JP3849780B2 - 圧電アクチュエータを備えた装置及びインクジェットプリンタヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電層を積層して形成されるプレート型の圧電アクチュエータを備えた装置及びインクジェットプリンタヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧電層を積層して形成されるプレート型の圧電アクチュエータとしては、先行技術のオンデマンド型のインクジェットプリンタヘッドにおいて、キャビティユニットのインク室に面して圧電アクチュエータを配置して、この圧電アクチュエータの伸縮変形により前記インク室の容積を小さくしてインクを噴射させるものが知られている。このような圧電アクチュエータとしては、例えば特許文献1に、セラミックス材料のシートからなる圧電層が多数積層され、圧電層の表面に形成された電極層に電圧を印加し、積層した圧電層を伸縮変形させるものが記載されている。
【0003】
この特許文献1の圧電アクチュエータでは、全部で9層の圧電層が積層されており、そのうちキャビティユニット側(下側)の6層には、キャビティユニットの各インク室毎に対応して設けられる陽極パターンの電極層と、キャビティユニットの各インク室に共通に設けられる陰極パターンの電極層とが、圧電層の間に交互に配置され、両電極に挟まれた圧電層の領域が分極処理されて活性部とされている。すなわち、各インク室毎に対応してその上方に活性部が形成されるように、インク室の数と同数の活性部を含む活性層がキャビティユニットに積層されている。
【0004】
一方、残りの3層の圧電層は伸縮変形しない拘束層として前記活性層に積層されている。前記活性部の上方に積層された拘束層の領域が、活性部の上方への伸縮変形を規制する拘束部となって、前記各活性部の伸縮変形を下方のキャビティユニット側に効率よく発生するように作用する。
【0005】
このように特許文献1では、所望のインク室に対応する電極に電圧を印加することで、これら電極に挟まれた圧電層を当該インク室側へ効率よく伸縮変形させ、これによりインク室の容積を縮小させてインクを噴射させている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−162796号公報(図1参照)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、圧電層は誘電体であるセラミックス等を材料とするため、この圧電層を挟んで対向する電極間に電位差が生じると、圧電層に静電容量が発生する。特に上述したような圧電アクチュエータでは、インクの噴射に必要な所定の変位量を得るために、電極に挟まれた圧電層が複数積層されなければならないので、全体としての静電容量も大きくなる。圧電アクチュエータの消費電力は、「消費電力∝(静電容量)×(圧電アクチュエータの駆動電圧) 」で表されるので、静電容量が大きくなるとそれに比例して消費電力も大きくなる。消費電力の増大は、インクジェットプリンタの電源装置のコストアップに繋がるため、圧電アクチュエータの静電容量の低減が求められている。
【0008】
一方、静電容量は「静電容量=(誘電率)×(電極面積)/(電極間隔)」で表されるため、電極間隔を広げたり電極面積を小さくしたりすると、静電容量を低減できることがわかっている。しかしながら、単に電極間隔を広げたり電極面積を小さくすると、圧電アクチュエータの変位量が低下し、その低下はインク室の容積の変化を少なくするのでインクの噴射速度に大きく影響する。そのため、圧電アクチュエータでインクの噴射に必要な所定の変位量を確保しながら、いかに静電容量を低減させることができるかが課題であった。
【0009】
本発明は、このような課題を解消した圧電アクチュエータを備えた装置及びインクジェットプリンタヘッドを提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明における圧電アクチュエータを備えた装置は圧電アクチュエータを伸縮させてその伸縮を利用する部材を備えた装置において、前記圧電アクチュエータは、圧電材料からなる複数の圧電層と複数の電極層とが前記伸縮方向に交互に積層され、積層方向に対向する前記電極層の間の各圧電層がその電極に電圧を印加することにより前記積層方向に圧電縦効果により伸縮する活性部として形成され、この活性部を構成する複数の圧電層のうち、前記伸縮を利用する部材から遠い側の圧電層は、前記伸縮を利用する部材に近い側の圧電層よりも層の厚みを厚くしたものである。
