JP3844592B2 - 光ファイバの被覆除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの被覆材を除去する被覆除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバを被覆材で被覆してなる光ファイバ先端の被覆を目的の長さだけ除去する装置としては、調心位置決めされた光ファイバの被覆材における除去長(以下、ストリップ長と称する)部分の境界に被覆材のみを切断可能な切断刃を切り込ませ、被覆材の除去長部分を支持手段によって支持しながらストリップ長から該除去長部分に内装されている光ファイバを引き抜くことにより裸ファイバを形成するようになっている。
【0003】
図6ないし図8に、従来技術による光ファイバの被覆除去装置の一例を示す。
これらの図において、符号1は光ファイバの被覆除去装置を、符号2は光ファイバ(光ファイバ心線)を、符号3は光ファイバ2を取り付けるファイバホルダをそれぞれ示している。
ここで、光ファイバ2は、裸ファイバ2aの周囲を被覆材2bで被覆してなるものである(図8参照)。
【0004】
この被覆除去装置1では、まずファイバホルダ3に開閉自在となるようにヒンジ結合された開閉部材4,4を基台5に対し開かせた状態で、光ファイバ2を基台5にセットし、両開閉部材4,4を閉じて光ファイバ2をファイバホルダ3に固定する。
次に、ベース6に対し可動支持体7が開いた状態にある被覆除去装置1に対して、光ファイバ2をベース6のガイド体8a〜8dの溝9…9に載置させつつファイバホルダ3をホルダ保持体10に嵌合させる。
【0005】
そして、ベース6および可動支持体7を把持することにより、可動支持体7をベース6に重なり合う閉状態にする。すると、光ファイバ2がベース6側のガイド体8a〜8dの溝9…9および可動支持体7の規制体11a、11bで径方向の位置が調心位置決めされ、この状態で切断部材12および可動切断部材13で光ファイバ2の外側の被覆材2bのみ切断する。
【0006】
その後、把持状態のまま、ホルダ保持体10をファイバホルダ3と共にベース6からガイド棒14の案内で、光ファイバ2の端部が切断部材12および可動切断部材13から離れるまで離間させると、この間、被覆材2bの切断位置より先端側が切断部材12および可動切断部材13で移動が規制されることで裸ファイバ2aが被覆材2bから引き抜かれ、よって被覆材2bが除去される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の光ファイバの被覆除去装置には、以下のような問題が存在する。
光ファイバ2は、ベース6側のガイド体8a〜8dの溝9…9および可動支持体7の規制体11a、11bで保持されているが、ガイド体8dより先端は解放されているため、上記被覆材2bを切断した際に被覆材2bの先端部が湾曲してしまい、これに伴って裸ファイバ2aに剪断力が作用することがある。
【0008】
この状態でホルダ保持体10をベース6から離間させることにより裸ファイバ2aを被覆材2bを引き抜くと、裸ファイバ2aに無理な力が加わり、裸ファイバ2aが損傷したり、最悪の場合折れてしまうこともありその解決策が望まれていた。
【0009】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、光ファイバ心線を保持した際にもその先端が湾曲することなく、従って、裸ファイバが損傷することなく、被覆材を除去することができる光ファイバの被覆除去装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
