JP3845833B2 - 容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば各種シーリング材等をはじめとする接着剤等の高粘性流体を収容する容器に関し、更に詳しくは、押出ガン等の公知の押出器を用いて内容物を所要量ずつ押し出すのに適した容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーンシーラント等のシーリング材をはじめとする接着剤は、一般に、図8に断面図を示すような樹脂の射出成形体からなるカートリッジ81内に収容された状態で流通に供され、施工に際しては図9(A)に外観図を、同図(B)には要部断面図を示すような、コーキングガン等と称されて市販されている押出ガン82を用いて、所要量ずつ押し出しながら使用する。
【0003】
カートリッジ81は、円筒体811の一端部に筒状の取出口812を一体に設けるとともに、他端部には円筒体811の内面に対して摺動可能な可動底813を配置した構造を有し、取出口812の内側の開口部はアルミ箔814によって封止されており、使用前に破るようになっている。また、取出口812の外周には雄ねじ812aが形成されており、その雄ねじ812aにコーン状の筒体であるノズル(図示せず)をねじ込み、そのノズルを所望の開口径が得られる位置で切断し、押出ガンに装填する。
【0004】
押出ガン82は、図9に示す例は密閉タイプのものであり、両端が開放したシリンダ821と、その一端側に着脱自在に装着され、かつ、小開口部822aが形成された蓋体822と、シリンダ821内に摺動自在に配置されたピストン823と、ピストン823を移動させるトリガー機構824と、ピストン823のロッドおよびトリガー機構824を支持してシリンダ821の他端側を閉塞する支持部材825とを主体として構成されている。なお、826はピストン823のロッドに対して相対的に移動可能に嵌合されたガイドである。使用に際しては、蓋体822を取り外し、カートリッジ81をその取出口812が蓋体822側を向くようにシリンダ821内に挿入した後に蓋体822を装着し、取出口812を蓋体822の小開口部822aから外部に臨ませる。その状態でトリガー824の操作によりピストン823を蓋体822側に移動させる。これによりピストン823が可動底813を押圧してカートリッジ81内のシーリング材等の内容物を取出口812から押し出すようになっている。
【0005】
なお、押出ガンとしては、図9のような円筒形のシリンダ821を備えた密閉タイプのほかに、上半部が開放した半円筒形の押出筒を備えた開放タイプのものも市販されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上のような従来のカートリッジ81によると、内容物の使用後にもその嵩は一定であり、従って容器リサイクル法等に基づく処理に要する費用が高くなるという問題がある。また、従来のカートリッジ81は、取出口812が一体形成された円筒体811の内部に、可動底813を気密に装着する必要があって、その製造コストも高いという問題がある。
【0007】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、従来のカートリッジに比して、空の容器の処理が容易でそのコストを大幅に削減することができ、かつ、製造コストも低減することができ、しかも、使用に際しては従来の押出ガン等を用いて従来のカートリッジと同等の作業性のもとにシーリング材等の内容物を押し出すことのできる容器の提供を目的としている。
【0008】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明の容器は、接着剤等の高粘性流体を収容し、押出器により所要量ずつ押し出すための容器であって、
2枚のフィルム状材料の一端側にのみ第3のフィルム状材料を配して袋状に形成してなり、内容物の充填状態で上記第3のフィルム状材料が軸線に直交する略平坦部を形成する構造を有するパウチと、そのパウチの上記第3のフィルム状材料による略平坦部に取り付けられる押出口とからなり、その押出口は、外周面に雄ねじが形成された筒状部材の一端部に上記第3のフィルム状材料による略平坦部に貼着するための接着剤層が設けらたフランジ部が形成されてなる押出口基体と、コーン状の筒体の基端内周面に上記雄ねじに螺合する雌ねじが形成された押出ノズルによって構成されているとともに、上記パウチは、内容物を密封状態で収容し、内容物の使用に際して上記押出口基体が貼着された後、当該基体の筒状部の内側で穿孔されることによって特徴づけられる。
