JP3850668B2 - 多孔質セラミック膜を有する多孔質無機材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機系多孔質支持体の表面に多孔質セラミック膜が形成されて構成される多孔質無機材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミックスその他の無機系多孔質支持体の表面に細孔を有するセラミック膜が形成された多孔質無機材料は、分子篩い効果によるガス分離やパーベーパレーション、メンブレンリアクター、気体センサー等の用途に用いられている。
かかる多孔質無機材料を製造する方法として、通常、種々のセラミック膜形成用材料を適当な分量で所定の溶媒に分散若しくは溶解して調製した液(以下「材料調整液」という。)を使用する製膜方法が用いられている。かかる製膜方法では、先ず、一般的なディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法等によって、所定の材料調整液を多孔質支持体表面にコーティング(塗布)する。次いで、従来公知の水熱合成処理や焼成処理を施すことによって、当該多孔質支持体表面に所定の多孔質セラミック膜を形成する。
例えば、特開平7−89714号公報には、所定の材料調整液を多孔質支持体表面に塗布した後に水熱合成処理を施すことによって、セラミック膜の一種であるゼオライト膜を当該支持体表面に容易に製膜し得る技術が記載されている。
【0003】
ところで、上記構成の多孔質無機材料をガス分離等の分子篩いや種々のメンブレンリアクターとして使用する場合、多孔質支持体の表面部(当該支持体の表面(外面)部分又は該表面とそれに近接する孔隙を包含する部分(表層部)をいう。以下同じ。)に形成される膜としては、その全域に亘ってほぼ均質で緻密なものが好ましい。膜に粗密があったりさらには膜の一部に顕著な欠陥が生じていたりすると、当該セラミック膜の物理的及び/又は化学的特性が膜の部位間で異なることとなり、結果、所望される高性能で安定的なガス分離等を実現できないからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような材料調整液を用いる従来の製膜法(ディップコーティング法等)では、多孔質支持体表面部における膜形成部分の全体(全域)に亘ってほぼ均質なセラミック膜(好ましくは全体に緻密なもの)を形成することは以下の理由によって困難であった。
すなわち、セラミックその他の無機系多孔質支持体には表面部から内部方向に無数の細孔が存在するところ、かかる多孔質支持体の表面に材料調整液を塗布した際には当該材料調整液の一部が細孔内を伝わっていき、本来意図していない支持体内部にまで膜形成用材料が滲入する結果を招いていた。しかもかかる滲入(しみ込み)は、使用する多孔質支持体の孔隙率や細孔分布に応じて無秩序に或いは部位特異的に生じるものである。この結果、多孔質支持体の表面部(典型的には表面及びその近傍の細孔内)には、かかる材料調整液(即ち膜形成用材料)の滲入度合に応じて部位毎に性状(典型的には緻密さ)の異なる多孔質セラミック膜が形成されることとなる。例えば、細孔分布に応じて材料調整液の支持体内部への滲入度合が高い部位では比較的緻密度が低い膜が形成され得るとともに、欠陥が生じ易い。一方、内部への滲入度合が低い部位では相対的に緻密度が高く欠陥の生じ難い膜が形成される傾向にある。而して、かかる膜の質的不均一さは、材料調整液の溶媒に対して比較的濡れ易いもの(即ちかかる溶媒に対する接触角が小さいもの)、或いは細孔の孔径が比較的大きなもの(即ちかかる溶媒の透過係数が比較的大きいもの)を上記多孔質支持体として使用した場合に特に顕著に生じ得る。
さらにまた、膜形成用材料(材料調整液)の多孔質支持体内部(細孔)への過度の滲入によって、当該滲入部位における細孔が膜形成用材料の堆積及び当該材料から形成されるセラミック塊によって閉塞してしまう場合がある。かかる閉塞は、多孔質支持体自身の孔隙率を低下させ、その上面に形成された膜の性能低下(即ち膜の有効面積の低下)を引き起こす虞があるため、好ましくない。
このことに関し、特表平8−509453号公報には、多孔質支持体上に膜厚がほぼ一定のシリカ−ゼオライト膜(分子篩い膜)を形成するための補助的措置として、膜形成用材料(材料調整液)を支持体表面に塗布する前に当該支持体に予めバリアー層を形成することが記載されている。しかし、かかるバリアー層は、材料調整液の溶媒(水)が多孔質支持体の細孔中に過剰に滲入するのをブロックし、塗布した材料調整液中のセラミック粒子のみが過剰且つ不均一に支持体表面に残留する(不均質な膜形成の原因となる)ことを防止する手段にすぎない。従って、上記バリアー層は、膜形成用材料(即ちセラミック粒子等の固形分)そのものの多孔質支持体内部(細孔)への滲入を完全に遮断するものではない。
【0005】
本発明は、上記従来の材料調整液を使用する製膜技術に関連する課題を解決するべく創出されたものであり、その目的とするところは、無機系多孔質支持体の孔隙率や細孔分布(平均孔径)に関わらず、当該支持体の表面部に均質な性状の多孔質セラミック膜が形成されて成る多孔質無機材料を簡便に製造し得る方法を提供することである。また、他の目的は、そのような多孔質無機材料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によって以下の多孔質無機材料製造方法が提供される。
すなわち、本発明の一つの製造方法は、 (a).無機系多孔質支持体の少なくとも一部の細孔に液状の充填材を充填する処理と、(b).上記充填材が充填された多孔質支持体の表層部から充填材を部分的に除去する処理と、(c).上記部分的除去処理が施された後の上記多孔質支持体の表層部に多孔質セラミック膜を形成する処理と、(d).その多孔質セラミック膜の形成された多孔質支持体から上記充填材を実質的に除去する処理とを包含する、無機系多孔質支持体の上記充填材の除去された表層部に多孔質セラミック膜が形成されて成る多孔質無機材料を製造する方法である。
ここで「充填材」とは、上記多孔質支持体の細孔内に充填可能な物質であって人為的に制御容易な範囲(典型的には−80℃〜300℃)内の温度変動に応じて液体状態(ゾルを包含する。)と固体状態(ゲルを包含する。)のいずれかに可逆的に状態変化し得る物質をいい、純物質(即ち実質的に単一の化学物質から成る物質)であるか混合物であるかを問わない。かかる状態変化に伴う容積の変動の比較的少ないものが好ましい。
