JP3850359B2 - A/d変換器、及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はA/D変換器、及びその制御方法に関し、特にパイプライン処理を行うA/D変換器において、分解能を可変とする構成を有するものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報通信分野における信号処理のディジタル化、高速化、情報通信機器の小型化、軽量化に伴い、ディジタル信号処理のキーデバイスとなるA/D変換器においても、高速化、低消費電力化が要求されている。近年ではこの要求を解決するためにA/D変換器の構成法として、パイプラインA/D変換器が用いられることが多い。最初に、従来のパイプラインA/D変換器の構成および動作について説明する。
【0003】
図17は、1.5ビット出力のパイプラインステージを3つ、最終段に2ビット出力のパイプラインステージを1つ用いた、一般的な5ビット出力のパイプラインA/D変換器の構成図を示している(例えば、特許文献1、特許文献2、及び非特許文献1参照)。
【0004】
パイプラインA/D変換器は、入力としてアナログ入力信号1が与えられ、ディジタル出力信号2を出力するものである。部分アナログ電圧値P0で示される前記アナログ入力信号1が、第1のパイプラインステージ3に接続され、部分アナログ電圧値P1で示される前記第1のパイプラインステージ3の出力が、第2のパイプラインステージ4に接続され、部分アナログ電圧値P2で示される前記第2のパイプラインステージ4の出力が、第3のパイプラインステージ5に接続され、部分アナログ電圧値P3で示される前記第3のパイプラインステージ5の出力が、第4のパイプラインステージ6に接続されており、一方、それぞれのパイプラインステージで得られた部分ディジタル値M1L1〜M4L4が符号化回路7に接続されている。なお、前記アナログ入力信号1は、サンプリング/ホールド回路(図示せず)を経由した後に、前記第1のパイプラインステージ3に接続されるように構成されていることもある。以上が、パイプラインA/D変換器の構成である。
【0005】
次に、パイプラインA/D変換器がアナログ電圧値をディジタル値に変換する動作について説明する。前記部分アナログ電圧値P0で示される前記アナログ入力信号1が、前記第1のパイプラインステージ3に入力されると、前記アナログ入力信号1に応じて、1.5ビット分の情報をもつ2進コードであり、前記ディジタル出力信号2の最上位ビットを構成する前記部分ディジタル値M1L1、および前記部分アナログ電圧値P1を出力し、それぞれ前記符号化回路7、および前記第2のパイプラインステージ4に入力される。
【0006】
同様に、前記部分アナログ電圧値P1が前記第2のパイプラインステージ4に入力されると、前記部分アナログ電圧値P1に応じて1.5ビット分の情報をもつ2進コードである前記部分ディジタル値M2L2、および前記部分アナログ電圧値P2を出力し、それぞれ前記符号化回路7、および前記第3のパイプラインステージ5に入力され、同様に、前記部分アナログ電圧値P2が前記第3のパイプラインステージ5に入力されると、前記部分アナログ電圧値P2に応じて1.5ビット分の情報をもつ2進コードである前記部分ディジタル値M3L3、および前記部分アナログ電圧値P3を出力し、それぞれ前記符号化回路7、および前記第4のパイプラインステージ6に入力され、さらに、前記部分アナログ電圧値P3が前記第4のパイプラインステージ6に入力されると、前記部分アナログ電圧値P3に応じて2ビット分の情報をもつ2進コードであり最下位ビットを構成する前記部分ディジタル値M4L4を出力し、これが前記符号化回路7に入力される。
【0007】
前記部分ディジタル値L1と、前記部分ディジタル値M2、前記部分ディジタル値L2と、前記部分ディジタル値M3、前記部分ディジタル値L3と、前記部分ディジタル値M4は、変換処理の信頼性を向上させるために、それぞれオーバーラップ部分(ここでは0.5ビット)を持っており、前記符号化回路7において符号化されることにより、結果として2進コードである5ビットの分解能をもつ前記ディジタル出力信号2を出力する。
【0008】
以上が、パイプラインA/D変換器の動作である。
次に、前記パイプラインA/D変換器を構成している一般的なパイプラインステージの構成および動作について詳細に説明する。
以下、第i(1〜4)のパイプラインステージについて、その構成を説明する。
【0009】
図18は図17の1〜3番目に設けられた第1〜第3のパイプラインステージ3〜5の詳細な構成図を示している。第1〜第3のパイプラインステージ3〜5は、入力としてPi−1として示される第1の部分アナログ電圧値8が与えられ、MiLiとして示される部分ディジタル値9およびPiとして示される第2の部分アナログ電圧値10を出力する。前記第1の部分アナログ電圧値8が第1のオフセット付加器11に接続され、前記第1のオフセット付加器11の出力が部分A/D変換器12に接続され、前記部分A/D変換器12の出力が部分D/A変換器13に接続され、前記部分D/A変換器13の出力が第2のオフセット付加器14に接続され、前記第2のオフセット付加器14の出力と前記第1の部分アナログ電圧値8とが減算器15に接続され、該減算器15の出力が演算増幅器16に接続され、該演算増幅器16の出力が前記第2の部分アナログ電圧値10となり、前記部分A/D変換器12の出力が前記部分ディジタル値9となる。
【0010】
一方、図19は図17で示した第4のパイプラインステージ6の詳細な構成図を示している。第4のパイプラインステージ6は、入力としてPi−1として示される第1の部分アナログ電圧値8が与えられ、MiLiとして示される部分ディジタル値9を出力する。前記第1の部分アナログ電圧値8が部分A/D変換器12に接続されている。該部分A/D変換器12の出力が前記部分ディジタル値9となる。以上が、前記パイプラインステージの構成である。
【0011】
以下、第i(1〜4)のパイプラインステージについてその動作を説明する。1〜3番目に設けられた前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5は、入力される前記第1の部分アナログ電圧値8であるPi−1に対して、前記第1のオフセット付加器11によって、第1のオフセット電圧値17として、−0.5LSB分のオフセット電圧値を加え、これに対して前記部分A/D変換器12によってA/D変換を行い、前記部分ディジタル値9として1.5ビット出力に相当し、上位ビットをMi、下位ビットをLiとする2進コードである[00、01、10]を出力する。また、前記部分ディジタル値9に対して前記部分D/A変換器13によってD/A変換を行い、この結果に対して前記第2のオフセット付加器14によって第2のオフセット電圧値18として、+0.5LSB分のオフセット電圧値を加え、前記第1の部分アナログ電圧値8と共に、前記減算器15に入力し、両者の差電圧値を得た後、これを前記演算増幅器16によって増幅し、前記第2の部分アナログ電圧値10であるPiを得る。以上が、前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5の動作である。
【0012】
図20は第i(1〜3)番目に設けられた前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5の入力である前記第1の部分アナログ電圧値Pi−1に対する、前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5の出力である前記部分ディジタル値MiLi、および前記第2の部分アナログ電圧値Piの関係を示したものである。ここで、前記第1および第2の部分アナログ電圧値の基準レベルは、GNDレベルとしているが、前記第1および第2の部分アナログ電圧値の基準レベルは任意に設定することができる。なお、図中のFSは、前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5のフルスケール電圧値を示したものである。
【0013】
一方、4番目に設けられた前記第4のパイプラインステージ6は、入力される前記第1の部分アナログ電圧値8であるPi−1に対して、前記部分A/D変換器12によってA/D変換を行い、前記部分ディジタル値9として2ビット出力に相当し、上位ビットをMi、下位ビットをLiとする2進コードである[00、01、10、11]を出力する。以上が、前記第4のパイプラインステージ6の動作である。
【0014】
図21は第i(4)番目に設けられた前記第4のパイプラインステージ6の入力である前記第1の部分アナログ電圧値Pi−1に対する前記第4のパイプラインステージ6の出力である、前記部分ディジタル値MiLiの関係を示したものである。ここで、前記第1の部分アナログ電圧値の基準レベルはGNDレベルとしているが、前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5と同様に、第1の部分アナログ電圧値の基準レベルは任意に設定することができる。なお、図中のFSは前記第4のパイプラインステージ6のフルスケール電圧値を示したものである。以上が、パイプラインステージの動作である。
【0015】
次に、前記パイプラインA/D変換器を構成している一般的な符号化回路の構成および動作について詳しく説明する。
図22は符号化回路7の構成図を示している。前記符号化回路7は前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5の出力である1.5ビットの2進コードで構成される前記部分ディジタル値M1L1〜M3L3、および前記第4のパイプラインステージ6の出力である2ビットの2進コードで構成される前記部分ディジタル値M4L4を入力として、前記ディジタル出力信号2(D4〜D0)を出力する。
【0016】
前記部分ディジタル値M1は、半加算器19の入力端子であるA1端子に接続され、前記部分ディジタル値L1は、全加算器20の入力端子であるA2端子に接続され、前記部分ディジタル値M2は、前記全加算器20の入力端子であるB2端子に接続され、前記部分ディジタル値L2は、全加算器21の入力端子であるA3端子に接続され、前記部分ディジタル値M3は、前記全加算器21の入力端子であるB3端子に接続され、前記部分ディジタル値L3は、半加算器22の入力端子であるA4端子に接続され、前記部分ディジタル値M4は、前記半加算器22の入力端子であるB4端子に接続され、前記部分ディジタル値L4は、前記ディジタル出力信号2の最下位ビットである、D0となる。
【0017】
前記半加算器22の加算結果であるS4は、前記ディジタル出力信号2の2ビット目であるD1となる。前記半加算器22のキャリー信号であるCo4は、前記全加算器21のキャリー信号入力端子であるCi3に接続される。前記全加算器21の加算結果であるS3は、前記ディジタル出力信号2の3ビット目であるD2となる。前記全加算器21のキャリー信号であるCo3は前記全加算器20のキャリー信号入力端子であるCi2に接続される。前記全加算器20の加算結果であるS2は、前記ディジタル出力信号2の4ビット目であるD3となる。前記全加算器20のキャリー信号であるCo2は前記半加算器19の入力端子であるB1に接続される。前記半加算器19の加算結果であるS1は、前記ディジタル出力信号2の最上位ビットであるD4となる。
【0018】
なお、半加算器および全加算器の入力端子であるA1〜A4端子およびB1〜B4端子は置き換え可能であり、必ずしも前記の接続を必要とするものではない。また、本例においては半加算器および全加算器で構成される場合を示したが、他の論理回路でも構成が可能である。以上が符号化回路の構成である。
【0019】
次に符号化回路7の動作について説明する。前記符号化回路7は、前記部分ディジタル値L4をディジタル出力信号2の最下位ビットであるD0として出力する。また、前記部分ディジタル値M4と前記部分ディジタル値L3とを前記半加算器22で加算した結果をディジタル出力信号2の2ビット目であるD1として出力する。この時、桁上げが生じた場合、前記全加算器21にキャリー信号を伝える。また、前記部分ディジタル値M3と前記部分ディジタル値L2と前記半加算器22のキャリー信号とを前記全加算器21で加算した結果をディジタル出力信号2の3ビット目であるD2として出力する。この時、桁上げが生じた場合、前記全加算器20にキャリー信号を伝える。また、前記部分ディジタル値M2と前記部分ディジタル値L1と、前記全加算器21のキャリー信号とを前記全加算器20で加算した結果をディジタル出力信号2の4ビット目であるD3として出力する。この時、桁上げが生じた場合、前記半加算器19にキャリー信号を伝える。また、前記部分ディジタル値M1と、前記全加算器20のキャリー信号とを前記半加算器19で加算した結果をディジタル出力信号2の最上位ビットであるD4として出力する。以上が、符号化回路の動作である。
【0020】
【特許文献1】
特開平6−85672号公報
【特許文献2】
特開平10−173528号公報
【非特許文献1】
「CMOS DATA CONVERTERS FOR COMMUNICATIONS」by
Mikael Gustavsson,J.Jacob Wikner,Nianxiong Nick Tan KLUWER
ACADEMIC PUBLISHERS(ISBN-0-7923-7780-X)
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
従来のA/D変換器は以上のように構成されており、例えば、携帯電話等の移動体通信機器は電池等で駆動されるため、ディジタル通信用の通信品質を向上させるための回路などの内部に使用されているA/D変換器は、移動体通信機器の小型化・軽量化および電池等の長時間駆動化のために低消費電力化が要求されている。一方、移動体通信機器が情報を受信する際、建築物等の障害物の影響および基地局から移動体通信機器までの通信距離変化の影響等により、受信する電波の強度が異なるため、移動体通信機器を使用する場所による電波の強度変化に応じてA/D変換器に要求される分解能が変化する。
【0022】
以上に示した従来のパイプラインA/D変換器は、移動体通信システムが要求する分解能が変化するという場合においても、ディジタル出力のビット数は変化することがなく、全てのパイプラインステージが動作しており、これがA/D変換器の低消費電力化を阻害する原因の1つとなっていた。
【0023】
一方、このような問題に対して、例えば、特許出願公開番号「特開平6−85672号」に示されるように、与えられる要求信号に応じて、下位ビット決定用のA/D変換器の動作を止めることにより、出力されるディジタル値の分解能を変化させるパイプラインA/D変換器が提案されている。
【0024】
ところが、上述したように、現在、極めて一般的に使用されているパイプラインA/D変換器の構成においては、各パイプラインステージのディジタル出力は上位のビットを構成するパイプラインステージのディジタル出力とオーバーラップを有するため、下位のビットが決定されるまでは、上位のビットを決定することができない。例えば、図26(a)に示されるように、[M1L1、M2L2、M3L3]が[01、01、01]の場合には演算結果は[0111]を出力することとなるが、図26(b)に示すように、[M1L1、M2L2、M3L3]が[01、01、10]の場合には本来[1000]となるべき演算結果が、パイプラインステージ5を停止することで、[M3L3]が不明となり、[011]と演算されてしまうことになる。このように、最上位ビットの出力が最下位ビットの出力によって決定されることもあるため、単に下位決定用のA/D変換器の動作を停止させたとすると、要求された分解能を実現するにいたらないばかりか、A/D変換器の出力に破綻が生じる可能性がある。
【0025】