【0009】
また、同じ目的を達成するため、請求項2に係る発明の容器は、同じく接着剤等の高粘性流体を収容し、押出器により所要量ずつ押し出すための容器であって、
2枚のフィルム状材料の一端側にのみ第3のフィルム状材料を配して袋状に形成してなり、内容物の充填状態で上記第3のフィルム状材料が軸線に直交する略平坦部を形成する構造を有するパウチと、そのパウチの上記第3のフィルム状材料による略平坦部に取り付けられる押出口とからなり、その押出口は、外周面に雄ねじが形成された筒状部材の一端部に上記第3のフィルム状材料による略平坦部に対して貼着するための接着剤層が設けらたフランジ部が形成されてなる押出口基体と、コーン状の筒体の基端内周面に上記雄ねじに螺合する雌ねじが形成された押出ノズルと、カップ状の開口側内周面に上記雄ねじに螺合する雌ねじが形成され、内底面には上記押出口基体を上記パウチに貼着後に当該基体にねじ込むことにより上記パウチを穿孔するための突き刺し棒が一体形成されてなる蓋体によって構成されているとともに、上記パウチは、内容物を密封状態で収容し、内容物の使用に際して上記押出口基体が貼着された後、当該基体の筒状部の内側で穿孔されることによって特徴づけられる。
【0010】
更に、同じ目的を達成するため、請求項3に係る発明は、同じく接着剤等の高粘性流体を収容し、押出器により所要量ずつ押し出すための容器であって、
2枚のフィルム状材料の一端側にのみ第3のフィルム状材料を配して袋状に形成してなり、内容物の充填状態で上記第3のフィルム状材料が軸線に直交する略平坦部を形成する構造を有するパウチと、そのパウチの上記第3のフィルム状材料による略平坦部に取り付けられる押出口とからなり、その押出口は、コーン状の筒体の基端部に上記第3のフィルム状材料による略平坦部に対して貼着するための接着剤層が設けらたフランジ部が一体形成されてなる押出ノズルによって構成されているとともに、上記パウチは、内容物を密封状態で収容し、内容物の使用に際して上記押出ノズルが貼着された後、当該ノズルの筒体の内側で穿孔されることによって特徴づけられる。
【0011】
そして、本発明におけるパウチを形成するフィルム状材料としては、その内容物が接着剤をはじめとするガスバリア性を要求されるものである場合においては、アルミ箔層、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート樹脂層、透明蒸着ポリアミド樹脂層、複合延伸ポリアミド樹脂層、複合延伸ポリプロピレン樹脂層、およびエチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂層のうちの少なくともいずれか一つの層からなるガスバリア層もしくは水蒸気バリア層を含む積層フィルムとすること(請求項4)が望ましい。
【0012】
また、本発明において用いるパウチの形態は特に限定されるものではないが、請求項5に係る発明のように、2枚の矩形のフィルムの端部を船底形のフィルムを介して相互に接合してなる船底形パウチ(図3参照)や、あるいは請求項6に係る発明のように、公知のスタンディングパウチなどを、良好な取り扱い性並びに作業性のもとに用いることができる。
【0013】
本発明は、リジッドな円筒体内に可動底を設けた従来のカートリッジに代えて、全体として柔軟性を有したパウチで、かつ、内容物の充填状態において一端側に軸線に直交する略平坦部が形成されるパウチ内にシーリング材等を収容するとともに、そのパウチの一端側の略平坦部に押出口を貼着することによって、所期の目的を達成するものである。
【0014】
すなわち、2枚のフィルム状材料の一端側にのみ第3のフィルム状材料を配して袋状となし、その第3のフィルム状材料が内容物の充填状態で軸線に直交する略平坦部を形成する構造を持つパウチに、シーリング材等の高粘性流体を収容し、第3のフィルム状材料により形成される略平坦部に、従来のカートリッジに用いられているものと同等の押出ノズルと、上記平坦部に貼着するための接着剤層が設けられたフランジ部を有する押出口基体を含む押出口を貼着し、その押出口の貼着位置においてパウチに孔を開けることにより、従来の密閉タイプの押出ガン等を用いて、ピストンによりパウチを変形させていくことで、従来のカートリッジと同等の作業性のもとに内容物であるシーリング材料等の高粘性流体を所要量ずつ押し出すことができ、しかも、その内容物をほぼ余すところなく押し出せることが実験により確認された。そして、本発明における容器の本体部分は柔軟なパウチであるため、内容物を押し出した後の嵩は従来のリジッドなカートリッジを用いる場合に比して大幅に小さくなり、処理に要する費用を大幅に削減することができ、しかもその製造コストを大幅に低減させることができる。