【0007】
本発明の製造方法では、セラミック膜形成前において、当該セラミック膜を形成する基盤となる支持体部分の細孔を所定の充填材によって塞ぐ処理を行う。このことによって、当該支持体の表層部に膜形成用材料(典型的には材料調整液)をコーティングした場合であっても、当該材料が支持体内部へ滲入するのを防止することができる。また、本発明の製造方法では、上記 (c). の処理を行う前に、上記充填材が充填された多孔質支持体の表層部から充填材を部分的に除去する処理が行われる。かかる処理を包含する本発明の製造方法によると、セラミック膜の膜厚を所望するレベルに制御することができる。また、充填材の除去された部分(即ち支持体の表層部)にも多孔質セラミック膜が形成される結果、支持体表面(外面)にのみ形成されたセラミック膜よりも、当該膜と支持体との結合強度を高めることができる。このため、上記処理を含む本発明の製造方法によると、全体に膜厚等が均一で物理的強度(剥離し難さ等)に優れる多孔質セラミック膜を有する多孔質無機材料を簡便に製造することができる。
【0008】
また、膜形成後(焼成の有無を問わない)に充填材を実質的に除去する結果、多孔質支持体に所望される多孔性(孔隙率)を確保することができる。従って、本発明の製造方法によると、高性能が要求されるガス分離等の分子篩い用途や種々のメンブレンリアクターとして好適に使用し得る多孔質無機材料を容易に製造することができる。
【0009】
また、本発明の製造方法として好ましい他のものは、上記(c).の処理において、膜形成用材料を含有する液中に上記多孔質支持体を浸漬することによって、当該支持体の上記充填材の除去された表層部への当該膜形成用材料の塗布(コーティング)が行われることを特徴とする方法である。
この製造方法では、いわゆるディップコーティングの実施によって、膜厚がほぼ一定の多孔質セラミック膜を支持体表層部に容易に製膜することができる。
【0010】
また、本発明によって、上記製造方法のいずれかによって製造されたことを特徴とする、多孔質セラミック膜と多孔質支持体との境界面がほぼ平坦である多孔質無機材料が提供される。
また、本発明によると、特に、以下のような多孔質無機材料を提供することができる。すなわち、本発明によって提供される一つの多孔質無機材料は、無機系多孔質支持体の外面部分とそれに近接する孔隙を包含する表層部に多孔質セラミック膜が形成されて成るものであって、その多孔質支持体は、次の二つの特性「(1).水、エタノール、トルエン及びキシレンから成る群から選択される少なくとも一つの溶媒に対する接触角が90度未満である。」および「(2).当該少なくとも一つの溶媒の透過係数が室温条件下で1×10-11kg/m・s・Pa以上である。」のうちの少なくとも一方を具備するものである。そして、その多孔質セラミック膜と多孔質支持体の表層部との境界面(典型的には膜形成部分のほぼ全域に亘る)がほぼ平坦であることを特徴とする。
なお、本明細書において「無機系多孔質支持体と多孔質セラミック膜との境界面がほぼ平坦である」とは、当該境界面(即ち支持体側の膜表面)の任意の一部分がその周囲の部分よりも顕著に支持体内方に突出して形成されていないことをいい、典型的には当該支持体と膜とから成る無機材料の切断面を電子顕微鏡(SEM)によって適当な倍率で検鏡した際に、当該境界面が顕著なピークの無いなだらかな線状に認められる状態をいう。
【0011】
かかる構成の本発明の多孔質無機材料では、上記溶媒に濡れ易い(即ち溶媒を付着させ易い)及び/又は上記溶媒が細孔内に滲入し易い性状の多孔質支持体であるにも拘わらず、その表層部に支持体との境界面が明瞭で平坦な多孔質セラミック膜が形成されている。
すなわち、本発明の多孔質無機材料では、当該境界面よりも多孔質支持体側の内方(細孔)に膜形成用材料由来の不要なセラミック塊が実質上形成されておらず、膜の不均一性や欠陥発生に関与し得る顕著な凹凸(上記膜形成用材料の滲入によって発生し得る)も実質上存在しない。このため、本発明の多孔質無機材料では、多孔質支持体の孔隙率を膜形成前のものとほぼ同じレベルに保つことが実現されている。さらに、膜の境界がほぼ平坦である結果、膜全体の質的均一性が高く、欠陥の発生(存在)率が低く抑えられている。従って、本発明の多孔質無機材料は、一般に高性能が要求される分離膜や種々のメンブレンリアクターとして適用することができる。
【0012】
上記構成の本発明の多孔質無機材料として好ましいものは、多孔質セラミック膜がSi−N結合主体の繰返し構造を基本骨格とするものである。
Si−N結合主体の繰返し構造(即ちシラザン骨格)を基本骨格とすると、従来のシリカ質多孔体(即ちSi−O結合主体の繰返し構造から成るシロキサン骨格を基本骨格とするセラミック材)とは異なり、350℃を越えるような高温条件下においても微細孔構造を安定に保つことができる。そして、かかる耐熱性に優れる性状の多孔質セラミック膜が均質に形成されている結果、高温条件下(例えば600℃〜800℃)又は水蒸気雰囲気条件下においても高性能なガス分離や分子篩いを実現することができる。
また、本構成の多孔質無機材料として好ましいものは、上記多孔質セラミック膜の孔径分布のピーク値が10nm以下であることを特徴とする。かかる構成の本発明の多孔質無機材料は水素分離膜等のガス分離用途に特に好適である。
また、上記構成の多孔質無機材料として特に好ましいものは、上記多孔質セラミック膜の膜厚がほぼその全域に亘って10μm以下であることを特徴とする。かかる構成の多孔質無機材料は、分離対象とする分子(水素等)の透過率を比較的高いレベルに保つことができ、高温条件下等でも効率的なガス分離その他の分子篩いを行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明の製造方法によって製造される多孔質無機材料は、典型的には、無機系多孔質支持体の表面部に種々の材質の多孔質セラミック膜を形成するとともにその多孔質セラミック膜と多孔質支持体との境界面がほぼ平坦に形成されることで特徴付けられる多孔質無機材料である。従って、本発明の製造方法によって多孔質無機材料を製造するにあたっては、使用する無機系多孔質支持体の性状は特に限定されない。典型的には、窒化珪素、炭化珪素、シリカ、α−アルミナ、γ−アルミナ、ジルコニア、チタニア、カルシア、各種ゼオライト等の多孔質セラミック材が挙げられる。あるいは、これらセラミック材に種々の金属成分(Pd、Ni、Ti、Al、W、Nb、Ta、Co、Ru等)やそれらの合金若しくは金属酸化物成分を含有したものであってもよい。
