JP2005060126A - 多孔質セラミック材の製造方法 - Google Patents

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誠司 山田
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清司 古村
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Abstract

【課題】反応焼結を利用して製造コスト(特に原料コスト)を抑えつつ、相互に細孔径の異なる基材と該基材の表面上に形成された少なくとも一のセラミック層とを有する積層構造タイプの多孔質セラミック材を製造する方法を提供すること。
【解決手段】窒化ケイ素等のケイ素化合物粉末と金属シリコン粉末とを主体とする基材形成材料を用いて所定形状の基材を成形する工程と、前記基材成形体の表面に、該ケイ素化合物粉末を主体とするセラミック層形成材料を付与する工程と、前記セラミック層形成材料が付与された基材成形体を窒化可能な雰囲気中で反応焼結させ、前記基材形成材料から成る基材と前記セラミック層形成材料から成るセラミック層とを有する焼成体を得る工程とを包含する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応焼結によって多孔質セラミック材を製造する方法に関し、特に相互に細孔径の異なる基材(基層)とその表面に形成されたセラミック層とを有する積層構造の多孔質セラミック材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】気体又は液体の濾過材、触媒担体、或いは、ガス分離材等として使用するセラミック膜の支持体として、種々の多孔質セラミック材が使用されている。近年、これら用途向けの材料として、窒化ケイ素、炭化ケイ素のような、ケイ素を主体とする非酸化物系セラミック材が注目されている。特に窒化ケイ素を主要構成要素とする多孔質セラミック材は、耐熱性や耐熱衝撃性に優れており、高温条件下(300℃以上、例えば600〜1000℃)で使用するのに適している。例えば、特許文献1には、気体濾過用フィルターや触媒担体として高温条件下で使用する窒化ケイ素主体の多孔質セラミック材およびその製造方法が記載されている。
【0003】
ガス分離膜のような微細孔を有するセラミック多孔質膜の支持体として上記のような多孔質セラミック材を用いる場合、膜と支持体との接合性の向上(剥離防止性能)及び膜の機械的強度の向上を図るべく、当該支持体の細孔径と分離膜の細孔径とのギャップを小さくすることが好ましい。
このため、支持体の表面に基材部分(基層部分)よりも孔径の小さいセラミック層を形成することが行われている。例えば特許文献2には、そのようなセラミック層(中間層)を含む多孔質セラミック材(積層体)が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−133857号公報
【特許文献2】特開2001−247385号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
窒化ケイ素等の非酸化物セラミック粉末は、他の一般的な酸化物セラミック粉末(シリカ粉、アルミナ粉等)に比べて高価な素材である。このため、多孔質支持体の製造コストを低減するべく、炭化ケイ素や窒化ケイ素のようなケイ素化合物よりも安価な金属シリコン粉末を使用し、反応焼結法によって当該シリコン粉末から非酸化物セラミックを作製することが考えられる。しかし、従来の反応焼結法によっては、多孔質支持体(基材)の表面に接合強度に優れる多孔質セラミック層を形成することが困難であった。
そこで、本発明は、反応焼結を利用して製造コスト(特に原料コスト)を抑えつつ、相互に細孔径の異なる基材と該基材の表面上に形成された少なくとも一のセラミック層とを有する積層構造タイプの多孔質セラミック材の製造方法を提供することを目的とする。また、他の目的は、そのような製造方法によって製造された多孔質セラミック材を支持体として用い、その表面に高性能なセラミック多孔質膜が形成された多孔質セラミック材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明によって提供される一つの製造方法は、基材と、該基材の表面上に形成された少なくとも一層のセラミック層とを有する多孔質セラミック材を製造する方法である。
この製造方法は、(a)炭化ケイ素及び/又は窒化ケイ素から成るケイ素化合物粉末と金属シリコン粉末とを主体とする基材形成材料を用いて所定形状の基材を成形する工程と、(b)前記基材成形体の表面の少なくとも一部に、炭化ケイ素及び/又は窒化ケイ素から成るケイ素化合物粉末を主体とするセラミック層形成材料であって、前記基材形成材料に含まれるケイ素化合物粉末よりも平均粒径の小さいケイ素化合物粉末を含むセラミック層形成材料を付与する工程と、(c)前記セラミック層形成材料が付与された基材成形体を窒化可能な雰囲気中で反応焼結させ、前記基材形成材料から成る基材と前記セラミック層形成材料から成るセラミック層とを有する焼成体を得る工程と、を包含する。
ここで「基材(基層部分)」とは、提供される多孔質セラミック材のベースとなる部分、即ちその表面にセラミック層が形成される土台となる部分をいい、多孔質セラミック材全体に占める容積や厚さで限定されない。従って、ほぼ同様の厚さのセラミック層が複数積層されて成る多層構造の多孔質セラミック材においては、その最下層に相当する部分が、ここでいう基材(基層)に相当する。
【0007】
本発明の製造方法では、反応焼結を利用して基材及び該基材上に形成されるセラミック層を同時に焼結させる。このことによって、相互に細孔径の異なる基材とその表面のセラミック層との密着性が向上し、基材表面からセラミック層が剥離又は脱落するのを防止し得る。従って、本発明の製造方法によると、接合強度に優れる積層構造の多孔質セラミック材を金属シリコン粉末を用いて(換言すれば原料コスト高の要因となる窒化ケイ素粉末や炭化ケイ素粉末の使用量を減らして)製造することができる。
【0008】
好ましくは、前記基材形成材料として、ケイ素化合物粉末100質量部に対して、10〜100質量部の金属シリコン粉末と0.5〜20質量部の金属アルミニウム粉末とを含むものを使用する。
基材形成材料として金属シリコン(即ちケイ素の結晶性単体)粉末とともに所定の量(配合比)の金属アルミニウム粉末を添加したものを使用することによって、反応焼結時における基材の成形安定性を向上させることができる。このため、さらに接合強度に優れる多孔質セラミック材を製造することができる。
【0009】
好ましい一つの基材形成材料は、該材料に含まれるケイ素化合物粉末の平均粒径(沈降法又は顕微鏡測定に基づく。以下同じ。)が0.1〜50μmであることを特徴とする。また、好ましい一つのセラミック層形成材料は、該材料に含まれるケイ素化合物粉末の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする。これら形成材料を組み合わせて使用する製造方法によると、比較的強度に優れる多孔質支持体を提供し得る。前記セラミック層形成材料から成るセラミック層は、その表面に微細孔に富むセラミック多孔質膜を形成するのに好適である。
【0010】
また、使用する基材形成材料及びセラミック層形成材料には、種々の焼結助剤を添加することができる。例えば、基材形成材料及びセラミック層形成材料のいずれも酸化イットリウム粉末及び/又は酸化アルミニウム粉末を含むものであることが好ましい。これら酸化物粉末を適宜配合することによって、得られる多孔質セラミック材の機械的強度を維持しつつ細孔径分布及び気孔率を調整することができる。
【0011】
また、好ましくは、前記基材成形工程において、前記基材形成材料を成形圧30MPa〜200MPaで加圧成形する。かかる加圧成形を行うことにより、細孔径分布が比較的狭く、例えばガス分離材の基材として好適な基材を成形することができる。
【0012】
本発明の製造方法において、基材の上に形成するセラミック層は一つに限られない。従って、ここで開示される製造方法の一つは、前記焼成体のセラミック層の上に、一又は二以上のセラミック層をさらに積層する工程を含む方法である。
この場合、好ましくは、前記積層される一又は二以上のセラミック層は、それぞれ異なるセラミック層形成材料から形成され、各セラミック層形成材料は、該材料から形成されるセラミック層よりも下層側(即ち基材に近い側)のセラミック層を形成するのに使用されたセラミック層形成材料に含まれる前記ケイ素化合物粉末よりも平均粒径の小さいケイ素化合物粉末を含むことを特徴とする。
このような構成の各セラミック層形成材料を用いて、順次セラミック層を形成することによって、比較的大きな孔径(孔隙)を有する基材の上面(即ち積層されたセラミック層の上面)に、ガス分離に使用し得るような微細孔に富むセラミック多孔質膜を形成することができる。
【0013】