【0015】
本発明においては、シーリング材等の内容物を収容するパウチは、未使用状態においては密封状態とされ、使用に際して押出口の内側に穿孔することによってその内容物の押し出しを可能とするものであり、パウチの穿孔は任意の器具等を用いて行えるが、請求項2に係る発明のように、パウチに対して貼着されて押出ノズルを取り付けるための押出口基体に対して螺合する蓋体の内底面に、螺合によりパウチに穿孔するための突き刺し棒を一体形成したものを付属させることにより、その穿孔作業が容易となると同時に、内容物を残した状態での保管に際してその蓋体を押出口基体に被せておくことで、内容物の劣化等を防止することが可能となる。
【0016】
ここで、本発明においては、上記した押出口基体とそれにねじ込まれる押出ノズルを用いるほか、請求項3に係る発明のように、これらを一体化したもの、つまりコーン状の筒体からなる押出ノズルの基端部にパウチへの貼着用のフランジ部を一体形成した押出口を用いてもよく、この場合、パウチの穿孔はドライバ等の長い棒によって突き刺せばよい。
【0017】
そして、パウチを形成するフィルム状材料は、その内容物が各種シーリング材を含む接着剤等である場合にはガスバリア性ないしは水蒸気バリア性を有したものとすることが望ましく、その場合、請求項4に係る発明のように、アルミ箔層、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート樹脂層、透明蒸着ポリアミド樹脂層、複合延伸ポリアミド樹脂層、複合延伸ポリプロピレン樹脂層、あるいはエチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂層のいずれかにより構成されるガスバリア層もしくは水蒸気バリア層を含む積層フィルムとすることが好ましい。
【0018】
ここで、本発明におけるパウチは、2枚のフィルム状材料の一端側にのみ第3のフィルム状材料を配して袋状としたものであるが、このような構造のパウチとしては、請求項5および6に記載の発明において用いるように、船底形パウチやスタンディングパウチと称されるものが知られている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について述べる。
図1は本発明の実施の形態を押出ガンに装填する直前の状態を示す斜視図であり、図2はその押出口ユニット2の近傍の断面図である。また、図3はパウチ1の構造説明図であり、(A)は内容物を収容しない状態で示す正面図で、(B)はそのB−B断面図である。
【0020】
パウチ1は船底形のパウチであり、図3に示すように、2枚の略矩形のフィルム11a,11bの一端部に変形六角形のフィルム11cを配し、そのフィルム11cの全周をフィルム11aないしは11bに対して融着するとともに、両側の縁部においてフィルム11a,11bどうしを融着したものである。なお、融着部は図3においてMで示されている。
【0021】
以上の構造からなるパウチ1内にシーリング材等の高粘性流体を収容して密閉した状態では、フィルム11cはほぼ平坦となり、後述する押出口基体21を容易に貼着することができる。
【0022】
各フィルム11a,11b,11cの材質は、内容物がシーリング材のようにガスに対するバリア性が要求されるものにあっては、例えばアルミ箔をガスバリア層および水蒸気バリア層として、その片側に延伸ポリアミド樹脂層を、他方の側には低密度ポリエチレン樹脂層もしくは未延伸ポリプロピレン樹脂層を積層した積層フィルム、あるいは、セラミックス等を蒸着してなる透明蒸着ポリエチレンテレフタレート樹脂層または透明蒸着ポリアミド樹脂層をガスバリア層として、その片側に上記と同様に延伸ポリアミド樹脂を、他方の側には低密度ポリエチレン樹脂層もしくは未延伸ポリプロピレン樹脂層を積層した積層フィルム、もしくは、ガスバリア層として複合ポリアミド樹脂層を用い、その片面に低密度ポリエチレン樹脂層もしくは未延伸ポリプロピレン樹脂層を積層した積層フィルム、また更には、複合延伸ポリプロピレン樹脂層をガスバリア層および水蒸気バリア層として、その片面に低密度ポリエチレン樹脂層もしくは未延伸ポリプロピレン樹脂層を積層した積層フィルム、更にまた、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂層をガスバリア層とし、その片側に延伸ポリアミド樹脂層を、他方の側には低密度ポリエチレン樹脂層もしくは未延伸ポリプロピレン樹脂層を積層した積層フィルム等、ガスバリア性ないしは水蒸気バリア性を有した柔軟なフィルムを好適に採用することができる。
