JP3943460B2 - 耐熱性水素分離無機膜とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のガスを含有する混合ガスから水素ガスを選択的に透過させて分離することのできる耐熱性水素分離無機膜及びその製造方法に関し、特に高温下でも水素分離機能を効果的に発揮しうる耐熱性に優れた耐熱性水素分離無機膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水素ガスを含有する混合ガスから水素ガスを選択的に透過させることにより、混合ガスから水素ガスを分離して得ることのできる水素分離膜が知られている。
【0003】
かかる水素分離膜として、例えば、Si−O−Siで表される環状のシロキサン結合を有する非晶質シリカからなる酸化物系のものがある。この水素分離膜では、環状のシロキサン結合によって形成される細孔を水素ガスが透過することにより、水素ガスの分離が可能となる。
【0004】
ところが、このようなシロキサン結合を有する水素分離膜では、300〜350℃程度の高温環境下になると、シロキサン結合の結合状態が変化することにより、膜内の細孔構造が変化してしまい、安定したガス分離特性が得られないという問題があった。
【0005】
そこで、特開2000−189772合公報には、耐熱性を高めるべく、シロキサン結合中のSiの一部をZrで置換したSi−Zr−Oの3元素・酸化物系の水素分離膜が開示されている。この3元素・酸化物系の水素分離膜では、シロキサン結合間にZrが介在することにより、シロキサン結合の安定性が高まる。
このため、常温〜400℃までの高温環境下でも、シロキサン結合の結合状態が安定に維持され、したがって細孔構造も安定に維持されて安定したガス分離特性が得られる。
【0006】
ここに、上記Si−Zr−Oの3元素・酸化物系の水素分離膜は、以下のように製造される。まず、シリコンのアルコキシドとジルコニウムのアルコキシドをアルコール溶媒中で混合して、複合アルコキシドを調製するとともに、この複合アルコキシドを加水分解して前駆体ゾルを作製する。そして、この前駆体ゾルを多孔質支持体の表面に塗布して乾燥することによりゲルとし、その後、大気中、350〜700℃(特に400〜500℃)の温度で焼成する。これにより、ゲル内でSi−Oのシロキサン結合が進行して強固な膜になるとともに、アルキル基が分解、除去されて細孔が形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水素ガスは、ナフサ又はメタンなどの改質反応によって製造されるが、その改質反応は約800℃の高温下で行われる。この改質反応をより効率良く進行させるためには、改質反応により発生した水素ガスを反応系から効率良く取り出すことが重要となるが、この場合800℃以上の高温環境下でも水素分離機能を発揮しうる耐熱性水素分離無機膜が必要となる。
【0008】
しかし、上記従来のSi−Zr−Oの3元素・酸化物系の水素分離膜を、その焼成温度よりも高い温度で用いると、熱分解が進行して、膜構造、特にガス分離機能発現に必要不可欠な微細な細孔構造を維持することができない。また、この酸化物系の水素分離膜を700℃を超えるような高温環境下で用いると、結晶化が進行して結晶質となってしまい、アモルファス相による細孔構造を維持することができない。
【0009】
したがって、800℃以上の高温環境下でも微細な細孔構造を維持して良好なガス分離機能を発揮しうる耐熱性水素分離膜の出現が望まれる。