本発明の製造方法において、ガス分離材として使用し得る多孔質セラミック材を製造する場合の好ましい一つの方法は、前記基材上に形成された一又は二以上積層されたセラミック層の表面の少なくとも一部にSi及びNを主体とするセラミック多孔質膜を形成するための前駆体を付与する工程と、該前駆体を熱分解して前記セラミック層の表面にガス透過可能な微細孔を有するSi及びN主体のセラミック膜を形成する工程とを包含する方法である。Si及びNを主体とするセラミック多孔質膜は、前記セラミック層形成材料から形成されたセラミック層との接合強度が高く、機械的強度に優れる多孔質セラミック材(典型的にはガス分離材)を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば形成材料を調製するための原料粉末の配合比)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば原料粉末の混合方法や押出成形の手順)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0015】
本発明の実施に用いられる基材形成材料は、ケイ素化合物粉末(典型的には窒素ケイ素又は炭化ケイ素の一方のみ)と金属シリコン粉末とを主成分とする粉末ベースの材料である。好ましくは金属アルミニウム粉末を含有する。
基材形成材料の調製に使用する窒化ケイ素粉末及び炭化ケイ素粉末(典型的にはどちらか一方)としては、平均粒径が0.1〜100μm程度のものが適当であり、50μm以下、例えば0.1〜50μm、さらには1〜50μmのものが好ましく、1〜10μm程度のものが特に好ましい。かかる平均粒径が100μmよりも大きすぎると細孔に富むセラミック層が形成し難くなる傾向にある。一方、かかる平均粒径が0.1μmよりも小さすぎると気孔率が低くなりすぎてしまい、基材として好ましくない。
【0016】
ケイ素化合物粉末としては、α型、β型、アモルファス型の窒化ケイ素粉末及び/又は炭化ケイ素粉末のいずれを使用してもよいが、特に熱的に安定なβ型の窒化ケイ素粉末や炭化ケイ素粉末の使用が好ましい。β型の粉末のみ或いはβ型の存在割合の高い(例えばケイ素化合物粉末全体の50質量%以上がβ型の窒化ケイ素及び/又は炭化ケイ素)粉末を使用することによって、気体又は液体の濾過材、触媒担体、分離用セラミック多孔質膜を表面に形成するための多孔質基材として好適なサイズの細孔に富むセラミック体を容易に製造することができる。
【0017】
金属シリコン粉末としては、従来から、反応焼結によって窒化ケイ素を製造するのに用いられているものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、比表面積0. 1〜5m/gであるものが好ましい。また、平均粒径が1〜50μm程度のものが好適であり、1〜20μm程度のものがさらに好ましく、1〜10μm程度のものが特に好ましい。
金属シリコン粉末の純度は高いほうが望ましく、例えば95%以上の純度のものが好適である。99%以上の高純度シリコンの使用が特に好ましい。なお、使用するシリコンの粉末形状は特に限定されず、球形又はそれに近い形状のみならず、例えばロールミルがけやスタンプミルがけによって調製された不規則形状の粒子の集合物である粉末も好適に使用することができる。
【0018】
経済性の観点から、ケイ素化合物粉末の合計100質量部に対して5〜100質量部(好ましくは10〜100質量部、さらに好ましくは10〜60質量部)の金属シリコン粉末を混合するとよい。
ケイ素化合物粉末として窒化ケイ素粉末のみを用いる場合、窒化(反応焼結)及び焼成して得られる基材(焼成体)を構成する窒化ケイ素のうちの5vol%以上(より好ましくは10vol%以上(例えば10〜50vol%)、更に好ましくは20vol%以上(例えば20〜50vol%))が金属シリコンの窒化物(窒化成分)に由来するように、窒化ケイ素粉末と金属シリコン粉末とを配合するのが好ましい。例えば窒化ケイ素粉末100質量部に対して10(9.5以上を含む)〜100質量部、より好ましくは15〜90質量部、更に好ましくは20〜90質量部の金属シリコン粉末を加える。
【0019】
また、金属アルミニウム粉末としては、いずれの市販品を用いてもよく、又は従来公知の製造方法、例えば酸化アルミニウムと氷晶石の融解塩電解(エルー・ホール法)等によって製造したものを特に制限なく用いることができる。例えば、純度が95%以上、好ましくは98%以上、特に99%以上の市販品を用いることができる。平均粒径は0.1〜100μm程度のものが好適であり、1〜50μm程度のものがさらに好ましく、1〜10μm程度のものが特に好ましい。また、比表面積は5〜100m/gであるものが好ましい。
ケイ素化合物粉末の合計100質量部に対して0.5〜20質量部(より好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは1〜5質量部)の金属アルミニウム粉末を混合することが適当である。20質量部以下であることにより前記用途に好適な細孔径分布及び気孔率に制御された多孔質体を容易に形成することができる。但し、0.5質量部未満であると基材部分の強度向上効果に劣る。
【0020】
これら原料粉末の混合は、ボールミル、ミキサー等の一般的な混合手段を用いて行うことができる。特に限定するものではないが、ケイ素化合物粉末と金属シリコン粉末と金属アルミニウム粉末とを混合する場合、不純物と金属シリコン或いは金属アルミの酸化に留意するとよい。例えば、窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気中でこれら原料粉末の混合(更に必要に応じて粉砕)を行うとよい。
【0021】
基材形成材料には、前記原料粉末の他に従来公知の種々の添加剤を適宜混在させることができる。例えば、細孔径分布及び気孔率を制御するため、焼結助材として酸化イットリウム(イットリア:Y)粉末及び/又は酸化アルミニウム(アルミナ:Al)粉末(典型的には両方を用いる)を添加してもよい。酸化イットリウム及び/又は酸化アルミニウムとしては、平均粒径が0.01〜10μm、特に0.1〜5μm程度のものが適当であるが、金属シリコン粉末及びケイ素化合物粉末の平均粒径と同等かそれよりも小さい平均粒径のものが好ましい。特に0.1〜1μmのものが好ましい。
【0022】
特に限定しないが、酸化イットリウム及び/又は酸化アルミニウムは、金属シリコン粉末含有量の2〜250質量%(さらに好ましくは該含有量の10〜100質量%)に相当する量であって基材形成材料全量の20質量%を超えない量で加えるとよい。製造コスト削減の観点からは、金属シリコン粉末含有量の5〜100質量%に相当する量の酸化イットリウム粉末及び/又は酸化アルミニウム粉末を加えることが好ましい。また、酸化イットリウムと酸化アルミニウムのモル比(Y/Al)が概ね0.8〜1.2(さらに好ましくは0.9〜1.1)の範囲内となるようにこれら2種の粉末を添加するのが好ましい。
さらに基材形成材料には、例えば、粒成長を抑制したり、多孔質構造を安定化させたりする目的のために、種々の焼結助剤、可塑剤及び分散剤等、又は従来公知のいずれの添加剤を適宜添加することができる。
【0023】
また、採用する成形法に応じて適当なバインダーを添加することができる。例えば、押出し成形に供試する形成材料は、前記原料粉末の混合物に適当なバインダーと分散媒(水、エタノール等)を配合・混練することによって調製することができる。かかるバインダーとしては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース類、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール等が使用できる。バインダーの配合比としては、上述したような原料粉末の混合物(典型的にはケイ素化合物粉末と金属シリコン粉末と金属アルミニウム粉末との混合物)100質量部に対して5〜30質量部程度が適当であるが特に限定するものではない。なお、混練手段としては、ニーダーや種々のミキサー類(リボンミキサー、ヘンシェルミキサー等)が使用できる。
【0024】
基材形成材料を所定形状の基材に成形する方法は、特に限定されず、一般的なセラミック材の成形方法を適用することができる。例えば、押出し成形、プレス成形、型込め成形が挙げられる。フローティングダイやプレス機を利用した加圧成形(一軸加圧成形、静水圧プレス等)が好適である。ホットプレス及びコールドプレスのいずれでもよい。
基材形成材料の充填率にもよるので特に限定するものではないが、好ましくは、30MPa〜200MPa程度の成形圧で加圧成形するとよい。平均細孔径(水銀圧入法に基づく。以下同じ。)が0.8〜8.0μm程度(例えば0.8〜5.0μm)の多孔質セラミック材(基材)を製造する場合には、概ね50MPa〜200MPa(500〜2000kg/cm)程度の加圧が好ましい。50MPa〜150MPa程度で加圧成形することが特に好ましい。250MPa以上の成形圧は、気孔率の著しい低下(25%以下)を招くので好ましくない。
【0025】