【0023】
また、内容物がガスに対するバリア性が特に要求されないものにあっては、延伸ポリアミド樹脂層の片面に、低密度ポリエチレン樹脂層もしくは未延伸ポリプロピレン樹脂層を積層した積層フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂層の片面に低密度ポリエチレン樹脂層もしくは未延伸ポリプロピレン樹脂層を積層した積層フィルム、あるいは、延伸ポリプロピレン樹脂層の片面に低密度ポリエチレン樹脂層もしくは未延伸ポリプロピレン樹脂層を積層した積層フィルムなどを採用することができる。
【0024】
シーリング材等の内容物は以上のようなパウチ1内に密封状態で保管される。この実施の形態においては、内容物を密封状態で収容したパウチ1に対し、図1,2に示される押出口基体21と、押出ノズル22とからなる押出口ユニット2を付属させた状態で市販されるか、あるいはこの押出口ユニット2は別売される。
【0025】
押出口基体21および押出ノズル22はそれぞれ樹脂の射出成形体であり、押出口基体21は円筒部21aの一端側にフランジ部21bが形成された形状を有し、フランジ部21bの表面にはパウチ1に対して貼着するための接着剤層21cが積層されており、また、円筒部21aの外周には雄ねじ21dが刻設されている。
【0026】
押出ノズル22は、従来のこの種の内容物を収容しているカートリッジに付属しているものと同等のものであり、全体として大径の基端部側が開口したコーン状の筒体であり、その筒体の先端部は未使用状態においては閉じられており、内容物の所要の押出径に応じた位置で切断することにより開放される。また、この押出ノズル22の基端部の内周面には、雄ねじ21aに螺合する雌ねじ22aが刻設されている。
【0027】
使用に際しては、パウチ1の一端側のフィルム11cの略中央部に押出口基体21をフランジ部21bの接着剤層21cにおいて貼着した後、その押出口基体21の内側を適当な突き棒等によって破ることによって穿孔する。その状態で雄ねじ21dに対して押出ノズル22の雌ねじ22aをねじ込んで固定するとともに、その押出ノズル22の先端部の適宜位置において切断して開放する。
【0028】
そして、図9に例示した市販の押出ガン82を用意し、その蓋体822を取り外した後、以上の準備をした本発明の実施の形態をシリンダ821内に挿入して蓋体822を装着し、押出口2を小開口部822aから臨ませる。この状態を図4に要部断面図で示す。その状態でトリガー824を操作してピストン823を蓋体822側に移動させることにより、密閉されたシリンダ821内でパウチ1が押圧されるので、その内部のシーリング材等の高粘性流体は押出口2の内側に形成された孔を介して外部に押し出され、押出ノズル22の先端開口部から外部に流出する。パウチ1は柔軟であるため、ピストン823が前進して内容物が押し出されていくに従って皺を伴って変形していき、最終的にはほぼ全ての内容物を押し出すことができる。
【0029】
そして、内容物を使い切った後には、パウチ1は当初の軸方向に数mm程度の厚みとなり、従来のカートリッジを用いる場合に比して、空き容器の体積は数十分の一となり、その処理費用を大幅に低減させることができる。
【0030】
ここで、以上の実施の形態においては、パウチとして船底形のパウチを用いたが、本発明はこれに限定されることなく、2枚のフィルム状材料の一端側にのみ第3のフィルム状材料を配して袋状となし、内容物の充填状態でその第3のフィルム状材料が軸線に直交する略平坦部を形成するものであればよく、このような形態のパウチとしては、他にスタンディングパウチが知られている。
【0031】