【0010】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、800℃以上の高温環境下でも極微細な細孔構造を維持して良好なガス分離機能を発揮しうる耐熱性水素分離膜を提供することを解決すべき技術課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の耐熱性水素分離無機膜は、孔径が2nm以下である細孔の占める割合が容積率で全細孔のうち90%以上であるアモルファス膜よりなり、一般式[Si−A−C−N](式中、Siはケイ素、Aは金属元素としてのジルコニウム、Cは炭素、Nは窒素を示す)で示され、各元素の含有量がSi:40wt%以上、N:25wt%以上、A:8〜15wt%及びC:10〜15wt%である組成を有することを特徴とするものである。
請求項1記載の耐熱性水素分離無機膜は、ポリマー前駆体と、金属元素としてのジルコニウム及び炭素数が1〜3のアルキルアミノ基をもつ金属有機ポリマーを含む膜原料から得られた塗布膜を、不活性ガス雰囲気下、900〜1000℃の温度範囲で焼成してなることが好ましい。
【0013】
また、請求項3記載の耐熱性水素分離無機膜は、アモルファス膜よりなり、一般式[Si−A−C−N](式中、Siはケイ素、Aは金属元素としてのジルコニウム、Cは炭素、Nは窒素を示す)で示され、各元素の含有量がSi:40wt%以上、N:25wt%以上、A:8〜15wt%及びC:10〜15wt%である組成を有し、ポリマー前駆体と、金属元素としてのジルコニウム及び炭素数が1〜3のアルキルアミノ基をもつ金属有機ポリマーを含む膜原料から得られた塗布膜を、不活性ガス雰囲気下、900〜1000℃の温度範囲で焼成してなるものである。
【0014】
上記課題を解決する請求項4記載の耐熱性水素分離無機膜の製造方法は、ポリマー前駆体と、金属元素としてのジルコニウム及び炭素数が1〜3のアルキルアミノ基をもつ金属有機化合物とを化学反応により結合させて、該金属元素及び該アルキルアミノ基をもつ金属有機ポリマーとし、該金属有機ポリマーを含む膜原料を準備する準備工程と、基材の表面に上記膜原料を塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、上記塗布膜を不活性ガス雰囲気下で900〜1000℃の温度範囲で加熱して、上記基材の表面に耐熱性水素分離無機膜を形成する焼成工程とからなることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の耐熱性水素分離無機膜は、孔径が2nm以下である細孔の占める割合が容積率で全細孔のうち90%以上であるアモルファス膜よりなり、一般式[Si−A−C−N](式中、Siはケイ素、Aは金属元素としてのジルコニウム、Cは炭素、Nは窒素を示す)で示され、各元素の含有量がSi:40wt%以上、N:25wt%以上、A:8〜15wt%及びC:10〜15wt%である組成を有することを特徴とするものである。
また、請求項3記載の耐熱性水素分離無機膜は、アモルファス膜よりなり、一般式[Si−A−C−N](式中、Siはケイ素、Aは金属元素としてのジルコニウム、Cは炭素、Nは窒素を示す)で示され、各元素の含有量がSi:40wt%以上、N:25wt%以上、A:8〜15wt%及びC:10〜15wt%である組成を有し、ポリマー前駆体と、金属元素としてのジルコニウム及び炭素数が1〜3のアルキルアミノ基をもつ金属有機ポリマーを含む膜原料から得られた塗布膜を、不活性ガス雰囲気下、900〜1000℃の温度範囲で焼成してなるものである。
【0016】
これらの耐熱性水素分離無機膜は、800〜1000℃の温度環境下で一酸化炭素に対する水素の透過係数比α(H2 /CO)が後述する実施例で示されるように大きくなることから、この高温環境下でも良好な水素分離機能を発揮する。したがって、これらの耐熱性水素分離無機膜によれば、約800℃の高温下で行われる改質反応により水素ガスを製造する際に用いても、反応系から効果的に水素ガスを分離することができる。
【0017】