【0014】
ところで、本発明の製造方法によると、従来の手法によっては膜全域に亘って均質な膜及び/又は膜厚がほぼ一定である膜を形成するのが困難であった無機系多孔質支持体に対しても、均質で膜厚がほぼ一定の多孔質セラミック膜をディップコーティング法等を採用して簡便に形成することができる。このような多孔質支持体としては、(i).水、エタノール、トルエン及びキシレンのうちの少なくとも一つに対する接触角が90度未満(典型的には60度以下)であることを特徴とする濡れ易い(即ち当該溶媒を付着させ易い性質を有する)材質の支持体が挙げられる。あるいは、(ii).これら溶媒のうちの少なくとも一つに関する透過係数が室温条件下で1×10-11kg/m・s・Pa以上(典型的には3×10-11kg/m・s・Pa以上)となるような孔隙率の支持体が挙げられる。かかる(i)及び(ii)に記載の条件に合致する支持体の例としては、平均孔径が0.05μm以上(典型的には0.1μm以上)及び/又は孔隙率が40%以上であるような無機系多孔質支持体、例えばアルミナ、窒化珪素、ゼオライト等から成るセラミック材が挙げられる。
【0015】
また、本発明の実施に際して、無機系多孔質支持体の形状は特に限定されず、用途に応じて膜(薄板)形状、管形状、モノリス形状、ハニカム形状、多角形平板形状その他の立体形状であり得る。これら形状の支持体は、従来行われている周知の成形技法(押出し成形、鋳込み成形、テープ成形、プレス成形等)によって得ることができる。なお、かかる周知の成形技法自体、本発明を特に特徴付けるものではないため、詳細な説明は省略する。
【0016】
一方、本発明の多孔質無機材料においては、支持体の表面部に形成される膜の材質には特に制限はない。例えば、従来既知の材料・膜形成方法に基づいて、各種のゼオライト膜(X型、Y型、A型、シリカライト、モルデナイト、ZSM−5型等)、シリカ膜、α−アルミナ膜、γ−アルミナ膜等を支持体表面に形成することができる。また、本発明の多孔質無機材料を分子篩い用途(典型的にはガス分離)に使用する場合には、孔径分布のピーク値(典型的には当該ピーク値は平均孔径と近似し得る)が100nm以下(例えば0.1nm〜100nm)、好ましくは孔径分布のピーク値及び/又は平均孔径が50nm以下(例えば0.1nm〜50nm)である多孔質セラミック膜を形成するとよい。なお、水素分離膜として使用する場合は、孔径分布のピーク値及び/又は平均孔径が10nm以下(例えば0.1nm〜10nm)のものが好適である。
この場合、多孔質支持体の孔径分布のピーク値に対する多孔質セラミック膜の孔径分布のピーク値の比率が1/15以下(より好ましくは1/20以下)となるように、用いる多孔質支持体を決定するとよい。
【0017】
かかるガス分離その他の分子篩い用途に使用する場合の好適な多孔質セラミック膜の一つとして、分子構造がSi−N結合の繰返し構造(−Si−N−Si−N−)すなわちシラザン骨格を主たる骨格とすることで特定される多孔質セラミック膜(以下単に「ポリシラザン膜」と略称する。)が挙げられる。ポリシラザン膜は、基本骨格(主たる骨格)がSi−N結合の繰返し構造(シラザン骨格)である限り、その他の結合や分子構造を含み得る。典型的には、Si−N結合の繰返し構造に対してSi−C結合、Si−O結合、Si−H結合等が一部付加されることによって、ポリシラザン膜全体の基本構造(三次元の網目構造)が形成されている。
なお、かかるポリシラザン膜が形成された多孔質無機材料を、高温条件下(例えば600℃以上1000℃以下の高温域)でガス分離等に使用する場合、ポリシラザン膜中に存在する全珪素(Si)原子数に対するSi−N結合を形成しているSi原子数の割合は10%以上が好ましく、その割合が20%以上となるものが特に好ましい。そのようなポリシラザン膜を有する多孔質無機材料は、600℃以上(典型的には600〜1100℃)のような高温条件下においてメタン、メタノール等の原料ガスを改質(水蒸気改質反応等)して水素ガスを生成するリフォーマー即ち改質器に適用することができる。このような水素分離膜としては、孔径分布のピーク値及び/又は平均孔径は0.1nm〜10nmの範囲内にあることが好ましい。かかる孔径分布のピーク値及び/又は平均孔径のものであれば、いわゆるモレキュラーシーブまたはクヌッセン的分離が発現する。クヌッセン的分離とはガス分子の透過速度の差を利用した分離または濃縮をいい、細孔(典型的には孔径約10nm以下)内においてはガス分子相互の衝突よりも孔壁との衝突が支配的になるという性質に基づくものである。さらに上記孔径分布のピーク値及び/又は平均孔径が0.1〜5nm或いは1nm以下のものが、水素のような比較的小さいサイズ(動的分子直径約0.29nm)の無極性分子を混合ガスから選択的に分離するのに特に効果的である。なお、特に限定するものではないが、水素分離膜の膜厚は10μm以下が適当であり、5μm以下の膜厚が好ましく、1μm以下の膜厚が更に好ましい。特に、かかる膜厚のポリシラザン膜によると、高温条件下においても比較的高い水素分離能(水素選択性)を保持しつつ、効率よく水素分離処理を行うことができる。
【0018】
次に、本発明の製造方法について図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、上記(a).処理について説明する。
本発明の製造方法では、所望する形状に成形された無機系多孔質支持体の表面部にセラミック膜を形成する(即ち上記(c).処理)前に、当該支持体の少なくとも一部の細孔に適当な充填材を充填する処理(上記(a).処理)を行う。
かかる充填材として、温度条件、圧力条件等を変化させることによって液体状態と固体状態との間で可逆的に状態変化し得る物質(純物質又は混合物)が使用可能であるが、用いる多孔質支持体の表面(孔内壁面)に不可逆的に吸着され難い物質が好ましい。また、充填処理の容易さの観点から、概ね0〜200℃(好ましくは室温〜100℃)の間に融点を有する物質が充填材として好適である。このような温度範囲に融点(凝固点)を有する物質から成る充填材を使用すると、比較的低温条件で充填処理を行うことができる。かかる好適な充填材としては、融点が45〜65℃の範囲内にあるパラフィン、融点が上記温度範囲に属することとなるような分子量(重合度)のポリエチレングリコール(PEG)等の有機化合物が挙げられる。また、水(H2O)等の無機化合物も充填材として好ましい。