【0011】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の圧電アクチュエータを備えた装置において、前記圧電アクチュエータは、前記層の厚い圧電層よりもさらに前記伸縮を利用する部材から遠い側に、前記活性部が前記伸縮を利用する部材とは反対方向に変形するのを抑える拘束層を備えるものである。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の圧電アクチュエータを備えた装置において、前記活性部の圧電層は、圧電材料からなる圧電シートにより形成され、前記層の厚い圧電層は、他の圧電層よりも1層あたりの圧電シートの積層枚数が多いことを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の圧電アクチュエータを備えた装置において、前記活性部の圧電層は、圧電材料からなる圧電シートにより形成され、前記層の厚い圧電層の圧電シートは、他の圧電層の圧電シートよりもシートの膜厚が厚いことを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、複数個のインク室を配列して有するキャビティユニットに、圧電アクチュエータを接合し、その圧電アクチュエータに伸縮により前記インク室の容積を変えて前記インク室内のインクを噴射するインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記圧電アクチュエータは、前記複数個のインク室にわたる大きさを有する圧電材料からなる複数の圧電層と複数の電極層とが前記複数個のインク室と平行に交互に積層され、前記インク室に対向する位置でかつ積層方向に対向する前記電極層の間の各圧電層がその電極に電圧を印加することにより前記積層方向に圧電縦効果により伸縮する活性部として形成され、この活性部を構成する複数の圧電層のうち、前記インク室から遠い側の圧電層は、前記インク室に近い側の圧電層よりも層の厚みを厚くしたものである。
請求項6に記載の発明は、請求項5記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記圧電アクチュエータは、前記層の厚い圧電層よりもさらに前記インク室から遠い側に、前記活性部が前記インク室とは反対方向に変形するのを抑える拘束層を備えるものである。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記活性部を挟む電極層のうち一方は前記各インク室毎に設けられるとともに電極層の他方は前記各インク室に共通して設けられているものである。
請求項8に記載の発明は、請求項5から7のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記活性部の圧電層は、圧電材料からなる圧電シートにより形成され、前記層の厚い圧電層は、他の圧電層よりも1層あたりの圧電シートの積層枚数が多いもの である。
請求項9に記載の発明は、請求項5から7のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記活性部の圧電層は、圧電材料からなる圧電シートにより形成され、前記層の厚い圧電層の圧電シートは、他の圧電層の圧電シートよりもシートの膜厚が厚いものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態による圧電式インクジェットプリンタヘッドを示す分解斜視図、図2はキャビティユニットと圧電アクチュエータとの一端部を示す拡大斜視図、図3はキャビティユニットの分解斜視図、図4はキャビティユニットの部分的拡大斜視図、図5は圧電アクチュエータの分解斜視図、図6は圧電アクチュエータの部分的拡大斜視図、図7は実施の形態の圧電アクチュエータの部分的縦断面図、図8〜図10は他の実施の形態の圧電アクチュエータの部分的縦断面図である。
【0016】
図1において、金属板のキャビティユニット10に対して接合されるプレート型の圧電アクチュエータ20の上面には、外部機器との接続のために、フレキシブルフラットケーブル40が重ね接合されているものであり、最下層のキャビティユニット10の下面側に開口されたノズルから下向きにインクを噴射する。
【0017】
前記キャビティユニット10は、図3及び図4に示すように構成されている。すなわち、ノズルプレート11、2枚のマニホールドプレート12、スペーサプレート13及びベースプレート14の5枚の薄い板をそれぞれ積層した構造としている。
【0018】
実施形態では、合成樹脂製のノズルプレート11を除き、各プレート12、13、14は、42%ニッケル合金鋼板製で、50μm〜150μm程度の厚さを有する。前記ノズルプレート11には、微小径(実施形態では25μm程度)のインク噴射用のノズル15が微小間隔で多数個穿設されている。このノズル15は、当該ノズルプレート11における第1の方向(長辺方向)に沿って千鳥配列で2列に配列されている。
【0019】
前記2枚のマニホールドプレート12には、図3及び図4に示すように、インク通路12a、12bが、前記ノズル15の列の両側で、当該マニホールドプレート12の長辺に略沿って延びるように穿設されている。但し、下側のマニホールドプレート12におけるインク通路12bは、当該マニホールドプレート12の上側にのみ開放するように凹み形成されている。このインク通路12a、12bは、この両マニホールドプレート12に対する前記スペーサプレート13の積層により密閉される構造になっている。