そして、一般式[Si−A−C−N](式中、Siはケイ素、Aは金属元素としてのジルコニウム、Cは炭素、Nは窒素を示す)で示され、各元素の含有量がSi:40wt%以上、N:25wt%以上、A:8〜15wt%及びC:10〜15wt%である組成を有し、かつ、ポリマー前駆体と、金属元素としてのジルコニウム及び炭素数が1〜3のアルキルアミノ基をもつ金属有機ポリマーを含む膜原料から得られた塗布膜を、不活性ガス雰囲気下、900〜1000℃の温度範囲で焼成してなる耐熱性水素分離無機膜であれば、800〜1000℃の温度環境下で一酸化炭素に対する水素の透過係数比α(H2 /CO)が後述する実施例で示されるように大きくなり、高温環境下でも良好な水素分離機能を発揮する。
【0018】
すなわち、上記組成を有し、かつ、上記所定の方法で得られた耐熱性水素分離無機膜は、不可避的に含まれる場合のある微量の酸素(O)を無視すれば、基本的には4元素・非酸化物系ということができる。また、炭素数が1〜3のアルキルアミノ基をもつ金属有機ポリマーを含む膜原料を用いて製造することにより、後述するように、極微細な細孔構造をもつ膜とすることができる。このような極微細な細孔構造をもつ4元素・非酸化物系の耐熱性水素分離無機膜によれば、800℃以上の高温環境下でも、結晶化の進行を抑えて非晶質を維持することができるとともに、熱分解するようなこともない。このため、800℃以上の高温環境下でも、極微細な細孔構造を維持して良好なガス分離機能を発揮しうる。
【0019】
ここに、各元素の含有量の限定理由は以下のとおりである。
【0020】
Si及びNはアモルファス構造を構築するための主要元素であり、そのためには、Siは40wt%以上、またNは25wt%以上の含有量を必要とする。
【0021】
金属元素としてのジルコニウムは、耐熱性水素分離無機膜の耐熱性を向上させるためのものであり、そのためには8wt%以上の含有量を必要とする。なお、この金属元素により耐熱性が向上するのは、Si−N系アモルファスネットワーク構造中に、A−N結合(AはZr)を形成して、Si−N系アモルファスの結晶化に必要となるSiN4 テトラヘドラルユニット構造の形成を阻害するためと考えられる。一方、ジルコニウムの含有量が多すぎると、ZrN等の微細結晶粒子がSi−N系アモルファス中に析出して膜構造が不均一になるため、その上限を15wt%とした。
【0022】
Cも、耐熱性水素分離無機膜の耐熱性を向上させるためのものであり、そのためには10wt%以上の含有量を必要とする。なお、Cにより耐熱性が向上するのは、Si−N系アモルファスネットワーク構造中に、SiCx N4-x (1≦x≦3)テトラヘドラルユニット構造を形成して、Si−N系アモルファスの結晶化に必要となるSiN4 テトラヘドラルユニット構造の形成を阻害するためと考えられる。一方、Cの含有量が多すぎると、SiCの微細結晶粒子がSi−N系アモルファス中に析出して膜構造が不均一になるため、その上限を15wt%とした。
【0023】
なお、不可避的に含まれる酸素(O)の含有量としては、1wt%未満とすることが好ましい。Oが1wt%以上含まれていると、高温でSiOあるいはCOガスの放出を伴う膜の分解反応が進行して、極微細な細孔構造を安定に維持することが困難になるからである。
【0024】
上記組成を有し、800〜1000℃の温度環境下で一酸化炭素に対する水素の透過係数比α(H2 /CO)が後述する実施例で示されるように大きくなるような耐熱性水素分離無機膜は、以下に示す準備工程と、塗布工程と、焼成工程とからなる製造方法により製造することができる。
【0025】
上記準備工程では、ポリマー前駆体と、金属元素としてのジルコニウム及び炭素数が1〜3のアルキルアミノ基をもつ金属有機化合物とを化学反応により結合させて、該金属元素及び該アルキルアミノ基をもつ金属有機ポリマーとし、該金属有機ポリマーを含む膜原料を準備する。
【0026】
ポリマー前駆体としては、例えば、Si、N、C及び不可避的に含まれる微量のOをそれぞれ所定量含有するポリシラザンやポリカルボシラザンを挙げることができる。
【0027】