基材を成形した後に、そのままセラミック層を積層してもよいが、好ましくは、基材の成形性を向上するために仮焼してもよい。仮焼条件としては、基材形成用材料が焼結されない(金属シリコン粉末は窒化ケイ素に変化しない)条件下、例えば800〜1250℃、好ましくは1000〜1200℃程度で、典型的には大気圧下で行われる。
【0026】
次に、本発明の製造方法に用いられるセラミック層形成材料について説明する。かかる形成材料としては、反応焼結によって基材成形体上に高い接合強度でセラミック層(焼成物)が形成される組成のものが好ましい。このことから、好適なセラミック層形成材料は、基材形成材料と同様のケイ素化合物粉末(典型的には窒素ケイ素又は炭化ケイ素の一方のみを含む。)を主成分とする粉末ベースの材料である。
【0027】
使用するケイ素化合物粉末(典型的には窒化ケイ素粉末又は炭化ケイ素粉末のどちらか一方のみを使用する。)としては、基材形成材料に用いられたものよりも粒径が小さいことが好ましい。その条件を満たし且つ平均粒径が5μm以下(例えば0.1〜5μm)のものが好ましい。例えば、セラミック層の上面にガス分離等に適する微細孔に富むセラミック多孔質膜を形成する場合、当該セラミック層を形成するための材料に含ませるケイ素化合物粉末は平均粒径が1μm未満のものが適当であり、0.1〜0.9μmのものが好適であり、0.2〜0.8μmのものがさらに好ましく、0.3〜0.7μmのものが特に好ましい。かかる平均粒径が1μm以上であると、製造される多孔質体の細孔径が大きくなり、微細孔の分離膜を後に積層する場合に分離膜との細孔径のギャップが大きく接合性が低下する傾向にある。一方、かかる平均粒径が0.1μm未満であると、逆に基材との細孔径のギャップが大きくなり、基材との接合性が低下する虞があるため好ましくない。
【0028】
窒化ケイ素粉末及び炭化ケイ素粉末としては、前記基材形成用材料に用いられたものと同様にα型、β型、アモルファス型のいずれを使用してもよいが、特に熱的に安定なβ型の窒化ケイ素粉末や炭化ケイ素粉末の使用が好ましい。β型の粉末のみ或いはβ型の存在割合の高い(例えば50質量%以上がβ型)窒化ケイ素粉末及び/又は炭化ケイ素粉末を使用してセラミック層形成材料を調製することによって、ガス分離又は液体の濾過に適するセラミック分離膜を形成する下地となるセラミック層を容易に製造することができる。
【0029】
セラミック層形成材料には、基材形成材料と同様に窒化ケイ素及び/又は炭化ケイ素の他に従来公知の種々の添加剤を適宜混在させることができる。例えば、前記基材形成材料において説明したものと同様に酸化イットリウム粉末及び/又は酸化アルミニウム粉末、分散剤、バインダー、可塑剤等を添加することができる。
【0030】
基材の表面(即ち基材の外表面及び表層部分における孔内面を包含する。)にセラミック層を形成する方法としては、従来の薄膜形成プロセスにおいて用いられる各種の方法を採用することができる。例えば、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法が挙げられる。
特にディップコーティング法は、セラミック層形成材料を含む溶液の基材内部への浸透を抑制でき、さらには熱分解に伴うガス発生、キャピラリー圧力、焼成収縮等による微細構造の破壊を抑制するのに寄与し得る。このため、特にディップコーティング法は、実質的に欠陥の無いセラミック層を基材表面に直接的に形成するのに好適な方法である。
具体的には、有機バインダー、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース類、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、グリセリン等にケイ素化合物粉末(窒化ケイ素粉末及び/又は炭化ケイ素粉末)及び種々の付加的成分(例えば酸化アルミニウム粉末、酸化イットリウム粉末)を分散して成るセラミック層形成材料(コーティング液)中に、既に成形しておいた基材をディップ(浸漬)する。ディップ時間は、数秒〜1分程度でよい。5〜30秒程度が好ましい。かかるディップによって、コーティング液を基材の表面に均等に付与することができる。
【0031】
二以上のセラミック層を積層する場合、形成するセラミック層毎に、使用するセラミック層形成材料を異ならせることが好ましい。具体的には、上層のセラミック層を形成する材料ほど、含有するケイ素化合物粉末の粒径(平均粒径、換言すれば粒度分布におけるピーク値)を小さくすることが好ましい。ケイ素化合物粉末(窒化ケイ素粉末及び/又は炭化ケイ素粉末)の平均粒径が小さいほど、平均細孔径の小さいセラミック層を形成することができる。
このような態様でセラミック層形成材料を複数調製し、順次それらを使用することによって、基材上に積層された二以上のセラミック層のうち上層にいくほど平均細孔径の小さいセラミック層が積層されていることを特徴とする多孔質セラミック材を製造することができる。かかる特徴の多孔質セラミック材は、高い接合強度を保持しつつ、ガス分離その他の用途に適する微細孔に富むセラミック多孔質膜を積層セラミック層上面に形成することができる。
なお、複数のセラミック層を基材上面に形成する場合、個々のセラミック層形成材料(典型的にはディップコーティング液)を基材上面に順次付与した後、基材成形体と共に一度に焼成してもよい。好ましくは、成形性保持等の観点から、ひとつの層を成形するたびに仮焼してもよい。仮焼条件は前記基材と同様である。
【0032】
本発明の製造方法では、窒化可能な雰囲気(好ましくは窒素分圧が50kPa以上となる窒素ガス、アンモニアガス等を主体とする雰囲気であって酸素を実質的に含まない雰囲気)中、即ち反応焼結が生じる条件下において、前記基材及び基材上に形成されるセラミック層(二以上積層する場合には少なくとも最下層のセラミック層)を同時に焼成する。
例えば、窒素雰囲気中で、室温から中間保持温度(800〜1250℃、好ましくは1000〜1200℃程度)まで10℃/分以下(好ましくは3〜7℃/分)の昇温速度で加熱する。そして中間保持温度で1時間以上、好ましくは1〜5時間程度保持する。その後、窒化可能な最高加熱温度(典型的には1300〜1700℃、好ましくは1300〜1600℃程度)まで5℃/分以下(好ましくは2〜4℃/分)の昇温速度で加熱する。その後、最高加熱温度で0.5時間以上、好ましくは0.5〜3時間程度保持することが好ましい。この最高加熱温度での保持によって、熱分解の結果生じた生成物の緩やかな拡散を促すことができる。最高加熱温度及び時間は、これよりも焼成温度が高すぎたり焼成時間が長すぎたりすると、焼結体中に針状のβ型窒化ケイ素が多量に生成・析出し、所望するサイズよりも細孔径が小さくなったり細孔径分布がブロードになりがちであるため好ましくない。
【0033】
なお、昇温速度は一定である必要はなく、所望により変更してもよい。例えば室温から500〜600℃まで5.5℃/分の昇温速度で、その後中間保持温度まで5℃/分の昇温速度に変更してもよい。また、中間保持温度及び最高加熱温度の間、温度を一定にする必要はなく適当に変動させてもよい。例えば最高加熱温度域において1300℃で0.5時間保持し、その後1400℃まで1時間で昇温し、その温度でさらに1時間保持するような形態であってもよい。また、中間保持温度での保持は、1回に限られない。2回又は3回以上行ってもよい。
最高加熱温度域で所定時間保持した後、100℃以下、典型的には室温域(5〜35℃)まで被加熱材料(典型的には基材及び少なくとも一つのセラミック層から成る窒化ケイ素焼結体)を冷却する。実質的に欠陥の認められない多孔質セラミック体を得るためには、徐々に冷却するとよい。例えば、0.2〜5.0℃/分程度の冷却速度が適当であり、概ね0.5〜2℃/分(多少の誤差は許容される)の平均冷却速度が好ましい。
【0034】
前記の条件で反応焼結を行うことによって、基材とセラミック層とを同時に焼結させることができ、結果、基材とセラミック層との密着性が向上して機械的強度に優れる多孔質セラミック材を得ることができる。
なお、複数のセラミック層を基材上面に形成する場合、個々のセラミック層形成材料(典型的にはディップコーティング液)を基材上面に順次付与した後、基材成形体と共に反応焼結条件下で一度に焼成してもよい。或いは、上記基材と最下層のセラミック層とから成る焼結体を先ず作製し、次いでセラミック層形成材料を当該焼結体のセラミック層の上面に付与する毎に所定の条件で焼成処理してもよい。この態様では、セラミック層の積層数に対応して焼成処理数も増加するが、得られる焼結体の成形性保持の観点から好ましい。
【0035】
ここで開示される製造方法の好ましい一態様では、基材は水銀圧入法に基づく平均細孔径又は細孔径分布のピーク値が略0.5〜30μmの範囲内にあるものであり、さらに好ましくは平均細孔径又は細孔径分布のピーク値が0.6〜10μmの範囲内にあるものであり、特に好ましくは平均細孔径又は細孔径分布のピーク値が0.8〜8.0μm、さらには0.8〜5.0μmの範囲内にあるものである。
