JP3804459B2 - 積層型圧電素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッド等の各種装置において、駆動源として用いる積層型圧電素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、圧電素子は、圧電効果により電気エネルギを機械的変位(歪み)に変換する特性を利用して、様々な装置の駆動源(圧電アクチュエータ)として用いられている。
【0003】
その中でも、歪みによる変位量を大きくするため積層型とした圧電素子は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等のセラミック材料から成る圧電シートの表面(一方の広幅面)に、導電ペースト等の導電材料にて、個別電極またはコモン電極のパターンを形成し、前記個別電極を有する複数の圧電シートと、前記コモン電極を有する複数の圧電シートとを交互に積層するように構成されている。
【0004】
この種の積層型圧電素子における個別電極同士やコモン電極同士を電気的に接続する構成としては、前記各圧電シートに、積層方向に隣接する個別電極同士またはコモン電極同士に連通するスルーホールを配設し、当該各スルーホールに導電材料を充填したものが知られている。
【0005】
図12〜図14は、従来の積層型圧電素子(圧電アクチュエータ100)の一例を示している。ここで、図12は圧電アクチュエータ100の分解斜視図、図13は図12のXIII−XIII視断面図、図14は焼成による圧電アクチュエータ100の変形状態の説明図である。
【0006】
従来の圧電アクチュエータ100は、個別電極101を有する圧電シート103a,103c,103e,103gと、コモン電極102を有する圧電シート103b,103d,103f,103hとを交互に積層するとともに、この積層体の最上層に1枚の絶縁シート106を積層した構造となっている。
【0007】
個別電極101は、下から数えて奇数番目の圧電シート103a(103c,103e,103g)の短辺の中央線を挟んだ両側に、当該圧電シート103a(103c,103e,103g)の短辺縁と平行状に、かつ、長辺方向に列状にパターン形成されている。
【0008】
コモン電極102は、下から数えて偶数番目の圧電シート103b(103d,103f,103h)の中央部に、当該圧電シート103b(103d,103f,103h)の長辺方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。
【0009】
前記各圧電シート103a〜103hのうち前記個別電極101及び前記コモン電極102が積層方向に重なる箇所は、圧電効果により歪みを生じる活性部107である。
【0010】
前記偶数番目の圧電シート103b(103d,103f,103h)における一対の短辺縁の近傍箇所には、当該短辺縁の略全長にわたって延びる引き出し部102a,102aが前記コモン電極102と一体形成されている。
【0011】
また、前記偶数番目の圧電シート103b(103d,103f,103h)の表面のうち前記活性部以外の箇所には、ダミー個別電極104が、前記個別電極101と対応するパターンで、すなわち、前記個別電極101と同じ上下位置に形成されている。
【0012】
他方、前記奇数番目の圧電シート103a(103c,103e,103g)の表面のうち前記引き出し部102a,102aと対応する位置(同じ上下位置)には、ダミーコモン電極105が形成されている。
【0013】
最上層の圧電シートである絶縁シート106の表面には、前記個別電極101に対する表面電極108と、前記コモン電極102に対する表面電極109とが、当該絶縁シート106の一対の長辺縁に沿って形成されている。
【0014】
最下層の圧電シート103aを除く他の全ての圧電シート103b〜103h,106には、前記表面電極108と、これに対応する位置の個別電極101及びダミー個別電極104とが互いに連通するように、スルーホール110が穿設されている。同様にして、少なくとも1つの表面電極109と、これに対応する位置の引き出し部102aが互いに連通するように、スルーホール111も穿設されている。
【0015】
これにより、スルーホール110,111内に充填した導電材料を介して、前記各個別電極101同士と、これに対応する位置の表面電極108とが電気的に接続され、前記各コモン電極102同士と、これに対応する位置の表面電極109とが電気的に接続されている。
【0016】
この場合、前記各圧電シート103a〜103h,106において、前記各スルーホール110,111は、前記個別電極101のパターンの並び方向に平行な方向、換言すると、前記各圧電シート103a〜103h,106の長辺方向に沿って一列状に整列するように構成されている(図12参照)。
【0017】
なお、最下層の圧電シート103aには、前記圧電アクチュエータ100が接着・固定される被駆動体(例えばインクジェットヘッドにおけるキャビティプレート等)に導通しないようにするため、前記各スルーホール110,111を穿設していない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図13に示すように、前記各圧電シート103a〜103h,106を積層すると、前記各スルーホール110,111は、それぞれ積層方向(上下方向)に連通した状態で前記各圧電シート103a〜103h,106の長辺方向に沿って一列状に整列するから、前記圧電アクチュエータ100における一対の長手側縁の近傍箇所には、当該長手方向(前記各圧電シート103a〜103h,106の長辺方向)に沿って断続的につながった強度的に弱い箇所がそれぞれ形成されていた。