金属元素としてのジルコニウムと、炭素数が1〜3のアルキルアミノ基とをもつ金属有機化合物としては、例えば、金属元素としてのジルコニウムと、炭素数が2のアルキルアミノ基としてのエチルアミノ基とをもつテトラキスジエチルアミノジルコニウムを挙げることができる。
【0028】
ここに、上記金属有機化合物におけるアルキルアミノ基の炭素数を3以下とするのは、焼成工程で、アルキルアミノ基が熱分解して、除去されることにより形成される細孔の孔径を所定のものとするためである。水素分離無機膜における細孔の孔径は、ガス分離機能に直結する。例えば、分子径が約0.298nmの水素ガスと分子径が約0.33nmの二酸化炭素ガスとを含有する混合ガスから水素ガスのみを選択的に透過させて完全に水素ガスを分離するためには、水素分離無機膜における細孔の最大孔径が約0.33nm未満である必要がある。上記金属有機化合物におけるアルキルアミノ基の炭素数が増えれば、それに応じてアルキルアミノ基の熱分解により形成される細孔の孔径も大きくなることから、炭素数が3を超えると、細孔の微細化が困難となる。
【0029】
この耐熱性水素分離無機膜における細孔の孔径については、孔径が2nm以下である細孔の占める割合が容積率で全細孔のうち90%以上であることが好ましく、95%以上であることが特に好ましい。
【0030】
この準備工程では、例えば、上記ポリマー前駆体を適当な溶媒に溶解し、この溶液に上記金属有機化合物を添加することにより、膜原料を得ることができる。
なお、ポリマー前駆体を溶解する溶媒としては、例えば、無水キシレンや無水トルエン等の有機溶媒を用いることができる。
【0031】
上記塗布工程では、基材の表面に上記膜原料を塗布して塗布膜を形成する。このときの塗布方法は特に限定されず、例えばスピンコーティング装置を用いての塗布及び所定温度での加熱処理を繰り返すことにより、所定厚さの塗布膜を形成することができる。
【0032】
ここに、最終的に得られる耐熱性水素分離無機膜の膜厚としては100〜500nm程度であることが好ましく、したがって、この塗布工程では、最終的に得られる耐熱性水素分離無機膜の膜厚が100〜500nm程度となるように塗布することが好ましい。
【0033】
また、上記基材の種類としては、800〜1000℃の高温環境下でも所定の耐熱性を有するとともに所定のガス透過性を有するものであれば特に限定されない。例えば、窒化ケイ素、アルミナ、炭化ケイ素等のセラミックスを好適に用いることができる。また、基材の形状も特に限定されず、平板状であっても、管状であってもよい。この基材における細孔の孔径は0.08〜1.0μm程度とすることができ、気孔率は20〜40%程度とすることができる。
【0034】
上記焼成工程では、上記塗布膜を不活性ガス雰囲気下で900〜1000℃の温度範囲で加熱して、上記基材の表面に耐熱性水素分離無機膜を形成する。
【0035】
このように焼成工程における雰囲気を不活性ガス雰囲気として雰囲気制御することにより、非酸化物系の水素分離膜にするとともに、最終的に得られる水素分離無機膜におけるNやCの含有量を制御することができる。不活性ガスの種類としては特に限定されず、例えば、窒素、アルゴンやヘリウムとすることができる。但し、最終的に得られる水素分離無機膜におけるNの含有量を25wt%以上とする上では、窒素雰囲気とすることが好ましい。
【0036】
また、焼成工程における焼成温度を900℃以上とすることにより、有機物を確実に熱分解して除去することができる。すなわち、得られる耐熱性水素分離無機膜中には有機物が存在していない。このため、得られる耐熱性水素分離無機膜は、800℃以上の高温環境下で使用されても、熱分解が進行して膜構造(細孔構造)が変化してしまう(細孔が拡大化する)ようなことがなく、極微細な細孔構造を安定に維持することができる。なお、焼成温度が1000℃を超えると細孔の閉塞が一部開始するため、焼成温度の上限は1000℃とする。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
