリンクラ消火設備などの防災設備等に用いられる乾式流水検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乾式流水検知装置は、弁体の一次側に圧力水を張り、その二次側に圧縮空気を充填しているが、更に、二次側の貯溜部に初期水を注入せしめて弁体のシールの強化を図っている。この初期水は、二次側水の排水後、注水弁を介してシールレベルになるまで貯溜部に供給される。
【0003】
この装置では、二次側の圧縮空気が放出されると、弁体が開き一次側の水が二次側に流入する。この時、弁座に設けた流水検知孔に水が入るので、一次側の消火水が二次側に流出したことを検出することが出来る。
放水終了後、弁体を閉じる時には、一次側に設けた排水弁を開いて二次側水を放出させるとともに、該注水弁を開けて初期水をシールレベルになるまで貯溜部に供給する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の乾式流水検知装置には、次の様な問題がある。
(1)一次側に排水弁があるため、二次側水の排水途中に弁体が自重により落下し着座すると、二次側に多量の水が残ることになる。
そこで、弁体解放手段、例えば、弁体の移動軌跡内に出入り可能なロックバーを設け、二次側排水中に閉弁しない様にしなければならない。
そのため、操作が煩雑となり復旧作業が面倒となる。
【0005】
(2)二次側水を抜いて閉弁した後、注水弁から初期水を注入しなければならないので操作が煩雑となり、復旧作業が面倒となる。
【0006】
この発明は上記事情に鑑み、簡単に復旧作業が行える様にすることを目的とする。
【0007】
この発明は、弁本体の一次側に圧力水を張り、その二次側に圧縮空気を充填し、前記弁本体内の二次側に設けた貯溜部に、弁体をシールする初期水を充填するとともに、前記二次側の水を排出させる排水手段を設けた乾式流水検知装置であって;該排水手段が、前記貯溜部の上部に連通するバルブ付き排水管であり、該貯留部にシールレベルの初期水を残して排水させることを特徴とする乾式流水検知装置、である。
【0008】
この発明は、前記バルブ付き排水管にバルブ付き給水管が連結されていることを特徴とする乾式流水検知装置、である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明者は、乾式流水検知装置の復旧作業時に、二次側水を一旦全部排出し、その後二次側に初期水を注入することが復旧作業に手間がかかり、面倒にしている原因であると考えるとともに、二次側水を全部排出せずに、その一部を初期水として利用出来るようにすれば良いことに気が付いた。
【0010】
そこで、本発明者は、二次側の排水手段を、シールレベルの初期水を残して排水する様に構成することにより、前記問題を解決した。
この排水手段として、例えば、バルブ付き排水管が用いられ、この排水管は初期水の貯溜部の上部に連通している。
【0011】
弁体の二次側に初期水の注入手段、例えば、バルブ付給水管を設ける。
この給水管は前記排水管に連結されているが、両者を別系列に配設しても良いことは勿論である。
なお、通常、シールレベルの初期水を貯溜部に貯溜するためには、前記バルブ付き排水管があれば足りるが、特殊な事情がある場合には前記バルブ付き給水管が必要なこともある。
【0012】
【実施例】
この発明の第1実施例を図1により説明する。
弁本体1の連通口2に弁座3が設けられ、該弁座3には流水検知孔5が設けられている。該弁座3には弁体6が着座しているが、この弁体6は回動自在なクラッパ式弁体である。なお、流水検知孔5は図示しない流水検知用の、例えば、圧力スイッチと連動している。
【0013】
弁体6の二次側7には貯溜部8が設けられ、この貯溜部8にはシーレルベル、即ち、弁体6のシール効果を高めることができる水位H、例えば、弁体6が隠れる程度の水位、に初期水Wが張られている。
【0014】
この貯溜部8の上部にバルブ10a付排水管10が設けられている。この排水管10にはバルブ11a付き給水管11が設けられている。
この給水管11は該排水管10より小径に形成されている。なお、この給水管11は該排水管10と同径又は大径に形成されるようにしてもよい。
【0015】
圧縮空気CAが充填されている弁体6の二次側7はスプリンクラヘッド14に連通し、又、その一次側15はポンプ16を介して水源18に連通している。
なお、この圧縮空気CAは排水管10に接続される圧縮空気供給弁(図示せず)から供給される。
【0016】