また、セラミック層は水銀圧入法に基づく平均細孔径又は細孔径分布のピーク値が略0.05〜3.0μmの範囲内にあるもの(但し基材よりも小さい値である。)であり、さらに好ましくは平均細孔径又は細孔径分布のピーク値が0.06〜1.0μmの範囲内にあるものであり、特に好ましくは平均細孔径又は細孔径分布のピーク値が0.08〜0.8μm、さらには0.08〜0.5μmの範囲内にあるものである。
さらに、機械的強度保持の観点から、基材及びセラミック層は気孔率(水銀圧入法に基づく)が45%以下であることが好ましく、30〜40%の気孔率のものがさらに好ましい。35〜40%の気孔率のものが特に好ましい。
【0036】
上記好適な多孔質セラミック材は、濾過材、触媒担体、セラミック分離膜の基材等として好適に用いられ得る。即ち、本発明の製造方法によると、そのような用途の多孔質セラミック材を比較的低コストで製造することができる。
従って、本発明の一側面として、微細孔に富むセラミック多孔質膜の基材(支持体)として好適に用いられる多孔質セラミック材の製造方法および該方法によって得られた多孔質セラミック材が提供される。
【0037】
また、本発明によると、上記基材として好適な多孔質セラミック材のセラミック層の上面に上述したようなガス透過可能な微細孔を有するセラミック多孔質膜を形成した多孔質セラミック材を製造することができる。
セラミック多孔質膜を形成するために好適な前駆体としては、加熱処理(熱分解)後にSi及びNを主体とするセラミック多孔質膜、典型的には当該膜の基本骨格(主鎖)がSi−N結合の繰返しによって構成され、或いはかかるSi−N結合に対してSi−C結合、Si−O結合、Si−H結合等が適宜付加されたようなセラミック多孔質膜が容易に形成されるような前駆体が好ましい。
【0038】
この場合、熱分解によって生成するセラミック中に存在するSi原子数に対するSi−N結合を形成しているSi原子数の割合が10%以上であり、好ましくは20%以上となるように、使用する前駆体の種類や存在比を調節するとよい。かかるSi−N結合の形成割合が10%よりも低すぎると、膜の耐熱性又は高温条件下における化学的安定性が低下するため、好ましくない。特に、高温且つ水蒸気雰囲気下での使用に適さなくなる虞がある。なお、使用する前駆体は1種のみでもよく、或いは2種類以上の前駆体を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0039】
本発明の実施に好適に用い得る前駆体として、種々のケイ素化合物がある。例えば、基本骨格(主鎖)がSiを主体に構成された無機又は有機の化合物であって、高温(例えば400〜800℃)で熱分解されることにより、Si−N結合、Si−C結合、Si−Si結合、Si−C−N結合、Si−N−B結合のようなSiを主体とする基本骨格(主鎖)を有する非酸化物セラミックを生じさせる無機又は有機のケイ素化合物が挙げられる。
具体的には、種々のポリシラザン、ポリカルボシラザン、ポリカルボシラン、ポリシラン、ポリ有機シロキサン、ポリシラスチレン等が挙げられる。
特に好ましい前駆体の一例は、一般式:
[R SiNH][RSiHNH][RSiN]
で示されるポリシラザンである。式中のx、y及びzはx=y+z=0.5を満たす実数である。また、R、R及びRはそれぞれが独立して炭素数1〜3の低級アルキルである。好ましくは、R、R及びRがいずれもメチルである。
【0040】
なお、特に限定するものではないが、微細孔に富むセラミック膜を形成するのに好適なポリシラザンは、一例を挙げれば以下のように調製することができる。すなわち、ジハロシラン(RSiHX)或いは当該ジハロシランと他のジハロシラン(RSiX)との混合物をアンモニアと反応させることによってシラザンオリゴマーを得る。次いで、塩基性触媒の存在下で当該シラザンオリゴマーの脱水素反応を起こさせる。これにより、ケイ素原子に隣接する窒素原子の脱水素が行われ、結果、シラザンオリゴマーが相互に脱水素架橋して成るポリシラザンを生成することができる。なお、この生成プロセスに使用されるジハロシランの好ましいものは、前記R、R、Rが、それぞれ、水素、炭素数が1〜6の低級アルキル基、置換アリル基、非置換アリル基、炭素数が6〜10の非置換アリール基、トリアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基のいずれかである。或いは、Rは水素であり、RおよびRが前記列挙した官能基のいずれかである。このときR、RおよびRは全て同じ基でもよく、相互に異なる基でもよい。なお、前記ジハロシランの式中のXはハロゲン基である。
また、市販されているポリシラザン(例えばチッソ(株)から購入できる)を好適に使用することができる。ポリシラザンの熱分解によって、Si−N結合主体の繰返し構造を基本骨格とする耐熱性の高い(微細孔に富むがメソ細孔以上の孔径の細孔は顕著に少ない)セラミック多孔質膜を容易に形成することができる。
【0041】
なお、使用するポリシラザン等の前駆体の分子量に特に制限はないが、粘性制御等の観点から、重量平均分子量で200〜100,000程度のものが好ましい。重量平均分子量が略1,000〜20,000の前駆体が特に好ましい。
【0042】
セラミック層の表面(即ちセラミック層の外表面及び孔の内面を包含する。)にポリシラザン等の前駆体を付与する方法としては、従来の薄膜形成プロセスにおいて用いられる各種の方法を採用することができる。例えば、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法が挙げられる。特にディップコーティング法は、前駆体を含む膜形成材料(コーティング液)のセラミック層内部への浸透を抑制でき、さらには熱分解に伴うガス発生、キャピラリー圧力、焼成収縮等による微細構造の破壊を抑制するのに寄与し得る。このため、特にディップコーティング法は、実質的に欠陥の無いセラミック膜をセラミック層表面に直接的に形成するのに好適な手法である。
具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、或いはジオキサン、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒にポリシラザンを分散したコーティング液中にセラミック層が形成されている基材(基材焼成体)をディップする。ディップ時間は、数秒〜1分程度でよい。5〜30秒程度が好ましい。このことによって前駆体をセラミック層の表面に均等に付与することができる。
なお、コーティング液の前駆体濃度は特に限定されないが、例えばポリシラザン等から成る被膜を形成する場合には、溶液中のポリシラザン濃度は0.5〜40質量%程度が適当であり、1〜25質量%程度が好ましい。
【0043】
そして、セラミック層表面に付与された前駆体を熱分解することによって、Si及びN主体のセラミック多孔質膜を形成することができる。
典型的には、前駆体が付与(コーティング)された基材(前記基材及びセラミック層)を、例えばアンモニア及び/又は水素を含有する雰囲気中或いは空気又は窒素雰囲気中で乾燥した後、適当な加熱炉内に配置する。そして、所定の焼成スケジュールに従って基材ごと前駆体を加熱処理する。このことにより、前駆体が熱分解され当該前駆体由来の焼成体即ち微細孔に富むセラミック多孔質膜をセラミック層上に形成することができる。
本発明の実施にあたっては、かかる加熱処理の期間(典型的には、加熱を開始したときから前駆体の熱分解後に生成したセラミック膜の冷却が完了するまでの期間)中、或いは、少なくとも最高加熱温度まで加熱して冷却を開始するまでの間、アンモニアガス(NH)又は水素ガス(H)の存在下に被加熱材料を配置する。かかる雰囲気中のアンモニアガス又は水素ガスの濃度は少なくとも5mol%であり、典型的には10mol%以上である。20mol%以上が好ましく、50mol%以上(例えば99.99mol%又はそれ以上の純度のもの)が特に好ましい。アンモニアガス又は水素ガスを含む雰囲気中で前駆体を加熱・熱分解することにより、十分な表面積(実質的に欠陥の無い領域)と微細孔に富むセラミック多孔質膜をセラミック層表面に形成することができる。
【0044】
また、微細孔に富むセラミック多孔質膜を形成するための焼成スケジュールは、目的とするセラミック膜が最終的に形成されればよく、その条件(例えば最高加熱温度や加熱継続時間)は特に限定されない。例えば、基材とセラミック層とを同時に反応焼結した焼成条件を同様に適用することができる。
好ましくは、最高加熱温度をほぼ500〜1000℃の間に設定するとともに、ほぼ200〜400℃の間に中間保持温度を設定する。そして、常温から中間保持温度まで50℃/分以下(特に好ましくは10℃/分以下)の昇温速度で加熱し、その中間保持温度で少なくとも1時間保持し、その後に最高加熱温度まで25℃/分以下(特に好ましくは5℃/分以下)の昇温速度で加熱するのが好ましい。このような条件で加熱処理を行うことにより、全体に均質な微細孔に富むセラミック多孔質膜を安定的に形成することができる。
【0045】
例えば、室温から650℃又はそれ以下の最高加熱温度まで0.5〜1℃/分程度の平均昇温速度で被加熱材料を加熱する場合、200〜400℃(前駆体がポリシラザンの場合は250±25℃が特に好適である。)の間に設定される中間保持温度で少なくとも1時間(好ましくは2〜12時間)当該被加熱材料を保持する。