【0038】
(実施例)
<準備工程>
ポリマー前駆体として、下記表1の組成を有する市販のポリシラザン(商品名「N−N310」、東燃社製)を準備した。
【0039】
【表1】
【0040】
また、金属元素としてのジルコニウムと、炭素数が2のアルキル基としてのエチル基をもつ金属有機化合物として、テトラキスジエチルアミノジルコニウムを準備した。
【0041】
そして、上記ポリシラザン6.65gを200mlの無水キシレンに溶解した後、氷浴で冷却した。この溶液に、上記テトラキスジエチルアミノジルコニウム2.9gをシリンジでゆっくりと滴下した。そして、室温に戻した後、5時間撹拌して化学反応させて、ジルコニウムとエチル基とをもつ金属有機ポリマーのキシレン溶液(金属有機ポリマーの濃度が20wt%の膜原料溶液)を準備した。
【0042】
<塗布工程>
一方、窒化ケイ素よりなり、直径20mmの円板状の多孔質基材を準備した。
この多孔質基材は、孔径が0.1μm、気孔率が50%である。
【0043】
そして、スピンコーティング装置を用いて、上記多孔質基材の一方の表面上に上記膜原料溶液をコーティングした。その後、270℃で1時間加熱した後、室温まで冷却した。このコーティング及び加熱処理を5回繰り返すことにより、塗布膜を多孔質基材上に形成した。
【0044】
なお、この塗布工程は、窒素ガス雰囲気下で行った。
【0045】
<焼成工程>
上記塗布膜を形成した多孔質基材を、窒素ガス雰囲気下、1000℃で1時間加熱した。これにより、上記多孔質基材の表面に、膜厚200nmのアモルファス膜よりなり、Si−Zr−C−Nの4元素・非酸化物系の耐熱性水素分離無機膜を形成し、多孔質基材と、この多孔質基材の表面に形成された耐熱性水素分離無機膜とからなる水素分離フィルタを製造した。
【0046】
こうして得られたSi−Zr−C−Nの4元素・非酸化物系の耐熱性水素分離無機膜は、後述する化学組成評価の結果が表 に示されるように、Si:53.8wt%、N:26.0wt%、Zr:8.8wt%、C:11.0wt%、O:0.4wt%の組成を有していた。
【0047】
また、この耐熱性水素分離無機膜は、孔径が2nm以下である細孔の占める割合が容積率で全細孔のうち92%であった。
【0048】
(比較例1)
<準備工程>
上記実施例1と同様にして、ジルコニウムとエチル基とをもつ金属有機ポリマーのキシレン溶液(金属有機ポリマーの濃度が20wt%の膜原料溶液)を準備した。
【0049】
<塗布工程、焼成工程>
上記実施例1と同様の多孔質基材を準備した。
【0050】
そして、上記実施例1と同様のスピンコーティング装置を用い、酸素ガス雰囲気下、上記多孔質基材の一方の表面上に上記膜原料溶液をコーティングした。その後、酸素ガス雰囲気を維持したまま、400℃で1時間加熱した後、室温まで冷却した。このコーティング及び加熱処理を5回繰り返した。これにより、膜厚290nmのアモルファス膜よりなり、Si−Zr−Oの3元素・酸化物系の水素分離膜を多孔質基材上に形成し、多孔質基材と、この多孔質基材の表面に形成された水素分離膜とからなる水素分離フィルタを製造した。
【0051】
こうして得られたSi−Zr−Oの3元素・酸化物系の水素分離膜は、後述する化学組成評価の結果が表3に示されるように、Si:42.4wt%、Zr:7.6wt%、O:50.0wt%の組成を有していた。
【0052】
また、この水素分離膜は、孔径が2nm以下である細孔の占める割合が容積率で全細孔のうち70%であった。
【0053】
(比較例2)
<準備工程>
ジルコニウム及びエチル基をもつ金属有機化合物としてのテトラキスジエチルアミノジルコニウムの代わりに、ジルコニウム及びブチル基(炭素数が4のアルキル基)をもつ金属有機化合物としてのテトラキスジブチルアミノジルコニウムを用いること以外は、上記実施例1と同様にして、ジルコニウム及びブチル基をもつ金属有機ポリマーのキシレン溶液(金属有機ポリマーの濃度が20wt%の膜原料溶液)を準備した。
