JP2016063845A - 全自動式炊飯器 - Google Patents
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Abstract
Description
この人的に為される工程は、以外に手間と時間を必要とするため、例えば、身体の不自由な者や仕事等により多忙な生活を過ごす者にとっては非常に煩わしいものである。また、怪我や障害等により手に不自由を負っている者にとっては、この工程を行うことすら困難だと言える。
このようなことからも、炊飯器を全自動化する技術が数多く提案されている。
また、洗米、移送、炊飯の各々に対して制御手段を必要とし、更にネットワーク制御も要するため、制御機構が非常に複雑なものとなる。
また、この構成にて炊飯を行うと、洗米用スクリューを覆うようにして御飯が炊き上がるので、使用者が御飯を装うときにこのスクリューが邪魔になり、場合によっては、このスクリューで怪我をする虞がある。
図1は、本発明に係る全自動式炊飯器の一例を示す概略部分断面図である。
図2は、本発明に係る全自動式炊飯器の制御形態を示すブロック図である。
全自動式炊飯器(R)は、上面に開口部(1a)を有すると共に開口部(1a)に連通する空間(1b)を備える炊飯器本体(1)と、炊飯器本体(1)の上部に配設されると共に開口部(1a)を開閉可能とする蓋体(2)と、開口部(1a)を介して空間(1b)内に収容固定される外釜(3)と、外釜(3)内に支持されると共に米等の被調理物を収容する内釜(4)と、内釜(4)を加熱する加熱手段(5)とを具備している。
尚、この中央処理部(A)は、従来の炊飯器の有する炊飯・保温制御も当然行っている。
以下、上記構成を具体的に説明する。
炊飯器本体(1)の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、一般的に用いられる略有底円筒形状或いは略有底矩形状のものを採用すれば良い。
この際、蓋体(2)の重量を考慮して、炊飯器本体(1)と蓋体(2)との回動機構(図示せず)としては、剛性の優れたヒンジを使用することが好ましい。
また、蓋体(2)にて開口部(1a)を閉塞する際、内部の密閉性を図るため、炊飯器本体(1)と蓋体(2)のいずれか、或いは両方において、互いに接する面にパッキンを設けることが好ましい。また、開口部(1a)の閉塞時には、従来の炊飯器に用いられる公知のロック部材(図示せず)で、炊飯器本体(1)と蓋体(2)とを固定することは言うまでもない。
尚、液体供給手段(8)及び内釜洗浄手段(9)の具体的な構成については後述する。
尚、炊飯器本体(1)及び蓋体(2)を構成する素材としては、特に限定はないが、耐食性に優れるステンレス等の金属、或いはポリプロピレン等の合成樹脂を例示することができる。
また、図4は、本発明に係る全自動式炊飯器に備えられる内釜を示す概略図であり、(a)はその平面図であり、(b)はそのA−A線断面図である。
尚、以下に述べる外釜及び内釜の材質としては、従来の炊飯器に使用されているものの中から適宜選択可能である。
この円錐台形状部の上面の大部分には貫通孔(31)が形成されている。
また、外釜(3)において、底部外周近傍の位置と上記円錐台形状部の端部位置との間の中央近傍を通る円周上に、且つ底部中心を挟んで対向するように細かい網目状(例えば、0.02〜0.5mm程度)の第一外釜排出孔(32)が二つ形成されている。
更に、外釜(3)において、この各々の第一外釜排出孔(32)を結ぶ直線上において、第一外釜排出孔(32)の各々の外側の位置に、且つ外釜(3)側面に、第二外釜排出孔(33)(孔径15〜25mm程度)が形成されている。
第一外釜排出孔(32)は、第一排出経路(32a)を介して炊飯器本体(1)に設けられる排出口(1c)へと、また、第二外釜排出孔(33)は、第二排出経路(33a)から残飯受部(1d)を介して排出口(1c)へと接続されている。(図1参照)
また、内釜(4)には、底部外周近傍の位置と上記半球形状部の端部位置との間の中央近傍を通る円周上に、且つ底部中心を挟んで対向するように細かい網目状(例えば、0.02〜0.5mm程度)の第一内釜排出孔(41)が二つ形成されている。
