JP3846630B2 - フィルムスキャナ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム保持機構に保持した現像済みの写真フィルムに光源からの光線を照射し、その写真フィルムを透過した光線を光学レンズを介して可視光用の光電変換手段に導き画像情報を取り出す可視光変換系を備えると共に、前記光学レンズを通過した光線を赤外光用の光電変換手段に導き写真フィルムの欠陥情報を取り出す赤外光変換系を備えているフィルムスキャナに関し、詳しくは、このフィルムスキャナに対して写真フィルムが裏向きにセットされた際の処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のように可視光変換系と赤外光変換系とを備えたフィルムスキャナとして、写真フィルムを透過した可視光線をRGB3ラインCCDに導いて画像情報を取り出し、写真フィルムを透過した赤外線をIR用1ラインセンサに導いてゴミや傷情報を取り出すよう構成したものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
又、赤外線について記載されないものであるが、写真フィルムが裏向きにセットされた際には、印画紙に焼き付けられる画像情報を鮮明化する処理と、画像情報を裏向きに変換する処理を実行するよう構成したフィルムスキャナも存在する(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000‐341473号公報 (段落番号〔0039〕〜〔0050〕、図1、図2)
【特許文献2】
特開2000‐241904号公報 (段落番号〔0023〕〜〔0027〕、図1〜図6)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように可視光変換系と、赤外光変換系とを備えたフィルムスキャナは、特許文献1にも記載されるように、可視光変換系で取り出した画像情報を、赤外変換系で取出した欠陥情報(ゴミや傷の情報)に基づいて欠陥を修正する補正を行い、補正後の画像情報からプリントを行っている。ここで、この種のフィルムスキャナのフィルム保持機構(一般的にはフィルムキャリア)に対して写真フィルムを誤って裏向き(表裏逆向き)にセットしてスキャニングを行った場合を想定するに、特許文献2に記載されるように画像情報の表裏を逆向きに変換する処理と、画像を鮮明化する処理とを実行することにより、写真フィルムを適正な向きに変更する手間を掛けず自動処理によってプリント可能な画像情報を生成することも可能である。
【0005】
前記赤外光変換系において欠陥情報を補正する際のプロセスを考えると特許文献1にも記載されるように、欠陥情報は赤外線濃淡情報、即ち、写真フィルムにおける欠陥部位の赤外線の透過量をデータ化して取得し、この欠陥部位における画像情報を補正している。この特徴を考えると、例えば、写真フィルムの画像形成面(乳剤面)の傷(欠陥情報)を取り出す場合には、画像形成面の情報を忠実に赤外光用の光電変換手段の受光面に結像させて、この欠陥の領域を精度高く把握する必要がある。
【0006】
又、従来からのフィルムスキャナに備えた光学レンズは、フィルム保持機構に対して適正な向きに(表裏を誤らず)写真フィルムをセットした場合において、可視光用の光電変換手段と赤外光用の光電変換手段と何れの光電変換手段に対しても写真フィルムの画像形成面(乳剤面)の情報を結像させるよう調節されているので、写真フィルムを誤って裏向き(表裏逆向き)にセットしてスキャニングを行った場合には、ピントが外れた状態となり、可視光用、及び、赤外光用の光電変換手段で取り出す情報の鮮鋭度が低下する。特に、この種のフィルムスキャナに使用される光学レンズは解像度を高めるためF値を小さく設定したものを使用しているので被写界深度が浅く、写真フィルムを誤って裏向き(表裏逆向き)にセットした場合には、鮮鋭度の低下も顕著に現れるのである。
【0007】
本発明の目的は、フィルム保持機構に対して写真フィルムを誤って裏向きにセットした場合にも画像形成面の欠陥情報を適正に取り出し得るフィルムスキャナを合理的に構成する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