【0054】
<塗布工程、焼成工程>
上記ジルコニウム及びブチル基をもつ金属有機ポリマーのキシレン溶液(金属有機ポリマーの濃度が20wt%の膜原料溶液)を用いて、上記実施例1と同様の塗布工程及び焼成工程を実施して、所定の膜厚(200nm)のアモルファス膜よりなり、Si−Zr−C−Nの4元素・非酸化物系の水素分離膜を多孔質基材上に形成し、多孔質基材と、この多孔質基材の表面に形成された水素分離膜とからなる水素分離フィルタを製造した。
【0055】
こうして得られたSi−Zr−C−Nの4元素・非酸化物系の水素分離膜は、後述する化学組成評価の結果が表 に示されるように、Si:51.2wt%、N:25.0wt%、Zr:8.1wt%、C:15.0wt%、O:0.7wt%の組成を有していた。
【0056】
また、この水素分離無機膜は、孔径が2nm以下である細孔の占める割合が容積率で全細孔のうち80%であった。
【0057】
(水素ガス分離特性の評価)
上記実施例1及び比較例1、2で得られた水素分離フィルタについて、図1に示されるガス分離膜透過特性装置を用いて、水素ガス分離特性を評価した。
【0058】
この装置は、ガス供給管1から測定用のガスが送られるフィルタ装填部2と、このフィルタ装填部2の水素分離フィルタを透過した膜透過ガスが配管3を介して送られるバッファタンク4と、配管3の途中に配設され膜透過ガスの圧力を検知する第1圧量センサ5と、膜透過ガスが所定圧力に到達した時点でガスクロ検量管6内のガス組成を分析する第1ガスクロマトグラフ7と、膜透過側を減圧する真空ポンプ8と、フィルタ装填部2の水素分離フィルタを透過していない膜非透過ガスの圧力を検知する第2圧力センサ9と、膜非透過ガスのガス組成を分析する第2ガスクロマトグラフ10と、膜非透過ガスの流量を測定する膜流量計11とを主な構成要素としている。なお、特定の使用温度における水素分離膜の膜特性を評価すべく、水素分離フィルタが装填されたフィルタ装填部2は図示しないヒータにより所定の測定温度に調整可能とされている。また、バッファタンク4及びガスクロ検量管6等(図1の一点鎖線で囲む部分)は、所定温度に保持可能な恒温槽12内に収容されている。
【0059】
この装置を用いて、以下のとおり、各ガスの透過率と、水素ガス分離特性を評価した。
【0060】
まず、H2 :CO:CH4 :CO2 :N2 =9:5:5:18:63の組成からなる測定用の混合ガス(1〜5気圧)をフィルタ装填部2に流し、真空ポンプ8により膜透過側を減圧した。そして、配管3を通ってバッファタンク4に蓄積されるガスについて、内圧が60mmHgに到達した時点で、それに要した時間を計るとともに、ガスクロ検量管6内のガス組成を第1ガスクロマトグラフ7で分析することにより、各ガスの透過率を算出した。こうして、300℃、600℃、800℃の各測定温度で算出したH2 、N2、COの各ガスの透過率を表2に示す。
【0061】
また、H2 :CO:CH4 :CO2 :N2 =9:5:5:18:63の組成から成る混合ガスを用い、300℃、600℃、800℃の各測定温度における各ガスの透過係数比を求めた。その結果を表2に併せて示す。
【0062】
【表2】
【0063】
さらに、800℃の測定温度において、実施例1、比較例1及び比較例2の水素分離膜について、ガスの分子直径とガス透過率との関係を求めた結果を図2、図3及び図4にそれぞれ示す。
【0064】
表2から明らかなように、本実施例1の耐熱性水素分離無機膜は、800℃の高温下でも、H2 の透過率が6×10-7と高く、また、N2 、CO、CH4 に対するH2 の透過係数比もきわめて高かった。
【0065】
また、図2から明らかなように、本実施例1の耐熱性水素分離無機膜は、800℃の高温下でも、直径が0.30nmを超えるような分子に対して、直径が0.30nm以下の分子を確実に選択して透過させることができ、十分な分子ふるい効果が認められた。