請求項1記載の光ファイバの被覆除去装置は、ファイバホルダに固定された光ファイバの被覆材を除去する光ファイバの被覆除去装置であって、光ファイバをその径方向に位置決めした状態で支持可能な略直方体形状のベースと、該ベースに径方向に位置決めされた前記光ファイバの被覆材を該ベースに設けられた切断部材との間で切断可能な対をなす可動切断部材を、該ベースに対し接近・離間可能に支持する略長方形板状の可動支持体と、ベースおよび可動支持体にそれぞれ設けられ、前記可動支持体を前記ベースに接近させたときに該可動支持体と前記ベースとの間で支持される前記光ファイバの先端を前記径方向に保持する先端保持部と、前記ベースの前記切断部材を介して前記ベース側の先端保持部とは反対の側に設けられ、前記ファイバホルダを着脱自在に保持した状態で前記ベースの長さ方向に平行な軸線方向に移動して前記ベースに対して接近・離間するホルダ保持体とを有し、前記ベース側の先端保持部は、上方に向かうに従って互いに漸次離間する一対の傾斜面と、この一対の傾斜面の間に両傾斜面の下端から下方に窪むように形成され前記光ファイバの先端を収納する溝とが、前記ベースの長さ方向に沿って延在する、細長形状に形成され、前記可動支持体側の先端保持部は、前記可動支持体を前記ベースに対して閉じたときに前記ベース側の先端保持部の前記溝内に突出する頂部と、該頂部から離間するに従って漸次両側に拡がるように形成され、前記可動支持体を前記ベースに対して閉じたときに前記ベース側の先端保持部の一対の傾斜面に当接される一対の傾斜面とが、前記可動支持体の長さ方向に沿って延在する、細長形状に形成され、前記可動支持体を前記ベースに対して閉じたときに、前記可動支持体側の先端保持部の前記頂部が、前記ベース側の先端保持部の前記溝内に突出することにより、前記溝内で前記光ファイバが保持されるように構成され、しかも、前記先端保持部は、前記位置決めされた光ファイバを隙間を有した状態で保持するものである。
【0011】
従って、本発明の光ファイバの被覆除去装置では、光ファイバが固定された状態のファイバホルダをホルダ保持体に保持させ、且つホルダ保持体を例えばベースに当接させた状態とすることで、ファイバホルダに対する切断部材および可動切断部材による切断位置、即ち被覆除去の開始位置が決まる。そして、ベースに支持された光ファイバの被覆材を切断部材および可動切断部材により切断し、その後ホルダ保持体をファイバホルダと共にベースから離間させて被覆材を除去させると、ファイバホルダに対し位置決めされた状態で被覆除去部分が得られる。
この際、光ファイバの先端は、先端保持部により径方向が保持されているので、切断時に湾曲することが防止される。従って、裸ファイバに剪断力を作用させることなく被覆材を除去することができる。
【0012】
また、本発明の光ファイバの被覆除去装置では、先端保持部が光ファイバを押圧しないので、裸ファイバを被覆材から引き抜く際の抵抗を低減することができる。
請求項2に係る発明は、前記ベース(17)の長さ方向における一端の結合部(18)に、可動支持体(19)の一端側が開閉自在となるようにヒンジ結合され、前記ベース(17)の前記結合部(18)に対し反対側に前記ホルダ保持体(10)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバの被覆除去装置である。
請求項3に係る発明は、前記ベース(17)の前記結合部(18)に対する反対側には、光ファイバ(2)をベース(17)の長さ方向に平行するようにその径方向に調心位置決めした状態で支持する溝(22)が形成されたガイド体(20a、20b)が所定の間隔をおいて設けられ、前記ガイド体の間に前記切断部材(12)が設けられ、前記ベース(17)に設けられた前記先端保持部(25a)は、前記切断部材から前記結合部(18)側の前記ガイド体(20b)より結合部(18)側に設けられ、前記可動支持体(19)に設けられた前記先端保持部(25b)は、前記可動支持体(19)を前記ベース(17)に対して閉じたときに、前記ベース(17)側の先端保持部(25a)との間に光ファイバを保持できるように、前記可動支持体における前記ベース(17)の前記ガイド体(20b)に対応する位置よりも結合部(18)側に設けられていることを特徴とする請求項2記載の光ファイバの被覆除去装置である。
請求項4に係る発明は、前記ベース(17)のホルダ保持部(10)側の幅方向の両側位置に穿設された嵌合穴(36,36)に、前記ホルダ保持部(10)の前記ベース(17)に対する移動を案内するガイド棒(37,37)の一端側が、前記ベース(17)の長さ方向に移動自在に嵌合され、前記ガイド棒(37,37)の一端側に、ホルダ保持体10が固定されていることを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載の光ファイバの被覆除去装置である。