本発明は上記のような問題点に鑑みなされたもので、システムが要求するA/D変換器の分解能が変化した場合に、要求された分解能を実現するために必要なパイプラインステージのみを動作させ、要求された分解能を実現するために不要なパイプラインステージの動作を停止させることにより、低消費電力動作が可能なパイプラインA/D変換器、及びその制御方法を実現することを目的とするとともに、要求された分解能を実現するために不要なパイプラインステージの動作を停止させた時に生じるA/D変換器の出力破綻を防ぐことのできるA/D変換器、及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明(請求項1)にかかるA/D変換器は、それぞれ、入力されるアナログ電圧に対してパイプライン動作を行って部分ディジタル値を出力する複数のパイプラインステージを、直列に接続してなるパイプラインステージ列と、分解能を指示するビット数制御信号に従い、上記各パイプラインステージに対して、動作をさせるか停止させるかを示すビット数選択信号を出力するビット数制御回路と、前記ビット数制御信号に従って、出力すべきディジタル値の補償をする補正回路と、を備え、前記補正回路は、前記すべてのパイプラインステージの入力を入力とし、該入力のうちから上記ビット数選択信号に応じて選択した入力と、比較参照電圧値とを比較してその電圧比較結果を1以上の2進コードからなる補正用部分ディジタル値として出力する補正用A/D変換器と、前記パイプラインステージ列のすべてのパイプラインステージが出力する前記部分ディジタル値と、前記補正用A/D変換器が出力する前記補正用部分ディジタル値とを入力とし、上記ビット数選択信号に応じて、1以上の2進コードを出力する補正用符号変換回路と、から構成されている、ことを特徴とするものである。
【0028】
また、本発明(請求項2)にかかるA/D変換器は、それぞれ、入力されるアナログ電圧に対してパイプライン動作を行って部分ディジタル値を出力する複数のパイプラインステージを、直列に接続してなるパイプラインステージ列と、分解能を指示するビット数制御信号に従い、上記各パイプラインステージに対して、動作をさせるか停止させるかを示すビット数選択信号を出力するビット数制御回路と、前記ビット数制御信号に従って、出力すべきディジタル値の補償をする補正回路と、を備え、前記補正回路は、最終段パイプラインステージにおいて処理されるアナログ電圧値を、前記複数のパイプラインステージのうちの最終段を除くパイプラインステージが出力するアナログ電圧値のうちから、上記ビット数選択信号に応じて選択する選択手段と、前記最終段パイプラインステージが出力する部分ディジタル値と、前記パイプラインステージ列の前記最終段以外の各パイプラインステージが出力する前記部分ディジタル値とを入力とし、上記ビット数選択信号に応じて、補正された2進コードを出力する補正用符号変換回路と、から構成されている、ことを特徴とするものである。
【0029】
また、本発明(請求項3)にかかるA/D変換器の制御方法は、それぞれ、入力されるアナログ電圧に対してパイプライン動作を行って部分ディジタル値を出力する複数のパイプラインステージを、直列に接続してなるパイプラインステージ列と、分解能を指示するビット数制御信号に従い、上記各パイプラインステージに対して、動作をさせるか停止させるかを示すビット数選択信号を出力するビット数制御回路と、前記ビット数制御信号に従って、出力すべきディジタル値の補償をする補正回路と、を備えたA/D変換器において、前記出力すべきディジタル値の補償をする制御方法であって、前記補正回路が、前記すべてのパイプラインステージの入力を入力とし、該入力のうちから上記ビット数選択信号に応じて選択した入力と、比較参照電圧値とを比較してその電圧比較結果を1以上の2進コードからなる補正用部分ディジタル値とする補正用A/D変換ステップと、前記補正回路が、前記パイプラインステージ列のすべてのパイプラインステージが出力する前記部分ディジタル値と、前記補正用部分ディジタル値とを入力とし、上記ビット数選択信号に応じて、1以上の2進コードを出力する補正用符号変換ステップと、を含む、ことを特徴とするものである。
また、本発明(請求項4)に係るA/D変換器の制御方法は、それぞれ、入力されるアナログ電圧に対してパイプライン動作を行って部分ディジタル値を出力する複数のパイプラインステージを、直列に接続してなるパイプラインステージ列と、分解能を指示するビット数制御信号に従い、上記各パイプラインステージに対して、動作をさせるか停止させるかを示すビット数選択信号を出力するビット数制御回路と、前記ビット数制御信号に従って、出力すべきディジタル値の補償をする補正回路と、を備えたA/D変換器において、前記出力すべきディジタル値の補償をする制御方法であって、前記補正回路が、最終段パイプラインステージにおいて処理されるアナログ電圧値を、前記複数のパイプラインステージのうちの最終段を除くパイプラインステージが出力するアナログ電圧値のうちから、上記ビット数選択信号に応じて選択する選択ステップと、前記補正回路が、前記最終段パイプラインステージが出力する部分ディジタル値と、前記パイプラインステージ列の前記最終段以外の各パイプラインステージが出力する前記部分ディジタル値とを入力とし、上記ビット数選択信号に応じて、補正された2進コードを出力する補正用符号変換ステップと、を含む、ことを特徴とするものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のA/D変換器の具体的な実施の形態について述べる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかるパイプラインA/D変換器であり、ディジタル出力信号の分解能を1〜5ビットの間で変化させることが可能なパイプラインA/D変換器の構成を示している。本実施の形態1であるパイプラインA/D変換器は、入力としてアナログ入力信号1が与えられディジタル出力信号2を出力するように構成されている。すなわち、部分アナログ電圧値P0で示される前記アナログ入力信号1が第1のパイプラインステージ3の入力として接続され、部分アナログ電圧値P1で示される前記第1のパイプラインステージ3の出力が、第2のパイプラインステージ4の入力として接続され、部分アナログ電圧値P2で示される前記第2のパイプラインステージ4の出力が、第3のパイプラインステージ5の入力として接続され、部分アナログ電圧値P3で示される前記第3のパイプラインステージ5の出力が、第4のパイプラインステージ6の入力として接続されている。
【0031】
それぞれのパイプラインステージで得られた部分ディジタル値M1L1〜M4L4は、補正用符号変換回路23に接続され、該補正用符号変換回路23の出力は符号化回路7に接続されている。一方、ビット数制御信号24がビット数制御回路25に接続され、前記ビット数制御回路25の出力であるビット数選択信号26が前記第1〜第4のパイプラインステージ3〜6と、補正用A/D変換器27と、前記補正用符号変換回路23と、に接続されている。また、前記部分アナログ電圧値P0〜P3は、前記補正用A/D変換器27に接続され、該補正用A/D変換器27の出力であるCoutで示される補正用部分ディジタル値28は、前記補正用符号変換回路23に接続されている。以上が本発明の実施の形態1であるパイプラインA/D変換器の構成である。
【0032】
次に本実施の形態1であるパイプラインA/D変換器が5ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作について説明する。5ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力するための前記ビット数制御信号24が、前記ビット数制御回路25に与えられると、前記ビット数制御回路25より、前記第1〜第4のパイプラインステージ3〜6が動作するように、また、前記補正用A/D変換器27が停止するように前記ビット数選択信号26が出力される。
【0033】
停止した前記補正用A/D変換器27は、前記補正用部分ディジタル値Coutとして[0]もしくは[1]の任意を出力することとする。この時、前記アナログ入力信号1が前記第1のパイプラインステージ3に入力されると、前記アナログ入力信号1に応じて、1.5ビット分の情報をもつ2進コードであり、前記ディジタル出力信号2の最上位ビットを構成する部分ディジタル値M1L1、および部分アナログ電圧値P1を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23および前記第2のパイプラインステージ4に入力される。
【0034】
同様に、前記部分アナログ電圧値P1が前記第2のパイプラインステージ4に入力されると、前記部分アナログ電圧値P1に応じて1.5ビット分の情報をもつ2進コードである部分ディジタル値M2L2、および部分アナログ電圧値P2を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23、および前記第3のパイプラインステージ5に入力され、同様に、前記部分アナログ電圧値P2が前記第3のパイプラインステージ5に入力されると、前記部分アナログ電圧値P2に応じて1.5ビット分の情報をもつ2進コードである部分ディジタル値M3L3、および部分アナログ電圧値P3を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23、および前記第4のパイプラインステージ6に入力され、前記部分アナログ電圧値P3が前記第4のパイプラインステージ6に入力されると、前記部分アナログ電圧値P3に応じて2ビット分の情報をもつ2進コードであり、前記ディジタル出力信号2の最下位ビットを構成する部分ディジタル値M4L4を出力し、これが前記補正用符号変換回路23に入力される。
【0035】
5ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する際には、前記第1〜第4のパイプラインステージ3〜6の出力である前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4に対して補正を必要としないため、前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4をそのまま前記符号化回路7に入力し、前記符号化回路7において符号化することにより、結果として2進コードである5ビットの分解能をもつディジタル出力信号2を出力する。以上により、パイプラインA/D変換器は、5ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力することになる。
【0036】
次に本実施の形態1のパイプラインA/D変換器が4ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作について説明する。4ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力するための前記ビット数制御信号24が、前記ビット数制御回路25に与えられると、前記ビット数制御回路25より前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5が動作するように、また、前記第4のパイプラインステージ6が停止するように、かつ、前記補正用A/D変換器27が動作するように前記ビット数選択信号26が出力される。
【0037】
停止した前記第4のパイプラインステージ6は、前記部分ディジタル値M4M4として[00]を出力することとする。この時、前記アナログ入力信号1が前記第1のパイプラインステージ3に入力されると、前記アナログ入力信号1に応じて、1.5ビット分の情報をもつ2進コードであり前記ディジタル出力信号2の最上位ビットを構成する部分ディジタル値M1L1、および部分アナログ電圧値P1を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23、および前記第2のパイプラインステージ4に入力される。同様に、前記部分アナログ電圧値P1が前記第2のパイプラインステージ4に入力されると、前記部分アナログ電圧値P1に応じて1.5ビット分の情報をもつ2進コードである部分ディジタル値M2L2、および部分アナログ電圧値P2を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23、および前記第3のパイプラインステージ5に入力され、同様に、前記部分アナログ電圧値P2が前記第3のパイプラインステージ5に入力されると、前記部分アナログ電圧値P2に応じて1.5ビット分の情報をもつ2進コードである部分ディジタル値M3L3、および部分アナログ電圧値P3を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23、および前記補正用A/D変換器27に入力される。
【0038】
前記補正用A/D変換器27は、前記補正用A/D変換器27に入力される前記部分アナログ電圧値P0〜P3の中から前記ビット数制御信号26に従って、前記部分アナログ電圧値P3を選択し、後述する方法によって、前記部分アナログ電圧値P3に応じて1ビット分の情報をもつ2進コードであるCoutで示される前記補正用部分ディジタル値28を出力し、これが前記補正用符号変換回路23に入力される。
【0039】
4ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する際には、前記第4のパイプラインステージ6の出力である前記部分ディジタル値M4に対して、前記補正用部分ディジタル値28を用いて補正を行った後、前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4を前記符号化回路7に入力し、前記符号化回路7において符号化することにより、結果として2進コードである4ビットの分解能をもつディジタル出力信号2を出力することができる。以上により、本パイプラインA/D変換器は、4ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力することになる。
【0040】
次に本実施の形態1のパイプラインA/D変換器が3ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作について説明する。3ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力するための前記ビット数制御信号24が、前記ビット数制御回路25に与えられると、前記ビット数制御回路25より前記第1〜第2のパイプラインステージ3〜4が動作し、前記第3〜第4のパイプラインステージ5〜6が停止するように、また、前記補正用A/D変換器27が動作するように、前記ビット数選択信号26が出力される。
【0041】
停止した前記第3〜第4のパイプラインステージ5〜6は、前記部分ディジタル値M3M3〜M4M4として[00]を出力することとする。この時、前記アナログ入力信号1が前記第1のパイプラインステージ3に入力されると、前記アナログ入力信号1に応じて、1.5ビット分の情報をもつ2進コードであり前記ディジタル出力信号2の最上位ビットを構成する部分ディジタル値M1L1、および部分アナログ電圧値P1を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23、および前記第2のパイプラインステージ4に入力される。同様に、前記部分アナログ電圧値P1が前記第2のパイプラインステージ4に入力されると、前記部分アナログ電圧値P1に応じて1.5ビット分の情報をもつ2進コードである部分ディジタル値M2L2、および部分アナログ電圧値P2を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23、および前記補正用A/D変換器27に入力される。
【0042】
前記補正用A/D変換器27は、前記補正用A/D変換器27に入力される前記部分アナログ電圧値P0〜P3の中から前記ビット数制御信号26に従って前記部分アナログ電圧値P2を選択し、後述する方法によって、前記部分アナログ電圧値P2に応じて1ビット分の情報をもつ2進コードであるCoutで示される前記補正用部分ディジタル値28を出力し、これが前記補正用符号変換回路23に入力される。3ビットの分解能を持つディジタル出力信号を出力する際には、前記第3のパイプラインステージ5の出力である前記部分ディジタル値M3に対して、前記補正用部分ディジタル値28を用いて補正を行った後、前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4を前記符号化回路7に入力し、前記符号化回路7において符号化することにより、結果として2進コードである3ビットの分解能をもつディジタル出力信号2を出力する。以上により、本パイプラインA/D変換器は、3ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力することになる。
【0043】