【0019】
このような充填材を支持体の細孔内に充填するために種々の手法が考えられるが、典型的には、液体状態とした充填材中に多孔質支持体を浸漬することによって、当該支持体の細孔を充填材で充填することができる。すなわち、図1に模式的に示すように、細孔4が全体に形成された多孔質支持体2(例えば窒化珪素)を、高温状態(例えば100〜200℃)の液状充填材(例えば液状パラフィン)中に浸漬する。このことによって、いわゆる毛管現象に基づいて液状の充填材を細孔内に滲入させ、結果、図2に示すように当該細孔4内部に液状充填材10を充填することができる。
【0020】
また、より短時間で高効率に本発明に係る(a).処理を実施するため、上記浸漬手段に代えて液状充填材を強制的に細孔内に滲入させてもよい。
そのような強制的手段の一例として、液状充填材を高圧で多孔質支持体表面に吹き付けていき、その圧力によって多孔質支持体の細孔内部に当該充填材を滲入させていく方法が挙げられる。或いは、多孔質支持体の表面(即ち膜を形成する面)に予め液状充填材を塗布しておくとともに当該表面とは反対の面側から真空ポンプ等によって多孔質支持体の細孔内部に存在するガスを吸引する操作を行ってもよい。かかる操作によると多孔質支持体細孔内部の圧力が支持体表面部よりも著しく低下するため、その圧力差に基づいて表面部に塗布しておいた液状充填材を速やかに細孔内に滲入させる(吸い込む)ことができる。
【0021】
液状充填材を支持体の細孔内に充填した後、典型的には充填材たる物資の融点(凝固点)以下となる低温条件下に当該支持体をおくことによって細孔内の充填材を固まらせる処理(凝固・固化処理)を行う。これにより、細孔内に固形状充填材を保持しておくことができる。
【0022】
次に、上記(c).処理即ち膜形成処理について説明する。本発明の製造方法は、上記(a).&(b).処理の実施によって膜形成用材料が無秩序に支持体内部(細孔)に滲入するのを抑止することで特徴付けられる方法であり、上記充填材が充填された状態が維持される限りにおいて当該支持体表面部に多孔質セラミック膜を形成(製膜)する手段に特に制限はなく、従来から行われている種々の材料・方法を適用することができる。
例えば、所定のセラミック膜形成用材料を含むゾル又はスラリーを調製し、従来公知のディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法等によって、当該支持体の表面部に膜形成用材料をコーティングすることができる。次いで、かかる支持体を水熱合成、焼成等の処理に供することによって、当該支持体の表面部に所望する膜厚及び平均孔径のセラミック膜を形成することができる。
【0023】
次に、上記(d).処理すなわち充填材の除去処理について説明する。本発明の製造方法によって多孔質無機材料を製造するにあたっては、実質的なレベル即ち支持体部分の多孔性を確保するのに充分なレベルまで上記細孔内に充填されている充填材を除去する必要がある。例えば、セラミック膜形成後、所定の溶媒(例えばトルエン)に多孔質支持体の少なくとも一部を浸漬することによって、支持体細孔内部に存在している充填材(パラフィン、PEG等)を溶出してもよい。あるいは、水のような比較的沸点が低く蒸気圧が高い物質を充填材とした場合には、多孔質支持体を比較的高温条件下に曝しておくことによって、細孔内に残留する充填材を気化・放出することができる。
【0024】
次に、本発明の製造方法の好適な一実施形態として、多孔質支持体の表面部に上記水素分離膜として好ましいポリシラザン膜を形成して成る多孔質無機材料を製造する場合について説明する。
上述のとおり、ポリシラザン膜はSi−N結合の繰返し構造を基本骨格とするものであるから、当該Si−N結合を基本構造とする珪素化合物から製造することができる。かかる好適な珪素化合物として、以下の一般式(1)によって表されるポリシラザンが挙げられる。典型的には式(1)のR1,R2,R3は、それぞれ、水素または炭素数が1〜10である脂肪族系若しくは芳香族系の炭化水素基である。
【0025】
【化1】
【0026】
而して、かかるポリシラザンは、例えば、以下のように調製することができる。すなわち、ジハロシラン(R1SiHX2)或いは当該ジハロシランと他のジハロシラン(R2R3SiX2)との混合物をアンモニアと反応させることによってシラザンオリゴマーを得る。次いで、塩基性触媒の存在下で当該シラザンオリゴマーの脱水素反応を起こさせる。これにより、珪素原子に隣接する窒素原子の脱水素が行われ、結果、シラザンオリゴマーが相互に脱水素架橋して成るポリシラザンを生成することができる。なお、この生成プロセスに使用されるジハロシランの好ましいものは、上記R1、R2、R3が、それぞれ、炭素数が1〜6の低級アルキル基、置換アリル基、非置換アリル基、炭素数が6〜10の非置換アリール基、トリアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基のいずれかである。或いは、R1は水素であり、R2およびR3が上記列挙した官能基のいずれかである。このときR1、R2およびR3は全て同じ基でもよく、相互に異なる基でもよい。なお、上記ジハロシランの式中のXはハロゲン基である。
なお、使用するポリシラザンの分子量に特に制限はないが、多孔質支持体の表面部に薄膜を形成する場合、その過程における粘性制御等の観点から重量平均分子量で1000〜20000程度のものが好ましい。
【0027】
而して、上述のようにしてシラザンオリゴマーから調製したポリシラザンまたは市販のポリシラザンを不活性雰囲気中で焼成することによって、微細孔を有するポリシラザン膜を形成することができる。概略すれば、予め細孔内に充填材が充填された多孔質支持体に、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法等の手法を用いてポリシラザン膜形成用材料を含むポリシラザン溶液を所望する厚さ(例えば1〜3μm)で塗布する。