なお、中間温度域での保持は、1回に限られない。2回又は3回以上行ってもよい。例えば、最高加熱温度を800℃に設定した場合、室温から250℃まで0.5〜1℃/分程度の平均昇温速度で被加熱材料を加熱し、その温度で約3時間保持する。次いで、500℃まで0.5〜1℃/分程度の平均昇温速度で当該前駆体を加熱し、その温度で約3時間保持した後に最高温度まで同様又はやや遅い昇温速度で加熱してもよい。
【0046】
また、最高温度を650℃又はそれ以上に設定する場合には、加熱過程において昇温温度を変化させてもよい。高温になるほど昇温速度を遅くすることが好ましい。例えば、常温から500〜600℃(又は650℃)までは1〜2℃/分(好ましくは1℃/分)程度の昇温速度とし、600℃(又は650℃)を越えてからはそれまでの昇温速度の30〜70%(好ましくは40〜60%)の昇温速度が好ましい。例えば600℃(又は650℃)まで1℃/分程度の昇温速度で加熱した場合は、それ以降の高温域では0.3〜0.7℃/分(好ましくは0.4〜0.6℃/分)程度の昇温速度で加熱するとよい。このような昇温スケジュールによると、セラミック多孔質膜生成の過程における欠陥の発生をより高率に回避することができる。
【0047】
最高加熱温度に達した後は、その温度域(典型的には最高加熱温度±25℃)で対象物(即ち熱分解により生成したセラミック多孔質膜)を所定時間保持する。これにより、熱分解の結果生じた生成物の緩やかな拡散を促すことができる。
好ましい保持時間は、0.5〜5時間(典型的には1〜2時間)である。
最高加熱温度域で所定の時間保持した後、100℃以下、典型的には室温域(5〜35℃)まで被加熱材料を冷却する。実質的に欠陥の認められない微細孔に富むセラミック膜を得るためには、徐々に冷却するとよい。例えば、0.2〜5.0℃/分程度の冷却速度が適当であり、概ね0.5〜2℃/分(多少の誤差は許容される)の平均冷却速度が好ましい。
【0048】
なお、上述した一連の成膜工程は、2サイクル以上繰り返して行ってもよい。
このことによって、細孔径が段階的に小さくなる複数の層状にセラミック多孔質膜を形成することができる。このため、膜の多層化によって平均細孔径が小さくなり、例えばガス分離能を向上させることができる。
【0049】
また、成膜を行うにあたり、最上層のセラミック層或いは上記2サイクル以上の成膜工程を繰り返す場合では成膜した都度(即ち膜焼成の都度)、その表面を活性化処理することが好ましい。ここで活性化処理とは、均質で欠陥の無いセラミック多孔質膜をセラミック層の表面に広範囲に亘って形成することが容易となるような処理であり、活性化処理の内容に特に制限はない。
この種の活性化処理として、物理的処理としてはプラズマを使用して行う処理、赤外線(IR)を使用して行う処理、レーザー光を使用して行う処理、マイクロ波を使用して行う処理、等が挙げられる。化学的処理としては、有機溶媒を使用して行う処理、カップリング剤を使用して行う処理、等が挙げられる。
【0050】
これらのうち、活性化処理されるセラミック層及び/又はセラミック膜の表面のぬれ性を著しく改善し得る方策としてプラズマを使用して行う処理(プラズマ処理)が好ましい。また、活性化処理されるセラミック層及び/又はセラミック膜の表面の不純物を洗浄して、前駆体(典型的にはディップ法に用いるコーティング液)の表面に対する展着性を著しく向上させ得る方策として有機溶媒を使用して行う処理(有機溶媒処理)が好ましい。
なお、実施する表面化処理は、1種類に限られず、内容の異なる処理を組み合わせて行ってもよい。例えば、有機溶媒処理終了後、引き続いてプラズマ処理を行ってもよい。
【0051】
プラズマ処理としては、活性化処理されるセラミック層及び/又はセラミック膜の表面部の活性(ぬれ性等)を高める効果が得られる処理であればその内容に特に制限はない。
典型的には、本発明に係る活性化処理として、プラズマエッチング法に準じる低温プラズマ処理を行う。このことにより、プラズマ放電による分子解離の結果生じる励起分子(ラジカルやイオンを包含する。)を用いてセラミック構造物の表面にぬれ性向上に寄与し得る官能基を多く生じさせることができる。
また、プラズマエッチング法に準じるプラズマ処理は、低ガス圧下での放電による解離を利用するために低温で行うことができ、エネルギー消費(コスト)の観点或いは多孔質セラミック材の構造保持(高熱がセラミック材の機械的特性に及ぼす影響の回避)の観点から有利である。
かかる低温プラズマ処理は、従来のプラズマエッチングを行う際に使用される一般的な低温プラズマ処理装置のプラズマ発生チャンバー内にて行うことができ、特別な装置を必要としない。例えば、チャンバー内に電場を作用させる機構は、内部電極方式および外部電極方式のいずれでもよい。
【0052】
本発明の実施に好ましいプラズマ処理の一例を説明する。
被処理材料として例えばセラミック多孔質膜(例えばポリシラザン由来の膜)がセラミック層上に一層形成されたセラミック材を、例えば平行平板型電極を備えたベルジャー型チャンバー(反応容器)内に配置し、その内部を減圧(好ましくは10Pa以下)する。次いで、チャンバー内のガス圧を低レベル(典型的には500Pa以下、好ましくは100Pa以下、例えば10〜100Pa)に維持しつつ適当なプラズマ発生ガスを供給する。ここで供給するガスとしては、種々の不活性ガスやアンモニアガス等が用いられ得るが、Si及びN主体のセラミック膜を積層形成する目的には、窒素又はアンモニアが好ましく、窒素が特に好ましい。ガス温度は、比較的低温、典型的には300℃以下、好ましくは10〜200℃である。そして、供給したガス雰囲気中でグロー放電又はコロナ放電による高周波プラズマ処理を行う。好ましくは、周波数1〜50MHz、出力1〜1000W(好ましくは10〜500W)で処理を行う。処理時間は典型的には0.5〜10分程度であり、好ましくは1〜5分である。このようなプラズマ処理を行うことにより、セラミック膜の表面のぬれ性を向上させ、表面の活性化が図られる。なお、被処理材料は前記のものに限られず、例えばセラミック膜の形成されていないセラミック層自体に対しても前記と同様のプラズマ処理を行い得る。また、上述したような成膜工程(即ち前駆体の付与(ディップ等)及び一連の焼成処理)を3回以上繰り返してセラミック膜を三層以上積層する場合には、その二層目又は三層目以上のセラミック膜の表面に対しても前記と同様のプラズマ処理を行い得る。
【0053】
一方、有機溶媒処理としては、セラミック層の表面及び/又はセラミック膜の表面を洗浄し得る処理であればその内容に特に制限はない。有機溶媒処理は、特別な装置を必要とせずに簡単に行えるという点で、前記の物理的手段に基づく活性化処理よりも好適である。各種の石油系溶剤、トルエン、キシレン、ベンゼン等に被処理材料を浸して洗浄することが好ましい。例えば、被処理材料の表面をトルエンで洗浄し、その後50〜60℃で乾燥することにより、被処理材料の表面部の洗浄が行え、当該表面の活性化が図られる。
【0054】
上述のようにして活性化処理を行った後、活性化された表面の少なくとも一部にSi及びNを主体とするセラミック膜を形成するための前駆体を付与する。その後、加熱して当該前駆体を熱分解することによってセラミック膜を形成する。
この一連の工程の好適な実施形態は、上述のとおりであり、重複した記載はしない。なお、前駆体を付与する工程は、活性化処理(プラズマ処理等)終了後、可能な限り迅速に行うことが好ましい。
【0055】
かかる活性化処理を施すことによって、セラミック層及び/又はセラミック膜の表面が活性化されるため、ポリシラザン等の前駆体をディップコーティング法等により当該表面部の広範囲に均等にコーティングすることができる。すなわち、局所的欠陥(ピンホール等)を生じさせないで広範囲に微細孔に富むセラミック多孔質膜を形成することが可能となる。
また、セラミック膜を二層以上積層形成する場合、最初のセラミック膜(一次セラミック膜)を形成する際に用いるコーティング液よりも前駆体濃度が低い溶液を用いて二層目のセラミック膜(二次セラミック膜)形成のためのディップコーティングを行うことができる。従って、一次セラミック膜形成時に使用したコーティング液(即ち一次セラミック膜を形成するのに要した分だけ前駆体濃度が低下したコーティング液)を前駆体を補給することなく二次セラミック膜形成の際にも引き続き使用することが可能である。
また、二次セラミック膜自体を一次セラミック膜よりも薄く形成することができる。例えば、一次セラミック膜をセラミック層上面に形成し、そのことによって平滑化されたセラミック体表面(即ち一次セラミック膜表面)に厚さが1000nm以下(例えば10〜1000nm、好ましくは100〜500nm程度)のガス選択的透過性の薄膜を広範囲に亘って均等な厚さで形成することが容易となる。
【0056】