【0019】
その上、当該強度的に弱い箇所を構成する各スルーホール110,111の積層方向の列は、前記最下層の圧電シート103aの存在により、いずれも有底筒状となっていたから、前記圧電シート103a〜103h,106から成る積層体を焼成すると、当該積層体(圧電アクチュエータ100)の収縮に際して、図14に示すように、この圧電アクチュエータ100全体が前記長手方向端部から見てスルーホールの箇所を谷にしてV字状に反り変形するのであった。
【0020】
このような急激な曲がりや大きな反りが前記圧電アクチュエータ100に生じていると、例えば、前記圧電アクチュエータ100をインクジェットヘッドの駆動源として用いる場合は、前記圧電アクチュエータ100をキャビティプレートの表面に接着剤にて接着固定するに際して、曲がった箇所等に隙間ができる等して、インク漏れ等の不良が発生する原因となるという問題があった。
【0021】
そこで、本発明は、以上の問題を解消した積層型圧電素子を提供することを技術的課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
【0023】
前述の技術的課題を解決するため、請求項1の発明は、一方の広幅面に個別電極のパターンを列状に並んで形成した複数の第1の圧電シートと、一方の広幅面にコモン電極のパターンを形成した複数の第2の圧電シートとが交互に積層されて、前記各個別電極及び前記各コモン電極が積層方向に重なる箇所を活性部と成し、前記各圧電シートには、前記積層方向に隣接する前記個別電極同士または前記コモン電極同士を導電材料を介して導通させるためのスルーホールが配設されて成る積層型圧電素子において、焼成されて前記第1の圧電シートとなる前記個別電極のパターンと前記スルーホールとが形成された第1素材シートと、焼成されて前記第2の圧電シートとなる前記コモン電極のパターンと前記スルーホールとが形成された第2の素材シートとが積層され、且つ焼成されて1枚の積層体に構成され、前記積層体を構成する前記各圧電シートにおいて前記個別電極のパターンの並び方向と平行な方向に隣接するスルーホール同士は、前記活性部に関して前記個別電極の少なくとも一方側の端部に形成され、且つ前記平行な方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして配置されているものである。
【0024】
請求項2の発明では、ノズルと圧力室とを含むインク通路が内部に形成されたキャビティユニットに接合され、前記圧力室内のインクを前記ノズルから吐出させるために変位する積層型圧電素子であって、一方の広幅面に前記圧力室に対応する個別電極のパターンを列状に並んで形成した複数の第1の圧電シートと、一方の広幅面にコモン電極のパターンを形成した複数の第2の圧電シートとが交互に積層され、前記各個別電極及び前記各コモン電極が積層方向に重なる箇所を活性部となし、前記各圧電シートには、前記積層方向に隣接する前記個別電極同士または前記コモン電極同士を導電材料を介して導通させるためのスルーホールが配設されて成る積層型圧電素子において、前記変位を伝えるために他の部品と接触または接合し、前記積層方向の一方に形成された面を有すると共に、前記第2 の圧電シートに形成されたコモン電極のパターンは、前記第1の圧電シートにおける前記個別電極のパターンの並び方向に沿って延在し、且つ前記各個別電極と積層方向に重なるコモン電極と、前記コモン電極と一体形成され、且つ前記第1の圧電シートにおける前記個別電極の並び方向の延長位置と積層方向に重なる引き出し部とを有し、前記スルーホールは、前記個別電極に対応して穿設されたスルーホールと、前記引き出し部に対応して穿設されたスルーホールとからなり、前記各圧電シートにおいて前記個別電極のパターンの並び方向と平行な方向に隣接するスルーホール同士は、前記活性部に関して前記個別電極の少なくとも一方側の端部に形成され、且つ前記平行な方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして配置されているものである。
【0025】
請求項3の発明では、請求項1または2に記載の積層型圧電素子において、前記コモン電極を有する前記第2の圧電シートの一方の広幅面のうち前記活性部以外の箇所には、ダミー個別電極のパターンが形成され、前記積層方向に隣接する個別電極同士を導通させるためのスルーホールは、前記個別電極のパターンと前記ダミー個別電極のパターンとが前記積層方向から見て重なる領域内に配設されており、前記各ダミー個別電極の箇所におけるスルーホールは、これと前記平行な方向に隣接するスルーホールに対して、前記平行な方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして配置されている。
【0026】
請求項4の発明では、請求項1乃至3のいずれかに記載の積層型圧電素子において、前記圧電シートの積層体における表裏両広幅面のうちの一方に形成した表面電極と、これに対応する前記個別電極または前記コモン電極とを、スルーホールを介して導通させるように構成し、前記各表面電極の箇所におけるスルーホールは、これと前記平行な方向に隣接するスルーホールに対して、前記平行な方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして配置されているものである
【0027】
請求項5の発明では、請求項3または4に記載の積層型圧電素子において、前記圧電シートの積層体において、前記表面電極が形成された面と反対側の面を含む第1の圧電シートは、スルーホールが形成されていないと共に、前記一方の広幅面にのみ前記個別電極のパターン及びダミーコモン電極のパターンが形成されているものである
