JP3847958B2 - 樹脂モールドコイル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂モールドコイル及びその製造方法に係り、特に静止誘導機器に備えられる変圧器を構成する樹脂モールドコイル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のモールド変圧器等の樹脂モールドコイルは、特開昭57−187921号公報に見られるように内金型の上に繊維質材料に熱硬化性樹脂、例えばエポキシ系樹脂、を含浸し、半硬化状態にしたプリプレグ材を巻回し、そして、モールド樹脂、例えばエポキシ系樹脂、を充填し硬化していた。しかし、変圧器短絡事故時等に発生する電磁機械力に対する強度を向上させる場合や内金型の代わりに繊維質材料に熱硬化性樹脂を含浸、硬化したボビンを使う場合、繊維質材料としてガラス基材が主に用いられる。
【0003】
従来のモールド変圧器は、繊維質のガラス基材に熱硬化性樹脂を含有させ硬化したプリプレグ材を巻線の内周に配置していた。巻線導体の線膨張係数は、アルミニウムは約2.35×1/105、銅は約1.65×1/105であり、一方、プリプレグ材に使用するガラス基材の線膨張係数は約0.6×1/105であって、線膨張係数の違いから、樹脂硬化時や変圧器運転時に熱応力が発生し、樹脂モールドコイルにクラックが発生することがある。そして、そのクラックから水分、塵埃などが巻線内に侵入し、絶縁破壊事故を起こす原因の1つであった。繊維質のガラス基材に熱硬化性樹脂の含有量を多くしてプリプレグ材の線膨張係数を大きくなり、熱応力は緩和されるが、プリプレグ材硬化物の強度が低下し、変圧器短絡事故時の電磁機械力に対する強度不足となり、そして、内金型の代わりに繊維質材料に熱硬化性樹脂を含浸、硬化したボビンを使う場合、巻線時のテンションに対する強度不足となる。また、内金型を使用せずに繊維質材料に熱硬化性樹脂を含浸、硬化したボビンを使う場合、巻線と剥離し易く、熱応力によりクラックが発生し易いという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、樹脂硬化時及び変圧器運転時の熱応力を緩和し、変圧器短絡事故時の電磁機械力に対する強度を高め、そして、内金型の代わりに繊維質材料に熱硬化性樹脂を含浸、硬化したボビンを使う場合、巻線時のテンションに対する強度を向上させることにより、上記従来技術の問題点を解決し、信頼性の高い樹脂モールドコイルを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、繊維質のガラス基材からなるボビンの上に巻線を施し、モールド樹脂を充填し硬化した樹脂モールドコイルにおいて、繊維質のガラス基材に熱硬化性樹脂を含有し硬化した第1のプリプレグ材と、該第1のプリプレグ材の周りに、繊維質のガラス基材からなり、かつ、熱硬化性樹脂の含有量を前記第1のプリプレグ材より多くした第2のプリプレグ材を巻いてボビンとし、前記モールド樹脂を充填するときに、前記第2のプリプレグ材にも該モールド樹脂を含浸し、モールド樹脂を硬化するときに前記第2のプリプレグ材内のモールド樹脂も一緒に硬化した樹脂モールドコイルである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の発明の実施の形態を説明する。
本発明の樹脂モールドコイル及びその製造方法の実施例について、図1及び図2により説明する。図1は、実施例1の樹脂モールドコイルの断面説明図である。図2は、実施例2の樹脂モールドコイルの断面説明図である。
【0012】
実施例1を説明する。図1は本実施例の樹脂モールドコイルの断面の説明図である。本実施例の樹脂モールドコイルは、ボビン1、巻線2、モールド樹脂層3等からなる。ボビン1は、繊維質のガラス基材に熱硬化性樹脂、例えばエポキシ系樹脂、を含有し硬化するプリプレグ材からなり、巻線に遠い第1プリプレグ層11と近い第2プリプレグ層12の複数の層を有する。第2プリプレグ層12は、熱硬化性樹脂の含有量が第1プリプレグ層11より多いため、線膨張係数が巻線導体の線膨張係数と近くなり、熱応力の発生を防止することができる。一方、第1プリプレグ層11は、熱硬化性樹脂の含有量が第2プリプレグ層12より少ないため、強度を保持することができる。モールド樹脂層3は、モールド樹脂、例えばエポキシ系樹脂、を巻線2の外周、上下等に充填し硬化して形成する。