次に本実施の形態1のパイプラインA/D変換器が2ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作について説明する。2ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力するための前記ビット数制御信号24が、前記ビット数制御回路25に与えられると、前記ビット数制御回路25より、前記第1のパイプラインステージ3が動作するように、かつ、前記第2〜第4のパイプラインステージ4〜6が停止するように、また、前記補正用A/D変換器27が動作するように、前記ビット数選択信号26が出力される。
【0044】
停止した前記第2〜第4のパイプラインステージ4〜6は、前記部分ディジタル値M2M2〜M4M4として[00]を出力することとする。この時、前記アナログ入力信号1が前記第1のパイプラインステージ3に入力されると、前記アナログ入力信号1に応じて、1.5ビット分の情報をもつ2進コードであり前記ディジタル出力信号2の最上位ビットを構成する部分ディジタル値M1L1、および部分アナログ電圧値P1を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23、および前記補正用A/D変換器27に入力される。
【0045】
前記補正用A/D変換器27は、前記補正用A/D変換器27に入力される前記部分アナログ電圧値P0〜P3の中から前記ビット数制御信号26に従って前記部分アナログ電圧値P1を選択し、後述する方法によって、前記部分アナログ電圧値P1に応じて1ビット分の情報をもつ2進コードであるCoutで示される前記補正用部分ディジタル値28を出力し、これが前記補正用符号変換回路23に入力される。2ビットの分解能を持つディジタル出力信号を出力する際には、前記第2のパイプラインステージ4の出力である前記部分ディジタル値M2に対して前記補正用部分ディジタル値28を用いて補正を行った後、前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4を前記符号化回路7に入力し、前記符号化回路7において符号化することにより、結果として2進コードである2ビットの分解能をもつディジタル出力信号2を出力する。以上により、本パイプラインA/D変換器は、2ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力することになる。
【0046】
次に本実施の形態1のパイプラインA/D変換器が1ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作について説明する。1ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力するための前記ビット数制御信号24が、前記ビット数制御回路25に与えられると、前記ビット数制御回路25より前記第1〜第4のパイプラインステージ3〜6が停止するように、また、前記補正用A/D変換器27が動作するように、前記ビット数選択信号26が出力される。
【0047】
停止した前記第1〜第4のパイプラインステージ3〜6は、前記部分ディジタル値M1M1〜M4M4として[00]を出力することとする。前記補正用A/D変換器27は、前記補正用A/D変換器27に入力される前記部分アナログ電圧値P0〜P3の中から前記ビット数制御信号26に従って前記部分アナログ電圧値P0を選択し、後述する方法によって、前記部分アナログ電圧値P0に応じて1ビット分の情報をもつ2進コードであるCoutで示される前記補正用部分ディジタル値28を出力し、これが前記補正用符号変換回路23に入力される。1ビットの分解能を持つディジタル出力信号を出力する際には、前記第1のパイプラインステージ3の出力である前記部分ディジタル値M1に対して前記補正用部分ディジタル値28を用いて補正を行った後、前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4を前記符号化回路7に入力し、前記符号化回路7において符号化することにより、結果として2進コードである1ビットの分解能をもつディジタル出力信号2を出力する。以上により本パイプラインA/D変換器は、1ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力することになる。
【0048】
図2は上記実施の形態1のパイプラインA/D変換器に用いられるビット数制御回路の詳細な構成を示している。前記ビット数制御信号24のうち、ビット数制御信号A0が、第1の否定論理回路と、第1、第3、第5の否定論理和回路の1入力端子とに接続され、前記ビット数制御信号24のうちビット数制御信号A1が、第2の否定論理回路と、第1、第2、第5の否定論理和回路の一入力端子とに接続され、前記ビット数制御信号24のうちビット数制御信号A2が、第3の否定論理回路と、第1、第2、第3、第4の否定論理和回路の一入力端子とに接続されている。また、前記第1の否定論理回路の出力が、第2、第4の否定論理和回路の一入力端子とに接続され、第2の否定論理回路の出力が、第3、第4の否定論理和回路の一入力端子とに接続され、第3の否定論理回路の出力が、第5の否定論理和回路の一入力端子に接続され、第1の否定論理和回路の出力がB1で示されるビット選択信号26として出力され、第2の否定論理和回路の出力がB2で示されるビット選択信号26として出力され、第3の否定論理和回路の出力がB3で示されるビット選択信号26として出力され、第4の否定論理和回路の出力がB4で示されるビット選択信号26として出力され、第5の否定論理和回路の出力がB5で示されるビット選択信号26として出力されるように構成されている。
【0049】
次に上記ビット数制御回路25の動作について説明する。前記ビット数制御信号A2〜A0に[000]が入力されると、前記第1の否定論理和回路の出力のみが1レベルとなり、前記第2〜第5の否定論理和回路の出力が0レベルとなり、前記ビット数選択信号B5〜B1[00001]が出力される。前記ビット数制御信号A2〜A0に[001]が入力されると、前記第2の否定論理和回路の出力のみが1レベルとなり、前記第1および第3〜第5の否定論理和回路の出力が0レベルとなり、前記ビット数選択信号B5〜B1[00010]が出力される。前記ビット数制御信号A2〜A0に[010]が入力されると、前記第3の否定論理和回路の出力のみが1レベルとなり、前記第1〜第2および第4〜第5の否定論理和回路の出力が0レベルとなり、前記ビット数選択信号B5〜B1[00100]が出力される。前記ビット数制御信号A2〜A0に[011]が入力されると、前記第4の否定論理和回路の出力のみが1レベルとなり、前記第1〜第3および第5の否定論理和回路の出力が0レベルとなり、前記ビット数選択信号B5〜B1[01000]が出力される。前記ビット数制御信号A2〜A0に[100]が入力されると、前記第5の否定論理和回路の出力のみが1レベルとなり、前記第1〜4の否定論理和回路の出力が0レベルとなり、前記ビット数選択信号B5〜B1[10000]が出力される。
【0050】
前記ビット数選択信号B5が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベルを示すとき、本実施の形態1であるパイプラインA/D変換器は、5ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働き、同様に、前記ビット数選択信号B4が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベルを示すとき、4ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働き、同様に、前記ビット数選択信号B3が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベルを示すとき、3ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働き、同様に、前記ビット数選択信号B2が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベルを示すとき、2ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働き、同様に、前記ビット数選択信号B1が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベルを示すとき、1ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働く。以上が、本発明の実施の形態1であるパイプラインA/D変換器に用いられるビット数制御回路25の動作である。
【0051】
なお、図2における前記ビット数制御回路25では、否定論理回路および否定論理和回路を用いた場合の構成について述べたが、他の論理回路を用いても同様の効果が得られることは明らかである。
また、図2における構成では、前記ビット数制御信号A2〜A0の論理状態が[000],[001],[010],[011],[100]のときに、前記ビット数選択信号B5〜B1が、それぞれ[00001],[00010],[00100],[01000],[10000]と出力されるものとして述べたが、同等の効果が得られるように、前記ビット数選択信号B5〜B1が、前記ビット数制御信号A2〜A0に対して一意に決まり、前記ビット数選択信号B5〜B1を受ける回路が対応してさえいれば、前記ビット数制御信号A2〜A0の論理状態は任意に選択することが可能であることは言うまでもない。
【0052】
さらに、図2における構成では、前記ビット数選択信号B5〜B1のうち1つの選択信号のみが1レベル、他の4つの選択信号が0レベルとして出力されると述べたが、同等の効果が得られるように前記ビット数選択信号B5〜B1が前記ビット数制御信号A2〜A0に対して一意に決まり、前記ビット数選択信号B5〜B1を受ける回路が対応してさえいれば、前記ビット数選択信号B5〜B1のうち1つの選択信号のみが0レベル、他の4つの選択信号が1レベルとして出力する、あるいは、前記ビット数選択信号B5〜B1は任意の論理状態を出力するとしても同等の効果を得ることが可能であることは言うまでもない。
【0053】
以下、上述した第i(1〜4)のパイプラインステージについてその構成を詳細に説明する。図3は、本実施の形態1で示したパイプラインA/D変換器に用いられる第1〜第3のパイプラインステージ3〜5の構成図を示している。この第1〜第3のパイプラインステージ3〜5は入力として、Pi−1として示される第1の部分アナログ電圧値8が与えられ、MiLiとして示される部分ディジタル値9、およびPiとして示される第2の部分アナログ電圧値10を出力する。また、入力として上記図2で説明したビット数制御回路25によって出力されたビット数選択信号B1〜Biが与えられ、これに従って、各パイプラインステージが、一連のパイプライン動作を行うか、一連のパイプライン動作を停止させるか、が決定される。
【0054】
前記第1の部分アナログ電圧値8が第1のオフセット付加器11の入力として接続され、前記第1のオフセット付加器11の出力が部分A/D変換器12の入力として接続され、前記部分A/D変換器12の出力が部分D/A変換器13の入力として接続され、前記部分D/A変換器13の出力が第2のオフセット付加器14の入力として接続され、前記第2のオフセット付加器14の出力と前記第1の部分アナログ電圧値8とが減算器15の入力として接続され、前記減算器15の出力が演算増幅器16の入力として接続され、前記演算増幅器16の出力が前記第2の部分アナログ電圧値10となる。
【0055】
前記第1のパイプラインステージ3においては、前記ビット数選択信号B1のみが、また前記第3のパイプラインステージ5においては、前記ビット数選択信号B1〜B3が、つまり前記ビット数選択信号B1〜Biが各パイプラインステージの論理和回路26に接続され、前記論理和回路26の出力であるIiが前記第1のオフセット付加器11,前記部分A/D変換器12,前記部分D/A変換器13,前記第2のオフセット付加器14,前記減算器15,前記演算増幅器16とに接続される。
【0056】
一方、図4は最終段のステージである第4のパイプラインステージ6の構成図を示している。第4のパイプラインステージ6は、その入力として、Pi−1として示される第1の部分アナログ電圧値8が与えられ、MiLiとして示される部分ディジタル値9を出力する。前記第1の部分アナログ電圧値8が部分A/D変換器12の入力として接続されている。前記ビット数選択信号B1〜B4が論理和回路26に入力され、前記論理和回路26の出力であるIiが前記部分A/D変換器12に接続される。以上が、本発明の実施の形態1であるパイプラインA/D変換器に用いられる各パイプラインステージの構成である。
【0057】
以下、前記第i(1〜4)のパイプラインステージについて、その動作を説明する。
前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5は、入力される前記ビット数選択信号B1〜Biのうち全てが0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が(i+1)ビット精度以上の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記論理和回路26より出力されるIiは0レベルになる。このとき、通常通り、全パイプラインステージが動作する一連のパイプライン動作を行う。入力される前記第1の部分アナログ電圧値8であるPi−1に対して、前記第1のオフセット付加器11によって第1のオフセット電圧値17として、−0.5LSB分のオフセット電圧値を加え、これに対して前記部分A/D変換器12によってA/D変換を行い、前記部分ディジタル値9として1.5ビット出力に相当し、上位ビットをMi、下位ビットをLiとする2進コードである[00、01、10]を出力する。
【0058】
そしてさらに、前記部分ディジタル値9に対して前記部分D/A変換器13によってD/A変換を行い、この結果に対して前記第2のオフセット付加器14によって第2のオフセット電圧値18として、+0.5LSB分のオフセット電圧値を加え、前記第1の部分アナログ電圧値8と共に前記減算器15に入力し、両者の差電圧値を得た後、これを前記演算増幅器16によって増幅し前記第2の部分アナログ電圧値10であるPiを、出力する。
【0059】
一方、入力される前記ビット数選択信号B1〜Biのうち少なくとも1つが1レベル、つまりパイプラインA/D変換器がiビット精度以下の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記論理和回路(26)より出力されるIiは、1レベルになる。このとき、前記第1のオフセット付加器11、前記部分A/D変換器12、前記部分D/A変換器13、前記第2のオフセット付加器14、前記減算器15、及び前記演算増幅器16は、その動作を停止する。この時、前記部分A/D変換器12は、MiLiで示される前記部分ディジタル値9として[00]を出力することとする。
【0060】
また、前記第4のパイプラインステージ6は、入力される前記ビット数選択信号B1〜B4のうち全てが0レベル、つまり、パイプラインA/D変換器が5ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合と同様、前記論理和回路(26)より出力されるIiは0レベルになる。このとき、該第4のパイプラインステージ6は、通常通り一連のパイプライン動作を行う。即ち、入力される前記第1の部分アナログ電圧値8であるPi−1に対して前記部分A/D変換器12によってA/D変換を行い、前記部分ディジタル値9として2ビット出力に相当し、上位ビットをMi、下位ビットをLiとする2進コードである[00、01、10、11]を出力する。
【0061】
一方、入力される前記ビット数選択信号B1〜B4のうち少なくとも1つが1レベル、つまりパイプラインA/D変換器が4ビット精度以下の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記論理和回路(26)より出力されるIiは1レベルになる。このとき、前記部分A/D変換器12はその動作を停止する。この時、前記部分A/D変換器12は、MiLiで示される前記部分ディジタル値9として[00]を出力することとする。以上が、本発明の実施の形態1であるパイプラインA/D変換器に用いられるパイプラインステージの動作である。
