JP3851183B2 - スクロール圧縮機の自転防止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロール圧縮機に係るもので、詳しくは、流体を圧縮するとき、旋回スクロールが自転(rotation)することを防止するスクロール圧縮機の自転防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スクロール圧縮機は、2つの螺旋状のラップ間に気体が流入された状態で旋回することによって空気や冷媒ガスなどの流体を圧縮させる機械である。このようなスクロール圧縮機は、駆動力を発生する電動機構部と、該電動機構部から伝達された駆動力を利用してガスを圧縮させる圧縮機構部とにより構成されている。
【0003】
そして、従来技術によるスクロール圧縮機の圧縮機構部では、図8に示すように、フレーム1の上面にインボリュート曲線(involute curve)状のラップ2aが形成された固定スクロール2が結合され、該固定スクロール2のラップ2aに係合するようにインボリュート曲線状のラップ3aが形成された旋回スクロール3がフレーム1と固定スクロール2間に旋回運動できるように偏心して結合されている。
【0004】
固定スクロール2は、一方側面に流体が吸入される吸入孔2bが穿孔形成され、上方側中央部には圧縮されたガスが排出される吐出孔2cが穿孔形成されている。
旋回スクロール3の底面にはボス部3dが突出して、前記電動機構部(未図示)によって回転される回転軸4の偏心部4aに結合される。
【0005】
特に、フレーム1と旋回スクロール3間には、旋回スクロール3が自転することを防止するように、オルダム継手(Oldham coupling)と称される自転防止部材10が配設されている。
図中、未説明符号P1及びP2は、固定スクロール2のラップ2aと旋回スクロール3のラップ3a間に形成される圧縮空間をそれぞれ示している。
【0006】
そして、自転防止部材10では、図9に示すように、円形リング状に形成された本体11の上面に四角状に突出した第1、第2キー12a、12bが一直線上に配置され、本体11の底面の第1、第2キー12a、12bを連結する直線に対して直交する直線上には四角状に突出した第3、第4キー12c、12dが配置されている。
【0007】
旋回スクロール3の底面には、第1、第2キー12a、12bが挿入して直線運動できるように各キー溝(key groove)3b、3cが一直線上にそれぞれ形成され、また、フレーム1の上面には、第3、第4キー12c、12dが挿入して直線運動できるように各キー溝1a、1bがそれぞれ形成されている。
【0008】
フレーム1の中央には回転軸4が貫通する貫通孔1cが穿孔形成され、該貫通孔1cの周辺には、旋回スクロール3の底面を回転可能に支持するようにスラストベアリング面(thrust bearing face)を成す段差部1dが形成されている。
【0009】
自転防止部材10をフレーム1と旋回スクロール3間に組立てる際、第1、第2キー12a、12bは旋回スクロール3の各キー溝3b、3cにそれぞれ挿入され、第3、第4キー12c、12dはフレーム1の各キー溝1a、1bにそれぞれ挿入される。
【0010】
以下、図10を参照して、従来技術によるスクロール圧縮機の動作過程を説明する。
先ず、電動機構部(未図示)に電源が印加されて駆動力が回転軸4に伝達されると、旋回スクロール3が自転防止部材10によって固定スクロール2と係合して旋回され、この過程で固定スクロール2のラップ2aと旋回スクロール3のラップ3aとの間に存在する一対の圧縮空間P1、P2が連続して吐出孔2cに向かって移動しながら次第に体積が減少されるので、吸入孔2bを介して吸入された気体が圧縮されて吐出孔2cを介して外部に排出される。
【0011】
より詳細には、旋回スクロール3は回転軸4と一緒に偏心回転しようとするが、自転防止部材10の各キー12a、12b、12c、12dがそれらの上下方向に配置された旋回スクロール3の各キー溝3b、3c及びフレーム1の各キー溝1a、1bに半径方向だけにスライディングできるように挿入されてあるので、各キー12a、12b、12c、12dの一方側面が各キー溝3b、3c、1a、1bの対応面に接触しながら旋回スクロール3が自転することを防止するようになる。