請求項5に係る発明は、前記ホルダ保持体(10)は、略長方形板状をなすと共に長さ方向の一側に該長さ方向に沿って両ガイド棒(37,37)が固定された基板部(38)と、該基板部(38)の長さ方向における両端部上に突出する係止部(39,39)とを有し、ファイバホルダ(3)が、両係止部(39,39)の間に嵌合されるようになっていることを特徴とする請求項4記載の光ファイバの被覆除去装置である。
請求項6に係る発明は、ファイバホルダ(3)は、略直方体形状の基台(5)と、該基台(5)の上面(5a)に対し開閉自在となるようヒンジ結合された二つの板状の開閉部材(4,4)とを有し、両開閉部材(4,4)を基台(5)に対して開かせた状態で光ファイバ(2)を基台(5)にセットし、両開閉部材(4,4)を閉じることで、光ファイバ(2)を固定できるようになっていることを特徴とする請求項1−5のいずれかに記載の光ファイバの被覆除去装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光ファイバの被覆除去装置の実施の形態を、図1ないし図5を参照して説明する。
ここでは、例えば、光ファイバの直径が0.9mmの場合の例を用いて説明する。これらの図において、従来例として示した図6ないし図8と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図1において、符号15は光ファイバの被覆除去装置を、符号3はファイバホルダをそれぞれ示している。
【0014】
ファイバホルダ3は、略直方体形状の基台5と、該基台5の上面5aに対し開閉自在となるようヒンジ結合された二つの板状の開閉部材4,4とを有している。
基台5の上面5aの幅方向における中央位置には、全長さ方向に延在して溝(図示せず)が形成されている。このファイバホルダ3は、両開閉部材4,4を上面5aに対し開かせた状態で溝に光ファイバを直線状に嵌合させ、その後、両開閉部材4,4を閉じることで光ファイバを固定するものである。
また、ファイバホルダ3の長さ方向における両端の幅方向における中央には、それぞれ上面5a側に直方体形状の突起16,16が形成されている。
【0015】
被覆除去装置15は、略直方体形状のベース17と、該ベース17の長さ方向における一端の結合部18に所定の角度範囲で開閉自在となるようその一端側がヒンジ結合された略長方形板状の可動支持体19と、ベース17の結合部18に対し反対側に設けられたホルダ保持体10とを有している。
ベース17のホルダ保持体10側には、長さ方向に直交してガイド体20a、20bが所定の間隔をおいて形成されている。
【0016】
図3に示すように、ガイド体20a、20bには、上方に向かうに従って互いに漸次離間する方向に拡径する一対の傾斜面21,21がベース17の幅方向および高さ方向の位置を一致させて形成されている。また、傾斜面21,21間には、ベース17の長さ方向に延在する幅1.2mm程度、深さが光ファイバ2の中心線から0.45mmの正面視コ字状の溝22が形成されている。溝22は、傾斜面21,21で案内された光ファイバ2をベース17の長さ方向に平行するように、その径方向に調心位置決めした状態で支持するものである。
また、ガイド体20a、20b間には、図2に示すように、可動支持体19へ向けて切断部材12が突設されている。
【0017】
ベース17および可動支持体19のガイド体20bより結合部18側には、上記調心位置決めされた光ファイバ2の先端を保持する先端保持部25a、25bがそれぞれ設けられている。図4に示すように、先端保持部25aには、上記一対の傾斜面21,21とベース17の幅方向および高さ方向の位置が一致する傾斜面26,26が形成されている。傾斜面26,26間には、ベース17の長さ方向に延在する正面視コ字状の溝27が形成されている。溝27は、幅が溝22に対して同寸法に、深さが溝22より0.1mm程度深い光ファイバ2の中心線から下方の0.55mmに形成されている。
【0018】
先端保持部25bは、頂部28と、該頂部28から離間するに従って漸次拡径する傾斜面29,29とから構成されており、傾斜面29,29は、可動支持体19を閉じたときに傾斜面26,26とそれぞれ当接するように同じ傾斜角(例えば90°)に設定されている。また、頂部28は、傾斜面26,26および傾斜面29,29が当接したときに、溝27内に、光ファイバ2の中心線から上方の0.55mmの位置に、即ち、溝27内に高さ方向の寸法が1.1mmの空間を形成するように突出するものである。