この第一内釜排出孔(41)は、内釜(4)を外釜(3)内に収容した状態において、第一外釜排出孔(32)と略同一円周上に位置するように形成する。
この第二内釜排出孔(42)は、内釜(4)を外釜(3)内に収容した状態において、第二外釜排出孔(33)と略同高さとなるように形成する。
この際、各区画において、一方の区画が形成されている時は、他方の区画は形成されないように、例えば、第一外釜排出孔(32)と第一内釜排出孔(41)が合致している時は、第二外釜排出孔(33)と第二内釜排出孔(42)は合致しないように、上記した第一内釜排出孔(41)と第二内釜排出孔(42)との位相変化量を設定する。(例えば、15〜25°程度)
これにより、排出手段(10)が構成される。
ここで、内釜(4)は、第一区画及び第二区画を形成する際においては、必ず第一区画を先に形成するように中央処理部(A)によりその回転を制御されるように構成する。(図4においては、反時計回り方向)
尚、図1においては、説明の都合上、第一区画と第二区画とを形成させて表記している。
また、内釜(4)の開口端部は、半径方向外側に向けて湾曲して外釜(4)を覆うように形成されており、外釜(3)と内釜(4)との間のクリアランスに異物が混入することを防止する役割を果たしている。尚、この湾曲部分下面は、回転による摩擦を考慮して、外釜(3)上端より若干量間隙を有して形成されている。
更に、内釜(4)の底部内面側には、図4(a)に示される如く、放射状に複数(図示例においては6つ)の棒状突起部(45)(突起高さ1.5cm程度)が形成されており、内釜(4)が内部に水を充填した状態で回転する際、内部水流を効率良く発生させることを可能としている。これにより、洗米効率を向上させることを可能としている。
この棒状突起部(45)を内釜(4)の内側面に複数設けて、上記効率をより向上させることも可能である。
尚、棒状突起部(45)は、図4(a)の拡大部分に示されるように、その端部が丸みを帯びて形成されることが好ましい。
尚、第一内釜排出孔(41)と合致する第一外釜排出孔(32)の網目は、第一内釜排出孔(41)のそれよりも若干量、粗くしておくことが好ましい。これにより、研ぎ水の排水を円滑に行うことが可能となる。
尚、第二内釜排出孔(42)は、その最下部が、内釜(4)の底部内面最下部(第一内釜排出孔(41)が形成されている位置)と略同位置に構成することが好ましい。また、第二外釜排出孔(33)は、その外釜(4)内面における最下部が、上記した第二内釜排出孔(42)の最下部と略同位置とし、外釜(4)外面に向けて下方に傾斜させるように構成することが好ましい。これにより、内釜(4)内にある内容物を確実に排出することが可能となる。
この第二区画より排出された内容物は、上述した如く、残飯受部(1d)に収容される。この残飯受部(1d)は、炊飯器本体(1)に着脱可能に設けられており、メッシュ孔(図示せず)を介して排出口(1c)へと接続されており、洗浄水等の液体部分は残飯受部(1d)を介して排出口(1c)より排出され、米等の残留物は残飯受部(1d)内に収容されるようになっている。これにより、所謂生ゴミの処理における手間を軽減することができる。
尚、残飯受部(1d)から米等の残留物が溢れ出さないように、残飯受部(1d)の容量は、少なくとも御飯一膳程度を収容できるように構成する。
また、外釜(3)及び内釜(4)の各々の排出孔の数を二つとしているが、特にこれに限定されるものではない。但し、各々の排出孔の数が一つでは、内容物の排出が円滑に行われなくなる虞があるので、二つ以上にすることが好ましい。この際、炊飯器本体(1)の設置が水平状態にない時のことを考慮して、外釜(3)の各々の排出孔(32,33)を、炊飯器本体(1)正面から背面の方向に対して、所定角度分(例えば、時計回り若しくは反時計回りに15〜30°程度)、位相を変化させた状態にして外釜(3)を炊飯器本体(1)に固定する。
また、第一外釜排出孔(32)及び第一内釜排出孔(41)の形状を細かな網目状としたが、これは、小径の穴を一区画に亘って多数に開けても良いし、該一区画に形成される穴に目の細かな網を取付けるようにしても良い。
図5は、本発明に係る全自動式炊飯器に備えられる蓋体における上部加熱手段を示す概略図であり、(a)は正面図であり、(b)は底面図である。