また、本発明の容器の内容物を押し出す器具として、上記のような密閉タイプの押出ガンのほか、図5に斜視図を示すように、半円筒形の押出筒41とその内側で移動するピストン42、およびそのピストン42を移動させるためのトリガー機構43を備えた公知の押出ガンに、半円筒形の押出筒41の上半部の開放部分を閉鎖するための開閉式の蓋体44を設けた構造の押出ガンを採用しても、同等の作用効果を奏することができる。また、以上のような各押出ガンのピストンをネジによって移動させる方式であってもよい。
【0032】
更に、本発明の容器はその本体部分が可撓性を有するパウチであることから、内容物の押し出しに際しては、以上のような押出ガンに代えて、2本のロールの間に挟むことによって内容物を押し出す器具や、あるいはパウチを手によって押しても内容物の押し出しが可能であり、押出器具ないしは押出方法については何ら限定されるものではない。
【0033】
また、以上の実施の形態における押出口ユニット2に、図6に示すような蓋体23を追加すると有効である。この蓋体23は、一端が開放したカップ状の内面に押出口基体21の雄ねじ21dに螺合する雌ねじ23aが形成されているとともに、内底面から先端が鋭利な突き刺し棒23bが開放端を越えて突出形成されている。従ってこの蓋体23を、押出口基体21をパウチ1に貼着した後にその雄ねじ21dにねじ込んで蓋をすることにより、突き刺し棒23bがパウチ1を破り、押出口基体21の内側においてパウチ1に穿孔を施すことができる。そして、この蓋体23は、内容物が残った状態で保存する場合において、押出ノズル22を取り外した後に押出口基体21に装着することにより、内容物の劣化を防止する蓋としての機能を有する。
【0034】
ここで、以上の実施の形態においては、パウチ内の内容物を押し出すための押出口として、パウチ1に対して貼着される押出口基体21と、その押出口基体21にねじ止めされる押出ノズル22とを用いたが、これらを一体化して、図7に断面図を示すように、コーン状のノズル部51の基端側に、パウチ1に対して貼着するためのフランジ部52を一体形成し、そのフランジ部52の接着剤層53を積層した一体型の押出ノズル5を用いることもできる。この場合、押出ノズル5をパウチ1に貼着した後、その内側に穿孔を施すに当たっては、ドライバのような長い器具を用いればよい。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、シーリング材等の高粘性流体を収容する容器の本体部分を、2枚のフィルム状材料の一端側にのみ第3のフィルム状材料を配して袋状に形成した柔軟なパウチによって構成して密閉状態で収容するとともに、使用に際してはそのパウチの一端側に第3のフィルム状材料により形成される略平坦部に押出口を貼着してその内側においてパウチに穿孔を施し、パウチの柔軟性を利用して従来の押出ガン等の押出器具を用いて押出口に設けられたノズルから内容物を所要量ずつ押し出せるように構成しているから、従来のシーリング材等を収容するリジッドなカートリッジに比して、その製造コストを大幅に低減させることができると同時に、使用後の容器の嵩を格段に小さくすることが可能となり、その処理コストをも大幅に削減することができる。
【0036】
また、パウチを構成するフィルム状材料としてガスバリア層もしくは水蒸気バリア層を含む積層フィルムとすることにより、各種シーリング材等の容器にガスバリア性や水蒸気バリア性が要求される流体に対しても、何ら問題なく適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態押出ガンに装填する直前の状態を示す斜視図である。
【図2】図1の実施の形態の押出口ユニット2の近傍の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に用いられているパウチ1の構造説明図で、(A)は内容物を収容しない状態で示す正面図で、(B)はそのB−B断面図である。
【図4】本発明の実施の形態を押出ガン内に装填した状態を示す要部断面図である。
【図5】本発明の実施の形態を押し出す器具の他の構成例を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に付属させるのに有効なパウチの穿孔機能付きの蓋体23の構成例を示す断面図である。
【図7】本発明における押出口の他の構成例の説明図で、パウチへの貼着用のフランジ部と押出ノズルを一体化した押出口の断面図である。
【図8】シーリング材等の接着剤を押出自在に収容する容器であるカートリッジの構成例を示す断面図である。