【0028】
請求項6の発明では、請求項5に記載の積層型圧電素子において、前記第1の圧電シートの一方の広幅面のうち活性部以外の箇所には、前記ダミーコモン電極のパターンが形成され、積層方向に隣接する前記コモン電極同士を導通させるためのスルーホールは、前記コモン電極のパターンと前記ダミーコモン電極のパターンとが積層方向から見て重なる領域にあり、前記第2の圧電シートに形成された前記コモン電極のパターンは、前記第1の圧電シートにおける前記個別電極のパターンの並び方向に沿って延在し、且つ前記個別電極と積層方向に重なる前記コモン電極と、該コモン電極と一体形成され、且つ前記第1の圧電シートにおける個別電極の並び方向の延長位置と積層方向に重なる引き出し部とを有し、前記コモン電極同士を導通させるためのスルーホールは、前記引き出し部に対応して穿設されているものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のうちのいずれかに記載の積層型圧電素子において、前記各圧電シートにおいて、前記個別電極のパターンの並び方向と平行な方向に隣接するスルーホール同士は、前記コモン電極に対応して形成されたスルーホールも含めて、平行な方向に沿って一列状に並ばないように適宜ずらして配置されているものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のうちのいずれかに記載の積層型圧電素子において、前記積層方向に隣接するスルーホール同士は、連通しないように適宜ずらして配置されているものである
【0029】
【発明の効果】
請求項1のように構成すると、前記各圧電シートにおいて前記個別電極のパターンの並び方向と平行な方向に隣接するスルーホール同士が、前記平行な方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして配置されるから、このような各圧電シートを積層することによって、前記各スルーホールは平面視でジグザグ状に分散した状態となる。この場合、焼成による収縮にて生じる応力は、前記積層型圧電素子に対して分散するから、後工程で焼成したのちの積層型圧電素子における前記平行な方向から見て強度的に弱いスルーホールの箇所を谷としたV字状の反りの変形量を小さくできる。
【0030】
そうすると、例えば、前記積層型圧電素子をインクジェットヘッドの駆動源として用いる場合は、前記積層型圧電素子をキャビティプレートの表面に接着固定するに際して、これらの接着面に隙間(空間)が発生しないから、インクジェットヘッドとして製品となった状態でのインク漏れ等の不良を防止できる。
【0031】
請求項3または請求項4のように構成すると、前記コモン電極を有する圧電シートや、前記表面電極を有する圧電シートにおいても、前記ダミー個別電極または前記表面電極の箇所におけるスルーホールが、これと前記平行な方向に隣接するスルーホールに対して、前記平行な方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして配置されるから、焼成による収縮にて生じる応力が前記積層型圧電素子に対して分散して、後工程で焼成したのちの積層型圧電素子における前記平行な方向から見た反りの変形量を小さくするという作用効果を確実に達成できる。
請求項5の発明によれば、前記圧電シートの積層体において、前記表面電極が形成された面と反対側の面を含む第1の圧電シートは、スルーホールが形成されていないと共に、前記一方の広幅面にのみ前記個別電極のパターン及びダミーコモン電極のパターンが形成されているものであるので、前記積層型圧電素子における前記表面電極が形成されていない面が接着・固定される被駆動体(例えばキャビティユニット等)に導通しないようにすることが確実にできる。
【0032】
そして、請求項6の発明のように、前記個別電極を有する圧電シートにパターン形成したダミーコモン電極についても積層方向に連通しないように適宜ずらして配置した場合も、前記反りの変形量を小さくするという作用効果を確実に達成できる。
【0033】
また、請求項8のように構成すると、前記各スルーホールは、前記各圧電シートにおいて前記平行な方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして配置されるだけでなく、積層方向に隣接するもの同士も連通しないように適宜ずらして配置されるから、この場合も、後工程で焼成したのちの積層型圧電素子における前記平行な方向から見た反りの変形量をより小さくでき、請求項1の作用効果を向上させることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を、圧電式インクジェットヘッドに適用した場合の図面(図1〜図11)に基づいて説明する。
【0035】
図1〜図8は本発明の第1実施形態を示している。図1、図2及び図8に示すように、金属板製のキャビティプレート10に接合するプレート型の圧電アクチュエータ20の上面(広幅面)には、外部機器との接続のために、フレキシブルプリントケーブル40が重ね接合されており、キャビティプレート10の下面側に開口したノズル54から下向きにインクが吐出するものである。
【0036】
図3及び図4に示すように、キャビティプレート10は、ノズルプレート43、2枚のマニホールドプレート12、スペーサプレート13及びベースプレート14の5枚の薄板を接着にて重ね接合することにより積層した構造となっている。第1実施形態では、ノズルプレート43を除いた各プレート12,13,14は、42%ニッケル合金鋼板製で、50μm〜150μm程度の厚さである。