【0062】
図5は、パイプラインA/D変換器に用いられる補正用A/D変換器27の詳細な構成図を示している。補正用A/D変換器27は、入力として各パイプラインステージの部分アナログ電圧値であるP0〜P3を与え、ビット数選択信号B5〜B1に従って前記部分アナログ電圧値であるP0〜P3のうち1つを選択し、電圧比較を行い、この結果、補正用部分ディジタル値28を出力する構成となっている。
【0063】
すなわち、入力として与えられる各パイプラインステージの前記部分アナログ電圧値P0〜P3が、それぞれスイッチSW1〜SW4を介して電圧比較器29の入力電圧端子であるVin端子に接続され、前記電圧比較器29の参照電圧端子であるVref端子はGNDレベルに接続され、前記電圧比較器29の電圧比較結果であるC端子出力はCoutとして示される前記補正用部分ディジタル値28として出力される。
【0064】
前記ビット数選択信号26のうちB1〜B4は、それぞれ前記スイッチSW1〜SW4に接続され、各スイッチのオン状態およびオフ状態を決定する。また、前記ビット数選択信号26のうちB5は、前記電圧比較器29のパワーオフ端子であるPD端子に接続される。以上が、本発明の実施の形態1であるパイプラインA/D変換器に用いられる補正用A/D変換器27の構成である。
【0065】
次に上記補正用A/D変換器27の動作について図23を参照しつつ、詳細に説明する。前記補正用A/D変換器27に入力される前記ビット数選択信号B1〜B5は、うち1つが1レベル、その他は0レベルである。前記ビット数選択信号B5が1レベル、その他の前記ビット数選択信号B1〜B4が0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が5ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合(図23(a)参照)、前記電圧比較器29は停止する。この時、前記電圧比較器29である前記補正用部分ディジタル値Coutは0レベル、もしくは1レベルの任意を出力するとする。
【0066】
次に前記ビット数選択信号B4が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が4ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合(図23(b)参照)、前記スイッチSW4がオン状態、その他の前記スイッチがオフ状態となり、前記電圧比較器29は前記スイッチSW4を介してVin端子に接続される前記部分アナログ電圧値P3と、Vref端子に接続されるGNDレベルとを比較し、その比較結果として1ビット出力に相当する2進コードを前記補正用部分ディジタル値Coutとして出力する。以下同様に、前記ビット数選択信号B3が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまり3ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合(図23(c)参照)、前記スイッチSW3がオン状態、その他の前記スイッチがオフ状態となり、前記電圧比較器29は前記スイッチSW3を介してVin端子に接続される前記部分アナログ電圧値P2と、Vref端子に接続されるGNDレベルとを比較し、前記ビット数選択信号B2が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまり2ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合(図23(d)参照)、前記スイッチSW2がオン状態、その他の前記スイッチがオフ状態となり、前記電圧比較器29は前記スイッチSW2を介してVin端子に接続される前記部分アナログ電圧値P1と、Vref端子に接続されるGNDレベルとを比較し、前記ビット数選択信号B1が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまり1ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合(図23(e)参照)、前記スイッチSW1がオン状態、その他の前記スイッチがオフ状態となり、前記電圧比較器29は前記スイッチSW1を介してVin端子に接続される前記部分アナログ電圧値P0と、Vref端子に接続されるGNDレベルとを比較し、比較結果として1ビット出力に相当する2進コードを前記補正用部分ディジタル値Coutとして出力する。
【0067】
以上が、本実施の形態1であるパイプラインA/D変換器に用いられる補正用A/D変換器27の動作である。
なお、本実施の形態では図5において、スイッチを用いて前記部分アナログ電圧値P0〜P3を選択すると述べたが、電圧値を選択する回路であれば他回路でも構成が可能である。
【0068】
また、本実施の形態では、図5の電圧比較器において、GNDレベルとの比較を行うと述べたが、前記部分アナログ電圧値P0〜P3の基準レベルは任意に設定することができるため、GNDレベルとの比較に限定するものではなく、前記部分アナログ電圧値P0〜P3の基準レベルとの比較を行う構成であればよい。
【0069】
図6は、パイプラインA/D変換器に用いられる補正用符号変換回路23と前記符号化回路7の詳細な構成図を示している。補正用符号変換回路23は、前記第1〜第4のパイプラインステージ3〜6それぞれが出力する前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4と、前記補正用A/D変換器27によって出力される前記補正用部分ディジタル値Coutと、前記ビット数選択信号B1〜B4(26)とが与えられ、前記ビット数選択信号B1〜B4に従って、前記補正用部分ディジタル値Coutを用いて前記部分ディジタル値の上位ビットであるM1〜M4を補正した部分ディジタル値m1〜m4を出力する。スイッチSW11〜SW41の一端は、それぞれスイッチSW12〜SW42の一端に接続されており、接続された側のスイッチの一端はそれぞれ部分ディジタル値m1〜m4として出力され、前記符号化回路7に接続される。
【0070】
前記部分ディジタル値M1〜M4は、それぞれ前記スイッチSW12〜SW42と接続されていない側の前記スイッチSW11〜SW41に接続される。一方、前記部分ディジタル値L1〜L4は、補正用符号変換回路23を介さずに、そのまま前記符号化回路7に接続される。前記補正用部分ディジタル値Coutは前記スイッチSW11〜SW41と接続されていない側のスイッチSW12〜SW42に接続される。前記ビット数選択信号B1〜B4(26)は、それぞれ前記スイッチSW11〜SW41とそれぞれ前記スイッチSW12〜SW42とに接続され、各スイッチのオン状態およびオフ状態を決定する。
【0071】
次に、前記補正用符号変換回路23の動作について説明する。前記補正用符号変換回路23に入力される前記ビット数選択信号B1〜B4(26)は、全てが0レベルもしくは、うち1つが1レベルで、その他は0レベルである。前記ビット数選択信号B1〜B4全てが0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が5ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記スイッチSW11〜SW41がオン状態、前記スイッチSW12〜SW42がオフ状態となり、前記部分ディジタル値M1〜M4はそれぞれ前記スイッチSW11〜SW41を介して出力され、前記部分ディジタル値M1〜M4は補正されずに前記符号化回路7に入力される。
【0072】
また、前記ビット数選択信号B4が1レベル、他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が4ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記スイッチSW11〜SW31、SW42がオン状態、前記スイッチSW12〜SW32、SW41がオフ状態となり、前記部分ディジタル値M1〜M3、および前記補正用部分ディジタル値Coutはそれぞれ前記スイッチSW11〜SW31、SW42を介して出力され、前記部分ディジタル値M4に対して補正が加えられ、前記符号化回路7に入力される。
【0073】
同様に、前記ビット数選択信号B3が1レベル、他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が3ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記スイッチSW11〜SW21、SW32、SW41がオン状態、前記スイッチSW12〜SW22、SW31、SW42がオフ状態となり、前記部分ディジタル値M1〜M2と前記補正用部分ディジタル値Coutと前記部分ディジタル値M4とは、それぞれ前記スイッチSW11〜SW21、SW32、SW41を介して出力され、前記部分ディジタル値M3に対して補正が加えられ、前記符号化回路7に入力される。
【0074】
同様に、前記ビット数選択信号B2が1レベル、他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が2ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記スイッチSW11、SW22、SW31〜SW41がオン状態、前記スイッチSW12、SW21、SW32〜SW42がオフ状態となり、前記部分ディジタル値M1と前記補正用部分ディジタル値Coutと前記部分ディジタル値M3〜M4とは、それぞれ前記スイッチSW11、SW22、SW31〜SW41を介して出力され、前記部分ディジタル値M2に対して補正が加えられ、前記符号化回路7に入力される。
【0075】
さらに、同様に、前記ビット数選択信号B1が1レベル、他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が1ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記スイッチSW12、SW21〜SW41がオン状態、前記スイッチSW11、SW22〜SW42がオフ状態となり、前記補正用部分ディジタル値Coutと前記部分ディジタル値M2〜M4とは、それぞれ前記スイッチSW12、SW21〜SW41を介して出力され、前記部分ディジタル値M1に対して補正が加えられ、前記符号化回路7に入力される。
【0076】
一方、前記部分ディジタル値L1〜L4は、前記ビット数選択信号B1〜B4(26)がいかなる場合においても、そのまま前記符号化回路7に入力される。なお、本実施の形態では、図6において、スイッチを用いて前記部分ディジタル値M1〜M4を選択する構成を例にあげて述べたが、ディジタル値を選択する回路であればスイッチを用いる以外の他の回路でも構成が可能である。
【0077】
以上に述べたように、本実施の形態1に示したパイプラインA/D変換器によれば、システムが要求するディジタル出力信号の分解能が1〜5ビットに変化する場合に、動作が不要なパイプラインステージが行う一連のパイプライン動作を停止させることが可能であり、パイプラインA/D変換器の低消費電力化が可能であると同時に、上記のように出力すべきディジタル値を構成するために必要でない前記部分ディジタル値を出力する前記パイプラインステージに対して、ビット数選択信号26によって一連のパイプライン動作を停止させた場合においても、補正用A/D変換器27によって最下位のビットを確定するための補償ビットCoutが作成され、これが補正用符号変換回路23によって所要のビットに加算されるので、出力すべきディジタル値の分解能を補償することが可能である。
【0078】
なお、本実施の形態1ではディジタル出力信号の分解能が1〜5ビットに変化するパイプラインA/D変換器について例をあげて説明を示したが、ディジタル出力のビット数は任意の設定が可能であることは言うまでもない。
【0079】
また、本実施の形態1では、各パイプラインステージが出力する部分ディジタル値が1.5ビットおよび2ビットの場合のA/D変換器についての説明を示したが、各パイプラインステージが出力する部分ディジタル値のビット数は任意の設定が可能であることは言うまでもない。
【0080】
さらに、本実施の形態1では、補正用A/D変換器の分解能は1ビットである場合のA/D変換器についての説明を示したが、前記補正用A/D変換器が出力する補正用部分ディジタル値のビット数は任意の設定が可能であることは言うまでもない。
【0081】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2であるパイプラインA/D変換器の構成を示すブロック図であり、図1と同一符号は同一、または相当部分を示し、ディジタル出力信号の分解能を2〜5ビットに変化させることが可能なパイプラインA/D変換器の構成を示している。
【0082】
本実施の形態2のパイプラインA/D変換器は、入力としてアナログ入力信号1が与えられディジタル出力信号2を出力する。部分アナログ電圧値P0で示される前記アナログ入力信号1が第1のパイプラインステージ3の入力として接続され、部分アナログ電圧値P1で示される前記第1のパイプラインステージ3の出力が第2のパイプラインステージ4の入力として接続され、部分アナログ電圧値P2で示される前記第2のパイプラインステージ4の出力が第3のパイプラインステージ5の入力として接続され、部分アナログ電圧値P3で示される前記第3のパイプラインステージ5の出力が第4のパイプラインステージ6の入力として接続されている。
【0083】
それぞれのパイプラインステージで得られた部分ディジタル値M1L1〜M4L4は、補正用符号変換回路23aに接続され、前記補正用符号変換回路23aの出力は符号化回路7に接続されている。一方、ビット数制御信号24がビット数制御回路25aに接続され、前記ビット数制御回路25aの出力であるビット数選択信号26が前記第1〜第4のパイプラインステージ3〜6と前記補正用符号変換回路23aに接続されている。また、P0〜P2で示される前記部分アナログ電圧値は、前記第4のパイプラインステージ6に接続されている。
【0084】
次に図24を参照しつつ動作について説明する。まず、パイプラインA/D変換器が5ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作について説明する。5ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力するための前記ビット数制御信号24が前記ビット数制御回路25aに与えられると、前記ビット数制御回路25aより前記第1〜第4のパイプラインステージ3〜6が動作するように前記ビット数選択信号26が出力される。この時、前記アナログ入力信号1が前記第1のパイプラインステージ3に入力されると、前記アナログ入力信号1に応じて、1.5ビット分の情報をもつ2進コードであり、前記ディジタル出力信号2の最上位ビットを構成する部分ディジタル値M1L1および部分アナログ電圧値P1を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23、および前記第2のパイプラインステージ4に入力される。
【0085】
同様に、前記部分アナログ電圧値P1が前記第2のパイプラインステージ4に入力されると、前記部分アナログ電圧値P1に応じて1.5ビット分の情報をもつ2進コードである部分ディジタル値M2L2、および部分アナログ電圧値P2を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23a、および前記第3のパイプラインステージ5に入力され、同様に、前記部分アナログ電圧値P2が前記第3のパイプラインステージ5に入力されると、前記部分アナログ電圧値P2に応じて1.5ビット分の情報をもつ2進コードである部分ディジタル値M3L3、および部分アナログ電圧値P3を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23a、および前記第4のパイプラインステージ6に入力され、前記部分アナログ電圧値P3が前記第4のパイプラインステージ6に入力されると、前記部分アナログ電圧値P3に応じて2ビット分の情報をもつ2進コードであり前記ディジタル出力信号2の最下位ビットを構成する部分ディジタル値M4L4を出力し、これが前記補正用符号変換回路23aに入力される。