フィルム保持機構に保持した現像済みの写真フィルムに光源からの光線を照射し、その写真フィルムを透過した光線を光学レンズを介して可視光用の光電変換手段に導き画像情報を取り出す可視光変換系を備えると共に、前記光学レンズを通過した光線を赤外光用の光電変換手段に導き写真フィルムの欠陥情報を取り出す赤外光変換系を備えているフィルムスキャナにおいて、前記フィルム保持機構に保持された写真フィルムの表裏を判別する表裏判別手段と、前記光学レンズの合焦操作を行う合焦機構と、前記可視光用の光電変換手段で取り出した画像情報の処理を行う画像処理手段とを備え、前記表裏判別手段で写真フィルムが裏向きであることを判別した際には、赤外光用の光電変換手段に対して写真フィルムの前記欠陥情報を結像させるために写真フィルムの画像形成面における前記欠陥情報が存在する領域に対して合焦調節を行うよう前記合焦機構の制御を実行し、この制御の実行の後に、前記可視光用の光電変換手段で取り出した前記画像情報と、前記赤外光用の光電変換手段で取り出した前記欠陥情報とを前記画像処理手段によって裏向きに変換する変換処理を実行し、前記欠陥情報を補間する補間処理を実行するとともに前記画像情報を鮮明化する鮮明化処理を実行するよう前記画像処理手段の処理形態を設定してある点にある。
【0009】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、フィルム保持機構に対して写真フィルムが裏向きに保持されたことを表裏判別手段が判別した場合には、合焦機構を制御して写真フィルムの画像形成面における前記欠陥情報が存在する領域に対して合焦調節を行うことによって、赤外光用の光電変換手段に対して写真フィルムの欠陥情報を結像させ、この後に、この赤外光用の光電変換手段からの欠陥情報と、可視光用の光電変換手段からの画像情報とを画像処理手段によって裏向きに変換する。つまり、本発明によるとフィルム保持機構に対して写真フィルムを裏向きに保持した場合には、可視光用の光電変換手段と赤外光用の光電変換手段との何れに対しても写真フィルムの画像形成面(乳剤面)からの像が適正に結像しないが(ピントが外れた状態となるが)、赤外光用の光電変換手段に対して画像形成面からの欠陥情報を結像させるので、鮮鋭な欠陥情報を取得することになり、この鮮鋭な欠陥情報に基づき画像形成面における傷やゴミが存在する領域を精度高く特定できる。又、前述した合焦調節は可視光用の光電変換手段に対しても画像情報を鮮鋭化させる方向であるので可視光の画像情報の質も向上する。その結果、光学レンズのF値が小さく光学レンズ被写界深度が浅い光学レンズを使用していても、写真フィルムの画像形成面の欠陥情報を精度高く取り出し、この欠陥情報に基づいて精度の高い補正を実現し得るフィルムスキャナが合理的に構成された。さらに、欠陥情報を補間する補間処理を実行するとともに可視光用の光電変換手段で取り込んだ画像情報を画像処理手段によって鮮明化処理を実行することで不鮮明さが改善される。その結果、品質の良い画像情報を得るものとなった。
【0010】
本発明の請求項2に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1記載のフィルムスキャナにおいて、前記表裏判別手段が、前記写真フィルムの形成されたDXコード情報を光学的に読み取るセンサからの情報に基づいて写真フィルムの表裏の判別を行うよう処理形態を設定してある点にある。
【0011】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、フィルム保持機構に写真フィルムをセットし、その写真フィルムに形成されたDXコードをセンサで読み取るだけで、フィルム保持機構に保持された写真フィルムの表裏の判別を行えるものとなる。その結果、フィルム保持機構に対して誤って写真フィルムを裏向きに保持した場合にも確実に誤りを判別できる。
【0012】
