JP3851430B2 - 交通情報表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は交通情報表示装置に係り、例えば、道路の交通量等を撮影した映像を画像情報として車両内に画面表示することで交通状況を認識する交通情報表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
道路の混雑状況等を知る場合、従来では、FM放送による道路交通情報を受信したり、交通情報センターに電話で問い合わせることで、「○○地点から××地点まで何キロの渋滞」と所定箇所や所定道路の混雑状況の概要を知るようにしている。
また、実際の道路状況を撮像した画像を受信して表示することでリアルタイムな画像から道路の混雑状況を知る方法も考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、FM放送や電話等による音声を媒介とした混雑状況では、現時点における実際の混雑状態を具体的に認識しづらかった。
一方、所望の地点で撮像された現時点での画像を受信して表示する場合には、実際の状況を具体的に確認することができるが、現時点において通常よりも混雑しているのか否かを把握することができなかった。
そこで本発明は、所定地点における交通状況をより的確に認識することが可能な交通情報表示装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明では、複数の地点に配置された撮像装置のなかから所定の撮像装置を指定する撮像装置指定手段と、年月日、曜日、期間のうちの少なくとも1つを指定する年月日等指定手段と、前記撮像装置指定手段で指定された撮像装置によって撮像された現時点でのリアルタイム画像を取得するリアルタイム画像取得手段と、前記年月日等指定手段で指定された年月日、曜日、期間のうちの少なくとも1つに基づき、前記撮像装置指定手段で指定された同一の撮像装置により過去に撮像された過去画像を取得する過去画像取得手段と、前記リアルタイム画像取得手段で取得されたリアルタイム画像と、前記過去画像取得手段で取得された過去画像とを併せて表示する表示手段と交通情報表示装置に具備させて前記目的を達成する。
請求項2に記載した発明では、請求項1に記載の交通情報表示装置において、前記表示手段は、前記取得した過去画像が撮像された時点の、前記撮像装置による撮像地点から所定地点までの通過時間が、該過去画像に関連付けられている場合に、前記リアルタイム画像取得手段で取得されたリアルタイム画像と、前記過去画像取得手段で取得された過去画像と、前記、前記過去画像に関連付けられている通過時間と、を併せて表示する、ことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の交通情報表示装置における好適な実施の形態について、図1から図7を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態では、同一地点に配置されたカメラ(撮像装置)により、現時点で撮像されたリアルタイム画像(基地局21における画像要求データ受信時から5分前以内に撮像された画像)と、過去の時点で撮像された比較基準画像(過去画像)とを取得し、両者を並べて表示装置に同時に表示する。つまり、特定の地点に設置された撮像装置で撮像されたリアルタイム画像と、このリアルタイム画像よりも以前に同一の撮像装置で撮像された過去の画像とを表示装置に併せて表示する。
ユーザは、リアルタイム画像に写されている車両数や密度と、比較基準画像像に写されている車両数や密度とを比較することで、同一地点における過去の走行状態と最新の走行状態とを視覚的に比較することができ、混雑状況に関して大まかに把握することが可能になる。特に過去画像として、同一曜日の同一時刻(近辺)を指定して取得、表示することで、より正確な道路状況を把握することが可能になる。
リアルタイム画像については、各地点に配置されたカメラで道路状況を撮像した画像を収集する基地局から送信してもらうことで取得する。取得したリアルタイム画像は、ユーザ操作により必要に応じて、撮像したカメラ番号、撮像日時、その地点から所定地点までの通過時間(ユーザが編集により入力する)等と共に過去画像として自車両の画像データベースに格納しておく。
比較基準画像は、この自車両の画像データベースに格納してた過去画像から取り出す方法と、情報センタから参考データとしてその都度送信してもらう方法とがある。
【0006】
(2)実施形態の詳細
図1は、本実施形態の交通情報表示装置が使用される交通情報表示システムのシステム構成を表したものである。
この図1に示すように、交通情報表示システムは、車両側1と、道路状況を撮像した画像の撮像や収集を行う基地局側2とで構成されており、車両側1と基地局側2とは、無線による電話回線等の無線通信網(衛星通信を含む)により接続可能になっている。