【0086】
5ビットの分解能を持つディジタル出力信号を出力する際には、前記第1〜第4のパイプラインステージ3〜6の出力である、前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4に対して補正を必要としないため、前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4をそのまま前記符号化回路7に入力し、前記符号化回路7において符号化することにより、結果として2進コードである5ビットの分解能をもつディジタル出力信号2を出力する(図24(a)参照)。以上が、本パイプラインA/D変換器が5ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作である。
【0087】
次にパイプラインA/D変換器が4ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作について説明する。4ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力するための前記ビット数制御信号24が前記ビット数制御回路25aに与えられると、前記ビット数制御回路25aより前記第1〜第2、第4のパイプラインステージ3〜4、6が動作するように、かつ、前記第3のパイプラインステージ5が停止するように、前記ビット数選択信号26が出力される。停止した前記第3のパイプラインステージ5は、前記部分ディジタル値M3L3として[00]を出力することとする。この時、前記アナログ入力信号1が前記第1のパイプラインステージ3に入力されると、前記アナログ入力信号1に応じて、1.5ビット分の情報をもつ2進コードであり、前記ディジタル出力信号2の最上位ビットを構成する部分ディジタル値M1L1、および部分アナログ電圧値P1を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23a、および前記第2のパイプラインステージ4に入力される。
【0088】
同様に、前記部分アナログ電圧値P1が前記第2のパイプラインステージ4に入力されると、前記部分アナログ電圧値P1に応じて、1.5ビット分の情報をもつ2進コードである、部分ディジタル値M2L2、および部分アナログ電圧値P2を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23a、および前記第4のパイプラインステージ6に入力される。前記部分アナログ電圧値P2が前記第4のパイプラインステージ6に入力されると、前記部分アナログ電圧値P2に応じて2ビット分の情報をもつ2進コードである、部分ディジタル値M4L4を出力し、前記補正用符号変換回路23aに入力される。
【0089】
4ビットの分解能を持つディジタル出力信号を出力する際には、前記第3のパイプラインステージ5の出力である前記部分ディジタル値M3L3に対して、前記部分ディジタル値M4L4を用いて補正を行い、前記部分ディジタル値M4L4を[00]と補正した後、前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4を前記符号化回路7に入力し、前記符号化回路7において符号化することにより、結果として2進コードである4ビットの分解能をもつディジタル出力信号2を出力することができる(図24(b)参照)。以上が、本パイプラインA/D変換器が4ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作である。
【0090】
次にパイプラインA/D変換器が3ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作について説明する。3ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力するための前記ビット数制御信号24が前記ビット数制御回路25aに与えられると、前記ビット数制御回路25aより前記第1、第4のパイプラインステージ3、6が動作するように、また、前記第2〜第3のパイプラインステージ4〜5が停止するように、前記ビット数選択信号26が出力される。停止した前記第2〜第3のパイプラインステージ4〜5は前記部分ディジタル値M2L2〜M3L3として[00]を出力することとする。この時、前記アナログ入力信号1が前記第1のパイプラインステージ3に入力されると、前記アナログ入力信号1に応じて、1.5ビット分の情報をもつ2進コードであり、前記ディジタル出力信号2の最上位ビットを構成する部分ディジタル値M1L1、および部分アナログ電圧値P1を出力し、それぞれ前記補正用符号変換回路23a、および前記第4のパイプラインステージ6に入力される。前記部分アナログ電圧値P1が前記第4のパイプラインステージ6に入力されると、前記部分アナログ電圧値P1に応じて2ビット分の情報をもつ2進コードである部分ディジタル値M4L4を出力し、前記補正用符号変換回路23aに入力される。3ビットの分解能を持つディジタル出力信号を出力する際には、前記第2のパイプラインステージ4の出力である前記部分ディジタル値M2L2に対して、前記部分ディジタル値M4L4を用いて補正を行い、前記部分ディジタル値M4L4を[00]と補正した後、前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4を前記符号化回路7に入力し、前記符号化回路7において符号化することにより、結果として2進コードである3ビットの分解能をもつディジタル出力信号2を出力する(図24(c)参照)。以上が、本パイプラインA/D変換器が3ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作である。
【0091】
次にパイプラインA/D変換器が2ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作について説明する。2ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力するための前記ビット数制御信号24が、前記ビット数制御回路25aに与えられると、前記ビット数制御回路25aより前記第4のパイプラインステージ6が動作するように、また、前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5が停止するように、前記ビット数選択信号26が出力される。停止した前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5は、前記部分ディジタル値M1L1〜M3L3として[00]を出力することとする。この時、前記部分アナログ電圧値P0で示される前記アナログ入力信号1を前記第4のパイプラインステージ6に入力する。前記部分アナログ電圧値P0が前記第4のパイプラインステージ6に入力されると、前記部分アナログ電圧値P0に応じて2ビット分の情報をもつ2進コードである、部分ディジタル値M4L4を出力し、前記補正用符号変換回路23aに入力される。2ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する際には、前記第1のパイプラインステージ3の出力である前記部分ディジタル値M1L1に対して前記部分ディジタル値M4L4を用いて補正を行い、前記部分ディジタル値M4L4を[00]と補正した後、前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4を前記符号化回路7に入力し、前記符号化回路7において符号化することにより、結果として2進コードである2ビットの分解能をもつディジタル出力信号2を出力する(図24(d)参照)。以上が、本パイプラインA/D変換器が2ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作である。
【0092】
図8は本実施の形態2のパイプラインA/D変換器に用いられるビット数制御回路25aの詳細な構成を示している。前記ビット数制御信号A0が、第1の否定論理回路と、第1、第3の否定論理和回路の一入力端子とに接続され、前記ビット数制御信号A1が、第2の否定論理回路と、第1、第2の否定論理和回路の1入力端子とに接続され、第1の否定論理回路の出力が、第2、第4の否定論理和回路の一入力端子に接続され、第2の否定論理回路の出力が、第3、第4の否定論理和回路の一入力端子に接続されている。そして、第1の否定論理和回路の出力がB2で示されるビット選択信号26として出力され、第2の否定論理和回路の出力がB3で示されるビット選択信号26として出力され、第3の否定論理和回路の出力がB4で示されるビット選択信号26として出力され、第4の否定論理和回路の出力がB5で示されるビット選択信号26として出力される。以上が、本実施の形態2のパイプラインA/D変換器に用いられるビット数制御回路の構成である。
【0093】
次に上記ビット数制御回路25aの詳細な動作について説明する。前記ビット数制御信号A1〜A0に[00]が入力されると、前記第1の否定論理和回路の出力のみが1レベルとなり、前記第2〜第4の否定論理和回路の出力が0レベルとなり、前記ビット数選択信号B5〜B2[0001]が出力される。そして、前記ビット数制御信号A1〜A0に[01]が入力されると、前記第2の否定論理和回路の出力のみが1レベルとなり、前記第1および第3〜第4の否定論理和回路の出力が0レベルとなり、前記ビット数選択信号B5〜B2[0010]が出力される。また、前記ビット数制御信号A1〜A0に[10]が入力されると、前記第3の否定論理和回路の出力のみが1レベルとなり、前記第1〜第2および第4の否定論理和回路の出力が0レベルとなり、前記ビット数選択信号B5〜B2[0100]が出力される。そして、前記ビット数制御信号A1〜A0に[11]が入力されると、前記第4の否定論理和回路の出力のみが1レベルとなり、前記第1〜第3の否定論理和回路の出力が0レベルとなり、前記ビット数選択信号B5〜B2[1000]が出力される。
【0094】
前記ビット数選択信号B5が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベルを示すとき、本実施の形態2のパイプラインA/D変換器は5ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働き、同様に、前記ビット数選択信号B4が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベルを示すとき、4ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働き、同様に、前記ビット数選択信号B3が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベルを示すとき、3ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働き、同様に、前記ビット数選択信号B2が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベルを示すとき、2ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働く。
【0095】
なお、上記図8においては、否定論理回路および否定論理和回路を用いてビット数制御回路25aを構成した例をあげて述べたが、他の論理回路を用いても同様の効果が得られることは明らかである。
【0096】
また、図8においては、前記ビット数制御信号A1〜A0の論理状態がそれぞれ[00][01][10][11]のときに、前記ビット数選択信号B5〜B2が[0001][0010][0100][1000]と出力されるとして述べたが、同等の効果が得られるように前記ビット数選択信号B5〜B2が前記ビット数制御信号A1〜A0に対して一意に決まり、前記ビット数選択信号B5〜B2を受ける回路が対応してさえいれば、前記ビット数制御信号A1〜A0の論理状態は任意に選択することが可能であることは言うまでもない。
【0097】
さらに、図8においては、前記ビット数選択信号B5〜B2のうち1つの選択信号のみが1レベル、他の4つの選択信号が0レベルとして出力されると述べたが、同等の効果が得られるように前記ビット数選択信号B5〜B2が前記ビット数制御信号A1〜A0に対して一意に決まり、前記ビット数選択信号B5〜B2を受ける回路が対応してさえいれば、前記ビット数選択信号B5〜B2のうち1つの選択信号のみが0レベル、他の4つの選択信号が1レベルとして出力する、あるいは、前記ビット数選択信号B5〜B2は任意の論理状態を出力するとしても同等の効果を得ることが可能であることは言うまでもない。
【0098】
以下、第i(1〜4)のパイプラインステージについてその構成を詳しく説明する。図9は、本実施の形態2のパイプラインA/D変換器に用いられる第1〜第3のパイプラインステージ3〜5の詳細な構成図を示している。前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5は、その入力としてPi−1として示される第1の部分アナログ電圧値8が与えられ、MiLiとして示される部分ディジタル値9、およびPiとして示される第2の部分アナログ電圧値10を出力する。また、入力としてビット数選択信号B2〜Bi+1が与えられ、これに従って、各パイプラインステージが一連のパイプライン動作を行うか、一連のパイプライン動作が停止させるかが決定される。
【0099】
前記第1の部分アナログ電圧値8が第1のオフセット付加器11の入力として接続され、前記第1のオフセット付加器11の出力が部分A/D変換器12の入力として接続され、前記部分A/D変換器12の出力が部分D/A変換器13の入力として接続され、前記部分D/A変換器13の出力が第2のオフセット付加器14の入力として接続され、前記第2のオフセット付加器14の出力と、前記第1の部分アナログ電圧値8とが減算器15の入力として接続され、前記減算器15の出力が演算増幅器16の入力として接続され、前記演算増幅器16の出力が前記第2の部分アナログ電圧値10となる。
【0100】
前記第1のパイプラインステージ3においては、前記ビット数選択信号B2のみが、前記第3のパイプラインステージ5においては、前記ビット数選択信号B2〜B4が、つまり前記ビット数選択信号B2〜Bi+1が論理和回路に接続され、前記論理和回路の出力であるIiが前記第1のオフセット付加器11と前記部分A/D変換器12と前記部分D/A変換器13と、前記第2のオフセット付加器14と、前記減算器15と、前記演算増幅器16と、に接続される。
【0101】
また、図10はパイプラインA/D変換器に用いられる第4のパイプラインステージ6の詳細な構成図を示している。前記第4のパイプラインステージ6は、その入力として各パイプラインステージの部分アナログ電圧値であるP0〜P3を与え、ビット数選択信号B2〜B5に従って前記部分アナログ電圧値であるP0〜P3のうち1つを選択し、MiLiとして示される部分ディジタル値9を出力する。入力として与えられる各パイプラインステージの前記部分アナログ電圧値であるP0〜P3がそれぞれスイッチSW1〜SW4を介して部分A/D変換器12に接続され、MiLiとして示される部分ディジタル値9を出力する。前記ビット数選択信号B2〜B5は、それぞれ前記スイッチSW1〜SW4に接続され、各スイッチのオン状態およびオフ状態を決定する。このようにして、該第4パイプラインステージ6において処理されるアナログ電圧値が、ビット数選択信号に応じて選択する選択手段Sが構成されている。
【0102】
以下、上記第i(1〜4)のパイプラインステージの動作について詳細に説明する。前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5は、入力される前記ビット数選択信号B2〜Bi+1のうち全てが0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が(i+2)ビット精度以上の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記論理和回路(26)より出力されるIiは0レベルになる。このとき、通常通り一連のパイプライン動作を行う。入力される前記第1の部分アナログ電圧値8であるPi−1に対して、前記第1のオフセット付加器11によって第1のオフセット電圧値17として−0.5LSB分のオフセット電圧値を加え、これに対して前記部分A/D変換器12によってA/D変換を行い、前記部分ディジタル値9として1.5ビット出力に相当し、上位ビットをMi、下位ビットをLiとする2進コードである[00、01、10]を出力する。また、前記部分ディジタル値9に対して前記部分D/A変換器13によってD/A変換を行い、この結果に対して前記第2のオフセット付加器14によって、第2のオフセット電圧値18として+0.5LSB分のオフセット電圧値を加え、前記第1の部分アナログ電圧値8と共に前記減算器15に入力し、両者の差電圧値を得た後、これを前記演算増幅器16によって増幅し前記第2の部分アナログ電圧値10であるPiを得る。