【0012】
従って、旋回スクロール3は、自転防止部材10によって自転運動が不可能になった条件下で、フレーム1の上面で所定軌跡を維持した状態で旋回運動を行いながら固定スクロール2との間で流体を圧縮するようになっていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、このような従来技術によるスクロール圧縮機では、次のような不都合な点がある。
即ち、自転防止部材10が円形のリング構造に形成されてあるため、図11に示すように、旋回スクロール3が旋回する際、各キー12a、12b、12c、12dの接触面Oo1、Oo2、Of1、Of2に発生する反力Fo、Ffによって本体11に主に曲げ応力(bending stress)が作用するが、該曲げ応力は、通常、引張応力や圧縮応力よりも相対的に遥かに大きいため、自転防止部材10の変形を招き、そこで、自転防止部材10の変形を防止するために、該自転防止部材10の大きさを必要以上に大きく設計すべきであるため、材料費が増加するという不都合な点がある。
【0014】
このように自転防止部材10を大きく設計すると、自重が増加して、慣性に大いに影響を受ける各キー12a、12b、12c、12dの反力の変化幅が増加して、実質的に自転防止部材10の各キー12a、12b、12c、12dに作用する最大反力の増加を誘発する。
【0015】
詳しくは、図12は、自転防止部材10の質量が前記旋回スクロールの質量の1/3の値を有する場合に、旋回角度による自転防止部材10の各接触面Oo1、Oo2、Of1、Of2に発生する反力値を示したグラフで、図13は、自転防止部材10の質量がゼロの場合に、旋回角度による自転防止部材10の各接触面Oo1、Oo2、Of1、Of2に発生する反力値を示したグラフであって、自転防止部材10の質量が大きくなるほど、旋回スクロール3に接触する前記自転防止部材の各接触面Oo1、Oo2間の反力が大きくなることが分かる。
【0016】
従って、上述したように自転防止部材10の質量が大きくなると、各キー12a、12b、12c、12dの摩耗発生が大きくなり、よって、圧縮ガスが漏洩するか、または、各キー12a、12b、12c、12dと各キー溝3b、3c、1a、1bとが衝接して発生する衝突騷音が大きくなるなど、逆機能が発生するという不都合な点があった。
【0017】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたもので、自転防止部材に曲げ応力の代わりに引張応力及び圧縮応力が作用するように構成して、自転防止部材のサイズを縮小し、製作費用を節減し得るスクロール圧縮機の自転防止装置を提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明の他の目的は、自転防止部材の軽量化を実現することで、キーとキー溝間の反力を減少させて摩耗発生を最小化し、圧縮機の信頼性を向上させ、圧縮効率を向上し得るスクロール圧縮機の自転防止装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、請求項1に記載の発明のスクロール圧縮機の自転防止装置では、直線状の内側面及び外側面を有する四角形状に形成されて、旋回スクロールとフレーム間に配設される本体と、該本体の上面から突成して旋回スクロールのキー溝にそれぞれ挿入される1対の第1キーにして、内側面が形成する四角形状の一方の対角線の延長線上で本体外縁近傍に形成された1対の第1キーと、本体の下面から突成してフレームのキー溝にそれぞれ挿入される1対の第2キーにして、内側面が形成する四角形状の他方の対角線の延長線上で本体外縁近傍に形成された1対の第2キーとにより構成され、1対の第1キーが第1接触面をそれぞれ有し、該第1接触面が、旋回スクロールの回転の接線方向に平行な法線を有して延在し、1対の第2キーが第2接触面をそれぞれ有し、該第2接触面が、旋回スクロールの回転の接線方向に平行な法線を有して延在し、各第1キーの第1接触面の中心と該第1接触面に隣接する第2キーの第2接触面の中心とを結ぶ4本の線分が前記内側面より内側を通らないように前記内側面は配置され、且つ前記4本の線分が前記外側面より外側を通らないように前記外側面は配置されることを特徴としている。
【0020】