【0007】
車両側1には、撮像日時や撮像カメラ等の情報と共に過去画像が格納される画像データベース153を備えた本実施形態の交通情報表示装置が配置される。この車両側1に配置された交通情報表示装置から基地局21に対して、リアルタイム画像と比較基準画像(過去画像)等の画像要求データが送信されるようになっている。
【0008】
一方、基地局側2には、各地点における交通走行情報を撮像するカメラ23a、23b、…が所定地点に配置され、これらの各カメラ23は、通信網22を介して、基地局21に送信されるようになっている。
通信網22は、撮像した画像データを高速で基地局21に送信するために、例えばISDN回線や有線による専用の通信回線が使用されるが、その他、衛星通信を含めた無線通信網を使用するようにしてもよい。
カメラ23は、基地局21から遠隔制御できるようになっており、基地局21からの制御信号に従って定期的に又は制御信号の受信時に所定エリアの撮像を行う。カメラ23は、画像の撮像及び画像圧縮の機能を有しており、撮像した画像データを圧縮して基地局21に送信する。画像圧縮については、画像圧縮用のボード(プリント板)により処理されるが、ソフトJPEG等のようにソフトウエアによる処理で圧縮するようにしてもよい。
基地局21では、カメラ23から受信した圧縮画像を、撮像カメラ番号や撮像日時等の撮像データと共に画像データベース24に格納する。
【0009】
ここで、カメラ23が行う画像圧縮としては、周知のJPEG、特開平5−227547号公報に記載されてたFST圧縮、特開平8−154261号公報に記載されたTIM圧縮その他の画像圧縮方法を用いて圧縮したのちに基地局に送信するようになっている。
【0010】
ここでFST圧縮は、A/D変換したビデオ信号を2種類の参照値の一方を表す複数のピクセルとビットマップとからなるマトリクスのブロックにコード化し、コード化されたブロック内の非冗長性情報を発見し特定しコード化し、各ブロックを直前のフレームの対応するブロックと比較することにより、ブロック間の冗長性およびフレーム間の冗長性を除去し、更に、現在のカラー値を直前のカラー値に対する差の形でコード化することにより情報量を圧縮するものである。このFST圧縮は、RGBデータに対して、n×mビットからなるブロックに対して、輝度値および2つのカラーAカラー又はBカラーのいずれがその各ピクセルを示すかを表すビットマップ(bm)からなる、ブロック成分を生成する。そして、生成したブロック成分を、本実施形態における符号化部と類似方法により、前のブロック、直前のフレームと比較して所定の符号化規則に従って符号化するものである。
【0011】
また、TIM圧縮は、圧縮画像データの伸張処理を画像データ受信装置側で容易に行うことができるようにした画像圧縮の方法である。TIM圧縮は、画像圧縮に当たって、(1)人間の目は輝度変化には敏感であるが色変化には鈍感であるという性質、(2)画像を構成するピクセルを適当にブロック化したときに多くの自然画像で概ね成立する1ブロック内には通常2色しか存在しないという仮定に基づいて画像圧縮を行うものである。
すなわち、各ピクセルデータが輝度信号Yと色差信号U、Vで構成された画像データを分割し、n×m(通常は4×4)からなるブロックデータを生成する。そして、生成したブロックを表す、輝度信号と色差信号とを有する第1色成分(y1、u1、v1)と第2色成分(y2、u2、v2)の2色と、第1色成分と第2色成分の分布を示すn×mのビットマップとからなるブロック成分を生成することでデータを圧縮する。
そして、生成したブロック成分を、そのブロック成分と、ブロック成分が一致または最も類似している類似ブロックを選択し、この類似ブロックを示すコードデータと、類似ブロックのブロック成分に対する差分データとから符号化することで、更にデータを圧縮し、画像データ受信装置に送信するようにした圧縮技術である。
【0012】
基地局21では、車両側1の交通情報表示装置から送信される画像要求データに応じて、カメラ23から受信した画像、又は/及び、画像データベース24から読み出した画像を、撮像データと共にレスポンスデータとして車両側1の交通情報表示装置に送信する。
【0013】
図2は、車両側1に配置された交通情報表示装置の構成を示すブロック図である。
この図2に示すように交通情報表示装置は、運転者等によって指定されたカメラ番号のカメラ23で撮像した画像の送信要求や、受信した画像データを使用してリアルタイム画像と過去画像を比較して表示する画像比較表示処理等の処理や、装置全体の制御・演算処理や、運転者に対して目的地までの経路案内等の各種処理を行う全体制御部10を備えている。