【0066】
なお、800℃を超え、かつ、1000℃以下の温度範囲については、水素分離特性を調べていないが、本実施例1の耐熱性水素分離無機膜は、焼成工程で1000℃の温度で焼成したものであることから、1000℃の高温下で使用されても、当然に膜内の極微細な細孔構造を安定に維持することができると考えられる。したがって、1000℃の高温下でも、H2 の透過率及びN2 、CO、CH4 に対するH2 の透過係数比は、いずれも800℃におけるものと同程度の値になると考えられる。
【0067】
一方、比較例1の水素分離膜は、800℃の高温下では、H2 の透過率が1×10-6と低く、また、600℃以上になると、N2 、CO、CH4 に対するH2 の透過係数比が極端に低下した。また、800℃の高温下では、分子ふるい効果が認められなかった。
【0068】
また、比較例2の水素分離膜は、800℃の高温下では、H2 の透過率が5×10-7と低く、また、600℃以上になると、N2 、CO、CH4 に対するH2 の透過係数比が極端に低下した。また、800℃の高温下では、分子ふるい効果が認められなかった。
【0069】
(水素分離膜の化学組成評価)
上記実施例1及び比較例1、2の各水素分離膜の化学組成を以下のようにして調べた。
【0070】
<実施例1の水素分離膜の化学組成評価>
上記実施例1と同様の準備工程により、ジルコニウムとエチル基とをもつ金属有機ポリマーのキシレン溶液(金属有機ポリマーの濃度が20wt%の膜原料溶液)を準備した。そして、この溶液から溶媒のキシレンを減圧留去して、8.6gの生成物を得た。そして、この生成物を窒素気流中、5℃/minの昇温速度で昇温して1000℃で1時間保持することにより、熱分解して、6.4gの粉末を得た。
【0071】
得られた粉末をX線結晶回折解析により調べた結果、アモルファス相であることが確認された。また、元素分析の結果、このアモルファス粉末は、表3に示す化学組成で構成されていた。
【0072】
<比較例1の水素分離膜の化学組成評価>
上記比較例1と同様の準備工程、すなわち上記実施例1と同様の準備工程により、ジルコニウムとエチル基とをもつ金属有機ポリマーのキシレン溶液(金属有機ポリマーの濃度が20wt%の膜原料溶液)を準備した。そして、この溶液から溶媒のキシレンを減圧留去して、8.6gの生成物を得た。そして、この生成物を酸素雰囲気下、5℃/minの昇温速度で昇温して400℃で1時間保持することにより、熱分解して、7.5gの粉末を得た。
【0073】
得られた粉末をX線結晶回折解析により調べた結果、アモルファス相であることが確認された。また、元素分析の結果、このアモルファス粉末は、表3に示す化学組成で構成されていた。
【0074】
<比較例2の水素分離膜の化学組成評価>
上記比較例2と同様の準備工程により、ジルコニウム及びブチル基をもつ金属有機ポリマーのキシレン溶液(金属有機ポリマーの濃度が20wt%の膜原料溶液)を準備した。そして、この溶液から溶媒のキシレンを減圧留去して、8.8gの生成物を得た。そして、この生成物を窒素気流中、5℃/minの昇温速度で昇温して1000℃で1時間保持することにより、熱分解して、6.5gの粉末を得た。
【0075】
得られた粉末をX線結晶回折解析により調べた結果、アモルファス相であることが確認された。また、元素分析の結果、このアモルファス粉末は、表3に示す化学組成で構成されていた。
【0076】
【表3】
【0077】
(その他の実施例)
なお、上述の実施例では、ポリマー前駆体に導入、結合させる金属元素としてジルコニウムを採用したが、これの代わりにアルミニウムを採用したとしても、同様の効果が得られると考えられる。これは、アルミニウムの場合も、ジルコニウムと同様にポリマー前駆体に導入、結合させることが可能と考えることができるからである。
【0078】