また、図6は、本発明に係る全自動式炊飯器に備えられる内釜における下部加熱手段を示す概略図であり、(a)は正面断面図であり、(b)は底面図である。
加熱手段(5)は、蓋体(2)の炊飯器本体(1)の開口部(1a)側の面に配設される上部加熱手段(51)と、内釜(4)底部外面において第一内釜排出孔(41)より内方に配設される下部加熱手段(52)とから構成されている。
下部加熱手段(52)は、内釜(4)底部に形成される上記半球形状部に収容されるように配設されており、底面視において円形状に、正面視において上向きコの字状に形成されている。(図6参照)この際、内釜(4)底部外面には、下部加熱手段(52)が嵌合する凹部(44)が形成されている。これにより、下部加熱手段(52)による内釜(4)の加熱を効率良く行うことが可能となる。
尚、下部加熱手段(52)の先端部は、図6(a)に示されるように、内釜(4)の開口面と略平行となっているのが好ましいが、特にこれに限定されず、内釜(4)の底部形状に合わせて適宜変更可能である。
また、下部加熱手段(52)と内釜(4)との間に熱伝導率の高い材料(例えば、銅やアルミニウム)を介して内釜(4)を間接的に加熱する構成にしても良い。この際、後述する内釜回転手段の軸の周りは、熱伝導率の低い材料(例えば、シリコン、発泡ポリスチレン)で被覆し、上記熱伝導率の高い材料から所定量の間隙を有するように構成することが好ましい。
尚、上部加熱手段(51)及び下部加熱手段(52)としては、公知のヒータを用いれば良く、例えば、シーズヒータ、IHヒータ等を挙げることができる。
また、上部加熱手段(51)及び下部加熱手段(52)としては、シーズヒータをアルミ等の金属に埋め込んだ形態とすることがより好ましい。
これにより、内釜(4)上下からの加熱が可能となるので、内釜(4)の洗浄の後、内釜(4)の乾燥を短時間で効率良く行うことができる。
また、内釜(4)の洗浄に際して、洗浄水を少量供給し、上下加熱手段(51,52)にて蒸らすことにより、内釜(4)に付着する米等の残留物を効率良く剥離させることが可能となる。このとき、内釜(4)の内面に図示しない微小な半球状突起物を複数設けることにより、上記剥離効率をより向上させることも可能である。
尚、炊飯作業を行う時は、下部加熱手段(52)のみを用いるように構成しても良いし、或いは、上部加熱手段(51)と下部加熱手段(52)との両方を用いるように構成しても良い。
下部加熱手段(52)の内釜(4)底部に対する当接離反動作は、例えば、公知のエアピストン、油圧ピストン、若しくは、モータとピニオン・ラックを用いて、中央処理部(A)によりプログラム制御を行うようにすれば良い。
この当接離反動作の際、下部加熱手段(52)の平行状態を保持することは言うまでもない。
炊飯後の保温は、この下部加熱手段(52)の加熱温度を低下させることで行っても良いし、或いは、加熱温度はそのままの状態で内釜(4)から離反させて行っても良い。
加熱温度の制御は、温度センサを用いて中央処理部(A)によりプログラム制御を行えば良い。
また、上記例に対して、従来の炊飯器に見られるように、外釜(3)の外側面に側部加熱手段(53)を追加で設けることも当然可能である。(図1参照)
これにより、上記した加熱の効率を更に向上させることが可能となる。
内釜回転手段(6)は、所謂モータであり、その軸部(61)が下部加熱手段(52)の間を通って、内釜(4)底部の嵌合部(43)にボルト等を介して接続固定されており、内釜(4)を回転可能としている。
この際、内釜回転手段(6)の本体が下部加熱手段(52)により加熱されることを防止するため、内釜回転手段(6)の本体と下部加熱手段(52)との間には断熱壁(1e)が設けられている。
この断熱壁(1e)は、炊飯器本体(1)と同様にして、内部にグラスウール等の断熱材を介装することにより構成すれば良い。
尚、軸部(61)と嵌合部(43)との境界面には、キーを挿入していることは言うまでもない。
また、内釜(4)の回転を円滑に行うため、軸部(61)周りに、図示しないボールベアリング等の軸受けを設けることが好ましい。
また、内釜(4)の回転による振動の発生を考慮して、外釜(3)と断熱壁(1e)との間に支え部材(1f)を設けて外釜(3)を支持することが好ましい。(図1参照)