また、交通情報表示装置は、入力部12、出力部13、現在位置検出部14、主記憶部15、及び通信制御部16、図示しないその他の各部を備えており、これら各部はデータバス等のバスライン11を介して全体制御部10に接続されている。
【0014】
全体制御部10は、データ処理及び各部に対する各種制御を行うCPU(中央処理装置)101を備えており、このCPU101にはバスライン11により主記憶部15等の他、ROM102、RAM103、タイマ104が接続されている。
【0015】
ROM102は、CPU101で制御を行うための各種データやプログラムが予め格納されたリードオンリーメモリである。
RAM103は、CPU101がワーキングメモリとして使用するランダムアクセスメモリである。このRAM103には、基地局21から受信するリアルタイム画像を格納するエリア1031、基地局21から受信した比較基準画像又は主記憶部15から読み出した比較基準画像を格納するエリア1032、その他の各種エリアが確保されるようになっている。なお、リアルタイム画像エリア1031と比較基準画像エリア1032には、それぞれ圧縮された状態の画像データと、これを伸張した後の画像データとの双方を格納するエリアが確保されるようになっている。
【0016】
本実施形態の全体制御部10では、CPU101がROM102に格納された各種プログラムを読み込んで、車両走行情報提供プログラム等の各種処理を実行するようになっている。
なお、CPU101は、記録媒体駆動装置121にセットされた外部の記録媒体からコンピュータプログラムを読み込んで、バスライン11により接続された図示しないハードディスク等の記憶装置に格納(インストール)し、この記憶装置から必要なプログラム等をRAM103に読み込んで実行するようにしてもよい。また、必要なプログラム等を記録媒体駆動装置121からRAM103に直接読み込んで実行するようにしてもよい。
タイマ104は、各部における各種操作や処理等が行われた時刻を記録する場合や、現在の時刻を調べる場合に使用される。
【0017】
入力部12は、記憶媒体駆動装置121、マイク123が接続された音声認識部122、入力装置124、及びタッチパネル125を備えている。
出力部13は、表示装置131、スピーカ133が接続された音声制御部132を備えている。
【0018】
入力部12の記憶媒体駆動装置121は、CPU101が各種処理を行うためのコンピュータプログラムを外部の記録媒体から読み込むのに使用される駆動装置である。この記録媒体に記録されているコンピュータプログラムには、各種のプログラムやデータ等が含まれる。
ここで、記録媒体とは、コンピュータプログラムが記録される記録媒体をいい、具体的には、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、メモリチップやICカード等の半導体記録媒体、CD−ROMやMO、PD(相変化書換型光ディスク)等の光学的に情報が読み取られる記録媒体、紙カードや紙テープを用いた記録媒体、その他各種方法でコンピュータプログラムが記録される記録媒体が含まれる。
記憶媒体駆動装置121は、出力部13の一部として機能することも可能であり、各種記録媒体からコンピュータプログラムを読み込む他に、記録媒体がフロッピーディスクのように書き込み可能な記録媒体である場合には、RAM103や主記憶部15の各種データ等をその記録媒体に書き込むことが可能である。
【0019】
音声認識部122は、マイク123から入力される音声信号をディジタル信号に変換し、このディジタル信号から特徴パラメータを抽出し、この特徴パラメータを標準パターンと比較して、入力された音声を認識し、認識した音声の内容に従って、交通情報表示装置に対する入力信号を生成するようになっている。
入力装置124は、各種操作を行ったりデータを入力したりするためのものであり、キーボード、マウス、ライトペン、ジョイスティック、赤外線等によるリモコンなどの各種の装置が使用可能である。入力装置132には、赤外線等を利用したリモコンと、リモコンから送信される各種信号を受信する受信部を備えてもよい。リモコンには、画面上に表示されたカーソルの移動操作等を行うジョイスティックの他、メニュー指定キー(ボタン)、テンキー等の各種キーが配置される。
タッチパネル125は、表示装置131のディスプレイ表面に配置され、ディスプレイの画面に表示されたキーやメニューを指等で触れることにより、触れた位置に表示されているキー等が入力されるようになっている。
【0020】
出力部13の表示装置131は、通常の経路案内用の道路地図の他、各種画像や文字情報を表示するようになっており、液晶表示装置、CRT、プラズマディスプレイ等の各種表示装置が使用される。