請求項2に記載の発明では、前記本体は直線状の前記内側面を有するが、直線状の前記外側面に代えて円形の外側面を有することを特徴としている。
【0021】
請求項3に記載の発明では、前記本体は直線状の外側面を有するが、直線状の内側面に代えて円形の内側面を有することを特徴とし、前記1対の第1キーが、外側面が形成する四角形状の一方の対角線上で本体外縁近傍に形成され、前記1対の第2キーが、外側面が形成する四角形状の他方の対角線上で本体外縁近傍に形成されることを特徴としている。
【0022】
請求項4に記載の発明では、フレームと、該フレームに固定される固定スクロールと、フレームと固定スクロール間で固定スクロールと係合されて流体を圧縮する旋回スクロールと、該旋回スクロールとフレーム間、または、旋回スクロールと固定スクロール間に半径方向にスライディングできるように装着されて、旋回スクロールの自転を防止する自転防止装置とを備えて構成されたスクロール圧縮機において、自転防止装置は、直線状の内側面及び外側面を有する四角形状に形成されて、旋回スクロールとフレーム間に配設される本体と、該本体の上面から突成して旋回スクロールのキー溝にそれぞれ挿入される1対の第1キーにして、前記内側面が形成する四角形状の一方の対角線の延長線上で本体外縁近傍に形成された1対の第1キーと、本体の下面から突成してフレームのキー溝にそれぞれ挿入される1対の第2キーにして、前記内側面が形成する四角形状の他方の対角線の延長線上で本体外縁近傍に形成された1対の第2キーとにより構成され、1対の第1キーが第1接触面をそれぞれ有し、該第1接触面が、旋回スクロールの回転の接線方向に平行な法線を有して延在し、1対の第2キーが第2接触面をそれぞれ有し、該第2接触面が、旋回スクロールの回転の接線方向に平行な法線を有して延在し、各第1キーの第1接触面の中心と該第1接触面に隣接する第2キーの第2接触面の中心とを結ぶ4本の線分が前記内側面より内側を通らないように前記内側面は配置され、且つ前記4本の線分が前記外側面より外側を通らないように前記外側面は配置されることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明に係る自転防止装置が具備されるスクロール圧縮機の圧縮機構部では、図1に示すように、密閉容器(未図示)の内部に固定されたフレーム110と、該フレーム110の上部に固定される固定スクロール2と、フレーム1と固定スクロール2間で固定スクロール2のラップ2aと自分のラップ3aとが相互係合して結合され、電動機構部(未図示)に結合された回転軸4に偏心結合される旋回スクロール3と、フレーム110と旋回スクロール3の間に半径方向にスライディング可能に位置されて旋回スクロール3の自転を防止する自転防止部材120とを包含して構成されている。
【0024】
フレーム110の中央には、電動機構部の回転子(未図示)に結合された回転軸4が貫通されると同時に該回転軸4に対してラジアルベアリング面(radial bearing face)を成すように貫通孔111が穿孔形成され、該貫通孔111の周辺には、自転防止部材120が安着されると共に自転防止部材120が所定軌跡を有して運動するように溝形状に形成された受容部112が形成され、該受容部112には、後述する自転防止部材120の第3キー122c及び第4キー122dが挿入される第3キー溝113a及び第4キー溝113bが同一直線上に形成されている。
【0025】
受容部112の外郭のフレーム110の上面には、旋回スクロール3と面接触するように平面に精密加工されたスラストベアリング面115が形成されている。ここで、スラストベアリング面115は、自転防止部材の内側に位置していた従来の構造とは相違して、自転防止部材120が位置される部分の外郭に位置して、旋回スクロール3に一層安定した接触支持構造を提供する。
【0026】
旋回スクロール3は、固定スクロール2のラップ2aと係合して一対の圧縮空間P1、P2を形成するラップ3aが上面に形成され、底面の両方側には自転防止部材120の第1キー122a及び第2キー122bがスライディング可能に挿入される第1キー溝3b及び第2キー溝3cが同一直線上に形成される。
【0027】