このとき、ポリシラザン溶液中のポリシラザン濃度は特に限定されるものではないが、0.5wt%〜60wt%程度が適当であり、1wt%〜20wt%程度が好ましい。また、かかるポリシラザン溶液の調製にあたっては、ポリシラザンを溶解するための溶媒として種々の有機溶媒を用い得る。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒が適当である。なお、ポリシラザン溶液調製に用いる有機溶媒の選定に際しては、上記細孔に充填されている充填材(即ち固化した充填材)との相互特性(相性)を考慮することが望ましい。すなわち、使用する充填材の性質に応じて、当該充填材の固化物を細孔内から溶出させ難い性質のものをポリシラザン溶液調製用溶媒とすることが好ましい。
【0028】
次いで、ポリシラザン溶液が塗布された支持体に乾燥処理を施すことによって、ポリシラザンから成る薄層を当該支持体表面部に形成する。このとき、本発明の製造方法では、多孔質支持体の細孔内部に予め充填材が充填されている結果、ポリシラザン溶液の支持体内部への意図しない無秩序な滲入を防止することができる。而して、不活性(非酸化性)雰囲気中で当該薄層を支持体ごと適当な温度条件下(典型的には200〜1350℃、好ましくは200〜1000℃)で焼成することによって、全体に均質なポリシラザン膜(水素分離膜)を当該支持体表面部に形成することができる。
【0029】
次に、本発明の製造方法として特に好ましい実施形態として、上記充填材が充填された多孔質支持体の表面部から充填材を部分的に除去する処理(以下かかる処理を「部分的除去処理」と略称する。)を行う態様について説明する。
なお、この態様の製造方法においては、以下に説明する部分的除去処理以外の処理工程は、上述した実施形態に係る製造方法と同様であり、重複した説明はしない。
【0030】
本態様の製造方法では、図5に模式的に示すように、上記(a).処理によって充填材10を支持体2の細孔4に充填した後(図2参照)、所定の時期に、その表面部の一部(図中のdで示す範囲)から充填材10を除去することを特徴とする。かかる部分的除去処理は、上記(d).処理と同様の手法によって容易に行うことができる。
例えば、所定の充填材(パラフィン、PEG等)を充填した支持体2の表面部の一部を所定の溶媒(例えばトルエン)中に浸漬する。このことによって、図5に示すように、その一部分dに存在している充填材(パラフィン、PEG等)を溶出することができる。かかる部分的除去処理を行う前に、細孔内の充填材を予め固化しておくことが好ましい。所望する範囲dでのみ充填材を除去することを制御し易くなるからである。換言すれば、支持体の表面から内方(細孔内)への多孔質セラミック膜形成範囲を制御・決定し易くなる。かかる膜形成範囲即ち充填材を除去する範囲dの調節は、例えば、固化充填材が充填した支持体の充填材除去用溶媒(トルエン等)へ接触させる部分(典型的には支持体表面を基点としたときの溶媒に浸漬させる支持体の容積)や浸漬時間(溶媒との接触時間)を制御することによって容易に行える。
【0031】
而して、かかる部分的除去処理を行った後、上述の(c).処理を行う。例えば、所定の膜形成用材料を含む材料調整液に図5に示す支持体2をディップすることによって当該支持体2の表面部の所定範囲に膜形成用材料3をコーティングすることができる。次いで、かかる支持体2を水熱合成、焼成等の処理に供することによって、図6に示すような、当該支持体2の表面部に所望する膜厚及び平均孔径のセラミック膜3を形成することができる。そして、上述の(d).処理が行われることによって、図7に示すような、多孔質支持体2に残留する充填材10が除去されて成る本発明に係る多孔質無機材料11が製造される。
【0032】
このように、上記部分的除去処理を伴う本態様の製造方法によっても、多孔質セラミック膜3と多孔質支持体2との境界がほぼフラットな面状となることを一つの特徴とする、全域に亘ってほぼ均質な多孔質セラミック膜3を有する多孔質無機材料11を製造することができる。さらに、本態様の製造方法によって製造される多孔質無機材料11の他の特徴は、セラミック膜3の一部分が支持体2表面よりも幾分内部(即ち細孔内)に形成されることである。このような膜は、支持体2表面上にのみ形成されたセラミック膜よりも膜と支持体との結合力が高く、比較的高い物理的強度(高温条件下における剥離し難さ等)を実現している。
【0033】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】
<実施例1:ポリシラザン膜を有する管状多孔質無機材料の製造>
90重量部の窒化珪素粉末と、5重量部のアルミナ粉末と、5重量部のイットリア粉末と、60重量部の水をアルミナ製ポットに投入し、直径30mmの玉石を使用して24時間混合することによってスラリーを調製した。次いで、このスラリーに15重量部のワックス系有機バインダーと、2重量部のワックスエマルジョンを添加して16時間混合し、その後スプレードライにより顆粒体を作製した。
次いで、得られた顆粒体をゴム製の型に充填した。すなわち、振動粉体充填装置を利用して型を適宜振動させつつ上記顆粒体を型内に密に充填した。その後、当該顆粒体を充填した型をCIP(冷間静水圧プレスによる)成形し、管形状(外径:10mm、内径:7mm、長さ:250mm)に生加工した。そして、当該生加工チューブを脱脂後、1400℃(最終焼成温度)で焼成し、管(チューブ)形状の窒化珪素多孔体(以下「窒化珪素支持体」という。)を得た。
【0035】
得られた窒化珪素支持体の孔径(平均孔径)および孔隙率は、水銀圧入法によって測定した結果、それぞれ0.16μmおよび約50%であった。また、800℃における3点曲げ強度は約70MPa以上であった。従って、かかる管(チューブ)形状の窒化珪素支持体は、本実施例に係る水素分離モジュールを構成する支持体として充分な機械的強度を有する。なお、かかる支持体の嵩密度は1.77g/cm3であった。また、熱的強度の指標となる線膨張係数は25〜800℃の範囲でおよそ3.4×10−6/Kであった。なお、かかる支持体は、エタノール、トルエン及びキシレンに対する接触角が90度未満であり、それらの透過係数は室温条件下で1×10-11kg/m・s・Paを上回った。
また、かかる窒化珪素支持体はα−Si3N4の結晶構造を有しており、組織は熱的に安定である。しかも、孔径分布(孔径の変動幅)がたいへん狭く、ガス分離用途の多孔質無機材料(例えば水素分離モジュール)を構築するための多孔質支持体として好適である。