音声制御部132は、CPU101からの指令に従って入力内容の確認等の音声を合成して出力するようになっている。この、音声制御部132は、入力部12のマイク123とともにハンズフリーユニットを形成させて、基地局21との音声モードによる通信を通信制御部16を介して行うようにしてもよい。
スピーカ133は、オーディオ用のスピーカと兼用するようにしてもよい。
【0021】
現在位置検出部14は、緯度、経度による車両の絶対位置を検出するためのものであり、人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)受信装置141と、路上に配置されたビーコンからの位置情報を受信するビーコン受信装置142と、方位センサ143と、距離センサ144、舵角センサ145等が使用される。
GPS受信装置141とビーコン受信装置142は単独で位置測定が可能であるが、GPS受信装置141やビーコン受信装置142による受信が不可能な場所では、方位センサ143と距離センサ144の双方を用いた推測航法によって現在位置を検出するようになっている。
方位センサ143、例えば、地磁気を検出して車両の方位を求める地磁気センサ、車両の回転角速度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガスレートジャイロや光ファイバジャイロ等のジャイロ、左右の車輪センサを配置しその出力パルス差(移動距離の差)により車両の旋回を検出することで方位の変位量を算出するようにした車輪センサ、等が使用される。
舵角センサ145は、ステアリングの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転抵抗ボリューム等を用いてステアリングの角度αを検出する。
【0022】
主記憶部15には、描画地図データファイル151、道路データファイル152、画像データベース153、カメラ位置データファイル154、その他のデータファイル155が格納されるようになっている。この 主記憶部15は、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、CD−ROM、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光カード等の各種記録媒体と、その駆動装置が使用される。なお、主記憶部15は、複数種類の異なる記録媒体とその駆動装置とで構成するようにしてもよい。
【0023】
主記憶部15の描画地図データファイル151には、表示装置131に描画される地図データが格納されている。この地図データは、階層化された地図、例えば最上位層から日本、関東地方、東京、神田といった階層ごとの地図データが格納されている。各階層の地図データは、それぞれ地図コードが付されている。
道路データファイル152には、道路番号や、各道路の太さ、各道路の始点となる交差点の交差点番号、各道路の終点となる交差点の交差点番号、各交差点の座標、各交差点での信号の有無、各交差点での進入禁止の情報等の各種データが格納されている。
【0024】
画像データベース153には、基地局21から受信したリアルタイム画像及び新たに受信した比較基準画像が、共に比較基準画像として圧縮状態で格納されるようになっている。この画像データベース153に格納される比較基準画像には、基地局から送信される撮像カメラ番号や撮像日時等の撮像データや、カメラ地点から所定地点までの距離(例えば、カメラ地点=「多摩川通り上馬」から、所定地点=「瀬田」までの距離)や通過時間等の走行データが各画像に関連付けて格納されるようになっている。
走行データは、通常、運転者等のユーザによって所定地点通過後に入力部12から入力されるが、所定地点が予め指定されている場合には、現在位置検出部14がカメラ地点や指定されている所定地点を検出し、その間の通過時間が自動的に入力される。この走行データのうち、リアルタイム画像に対応する走行データが交通情報表示装置の画像データベース153に入力されると、走行データは、リアルタイム画像を特定するためのデータ(撮像カメラ番号、撮像日時、画像データ要求日時)と共に自動的に基地局21に送信される。基地局21では受信した走行データを該当する画像データ(リアルタイム画像)に関連付けて、画像データベース24に格納する。
カメラ位置データファイル154には、基地局側2に配置された各カメラ23a、23b、…を交通情報表示装置で指定するための情報として、カメラ番号、カメラが配置されている座標(緯度、経度)、カメラ配置場所や施設の名称(多摩川通り上馬、東名高速横浜インター入口等)等が格納されている。
【0025】
その他のデータファイル155には、例えば、基地局21に対するユーザIDが決められている場合には、そのユーザIDが格納され、交通情報提供局との間でデータの送受信を行う場合に使用される。
【0026】