自転防止部材120は、図2に示すように、四角のリング状に形成されてフレーム110の受容部112に受容される本体121と、該本体121の上面に四角状に突出して旋回スクロール3の各キー溝3b、3cに滑り挿入される第1キー122a及び第2キー122bと、本体121の底面に四角状に突出してフレーム110の各キー溝113a、113bに滑り挿入される第3キー122c及び第4キー122dとにより構成されている。
【0028】
ここで、本体121は、図3に示すように、内側面及び外側面が直線を有する四角状に形成され、各キー122a、122b、122c、122dは、本体121の各直線部が接するた頂点部にそれぞれ形成される。特に、前記直線部の体積範囲は、旋回スクロール3に接触する各キー122a、122bの接触面Oo1、Oo2の中心とフレーム110に接触する他のキー122c、122dの接触面Of1、Of2の中心とを連結した中心線CLを外れない範囲内で形成される。
【0029】
図3は、本体121の直線部が中心線CLを外れずに、接触面O o1 と接触面O f1 の、及び接触面O f1 と接触面O o2 の、及び接触面O o2 と接触面O f2 の、及び接触面O f2 と接触面O o1 の、回転軸に対する各々の内方の端と外方の端同士を結ぶ線分により形成される範囲にほぼ全体が重なるように形成されていることを示している。
【0030】
一方、各キー122a、122b、122c、122d中何れか1つのキー122aから対角線方向に位置する他のキー122bまでの接触面中心を連結する長さLoは、他の2つのキー122c、122dの接触面中心を連結する対角線の長さLfと同一に形成することが好ましいが、圧縮機の設計条件によっては、両対角線の長さLo、Lfを相違するように形成することもできる。
図1において、未説明符号2bは吸入口、2cは吐出口をそれぞれ示したものである。
【0031】
以下、本実施形態によるスクロール圧縮機の自転防止装置の作用を説明する。先ず、電動機構部に電源を印加して回転軸4が回転すると、該回転軸4に偏心して結合された旋回スクロール3がフレーム110の上面で旋回しながら固定スクロール2との圧縮空間に冷媒ガスを連続的に吸入、圧縮して吐出する一連の過程が反復して行われる。
【0032】
この時、フレーム110と旋回スクロール3間には自転防止部材120が結合されて旋回スクロール3の自転運動を抑制させるが、この過程で自転防止部材120の各キー122a、122b、122c、122dが旋回スクロール3またはフレーム110の各キー溝3b、3c、113a、113bに接触する時、各キー122a、122b、122c、122dには反力が作用され、このようにそれらキー122a、122b、122c、122dに反力が作用する時、自転防止部材120が四角形の構造に形成されてあるため、本体121の直線部には主に圧縮応力または引張応力が作用する。
【0033】
ここで、前記圧縮応力または引張応力は、円形構造を有した従来の自転防止部材から主に発生していた曲げ応力よりも著しく減少された応力値を有するため、各キー122a、122b、122c、122dの反力の最大値を減少させる。
【0034】
以下、自転防止部材120の作用について詳細に説明する。
通常、自転防止部材120の各キー122a、122b、122c、122dに作用する反力は、大きく分けて、旋回スクロール3の自転を防止するために作用するトルクによる反力と、旋回スクロール3との接触面Oo1、Oo2で作用する自転防止部材120の自体慣性力とがある。
【0035】
このとき、トルクによる反力は、圧縮機の容量が決定されると各キー間の距離によって調節することができるが、各キー間の距離が一定であると仮定すると、旋回スクロール3の自転モーメント及び自転防止のためのトルクは決定される一方、自転防止部材120の自体慣性力は、該自転防止部材120の構造によって大きさを加減することができる。
【0036】
即ち、図2に示すように、各キー122a、122b、122c、122dが接触面に対して垂直にモーメントを受ける場合、本体121の直線部は、主に圧縮応力及び引張応力を受けるようになるが、それは図11に示すように本体12が円形に形成されて主に曲げ応力を受ける時よりも応力値の大きさが遥かに減少される。
【0037】
このような結果は、図5に示す従来自転防止部材が円形であったときの応力分布と、図6に示す本発明の自転防止部材が四角であるときの応力分布とを比較して見れば確認することができる。
【0038】