【0020】
また、図3及び図4に示すように、前記ベースプレート14には、複数のインク室16がベースプレート14の長辺(前記第1の方向)に沿って千鳥配列で2列に穿設されている。そして、各インク室16は、その長手方向がベースプレート15の長手方向と直交するようにして細幅に形成されている。
【0021】
各インク室16における先端部16aはベースプレート14の短辺方向の略中央部に位置しており、この各先端部16aは、スペーサプレート13、2枚のマニホールドプレート12に同じく千鳥配列にて穿設されているインク流路としての微小径の貫通孔17を介してノズルプレート11における前記千鳥配列のノズル15に連通している。
【0022】
一方、前記各インク室16の他端16bは、前記スペーサプレート13における左右両側部位に穿設された貫通孔18を介して、前記両マニホールドプレート12におけるインク通路12a、12bに連通している。なお、前記他端16bは、図2及び図4に示すように下側に開口するように凹み形成されているものである。また、最上層のベースプレート14の一端部に穿設された供給孔19a(図3参照)の上面には、その上方のインクタンクから供給されるインク中の塵除去のためのフィルタ29が張設されている。
【0023】
これにより、前記ベースプレート14及びスペーサプレート13の一端部に穿設の供給孔19a、19bから前記インク通路12a、12b内に流入したインクは、このインク通路12aから前記各貫通孔18を通って前記各インク室内に分配されたのち、この各インク室内から前記貫通孔17を通って、当該インク室に対応するノズル15に至るという構成になっている。
【0024】
前記圧電アクチュエータ20では、複数の圧電層と電極層とが交互に積層されており、圧電層は圧電セラミックスを材料とする圧電シートにより形成されている。圧電アクチュエータ20は、図5及び図7に示すように、10枚の圧電シート21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、21i及び21jを積層した構造としており、10枚の圧電シートには全て同じ厚みのシートが使用されている。また、電極層は圧電シートの上面(広幅面)に金属膜の電極パターンとして形成されている。
【0025】
これら10枚の圧電シートのうち、キャビティユニット10(これを下側とする)の2枚目から8枚目の圧電シートは、各インク室16毎に対応して伸縮変形可能に設けられた活性部が含まれる活性層50を構成し、下側から9枚目と10枚目の圧電シートは、前記活性部の上側への伸縮変形を規制する拘束部が含まれる拘束層51を構成している。
【0026】
圧電シート21のうち下側から数えて、2枚目の圧電シート21bと、4枚目の圧電シート21dと、6枚目の圧電シート21fの各上面に、電極パターンとして、前記キャビティユニット10における各インク室の箇所ごとに細幅の個別電極24を形成している。この個別電極24は、第1の方向(長辺方向)に沿って列状に形成され、各個別電極24は前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って各圧電シートの長辺の端縁部近傍まで延びている。
【0027】
また、前記各圧電シートのうち下から数えて、1枚目の圧電シート21aと、3枚目の圧電シート21cと、5枚目の圧電シート21eと、8枚目の圧電シート21hの各上面には、電極パターンとして、複数個のインク室に対して共通のコモン電極25をそれぞれ形成している。
【0028】
実施形態においては、図5及び図6に示されているように、前記各個別電極24の幅寸法は対応するインク室16の幅寸法よりも少し狭い程度に設定されている。他方、前記コモン電極25は、インク室16が前記のベースプレート14の短辺の中央部側で前記第1の方向(長辺)に沿って2列状に配置されているので、その2列のインク室16を一体的に覆うように圧電シート21a、21c、21e、21hの短辺方向の中央において長辺に沿って延びる平面視矩形状に形成される。そしてこのコモン電極25とともに、これら圧電シート21a、21c、21e、21hの対の短辺の端縁部近傍では、当該端縁部の略全長にわたって延びる引出し部25a、25aが一体的に形成されている。また、圧電シート21a、21c、21e、21hの対の長辺の端縁部近傍の上面であって、前記コモン電極25が形成されていない箇所には、前記各個別電極24と同じ上下位置(対応する位置)に当該個別電極24と略同じ幅寸法で長さの短いダミー個別電極26を形成している。
【0029】
また、圧電シート21b、21d、21fの上面のうち、前記引き出し部25a、25aに対応する位置(同じ上下位置、圧電シートの対の短辺の端縁部近傍)には、ダミーコモン電極27を形成している。