また、一次セラミック膜形成時と異なる焼成スケジュールを採用して二次セラミック膜形成のための加熱(熱分解)処理を行ってもよい。例えば、一次セラミック膜焼成のときよりも最高加熱温度を高く設定してもよい。例えば最高加熱温度650℃に設定して一次セラミック膜形成のための加熱処理を行った場合、二次セラミック膜形成のための加熱処理の最高加熱温度を700℃又は800℃に設定してもよい。
また、二次セラミック膜形成時の最高加熱温度を一次セラミック膜形成時のときよりも高く設定する場合、一次セラミック膜形成時のときよりも(i).昇温速度を遅くする、及び/又は、(ii).中間保持温度で保持する時間を長くする、ことが好ましい。これにより、急激な加熱(熱分解)を回避し、実質的に欠陥が認められず微細孔に富む二次セラミック膜を形成することができる。
【0057】
以上の説明から明らかなように、本発明の製造方法によって得られるセラミック多孔質膜付き多孔質セラミック材は、実質的に欠陥が無く微細孔に富むため、ガス分離材として好適である。しかも、金属シリコン粉末を用いている分だけ製造コストを抑えることができる。
また、ここで開示される方法によって形成され得るポリシラザン由来のセラミック多孔質膜は、典型的には、BET法に基づく細孔径分布のピーク値及び/又は平均細孔径が10nm以下である。好ましくは、セラミック多孔質膜における細孔径分布のピーク値又は平均細孔径は0.2nm〜2nm(BET法)であり得、細孔容積は少なくとも0.05cm/g(さらに好ましくは0.1cm/g以上)であり得る。
孔径分布のピーク値及び/又は平均細孔径が1nm以下(例えば0.2〜0.5nm)のセラミック多孔質膜は、水素のような比較的小さいサイズ(動的分子直径:約0.29nm)の無極性分子を混合ガスから選択的に分離するのに特に効果的である。このような性状の微細孔に富む多孔質セラミック材は、改質ガスその他の混合ガスから水素を分離するのに使用する膜型水素分離材として好適に使用し得る。
【0058】
本発明によって提供されるセラミック多孔質膜を備える多孔質セラミック材をガス分離材として用いる場合にはセラミック膜の厚さは100μm以下が適当である。かかる膜厚が0.01〜10μmのものが好ましい。また、本発明によると、100〜500nm程度の膜厚であるにも拘わらず、優れたガス選択的透過性(例えば水素の選択的透過性)を示すガス分離材が提供され得る。
【0059】
例えば、400℃(好ましくは600℃、より好ましくは800℃)における水素/窒素分離係数が3以上(好ましくは10以上、特に30以上)であり、同温度における水素透過率が少なくとも1×10−10モル/m・s・Pa(好ましくは1×10−8モル/m・s・Pa以上、特に好ましくは1×10−7モル/m・s・Pa以上)となる膜厚のものが好ましい。かかる性状のセラミック多孔質膜によると、高温腐食環境条件下においても比較的高い水素透過速度及び水素分離能(水素選択性)を保持しつつ、効率よく水素分離処理を行うことができる。
特に好適な水素分離膜は、600℃における水素/窒素分離係数が3以上(典型的には3〜200,000の範囲にある)であり、且つ、同温度における水素透過率が1×10−10モル/m・s・Pa以上(典型的には1×10−10〜1×10−7の範囲にある)のものである。また、20℃〜800℃の温度条件における水素/窒素分離係数がいずれも3以上(典型的には3〜200,000の範囲にある)、且つ、同温度範囲における水素透過率がいずれも1×10−10モル/m・s・Pa以上(典型的には1×10−10〜1×10−7の範囲にある)のものも好ましい。本発明によると、これらの条件を満たす多孔質セラミック材を提供することが可能である。
ここで「水素/窒素分離係数」とは、同条件下における水素透過率と窒素透過率との比率、即ち同条件下での水素ガス透過量の窒素ガス透過量に対する比(モル比)をいう。ここで「水素透過率(モル/m・s・Pa)」及び「窒素透過率(モル/m・s・Pa)」は、それぞれ、差圧(多孔質セラミック膜を挟んでガス供給側圧力とガス透過側圧力との差)が1Paであるときの単位時間(1秒)及び単位膜表面積(1m)当りの水素ガス透過量(モル)および窒素ガス透過量(モル)で表される。
【0060】
本発明によって提供されるセラミック多孔質膜を備える多孔質セラミック材は、用いる支持体(基材及びセラミック層)の形状によって、種々の形態をとり得る。すなわち、支持体(基材及びセラミック層)の形状を適宜変更することによって種々の形態の容器や装置にガス分離モジュールとして組み込むことができる。特に、膜型水素分離モジュールとして改質器(例えば高温型燃料電池用改質器)に組み込むことができる。このとき、多孔質セラミック体の形状を管形状とすることで管形状膜型水素分離モジュールが形成される(即ち管の内壁面及び/又は外壁面にセラミック膜が形成される。)。
また、支持体(基材及びセラミック層)の形状をプレート形状に成形すれば、当該プレート形状の膜型水素分離モジュールが形成されるわけである。従って、本発明及び他の本発明によると、特に高温型燃料電池システム用改質器やその他の種々の厳しい環境下で利用するリアクター(例えばNO等の有害ガス分離用リアクター)を提供することができる。
【0061】
【実施例】以下に説明する実施例によって、本発明を更に詳細に説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
【0062】
<主要原料>
(1)炭化ケイ素粉末(平均粒径:約4μm、純度95%以上、フリーカーボン1%以下)
(2)窒化ケイ素粉末A(平均粒径:約5μm、純度95%以上)
(3)窒化ケイ素粉末B(平均粒径:約0.5μm、純度95%以上)
(4)窒化ケイ素粉末C(平均粒径:約0.3μm、純度95%以上)
(5)高純度シリコン粉末(平均粒径:約15μm、純度96%以上)
(6)金属アルミニウム粉末(平均粒径:約1μm、純度95%以上)
(7)イットリア(平均粒径:0.5μm、純度99%以上)
(8)アルミナ(平均粒径:0.3μm、純度99%以上)
【0063】
<実施例1:多孔質セラミック材の調製(1)>
(1)管形状基材の形成
前記(2)窒化ケイ素粉末A、(5)高純度シリコン粉末及び(6)金属アルミニウム粉末を主成分として用いて、表1に示す配合比の基材形成材料(後述する他の実施例で使用したものと区別するため第1調製品とする。)を調製した。
【0064】
【表1】
Figure 2005060126
【0065】
すなわち、表1に示す配合比となるように、窒化ケイ素粉末、高純度シリコン粉末、金属アルミニウム粉末及び他の適当な添加剤やバインダーを添加して24時間混合し、基材形成用スラリー(第1調製品)を得た。
次いで、直径2000mmの乾燥室を備える噴霧乾燥機(大川原化工機株式会社製品、型式FOC−20)を使用して、このスラリーを噴霧乾燥した。すなわち、150℃、アトマイザー回転数9000rpm、原料流量15kg/hrの条件下で噴霧乾燥し、造粒粉末を得た。
造粒された基材形成材料(第1調製品)を乾式ラバープレスにより、約100MPa(1000kg/cm)の成形圧でCIP(冷間静水圧プレスによる)成形して管形状(外径:12mm、内径:9mm、長さ:500mm)の成形体(基材)を得た。次いで、当該成形体を室温から1000℃まで125℃/hrの昇温ペースで加熱して脱脂(仮焼)を行った。そして1000℃で2時間保持した後、室温まで放冷した。
【0066】
(2)セラミック層の形成
窒化ケイ素粉末Aよりも平均粒径の小さい前記(3)窒化ケイ素粉末Bを主成分として使用し、表2に示す配合比の第一セラミック層形成材料を調製した。
【0067】
【表2】
Figure 2005060126
【0068】
具体的には、表2に示す配合比となるように、窒化ケイ素粉末及び他の適当な添加剤、バインダーをよく混合してスラリーを得た。
次いで得られたスラリー中に、前記管状成形体(基材)を30秒間浸漬(ディップ)した。このことによって第一セラミック層形成材料を管状成形体(基材)の表面に均等に付与した。なお、このディップ処理の際には管状成形体の外周面にのみスラリーが付着するように、当該成形体の両端開放部を合成樹脂フィルムでラップしておいた。
【0069】
次いで、表面に第一セラミック層形成材料が付着している成形体を以下の焼成スケジュールに基づいて焼成した。
すなわち、上記成形体を所定の加熱炉(電気炉)内に収容した。この加熱炉内には予め窒素ガス(純度99%以上)が供給されており、内部は窒化可能な雰囲気となっている。
そして、以下のスケジュールで炉内を加熱し、成形体(基材)を反応焼結させた。すなわち、室温から600℃まで約5.5℃/分の平均昇温速度で昇温した。次いで、1200℃まで約5.0℃/分の平均昇温速度で昇温した。1200℃(中間保持温度)で3時間保持した後、最高加熱温度1400℃まで約3.3℃/分の平均昇温速度で昇温した。1400℃で1時間保持した後、室温まで徐々に冷却した。
以上の処理によって、反応焼結によって同時に形成された、基材とその表面のセラミック層(第一セラミック層)とから成る多孔質焼成体が得られた。
【0070】
次に、この焼成体の第一セラミック層の表面にセラミック層(第二セラミック層)を積層・形成した。すなわち、窒化ケイ素粉末Bよりも平均粒径の小さい前記(4)窒化ケイ素粉末Cを主成分として用いて、表3に示す配合比の第二セラミック層形成材料を調製した。