例えば、金属元素としてのアルミニウムと、炭素数が1のアルキル基としてのメチル(CH3 )基とをもつ金属有機化合物として、トリスジメチルアミノアランダイマーを採用することができる。そして、ポリマー前駆体を溶媒に溶解させた溶液にこの金属有機化合物を加えて反応させることにより、アルミニウムとアルキル基(メチル基)とをもつ金属有機ポリマー含む膜原料を得ることができる。その後、この膜原料を用いて、上記実施例1と同様の塗布及び焼成工程を実施することにより、800〜1000℃の温度範囲で、H2 の透過率及びN2 、CO、CH4 に対するH2 の透過係数比がいずれも上記実施例1と同程度の値をもつ耐熱性水素分離無機膜が得られると考えられる。
【0079】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、800℃以上の高温環境下でも極微細な細孔構造を維持して良好なガス分離機能を発揮しうる耐熱性水素分離膜を提供することが可能となる。
【0080】
したがって、約800℃の高温下で行われる改質反応により水素ガスを製造する際に、本発明に係る耐熱性水素分離無機膜を用いることにより、反応系から効果的に高純度の水素ガスを分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガス分離膜透過特性装置の全体構成を概略的に示す装置系統図である。
【図2】 実施例1の耐熱性水素分離無機膜について、ガスの分子直径とガス透過率との関係を示す図である。
【図3】 比較例1の水素分離膜について、ガスの分子直径とガス透過率との関係を示す図である。
【図4】 比較例2の水素分離膜について、ガスの分子直径とガス透過率との関係を示す図である。
【符号の説明】
2…フィルタ充填部 4…バッファタンク
6…ガスクロ検量管 7…第1ガスクロマトグラフ
8…真空ポンプ
Claims (4)
- 孔径が2nm以下である細孔の占める割合が容積率で全細孔のうち90%以上であるアモルファス膜よりなり、一般式[Si−A−C−N](式中、Siはケイ素、Aは金属元素としてのジルコニウム、Cは炭素、Nは窒素を示す)で示され、各元素の含有量がSi:40wt%以上、N:25wt%以上、A:8〜15wt%及びC:10〜15wt%である組成を有することを特徴とする耐熱性水素分離無機膜。
- ポリマー前駆体と、金属元素としてのジルコニウム及び炭素数が1〜3のアルキルアミノ基をもつ金属有機ポリマーを含む膜原料から得られた塗布膜を、不活性ガス雰囲気下、900〜1000℃の温度範囲で焼成してなることを特徴とする請求項1記載の耐熱性水素分離無機膜。
- アモルファス膜よりなり、一般式[Si−A−C−N](式中、Siはケイ素、Aは金属元素としてのジルコニウム、Cは炭素、Nは窒素を示す)で示され、各元素の含有量がSi:40wt%以上、N:25wt%以上、A:8〜15wt%及びC:10〜15wt%である組成を有し、
ポリマー前駆体と、金属元素としてのジルコニウム及び炭素数が1〜3のアルキルアミノ基をもつ金属有機ポリマーを含む膜原料から得られた塗布膜を、不活性ガス雰囲気下、900〜1000℃の温度範囲で焼成してなることを特徴とする耐熱性水素分離無機膜。 - ポリマー前駆体と、金属元素としてのジルコニウム及び炭素数が1〜3のアルキルアミノ基をもつ金属有機化合物とを化学反応により結合させて、該金属元素及び該アルキルアミノ基をもつ金属有機ポリマーとし、該金属有機ポリマーを含む膜原料を準備する準備工程と、
基材の表面に上記膜原料を塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、
上記塗布膜を不活性ガス雰囲気下で900〜1000℃の温度範囲で加熱して、上記基材の表面に耐熱性水素分離無機膜を形成する焼成工程とからなることを特徴とする耐熱性水素分離無機膜の製造方法。
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