回転制御手段(7)は、例えば、C言語等のプログラミング言語によって予め定められたコンピュータプログラムであり、これを中央処理部(A)が読み出すことで、内釜回転手段(6)の回転を制御するものである。
従って、上述した内釜回転手段(6)は、この回転制御手段(7)を備える、所謂サーボモータのように構成することがより好ましい。
先ず、洗米の工程においては、内釜(4)を複数セット(例えば、5〜7セット)往復回転運動させるように内釜回転手段(6)を制御することで、効率良く洗米を行うことができ、節水が可能となる。この際、往復回転の駆動範囲としては、図3及び図4を参照して説明すると、内釜(4)の第一内釜排出孔(41)が、上記第一区画より時計回り方向に該第一区画分、位相を変化させた状態(以下、第三区画と称する)を基準として、この位置から時計回りに所定角度、例えば、105〜135°とするように制御する。これにより、上記往復回転の際に、上記第一区画及び上記第二区画が形成されないので、洗米工程において、内釜(4)内から内容物が排出することを防止できる。
また、内釜(4)の洗浄の工程においては、上記洗米工程と同様の往復回転運動を行うように内釜回転手段(6)を制御することで、洗浄の効率を良くすることが可能となる。
この内釜(4)の洗浄後、洗浄水や米等の残留物を排出する際には、内釜(4)を前記第二区画に位置させるように内釜回転手段(6)を回転制御する。これにより、洗浄水や米等の残留物を確実に排出することが可能となる。
尚、上記した下部加熱手段(52)が内釜(4)に当接動作を行う際、これにより内釜(4)が持ち上がってしまう可能性があるため、内釜回転手段(6)の下部にエアピストン等を配設し、内釜(4)を間接的に昇降運動させるように構成することが好ましい。
図7は、本発明に係る全自動式炊飯器に備えられる蓋体の内部構成を示す概略断面図である。
また、図8は、本発明に係る全自動式炊飯器に備えられる蓋体底面に設けられる回転部材を示す概略図であり、(a)は正面図であり、(b)は底面図である。
尚、図8において、蓋体底面に配設される上部加熱手段は省略する。
バルブ(11)としては、例えば、電磁バルブを使用し、中央処理部(A)によって、液体供給手段(8)及び内釜洗浄手段(9)の経路の切替え及び水の供給量を制御するようにすれば良い。
この液体供給手段(8)より供給される水は、洗米及び炊飯の工程において使用するものであり、その工程に応じて水の供給量をバルブ(11)により調整する。
洗浄タンク(91)は、内部に洗剤(公知の食器用洗剤等)が充填されており、取水口(2a)より取り入れられる水に上記洗剤を所定量注入して洗浄水を生成して液体加熱ヒータ(92)へと送り込む。
上記洗浄水は、液体加熱ヒータ(92)において加熱され、洗剤と水との混合効率を促進させ、高圧ポンプ(93)を介して圧力調整された後、供給部(9a)へと送出される。
回転部材(94)は、この洗浄水を内釜(4)内へと供給・噴射するものであり、蓋体(2)の略中心に回転可能に配設される棒状の主回転部材(94a)と、主回転部材(94a)に回転可能に複数(図示例においては二つ)配設されると共に複数(図示例においては十四個)の液体噴射口(94b)を備える棒状の副回転部材(94c)とから構成されている。
ここで、液体噴射口(94b)は、前記洗浄水を内釜(4)の全面に亘って噴射できるように水平方向から垂直方向にかけて夫々の向きを異ならせることが好ましい。
尚、回転部材(94)の回転は、洗浄水の噴射圧力の調整を行うように制御することで、慣性の法則により時計回り或いは反時計回りに自転させるように構成することができる。
以上により、内釜(4)の全域に液体噴射を行うことが可能となり、内釜内の洗浄を効率良く行うことができる。
尚、上記した噴射制御は、公知の圧力センサ、コンピュータプログラムを用いて中央処理部(A)にて読み出しを行うことで為される。
図9は、本発明に係る全自動式炊飯器に備えられる防水壁、水掻きハケ及びハケ収容部の位置を示す概略図であり、(a)は外釜平面図であり、(b)は内釜底面図である。
また、図10は、図1の一部拡大図である。
ここで、上記した内釜回転手段(6)の昇降運動を利用することで、上記クリアランスの調整を行えるように構成し、内釜(4)の回転時にはクリアランスを形成し、炊飯時には内釜(4)と外釜(3)とを略当接させるようにする。