次の表は、円形構造を有する従来自転防止部材(図5)と、四角構造を有する本発明の自転防止部材(図6)と、の最大応力値をそれぞれ示したものである。
【表1】
Figure 0003851183
【0039】
従って、自転防止部材本体の断面積が同様であると仮定すると、本発明に係る自転防止部材120は、強度が増加して旋回スクロール3の駆動を安定的に維持させ、反対に、自転防止部材120の強度を同一にしようとするとき、本発明のように本体121を直線状に形成すると、強度が良くなって本体121の断面積を縮小し得るので、結局、自転防止部材120を製作する時、高価のアルミニウム部材の使用量を低減させて製作費用を低下させることができる。
【0040】
自転防止部材120の質量を低減させると、図12及び図13から確認できるように、旋回スクロール3との「反力の変化幅」を小さくして、実質的に自転防止部材120の各キー122a、122b、122c、122dに作用する最大反力を低減させ、従って、それらキー122a、122b、122c、122dまたはキー溝3b、3c、113a、113bの摩耗を抑制して、圧縮機の信頼性向上は勿論で、効率向上及び騷音低減を達成することができる。
【0041】
一方、図2に示すように、自転防止部材120をフレーム110の内側の受容部112内に装着させ、フレーム110及び旋回スクロール3のスラストベアリング面115を自転防止部材120の外側に形成することによって、旋回スクロール3の回転中心を起点とするモーメントアームの長さを増加させ、よって、旋回スクロール3が傾く傾向に対する復元モーメントが大きくなって、旋回スクロール3の駆動安全性を向上させる要因として作用することができる。
【0042】
そして、本発明に係る自転防止部材の第2実施形態では、図7に示すように、本体121を直線状にして四角形状に自転防止部材120を形成する第1実施形態とは相違して、本体221の内側面は直線状に形成するが、外側面は円形に形成して自転防止部材220のスラスト面を増加させるか、その他の理由によって本体221の断面積を増加させてある。
【0043】
反対に、本体の内側面は円形に形成して、外側面を直線状に形成することもできる。
図中、未説明符号222a、222b、222c、222dはキーで、CLは各キー222a、222bの接触面の中心から他のキー222c、222dの接触面の中心を連結した中心線を示したものである。
【0044】
なお、本明細書では、自転防止部材をフレームと旋回スクロール間に装着した場合を例示しているが、場合によっては自転防止部材を固定スクロールと旋回スクロール間に装着させることも可能で、このときも自転防止部材を多角形状に形成することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るスクロール圧縮機の自転防止装置では、フレームと旋回スクロール間、または、固定スクロールと旋回スクロール間に、半径方向にスライディング運動できるように装着されて、旋回スクロールの自転を防止する自転防止部材を直線状に形成することで、自転防止部材を小型軽量化して製造コストを節減させ、キーとキー溝間の摩耗を減らして旋回スクロールの安全性を維持すると共に、ガス漏洩を予防して圧縮機の信頼性及び効率を向上し得る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部を示した縦断面図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】本発明に係るスクロール圧縮機の自転防止部材の第1実施形態を示した平面図である。
【図4】図3の自転防止部材に作用する反力の状態を示した概略図である。
【図5】円形構造を有する自転防止部材に発生する応力分布を示した図である。
【図6】四角構造を有する自転防止部材に発生する応力分布を示した図である。
【図7】本発明に係るスクロール圧縮機の自転防止部材の第2実施形態を示した平面図である。
【図8】従来技術によるスクロール圧縮機の圧縮機構部を示した縦断面図である。
【図9】図8の分解斜視図である。
【図10】従来技術によるスクロール圧縮機の圧縮原理を示した動作順序図である。
【図11】従来技術によるスクロール圧縮機の自転防止部材に作用する反力の状態を示した概略図である。