【0019】
ベース17および可動支持体19の結合部18側には、それぞれ円筒状の筒部23が形成されており、これら筒部23、23にはスプリング24が挿入されている。スプリング24は、可動支持体19をベース17に対して所定角度開かせるように付勢するものである。
【0020】
図2に示すように、可動支持体19の結合部18に対する反対側には、板状のガイド体30a〜30dがベース17の長さ方向に順次形成されている。
最もホルダ保持体10側のガイド体30aと、該ガイド体30aに隣設するガイド体30bとの間には間隙31が形成されており、間隙31には可動支持体19がベース17に対して閉じたときにガイド体20aが入り込むようになっている。また、最も結合部18側のガイド体30dと、該ガイド体30dに隣設するガイド体20cとの間には間隙32が形成されており、間隙32には可動支持体19がベース17に対して閉じたときにガイド体20bが入り込むようになっている。
【0021】
図3に示すように、ガイド体30a〜30dには、下方に向かうに従って互いに漸次離間する方向に拡径する一対の傾斜面33,33が可動支持体19の幅方向および高さ方向の位置を一致させて形成されている。また、傾斜面31,31間には、ベース17の長さ方向に延在する幅1.2mm程度、深さが光ファイバ2の中心線から上方の0.45mmのコ字状の溝34が形成されている。溝34は、ガイド板20a,20bの溝22で径方向に調心位置決めされた光ファイバ2を、可動支持体19がベース17に対して閉じたときに上方から支持して、該光ファイバ2が可動支持体19方向へ向けて移動することを規制するものである。
また、ガイド体30bとガイド体30cとの間には、ベース17へ向けて可動切断部材35が可動支持体19によりベース17に対し接近・離間可能に支持されている。
【0022】
ベース17の切断部材12と、可動支持体19の可動切断部材35とは、ベース17と可動支持体19とが重なり合った閉状態において、ガイド体20a,20bの溝22に径方向の位置決めがなされた光ファイバ2の被覆材2bのみを両側から切断可能な対をなしている。切断部材12および可動切断部材35には、それぞれ光ファイバ2の被覆材2bの内径(裸ファイバ2aの外径)とほぼ等しい半円状の刃部(図示せず)が形成されており、これら刃部はベース17と可動支持体19とを重ね合わせた際に、内側に被覆材2bの内径とほぼ一致し、且つ同軸をなすクリアランスを形成して裸ファイバ2aに傷を付けることなく被覆材2bのみを切断するようになっている。
【0023】
ベース17のホルダ保持部10側には、幅方向の両側位置に、長さ方向に沿って複数(二箇所)の嵌合穴36,36がそれぞれ穿設されており、これら嵌合穴36,36にはそれぞれガイド棒37,37が一端側に軸線方向に移動自在となるように嵌合されている。そして、これらガイド棒37,37の他端側にホルダ保持体10が固定されている。ここで、これらのガイド棒37,37および嵌合穴36,36は、ガイド棒37,37が嵌合穴36,36に対し、作業者の手による程度の外力付与で移動し、該外力付与の解除で嵌合穴36,36に対し位置が固定されるような嵌合力が設定されている。
【0024】
図5に示すように、ホルダ保持体10は、略長方形板状をなすと共に長さ方向の一側に該長さ方向に沿って両ガイド棒37,37が固定される基板部38と、該基板部38の長さ方向における両端部に、基板部38に対し垂直をなして可動支持体19側に延出するように形成された係止部39,39とを有しており、両係止部39,39には基板部38に対し反対側(図5(a)における上側)に凹部40,40がそれぞれ形成されている。
【0025】
このホルダ保持体10には、光ファイバ2に固定状態とされたファイバホルダ3が、両係止部39,39の間に下面5bを基板部38に当接するまで嵌合される。このとき、係止部39,39の凹部40,40にファイバホルダ3の突起16がそれぞれ嵌合している。
ここで、ファイバホルダ3は、ホルダ保持体10に対するファイバホルダ3の嵌合および嵌合解除を作業者の手による程度の外力付与で行え、該外力付与の解除で嵌合状態が維持されるように嵌合力が設定されている。