通信制御部16は、基地局21等との間で電話回線等を利用した無線通信(衛星通信を含む)を行うためのものである。この通信制御部16は、例えば、自動車電話や、各種形態電話等の無線通信機器の接続端子を備えており、基地局21に対して、画像要求データを送信するようになっている。
【0027】
次に、このように構成された交通情報表示装置を用いて、所定地点のカメラ23で撮像された現在と過去の道路状態を比較して表示装置131に表示する場合の、ユーザ操作および表示画面について、図3(a)から図5(g)を使用して説明する。
まずユーザは、図3(a)に示すメニュー画面を表示装置131に表示させ、「ライブカメラ」キーを選択する。キー選択は、マイク123から「ライブカメラ」と音声入力して音声認識部122に認識させることにより、タッチパネル125の該当部分に触れることにより、または、ジョイスティック等の入力装置124の操作により、キー選択する(以下、交通情報表示装置に対する各種入力やキー選択は、音声認識部122による音声入力、ジョイスティックやキーボード等をしようした入力装置からの入力、タッチパネル125による入力のいずれの場合も含むものとする。以下同じ。)。
【0028】
「ライブカメラ」キーが選択されると、図3(b)に示すモード選択画面が表示される。ユーザはこのモード選択画面において、通常モードと比較モードのいずれかを選択する。
通常モードが選択されると、その後に指定されるカメラ23によって、基地局21に対する画像要求データの送信時刻前5分以内に撮像されたリアルタイム画像のみが表示装置131に表示される。
比較モードが選択されると、その後に指定されるカメラ23によって撮像されたリアルタイム画像と、比較基準画像として指定された過去画像(過去に撮像された画像)とが表示装置131に比較表示される。
【0029】
このモード選択画面で通常モードまたは比較モードが選択されると、図3(c)に示すように、カメラ23a、23b、…のいずれのカメラ(地点)で撮像された画像を表示するかを指定するカメラ指定画面が表示される。
このカメラ指定画面において、「直接入力」キーが指定されると、全体制御部10は、表示装置131にテンキー等を表示し、カメラ番号を直接入力することが可能になる。
また、「地図上で選択」キーが指定されると、全体制御部10は、主記憶部15の描画地図データ151とカメラ位置データ154に基づいて、表示装置131上の地図中にカメラ位置マーク(アイコン)とカメラ番号を表示する。ユーザは、地図上に表示されたカメラ位置マークの選択、またはカメラ番号の入力によりカメラを選択する。
「リストから選択」キーが指定されると、全体制御部10は、主記憶部15のカメラ位置データ154から、各カメラ番号、座標、カメラ配置場所や施設の名称等を表示したカメラリストを表示装置131に表示する。ユーザは、表示されたリストから、いずれか1つのカメラを選択する。
【0030】
カメラの選択が終了すると、全体制御部10は、通常モードであれば選択されたカメラ番号を画像要求データとして通信制御部16を介して基地局21に送信する。
一方、比較モードであれば全体制御部10は、図4(d)に示すように比較基準画像特定画面を表示する。この比較基準画像特定画面において、ユーザは、リアルタイム画像と比較して表示したい比較基準画像を指定する。この画面においてユーザは、特定の年月日に撮像された過去画像を比較基準画像としてリアルタイム画像と比較表示したい場合には「年月日」キーを選択し、過去3週間のその日と同一曜日の画像を比較表示したい場合には「曜日」キーを選択し、任意の希望する期間内に撮像された過去の画像を比較表示したい場合には「期間」キーを選択する。
【0031】
比較基準画像特定画面において、比較基準画像の日にちまたは期間が特定されると、全体制御部10は、図4(e)に示す時間指定画面を表示する。この画面においてユーザは必要に応じて「時間指定」キーの選択後に比較基準画像として採用する過去画像の撮像時間を入力することができる。
時間指定の後、または、「変更なし」キーの選択後、全体制御部10は、図5(f)に示す入力内容確認・送信画面を表示装置131に表示する。ユーザは表示された内容でよければ「送信」キーを選択し、誤りがあれば「中止」キーを選択して最初から設定をやり直す。
送信キーが選択されると全体制御部10は、ユーザの入力内容に応じた画像要求データを作成して基地局21に送信し、対応する画像データの受信後、図5(g)に示すように、リアルタイム画像Aと比較基準画像B〜Dとを同時に表示する。この図に示されるように、選択したカメラ設置地点における道路の混雑状況が、現時点における画像だけでなく、同一カメラによる(同一地点における)過去の画像と比較して表示されるので、運転者等のユーザは過去の時点と比較した現在の混雑の程度を直感的に認識することができる。