【0036】
次に、得られた窒化珪素支持体を60〜120℃に加熱した液状充填材(パラフィン:120P(JIS K−2235)♯48−50)中に浸漬し、当該支持体の細孔内部に充填材たるパラフィンを充填した。充填後、当該支持体を液状充填材中から引き上げた。その後、支持体を室温まで冷却することによって細孔中のパラフィンを固化した。この処理(即ち上記(a).処理)によって、上記図2に示すように、支持体全体の細孔をパラフィンで埋める(塞ぐ)ことができた。
【0037】
次に、上記得られた管状窒化珪素支持体の外壁側表面部(即ちチューブ円柱面の外周面)に水素分離膜としてポリシラザン膜を製膜した。
すなわち、ポリシラザン粉末をトルエンに溶解し(超音波攪拌処理)、固形分濃度が10wt%であるポリシラザン溶液(コーティング液)を調製した。
次いで、上記窒化珪素支持体をディップコーティング法に基づきコーティング液に浸漬した。なお、この浸漬処理の際には窒化珪素支持体の外周面にのみコーティング液が塗布(付着)されるように、当該窒化珪素支持体の端部を合成樹脂フィルムでラップした。
浸漬後、一定の速度で窒化珪素支持体をコーティング液から引き上げ、窒素雰囲気中、室温で乾燥した。その後、上記浸漬によってポリシラザン被膜が支持体の表面部(ここでは外周面)に形成されている窒化珪素支持体を抵抗加熱式真空・加圧焼結炉(ガス流通型)に入れ、大気圧・窒素雰囲気中、800℃で熱処理を行った。
この熱処理によって、窒化珪素支持体の外周面にポリシラザン膜が形成された。また、この熱処理の過程において細孔内の充填材は気化し、細孔内から除去されていた。このことは、以下の表1に示す多孔質支持体の重量変化からも明らかである。すなわち、上記充填材充填後に測定した重量及びコーティング液塗布・乾燥後に測定した重量は支持体形成時の測定重量(初期重量)よりも著しく増大したのであるが、上記熱処理後の重量はほぼ初期重量まで減少していた。
かかる一連の処理によって、上述の図4に示すような膜と支持体との境界面を有する、窒化珪素支持体の外周面にポリシラザン膜が形成されて成る管状多孔質無機材料(管状水素分離モジュール)を得た。
【0038】
【表1】
【0039】
<実施例2:ポリシラザン膜を有する管状多孔質無機材料の製造>
上記実施例1と同様にして、窒化珪素支持体を作成し、同様の充填材充填処理を施した。
次いで、本実施例では充填材の部分的除去処理を行った。すなわち、固化した充填材が細孔内に充填されている支持体をアセトン中に15秒浸漬し(1日間でもよい)、支持体の表層部付近に保持されていたパラフィンを溶解・除去した。その後、実施例1と同様の材料・条件によって製膜処理を行った。
かかる一連の処理によって、管状窒化珪素支持体の外壁側表面部(即ち充填材が除去された表層部)に水素分離膜としてのポリシラザン膜が形成され、且つ、細孔内に充填していたパラフィンが気化・除去された。而して、上述の図7に示すような部位に膜と支持体との境界面が形成された管状多孔質無機材料(管状水素分離モジュール)を得た。
【0040】
次に、得られた管状多孔質無機材料における膜形成状態を電子顕微鏡(SEM)で検鏡した。その結果を図8及び図9に示す。なお、図8は支持体表面部に形成された膜の表面を示す平面図に相当する電顕写真(×2500倍)である。また、図9は支持体表面部と膜を示す断面図に相当する電顕写真(×5000倍)である。
これら電顕(SEM)写真から、本実施例に係る多孔質無機材料では、窒化珪素支持体とポリシラザン膜との境界面がほぼ平坦に形成されていた(図9参照)。また、上述の図7に模式的に示したような、顕著な欠陥の認められないほぼ一定の膜厚(概ね1〜2μm)の均質且つ緻密な膜が支持体表面部の広い範囲に亘って形成されていることが確認された。また、セラミック膜の一部は支持体表層部の細孔内に形成されていることも確認された。従って、本実施例に係る多孔質無機材料では、当該膜と支持体との高密着性及び膜強度が実現されていることが示唆される。
【0041】
<実施例3:ポリシラザン膜を有する管状多孔質無機材料の製造>
充填材としてパラフィンの代わりにPEG(平均分子量:5000)を使用した以外は、上記実施例2と同様の処理を行って、管状窒化珪素支持体の外壁側表面部(即ち充填材が除去された表層部)にポリシラザン膜が形成されて成る管状多孔質無機材料(管状水素分離モジュール)を得た。
【0042】
<実施例4:ポリシラザン膜を有する管状多孔質無機材料の製造>
上記実施例1と同様にして、窒化珪素支持体を作成し、同様の充填材充填処理を施した。次に、実施例2と同様に、充填材の部分除去処理を行った。その後、実施例2と同様に、コーティング液の塗布及び乾燥処理を行った。
次に、乾燥後の支持体を真空排気中で190℃に保持し、支持体細孔内の充填材を完全に除去した。その後、実施例1〜3と同様の熱処理を行って、管状窒化珪素支持体の外壁側表面部(即ち充填材が除去された表層部)にポリシラザン膜が形成されて成る管状多孔質無機材料(管状水素分離モジュール)を得た。
【0043】
<比較例1:ポリシラザン膜を有する管状多孔質無機材料の製造>
上記実施例1と同様にして、窒化珪素支持体を作成した。その後、充填材充填処理を行うことなく(即ち充填材を使用しない。)、実施例1と同様の材料・条件によって製膜処理を行った。
かかる一連の処理によって、ポリシラザン膜の形成された管状多孔質無機材料を得た。
【0044】
次に、本比較例で得られた管状多孔質無機材料における膜形成状態を電子顕微鏡(SEM)で検鏡した。その結果を図10及び図11に示す。なお、図10は支持体表面部を示す平面図に相当する電顕写真(×5000倍)である。また、図11は支持体表面部の断面図に相当する電顕写真(×5000倍)である。
これら電顕(SEM)写真から明らかなように、、本比較例に係る多孔質無機材料では、窒化珪素支持体とポリシラザン膜との境界面は明瞭に認められない(図11参照)一方、支持体表面は凹凸形状であった。すなわち、充填材充填処理を施さなかった本比較例に係る多孔質無機材料では、膜形成用材料(即ちポリシラザン溶液)が支持体の細孔内に深く滲入してしまい、結果、支持体表面部に均質な膜が形成されていないことを示している。
【0045】
<実施例5:シリカ膜を有する管状多孔質無機材料の製造>