本発明の請求項3に係るフィルムスキャナの特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1又は2記載のフィルムスキャナにおいて、前記写真フィルムの厚みに対応した量の合焦調節を行う際の作動量を記憶する記憶手段を備えている点にある。
【0013】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、記憶手段に対して写真フィルムの厚み対応した量の合焦調節時の作動量を記憶しているので、表裏判別手段によって写真フィルムが裏向きであることが判別された場合には、この機構手段に記憶している作動量だけ合焦調節を行えば良い。その結果、合焦状態を判別するための画像処理系等を備えない単純な処理系でありながら迅速で精度の高い合焦作動を実現する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、現像済みの写真フィルムFの画像情報を取り込んでプリントに必要な画像処理を実行するオペレートユニットAと、このオペレートユニットAからの画像情報を印画紙Pにプリントして排出する現像処理ユニットBとを備えて写真プリント装置が構成されている。
【0017】
この写真プリント装置はデジタルミニラボと称せられるものであり、前記オペレートユニットAは、テーブル部の上面に備えたフィルムスキャナSで現像済みの写真フィルムFから画像情報をデジタル信号化して取り込んだ後、その画像情報に対してテーブル部の下部に備えた制御装置Cで必要な処理を行い、この処理後の画像情報をテーブル部の上面に備えたディスプレイ1に表示し、ディスプレイ1で確認した画像情報を現像処理ユニットBに伝送する処理を実現するよう構成され、テーブル部には処理に必要な情報を入力するキーボード2とマウス3を備えている。
【0018】
前記現像処理ユニットBは、本体5の上面に備えた一対の印画紙マガジン6に対してロール状に収納された長尺の銀塩式の印画紙Pを本体5の内部に送り込んでプリントサイズに切断した後、露光エンジン7の部位に供給して画像情報の露光を行い、この露光の後、現像処理部8の現像処理槽(図示せず)で現像処理を行い、更に、乾燥処理の後に、本体5の上部に備えた横送りコンベア9の上面に排出し、この横送りコンベア9から送られる印画紙Pをオーダ単位で仕分けてソータ部10のトレイ10Aに回収する処理を実現する。尚、露光エンジン7は、デジタル化された画像情報を印画紙Pに対して露光する性能を有するものであれば良く、レーザビーム式、PLZT方式、蛍光ビーム方式、液晶シャッター方式、DMD方式又はFOCRT等の使用が考えられる。
【0019】
図2に示すように、前記フィルムスキャナSは、写真フィルムFを長手方向に沿って往復搬送自在に保持するフィルムキャリアFC(フィルム保持機構の一例)を備えると共に、このフィルムキャリアFCの下側位置に光源系を配置し、このフィルムキャリアFCの上側位置に光電変換系を配置している。
【0020】
つまり、光源系は、ハロゲンランプで成る光源15からの光線をミラーボックス等により光量を平均化して照射するよう構成されている。又、光電変換系は、写真フィルムFを透過した光線が送られるレンズユニットLと、このレンズユニットLからの光線のうち可視光域の光線を透過させ、かつ、赤外光を反射するダイクロイックミラー16と、このダイクロイックミラー16を透過した可視光から画像情報を取り込む3ラインCCD型の可視光センサ17(可視光用の光電変換手段の一例)と、ダイクロイックミラー16で反射された赤外光から画像情報を取り込む1ラインCCD型の赤外光センサ18(赤外光用の光電変換手段の一例)とで構成されている。
【0021】
このフィルムスキャナSでは、同図において写真フィルムFの画像形成面(乳剤面)を上側にセットした状態において、その画像形成面の画像情報をレンズユニットLから上方に導き、前記可視光センサ17と前記赤外光センサ18とに導き夫々の光電変換面に結像させるようレンズユニットLの焦点位置を設定してある。前記可視光センサ17はR(赤)、G(緑)、B(青)夫々の波長の光線からラインイメージを独立して取り込み得るよう主走査方向に沿って夫々の波長に対応した受光特性となる3種のラインCCDを平行姿勢で配置したものであり、前記赤外光センサ18は赤外域の波長の光線からラインイメージを取り込み得るよう主走査方向に沿って赤外光を受光する受光特性の1つのラインCCDを配置したものである。