また、図5(g)に示されるように、比較基準画像については、撮像日時だけでなく、比較基準画像と共に走行データが存在する場合には、カメラによる撮像地点から所定地点までの通過時間についても表示される。このため、このリアルタイム画像Aと混雑状況が同程度の比較基準画像(画面の左側車線を走行している場合であれば比較基準画像C)に表示されている通過時間から、だいたいの通過時間を予測することが可能になる。
【0032】
次に、交通情報表示装置における比較基準画像の表示処理、及び基地局21における画像送信処理について説明する。
図6は、交通情報表示装置における比較基準画像の表示処理を表したフローチャートである。
全体制御部10は、図3(a)〜図5(f)までのユーザ操作によって入力される、カメラ番号と比較基準画像に関するデータを取得しRAM103の所定エリアに格納する(ステップ11)。
そして、全体制御部10は、取得した比較基準画像に対応する過去画像が、車両内データベース即ち主記憶部15の画像データベース153内に存在するか否かを判断する(ステップ12)。
【0033】
取得した比較基準画像が車両内の画像データベース153内に格納されている場合(ステップ12;Y)、全体制御部10は、該当する比較基準画像を読み出し、RAM103の比較基準画像格納エリア1032(圧縮画像用エリア)に格納する(ステップ13)。
一方、比較基準画像が車両内の画像データベース153内に格納されていない場合(ステップ12;N)、ステップ14に移行する。
【0034】
次に、全体制御部10は、ステップ11で取得したデータから、基地局21に送信する画像要求データを作成する(ステップ14)。すなわち、全体制御部10は、カメラ番号、リアルタイム画像の送信要求データ、比較基準画像の内容を示すデータ(撮像年月日、曜日、期間等)からなる画像要求データを作成する。なお、比較基準画像の内容を示すデータは、必要な比較基準画像のすべてが画像データベース153内に存在する場合には不要であり、一部のみが存在する場合(例えば、1週間前の比較基準画像は画像データベース153に存在するが2週間前と3週間前の画像は格納されていない場合)には不足分の比較基準画像の内容を示すデータから画像要求データを作成する。
【0035】
次に全体制御部10は、図5(f)に示す入力内容確認・送信画面において、「送信」キーが選択されたか否かを判断する(ステップ15)。
「送信」キーが選択された場合(ステップ15;Y)、全体制御部10は、通信制御部16により基地局21との無線通信回線を接続し、作成した画像要求データを送信し(ステップ16)、基地局21からの画像データの送信を待つ(ステップ17)。
一方、「中止」キーが選択された場合(ステップ15;N)には、メインルーチンにリターンする。
【0036】
図7は、基地局21における画像送信処理の動作を示すフローチャートである。
基地局21の図示しない制御部は、各交通情報表示装置からの無線通信による画像要求データを受信したか否かを監視しており(ステップ21)、画像要求データを受信すると(;Y)、画像要求データに比較基準画像の送信要求が含まれているか否かを判断する(ステップ22)。
比較基準画像の要求が含まれている場合(ステップ22;Y)、要求された年月日や曜日等における比較基準画像が基地局21内の画像データベース24内に格納されているか否かを確認し、格納されていれば(ステップ23;Y)、画像データを画像データベース24から取得し図示しないRAMに格納する(ステップ24)。ここで、比較基準画像データに通過時間等の走行データが関連付けられている場合には、走行データも併せてRAMに格納する。
【0037】
なお、画像要求データ中に比較基準画像の撮像時間が含まれている場合(図4(e)で指定)には、指定された時間に最も近い時間に撮像されている画像を比較基準画像として採用する。一方、画像要求データ中に撮像時間が含まれていない場合で、要求された年月日や曜日等に要求されたカメラで撮像された画像が複数存在する場合には、ステップ21で画像データを受信した時間に最も近い時間に撮像された画像を比較基準画像として採用する。
【0038】
次に、基地局21の制御部は、交通情報表示装置から要求されているカメラ番号に対応するカメラで撮像されたリアルタイム画像が基地局内の画像データベース24に格納されているか否かを確認する。すなわち、制御部は、画像要求データを受信した時(ステップ22;Y)から所定時間T以内に、指定されたカメラ番号のカメラで撮像された画像が存在するか否かを判断する。
ここで所定時間Tとしては、例えば、5分間が予め設定されているが、他に、3分、10分、20分、30分、1時間等であってもよい。また、所定時間Tを交通情報表示装置側のユーザが設定できるようにし、所定時間Tを画像要求データに含めるようにしてもよい。
