JP3847525B2 - 電気湯沸かし器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、収容液体を加熱・保温する電気湯沸かし器及びその洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気湯沸かし器は図7に示すようなものがあった。図において1は外側部を構成する本体で、液体2を収容する容器3を内包している。4は蓋体で通常容器3の上方開口部を覆っている。5は発熱体で容器3の底面部に固着し、容器3底面裏側中央部には温度検知装置6を装着している。7はこの温度検知装置6からの電気的信号により発熱体5への通電を制御する制御装置である。
【0003】
上記構成の動作を説明する。電源供給が行われると液体2は発熱体5により加熱され温度が上昇する。液体2が沸騰状態になると温度検知装置6からの電気的信号により制御装置7は発熱体5の通電を中断する。その後温度検知装置6の電気的信号により制御装置7は発熱体5の通電を制御し液体2を保温する。
【0004】
この加熱・保温の動作を繰り返し行うと、液体2中に存在する水垢成分(炭酸カルシウム等)が析出して容器3内面に付着堆積する。この水垢成分汚れを洗浄するためにはスポンジなど柔らかいものでこすり水垢を除去するか、洗浄力向上剤を添加して数時間保温通電放置を要するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来の手段においては洗浄に手間がかかり、また容器の洗浄が完了するまで数時間という長い時間を要するため飲用湯沸かしの支障をきたすという問題があった。
【0006】
この問題を解決するために、洗浄力向上剤を多量に使用し洗浄能力を向上させると容器内面に施したフッ素コ−トの耐久性を低下させたり、水垢成分と洗浄力向上剤との反応による炭酸ガスの多量発生により洗浄中に本体外へ湯が吹きこぼれ火傷をする危険性があるという問題があった。
【0007】
本発明は上記従来問題点を解決するもので、安全でしかも容器洗浄性の良い電気湯沸かし器を提供することを目的としている。また、安全でしかも容器洗浄性の良い電気湯沸かし器の洗浄方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、外側部を構成する本体と、前記本体内部には液体を収容する容器と、前記容器の上方開口部を覆う蓋体と、前記液体を加熱する発熱体と、前記容器に装着した温度検知装置と、前記温度検知装置からの電気的信号で前記発熱体への通電を制御する制御装置と、前記液体中に存在する成分が加熱・保温の動作の繰り返しにより析出して前記容器内面に付着堆積した水垢による汚れを洗浄するための洗浄力向上剤として前記液体にクエン酸を添加するとともにその洗浄力を前記容器内に発生する高温状態に維持された前記液体の強対流効果により向上すべく前記発熱体により前記液体を沸騰した後前記発熱体を所定時間断続通電させ容器洗浄機能と、前記容器洗浄機能を行うように制御するスイッチとを有する電気湯沸かし器とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、外側部を構成する本体と、前記本体内部には液体を収容する容器と、前記容器の上方開口部を覆う蓋体と、前記液体を加熱する発熱体と、前記容器に装着した温度検知装置と、前記温度検知装置からの電気的信号で前記発熱体への通電を制御する制御装置と、前記液体中に存在する成分が加熱・保温の動作の繰り返しにより析出して前記容器内面に付着堆積した水垢による汚れを洗浄するための洗浄力向上剤として前記液体にクエン酸を添加するとともにその洗浄力を前記容器内に発生する高温状態に維持された前記液体の強対流効果により向上すべく前記発熱体により前記液体を沸騰した後前記発熱体を所定時間断続通電させ容器洗浄機能と、前記容器洗浄機能を行うように制御するスイッチとを有する電気湯沸かし器としているので、容器内の液体を高温状態に維持しつつ液体に対流を起こすことができ、容器内面などに付着した水垢などによる汚れの洗浄を効率的かつ迅速に行うことができる。さらに、容器内に発生する液体の強対流効果により洗浄力を向上できる。
【0010】
(実施の形態1)
まず、本発明の第1の実施の形態について、図1〜図2を参照しながら説明する。図に示すように11は外側部を構成する本体で、液体12を収容する容器13を内包している。14は蓋体で通常容器13の上方開口部を覆っている。15は発熱体で容器13の底面部に固着し、容器13底面裏側中央部には温度検知装置16を装着している。17はこの温度検知装置16からの電気的信号により発熱体15への通電を制御する制御装置である。本体操作部には専用スイッチ19が設けられ制御装置17に接続されている。
【0011】