【0022】
又、前記フィルムキャリアFCは、写真フィルムFを挟み込んで搬送する圧着型の複数の搬送ローラ21と、これらの搬送ローラ21を駆動する搬送モータMFと、写真フィルムFの側部に形成されたDXコードを読み取るよう光源22Aと受光素子22Bとで成るDXセンサ22とを備えている。前記レンズユニットLは、光学レンズ25を支持する筒状の支持部材26の外周にネジ部を形成し、このネジ部に螺合するナット27を回転操作する合焦モータMLを備えて構成され、合焦モータMLを駆動することにより光学レンズ25を光軸方向に移動させて合焦を実現する。尚、このナット27と合焦モータMLとで合焦機構が構成されている。
【0023】
同図に示すように、フィルムスキャナSは、前記光源15を制御する光源制御回路31と、前記搬送モータMFを制御する搬送モータ制御回路32と、前記DXセンサ22からの検出信号を取り込むセンサインタフェース33と、前記合焦モータMLを制御する合焦モータ制御部34と、前記赤外光センサ18からの画像情報(欠陥情報)を一時的に保存するバッファメモリ35を制御するメモリ制御回路36と、前記可視光センサ17からの画像情報を一時的に保存するバッファメモリ37を制御するメモリ制御回路38とを備えると共に、これらと情報のアクセスを行うコントローラ40を備えている。
【0024】
前記コントローラ40は入出力インタフェース(I/O)と、マイクロプロセッサー(CPU)と、このマイクロプロセッサー(CPU)のデータバスに接続する半導体メモリで成るデータメモリ41(記憶手段の一例)と、データバスに接続する半導体メモリに保存したデータで成るプログラムデータ部42とを備えると共に、前記データバスに対して光源制御部43と、搬送制御部44と、表裏判別手段としての表裏判別部45と、合焦制御部46と、画像処理手段としての画像処理部47とを接続している。尚、光源制御部43、搬送制御部44、表裏判別手段45、合焦制御部46、画像処理部47はハードウエア又はソフトウエア、あるいは、ハードウエアとソフトウエアとの組合わせで成ている。
【0025】
前記データメモリ41は、後述するようにレンズユニットLを制御する際の制御量を保存する機能と、処理の実行時に必要なデータを一時的に保存する機能とを有する。前記プログラムデータ部はコントローラ40で実行される基本的なプログラムが保存される。前記光源制御部43は、前記光源制御回路31を介して前記光源15に供給する電力を制御する。前記搬送制御部44は前記搬送モータ制御回路32を介して前記搬送モータMFを制御して写真フィルムFの搬送方向と搬送速度を制御する。前記表裏判別部45は、前記センサインタフェース33を介してDXセンサ22からDXコード情報を取り込み、搬送方向とDXコードの整列方向と配置(写真フィルムFの幅方向の何れの位置に存在するかの判別)からフィルムキャリアFCに保持されている写真フィルムFの表裏を判別する。前記合焦制御部46は前記合焦モータ制御回路34を介して合焦モータMLを制御して光学レンズ25をシフト作動させて合焦制御を実現する。
【0026】
前記画像処理部47は可視光情報処理部47Aと、赤外光情報処理部47Bと、画像情報補正部47Cとで構成され、可視光情報処理部47Aは前記可視光用のバッファメモリ37から送られる画像情報をコマ単位で独立する画像情報として生成する処理を行い、赤外光情報処理部47Bは前記赤外光用のバッファメモリ35からの画像情報をコマ単位で独立する画像情報として生成し、かつ、その画像情報に含まれる濃度情報からゴミや傷の有無を判別し、そのゴミや傷が存在する領域を情報化する処理(欠陥情報を抽出する処理)を行い、画像情報補正手段47Cは可視光情報処理部47Aからの画像情報と、赤外光情報処理部47Bからの欠陥情報とに基づいて画像情報の補正を行う。尚、この画像情報補正部47Cでは、欠陥情報が存在する領域を、その領域の周囲の画像情報に基づきニアレストレイバー法、バイリニア法、あるいは、バイキュービック法により画像情報を生成し修復する形態での補正を行う。