【0030】
そして、圧電シート21fと圧電シート21hの間には、個別電極及びコモン電極が設けられていない圧電シート21gが1枚含まれている。圧電シート21fの上面に形成された個別電極と圧電シート21hの上面に形成されたコモン電極との間の圧電層の厚みは、圧電シート2枚分となる。
【0031】
圧電シート21gには、下層の圧電シート21fの個別電極24及びダミーコモン電極27と、上層の圧電シート21hのダミー個別電極26及び引出し部25aとを後述するスルーホール内の導電材で接続するために、ダミー個別電極26及びダミーコモン電極27を他の層と同様に設けている。
【0032】
上記のように、個別電極24とコモン電極25とに挟まれている圧電層では、後述するスルーホール内の導電材をとおして公知のようにコモン電極25を接地し、全個別電極24に分極用の正の高電圧を印加すると、電極間に挟まれた各層の圧電シートの領域が個別電極24からコモン電極25に向かう方向に分極処理され、活性部となる。つまり、下から2枚目から8番目の圧電シートは活性層50を構成する。そして、公知のようにコモン電極25を接地し、個別電極24に選択的に駆動用の正の低電圧を印加すると、活性部が、圧電縦効果により伸張変形する。なお、活性部の中の最上層となる圧電層だけが、その他の圧電層の2倍の厚みを有する厚い圧電層22(図7)となっている。
【0033】
拘束層51は、インク室16とは反対方向への活性部の変形を抑えるためのもので、拘束層51を構成する圧電シート21i、21jのうち、最上層の圧電シート21jの上面には、その長辺の端縁部に沿って、個別電極24の各々に対応する表面電極30と、コモン電極25に対応する表面電極31とを設けている。その下の圧電シート21iには、そのさらに下層の圧電シート21hのダミー個別電極26及び引出し部25aと、最上層の圧電シート21jの表面電極30、31とを後述するスルーホール内の導電材で接続するためにダミー個別電極26及び引出し部25aを設け、またその引出し部25aに連接してコモン電極25を設けている。拘束層51の2つ圧電シート21i、21jは、コモン電極25と個別電極24とに挟まれないので、上記のように圧電アクチュエータに分極用の電圧を印加しても分極処理されないし、駆動電圧を印加しても変形しない。2番目の圧電シート21iには、本来電極パターンを形成する必要がないが、コモン電極25を形成しているのは、圧電シートだけの層と、圧電シートの表面に電極が形成された層とでは、焼成時の収縮率が異なって、圧電アクチュエータ全体の反りやうねりを発生させるので、これを低減させるためにあえて圧電シート21iにも電極を形成している。また、この圧電シート21iの電極は、この電極と対向する電極との間で電位差が生じると静電容量を発生してしまうため、駆動に影響しないように、圧電シート21hと同じ電極パターンが形成されている。
【0034】
さらに、前記最下段の圧電シート21aを除き、他の全ての圧電シート21b〜21jには、前記各表面電極30と、それに対応する位置(同じ上下位置)の個別電極24並びにダミー個別電極26とが互いに連通するように、スルーホール32を穿設する。同様に、前記少なくとも1つの表面電極31(実施形態では、最上段の圧電シート21jの4隅の位置の表面電極31)と、それに対応する位置(同じ上下位置)のコモン電極25の引出し部25a並びにダミーコモン電極27とが互いに連通するように、スルーホール33を穿設している。そして、スルーホール32、33内に充填された導電性材料を介して、各層の個別電極24どうし及びそれと対応する位置の表面電極30とが電気的に接続されるように構成し、同じく各層のコモン電極25どうし及びそれと対応する位置の表面電極31とが電気的に接続されるように構成するものである。
【0035】
製造上においては、各圧電シートを構成するセラミックスのグリーンシートに、スルーホールを穿設し、そのグリーンシートに各電極パターンをスクリーン印刷等で形成すると同時にスルーホールに電極パターンを構成する導電材を充填する。そして、それらのグリ−ンシートを、下層の電極パターンまたはダミー電極と上層のスルーホールとが重なるように積層し、公知のように焼成して、圧電アクチュエータ20をつくる。
【0036】
そして、このような構成のプレート型の圧電アクチュエータ20は、前記キャビティユニット10に対して、当該圧電アクチュエータ20における各個別電極24が前記キャビティユニット10における各インク室16の各々に対応するように固定される(図1及び図2参照)。また、この圧電アクチュエータ20における上側の表面には、前記フレキシブルフラットケーブル40が重ね押圧されることにより、このフレキシブルフラットケーブル40における各種の配線パターン(図示せず)が、前記各表面電極30、31に電気的に接合される。
【0037】