【0026】
そして、上記のようにホルダ保持体10に嵌合保持された状態において、ファイバホルダ3は、固定支持した光ファイバ2の突出部分の軸線をガイド棒37,37の軸線と平行させ、ガイド体20a、20bで調心支持される際の軸線と一致するようになっている。
以上により、ホルダ保持体10は、ファイバホルダ3を着脱自在に保持すると共に、装着状態において該ファイバホルダ3をベース17に対して、固定された光ファイバ2の径方向に位置決めし、且つ該光ファイバ2の軸線方向、即ちファイバホルダ3からの突出方向に沿ってのみ接近・離間自在に移動する。
【0027】
上記の構成の光ファイバの被覆除去装置15を用いた作業について以下に説明する。
まず、ファイバホルダ3の両開閉部材4,4を基台5に対して開かせた状態で、光ファイバ2を基台5にセットし、両開閉部材4,4を閉じて光ファイバ2をファイバホルダ3に固定する。
【0028】
次に、ベース17に対し可動支持体19が開いた状態にある被覆除去装置15に対して、光ファイバ2をベース17のガイド体20a、20bの傾斜面21,21を案内にして溝22に載置させつつ、ファイバホルダ3をホルダ保持体10に嵌合させる。ここで、ホルダ保持体10を予めベース17に当接させておく。
【0029】
そして、ベース17および可動支持体19を把持することにより、可動支持体19をベース17に重なり合う閉状態とする。すると、図3に示すように、光ファイバ2がベース17側のガイド体20a,20bの溝22および可動支持体19側のガイド体30a〜30dの溝34で径方向の位置が調心位置決めされる。
そして、この状態で切断部材12および可動切断部材35で光ファイバ2の外側の被覆材2bのみを切断する。
【0030】
このとき、光ファイバ2の先端部は、先端保持部25a,25bによってその径方向が保持されている。
即ち、図4に示すように、ベース17側の先端保持部25aにおいて、光ファイバ2は、傾斜面26,26に案内されて溝27内に載置された後、可動支持体19を閉じた際に、図5に示すように、該可動支持体19側の先端保持部25bの傾斜面29,29が先端保持部25aの傾斜面26,26と当接すると共に、頂部28が溝27内に突出することにより、溝27内で径方向が保持される。
この溝27の幅寸法は1.2mm程度、高さ方向の寸法は1.1mm程度であり、光ファイバ2の直径は0.9mmであるので、これら先端保持部25a,25bは光ファイバ2を微小な隙間を有した状態で、且つ径方向の位置をほぼ維持した状態で保持することができる。
【0031】
その後、把持状態のまま、ホルダ保持体10をファイバホルダ3と共にベース17からガイド棒37の案内で、光ファイバ2の端部が切断部材12および可動切断部材35から離れるまで離間させると、この間、被覆材2bの切断位置より先端側が切断部材12および可動切断部材35で移動が規制されることで裸ファイバ2aが引き抜かれ、被覆材2bが除去される。
【0032】
上記、光ファイバ2の被覆材2bの切断時およびホルダ保持部10の離間の際には、光ファイバ2の先端部は、先端保持部25a,25bによって保持されて径方向の位置をほぼ維持しているので、被覆材2bおよび裸ファイバ2aは湾曲することなく、従って裸ファイバ2aは剪断力が作用することなく被覆材2bから引き抜かれる。
かくして、被覆除去部分である裸ファイバ2aが、ファイバホルダ3に対して正確に位置決めされた状態で得られる。
【0033】
次に、このようにして被覆材2bが除去された状態の光ファイバ2を、ファイバホルダ3に固定状態のまま、被覆除去装置15から取り外し、そのままファイバホルダ3において不図示の接続器に装着して光接続を行う。
【0034】
本実施の形態の光ファイバの被覆除去装置では、裸ファイバ2aを得るための切断作業から接続作業までの全行程において、ファイバホルダ3の移設で位置決めがなされるため、作業効率が向上する。
また、裸ファイバ2aを被覆材2bから引き抜く際にも、被覆材2bの先端部が先端保持部25a,25bでほぼ位置決めされて、径方向の位置が維持されているので、裸ファイバ2aに剪断力が加わることなく、円滑に作業を行うことができる。
【0035】