【図12】従来自転防止部材の質量が旋回スクロールの質量の1/3である場合、自転防止部材の各接触面から発生する反力の変化を示したグラフである。
【図13】従来自転防止部材の質量がゼロである場合、自転防止部材の各接触面から発生する反力の変化を示したグラフである。
【符号の説明】
2…固定スクロール
3…旋回スクロール
3a…ラップ
3b…第1キー溝
3c…第2キー溝
110…フレーム
111…貫通孔
113a…第3キー溝
113b…第4キー溝
120…自転防止部材
121…本体
122a…第1キー
122b…第2キー
122c…第3キー
122d…第4キー

Claims (4)

  1. 直線状の内側面及び外側面を有する四角形状に形成されて、旋回スクロールとフレーム間に配設される本体と、
    該本体の上面から突成して前記旋回スクロールのキー溝にそれぞれ挿入される1対の第1キーにして、前記内側面が形成する四角形状の一方の対角線の延長線上で本体外縁近傍に形成された1対の第1キーと、
    前記本体の下面から突成して前記フレームのキー溝にそれぞれ挿入される1対の第2キーにして、前記内側面が形成する四角形状の他方の対角線の延長線上で本体外縁近傍に形成された1対の第2キーとにより構成され、
    前記1対の第1キーが第1接触面をそれぞれ有し、該第1接触面が、前記旋回スクロールの回転の接線方向に平行な法線を有して延在し、
    前記1対の第2キーが第2接触面をそれぞれ有し、該第2接触面が、前記旋回スクロールの回転の接線方向に平行な法線を有して延在し、
    前記各第1キーの第1接触面の中心と該第1接触面に隣接する前記第2キーの第2接触面の中心とを結ぶ4本の線分が前記内側面より内側を通らないように前記内側面は配置され、且つ前記4本の線分が前記外側面より外側を通らないように前記外側面は配置されることを特徴とするスクロール圧縮機の自転防止装置。
  2. 前記本体は直線状の前記内側面を有するが、直線状の前記外側面に代えて円形の外側面を有することを特徴とする、請求項1に記載のスクロール圧縮機の自転防止装置。
  3. 前記本体は直線状の前記外側面を有するが、直線状の前記内側面に代えて円形の内側面を有することを特徴とする、請求項1に記載のスクロール圧縮機の自転防止装置であって、
    前記1対の第1キーが、前記外側面が形成する四角形状の一方の対角線上で本体外縁近傍に形成され、
    前記1対の第2キーが、前記外側面が形成する四角形状の他方の対角線上で本体外縁近傍に形成されることを特徴とする、スクロール圧縮機の自転防止装置。
  4. フレームと、該フレームに固定される固定スクロールと、前記フレームと固定スクロール間で固定スクロールと係合されて流体を圧縮する旋回スクロールと、該旋回スクロールとフレーム間、または、前記旋回スクロールと固定スクロール間に半径方向にスライディングできるように装着されて、旋回スクロールの自転を防止する自転防止装置とを備えて構成されたスクロール圧縮機において、
    前記自転防止装置は、
    直線状の内側面及び外側面を有する四角形状に形成されて、旋回スクロールとフレーム間に配設される本体と、
    該本体の上面から突成して前記旋回スクロールのキー溝にそれぞれ挿入される1対の第1キーにして、前記内側面が形成する四角形状の一方の対角線の延長線上で本体外縁近傍に形成された1対の第1キーと、
    前記本体の下面から突成して前記フレームのキー溝にそれぞれ挿入される1対の第2キーにして、前記内側面が形成する四角形状の他方の対角線の延長線上で本体外縁近傍に形成された1対の第2キーとにより構成され、
    前記1対の第1キーが第1接触面をそれぞれ有し、該第1接触面が、前記旋回スクロールの回転の接線方向に平行な法線を有して延在し、
    前記1対の第2キーが第2接触面をそれぞれ有し、該第2接触面が、前記旋回スクロールの回転の接線方向に平行な法線を有して延在し、
    前記各第1キーの第1接触面の中心と該第1接触面に隣接する前記第2キーの第2接触面の中心とを結ぶ4本の線分が前記内側面より内側を通らないように前記内側面は配置され、且つ前記4本の線分が前記外側面より外側を通らないように前記外側面は配置されることを特徴とするスクロール圧縮機。
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