3000重量部のアルミナ粉末(50%粒子径:約3μm)に100重量部の有機バインダーを添加して混合した。この混合物に60重量部のワックスエマルジョンと60重量部のポリエーテル系合成油(潤滑剤)と420重量部のイオン交換水を添加して混練し、押出し成形用坏土を得た。その坏土を押出成形機により押出し成形した後、マイクロ波で乾燥し、空気雰囲気で熱処理して、多孔質アルミナの管状体を得た。
【0046】
次いで、得られた多孔質アルミナ管状体の表面を緻密化した。すなわち、1200重量部の高純度α−アルミナ粒子(平均粒子径:約0.2μm)に825重量部の蒸留水を加え、攪拌・混合しながら硝酸を添加してpH調整した。そして、超音波ホモジナイザーによる撹拌後、ボールミルで混合した。その混合物に、140重量部の有機バインダーに660重量部の蒸留水を加えて加熱スターラーで攪拌・混合した溶液と、72重量部の可塑剤とを添加した。その後、当該調製したスラリーに約1.4規定の硝酸を添加してpH調整し、ボールミルで混合して製膜用スラリーを得た。
次に、その製膜用スラリーを真空脱泡(泡抜き)した。その後、かかるスラリー中に、予め外表面研磨した上記多孔質アルミナ管状体を30秒間浸漬した。これにより、外表面に緻密層を形成した多孔質アルミナ管状体を、次いで、室温大気中で乾燥し、空気雰囲気で焼成(1030℃)した。これによって、α−アルミナ層が外表面に形成された管形状の多孔質アルミナ管状体(以下「アルミナ支持体」という。)を得た。なお、一般的な細孔分布測定法(ここでは水銀圧入法)によると、本実施例に係るアルミナ支持体の平均孔径は約0.1μmであり、孔隙率は約40%であった。なお、かかるアルミナ支持体は、水、エタノール、トルエン及びキシレンに対する接触角が90度未満であり、それらの透過係数は室温条件下で1×10-11kg/m・s・Paを上回った。
【0047】
次に、得られたアルミナ支持体に対して実施例2と同様の充填材充填処理及び部分的除去処理を施した。
その後、得られたアルミナ支持体の外壁側表面部(即ち充填材が除去された表層部)に水素分離膜としてシリカ膜を製膜した。
すなわち、実施例1と同様の材料・手順によって固形分濃度1wt%のポリシラザン溶液(以下「希薄コーティング液」という。)を調製した。次いで、アルミナ支持体をディップコーティング法に基づき希薄コーティング液に浸漬した。なお、この浸漬処理の際にはアルミナ支持体の外周面にのみ希薄コーティング液が塗布(付着)されるように、当該アルミナ支持体の端部を合成樹脂フィルムでラップした。浸漬後、一定の速度でアルミナ支持体を希薄コーティング液から引き上げ、室温で乾燥した。而して、本実施例では、かかるディップコーティング処理と乾燥処理を繰返し行った。その後、アルミナ支持体を抵抗加熱式真空・加圧焼結炉(ガス流通型)に入れ、空気中、250℃で熱処理を行った。
かかる一連の処理によって、管状アルミナ支持体の外壁側表面部(即ち充填材が除去された表層部)にシリカ膜が形成されて成る管状多孔質無機材料(管状水素分離モジュール)を得た。
【0048】
<比較例2:シリカ膜を有する管状多孔質無機材料の製造>
上記実施例5と同様にして、アルミナ支持体を作成した。その後、充填材充填処理を行うことなく(即ち充填材を使用しない。)、実施例5と同様の材料・条件によって製膜処理を行った。かかる一連の処理によって、シリカ膜の形成された管状多孔質無機材料を得た。
なお、上述の実施例及び比較例で製造された各多孔質無機材料の支持体、充填材及びセラミック膜の種類、並びに部分的除去処理の有無については、以下の表2及び表3にまとめている。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
<実施例6:多孔質無機材料のガス分離特性>
次に、上述の各実施例及び比較例において得られた管状多孔質無機(セラミック)材料(以下「ガス分離管」という。)のガス分離特性、即ち水素透過率及び窒素透過率、並びに水素/窒素分離係数を評価した。この評価のため、先ず、図12に示すような管状ガス分離モジュール21を作製した。
すなわち、図示されるように、上記実施例又は比較例で得たガス分離管30の開放両端部にステンレス製ジョイント管25,26を取り付けるとともに、かかるガス分離管30を密閉可能なケーシング22内に配置した。このとき、図12に示すように、ジョイント管25,26の開口先端部はケーシング22の外部に露出した状態とした。さらに、ガス分離管30の外周面における多孔質セラミック膜31(即ちポリシラザン膜又はシリカ膜)の端の部分(即ちジョイント管取付部分の近傍)には、高温シール材を挿入してメカニカルシールした。
また、ケーシング22には、別途、ガス供給管23と、ガス排出管24とが設けられている。また、図示していないが、ケーシング22の周囲にはヒーターおよびウォータージャケット(断熱材)が設けられており、ケーシング22内部のガス分離管30の温度を室温〜1000℃の範囲でコントロールすることができる。
【0052】
而して、一方のジョイント管25(以下「スウィープガス供給管25」という。)は、外部ガス供給源に接続しており、スウィープガス(He等)をガス分離管30の管内部33に供給することができる。他方、ガス排出側のジョイント管26(以下「透過ガス排出管26」という。)と接続するガス排出側流路には図示しないガスクロマトグラフが装備されており、そこを流れるガス濃度を測定し、その測定データをコンピュータシステムによって自動バッチ処理で解析することができる。
また、ケーシング22のガス供給管23は外部ガス又は水蒸気等の供給源に接続しており、当該ガス供給管23を介してケーシング内部空間27に水素、窒素、ヘリウム、アルゴン等の測定用ガスや水蒸気を供給することができる。なお、ケーシング内部空間27のガスはガス排出管24から外部に排出される。
【0053】
而して、かかる系において、測定用ガス供給側圧力(即ちケーシング内部空間27に供給されるガス圧)とスウィープガス供給側圧力(即ちガス分離管30の管内部36に供給されるガス圧)との間に差圧を設けることによって、ガス供給管23からケーシング22内部に導入された測定用ガスの一部は、ガス分離管30の表層に相当する多孔質セラミック膜31の細孔、さらには上記窒化珪素又はアルミナから成るセラミック多孔質支持体32を通過して、ガス分離管30の管内部33側に透過されることとなる。
【0054】