そして、先端保持部25a,25bによる光ファイバ2の保持が、隙間を有した状態でなされるので、ベース17および可動支持体19を把持した際に、先端保持部25bの頂部28は光ファイバ2を押圧しない。
従って、裸ファイバ2aと被覆材2bとの間の摩擦力が増加しないので、裸ファイバ2aを被覆材2bから引き抜く際の抵抗の増加を抑止することができる。
【0036】
なお、上記実施の形態において、傾斜面26,26および溝27を有する先端保持部25aをベース17に設け、傾斜面29,29および頂部28を有する先端保持部25bを可動支持部19に設ける構成としたが、これに限られることなく、例えば先端保持部25aを可動支持部19に設け、先端保持部25bをベース17に設けるような構成であってもよい。
また、溝27および頂部28の形状寸法は、上記の寸法に限定されることなく、光ファイバ2が調心位置決めされて支持される寸法に対して、径方向の位置をほぼ維持し、且つ微小な隙間を有するものであれば適宜変更してもよい。
さらに、光ファイバ2の直径寸法も0.9mmに限られることなく、溝22,27,34の幅寸法等を変更すれば各種寸法にも対応可能である。
【0037】
一方、先端保持部25aの傾斜面26に、切断部材12および可動切断部材35からの距離を表示する目盛を設けることにより、被覆材2bが除去された裸ファイバ2aのストリップ長を容易に、且つ正確に設定することができる。
また、潤滑剤を染み込ませた綿等の吸収材等を切断部材12および可動切断部材35の近傍に配置することにより、切断位置から先端側の被覆材2bからの裸ファイバ2aの引き抜き時におけるこれらの間の潤滑性を高めて、被覆材2bの除去の容易化を図ることもできる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る光ファイバの被覆除去装置は、光ファイバが固定された状態のファイバホルダをホルダ保持体に保持させ、且つ光ファイバの先端を先端保持部で径方向に保持する構成となっている。
これにより、この光ファイバの被覆除去装置では、裸ファイバに損傷を与えることなく、円滑に被覆材を除去することができるという効果が得られる。
【0039】
また、本発明に係る光ファイバの被覆除去装置は、先端保持部が光ファイバを隙間を有した状態で保持する構成となっている。これにより、この光ファイバの被覆除去装置では、裸ファイバを被覆材から引き抜く際の抵抗の増加を抑止することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す図であって、被覆除去装置の外観斜視図である。
【図2】 被覆除去装置の正面図である。
【図3】 本発明の実施の形態を示す図であって、光ファイバがガイド体で調心位置決めされる正面図である。
【図4】 本発明の実施の形態を示す図であって、光ファイバが先端保持部で保持される断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態を示す図であって、被覆除去装置を構成するホルダ保持体の(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は(b)の左側面図、(d)は(b)の右側面図である。
【図6】 従来技術による光ファイバの被覆除去装置の一例を示す外観斜視図である。
【図7】 図6における正面図である。
【図8】 従来技術の被覆除去装置による被覆除去後の状態を示す正面図である。
【符号の説明】
2…光ファイバ(光ファイバ心線)、2b…被覆材、3…ファイバホルダ、10…ホルダ保持体、12…切断部材、15…被覆除去装置、17…ベース、19…可動支持体、25a,25b…先端保持部、35…可動切断部材。
Claims (6)
- ファイバホルダ(3)に固定された光ファイバ(2)の被覆材(2b)を除去する光ファイバの被覆除去装置であって、
光ファイバをその径方向に位置決めした状態で支持可能な略直方体形状のベース(17)と、
該ベースに径方向に位置決めされた前記光ファイバの被覆材を該ベースに設けられた切断部材(12)との間で切断可能な対をなす可動切断部材(35)を、該ベースに対し接近・離間可能に支持する略長方形板状の可動支持体(19)と、
ベースおよび可動支持体にそれぞれ設けられ、前記可動支持体を前記ベースに接近させたときに該可動支持体と前記ベースとの間で支持される前記光ファイバの先端を前記径方向に保持する先端保持部(25a,25b)と、