また、このクリアランスの補償としては、外釜(3)底部内面と内釜(4)底部外面との間に防水壁(12)を設けるように構成する。
防水壁(12)は、耐食性に優れる金属壁(例えば、ステンレス等)をパッキン等の弾性体で覆うようにして構成されており、第一外釜/内釜排出孔(32,41)及び第二外釜/内釜排出孔(33,42)の周囲を囲む第一防水壁(12a)と、外釜(3)の貫通孔(31)と略同径の外径を有し、且つ貫通孔(31)に対して密着する環状の第二防水壁(12b)とから構成されている。
また、第二防水壁(12b)は、上記した炊飯器本体(1)に設けられる断熱壁(1e)上に配設して、内釜(4)底部外面に密着させるように構成しても良いし、若しくは、内釜(4)底部外面に配設して貫通孔(31)のみに対して密着するように構成しても良い。
以上の構成により、洗米、炊飯及び使用後の内釜(4)の洗浄に際して、釜同士の摩擦や炊飯器本体(1)内への水漏れ等を防止することが可能となる。
尚、防水壁(12)を構成する弾性体には、下部加熱手段(52)や内釜(4)の回転による摩擦熱を考慮して耐熱パッキン等を使用することが好ましい。
これにより、炊飯器本体(1)内への水漏れ等をより確実に防止することが可能となる。また、内釜(4)の回転に際して、内釜(4)の軌道制御を無理なく行うことができ、加えて、内釜(4)の振動を低減させることが可能となる。
尚、内釜(4)の昇降運動時に、第二外釜/内釜排出孔(33,42)は密着性を維持することが望ましいため、外釜(3)及び内釜(4)においてこれが形成される位置は互いに平行となるように構成する。この際、外釜(3)及び内釜(4)の外周位置に形成される環状凹部(4a)と環状凸部(3a)との嵌合部分には若干量の間隙(C)を形成することは言うまでもない。
この水掻きハケ(46)は、内釜排出孔(41,42)と位相を変化(例えば、第二内釜排出孔(42)より時計周りに5〜10°程度)させると共に第一防水壁(12a)の内方に収まるように、且つ、外釜(3)内面に当接するように構成されている。(図9参照)
これにより、内釜(4)が回転する際、水掻きハケ(46)がクリアランス内の水等を掻き取ることが可能となる。
また、炊飯時における内釜回転手段(6)の降下運動時に水掻きハケ(46)が邪魔にならないように、外釜(3)底部内面において、外釜排出孔(32,33)より位相を変化(例えば、反時計回りに5〜15°程度)させた位置に、ハケ収容部(34)を形成する。
尚、水掻きハケ(46)をハケ収容部(34)に位置させるように、位置センサ、回転制御手段(7)を用いて、内釜回転手段(6)を制御することは言うまでもない。
また、水掻きハケ(46)を構成する材質としては、柔軟性があり、且つグリップ力の低い耐熱パッキン等を使用することが好ましい。
また、上記水掻きをより確実に行うため、外釜(3)内面において、排出孔(32,33)が形成されている近傍部分は、若干量窪ますことが好ましい。
以上により、本発明に係る全自動式炊飯器(R)が構成される。
尚、内釜(4)の回転による摩擦を低減させるため、外釜(3)と内釜(4)との間のクリアランスにシリコンオイル等を添加するようにしても良く、この場合は防水壁(12)を省いて、外釜(3)と内釜(4)とのクリアランスを略無くすように構成しても良い。
先ず、使用者は、必要量の米を計量して、これを内釜(4)内に投入し、蓋体(2)を閉じる。
次いで、使用者が図示しない操作パネルの炊飯ボタンを押すことにより、中央処理部(A)の制御によって、液体供給手段(8)より水が供給され、これに対応して、内釜回転手段(6)が内釜(4)を往復回転運動させて洗米を行う。
この後、内釜回転手段(6)は、内釜(4)を第一区画へと位置させるように回動し、研ぎ水の排水を行う。排水された研ぎ水は排出口(1c)を介して炊飯器本体(1)外へと排出される。これにより、洗米工程が終了する。
次いで、下部加熱手段(52)が内釜(4)底面の凹部(44)に嵌合して、内釜(4)を加熱する。この際、上部加熱手段(51)も発熱し、内釜(4)を加熱する。
次いで、一定時間経過の後、御飯が炊き上がり、炊飯工程が終了する。
この後、全自動式炊飯器(R)は保温モードへと切り替わる。