【0027】
前記入出力インタフェース(I/O)から前記制御装置Cに対して情報を伝える信号系が形成され、前記制御装置Cは、後述するプレスキャンで取り込まれた画像情報が送られた場合には、ディスプレイ1に表示する処理を行い、又、このプレスキャンで取り込んだ画像情報に基づき後述する本スキャンで取り込んだ画像情報を自動的に補正する、若しくは、この画像情報を任意に補正する等の処理を行った後に、前記現像処理ユニットBに送り出すプログラムがセットされている。
【0028】
このフィルムスキャナSではフィルムキャリアFCに保持された写真フィルムFの画像情報を可視光センサ17で取り込む処理と、写真フィルムFの画像形成面の画像情報を赤外光センサ18で取り込み、その画像情報からゴミや傷等の欠陥情報を抽出し、この欠陥情報に基づいて可視光センサ17で取り込んだ画像情報におけるゴミや傷を取り除いた画像情報を自動的に生成する処理を実現するよう構成されている。
【0029】
特に、このフィルムスキャナSでは、フィルムキャリアFCに対して写真フィルムFを誤って裏向きに保持した場合にも、フィルムキャリアFCに対して適正な向きに写真フィルムFを保持した場合と比較して遜色のない画像情報を得る処理系を備えおり、例えば、135サイズの写真フィルムFの画像情報を取り込む際の制御形態を例に挙げると、その処理を図3のフローチャートのように示すことが可能である。
【0030】
つまり、フィルムキャリアFCに写真フィルムFを保持してスキャニングを実行すると、光源15からの光線を写真フィルムFに照射する状態で正方向(図2においてPで示す方向)に写真フィルムFを搬送し、この写真フィルムFを透過した光線を可視光センサ17で受け、少ない画素数の画像情報を取り込む(プレスキャン:#100ステップ)。このプレスキャンを実行した後には、その画像情報からコマ画像情報を抽出して前記制御装置Cに出力する処理が実行される(#01)。尚、このようにプレスキャンを実行する場合には、写真フィルムFの搬送下手側(先端)の端部をフィルムキャリアFCの内部に巻き取る形態で一次的に収納するよう該フィルムキャリアFCが構成されている。
【0031】
又、プレスキャンを行う際には写真フィルムFを搬送する搬送モータMFの駆動信号と同期して可視光センサ17からのラインイメージを取り込む処理が実行されるが、少ない画素数の画像情報を取り込む場合には、可視光センサ17からのラインイメージを取り込むインターバルを、後述する本スキャン時におけるインターバルより長く設定することにより副走査方向での画素数を低減し、かつ、可視光センサ17によって取り込んだラインイメージから画像情報を間引きする処理を行うことによって主走査方向での画素数を低減している。尚、主走査方向での画素数を低減する手段として、前記レンズユニットLをズームレンズ型に構成し、レンズユニットLの焦点距離を調節することにより、可視光センサ17の中央領域に対してだけ写真フィルムFの画像情報を結像させてラインイメージそのものの画素数を低減するよう構成しても良い。
【0032】
次に、このプレスキャンを終えた後には、搬送モータMFを逆転させて写真フィルムFを逆方向(T方向)に搬送しながら可視光センサ17でプリントサイズに対応した画素数の画像情報を取り込むと同時に、赤外光センサ18を介してプリントサイズに対応した画素数の画像情報を取り込む(本スキャン:#200ステップ)。このように本スキャンを実行した後には画像処理を実行し(#300ステップ)、本スキャンによって取り込まれた画像情報を前記制御装置Cに出力する(#02ステップ)。
【0033】
図4のフローチャートに示すように、前記プレスキャンルーチン(#100ステップ)は、写真フィルムFを正方向(P方向)に搬送しながら、予め設定された画素数の画像情報を取得する処理を実行し、このように写真フィルムFを搬送する際に前記DXセンサ22からの情報に基づいて前記表裏判別部45が写真フィルムFの表裏を判別する処理を実行し、更に、画像情報を取得する処理を写真フィルムFの終端が専用のセンサ(図示せず)で検出されないうちは継続させ、写真フィルムFの終端をセンサが検出すると搬送モータMFの駆動を停止する(#101〜#104ステップ)。