【0071】
【表3】
Figure 2005060126
【0072】
具体的には、表3に示す配合比となるように、窒化ケイ素粉末及び他の適当な添加剤、バインダーをよく混合してスラリーを得た。
次いで得られたスラリー中に、前記第一セラミック層を有する管状焼成体を30秒間浸漬(ディップ)した。このことによって第二セラミック層形成材料を管状焼成体の第一セラミック層の表面に均等に付与した。なお、このディップ処理の際には管状焼成体の外周面(即ち第一セラミック層表面)にのみスラリーが付着するように、当該焼成体の両端開放部を合成樹脂フィルムでラップした。
【0073】
次いで、表面に第二セラミック層形成材料が付着している焼成体を、上記第一セラミック層を形成した場合と同様の焼成スケジュールに基づいて焼成した。これにより、基材の表面に第一セラミック層及び第二セラミック層が積層された多孔質焼成体(支持体)が得られた。
【0074】
次に、得られた支持体の細孔径を調べた。すなわち、市販の水銀ポロシメーター(マイクロメリテック社製品、商品名:AutoporeIII)を使用し、水銀圧入法に基づいて平均細孔径を求めたところ、基材部分の平均細孔径は約2μmであった。また、第一セラミック層及び第二セラミック層の平均細孔径を同様に求めたところ、それぞれ約0.2μm及び約0.1μmであった。この結果から、本実施例に係る多孔質支持体は、基材、第一セラミック層及び第二セラミック層の順に(即ち表層にいくほど)、孔径が小さくなっていく多孔質構造であることが確かめられた。
【0075】
(3)セラミック多孔質膜の形成
一方、市販のポリシラザン含有スラリー(チッソ(株)製品「NCP201」:ポリシラザン60質量%、トルエン40質量%、ポリシラザンの数平均分子量:1300)を希釈し、超音波攪拌処理を約1時間行い、固形分濃度が20質量%であるポリシラザン溶液(コーティング液)を調製した。このコーティング液を用いて、前記多孔質支持体の表面(即ち二次セラミック層の表面)にセラミック多孔質膜(一次セラミック膜)を形成した。
すなわち、上記支持体をコーティング液に20秒間浸漬(ディップ)した。このディップ処理の際には管形状支持体の外周面にのみコーティング液が付着するように、当該支持体の両端開放部を合成樹脂フィルムでラップしておいた。
ディップコーティング後、支持体をコーティング液から引き上げ、60℃で4時間乾燥した。
【0076】
次いで、ポリシラザン被膜が外周面に形成された支持体を加熱炉内に収容した。加熱炉内にはアンモニアガス(純度99%以上)を100〜150ml/分の流量で供給し続けた。なお、かかるアンモニアガス連続供給に代えて、加熱炉内にアンモニアガス(純度99%以上)をパージし次いで真空減圧する操作を先ず2〜3回繰り返した後、加熱炉内に窒素又は空気を100〜150ml/分の流量で供給し続けてもよい。
そして、以下のスケジュールで炉内に配置した被処理体(支持体)を加熱処理し、支持体表面部にコーティングされたポリシラザン(前駆体)を熱分解した。
すなわち、(1).室温から250℃まで1℃/分程度の平均昇温速度で約3.5時間加熱し、(2).250℃で3時間保持し、(3).250℃から650℃まで1℃/分程度の平均昇温速度で6.4時間加熱し、(4).650℃(最高温度)で1時間保持し、そして(5).650℃から室温まで約11時間かけて冷却した(平均冷却速度:約0.95℃/分)。
これにより、微細孔に富むポリシラザン起源のセラミック多孔質膜(一次セラミック膜)が支持体の二次セラミック層の表面に形成された。
【0077】
形成された一次セラミック膜に対し、平行平板型電極を備えたベルジャー型反応容器を有する一般的なプラズマ処理装置を用いてプラズマ処理を行った。
すなわち、グロー放電用の高周波コイルが巻かれた円筒型チャンバー(石英ガラス製:内径約25cm)内に上記加熱処理終了後の支持体を配置した。次いで、真空ポンプでチャンバー内を10Pa以下となるまで真空減圧した。その後、チャンバー内に約40ml/分の流量で窒素ガス(純度99.99%以上)を供給した。このとき、チャンバー内の圧はほぼ80Paで安定させた。そして、約500Wの出力でグロー放電を起こさせ、生じた低温プラズマにより3分間処理した。
【0078】
上記プラズマ処理終了後、チャンバー内より支持体を取り出し、上記一次セラミック膜形成に使用したコーティング液(ポリシラザンの含有率10〜20質量%)に10秒間浸漬(ディップ)した。なお、このディップ処理の際にも支持体の外周面にのみコーティング液が付着するように、当該支持体の両端開放部を合成樹脂フィルムでラップしておいた。ディップコーティング後、上述の一次セラミック膜形成プロセスのときと同様に、60℃で4時間乾燥した。
その後、前記一次セラミック膜形成プロセスのときと同様の焼成スケジュールで加熱処理を行った。かかる一連の処理によって、管形状支持体の外周面にポリシラザン由来のセラミック膜が積層された多孔質セラミック材を製造した。
一般的なアルゴン吸着法によって得られたセラミック膜に存在する細孔の孔径を測定した。その結果、セラミック膜の細孔径のピーク値は約0.5nmであった。
【0079】
(4)基材及びセラミック層の接合状態の観察
本実施例に係る多孔質セラミック材における基材及びセラミック層の接合状態を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。図1は本実施例に係る多孔質セラミック材の横断面構造を示すSEM写真である。この写真から明らかなように、本実施例に係る多孔質セラミック材は基材とセラミック層との密着性が良好であり、剥離し難い微視的構造を有している。
【0080】
<実施例2、3及び比較例1:多孔質セラミック材の調製(2)>
前記(1)炭化ケイ素粉末、(5)高純度シリコン粉末及び(6)金属アルミニウム粉末を用いて、表4に示す各配合比の基材形成材料(第2,第3及び第4調製品)を調製した。表4には各調製品における炭化ケイ素粉末100質量部に対する他の成分の配合割合も併記した。
【0081】
【表4】
Figure 2005060126
【0082】
すなわち、表4に示す配合比となるように、炭化ケイ素粉末、高純度シリコン粉末、金属アルミニウム粉末、及び他の適当な添加剤、バインダーを添加して24時間混合し、計3種類の基材形成用スラリー(第2〜第4調製品)を得た。次いで、各スラリーを実施例1と同様に処理して造粒粉末を得た。これら造粒粉末をそれぞれ使用し、実施例1と同様のプロセスを経て、それぞれ実施例1と同形状である、実施例2の基材成形体(即ち第2調製品を使用したもの)、実施例3の基材成形体(即ち第3調製品を使用したもの)及び比較例1の基材成形体(即ち第4調製品を使用したもの)を得た。
次いで、各成形体を室温から1000℃まで125℃/hrの昇温ペースで加熱して脱脂(仮焼)を行った。そして1000℃で2時間保持した後、室温まで放冷した。
次いで、実施例1と同様の材料及びプロセスにより、実施例2及び3の基材成形体の表面に第一セラミック層形成材料(表2参照)をそれぞれ付与した。なお、比較例1の基材については、上記脱脂(仮焼)工程後に充分な機械的強度が得られなかったため、以後の処理を行わずに廃棄した。
【0083】
次いで、実施例1と同様の窒化可能雰囲気にある加熱炉内に各基材成形体を配置し、以下の焼成スケジュールで加熱し、基材とセラミック層とを同時に反応焼結させた。すなわち、室温から600℃まで約5.5℃/分の平均昇温速度で昇温した。次いで、1200℃まで約5.0℃/分の平均昇温速度で昇温した。1200℃(中間保持温度)で3時間保持した後、1500℃(最高加熱温度)まで約3.3℃/分の平均昇温速度で昇温した。1500℃で1時間保持した後、室温まで放冷した。
その後、実施例1と同様の材料及びプロセスに従って、第二セラミック層、続いてポリシラザン由来のセラミック多孔質膜を形成した。なお、上記最高加熱温度1500℃を1600℃に変更した場合でも、全く同一の材料及びプロセスに従った場合、実施例2及び3と性状が実質的に等しい多孔質セラミック材を得ることができた。
【0084】
<比較例2及び3:多孔質セラミック材の調製(3)>
実施例2及び3と同様の材料(第2調製品及び第3調製品)及びプロセスに従って、同形状の基材を成形し脱脂(仮焼)した後、セラミック層形成材料を付与せずに上記と同様の焼成スケジュールで反応焼結させ、基材部分のみから成る焼成体を得た。
次に、得られた基材のみから成る焼成体の表面に、第一セラミック層形成材料(コーティング液)を上記と同様のディップ法によって付与した。次いで、表面に第一セラミック層形成材料が付着している焼成体を、実施例1〜3で第一セラミック層を形成した場合と同様の焼成スケジュールに基づいて焼成した。これにより、基材の表面に第一セラミック層が積層された比較例2(即ち第2調製品を使用したもの)の多孔質焼成体及び比較例3(即ち第3調製品を使用したもの)の多孔質焼成体を得た。その後、実施例1と同様の材料及びプロセスに従って、第二セラミック層、続いてポリシラザン由来のセラミック多孔質膜を形成した。