【0037】
ノズルプレート43には、微小径のインク噴出用のノズル54が、このノズルプレート43の長手方向に沿って2列の千鳥配列状に配設されている。すなわち、前記ノズルプレート43の長手方向と平行な2つの基準線43a,43bに沿って、微小ピッチPの間隔で千鳥状配列にて、多数個のノズル54が穿設されている。
【0038】
また、前記各ノズル54に対応する圧力室16(詳細は後述する)と、圧電アクチュエータ20における活性部35(詳細は後述する)とは各プレート43,12,13,14の平面視で上下に重なって対応する位置に配列されている。前記各圧力室16は、前記ノズルプレート43の長手方向と交差(直交)する方向に延びるように形成されており、圧力室16の列は前記ノズルプレート43の長手方向に沿って配列されている。
【0039】
スペーサプレート13と対向する上側マニホールドプレート12にはインク通路としての一対のマニホールド室12a,12aが、ノズルプレート43と対向する下側マニホールドプレート12には同じく一対のマニホールド室12b,12bが、前記ノズル54の列の両側に沿って延びるように穿設されている。この場合、各マニホールド室12a,12bは、平面視で圧力室16の列と重なるように延びている(図3及び図4参照)。
【0040】
なお、下側マニホールドプレート12のマニホールド室12b,12bは、この下側マニホールドプレート12の上面側にのみ開放するように凹み形成されている(図4参照)。これらマニホールド室12a,12bは、上側マニホールドプレート12に対してスペーサプレート13を積層することにより密閉される構造となっている。
【0041】
ベースプレート14には、この長辺方向に沿う中心線に対して直交する方向(短辺方向)に延びる細幅の圧力室16の多数個が穿設されている。前記中心線を挟んで左右両側にて平行状の長手基準線14a,14bを設定すると、前記中心線より左側の圧力室16の先端16aは、前記左側の長手基準線14a上に位置し、逆に、前記中心線より右側の圧力室16の先端16aは、前記右側の長手基準線14b上に位置している。また、当該左右の圧力室16の先端16aはそれぞれ交互に配置されている。したがって、左右両側の圧力室16は一つおきに互いに逆方向に延びるように交互に配置されている(図4参照)。
【0042】
前記各圧力室16の先端16aは、ノズルプレート43における千鳥状配列のノズル54に対して、スペーサプレート13、2枚のマニホールドプレート12に千鳥状配列に穿設した微小径の貫通孔17を介して連通している。一方、前記各圧力室16の他端16bは、スペーサプレート13の左右両側部に穿設した貫通孔18を介してマニホールドプレート12におけるマニホールド室12a,12bに連通している。
【0043】
なお、図4に示すように、前記他端16bは、ベースプレート14の下面側にのみ開口するように凹み形成されている。また、最上層のベースプレート14の一端部に穿設した供給孔19a,19aの上面には、その上方のインクタンク(図示せず)から供給されるインク中の塵除去のためのフィルタ29が張設されている。そして、スペーサプレート13においてベースプレート14の一端部に穿設した供給孔19a,19aと対応する位置にも、供給孔19b,19bが穿設されている。
【0044】
以上により、インクタンク(図示せず)からベースプレート14及びスペーサプレート13における供給孔19a,19bを介して左右両マニホールド室12a,12b内に流入したインクは、この各マニホールド室12a,12bから各貫通孔18を通って各圧力室16内に分配されたのち、この各圧力室16内から各貫通孔17を通って、当該各圧力室16に対応するノズル54に至るという構成となっている(図3及び図4参照)。
【0045】
次に、本発明に係る積層型圧電素子である圧電アクチュエータ20の構造を図5〜図7に基づいて説明する。
【0046】
図5に示すように、圧電アクチュエータ20は、8枚の圧電シート21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,22と、1枚の絶縁シート23とを積層した構造となっている。第1実施形態では、前記各圧電シート21a〜21g,22及び絶縁シート23の厚さは、いずれも15μm〜40μm程度である。絶縁シート23は、製造上、他の圧電シートと全く同じ材料を用いることが好ましい。
【0047】
特開平4−341851号公報に記載のものと同様に、最下層の圧電シート22とそれから上方へ数えて奇数番目の圧電シート21b,21d,21fの表面(広幅面)のうち短辺の中央線を挟んだ両側には、細幅の個別電極24が、これら各圧電シート22,21b,21d,21f(請求項における第1の圧電シートに相当)の短辺縁と平行状に、かつ、長辺方向に列状にパターン形成されている。当該個別電極24のパターンは、キャビティプレート10における各圧力室16の箇所に対応したものである。前記各個別電極24の幅寸法は、これと対応する圧力室16の広幅部よりも少し狭くなるように設定されている。
【0048】
下から偶数番目の圧電シート21a,21c,21e,21g(請求項における第2の圧電シートに相当)の表面(広幅面)には複数個の圧力室16に対して共通のコモン電極25が形成されている。前記各圧電シート21a〜21gのうち前記個別電極24及び前記コモン電極25が積層方向に重なる箇所、すなわち、挟まれる箇所は、圧電効果により歪みを生じる活性部35である。
【0049】