【0103】
また、入力される前記ビット数選択信号B2〜Bi+1のうち少なくとも1つが1レベル、つまりパイプラインA/D変換器が(i+1)ビット精度以下の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記論理和回路(26)より出力されるIiは1レベルになる。このとき、前記第1のオフセット付加器11と前記部分A/D変換器12と、前記部分D/A変換器13と、前記第2のオフセット付加器14と、前記減算器15と、前記演算増幅器16とは、その動作を停止する。この時、前記部分A/D変換器12は、MiLiで示される前記部分ディジタル値9として[00]を出力することとする。
【0104】
また、前記第4のパイプラインステージ6は、前記ビット数選択信号B5が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が5ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記スイッチSW4がオン状態、その他の前記スイッチがオフ状態となり、前記部分A/D変換器12は前記スイッチSW4を介して接続される前記部分アナログ電圧値P3に対してA/D変換を行い、前記部分ディジタル値9として2ビット出力に相当し、上位ビットをMi、下位ビットをLiとする2進コードである[00、01、10、11]を出力する。
【0105】
また、前記ビット数選択信号B4が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が4ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記スイッチSW3がオン状態、その他の前記スイッチがオフ状態となり、前記部分A/D変換器12は前記スイッチSW3を介して接続される前記部分アナログ電圧値P2に対してA/D変換を行い、前記部分ディジタル値9として2ビット出力に相当し、上位ビットをMi、下位ビットをLiとする2進コードである[00、01、10、11]を出力する。
【0106】
また、前記ビット数選択信号B3が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が3ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記スイッチSW2がオン状態、その他の前記スイッチがオフ状態となり、前記部分A/D変換器12は前記スイッチSW2を介して接続される前記部分アナログ電圧値P1に対してA/D変換を行い、前記部分ディジタル値9として2ビット出力に相当し、上位ビットをMi、下位ビットをLiとする2進コードである[00、01、10、11]を出力する。
【0107】
さらに、ビット数選択信号B2が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が2ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記スイッチSW1がオン状態、その他の前記スイッチがオフ状態となり、前記部分A/D変換器12は前記スイッチSW1を介して接続される前記部分アナログ電圧値P0に対してA/D変換を行い、前記部分ディジタル値9として2ビット出力に相当し、上位ビットをMi、下位ビットをLiとする2進コードである[00、01、10、11]を出力する。
【0108】
図11は、本実施の形態2のパイプラインA/D変換器に用いられる補正用符号変換回路23aと、前記符号化回路7の詳細な構成図を示している。補正用符号変換回路23aは前記パイプラインステージ3〜6それぞれが出力する前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4と、前記ビット数選択信号B2〜B5が与えられ、前記ビット数選択信号B2〜B5に従って、前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4を補正した部分ディジタル値m1l1〜m4l4を出力する。スイッチSW111〜SW411の一端はそれぞれスイッチSW112〜SW412の一端に接続されており、接続された側のスイッチの一端はそれぞれ部分ディジタル値m1〜m4として出力され、スイッチSW121〜SW421の一端はそれぞれスイッチSW122〜SW422の一端に接続されており、接続された側のスイッチの一端はそれぞれ部分ディジタル値l1〜l4として出力され、前記符号化回路7に接続される。
【0109】
前記部分ディジタル値M1〜M3は、それぞれ前記スイッチSW112〜SW312と接続されていない側の前記スイッチSW111〜SW311に接続される。前記部分ディジタル値M4は前記スイッチSW412と接続されていない側の前記スイッチSW411と、前記スイッチSW111〜SW311と接続されていない側の前記スイッチSW112〜SW312とに接続される。一方、前記部分ディジタル値L1〜L3はそれぞれ前記スイッチSW122〜SW322と接続されていない側の前記スイッチSW121〜SW321に接続される。前記部分ディジタル値L4は前記スイッチSW422と接続されていない側の前記スイッチSW421と、前記スイッチSW121〜SW321と接続されていない側の前記スイッチSW122〜SW322とに接続される。
【0110】
また、前記スイッチSW411、SW421と接続されていない側の前記スイッチSW412〜SW422とにGNDレベルが接続される。前記ビット数選択信号B2〜B5はそれぞれ前記スイッチSW111〜SW411と、前記スイッチSW112〜SW412と、前記スイッチSW121〜SW421と、前記スイッチSW122〜SW422とに接続され、各スイッチのオン状態およびオフ状態を決定する。
【0111】
次に、上記パイプラインA/D変換器に用いられる補正用符号変換回路23の詳細な動作について説明する。前記補正用符号変換回路23aに入力される前記ビット数選択信号B2〜B5は、うち1つが1レベル、その他は0レベルである。前記ビット数選択信号B5が1レベル、他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまり、パイプラインA/D変換器が5ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記スイッチSW111〜SW411、SW121〜SW421がオン状態、前記スイッチSW112〜SW412、SW122〜SW422がオフ状態となり、前記部分ディジタル値M1〜M4は、それぞれ前記スイッチSW111〜SW411を介して出力され、補正されずにそれぞれ前記部分ディジタル値m1〜m4となり、前記部分ディジタル値L1〜L4はそれぞれ前記スイッチSW121〜SW421を介して出力され、補正されずにそれぞれ前記部分ディジタル値l1〜l4となり、前記符号化回路7に入力される。
【0112】
同様に、前記ビット数選択信号B4が1レベル、他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が4ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記スイッチSW111〜SW211、SW312〜SW412、SW121〜SW221、SW322〜SW422がオン状態、前記スイッチSW112〜SW212、SW311〜SW411、SW122〜SW222、SW321〜SW421がオフ状態となり、前記部分ディジタル値M1〜M2、M4はそれぞれ前記スイッチSW111〜SW211、SW312を介して出力され、0レベルが前記スイッチSW412を介して出力され、前記部分ディジタル値M1〜M2は補正されず、前記部分ディジタル値M3は前記部分ディジタル値M4によって補正され、前記部分ディジタル値M4は0レベルに補正され、それぞれ前記部分ディジタル値m1〜m4となり、前記符号化回路7に入力される。前記部分ディジタル値L1〜L2、L4はそれぞれ前記スイッチSW121〜SW221、SW322を介して出力され、0レベルが前記スイッチSW422を介して出力され、前記部分ディジタル値L1〜L2は補正されず、前記部分ディジタル値L3は前記部分ディジタル値L4によって補正され、前記部分ディジタル値L4は0レベルに補正され、それぞれ前記部分ディジタル値l1〜l4となり、前記符号化回路7に入力される。
【0113】
また、前記ビット数選択信号B3が1レベル、他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が3ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記スイッチSW111、SW212、SW311、SW412、SW121、SW222、SW321、SW422がオン状態、前記スイッチSW112、SW211、SW312、SW411、SW122、SW221、SW322、SW421がオフ状態となり、前記部分ディジタル値M1、M4、M3は、それぞれ前記スイッチSW111、SW212、SW311を介して出力され、0レベルが前記スイッチSW412を介して出力され、前記部分ディジタル値M1、M3は補正されず、前記部分ディジタル値M2は前記部分ディジタル値M4によって補正され、前記部分ディジタル値M4は0レベルに補正され、それぞれ前記部分ディジタル値m1〜m4となり、前記符号化回路7に入力される。前記部分ディジタル値L1、L4、L3はそれぞれ前記スイッチSW121、SW222、SW321を介して出力され、0レベルが前記スイッチSW422を介して出力され、前記部分ディジタル値L1、L3は補正されず、前記部分ディジタル値L2は前記部分ディジタル値L4によって補正され、前記部分ディジタル値L4は0レベルに補正され、それぞれ前記部分ディジタル値l1〜l4となり、前記符号化回路7に入力される。
【0114】
また、前記ビット数選択信号B2が1レベル、他の前記ビット数選択信号が0レベル、つまり、パイプラインA/D変換器が2ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記スイッチSW112、SW211〜SW311、SW412、SW122、SW221〜SW321、SW422がオン状態、前記スイッチSW111、SW212〜SW312、SW411、SW121、SW222〜SW322、SW421がオフ状態となり、前記部分ディジタル値M4、M2〜M3はそれぞれ前記スイッチSW112、SW211〜SW311を介して出力され、0レベルが前記スイッチSW412を介して出力され、前記部分ディジタル値M2〜M3は補正されず、前記部分ディジタル値M1は前記部分ディジタル値M4によって補正され、前記部分ディジタル値M4は0レベルに補正され、それぞれ前記部分ディジタル値m1〜m4となり、前記符号化回路7に入力される。前記部分ディジタル値L4、L2〜L3は、それぞれ前記スイッチSW122、SW221〜SW321を介して出力され、0レベルが前記スイッチSW422を介して出力され、前記部分ディジタル値L2〜L3は補正されず、前記部分ディジタル値L1は前記部分ディジタル値L4によって補正され、前記部分ディジタル値L4は0レベルに補正され、それぞれ前記部分ディジタル値l1〜l4となり、前記符号化回路7に入力される。
【0115】
なお、図11においては、スイッチを用いて前記部分ディジタル値M1L1〜M4L4を選択する構成を例にあげて述べたが、ディジタル値を選択する回路であれば他回路でも構成が可能である。
【0116】
以上に述べたように、本実施の形態2のパイプラインA/D変換器によれば、システムが要求するディジタル出力信号の分解能が2〜5ビットに変化する場合に、動作が不要なパイプラインステージが行う一連のパイプライン動作を停止させることが可能であり、パイプラインA/D変換器の低消費電力化が可能であると同時に、出力すべきディジタル値を構成するために必要でない前記部分ディジタル値を出力する前記パイプラインステージに対して一連のパイプライン動作を停止させても、出力すべきディジタル値の分解能を補償することが可能である。
【0117】
なお、本実施の形態2では、ディジタル出力信号の分解能が2〜5ビットに変化するパイプラインA/D変換器についての説明を示したが、ディジタル出力のビット数2以上の任意の設定が可能であることは言うまでもない。
【0118】
なお、本実施の形態2では各パイプラインステージが出力する部分ディジタル値が1.5ビットおよび2ビットの場合のA/D変換器についての説明を示したが、各パイプラインステージが出力する部分ディジタル値のビット数は任意の設定が可能であることは言うまでもない。
【0119】
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3であるパイプラインA/D変換器の構成図であり、ディジタル出力信号の分解能を1〜3ビットまたは、5ビットに変化させることが可能なパイプラインA/D変換器の構成を示している。本実施の形態3のパイプラインA/D変換器は、その入力としてアナログ入力信号1が与えられディジタル出力信号2を出力する。部分アナログ電圧値P0で示される前記アナログ入力信号1が第1のパイプラインステージ3の入力として接続され、部分アナログ電圧値P1で示される前記第1のパイプラインステージ3の出力が第2のパイプラインステージ4の入力として接続され、部分アナログ電圧値P2で示される前記第2のパイプラインステージ4の出力が第3のパイプラインステージ5の入力として接続され、部分アナログ電圧値P3で示される前記第3のパイプラインステージ5の出力が第4のパイプラインステージ6の入力として接続されている。それぞれのパイプラインステージで得られた部分ディジタル値M1L1〜M4L4は符号化回路7に接続されている。一方、ビット数制御信号24がビット数制御回路25bに接続され、前記ビット数制御回路25bの出力であるビット数選択信号26が前記パイプラインステージ3〜6に接続されている。
【0120】
次に本実施の形態3のパイプラインA/D変換器の動作について説明する。まず、パイプラインA/D変換器が5ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作について説明する。5ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力するための前記ビット数制御信号24が、前記ビット数制御回路25bに与えられると、前記ビット数制御回路25bより前記第1〜第4のパイプラインステージ3〜6が動作するように前記ビット数選択信号26が出力される。この時、前記アナログ入力信号1が前記第1のパイプラインステージ3に入力されると、前記アナログ入力信号1に応じて、1.5ビット分の情報をもつ2進コードであり、前記ディジタル出力信号2の最上位ビットを構成する部分ディジタル値M1L1、および部分アナログ電圧値P1を出力し、それぞれ前記符号化回路7、および前記第2のパイプラインステージ4に入力される。同様に、前記部分アナログ電圧値P1が前記第2のパイプラインステージ4に入力されると、前記部分アナログ電圧値P1に応じて1.5ビット分の情報をもつ2進コードである、部分ディジタル値M2L2、および部分アナログ電圧値P2を出力し、それぞれ前記符号化回路7および前記第3のパイプラインステージ5に入力され、同様に、前記部分アナログ電圧値P2が前記第3のパイプラインステージ5に入力されると、前記部分アナログ電圧値P2に応じて1.5ビット分の情報をもつ2進コードである、部分ディジタル値M3L3、および部分アナログ電圧値P3を出力し、それぞれ前記符号化回路7、および前記第4のパイプラインステージ6に入力され、前記部分アナログ電圧値P3が前記第4のパイプラインステージ6に入力されると、前記部分アナログ電圧値P3に応じて2ビット分の情報をもつ2進コードであり、前記ディジタル出力信号2の最下位ビットを構成する部分ディジタル値M4L4を出力し、これが前記符号化回路7に入力される。前記符号化回路7において符号化することにより、結果として2進コードである5ビットの分解能をもつディジタル出力信号2を出力する。