【図9】図8のカートリッジの内容物を押し出すための市販の押出ガンの構造説明図であり、(A)は外観図で、(B)は要部断面図である。
【符号の説明】
1 パウチ
11a,11b,11c フィルム
2 押出口ユニット
21 押出口基体
21a 円筒部
21b フランジ部
21c 接着剤層
21d 雄ねじ
22 押出ノズル
22a 雌ねじ
23 蓋体
23a 雌ねじ
23b 突き刺し棒
5 押出ノズル
51 ノズル部
52 フランジ部
53 接着剤層
Claims (6)
- 接着剤等の高粘性流体を収容し、押出器により所要量ずつ押し出すための容器であって、
2枚のフィルム状材料の一端側にのみ第3のフィルム状材料を配して袋状に形成してなり、内容物の充填状態で上記第3のフィルム状材料が軸線に直交する略平坦部を形成する構造を有するパウチと、そのパウチの上記第3のフィルム状材料による略平坦部に取り付けられる押出口とからなり、その押出口は、外周面に雄ねじが形成された筒状部材の一端部に上記第3のフィルム状材料による略平坦部に対して貼着するための接着剤層が設けらたフランジ部が形成されてなる押出口基体と、コーン状の筒体の基端内周面に上記雄ねじに螺合する雌ねじが形成された押出ノズルによって構成されているとともに、上記パウチは、内容物を密封状態で収容し、内容物の使用に際して上記押出口基体が貼着された後、当該基体の筒状部の内側で穿孔されることを特徴とする容器。 - 接着剤等の高粘性流体を収容し、押出器により所要量ずつ押し出すための容器であって、
2枚のフィルム状材料の一端側にのみ第3のフィルム状材料を配して袋状に形成してなり、内容物の充填状態で上記第3のフィルム状材料が軸線に直交する略平坦部を形成する構造を有するパウチと、そのパウチの上記第3のフィルム状材料による略平坦部に取り付けられる押出口とからなり、その押出口は、外周面に雄ねじが形成された筒状部材の一端部に上記第3のフィルム状材料による略平坦部に対して貼着するための接着剤層が設けらたフランジ部が形成されてなる押出口基体と、コーン状の筒体の基端内周面に上記雄ねじに螺合する雌ねじが形成された押出ノズルと、カップ状の開口側内周面に上記雄ねじに螺合する雌ねじが形成され、内底面には上記押出口基体を上記パウチに貼着後に当該基体にねじ込むことにより上記パウチを穿孔するための突き刺し棒が一体形成されてなる蓋体によって構成されているとともに、上記パウチは、内容物を密封状態で収容し、内容物の使用に際して上記押出口基体が貼着された後、当該基体の筒状部の内側で穿孔されることを特徴とする容器。 - 接着剤等の高粘性流体を収容し、押出器により所要量ずつ押し出すための容器であって、
2枚のフィルム状材料の一端側にのみ第3のフィルム状材料を配して袋状に形成してなり、内容物の充填状態で上記第3のフィルム状材料が軸線に直交する略平坦部を形成する構造を有するパウチと、そのパウチの上記第3のフィルム状材料による略平坦部に取り付けられる押出口とからなり、その押出口は、コーン状の筒体の基端部に上記第3のフィルム状材料による略平坦部に対して貼着するための接着剤層が設けらたフランジ部が一体形成されてなる押出ノズルによって構成されているとともに、上記パウチは、内容物を密封状態で収容し、内容物の使用に際して上記押出ノズルが貼着された後、当該ノズルの筒体の内側で穿孔されることを特徴とする容器。 - 上記パウチを形成するフィルム状材料が、アルミ箔層、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート樹脂層、透明蒸着ポリアミド樹脂層、複合延伸ポリアミド樹脂層、複合延伸ポリプロピレン樹脂層、およびエチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂層のうちの少なくともいずれか一つの層からなるガスバリア層もしくは水蒸気バリア層を含む積層フィルムであることを特徴とする請求項1、2または3のいずれか1項に記載の容器。
- 上記パウチが、船底形パウチであることを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれか1項に記載の容器。
- 上記パウチが、スタンディングパウチであることを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれか1項に記載の容器。
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