この構成において、前記圧電アクチュエータ20における各個別電極24と、コモン電極25のうち、任意の活性部の個別電極24とコモン電極25との間に電圧を印加することにより、圧電シート21a〜21hのうち前記電圧を印加した個別電極24とコモン電極25とに挟まれた圧電層に積層方向の歪みが発生する。そして、この歪みによる伸縮変形のうち上側への伸縮変形は拘束部によって規制されるため、その変位量が前記各個別電極24に対応するインク室16側に大きく発生し、当該インク室16の内容積が縮小されてインクがノズル15から液滴状に噴出して、所定の印字が行われる。
【0038】
前記圧電アクチュエータ20の構成においては、図7に示すように電極パターンが形成されていない圧電シート21gが活性層50に含まれて活性部の最上層に厚みの厚い圧電層22を作り出す。従って、この厚い圧電層22を挟んで対向する圧電シート21fの上面の電極と圧電シート21hの上面の電極との距離は、その他の圧電層を挟んで対向する電極間の距離の2倍になっているから、前述した式の「静電容量=(誘電率)×(電極面積)/(電極間隔)」からわかるように、厚みの厚い圧電層22の静電容量を1/2に低減させることができる。これにより、圧電アクチュエータ20全体の静電容量を低減させて、その結果、圧電アクチュエータ20の駆動電力を低減させることができる。
【0039】
そして、この厚みの厚い圧電層22は、インク室16から最も遠い活性部の最上層(拘束部に面する層)に設けられているため、電極間隔が広がっても、活性部全体がインク室に与える変位の量にはほとんど影響せず、変位量を従来どおり確保したまま静電容量を低減することができる。
【0040】
厚みの厚い圧電層22を含む実施の形態としては、上述の他に、厚みが他の圧電シートよりも厚い圧電シートを利用して構成してもよい。例えば、図8に示す圧電アクチュエータ20aでは、前記圧電シート21g、21hに替えて、他の圧電シートより厚い(例えば2倍)圧電シート21kを積層し、1枚の圧電シートで厚みの厚い圧電層22aを形成している。この圧電シート21kの上面には、前記圧電シート21hと同様の電極パターンを設けており、圧電シート21fの上面の電極と圧電シート21kの上面の電極との距離が、他の圧電層を挟む電極間の距離より広いことになる。これにより、この実施の形態でも圧電アクチュエータ20a全体の静電容量を低減させることができる。このように厚みの異なる圧電シートを利用する場合には、厚みの厚い圧電層の厚さ寸法を、所望の厚さに設定した圧電シートによって、自由に設計することが可能となる。
【0041】
また他の実施の形態として、電極を備えていない圧電シートを数枚重ねて挟み込んで、その他の圧電層の数倍の厚みを有する圧電層を形成してもよい。例えば図9に示す圧電アクチュエータ20bでは、図7と同様に全て同じ厚みの圧電シートが使用されているが、前記圧電シート21kと同様の電極パターンが形成された圧電シート21mと、前記圧電シート21fとの間に、電極パターンが形成されていない圧電シート21g、21lが2枚重ねて挟み込まれている。その結果、圧電シート21fの上面の電極と圧電シート21mの上面の電極との間には、その他の圧電層の3倍の厚みを有する圧電層20bが形成される。これによりこの実施の形態でも圧電アクチュエータ20b全体の静電容量を低減させることができる。なお、図9に示す圧電アクチュエータ20bでは、拘束層51bは圧電シート21jのみで構成されている。このように、厚みの厚い圧電層を、圧電シートの積層枚数を変えて形成することにより、あらかじめ用意する圧電シートは1種類でよく、製造時の手間が簡易化される。
【0042】
さらに他の実施の形態として、全て同じ厚みの圧電シートを用いて、厚みの厚い圧電層を複数層形成してもよい。例えば図10に示す圧電アクチュエータ20cでは、前記圧電シート21a〜21eの上に、電極を備えていない圧電シート21gを積層しその上に、前記圧電シート21fと同様の電極パターンが形成された圧電シート21nを積層して、厚みの厚い圧電層22cを形成している。そして、さらにその上に、電極を備えていない圧電シート21oを積層しその上に、前記圧電シート21hと同様の電極パターンが形成された圧電シート21pを積層して、厚みの厚い圧電層22dを形成している。すなわち厚みの厚い圧電層が2層重ねて積層されている。これにより、この実施の形態でも圧電アクチュエータ20c全体の静電容量を低減させることができる。なお、図10に示す圧電アクチュエータ20cでは、拘束層51cは圧電シート21jのみで構成されている。
【0043】
上述したように本発明にはさざまな形態があるが、その他に、活性部の中の厚みの厚い圧電層22の層数やその各厚さ寸法、またその配置を変更してもよく、さらに活性部を構成する全体の圧電層の層数や、拘束層51の構成等も適宜変更できる。ただし、この厚みの厚い圧電層22をインク室16に直接面する層として配置すると、インク室16に与える変位量を減少させる場合があるため、厚みの厚い圧電層22はインク室16に面しない層、すなわち活性部の上方に位置する層として設けることが望ましい。
【0044】