上記構成の動作を説明する。通常の湯沸かしにおいては、電源供給が行われると液体12は発熱体15により加熱され温度が上昇する。液体12が沸騰状態になると温度検知装置16からの電気的信号により制御装置17は発熱体15への通電を中断する。その後温度検知装置16の電気的信号により制御装置17は発熱体15の通電を制御し液体12を保温する。
【0012】
容器洗浄時においては、容器13内に洗浄力向上剤18(クエン酸など)と液体12を加え電源供給を行ない専用スイッチ19を動作させると、温度検知装置18により容器13内の液体12を沸騰検知後制御装置17は発熱体15を容器洗浄機能として所定時間通電させ、容器洗浄を効率的かつ迅速に行うことができる。
【0013】
つまり、液体を加熱する発熱体を具備した液体を収容する容器に液体を入れ、この液体にクエン酸等の洗浄力向上剤を添加した後、前記発熱体により液体を沸騰させ、その後所定時間前記発熱体の通電を行い液体に対流を起こすことにより容器内面などに付着した水垢などによる汚れを洗浄することによって実現される。
【0014】
(実施の形態2)
次に、本発明の第2の実施の形態について図3〜図5を参照にしながら説明する。図に示すように、発熱体15は主発熱体15aと補助発熱体15bから成り、容器13内に洗浄力向上剤18と液体12を加え電源供給を行ない専用スイッチ19を動作させると、温度検知装置18により容器13内の液体12を沸騰検知した後、容器洗浄機能として所定時間内主発熱体15aあるいは補助発熱体15bあるいは主発熱体15aと補助発熱体15bを連続通電あるいは断続通電する。これにより、液体12の連続沸騰高温状態と容器13内に発生する液体12の強対流効果により洗浄力を向上できる。
【0015】
また、容器洗浄中において容器13内の液体12の温度が一定(80〜99.5℃)となったとき洗浄を中断もしくは停止させることにより、連続沸騰状態時に生ずる湯の吹きこぼれなどの危険性を解消できる。
【0016】
また、容器洗浄中は専用スイッチ19以外の機能スイッチは有効とならないようになっている。これにより、洗浄中であることを明確に表現でき、誤って洗浄力向上剤の入った湯を飲まれる問題を解消できる。
【0017】
また、容器洗浄中は電源供給中止でのみ洗浄運転を中止可能とすることもでき、誤って専用スイッチ19を操作し容器洗浄機能を動作させても洗浄状態から通常状態へ回避することができる。
【0018】
(実施の形態3)
次に、本発明の第3の実施の形態について図6を参照にしながら説明する。図に示すように、一定温度で溶解する溶解体20(ゼラチンなどで成形したもの)で洗浄力向上剤18を包容することにより液体12の温度がある温度まで上昇したときに洗浄力向上剤18は溶解体20外へ放たれ液体12に容易に溶解するため、液体12が冷状態時に洗浄力向上剤18を投入したとき温度検知装置18上方部に溶解し切れず堆積することによる温度検知装置16の誤動作を回避できる。
【0019】
【発明の効果】
以上の実施の形態の説明より明らかなように、請求項1記載の発明によれば、容器洗浄を効率的かつ迅速に行うことができる。さらに強力な対流を得ることができ、さらに高い洗浄力を確保できる。
【0020】
以上のように本発明は、安全でしかも操作性の良い電気湯沸かし器を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における電気湯沸かし器を示す断面図
【図2】 同電気湯沸かし器を示す要部拡大図
【図3】 本発明の実施の形態2における電気湯沸かし器を示す要部拡大断面図
【図4】 同電気湯沸かし器の通電制御を示す図
【図5】 同電気湯沸かし器の通電制御を示す図
【図6】 本発明の実施の形態3における電気湯沸かし器を示す断面図
【図7】 従来の電気湯沸かし器を示す断面図
【符号の説明】
11 本体
12 液体
13 容器
14 蓋体
15 発熱体
15a 主発熱体
15b 補助発熱体
16 温度検知装置
17 制御装置
18 洗浄力向上剤
19 専用スイッチ
20 溶解体

Claims (1)

  1. 外側部を構成する本体と、前記本体内部には液体を収容する容器と、前記容器の上方開口部を覆う蓋体と、前記液体を加熱する発熱体と、前記容器に装着した温度検知装置と、前記温度検知装置からの電気的信号で前記発熱体への通電を制御する制御装置と、前記液体中に存在する成分が加熱・保温の動作の繰り返しにより析出して前記容器内面に付着堆積した水垢による汚れを洗浄するための洗浄力向上剤として前記液体にクエン酸を添加するとともにその洗浄力を前記容器内に発生する高温状態に維持された前記液体の強対流効果により向上すべく前記発熱体により前記液体を沸騰した後前記発熱体を所定時間断続通電させ容器洗浄機能と、前記容器洗浄機能を行うように制御するスイッチとを有する電気湯沸かし器。
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