他方、圧力室16は、ベースプレート14の長辺方向に沿って2列状に配列されているので、コモン電極25は、当該2列の圧力室16,16を一体的に覆うように、前記偶数番目の圧電シート21a,21c,21e,21gの短辺方向の中央部において長辺方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。前記偶数番目の圧電シート21a,21c,21e,21gにおける一対の短辺縁の近傍箇所には、当該短辺縁の略全長にわたって延びる引き出し部25a,25aが前記コモン電極25と一体形成されている。
【0050】
また、前記偶数番目の圧電シート21a,21c,21e,21gの表面のうち前記活性部35以外の箇所(前記偶数番目の圧電シート21a,21c,21e,21gにおける一対の長辺縁の近傍箇所であって、前記コモン電極25が形成されていない箇所)には、前記個別電極24と略同じ幅寸法で長さの短いダミー個別電極26が、前記個別電極24と対応するパターンで、すなわち、前記個別電極24と同じ上下位置に形成されている。これらダミー個別電極26は、圧電アクチュエータ20の変形作用(歪み)には寄与しない捨てパターンの電極であるが、前記各圧電シート22,21a〜21g及び絶縁シート23を積層した場合の部分的な厚さの変化を少なくするためのものである。
【0051】
前記奇数番目の圧電シート22,21b,21d,21fの表面のうち前記引き出し部25a,25aと対応する位置(同じ上下位置)には、捨てパターンの電極としてのダミーコモン電極27が形成されている。
【0052】
最上層の圧電シートである絶縁シート23の表面には、前記個別電極24に対する表面電極30と、前記コモン電極25の引き出し部25aに対する表面電極31とが、当該絶縁シート23の一対の長辺縁に沿って形成されている。
【0053】
前記最下層の圧電シート22を除いて、他の全ての圧電シート21a〜21gと絶縁シート23とには、前記表面電極30と、これに対応する位置の個別電極24及びダミー個別電極26とが互いに連通するように、スルーホール32が穿設されている。
【0054】
同様にして、前記各圧電シート21a〜21g及び絶縁シート23には、少なくとも1つの表面電極31(第1実施形態では絶縁シート23の四隅の位置の表面電極31)と、これに対応する位置の引き出し部25a及びダミーコモン電極27とが互いに連通するように、スルーホール33が穿設されている。これら各スルーホール32,33には、前記個別電極24やコモン電極25等と同じ材質(例えばAg−Pd系の導電ペースト等)の導電材料が充填されている。
【0055】
図5及び図6に示すように、第1実施形態では、前記各圧電シート21a〜21g及び絶縁シート23における各スルーホール32,33は、前記各圧電シート21a〜21g及び絶縁シート23の長辺方向(前記個別電極24(または前記ダミー個別電極26)のパターンの並び方向に平行な方向)に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして穿設されている。
【0056】
すなわち、前記絶縁シート23における各スルーホール32,33は、前記絶縁シート23の一方の短辺縁側から順に、前記絶縁シート23の長辺縁から短辺方向に適宜寸法L1、L2、L3、L1、・・・だけ離れた位置に適宜ずらして穿設されている。そして、前記絶縁シート23より下層の各圧電シート21a〜21gにおける各スルーホール32,33も、前記絶縁シート23における各スルーホール32,33にそれぞれ対応(連通)するように、前記各圧電シート21a〜21gの一方の短辺縁側から順に、前記各圧電シート21a〜21gの長辺縁から短辺方向に適宜寸法L1、L2、L3、L1、・・・だけ離れた位置に適宜ずらして穿設されている。
【0057】
なお、前記各圧電シート21a〜21g及び絶縁シート23における各スルーホール32,33の配置は、前述のパターンに限定されるものではなく、前記長辺方向に隣接するスルーホール32,33同士が、前記長辺方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして配設されていればよい。
【0058】
前記圧電アクチュエータ20は、以下に述べる方法で製造される。
【0059】
すなわち、前記圧電アクチュエータ20における圧電シート21b(21d,21f,22も同様)の複数個分をマトリックス状に並べた大きさを有する第1素材シート(グリーンシート)の表面のうち各圧電シート21b(21d,21f)となる箇所に、複数個の個別電極24と捨てパターンの電極としてのダミーコモン電極27とを設ける位置に対して、予めスルーホール32を穿設する。
【0060】
同様にして、圧電シート21a(21c,21e,21gも同様)の複数個分をマトリックス状に並べた大きさを有する第2素材シート(グリーンシート)の表面のうち各圧電シート21a(21c,21e,21g)となる箇所に、複数個のコモン電極25の引き出し部25aと捨てパターンの電極としてのダミー個別電極26とを設ける位置に対して、予めスルーホール33を穿設する。
【0061】
さらに、絶縁シート23の複数個をマトリックス状に並べた大きさを有する第3素材シート(グリーンシート)の表面のうち各絶縁シート23の箇所に、複数個の表面電極30,31を設ける位置に対して、スルーホール32,33を穿設する。
【0062】
そして、前記各圧電シート22,21b,21d,21fの表面に個別電極24及びダミーコモン電極27を、前記各圧電シート21a,21c,21e,21gの表面にコモン電極25及びダミー個別電極26を、絶縁シート23の表面に表面電極30,31を、それぞれAg−Pd系の導電ペースト等の導電材料を用いたスクリーン印刷にて形成する。