次に本実施例の作動について説明する。火災の発生によりスプリンクラヘッド14aが解放されると、二次側7に充填されていた圧縮空気が放出され、二次側圧が急激に低下する。
【0017】
そうすると、連通口2を閉鎖している弁体6は、その上下面における押圧力のバランスが崩れるので、開弁方向に移動する。そのため、開弁し一次側15の水W1は二次側7に流入し、スプリンクラヘッド14aから放出される。
【0018】
この時、流水検知孔5に水が流入すると、圧力スイッチがONして流水警報を発すると共に、ポンプ16を起動させるので、水源18の水は一次側15に圧送され、連通口2を通って二次側に流入する。
【0019】
消火作業終了後、ポンプ16を停止すると、弁体6は自重により落下して着座するので、閉弁となる。ここで、排水管10のバルブ10aを開けると、二次側7水は該排水管10を介して排水設備などに排出される。
この時、該排水管10が初期水の貯溜部8の上部に連通しているのため、二次側水がシールレベルHになるまで排出されるが、それ以上排水されない。即ち、貯溜部8の水位は必ずシールレベルになる。
この時、排出される水の中に空気が混ざることにより、排水管10内において突然大きな音がし、水の排出から空気の排出に変わったことがわかるので、排水管10のバルブ10aを閉じる。
【0020】
この様に、排水管10のバルブ10aを開けるだけで、確実にシールレベルHの水位を貯溜部8に溜めることが出来るとともに、不要な二次側水を排出することができる。
【0021】
なお、二次側排水時に、圧縮気体により二次側水を加圧すると、排水が促進され、復旧作業を更に迅速に行うことができる。又、弁本体1を新しく設置した場合や弁体内部を掃除するために解体した場合などで弁体6が閉弁状態の場合には、貯溜部8には全く水は溜っていないので、給水管11のバルブ11aを開き、外部から水を注入する。ここで、排水管10のバルブ11aを開いておくと、該排水管10が貯溜部8の上部に連通しているため、2次側水がシールレベルHを超えると、当該超えた分だけが排水管10から排出される。即ち、貯溜部8の水位は、外部から水を所定時間より長く注入さえすれば、貯溜部8の水位は必ずシールレベルとなる。
【0022】
この発明の第2実施例を図2により説明する。この実施例と第1実施例(図1)との主な相違点は、弁体として、クラッパ式弁の代わりにダブルピストン式の玉型弁を用いたことである。
この玉型弁は、ロッド25に間隔をおいて固定された主弁体26と補助弁体(バランサ)27とにより構成され、弁本体21の軸心方向に対し直角に摺動する。 つまり、弁体26の2次側7には貯溜部8が設けられ、この貯溜部8にはシールレベル、即ち、弁体26のシール効果を高めることができる水位、例えば、弁体26が隠れる程度の水位H、に初期水Wが張られている。
この貯溜部8の上部にバルブ10a付排水管10が設けられている。この排水管10には、バルブ10a付給水管11が設けられている。
【0023】
火災の発生によりスプリンクラヘッド14aが開放され二次側圧が低下すると、アクセラレータ30が開弁して加圧室28内に二次側の圧縮空気が流れ込むので、バランサ27は弁体26側に押圧される。そのため、弁体26の開弁力は増強されるので、迅速に開弁することができる。
【0024】
なお、開弁により流水検知孔5に水が流入すると、圧力スイッチ37がオンし、ポンプ16を起動させると共に、流水警報を発する。
【0025】
【発明の効果】
この発明は以上の様に構成したので、排水手段を作動させるだけで、貯溜部にシールレベルの初期水を貯溜することができる。そのため、従来例に比べ復旧作業を簡単、かつ、迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 弁本体
2 連通口
6 弁体
7 二次側
8 貯溜部
10 排水管
11 給水管
15 一次側

Claims (2)

  1. 弁本体の一次側に圧力水を張り、その二次側に圧縮空気を充填し、前記弁本体内の二次側に設けた貯溜部に、弁体をシールする初期水を充填するとともに、前記二次側の水を排出させる排水手段を設けた乾式流水検知装置であって;
    該排水手段が、前記貯溜部の上部に連通するバルブ付き排水管であり、該貯留部にシールレベルの初期水を残して排水させることを特徴とする乾式流水検知装置。
  2. バルブ付き排水管にバルブ付き給水管が連結されていることを特徴とする請求項記載の乾式流水検知装置。
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