前記ベースの前記切断部材を介して前記ベース側の先端保持部とは反対の側に設けられ、前記ファイバホルダを着脱自在に保持した状態で前記ベースの長さ方向に平行な軸線方向に移動して前記ベースに対して接近・離間するホルダ保持体(10)とを有し、
前記ベース側の先端保持部(25a)は、上方に向かうに従って互いに漸次離間する一対の傾斜面(26)と、この一対の傾斜面の間に両傾斜面の下端から下方に窪むように形成され前記光ファイバの先端を収納する溝(27)とが、前記ベースの長さ方向に沿って延在する、細長形状に形成され、
前記可動支持体側の先端保持部(25b)は、前記可動支持体を前記ベースに対して閉じたときに前記ベース側の先端保持部の前記溝内に突出する頂部(28)と、該頂部(28)から離間するに従って漸次両側に拡がるように形成され、前記可動支持体を前記ベースに対して閉じたときに前記ベース側の先端保持部の一対の傾斜面(26)に当接される一対の傾斜面(29)とが、前記可動支持体の長さ方向に沿って延在する、細長形状に形成され、
前記可動支持体を前記ベースに対して閉じたときに、前記可動支持体側の先端保持部(25b)の前記頂部(28)が、前記ベース側の先端保持部の前記溝(27)内に突出することにより、前記溝(27)内で前記光ファイバが保持されるように構成され、
しかも、前記先端保持部は、前記位置決めされた光ファイバを隙間を有した状態で保持することを特徴とする光ファイバの被覆除去装置(15)。 - 前記ベース(17)の長さ方向における一端の結合部(18)に、可動支持体(19)の一端側が開閉自在となるようにヒンジ結合され、前記ベース(17)の前記結合部(18)に対し反対側に前記ホルダ保持体(10)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバの被覆除去装置。
- 前記ベース(17)の前記結合部(18)に対する反対側には、光ファイバ(2)をベース(17)の長さ方向に平行するようにその径方向に調心位置決めした状態で支持する溝(22)が形成されたガイド体(20a、20b)が所定の間隔をおいて設けられ、
前記ガイド体の間に前記切断部材(12)が設けられ、
前記ベース(17)に設けられた前記先端保持部(25a)は、前記切断部材から前記結合部(18)側の前記ガイド体(20b)より結合部(18)側に設けられ、
前記可動支持体(19)に設けられた前記先端保持部(25b)は、前記可動支持体(19)を前記ベース(17)に対して閉じたときに、前記ベース(17)側の先端保持部(25a)との間に光ファイバを保持できるように、前記可動支持体における前記ベース(17)の前記ガイド体(20b)に対応する位置よりも結合部(18)側に設けられていることを特徴とする請求項2記載の光ファイバの被覆除去装置。 - 前記ベース(17)のホルダ保持部(10)側の幅方向の両側位置に穿設された嵌合穴(36,36)に、前記ホルダ保持部(10)の前記ベース(17)に対する移動を案内するガイド棒(37,37)の一端側が、前記ベース(17)の長さ方向に移動自在に嵌合され、
前記ガイド棒(37,37)の一端側に、ホルダ保持体10が固定されていることを特 徴とする請求項1−3のいずれかに記載の光ファイバの被覆除去装置。 - 前記ホルダ保持体(10)は、略長方形板状をなすと共に長さ方向の一側に該長さ方向に沿って両ガイド棒(37,37)が固定された基板部(38)と、該基板部(38)の長さ方向における両端部上に突出する係止部(39,39)とを有し、ファイバホルダ(3)が、両係止部(39,39)の間に嵌合されるようになっていることを特徴とする請求項4記載の光ファイバの被覆除去装置。
- ファイバホルダ(3)は、略直方体形状の基台(5)と、該基台(5)の上面(5a)に対し開閉自在となるようヒンジ結合された二つの板状の開閉部材(4,4)とを有し、両開閉部材(4,4)を基台(5)に対して開かせた状態で光ファイバ(2)を基台(5)にセットし、両開閉部材(4,4)を閉じることで、光ファイバ(2)を固定できるようになっていることを特徴とする請求項1−5のいずれかに記載の光ファイバの被覆除去装置。
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