【0039】
リアルタイム画像が基地局内の画像データベース24内に存在しない場合、基地局21の制御部は、要求されているカメラ番号に対応するカメラ23に対して、通信網21を介して画像の撮像を指示する(ステップ26)。
そして制御部は、カメラ23で撮像され圧縮された画像を通信網22を介して取得し、基地局21内の画像データベース24に格納し(ステップ27)、ステップ24に移行する。
【0040】
ステップ24において、リアルタイム画像が基地局21内の画像データベース24内に存在する場合(ステップ25;Y)、すなわち、今回の処理におけるステップ26、27で格納された場合、または、他の交通情報表示装置に対するリアルタイム画像の送信のためにリアルタイム画像が既に格納されていた場合、リアルタイム画像データを基地局21内の画像データベース24から取得し、RAMに格納する(ステップ28)。
【0041】
以上の処理によって取得した画像要求データに対する画像データから、交通情報表示装置に送信するレスポンスデータを作成する。すなわち、基地局21の制御部は、RAMに格納した各画像データ(リアルタイム画像及び比較基準画像)とその撮像日時、存在する場合には通過時間等の走行データ(比較基準画像の場合のみ)からレスポンスデータを作成し(ステップ29)、作成したレスポンスデータを交通情報表示装置に送信して(ステップ30)、メインルーチンにリターンする。
【0042】
一方、交通情報表示装置の全体制御部10では、基地局21からのレスポンスデータを受信すると(図6 ステップ17;Y)、受信したレスポンスデータの撮像日時からリアルタイム画像と比較基準画像とを区別し、RAM103のリアルタイム画像エリア1031及び比較基準画像エリア1032にそれぞれ格納する(ステップ18)。
そして、リアルタイム画像エリア1031と比較基準画像エリア1032に格納されている画像データ(圧縮状態)を、伸張して該当エリアに格納すると共に、図5(g)に示すように、伸張後のリアルタイム画像と比較基準画像の両者を表示装置131に表示する(ステップ20)。その際、各比較基準画像に対して通過時間等の走行データが関連付けられている場合には、併せて表示装置131に表示する。
【0043】
その後全体制御部10は、リアルタイム画像と、基地局21から取得した場合の比較基準画像を過去画像として、その撮像日時や走行データ(存在する場合)と共に画像データベース153に格納して(ステップ20)、メインルーチンにリターンする。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、特定地点において現時点で撮像されたリアルタイム画像だけでなく、同一地点において過去に撮像された比較基準画像を併せて表示装置131に表示するので、運転者等のユーザは過去の時点と比較した現在の混雑の程度を直感的に認識することができる。特に比較基準画像を表示する場合、同一曜日を指定したり、同一時刻(近辺)を指定することができるため、より現状に近い道路状況を把握することが可能になる。
また、比較基準画像と共に走行データが存在する場合には、撮像地点から所定地点までの通過時間についても表示されるので、リアルタイム画像と混雑状況が同程度の比較基準画像に表示されている通過時間から、だいたいの通過時間を予測することも可能になる。
【0045】
なお、以上説明した実施形態では、撮像した画像の圧縮をカメラ23において行ったが、画像圧縮することなく撮像データを通信網22を介して基地局21に送信するようにしてもよい。
この場合、基地局21において、受信した画像データを上記したJPEG、TIM圧縮、FST圧縮等の方法により圧縮して、画像データベースに保存し、また、交通情報表示装置に送信する。基地局21で行う画像圧縮については、画像圧縮用のボード(プリント板)により処理されるが、ソフトJPEG等のようにソフトウエアによる処理で圧縮するようにしてもよい。
【0046】
また、説明した実施形態では、各カメラは23は、上り、下りの両車線を撮像する場合について説明したが、上り車線と下り車線の撮像を2台のカメラで別個に撮像するようにしてもよい。これにより、反対側車線の不要な画像が表示されないので視認性を増すことができる。
【0047】
また、説明した実施形態では、リアルタイム画像と過去画像(比較基準画像)を表示装置131に併せて表示する画像として静止画像を前提に説明したが、本発明では、静止画像に限定されるものではなく動画を使用するようにしてもよい。この場合、各カメラ23a、b、…で撮像した動画の圧縮は、撮像したカメラ23又は基地局21において行い、圧縮方法としてはMPEGUやFST圧縮、TIM圧縮等の動画に対する周知の圧縮方法が使用される。