なお、上記焼成スケジュールにおける最高加熱温度1500℃を1600℃に変更した場合でも、全く同一の材料及びプロセスに従った場合、比較例2及び3と性状が実質的に等しい多孔質セラミック材を得ることができた。
【0085】
<剥離の有無の確認>
以上のようにして得られた実施例1〜3及び比較例2〜3の多孔質セラミック材について、ポリシラザン由来のセラミック多孔質膜の形成後に、基材及びセラミック層間に剥離が認められるかどうか、目視にて確認した。その結果を表5に示す。
表5に示す結果から明らかなように、比較例2〜3に係る多孔質セラミック体はいずれも剥離が認められ、機械的強度に劣ることが判る。一方、実施例1〜3に係る多孔質セラミック体は、最高加熱温度条件が1500℃及び1600℃のいずれでも剥離が認められず、基材とセラミック層間の接合性が良好であることが確認された。
【0086】
【表5】
Figure 2005060126
【0087】
<ガス分離モジュールの作製及びガス分離特性の評価>
実施例1の管形状多孔質セラミック材10(以下「ガス分離モジュール10」という。)を用いて改質器1を構築し、当該ガス分離モジュール10のガス分離特性、即ち水素透過率及び窒素透過率ならびに水素/窒素分離係数を評価した。
先ず、図2に示すような改質器1を作製した。この図に示すように、本実施例に係る改質器1は、大まかにいって、筒状のステンレス製チャンバー2と、ポリシラザン由来のセラミック膜12が表面部に形成されたセラミック支持体(即ち基材と第一セラミック層及び第二セラミック層とから成る)14を本体とするガス分離モジュール10と、改質用触媒18とから構成される。
チャンバー2には、別途、ガス供給管3と、ガス排出管4とが設けられている。また、チャンバー2の周囲には図示しないヒーターおよび断熱材が設けられており、チャンバー2内部の温度を室温〜1200℃の範囲でコントロールすることができる。また、かかるチャンバー2内部のガス分離モジュール10の周囲の空間部(改質器では水素生成部に相当する部位)20には、種々の改質用触媒18を充填することができる。なお、本実施例に係る評価試験では、触媒18をチャンバー2内に充填せずに行った。
【0088】
図示されるように、ガス分離モジュール10の一端は金属製キャップ5によってシールされており、当該端部から中空部16へのガスの流入を防止している。
また、ガス分離モジュール10の他端側には、ジョイント管30が取り付けられている。図示するように、ジョイント管30の開口先端部(透過ガス排出口6)はチャンバー2の外部に露出した状態とした。さらに、ガス分離モジュール10の外周面におけるセラミック多孔質膜(即ちポリシラザン由来のガス分離膜)12の端の部分(即ちジョイント管取付部分の近傍)には、高温シール材を挿入してメカニカルシールした。
ジョイント管30の透過ガス排出口6と接続するガス排出側流路には図示しないガスクロマトグラフが装備されており、そこを流れるガス濃度を測定し、その測定データをコンピュータシステムによって自動バッチ処理で解析することができる。
チャンバー2のガス供給管3は外部ガス又は水蒸気等の供給源に接続しており、当該ガス供給管3を介してチャンバー内の空間部20に水素、窒素等の測定用ガスや水蒸気を供給することができる。なお、空間部20のガスはガス排出管4から外部に排出される。
【0089】
而して、かかる系において、ガス分離モジュール10の水素透過率、窒素透過率ならびに水素/窒素分離係数を次のようにして評価した。すなわち、図示しない水素供給源および窒素供給源から所定の流量で水素及び窒素をチャンバー2内に供給した。このとき、ガス分離膜12の内外の差圧が約2×10Pa(約0.2atm)となるようにした。
かかる評価試験は、チャンバー2内の温度を600℃に上げ、本実施例に係る改質器1のガス分離モジュール10について高温時における水素分離特性を評価した。
【0090】
具体的には、適宜ヒーターを作動させてチャンバー2内の温度制御を行いつつ、上記差圧を生じさせた状態で水素及び窒素をそれぞれチャンバー2内に供給した。而して、セッケン膜流量計(図示せず)によって透過側(即ち透過ガス排出口6と接続するガス排出側流路)の流速を測定した。なお、水素および窒素それぞれのガス透過率は次の式「Q=A/((Pr−Pp)・S・t)」から算出した。ここでQはガス透過率(permeation:モル/m・s・Pa)、Aは透過量(mol)、Prは供給側即ちチャンバー2内の空間部20の圧力(Pa)、Ppは透過側即ちガス分離モジュール10の中空部16の圧力(Pa)、Sは断面積(m)、tは時間(秒:s)を表す。また、水素/窒素分離係数(H/N selectivity)は、水素透過率と窒素透過率との比率すなわち式「α=QH2/QN2」から算出できる。ここでαは水素/窒素分離係数(透過係数比)、QH2は水素透過率、QN2は窒素透過率を表す。
【0091】
結果を表6に示す。表6から明らかなように、本実施例に係るガス分離モジュール10は、4.76×10−7モル/m・s・Paと高い水素透過率を示すとともに、54.3という優れた水素/窒素分離係数を示した。この結果は、本実施例に係るガス分離モジュールが600℃という高温条件下でも高い水素選択的分離特性を有することを示唆するものである。
【0092】
【表6】
Figure 2005060126
【0093】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係る多孔質セラミック材の基材とセラミック層との接合部を示す電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図2】一実施例に係る管状多孔質セラミック材(ガス分離モジュール)を備えた改質器の構造を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 改質器
2 チャンバー
10 ガス分離モジュール(管状多孔質セラミック材)
12 ガス分離膜
14 支持体

Claims (7)

  1. 基材と、該基材の表面上に形成された少なくとも一層のセラミック層とを有する多孔質セラミック材を製造する方法であって、
    炭化ケイ素及び/又は窒化ケイ素から成るケイ素化合物粉末と金属シリコン粉末とを主体とする基材形成材料を用いて所定形状の基材を成形する工程と、
    前記基材成形体の表面の少なくとも一部に、炭化ケイ素及び/又は窒化ケイ素から成るケイ素化合物粉末を主体とするセラミック層形成材料であって、前記基材形成材料に含まれるケイ素化合物粉末よりも平均粒径の小さいケイ素化合物粉末を含むセラミック層形成材料を付与する工程と、
    前記セラミック層形成材料が付与された基材成形体を窒化可能な雰囲気中で反応焼結させ、前記基材形成材料から成る基材と前記セラミック層形成材料から成るセラミック層とを有する焼成体を得る工程と、を包含する製造方法。
  2. 前記基材形成材料は、ケイ素化合物粉末100質量部に対して、10〜100質量部の金属シリコン粉末と0.5〜20質量部の金属アルミニウム粉末とを含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記基材形成材料に含まれるケイ素化合物粉末の平均粒径は0.1〜50μmであり、前記セラミック層形成材料に含まれるケイ素化合物粉末の平均粒径は5μm以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記基材形成材料及び前記セラミック層形成材料のいずれも、酸化イットリウム粉末及び/又は酸化アルミニウム粉末を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記基材成形工程において、前記基材形成材料を成形圧30MPa〜200MPaで加圧成形する、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記焼成体のセラミック層の上に、一又は二以上のセラミック層をさらに積層する工程を含み、
    前記積層される一又は二以上のセラミック層は、それぞれ異なるセラミック層形成材料から形成され、
    ここで各セラミック層形成材料は、該材料から形成されるセラミック層よりも下層側のセラミック層を形成するのに使用されたセラミック層形成材料に含まれる前記ケイ素化合物粉末よりも平均粒径の小さいケイ素化合物粉末を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記基材上に形成された一又は二以上積層されたセラミック層の表面の少なくとも一部に、Si及びNを主体とするセラミック多孔質膜を形成するための前駆体を付与する工程と、
    該前駆体を熱分解して、前記セラミック層の表面に、ガス透過可能な微細孔を有するSi及びN主体のセラミック多孔質膜を形成する工程とを包含する、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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