【0063】
この場合、前記各スルーホール32,33は、前記第1〜第3素材シートの上下広幅面に貫通しているから、前記各スルーホール32,33内に前記導電材料が浸入し、前記各スルーホール32,33を介して各電極部分24,25,26,27,30,31を通じてシートの上下面で導通可能となる。次いで、前記各素材シートを乾燥したのち積層し、次いで積層方向にプレスすることにより一体化して1枚の積層体にして焼成する。その後所定の大きさにカットする。
【0064】
以上により、上下に積層した複数の圧電シート22,21a〜21g及び絶縁シート23においては、同じ上下位置の個別電極24とダミー個別電極26と表面電極30とがスルーホール32内の導電材料を介して電気的に接続される一方、同じく上下複数枚のコモン電極25とダミーコモン電極27と表面電極31とがスルーホール33内の導電材料を介して電気的に接続される(図7参照)。
【0065】
図1、図2及び図8に示すように、前記圧電アクチュエータ20の下面(キャビティプレート10の圧力室16と対向する広幅面)全体に、接着剤層としてのインク非浸透性の合成樹脂材からなる接着剤シート41を予め貼着し、次いで、前記キャビティプレート10に対して、前記圧電アクチュエータ20における各個別電極24が前記キャビティプレート10における各圧力室16の各々に対応するように接着・固定される。
【0066】
また、前記圧電アクチュエータ20における上面には、前記フレキシブルプリントケーブル40を重ね押圧することによって、前記フレキシブルプリントケーブル40における各種の配線パターン(図示せず)が前記各表面電極30,31に電気的に接合される。
【0067】
なお、前記接着剤シート41等の接着剤層の材料としては、少なくともインク非浸透性で、かつ、電気絶縁性を備えたものであって、ナイロン系やダイマー酸ベースのポリアミド樹脂を主成分とするポリアミド系ホットメルト形接着剤、ポリエステル系ホットメルト形接着剤のフィルム状のものを用いてもよいが、ポリオレフィン系ホットメルト形接着剤を前記圧電アクチュエータ20の下面に塗布してから、前記キャビティプレート10に接着・固定するようにしても良い。接着層の厚さは約1μm程度である。
【0068】
そして、全個別電極24とコモン電極25との間に、通常の使用時よりも高い電圧を印可することで、圧電シート21a〜21gの上記両電極24,25間に挟まれる部分を分極処理する。
【0069】
以上の構成において、前記圧電アクチュエータ20における各個別電極24のうち任意の個別電極24とコモン電極25との間に電圧を印加することにより、前記圧電シート21a〜21gのうち前記電圧を印加した個別電極24に対応する部分が圧電による積層方向の歪みを生じ、この歪みにて前記各個別電極24に対応する圧力室16の内容積が縮小されることにより、当該圧力室16内のインクがノズル54から液滴状に噴出して、所定の印字が行われる(図8参照)。
【0070】
第1実施形態では、前記各圧電シート21a〜21g及び絶縁シート23における各スルーホール32,33が、前記各圧電シート21a〜21g及び絶縁シート23の長辺方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして穿設されているから、前記圧電アクチュエータ20における一対の長手側縁の近傍箇所では、最上層から最下層まで積層方向に連通した各スルーホール32,33が平面視ジグザグ状に分散して形成される。
【0071】
すなわち、反りの基点となる前記各スルーホール32,33の積層方向の列が平面視ジグザグ状に分散して形成されるから、焼成による収縮にて生じる応力を前記圧電アクチュエータ20に対して分散させることができる。したがって、後工程で焼成したのちの圧電アクチュエータ20における長手方向端部から見て強度的に弱いスルーホール32,33の箇所を谷とするV字状の反りの変形量を小さくできる。
【0072】
その結果、前記圧電アクチュエータ20を前記キャビティプレート10の表面に接着固定する場合において、前記圧電アクチュエータ20と前記キャビティプレート10との接着面に隙間(空間)が発生しないから、インクジェットヘッドとして製品となった状態でのインク漏れ等の不良を防止できるのである。
【0073】
さらに、前記圧電アクチュエータ20と前記キャビティプレート10とを接着するに際して、これらの広幅面(接着面)が平坦となるように、前記両者を押し付ける接着圧力をも低荷重にできる。なお、このことは、前記両者を押し付けることによって、前記圧電アクチュエータ20が折れる等の不具合も解消できるのである。
【0074】
図9〜図11は、スルーホールの配置パターンの第2実施形態を示している。第2実施形態では、最下層の圧電シート22を除いて、他の全ての圧電シート21a〜21g及び絶縁シート23に、前記表面電極30と、これに対応する位置の個別電極24及びダミー個別電極26とを互いに導通させるためのスルーホール32′が穿設されている。
【0075】
同様にして、前記各圧電シート21a〜21g及び絶縁シート23には、少なくとも1つの表面電極31(第2実施形態では絶縁シート23の四隅の位置の表面電極31)と、これに対応する位置の引き出し部25a及びダミーコモン電極27とを互いに導通させるためのスルーホール33′も穿設されている。これら各スルーホール32′,33′も、前記個別電極24やコモン電極25等と同じ材質(例えばAg−Pd系の導電ペースト等)の導電材料が充填されている。
【0076】