次いで、再度、内釜洗浄手段(9)より洗浄水が回転噴射され、これに対応して内釜回転手段(6)が内釜(4)を往復回転運動させて内釜(4)内の洗浄を行う。
この後、内釜回転手段(6)は、内釜(4)を第二区画へと位置させ、内釜(4)内に残っていた米を残飯受部(1d)へ一時収容し、その他、洗浄水等の液体を残飯受部(1d)を介して排出口(1c)より排出する。
この洗浄工程は複数回(例えば、2、3回程度)繰り返すように制御しておくことが好ましい。
この後、上部加熱手段(51)及び下部加熱手段(52)が再度、発熱し、内釜(4)内の乾燥を行う。
以上により、全工程が終了する。
また、洗米工程は、研ぎ水が一定の透明度になるまで、複数回繰り返されるように制御することがより好ましい。尚、透明度の判断には、公知の透明度センサを用いれば良い。
尚、洗浄工程において、上記例では洗浄タンク(91)より水に所定量の洗剤を注入する構成であったが、他の構成として、洗浄タンク(91)に水を注入して洗浄タンク(91)内に一定量の洗浄水を生成して内釜(4)洗浄を行い、残飯受部(1d)から排出される洗浄水を図示しない揚水ポンプを用いて再度内釜洗浄手段(6)へと送り込むようにする洗浄水循環型の構成とすることも可能である。これにより、節水を図ると共に洗浄水を炊飯器本体内に循環させることが可能となるため、効率の良い洗浄を行うことができる。
この循環型構成の場合、液体加熱ヒータ(92)の容量は、洗浄効率を維持するため、内釜(4)容積の15〜30%程度とすることが好ましい。
これにより、洗米工程が終わった段階で、蓋体(2)を開け、具及び出汁を投入して、炊き込み御飯等を作ることも可能となる。
1 炊飯器本体
1a 開口部
1b 空間
2 蓋体
3 外釜
32 第一外釜排出孔
33 第二外釜排出孔
3a 環状凸部
4 内釜
41 第一内釜排出孔
42 第二内釜排出孔
4a 環状凹部
51 上部加熱手段
52 下部加熱手段
6 内釜回転手段
7 回転制御手段
8 液体供給手段
9 内釜洗浄手段
94a 主回転部材
94b 副回転部材
10 排出手段
12 防水壁
また、排出手段が、前記内釜の底部外周付近に形成される内釜排出孔と、前記外釜の底部外周付近に且つ前記内釜排出孔の回転軌道上に形成される外釜排出孔を有し、前記内釜排出孔が、前記内釜の底部中心を挟んで対向するように少なくとも二つ配置形成される第一内釜排出孔と、該第一内釜排出孔の夫々の近傍に配置形成される第二内釜排出孔とからなり、前記外釜排出孔が、前記第一内釜排出孔の回転軌道上に配置形成される第一外釜排出孔と、該第一外釜排出孔の夫々の近傍に且つ前記第二内釜排出孔の回転軌道上に配置形成される第二外釜排出孔とからなり、前記回転制御手段が、洗米の工程が完了した時に前記液体を排水するために前記第一内釜排出孔と前記第一外釜排出孔とを合致させ、前記内釜の洗浄が完了した時に前記液体及び前記被調理物の一部を排出するために前記第二内釜排出孔と前記第二外釜排出孔とを合致させ、前記洗米及び前記洗浄の工程においては前記内釜排出孔と前記外釜排出孔とを合致させないように前記内釜回転手段を制御することにより、洗米における研ぎ汁、内釜洗浄による洗浄水及び残留物を確実に排出することが可能となる。
前記第一及び第二外釜排出孔が形成される領域よりも外周位置及び内周位置において前記外釜内面側に形成される前記内釜方向に突出する環状凸部とが形成されてなり、前記環状凹部と前記環状凸部とが嵌合してなることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の全自動式炊飯器に関する。
また、排出手段が、前記内釜の底部外周付近に形成される内釜排出孔と、前記外釜の底部外周付近に且つ前記内釜排出孔の回転軌道上に形成される外釜排出孔を有し、前記内釜排出孔が、前記内釜の底部中心を挟んで対向するように少なくとも二つ配置形成される第一内釜排出孔と、該第一内釜排出孔の夫々の外側の位置に且つ内釜の側面に配置形成される第二内釜排出孔とからなり、前記外釜排出孔が、前記第一内釜排出孔の回転軌道上に配置形成される第一外釜排出孔と、該第一外釜排出孔の夫々の外側の位置に且つ外釜の側面に、且つ前記第二内釜排出孔の回転軌道上に配置形成される第二外釜排出孔とからなり、前記回転制御手段が、洗米の工程が完了した時に前記液体を排水するために前記第一内釜排出孔と前記第一外釜排出孔とを合致させ、前記内釜の洗浄が完了した時に前記液体及び前記被調理物の一部を排出するために前記第二内釜排出孔と前記第二外釜排出孔とを合致させ、前記洗米及び前記洗浄の工程においては前記内釜排出孔と前記外釜排出孔とを合致させないように前記内釜回転手段を制御することにより、洗米における研ぎ汁、内釜洗浄による洗浄水及び残留物を確実に排出することが可能となる。