また、各カメラ23において動画を撮像して基地局21に送信(圧縮、非圧縮のいづれでもよい)し、基地局21において受信した動画から静止画像を取り込んで画像データベース24に格納し、格納した静止画像を交通情報表示装置に送信するようにしてもよい。また、カメラ23から受信した動画を圧縮状態で画像データベース24に格納しておき、交通情報表示装置から要求される画像の種類(動画と静止画像)に応じて、動画を交通情報表示装置に送信し、又は、動画から静止画像を取り込んで送信するようにしてもよい。
基地局21では、各カメラ23から動画を受信することで、撮像道路における車両の平均走行速度を算出し、走行データのうちの1つとして交通情報表示装置に送信することが可能になる。交通情報表示装置では、受信した平均走行速度を他の走行データと共にリアルタイム画像、過去画像(比較基準画像)に表示し、また該当画像データに関連付けて画像データベース153に格納する。車両の平均走行速度をリアルタイム画像に表示することで、運転者等のユーザは、表示装置131に表示されている道路の混雑状況をより多角的に把握することが可能になる。
【0048】
また、以上説明した実施形態では、カメラ23による撮像道路地点における混雑状況を把握する交通情報表示装置について説明したが、請求項3の画像表示装置では必ずしも道路の混雑状況に限定されるものではなく、他の実施形態としてデパートやスーパ等の各売場や通路における顧客の状況や、特定地点における渡り鳥等の動物の移動状況などを、リアルタイム画像と過去画像とを表示装置に併せて比較表示することで把握するようにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】
請求項1および請求項2に記載した発明によれば、撮像装置指定手段で指定された撮像装置によって撮像された現時点でのリアルタイム画像と、同一の撮像装置により過去に撮像された過去画像とを併せて表示するので、所定地点における交通状況をより的確に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態における交通情報表示装置が使用される交通情報表示システムのシステム構成図である。
【図2】同上、交通情報表示装置の構成を表すブロック図である。
【図3】同上、交通情報表示装置を使用する場合のユーザ操作を説明する説明図の一部である。
【図4】同上、交通情報表示装置を使用する場合のユーザ操作を説明する説明図の他の一部である。
【図5】同上、交通情報表示装置を使用する場合のユーザ操作を説明する説明図の他の一部である。
【図6】同上、交通情報表示装置における比較基準画像の表示処理を表したフローチャートである。
【図7】基地局における画像送信処理の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 全体制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
1031 リアルタイム画像エリア
1032 企画基準画像エリア
104 タイマ
12 入力部
121 記憶媒体駆動装置
122 音声認識部
123 マイク
124 入力装置
125 タッチパネル
13 出力部
131 表示装置
132 音声制御部
133 スピーカ
14 現在位置検出部
15 主記憶部
151 描画地図データ
152 道路データ
153 画像データベース
154 カメラ位置データ
155 その他のデータ
16 通信制御部

Claims (2)

  1. 複数の地点に配置された撮像装置のなかから所定の撮像装置を指定する撮像装置指定手段と、
    年月日、曜日、期間のうちの少なくとも1つを指定する年月日等指定手段と、
    前記撮像装置指定手段で指定された撮像装置によって撮像された現時点でのリアルタイム画像を取得するリアルタイム画像取得手段と、
    前記年月日等指定手段で指定された年月日、曜日、期間のうちの少なくとも1つに基づき、前記撮像装置指定手段で指定された同一の撮像装置により過去に撮像された過去画像を取得する過去画像取得手段と、
    前記リアルタイム画像取得手段で取得されたリアルタイム画像と、前記過去画像取得手段で取得された過去画像とを併せて表示する表示手段と
    を具備することを特徴とする交通情報表示装置。
  2. 前記表示手段は、前記取得した過去画像が撮像された時点の、前記撮像装置による撮像地点から所定地点までの通過時間が、該過去画像に関連付けられている場合に、前記リアルタイム画像取得手段で取得されたリアルタイム画像と、前記過去画像取得手段で取得された過去画像と、前記過去画像に関連付けられている通過時間と、を併せて表示する
    とを特徴とする請求項1に記載の交通情報表示装置。
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