なお、本発明は、電極層の積層順序を変えて、個別電極24を有する圧電シートの層が最下層としてキャビティユニット10におけるインク室16と対面するようにしたものに適用できることは言うまでもない。また、前記スルーホールに替えて圧電アクチュエータの積層体の側面(表面電極30、31が形成される広幅面と直交する側面)に側面電極を形成し、表面電極30が前記側面電極を介して複数層の前記個別電極24並びにダミー個別電極26を電気的に接続する一方、表面電極31は別の箇所の側面電極を介して複数層の前記コモン電極25並びにダミーコモン電極27を電気的に接続させるよう構成したものに適用してもよい。その場合、前記圧電アクチュエータの表裏両表面と直交する側面に、少なくとも前記駆動電極(コモン電極、個別電極等)を露出する凹み溝が設けられ、この凹み溝内に前記駆動電極に電気的に導通する側面電極が形成されたものであってもよい。
【0045】
また、本発明の圧電アクチュエータ20は、インクジェットプリンタヘッドだけでなく、他の装置にも適用できることは言うまでもない。
【0046】
【実施例】
次に、実施例1〜3を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。そして、図11に示すような厚みの厚い圧電層を含まない従来の形態を比較例1として、実施例1〜3と比較する。
【0047】
実施例1は図7に示す形態を具体化したもので、この活性層50では7枚の圧電シートが積層されている。そして、活性部では電極層に上下を挟まれた圧電層が6層形成されており、活性部の最上層に厚みの厚い圧電層22が1層含まれている。圧電シートには30μm厚のものを使用しているため、通常の圧電層の厚さ寸法は30μm、厚みの厚い圧電層22の厚さ寸法は圧電シート2枚分で60μmとなっている。
【0048】
実施例2は図9に示す形態を具体化したもので、この活性層50bでは8枚の圧電シートが積層されている。そして活性部では電極層に上下を挟まれた圧電層が6層形成されており、活性部の最上層に厚みの厚い圧電層22bが1層含まれている。圧電シートには30μm厚のものを使用しているため、通常の圧電層の厚さ寸法は30μm、厚みの厚い圧電層22bの厚さ寸法は圧電シート3枚分で90μmとなっている。
【0049】
実施例3は図10に示す形態を具体化したもので、この活性層50cでは8枚の圧電シートが積層されている。そして活性部では電極層に上下を挟まれた圧電層が6層形成されており、活性部の最上層側に厚みの厚い圧電層22c、22dが2層重ねて設けられている。圧電シートには30μm厚のものを使用しているため、通常の圧電層の厚さ寸法は30μm、厚みの厚い圧電層22c、22dの厚さ寸法はそれぞれ圧電シート2枚分で60μmとなっている。
【0050】
比較例1となる図11に示す形態では、同じ厚みの10枚の圧電シートが積層されており、そのうちキャビティユニット10側(下側)の2枚目から7枚目(圧電シート21b、21c、21d、21e、21f、21q)までが活性層50eを、8枚目から10枚目(圧電シート21r、21i、21j)が拘束層51eを構成している。活性層50eでは、2枚目の圧電シート21bと、4枚目の圧電シート21d、6枚目の圧電シート21fの上面に、図7の個別電極24が含まれる電極層と同じパターンが形成され、1枚目の圧電シート21a、3枚目の圧電シート21c、5枚目の圧電シート21e、7枚目の圧電シート21qには、図7のコモン電極25が含まる電極層と同じパターンが形成されている。一方、拘束層51eでは、最上層の圧電シート21jには表面電極(図11では示していない)が形成され、8枚目の圧電シート21rと9枚目の圧電シート21iには前記圧電シート21qと同じ電極パターンが形成され、駆動には影響しないように電気的に接地している。
【0051】
そして、比較例1の活性層50eでは6枚の圧電シートが積層されて、活性部では電極層に上下を挟まれた圧電層が6層形成されている。圧電シートには30μm厚のものを使用しているため、圧電層の厚さ寸法は全て同じで30μmとなっている。
【0052】
なお、実施例1〜3及び比較例1では、各個別電極の面積、個数及び配列ピッチ、活性部の長さ、及び圧電層の誘電率は全て同じである。
【0053】
これら実施の形態1〜3及び比較例1を解析して得られた圧電アクチュエータ全体に発生する静電容量と、圧電アクチュエータに生じる伸縮変形の最大変位量と、圧電アクチュエータによって変形させられたインク室の断面積変化を(表1)に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0003849780
【0055】
この解析の結果によれば、本発明の実施例1〜3の圧電アクチュエータの静電容量は、比較例1の値に比べていずれも減少していた。これにより、本発明のように電極層に挟まれた圧電層を積層した中で、少なくとも1層はその厚みを厚くすることにより、圧電アクチュエータ全体の静電容量を減少させる効果が得られることが確認できた。