図10に詳細に示すように、第2実施形態では、前記絶縁シート23における各スルーホール32′,33′は、前記絶縁シート23の一方の短辺縁側から順に、前記絶縁シート23の長辺縁から短辺方向に適宜寸法L1、L2、L3、L1、・・・だけ離れた位置に適宜ずらして穿設され、前記絶縁シート23より1層下の圧電シート21aにおける各スルーホール32′,33′は、前記圧電シート21aの一方の短辺縁側から順に、前記圧電シート21aの長辺縁から短辺方向に適宜寸法L2、L3、L1、L2、・・・だけ離れた位置に適宜ずらして穿設されている。
【0077】
そして、前記圧電シート21aより1層下の圧電シート21bにおける各スルーホール32′,33′は、前記圧電シート21bの一方の短辺縁側から順に、前記圧電シート21bの長辺縁から短辺方向に適宜寸法L3、L1、L2、L3、・・・だけ離れた位置に適宜ずらして穿設されている。残りの圧電シート21c〜21gにおける各スルーホール32′,33′についても、前記パターンに則って穿設されている。
【0078】
すなわち、前記各スルーホール32′,33′は、前記各圧電シート21a〜21g及び絶縁シート23の長辺方向(前記個別電極24(または前記ダミー個別電極26)のパターンの並び方向に平行な方向)に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして穿設されているのみならず、積層方向に隣接するもの同士も連通しないように適宜ずらして穿設されているのである(図11参照)。
【0079】
ここで、前記積層方向に隣接する個別電極24同士を導通させるためのスルーホール32′,33′の穿設位置は、前記積層方向から見て、前記個別電極24、前記ダミー個別電極26及び前記表面電極30が重なる領域内、並びに、前記コモン電極25の引き出し部25a、前記ダミーコモン電極27及び前記表面電極31が重なる領域内に位置するように各々設定されている。
【0080】
各スルーホール32′,33′内の導電材料は、1層下の圧電シートにおける電極の表面と接触し、前記実施形態と同様に、積層方向の個別電極24、ダミー個別電極26及び表面電極30が相互に導通し、また、コモン電極25の引き出し部25a、ダミーコモン電極27及び表面電極31が相互に導通する。
【0081】
以上のように構成すると、前記各スルーホール32′,33′は、前記各圧電シート21a〜21g及び絶縁シート23の長辺方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして穿設されるだけでなく、積層方向に隣接するもの同士も連通しないように適宜ずらして穿設されているから、焼成による収縮にて生じる応力は、前記圧電アクチュエータ20に対して、第1実施形態の場合よりもさらに分散し得ることとなる。
【0082】
したがって、後工程で焼成したのちの圧電アクチュエータ20における前記の変形量は、第1実施形態の場合よりもさらに小さくでき、前記圧電アクチュエータ20における平坦さの精度が向上するのである。
【0083】
本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば、圧電アクチュエータ20の最下層には圧電シート22を採用したが、他の層の圧電シートの歪みを圧力室に伝えるものであれば、他の絶縁材料を用いてもよい。また、最上層の絶縁シート23についても他の絶縁材料を用いてもよい。この場合は、圧電シートの歪みのうち、上方(キャビティプレート10と反対側)へ突出する歪みを抑制するものであることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の圧電式インクジェットヘッドを示す分解斜視図である。
【図2】 圧電アクチュエータとキャビティプレートとの一端部を示す拡大斜視図である。
【図3】 キャビティプレートの分解斜視図である。
【図4】 キャビティプレートの部分拡大斜視図である。
【図5】 圧電アクチュエータの分解斜視図である。
【図6】 圧電アクチュエータの部分拡大分解斜視図である。
【図7】 図6のVII−VII視側断面図である。
【図8】 フレキシブルプリントケーブル、キャビティプレート及び圧電アクチュエータを積層した状態を示す拡大断面図である。
【図9】 第2実施形態の圧電アクチュエータの分解斜視図である。
【図10】 圧電アクチュエータの部分拡大分解斜視図である。
【図11】 図10のXI−XI視側断面図である。
【図12】 従来の圧電アクチュエータの分解斜視図である。
【図13】 図12のXIII−XIII視側断面図である。
【図14】 図13の変形状態の説明図である。
【符号の説明】
10 キャビティプレート
12 マニホールドプレート
13 スペーサプレート
14 ベースプレート
16 圧力室
20 圧電アクチュエータ
21a〜21g,22 圧電シート
23 絶縁シート
24 個別電極
25 コモン電極
25a 引き出し部
26 ダミー個別電極
27 ダミーコモン電極
30,31 表面電極
32,33,32′,33′ スルーホール
40 フレキシブルプリントケーブル
43 ノズルプレート
54 ノズル

Claims (8)

  1. 一方の広幅面に個別電極のパターンを列状に並んで形成した複数の第1の圧電シートと、一方の広幅面にコモン電極のパターンを形成した複数の第2の圧電シートとが交互に積層されて、前記各個別電極及び前記各コモン電極が積層方向に重なる箇所を活性部と成し、前記各圧電シートには、前記積層方向に隣接する前記個別電極同士または前記コモン電極同士を導電材料を介して導通させるためのスルーホールが配設されて成る積層型圧電素子において、