本実施例では、上記のように構築した測定系(ガス分離モジュール21)を用いて、計7種のガス分離管(表2及び3の実施例1〜5、比較例1〜2)の水素透過率、窒素透過率および水素/窒素分離係数を評価した。すなわち、ヒーターを作動させて所定の温度(実施例1〜4と比較例1は800℃、実施例5と比較例2は600℃)に調節した後、上記差圧を生じさせた状態で測定用ガスおよびスウィープガスをそれぞれケーシング内部空間27およびガス分離管内部33に供給した。而して、図示しないセッケン膜流量計によって透過側(即ち透過ガス排出管26と接続するガス排出側流路)の流速を測定しつつ、TCD検出器を備えたガスクロマトグラフによってガス組成を分析した。なお、水素および窒素それぞれのガス透過率は次の式「Q=A/((Pr−Pp)・S・t)」から算出した。ここでQはガス透過率(モル/m2・s・Pa)、Aは透過量(mol)、Prは供給側即ちケーシング内部空間側の圧力(Pa)、Ppは透過側即ち積層体管内部側の圧力(Pa)、Sは断面積(m2)、tは時間(秒:s)を表す。また、水素/窒素分離係数は、水素透過率と窒素透過率との比率すなわち式「α=QH2/QN2」から算出した。ここでαは水素/窒素分離係数(透過率比)、QH2は水素透過率、QN2は窒素透過率を表す。
【0055】
測定した水素透過率、窒素透過率および水素/窒素分離係数を対象ガス分離管毎に表2及び表3の所定の欄に示す。
これら表から明らかなように、各実施例で得られたガス分離管はいずれも150×10-8を上回る水素透過率を示す一方、窒素透過率はいずれも低かった。そして、各実施例に係るガス分離管の水素/窒素分離係数はいずれも3.0以上であった。このことは、各実施例に係るガス分離管に形成された多孔質セラミック膜の孔径の大部分はクヌッセン拡散域(孔径約10nm以下)に分布していること、典型的にはより小さい分子篩い可能領域(2nm以下)に分布していること、換言すれば当該セラミック膜の孔径分布のピーク値が10nm以下(典型的には2nm以下)であることを示している。
他方、各比較例に係るガス分離管はいずれも100×10-8を下回る水素透過率であり、水素/窒素分離係数も3.0未満であった。
以上の結果は、各実施例に係る多孔質セラミック材料(ガス分離管)が600℃或いは800℃を越える高温条件下にも拘わらず、安定した水素ガス分離特性を有することを裏付けるものである。
【0056】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように、本発明によると、全体にほぼ均質であり顕著な欠陥の認められない緻密な多孔質セラミック膜を無機系多孔質支持体の表面部に有する多孔質無機材料が提供される。
本発明によって提供される多孔質無機材料では、全体に均質な膜が形成されており物理的及び/又は化学的特性が膜の部分間で顕著に変動することがない。このため、膜分離に係る高信頼性及び高性能が実現されており、膜の孔径に応じてガス分離等の分子篩いや種々のメンブレンリアクターの材料として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 無機系多孔質支持体の形状を模式的に示す断面図である。
【図2】 無機系多孔質支持体の細孔内に充填材が充填された状態を模式的に示す断面図である。
【図3】 細孔内に充填材が充填された無機系多孔質支持体の表面部に膜形成用材料が塗布された状態を模式的に示す断面図である。
【図4】 多孔質無機材料の一態様を模式的に示す断面図である。
【図5】 充填材の部分除去処理が施された後の無機系多孔質支持体の状態を模式的に示す断面図である。
【図6】 充填材の部分除去処理が施された後の無機系多孔質支持体の表面部に膜形成用材料が塗布された状態を模式的に示す断面図である。
【図7】 本発明の多孔質無機材料の一態様を模式的に示す断面図である。
【図8】 一実施例に係る多孔質無機材料の表面形状を示す電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図9】 一実施例に係る多孔質無機材料の断面形状を示す電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図10】 一比較例に係る多孔質無機材料の表面形状を示す電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図11】 一比較例に係る多孔質無機材料の断面形状を示す電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図12】 一実施例に係る多孔質無機材料を用いて構築した管状ガス分離モジュールの構造を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1,11 多孔質無機材料
2 多孔質支持体
3 セラミック膜
4 細孔
10 充填材
21 管状ガス分離モジュール
30 ガス分離管(管状多孔質無機材料)
31 膜
32 支持体
Claims (3)
- 以下の処理:
(a).無機系多孔質支持体の少なくとも一部の細孔に、液状の充填材を充填する処理;
(b).前記充填材が充填された多孔質支持体の表層部から充填材を部分的に除去する処理;
(c).前記部分的除去処理が施された後の前記多孔質支持体の表層部に多孔質セラミック膜を形成する処理;および
(d).その多孔質セラミック膜の形成された多孔質支持体から前記充填材を実質的に除去する処理;
を包含する、無機系多孔質支持体の前記充填材の除去された表層部に多孔質セラミック膜が形成されて成る多孔質無機材料を製造する方法。 - 前記(c).の処理を行う前に、
前記充填された充填材を固める処理が行われる、請求項1に記載の製造方法。 - 前記(c).の処理において、膜形成用材料を含有する液中に前記多孔質支持体を浸漬することによって、該支持体の前記充填材の除去された表層部への該膜形成用材料の塗布が行われる、請求項1または2に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001012013A JP3850668B2 (ja) | 2001-01-19 | 2001-01-19 | 多孔質セラミック膜を有する多孔質無機材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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