【0056】
また、実施例1及び2では、静電容量が減少しているにもかかわらず、圧電アクチュエータ20の最大変位量とインク室の断面積変化は比較例1と略同じであった。この結果から、実施例1及び2の構成では、静電容量の低減をインク室の断面積変化を減少させることなくできることが確認できた。
【0057】
さらに、実施例3では、圧電アクチュエータ20の最大変位量とインク室の断面積変化のいずれもが比較例1より減少してしまった。しかし、静電容量が比較例1の1200pFに比べて1000pFとなり、約17%減少しているのに対して、インク室の断面積変化は比較例1の2.33×10−6mm に比べて2.20×10−6mm となり、約6%しか減少していなかった。この結果から、実施例3の構成では、インク室の断面積変化が減少するものの、それ以上に静電容量を低下させる効果が効率よく得られることが確認できた。
【0058】
【発明の作用・効果】
以上に説明してきたように、請求項1に記載の発明における圧電アクチュエータを備えた装置は圧電アクチュエータを伸縮させてその伸縮を利用する部材を備えた装置において、前記圧電アクチュエータは、圧電材料からなる複数の圧電層と複数の電極層とが前記伸縮方向に交互に積層され、積層方向に対向する前記電極層の間の各圧電層がその電極に電圧を印加することにより前記積層方向に圧電縦効果により伸縮する活性部として形成され、この活性部を構成する複数の圧電層のうち、前記伸縮を利用する部材から遠い側の圧電層は、前記伸縮を利用する部材に近い側の圧電層よりも層の厚みを厚くしたものである。
これによれば、厚みの厚い圧電層では、この圧電層を挟んで対向する電極間の距離が他の圧電層を挟む電極間の距離より長くなるため、厚みの厚い圧電層の静電容量が低減される。これにより圧電アクチュエータの全体の静電容量を低減させて、さらには圧電アクチュエータの駆動電力を低減させることができる。そして、この厚みの厚い圧電層は、前記伸縮を利用する部材から遠い側に配置されるので、活性部全体の伸縮変位の量を減らすことへの影響は極めて小さい。
【0059】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の圧電アクチュエータを備えた装置において、前記圧電アクチュエータは、前記層の厚い圧電層よりもさらに前記伸縮を利用する 部材から遠い側に、拘束層を備え、前記活性部が前記伸縮を利用する部材とは反対方向に変形するのを抑える。
【0060】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の圧電アクチュエータを備えた装置において、前記活性部の圧電層は、圧電材料からなる圧電シートにより形成され、前記層の厚い圧電層は、他の圧電層よりも1層あたりの圧電シートの積層枚数が多いことを特徴とするものであるから、圧電アクチュエータの製造において、圧電シートの積層枚数を変えるだけで、容易に圧電層の厚みを変えることができる。
【0061】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の圧電アクチュエータを備えた装置において、前記活性部の圧電層は、圧電材料からなる圧電シートにより形成され、前記層の厚い圧電層の圧電シートは、他の圧電層の圧電シートよりもシートの膜厚が厚いことを特徴とするものであるから、圧電アクチュエータの製造において、厚みの厚い圧電層を所望の厚みで設定することができる。
【0062】
請求項5に記載の発明は、複数個のインク室を配列して有するキャビティユニットに、圧電アクチュエータを接合し、その圧電アクチュエータに伸縮により前記インク室の容積を変えて前記インク室内のインクを噴射するインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記圧電アクチュエータは、前記複数個のインク室にわたる大きさを有する圧電材料からなる複数の圧電層と複数の電極層とが前記複数個のインク室と平行に交互に積層され、前記インク室に対向する位置でかつ積層方向に対向する前記電極層の間の各圧電層がその電極に電圧を印加することにより前記積層方向に圧電縦効果により伸縮する活性部として形成され、この活性部を構成する複数の圧電層のうち、前記インク室から遠い側の圧電層は、前記インク室に近い側の圧電層よりも層の厚みを厚くしたものである。
従って、請求項1に記載の発明と同様に、圧電アクチュエータは、前記活性部における層の厚い圧電層が、前記インク室から離して配置されることで、この厚い圧電層の伸縮変形の量が少なくても、インク室内のインクを噴射することへの影響を極めて小さくすることができる結果、インク室からインクを噴射するのに必要な所定の変位量を確保しながら、静電容量を低減することのできるインクジェットプリンタヘッドが構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による圧電式インクジェットプリンタヘッドを示す分解斜視図である。