【0121】
次にパイプラインA/D変換器が3ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作について説明する。3ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力するための前記ビット数制御信号24が前記ビット数制御回路25bに与えられると、前記ビット数制御回路25bより前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5が動作するように、また、前記第4のパイプラインステージ6が停止するように前記ビット数選択信号26が出力される。停止した前記第4のパイプラインステージ6は前記部分ディジタル値M4L4として[00]を出力することとする。この時、前記アナログ入力信号1が前記第1のパイプラインステージ3に入力されると、前記アナログ入力信号1に応じて、1.5ビット分の情報をもつ2進コードであり、前記ディジタル出力信号2の最上位ビットを構成する部分ディジタル値M1L1および部分アナログ電圧値P1を出力し、それぞれ前記符号化回路7、および前記第2のパイプラインステージ4に入力される。
【0122】
前記部分アナログ電圧値P1が前記第2のパイプラインステージ4に入力されると、前記部分アナログ電圧値P1に応じて、1.5ビット分の情報をもつ2進コードである、部分ディジタル値M2L2および部分アナログ電圧値P2を出力し、それぞれ前記符号化回路7、および前記第3のパイプラインステージ5に入力される。前記部分アナログ電圧値P2が前記第3のパイプラインステージ5に入力されると、前記部分アナログ電圧値P2に応じて、1ビット分の情報をもつ2進コードである、部分ディジタル値M3を、また部分ディジタル値L3として0レベルを出力し、前記符号化回路7に入力する。前記第4のパイプラインステージ6は部分ディジタル値M4L4として[00]を出力し、前記符号化回路7に入力する。前記符号化回路7においてM1L1〜M4L4を、実際には、M1L1〜M3L3を符号化することにより、結果として2進コードである3ビットの分解能をもつディジタル出力信号2を出力する。
【0123】
次にパイプラインA/D変換器が2ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作について説明する。2ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力するための前記ビット数制御信号24が前記ビット数制御回路25bに与えられると、前記ビット数制御回路25bより、前記パイプラインステージ3、4が動作するように、また、前記パイプラインステージ5、6が停止するように前記ビット数選択信号26が出力される。停止した前記パイプラインステージ5、6は前記部分ディジタル値M3L3、M4L4として[00]を出力することとする。この時、前記アナログ入力信号1が前記第1のパイプラインステージ3に入力されると、前記アナログ入力信号1に応じて、1.5ビット分の情報をもつ2進コードであり、前記ディジタル出力信号2の最上位ビットを構成する部分ディジタル値M1L1、および部分アナログ電圧値P1を出力し、それぞれ前記符号化回路7、および前記第2のパイプラインステージ4に入力される。
【0124】
前記部分アナログ電圧値P1が前記第2のパイプラインステージ4に入力されると、前記部分アナログ電圧値P1に応じて、1ビット分の情報をもつ2進コードである、部分ディジタル値M2を、また部分ディジタル値L2として0レベルを出力し、前記符号化回路7に入力する。前記第4のパイプラインステージ5〜6は部分ディジタル値M3L3、M4L4として[00]を出力し、前記符号化回路7に入力する。前記符号化回路7においてM1L1〜M4L4を、実際には、M1L1〜M2L2を符号化することにより、結果として2進コードである2ビットの分解能をもつディジタル出力信号2を出力する。
【0125】
次にパイプラインA/D変換器が1ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力する場合の動作について説明する。1ビットの分解能をもつディジタル出力信号を出力するための前記ビット数制御信号24が前記ビット数制御回路25bに与えられると、前記ビット数制御回路25bより前記パイプラインステージ3が動作するように、また、前記パイプラインステージ4〜6が停止するように前記ビット数選択信号26が出力される。停止した前記パイプラインステージ4〜6は、前記部分ディジタル値M2L2〜M4L4として[00]を出力することとする。この時、前記アナログ入力信号1が前記第1のパイプラインステージ3に入力されると、前記アナログ入力信号1に応じて、1ビット分の情報をもつ2進コードである部分ディジタル値M1を、また部分ディジタル値L1として0レベルを出力し、前記符号化回路7に入力する。前記第4のパイプラインステージ4〜6は部分ディジタル値M2L2〜M4L4として[00]を出力し、前記符号化回路7に入力する。前記符号化回路7においてM1L1〜M4L4を、実際には、M1L1を符号化することにより、結果として2進コードである1ビットの分解能をもつディジタル出力信号2を出力する。
【0126】
図13は上記パイプラインA/D変換器に用いられるビット数制御回路25bの構成を示している。前記ビット数制御信号A0が、第1の否定論理回路と、第1、第3の否定論理和回路の1入力端子とに接続され、前記ビット数制御信号A1が、第2の否定論理回路と、第1、第2の否定論理和回路の一入力端子とに接続され、第1の否定論理回路の出力が、第2の否定論理和回路の一入力端子に接続され、第2の否定論理回路の出力が、第3の否定論理和回路の一入力端子に接続され、第1の否定論理和回路の出力がB1で示されるビット選択信号26として出力され、第2の否定論理和回路の出力がB2で示されるビット選択信号26として出力され、第3の否定論理和回路の出力がB3で示されるビット選択信号26として出力される。
【0127】
次に、上記パイプラインA/D変換器に用いられるビット数制御回路25bの詳細な動作について説明する。前記ビット数制御信号A1〜A0に[00]が入力されると、前記第1の否定論理和回路の出力のみが1レベルとなり、また、前記第2〜第3の否定論理和回路の出力が0レベルとなり、前記ビット数選択信号B3〜B1[001]が出力される。前記ビット数制御信号A1〜A0に[01]が入力されると、前記第2の否定論理和回路の出力のみが1レベルとなり、また、前記第1および第3の否定論理和回路の出力が0レベルとなり、前記ビット数選択信号B3〜B1[010]が出力される。前記ビット数制御信号A1〜A0に[10]が入力されると、前記第3の否定論理和回路の出力のみが1レベルとなり、また、前記第1〜第2の否定論理和回路の出力が0レベルとなり、前記ビット数選択信号B3〜B1[100]が出力される。前記ビット数制御信号A1〜A0に[11]が入力されると、前記第1〜第3の否定論理和回路の出力が0レベルとなり、前記ビット数選択信号B3〜B1[000]が出力される。
【0128】
前記ビット数選択信号B3〜B1すべてが0レベルを示すとき、パイプラインA/D変換器は5ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働き、同様に、前記ビット数選択信号B3が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベルを示すとき、3ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働き、同様に、前記ビット数選択信号B2が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベルを示すとき、2ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働き、同様に、前記ビット数選択信号B1が1レベル、その他の前記ビット数選択信号が0レベルを示すとき、1ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働く。
【0129】
なお、図13においては、否定論理回路および否定論理和回路を用いてビット数制御回路25bを構成した例をあげて述べたが、他の論理回路を用いても同様の効果が得られることは明らかである。
【0130】
また、図13においては、前記ビット数制御信号A1〜A0の論理状態がそれぞれ[00][01][10][11]のときに、前記ビット数選択信号B3〜B1が[001][010][100][000]と出力されるものとして述べたが、同等の効果が得られるように前記ビット数選択信号B3〜B1が前記ビット数制御信号A1〜A0に対して一意に決まり、前記ビット数選択信号B3〜B1を受ける回路が対応してさえいれば、前記ビット数制御信号A1〜A0の論理状態は任意に選択することが可能であることは言うまでもない。
【0131】
さらに、図13においては、前記ビット数選択信号B3〜B1のうち1つの選択信号のみが1レベル、他の2つの選択信号が0レベルとして出力されると述べたが、同等の効果が得られるように、前記ビット数選択信号B3〜B1が前記ビット数制御信号A1〜A0に対して一意に決まり、前記ビット数選択信号B3〜B1を受ける回路が対応してさえいれば、前記ビット数選択信号B3〜B1のうち1つの選択信号のみが0レベル、他の2つの選択信号が1レベルとして出力する、あるいは、前記ビット数選択信号B3〜B1は任意の論理状態を出力するとしても同等の効果を得ることが可能であることは言うまでもない。
【0132】
以下、第i(1〜4)のパイプラインステージについてその構成を説明する。図14は本実施の形態3であるパイプラインA/D変換器に用いられる第1〜第3のパイプラインステージ3〜5の構成図を示している。前記第1〜第3のパイプラインステージ3〜5は入力としてPi−1として示される第1の部分アナログ電圧値8が与えられ、MiLiとして示される部分ディジタル値9、およびPiとして示される第2の部分アナログ電圧値10を出力する。また、入力としてビット数選択信号(26)B1〜Biが与えられ、これに従って一連のパイプライン動作を行うか一連のパイプライン動作を停止させるか、または第1のオフセット電圧値を加えるか加えないかを決定する。前記第1の部分アナログ電圧値8が第1のオフセット付加器11の入力として接続され、前記第1のオフセット付加器11の出力が部分A/D変換器12の入力として接続され、前記部分A/D変換器12の出力が部分D/A変換器13の入力として接続され、前記部分D/A変換器13の出力が第2のオフセット付加器14の入力として接続され、前記第2のオフセット付加器14の出力と、前記第1の部分アナログ電圧値8とが減算器15の入力として接続され、前記減算器15の出力が演算増幅器16の入力として接続され、前記演算増幅器16の出力が前記第2の部分アナログ電圧値10となる。また、第1のオフセット付加器11には、ビット選択信号Biが入力され、これにより、該ビット選択信号Biに応じてオフセット付加を行うか否かを制御するオフセット制御手段OFCが構成されている。
【0133】
前記第2のパイプラインステージにおいては、前記ビット数選択信号B1のみが、また、前記第3のパイプラインステージにおいては、前記ビット数選択信号B1〜B2が、つまり前記ビット数選択信号B1〜Bi−1が論理和回路(26)に接続され、前記論理和回路(26)の出力であるIiが前記第1のオフセット付加器11と、前記部分A/D変換器12と、前記部分D/A変換器13と、前記第2のオフセット付加器14と、前記減算器15と、前記演算増幅器16と、に接続され、前記論理和回路の出力であるIiによって動作するか動作しないかが決定される。
【0134】
なお、前記第1のパイプステージは常に動作するため、前記論理和回路は必要としない。前記ビット数選択信号Biは前記第1のオフセット付加器11に接続されている。
【0135】
また、図15は本実施の形態3のパイプラインA/D変換器に用いられる第4のパイプラインステージ6の構成図を示している。前記第4のパイプラインステージ6は、その入力としてPi−1として示される第1の部分アナログ電圧値8、および前記ビット数選択信号(26)B1〜B3が与えられ、MiLiとして示される部分ディジタル値9を出力する。前記第1の部分アナログ電圧値8が部分A/D変換器12の入力として接続されている。
【0136】
以下、上記パイプラインA/D変換器に用いられる第i(1〜4)のパイプラインステージについて、図25を参照しつつ、その動作を説明する。前記第1のパイプラインステージ3は、前記ビット数選択信号B1が0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が2ビット精度以上の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、通常通り一連のパイプライン動作を行い、前記第2〜第3のパイプラインステージ4〜5は、入力される前記ビット数選択信号B1〜Biのうち全てが0レベル、つまりパイプラインA/D変換器がi+1ビット精度以上の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記論理和回路(26)より出力されるIiは0レベルになる。このとき、通常通り一連のパイプライン動作を行う。入力される前記第1の部分アナログ電圧値8であるPi−1に対して、前記第1のオフセット付加器11によって第1のオフセット電圧値17として−0.5LSB分のオフセット電圧値を加え、これに対して前記部分A/D変換器12によってA/D変換を行い、前記部分ディジタル値9として1.5ビット出力に相当し、上位ビットをMi、下位ビットをLiとする2進コードである[00、01、10]を出力する。
【0137】
また、前記部分ディジタル値9に対して前記部分D/A変換器13によってD/A変換を行い、この結果に対して前記第2のオフセット付加器14によって第2のオフセット電圧値18として+0.5LSB分のオフセット電圧値を加え、前記第1の部分アナログ電圧値8と共に前記減算器15に入力し、両者の差電圧値を得た後、これを前記演算増幅器16によって増幅し前記第2の部分アナログ電圧値10であるPiを得る。
【0138】
一方、入力される前記ビット数選択信号B1〜Bi−1のうち少なくとも1つが1レベル、つまりパイプラインA/D変換器がi―1ビット精度以下の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記論理和回路より出力されるIiは1レベルになる。このとき、前記第1のオフセット付加器11と、前記部分A/D変換器12と、前記部分D/A変換器13と、前記第2のオフセット付加器14と、前記減算器15と、前記演算増幅器16とは、その動作を停止する。この時、前記部分A/D変換器12は、MiLiで示される前記部分ディジタル値9として[00]を出力することとする。一方、入力される前記ビット数選択信号Biが1レベルの時、つまりパイプラインA/D変換器がiビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、該ビット数選択信号Biが前記第1のオフセット付加器11に入力されて、そのオフセット付加動作を停止する。
【0139】
これにより、前記第1の部分アナログ電圧値Pi−1に対する出力である前記部分ディジタル値MiLi、および前記第2の部分アナログ電圧値Piの関係は、図20に示される入出力関係に対して、図16で示されるような入出力関係に変化する。つまり、前記第1の部分アナログ電圧値Pi−1がGNDレベルより低い場合には、前記部分ディジタル値Miとして0レベルを、前記第1の部分アナログ電圧値Pi−1がGNDレベルより高い場合には、前記部分ディジタル値Miとして1レベルを出力する。このとき、前記部分ディジタル値Liは0レベルを出力することとすると、第iのパイプラインステージの出力である前記部分ディジタル値Miは、i+1番目以降に接続されたパイプラインステージが出力する前記部分ディジタル値Mi+1Li+1〜M4L4とのオーバーラップを持たなくなるため、第iのパイプラインステージのみで、iビット精度の出力を決定することが可能となる。