【0034】
前記表裏判別部45によって写真フィルムFの表裏を判別する判別処理は、DXコードを構成するバーの整列方向と配置とに基づいて行われるものであり、この判別の結果により、写真フィルムFが裏向きであることが判別された場合にはフラグを「1」にセットし、画像処理部47において該プレスキャンで取り込んだ画像情報を反転(裏向きに設定)させる処理を実行する(#105〜#107ステップ)。
【0035】
図5のフローチャートに示すように、前記本スキャンルーチンは前記フラグが「1」である場合にのみ、赤外光センサ18の光電変換面に対して赤外光による画像情報を結像させるよう、前記データメモリ41に保存されたデータに基づいて前記合焦制御部46が前記合焦モータMLを制御する形態でレンズユニットLを合焦作動させ、この合焦作動の後に、逆方向(T方向)に写真フィルムFの搬送を行い乍らプリントサイズに対応した画素数の画像情報を可視光センサ17から取得すると同時に、プリントサイズに対応した画素数の画像情報を赤外光センサ18から取得し、更に、この画像情報を取得する処理を写真フィルムFの先端が専用のセンサ(図示せず)で検出されないうちは継続させ、写真フィルムFの先端をセンサが検出すると搬送モータMFの駆動を停止する(#201〜#205ステップ)。
【0036】
前述したようにフラグが「1」である際に、光学レンズ25の合焦を行う理由は、写真フィルムFが裏向きである場合、写真フィルムFの厚みに相当する距離だけ画像形成位置が光学レンズ25から離間する側に変位し、この変位により赤外光センサ18の光電変換面に結ばれるイメージデータも不鮮明(ピントが外れた状態)になる。従って、この光電変換面に対して鮮明な画像を結像させる目的から改めて合焦制御を必要とするからである。そして、このように赤外光センサ18に対する合焦制御を行った場合には光学レンズ25が可視光センサ17の不鮮明さを改善する方向に作動するので、可視光センサ17で取り込まれる画像情報も改善する。
【0037】
尚、プリントサイズに対応して設定される画素数は、前述したプレスキャン時に設定される画素数と比較して充分に大きい値であり、プリントサイズが大きいほど画素数も大きい値が与えられる。
【0038】
次に、フラグが「1」である場合には可視光センサ17で取得した画像情報と、赤外光センサ18で取得した画像情報とを、前記画像処理部47において反転(裏向きに設定)する変換処理を実行し、最後にフラグを「0」に設定する処理を実行する(#206〜#208ステップ)。
【0039】
図6のフローチャートに示すように、前記画像処理は、前記赤外光センサ18で取り込まれた画像情報と、予め設定された濃度情報とを前記赤外光情報処理部47Bにおいて比較し、予め設定された濃度を超える領域を欠陥部として抽出し、このように抽出した欠陥部を、前記画像補正部47Cにおいて補間情報により修復する処理を実行する(#301、#302ステップ)。つまり、可視光センサ17を介して取り込んだ画像情報のうち、ゴミが付着したことや傷が存在することにより欠損した領域が存在する場合には、赤外光センサ18で取得した画像情報から欠損した領域を判別し、その欠損した領域の周囲の画像情報に基づきニアレストレイバー法、バイリニア法、あるいは、バイキュービック法により補間情報を生成し、修復する処理が実行されるのである。次に、本スキャンで取得した画像情報が反転処理されたものである場合には、可視光情報処理部47Aにおいてコントラストを高める処理や、エッジを強調する処理等の処理により画像情報を鮮明化する鮮明化処理が実行される(#303、#304ステップ)。尚、このように補正処理と鮮明化処理とが行われた後には、赤外光の画像情報は破棄され、可視光の画像情報がコマ単位で前記制御装置Cに送られる。
【0040】