【0013】
次に、本実施例の樹脂モールドコイルの製造方法を説明する。内金型4の周りに硬化したプリプレグ材11、12の複数の層からなるボビン1を形成し、そのボビン1の上に巻線2を施し、さらにモールド樹脂を充填し硬化して、外周、上下等にモールド樹脂層3を設ける。ボビン1として用いるプリプレグ層11、12は、繊維質のガラス基材に熱硬化性樹脂を含有し硬化したもので、巻線に遠い層である第2プリプレグ層12の樹脂含有量は、巻線に近い層である第1プリプレグ層11より多くする。これにより、熱硬化性樹脂を多く含有し硬化したプリプレグ材からなる巻線に近い層12と、熱硬化性樹脂を少なく含有し硬化したプリプレグ材からなる巻線に遠い層11と、を有するボビンを備える樹脂モールドコイルを得ることができる。
【0014】
なお、プリプレグ材11、12として半硬化状態のものを使用し、そして、モールド樹脂を硬化するときに、プリプレグ材11、12を一緒に硬化することもできる。また、内金型4を使用せず、予め硬化したプリプレグ層11、12からなるボビン1を使用し、そのボビン1の上に巻線2を施し、モールド樹脂を充填し硬化することもできる。また、予め硬化した第1プリプレグ層11の周りに第2プリプレグ12を巻いてボビン1とし、そして、モールド樹脂を充填し硬化するときに、第2プリプレグ材12を一緒に硬化することもできる。プリプレグ層11、12は、それぞれ更に複数のプリプレグ層からなっていてもよいが、巻線に近いプリプレグ層12は、樹脂含有量が多くなるようにする。
【0015】
実施例2を説明する。本実施例の樹脂モールドコイルを図2に示す。図2のモールドコイルは、第1プリプレグ層11の上にガラス基材13を巻き、さらにその上に巻線2を施す。その外周、上下等にはモールド樹脂層3を設ける。この時、第1プリプレグ層11は、繊維質のガラス基材に予め熱硬化性樹脂を含有し硬化したものである。ガラス基材13は、モールド樹脂含浸性のある繊維質のもので、モールド樹脂を含浸した場合、プリプレグ層11の熱硬化性樹脂含有量よりモールド樹脂含有量が多くなるようにする。そして、ガラス基材13に含浸したモールド樹脂は、モールド樹脂層3を硬化する時に一緒に硬化する。プリプレグ層11、13は、それぞれ更に複数のプリプレグ層からなっていてもよいが、巻線に近いプリプレグ層は、樹脂含有量が多くなるようにする。これにより、モールド樹脂を多く含有し硬化したプリプレグ材からなる巻線に近い層13と、熱硬化性樹脂を少なく含有し硬化したプリプレグ材からなる巻線に遠い層11と、を有するボビンを備える樹脂モールドコイルを得ることができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、樹脂硬化時及び変圧器運転時の熱応力を緩和し、変圧器短絡事故時の電磁機械力に対する強度を高め、そして、内金型の代わりに繊維質材料に熱硬化性樹脂を含浸、硬化したボビンを使う場合、巻線時のテンションに対する強度を向上させ、信頼性の高い樹脂モールドコイルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の樹脂モールドコイルの断面説明図。
【図2】実施例2の樹脂モールドコイルの断面説明図。
【符号の説明】
1 ボビン
11、12 プリプレグ層
13、 ガラス基材
2 巻線
3 モールド樹脂層
4 内金型
Claims (1)
- 繊維質のガラス基材からなるボビンの上に巻線を施し、モールド樹脂を充填し硬化した樹脂モールドコイルにおいて、
繊維質のガラス基材に熱硬化性樹脂を含有し硬化した第1のプリプレグ材と、該第1のプリプレグ材の周りに、繊維質のガラス基材からなり、かつ、熱硬化性樹脂の含有量を前記第1のプリプレグ材より多くした第2のプリプレグ材を巻いてボビンとし、前記モールド樹脂を充填するときに、前記第2のプリプレグ材にも該モールド樹脂を含浸し、モールド樹脂を硬化するときに前記第2のプリプレグ材内のモールド樹脂も一緒に硬化したことを特徴とする樹脂モールドコイル。
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- 1998-06-17 JP JP16991098A patent/JP3847958B2/ja not_active Expired - Fee Related
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