【図2】キャビティユニットと圧電アクチュエータとの一端部を示す拡大斜視図である。
【図3】キャビティユニットの分解斜視図である。
【図4】キャビティユニットの部分的拡大斜視図である。
【図5】圧電アクチュエータの分解斜視図である。
【図6】圧電アクチュエータの部分的拡大斜視図である。
【図7】実施の形態の圧電アクチュエータの部分的縦断面図である。
【図8】他の実施の形態の圧電アクチュエータの部分的縦断面図である。
【図9】他の実施の形態の圧電アクチュエータの部分的縦断面図である。
【図10】他の実施の形態の圧電アクチュエータの部分的縦断面図である。
【図11】従来の形態の圧電アクチュエータの部分的縦断面図である。
【符号の説明】
10キャビティユニット
11ノズルプレート
12マニホールドプレート
12a、12bインク通路
13スペーサプレート
14ベースプレート
15ノズル
16インク室
16a先端部
16b他端
17貫通孔
20圧電アクチュエータ
21圧電シート
22、22a〜22d厚い圧電層
24個別電極
25コモン電極
25a引き出し部
26ダミー個別電極
27ダミーコモン電極
30、31表面電極
32、33スルーホール
50活性部
51拘束部

Claims (9)

  1. 圧電アクチュエータを伸縮させてその伸縮を利用する部材を備えた装置において、
    前記圧電アクチュエータは、圧電材料からなる複数の圧電層と複数の電極層とが前記伸縮方向に交互に積層され、積層方向に対向する前記電極層の間の各圧電層がその電極に電圧を印加することにより前記積層方向に圧電縦効果により伸縮する活性部として形成され、この活性部を構成する複数の圧電層のうち、前記伸縮を利用する部材から遠い側の圧電層は、前記伸縮を利用する部材に近い側の圧電層よりも層の厚みを厚くしたことを特徴とする圧電アクチュエータを備えた装置
  2. 前記圧電アクチュエータは、前記層の厚い圧電層よりもさらに前記伸縮を利用する部材から遠い側に、前記活性部が前記伸縮を利用する部材とは反対方向に変形するのを抑える拘束層を備えることを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータを備えた装置
  3. 前記活性部の圧電層は、圧電材料からなる圧電シートにより形成され、前記層の厚い圧電層は、他の圧電層よりも1層あたりの圧電シートの積層枚数が多いことを特徴とする請求項1または2記載の圧電アクチュエータを備えた装置
  4. 前記活性部の圧電層は、圧電材料からなる圧電シートにより形成され、前記層の厚い圧電層の圧電シートは、他の圧電層の圧電シートよりもシートの膜厚が厚いことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の圧電アクチュエータを備えた装置
  5. 複数個のインク室を配列して有するキャビティユニットに、圧電アクチュエータを接合し、その圧電アクチュエータに伸縮により前記インク室の容積を変えて前記インク室内のインクを噴射するインクジェットプリンタヘッドにおいて、
    前記圧電アクチュエータは、前記複数個のインク室にわたる大きさを有する圧電材料からなる複数の圧電層と複数の電極層とが前記複数個のインク室と平行に交互に積層され、前記インク室に対向する位置でかつ積層方向に対向する前記電極層の間の各圧電層がその電極に電圧を印加することにより前記積層方向に圧電縦効果により伸縮する活性部として形成され、この活性部を構成する複数の圧電層のうち、前記インク室から遠い側の圧電層は、前記インク室に近い側の圧電層よりも層の厚みを厚くしたことを特徴とするインクジェットプリンタヘッド
  6. 前記圧電アクチュエータは、前記層の厚い圧電層よりもさらに前記インク室から遠い側に、前記活性部が前記インク室とは反対方向に変形するのを抑える拘束層を備えることを特徴とする請求項5記載のインクジェットプリンタヘッド。
  7. 前記活性部を挟む電極層のうち一方は前記各インク室毎に設けられるとともに電極層の他方は前記各インク室に共通して設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載のインクジェットプリンタヘッド。
  8. 前記活性部の圧電層は、圧電材料からなる圧電シートにより形成され、前記層の厚い圧電層は、他の圧電層よりも1層あたりの圧電シートの積層枚数が多いことを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッド。
  9. 前記活性部の圧電層は、圧電材料からなる圧電シートにより形成され、前記層の厚い圧電層の圧電シートは、他の圧電層の圧電シートよりもシートの膜厚が厚いことを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッド。
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