Claims (9)
- 上面に開口部を有すると共に該開口部に連通する空間を備える炊飯器本体と、
該炊飯器本体の上部に配設されると共に前記開口部を開閉可能とする蓋体と、
前記開口部を介して前記空間内に収容固定される外釜と、
該外釜内に支持されると共に米等の被調理物を収容する略有底円筒形状の内釜と、
該内釜を加熱する加熱手段とを具備してなる全自動式炊飯器であって、
前記内釜底部の略中央に接続されると共に当該内釜を回転させる内釜回転手段と、
該内釜回転手段を制御する回転制御手段と、
前記内釜内に水等の液体を供給する液体供給手段と、
前記内釜内を洗浄する内釜洗浄手段と、
前記液体供給手段及び前記内釜洗浄手段により供給された液体及び/又は前記被調理物の一部を前記内釜より排出する排出手段とを備えることを特徴とする全自動式炊飯器。 - 前記回転制御手段は、前記内釜を往復回転運動させるように前記内釜回転手段を制御することを特徴とする請求項1記載の全自動式炊飯器。
- 前記排出手段は、前記内釜の底部外周付近において当該内釜の底部中心を挟んで対向するように少なくとも二つ形成される内釜排出孔と、
該内釜排出孔と略同一円周上において前記外釜の底部外周付近に当該外釜の底部中心を挟んで対向するように少なくとも二つ形成される前記内釜排出孔と略同径の外釜排出孔とを有し、
前記回転制御手段は、前記内釜内の液体及び/又は被調理物の一部の排出を行うときにのみ前記内釜排出孔と前記外釜排出孔を合致させるように前記内釜回転手段を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の全自動式炊飯器。 - 前記内釜洗浄手段が、前記蓋体の略中心に回転可能に配設される棒状の主回転部材と、
該主回転部材に回転可能に複数配設されると共に前記液体供給手段と連通する複数の液体噴射口を備える棒状の副回転部材とからなることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の全自動式炊飯器。 - 前記加熱手段が、前記蓋体の前記炊飯器本体の開口部側の面に配設される上部加熱手段と、
前記内釜底部外面において前記内釜排出孔より内方に配設される下部加熱手段とを有してなることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の全自動式炊飯器。 - 前記内釜底部外面において、少なくとも前記内釜排出孔の周囲を覆うと共に前記内釜底部外面と前記外釜底部内面との間をシールする防水壁が具備されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の全自動式炊飯器。
- 前記下部加熱手段が、前記内釜の軸方向に駆動して、前記内釜底部に対して当接離反動作を行うことを特徴とする請求項5又は6記載の全自動式炊飯器。
- 前記外釜と前記内釜のうち少なくとも前記内釜の底部の縦断面形状が、前記内釜排出孔から前記内釜軸心へ向けて緩やかに傾斜する略半円形状であることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の全自動式炊飯器。
- 前記内釜排出孔が形成される領域よりも外周位置及び内周位置において前記内釜外面側に形成される前記内釜の内面方向に窪む環状凹部と、
前記外釜排出孔が形成される領域よりも外周位置及び内周位置において前記外釜内面側に形成される前記内釜方向に突出する環状凸部とが形成されてなり、
前記環状凹部と前記環状凸部とが嵌合してなることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の全自動式炊飯器。
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