【0140】
一方、前記第4のパイプラインステージ6は、入力される前記ビット数選択信号B1〜B3のうち全てが0レベル、つまりパイプラインA/D変換器が5ビット精度の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記論理和回路(26)より出力されるIiは0レベルになる。このとき、通常通り一連のパイプライン動作を行う。前記部分アナログ電圧値Pi−1に対してA/D変換器を行い前記部分ディジタル値9として2ビット出力に相当し、上位ビットをMi、下位ビットをLiとする2進コードである[00、01、10、11]を出力する。また、前記ビット数選択信号B1〜B3のうち少なくとも1つが1レベル、つまり、パイプラインA/D変換器が3ビット精度以下の分解能をもつA/D変換器として働いている場合、前記論理和回路(26)より出力されるIiは1レベルになる。このとき、前記部分A/D変換器12はその動作を停止する。この時、前記部分A/D変換器12は、MiLiで示される前記部分ディジタル値9として[00]を出力することとする。
【0141】
以上に述べたように、本実施の形態3に示したパイプラインA/D変換器によれば、システムが要求するディジタル出力信号の分解能が1〜3ビット、もしくは5ビットに変化する場合に、動作が不要なパイプラインステージが行う一連のパイプライン動作を停止させることが可能であり、パイプラインA/D変換器の低消費電力化が可能であると同時に、出力すべきディジタル値を構成するために必要でない前記部分ディジタル値を出力する前記パイプラインステージに対して一連のパイプライン動作を停止させても、出力すべきディジタル値の精度を補償することが可能である。
【0142】
なお、本実施の形態3ではディジタル出力信号の分解能が1〜3ビットもしくは5ビットに変化するパイプラインA/D変換器についての説明を示したが、ディジタル出力のビット数はパイプラインステージの数を変更することで1〜n−2,nビットと任意の設定が可能であることは言うまでもない。
【0143】
また、本実施の形態3では各パイプラインステージが出力する部分ディジタル値が1.5ビットおよび2ビットの場合のA/D変換器についての説明を示したが、各パイプラインステージが出力する部分ディジタル値のビット数は任意の設定が可能であることは言うまでもない。
【0145】
【発明の効果】
以上のように、本発明(請求項1)にかかるA/D変換器によれば、それぞれ、入力されるアナログ電圧に対してパイプライン動作を行って部分ディジタル値を出力する複数のパイプラインステージを、直列に接続してなるパイプラインステージ列と、分解能を指示するビット数制御信号に従い、上記各パイプラインステージに対して、動作をさせるか停止させるかを示すビット数選択信号を出力するビット数制御回路と、前記ビット数制御信号に従って、出力すべきディジタル値の補償をする補正回路と、を備え、前記補正回路は、前記すべてのパイプラインステージの入力を入力とし、該入力のうちから上記ビット数選択信号に応じて選択した入力と、比較参照電圧値とを比較してその電圧比較結果を1以上の2進コードからなる補正用部分ディジタル値として出力する補正用A/D変換器と、前記パイプラインステージ列のすべてのパイプラインステージが出力する前記部分ディジタル値と、前記補正用A/D変換器が出力する前記補正用部分ディジタル値とを入力とし、上記ビット数選択信号に応じて、1以上の2進コードを出力する補正用符号変換回路と、から構成されているものとしたので、システムが要求するディジタル出力信号の分解能が1〜Nビットに変化する場合に、動作が不要なパイプラインステージが行う一連のパイプライン動作を、データ出力破綻を生じることなく、停止させることができるという効果が得られる。
【0146】
また、本発明(請求項2)にかかるA/D変換器によれば、それぞれ、入力されるアナログ電圧に対してパイプライン動作を行って部分ディジタル値を出力する複数のパイプラインステージを、直列に接続してなるパイプラインステージ列と、分解能を指示するビット数制御信号に従い、上記各パイプラインステージに対して、動作をさせるか停止させるかを示すビット数選択信号を出力するビット数制御回路と、前記ビット数制御信号に従って、出力すべきディジタル値の補償をする補正回路と、を備え、前記補正回路は、最終段パイプラインステージにおいて処理されるアナログ電圧値を、前記複数のパイプラインステージのうちの最終段を除くパイプラインステージが出力するアナログ電圧値のうちから、上記ビット数選択信号に応じて選択する選択手段と、前記最終段パイプラインステージが出力する部分ディジタル値と、前記パイプラインステージ列の前記最終段以外の各パイプラインステージが出力する前記部分ディジタル値とを入力とし、上記ビット数選択信号に応じて、補正された2進コードを出力する補正用符号変換回路と、から構成されているものとしたので、システムが要求するディジタル出力信号の分解能が2〜Nビットに変化する場合に、動作が不要なパイプラインステージが行う一連のパイプライン動作を、データ出力破綻を生じることなく、停止させることができるという効果が得られる。
【0147】
また、本発明(請求項3)にかかるA/D変換器の制御方法によれば、それぞれ、入力されるアナログ電圧に対してパイプライン動作を行って部分ディジタル値を出力する複数のパイプラインステージを、直列に接続してなるパイプラインステージ列と、分解能を指示するビット数制御信号に従い、上記各パイプラインステージに対して、動作をさせるか停止させるかを示すビット数選択信号を出力するビット数制御回路と、前記ビット数制御信号に従って、出力すべきディジタル値の補償をする補正回路と、を備えたA/D変換器において、前記出力すべきディジタル値の補償をする制御方法であって、前記補正回路が、前記すべてのパイプラインステージの入力を入力とし、該入力のうちから上記ビット数選択信号に応じて選択した入力と、比較参照電圧値とを比較してその電圧比較結果を1以上の2進コードからなる補正用部分ディジタル値とする補正用A/D変換ステップと、前記補正回路が、前記パイプラインステージ列のすべてのパイプラインステージが出力する前記部分ディジタル値と、前記補正用部分ディジタル値とを入力とし、上記ビット数選択信号に応じて、1以上の2進コードを出力する補正用符号変換ステップと、を含むものとしたので、システムが要求するディジタル出力信号の分解能が1〜Nビットに変化する場合に、動作が不要なパイプラインステージが行う一連のパイプライン動作を、データ出力破綻を生じることなく、停止させることができるという効果が得られる。
また、本発明(請求項4)にかかるA/D変換器の制御方法によれば、それぞれ、入力されるアナログ電圧に対してパイプライン動作を行って部分ディジタル値を出力する複数のパイプラインステージを、直列に接続してなるパイプラインステージ列と、分解能を指示するビット数制御信号に従い、上記各パイプラインステージに対して、動作をさせるか停止させるかを示すビット数選択信号を出力するビット数制御回路と、前記ビット数制御信号に従って、出力すべきディジタル値の補償をする補正回路と、を備えたA/D変換器において、前記出力すべきディジタル値の補償をする制御方法であって、前記補正回路が、最終段パイプラインステージにおいて処理されるアナログ電圧値を、前記複数のパイプラインステージのうちの最終段を除くパイプラインステージが出力するアナログ電圧値のうちから、上記ビット数選択信号に応じて選択する選択ステップと、前記補正回路が、前記最終段パイプラインステージが出力する部分ディジタル値と、前記パイプラインステージ列の前記最終段以外の各パイプラインステージが出力する前記部分ディジタル値とを入力とし、上記ビット数選択信号に応じて、補正された2進コードを出力する補正用符号変換ステップと、を含むものとしたので、システムが要求するディジタル出力信号の分解能が2〜Nビットに変化する場合に、動作が不要なパイプラインステージが行う一連のパイプライン動作を、データ出力破綻を生じることなく、停止させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるパイプラインA/D変換器の構成を示す図。
【図2】上記パイプラインA/D変換器を構成するビット数制御回路の構成図。
【図3】上記第1〜第3のパイプラインA/D変換器を構成するパイプラインステージの構成図。
【図4】上記パイプラインA/D変換器を構成する第4のパイプラインステージの構成図。
【図5】上記パイプラインA/D変換器を構成する補正用A/D変換器の構成図。
【図6】上記パイプラインA/D変換器を構成する補正用符号変換回路の構成図。
【図7】本発明の実施の形態2にかかるパイプラインA/D変換器の構成を示す図。
【図8】上記実施の形態2にかかるパイプラインA/D変換器を構成するビット数制御回路の構成図。
【図9】上記実施の形態2にかかるパイプラインA/D変換器を構成する第1〜第3のパイプラインステージの構成図。
【図10】上記実施の形態2にかかるパイプラインA/D変換器を構成する第4のパイプラインステージの構成図。
【図11】上記実施の形態2にかかるパイプラインA/D変換器を構成する補正用符号変換回路の構成図。
【図12】本発明の実施の形態3にかかるパイプラインA/D変換器の構成を示す図。
【図13】上記実施の形態3にかかるパイプラインA/D変換器を構成するビット数制御回路の構成図。
【図14】上記実施の形態3にかかるパイプラインA/D変換器を構成する第1〜第3のパイプラインステージの構成図。
【図15】上記実施の形態3にかかるパイプラインA/D変換器を構成する第4のパイプラインステージの構成図
【図16】上記実施の形態3にかかるパイプラインA/D変換器を構成する第1〜第3のパイプラインステージの入出力関係図
【図17】従来のパイプラインA/D変換器の構成を示す図。
【図18】従来のパイプラインA/D変換器を構成する第1〜第3のパイプラインステージの構成図。
【図19】従来のパイプラインA/D変換器を構成する第4のパイプラインステージの構成図。
【図20】従来のパイプラインA/D変換器による第1〜第3のパイプラインステージの入出力関係を示す図。
【図21】従来のパイプラインA/D変換器を構成する第4のパイプラインステージの入出力関係を示す図。
【図22】従来のパイプラインA/D変換器を構成する符号化回路の構成図。
【図23】本発明の実施の形態1にかかるA/D変換器を構成する補正用A/D変換器の動作を説明するための、パイプラインステージ出力と補正用ディジタル値との関係を示す図。
【図24】本発明の実施の形態2にかかるA/D変換器を構成する補正用A/D変換器の動作を説明するための、パイプラインステージ出力と補正用ディジタル値との関係を示す図。
【図25】本発明の実施の形態3にかかるA/D変換器の第1ないし第3のパイプラインステージ入出力関係を示す図。
【図26】従来のA/D変換器のパイプラインステージ出力による符号化を説明するための図。
【符号の説明】
1 アナログ入力信号
2 ディジタル出力信号
3 第1のパイプラインステージ
4 第2のパイプラインステージ
5 第3のパイプラインステージ
6 第4のパイプラインステージ
7 符号化回路
8 第1の部分アナログ電圧値
9 部分ディジタル値
10 第2の部分アナログ電圧値
11 第1のオフセット付加器
12 部分A/D変換器
13 部分D/A変換器
14 第2のオフセット付加器
15 減算器
16 演算増幅器
17 第1のオフセット電圧
18 第2のオフセット電圧
19、22 半加算器
20、21 全加算器
23 補正用符号変換回路
24 ビット数制御信号
25 ビット数制御回路
26 ビット数選択信号
27 補正用A/D変換器
28 補正用部分ディジタル値
29 電圧比較器
Claims (4)
- それぞれ、入力されるアナログ電圧に対してパイプライン動作を行って部分ディジタル値を出力する複数のパイプラインステージを、直列に接続してなるパイプラインステージ列と、
分解能を指示するビット数制御信号に従い、上記各パイプラインステージに対して、動作をさせるか停止させるかを示すビット数選択信号を出力するビット数制御回路と、
前記ビット数制御信号に従って、出力すべきディジタル値の補償をする補正回路と、を備え、
前記補正回路は、
前記すべてのパイプラインステージの入力を入力とし、該入力のうちから上記ビット数選択信号に応じて選択した入力と、比較参照電圧値とを比較してその電圧比較結果を1以上の2進コードからなる補正用部分ディジタル値として出力する補正用A/D変換器と、
前記パイプラインステージ列のすべてのパイプラインステージが出力する前記部分ディジタル値と、前記補正用A/D変換器が出力する前記補正用部分ディジタル値とを入力とし、上記ビット数選択信号に応じて、1以上の2進コードを出力する補正用符号変換回路と、から構成されている、
ことを特徴とするA/D変換器。 - それぞれ、入力されるアナログ電圧に対してパイプライン動作を行って部分ディジタル値を出力する複数のパイプラインステージを、直列に接続してなるパイプラインステージ列と、
分解能を指示するビット数制御信号に従い、上記各パイプラインステージに対して、動作をさせるか停止させるかを示すビット数選択信号を出力するビット数制御回路と、
前記ビット数制御信号に従って、出力すべきディジタル値の補償をする補正回路と、を備え、
前記補正回路は、
最終段パイプラインステージにおいて処理されるアナログ電圧値を、前記複数のパイプラインステージのうちの最終段を除くパイプラインステージが出力するアナログ電圧値のうちから、上記ビット数選択信号に応じて選択する選択手段と、
前記最終段パイプラインステージが出力する部分ディジタル値と、前記パイプラインステージ列の前記最終段以外の各パイプラインステージが出力する前記部分ディジタル値とを入力とし、上記ビット数選択信号に応じて、補正された2進コードを出力する補正用符号変換回路と、から構成されている、
ことを特徴とするA/D変換器。 - それぞれ、入力されるアナログ電圧に対してパイプライン動作を行って部分ディジタル値を出力する複数のパイプラインステージを、直列に接続してなるパイプラインステージ列と、分解能を指示するビット数制御信号に従い、上記各パイプラインステージに対して、動作をさせるか停止させるかを示すビット数選択信号を出力するビット数制御回路と、前記ビット数制御信号に従って、出力すべきディジタル値の補償をする補正回路と、を備えたA/D変換器において、前記出力すべきディジタル値の補償をする制御方法であって、
前記補正回路が、前記すべてのパイプラインステージの入力を入力とし、該入力のうちから上記ビット数選択信号に応じて選択した入力と、比較参照電圧値とを比較してその電圧比較結果を1以上の2進コードからなる補正用部分ディジタル値とする補正用A/D変換ステップと、
前記補正回路が、前記パイプラインステージ列のすべてのパイプラインステージが出力する前記部分ディジタル値と、前記補正用部分ディジタル値とを入力とし、上記ビット数選択信号に応じて、1以上の2進コードを出力する補正用符号変換ステップと、を含む、
ことを特徴とするA/D変換器の制御方法。 - それぞれ、入力されるアナログ電圧に対してパイプライン動作を行って部分ディジタル値を出力する複数のパイプラインステージを、直列に接続してなるパイ プラインステージ列と、分解能を指示するビット数制御信号に従い、上記各パイプラインステージに対して、動作をさせるか停止させるかを示すビット数選択信号を出力するビット数制御回路と、前記ビット数制御信号に従って、出力すべきディジタル値の補償をする補正回路と、を備えたA/D変換器において、前記出力すべきディジタル値の補償をする制御方法であって、
前記補正回路が、最終段パイプラインステージにおいて処理されるアナログ電圧値を、前記複数のパイプラインステージのうちの最終段を除くパイプラインステージが出力するアナログ電圧値のうちから、上記ビット数選択信号に応じて選択する選択ステップと、
前記補正回路が、前記最終段パイプラインステージが出力する部分ディジタル値と、前記パイプラインステージ列の前記最終段以外の各パイプラインステージが出力する前記部分ディジタル値とを入力とし、上記ビット数選択信号に応じて、補正された2進コードを出力する補正用符号変換ステップと、を含む、
ことを特徴とするA/D変換器の制御方法。
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