    焼成されて前記第1の圧電シートとなる前記個別電極のパターンと前記スルーホールとが形成された第1素材シートと、焼成されて前記第2の圧電シートとなる前記コモン電極のパターンと前記スルーホールとが形成された第2の素材シートとが積層され、且つ焼成されて1枚の積層体に構成され、
    前記積層体を構成する前記各圧電シートにおいて前記個別電極のパターンの並び方向と平行な方向に隣接するスルーホール同士は、前記活性部に関して前記個別電極の少なくとも一方側の端部に形成され、且つ前記平行な方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして配置されていることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. ノズルと圧力室とを含むインク通路が内部に形成されたキャビティユニットに接合され、前記圧力室内のインクを前記ノズルから吐出させるために変位する積層型圧電素子であって、
    一方の広幅面に前記圧力室に対応する個別電極のパターンを列状に並んで形成した複数の第1の圧電シートと、一方の広幅面にコモン電極のパターンを形成した複数の第2の圧電シートとが交互に積層され、前記各個別電極及び前記各コモン電極が積層方向に重なる箇所を活性部となし、前記各圧電シートには、前記積層方向に隣接する前記個別電極同士または前記コモン電極同士を導電材料を介して導通させるためのスルーホールが配設されて成る積層型圧電素子において、
    前記変位を伝えるために他の部品と接触または接合し、前記積層方向の一方に形成された面を有すると共に、
    前記第2の圧電シートに形成されたコモン電極のパターンは、前記第1の圧電シートにおける前記個別電極のパターンの並び方向に沿って延在し、且つ前記各個別電極と積層方向に重なるコモン電極と、前記コモン電極と一体形成され、且つ前記第1の圧電シートにおける前記個別電極の並び方向の延長位置と積層方向に重なる引き出し部とを有し、
    前記スルーホールは、前記個別電極に対応して穿設されたスルーホールと、前記引き出し部に対応して穿設されたスルーホールとからなり、
    前記各圧電シートにおいて前記個別電極のパターンの並び方向と平行な方向に隣接するスルーホール同士は、前記活性部に関して前記個別電極の少なくとも一方側の端部に形成され、且つ前記平行な方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして配置されていることを特徴とする積層型圧電素子。
  3. 前記コモン電極を有する前記第2の圧電シートの一方の広幅面のうち前記活性部以外の箇所には、ダミー個別電極のパターンが形成され、前記積層方向に隣接する個別電極同士を導通させるためのスルーホールは、前記個別電極のパターンと前記ダミー個別電極のパターンとが前記積層方向から見て重なる領域内に配設されており、
    前記各ダミー個別電極の箇所におけるスルーホールは、これと前記平行な方向に隣接するスルーホールに対して、前記平行な方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型圧電素子。
  4. 前記圧電シートの積層体における表裏両広幅面のうちの一方に形成した表面電極と、これに対応する前記個別電極または前記コモン電極とを、スルーホールを介して導通させるように構成し、
    前記各表面電極の箇所におけるスルーホールは、これと前記平行な方向に隣接するスルーホールに対して、前記平行な方向に沿って一列状に整列しないように適宜ずらして配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  5. 前記圧電シートの積層体において、前記表面電極が形成された面と反対側の面を含む第1の圧電シートは、スルーホールが形成されていないと共に、前記一方の広幅面にのみ前記個別電極のパターン及びダミーコモン電極のパターンが形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の積層型圧電素子。
  6. 前記第1の圧電シートの一方の広幅面のうち活性部以外の箇所には、前記ダミーコモン電極のパターンが形成され、積層方向に隣接する前記コモン電極同士を導通させるためのスルーホールは、前記コモン電極のパターンと前記ダミーコモン電極のパターンとが積層方向から見て重なる領域にあり、
    前記第2の圧電シートに形成された前記コモン電極のパターンは、前記第1の圧電シートにおける前記個別電極のパターンの並び方向に沿って延在し、且つ前記個別電極と積層方向に重なる前記コモン電極と、該コモン電極と一体形成され、且つ前記第1の圧電シートにおける個別電極の並び方向の延長位置と積層方向に重なる引き出し部とを有し、
    前記コモン電極同士を導通させるためのスルーホールは、前記引き出し部に対応して穿設されていることを特徴とする請求項5に記載の積層型圧電素子。
  7. 前記各圧電シートにおいて、前記個別電極のパターンの並び方向と平行な方向に隣接するスルーホール同士は、前記コモン電極に対応して形成されたスルーホールも含めて、平行な方向に沿って一列状に並ばないように適宜ずらして配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれかに記載の積層型圧電素子
  8. 前記積層方向に隣接するスルーホール同士は、連通しないように適宜ずらして配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のうちのいずれかに記載の積層型圧電素子。
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