このように本発明のフィルムスキャナSでは、フィルムキャリアFCに対して写真フィルムFを適正にセットした場合には従来からのものと同様に可視光センサ17から画像情報を取り込み、赤外光センサ18からの画像情報に基づいてゴミや傷の修復を行うものであり、特に、フィルムキャリアFCに対して写真フィルムFを誤って裏向きにセットした場合には、写真フィルムFの厚みに対応した量だけ光学レンズ25のピントが外れるものであるが、赤外光センサ18の光電変換面に対して写真フィルムFの画像形成面の画像情報を結像させるよう合焦制御を行うので、例えば、画像形成面にゴミや傷等の欠陥が存在する場合でも、その欠陥の領域を正確に判別して精度の高い補正を実現するものとなっており、しかも、可視光センサ17に対して写真フィルムFの画像情報を結像させないものであるにも拘わらず、画像情報を鮮明化させる鮮明化処理により高品質のプリントを出力できるものになっている。
【0041】
〔別実施の形態〕
本発明は上記実施の形態以外に、例えば、実施例におけるオペレートユニット全体をフィルムスキャナとして捉えることも可能であり、この場合、実施例における制御装置Cにおいて画像情報の反転、画像情報の補正、画像情報の鮮明化処理を行うよう処理形態を設定することも可能である。又、実施例におけるコントローラ40と制御装置Cとで画像処理を実現する処理系を構成することも可能となる。
【0042】
又、本発明は、135サイズ以外のサイズの写真フィルムに適用することが可能であり、又、ダイクロイックミラーに換えて、ハーフプリズムやハーフミラーを用いることも可能であり、この場合、赤外光変換系に赤外線を選択的に透過させる光学フィルターを併用することも可能である。更に、本発明では、表裏判別手段を写真フィルムの側部に形成されるメーカ名を示す文字やコマを示す数字を読み取る画像処理系を備えて構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】写真プリント装置の全体斜視図
【図2】フィルムスキャナの構成図
【図3】スキャニング処理のフローチャート
【図4】プレスキャンルーチンのフローチャート
【図5】本スキャンルーチンのフローチャート
【図6】補正処理のフローチャート
【符号の説明】
15 光源
17 可視光用の光電変換手段
18 赤外光用の光電変換手段
22 センサ
41 記憶手段
45 表裏判別手段
47 画像処理手段
F 写真フィルム
FC フィルム保持機構

Claims (3)

  1. フィルム保持機構に保持した現像済みの写真フィルムに光源からの光線を照射し、その写真フィルムを透過した光線を光学レンズを介して可視光用の光電変換手段に導き画像情報を取り出す可視光変換系を備えると共に、前記光学レンズを通過した光線を赤外光用の光電変換手段に導き写真フィルムの欠陥情報を取り出す赤外光変換系を備えているフィルムスキャナであって、
    前記フィルム保持機構に保持された写真フィルムの表裏を判別する表裏判別手段と、前記光学レンズの合焦操作を行う合焦機構と、前記可視光用の光電変換手段で取り出した画像情報の処理を行う画像処理手段とを備え、
    前記表裏判別手段で写真フィルムが裏向きであることを判別した際には、赤外光用の光電変換手段に対して写真フィルムの前記欠陥情報を結像させるために写真フィルムの画像形成面における前記欠陥情報が存在する領域に対して合焦調節を行うよう前記合焦機構の制御を実行し、この制御の実行の後に、前記可視光用の光電変換手段で取り出した前記画像情報と、前記赤外光用の光電変換手段で取り出した前記欠陥情報とを前記画像処理手段によって裏向きに変換する変換処理を実行し、前記欠陥情報を補間する補間処理を実行するとともに前記画像情報を鮮明化する鮮明化処理を実行するよう前記画像処理手段の処理形態を設定してあるフィルムスキャナ。
  2. 前記表裏判別手段が、前記写真フィルムの形成されたDXコード情報を光学的に読み取るセンサからの情報に基づいて写真フィルムの表裏の判別を行うよう処理形態を設定してある請求項1記載のフィルムスキャナ。
  3. 前記写真フィルムの厚みに対応した量の合焦調節を行う際の作動量を記憶する記憶手段を備えている請求項1又は2記載のフィルムスキャナ。
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