JP4155153B2 - 光ファイバ接続部材および光ファイバ接続方法 - Google Patents
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Description
メカニカルスプライスによる光ファイバ接続器としては、ベースおよび蓋体の当接面に光ファイバ同士を突き合わせ接続可能にする調心機構を設け、そのベースおよび蓋体をC型バネ体で圧接するようにした光ファイバ接続器があった(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかし、この種のメカニカルスプライスによる光ファイバ接続部材は、光ファイバケーブルを直接固定することができなかった。そのため、従来の光ファイバ接続部材により、光ファイバケーブルを接続するときは、テンションメンバを除去した後に光ファイバケーブルから光ファイバ心線や光ファイバ素線をある程度の長さ引き出して、端部を研摩等した上で、接続処理を行わねばならなかった。さらに、その接続後、別部品(光ファイバ収納用のトレー等)内に光ファイバ心線や光ファイバ素線等の余長を巻き取って収納し、光ファイバケーブルを固定しなければならなかった。
このようなことから、従来のメカニカルスプライスによる光ファイバ接続部材を用いると、光ファイバの接続作業が手間どるばかりでなく、熟練した技術(スキル)、さらには各部品の配置スペースも必要とされ、FTTH(Fiber to the home)を実現するための、各家庭まで光ファイバを敷設する作業に影響が及んでいた。
この光ファイバ接続部材は、両側から光ファイバ孔と、光ファイバ被覆孔にそれぞれ光ファイバおよび光ファイバ被覆部を挿入して光ファイバが突き当たるようにし、その状態のまま、光ファイバケーブルの外被をケーブル固定部で固定することができる。また、ケーブル固定部では、各固定部材の間に光ファイバケーブルを挟み込み、その固定部材を環状部材またはねじ部材により締め付けて光ファイバケーブルの外被を固定することができる。
この空隙部を設けることにより、光ファイバ被覆部をたわませて付勢し、光ファイバに押し込もうとする力を付与することができる。
こうすると、光ファイバ用テーパ部と光ファイバ被覆用テーパ部とにより、光ファイバを案内し、光ファイバの端面を損傷させることなく、挿入することができる。
これにより、外部から内部における接続状態を確認することができる。
こうすると、スリットが空気の抜け穴として作用するとともに、孔部からスリットに屈折率整合剤を注入することができる。
こうすると、光ファイバ被覆部をたわませて付勢し、光ファイバに押し込もうとする力を付与することができる。
この接続方法によれば、光ファイバ接続部材により、光ファイバを接続するとともに、光ファイバケーブルの外被を固定することができる。
この工程を有することにより、光ファイバが確実に接続されているか否かを確認し、確実でなければ再度接続作業が必要であることを見つけ出すことができる。
(光ファイバ接続部材の実施の形態)
図1は本実施の形態に係る光ファイバ接続部材100を示す縦断面図、図2は光ファイバ接続部材100の片側のみ示す斜視図である。図1に示すように、光ファイバ接続部材100は、光ファイバを挿通するキャピラリ10を円筒状のハウジング20で被覆した構成を有している。
そして、ハウジング20は、キャピラリ10の外側における各ケーブル固定部22との間に空隙部23が設けられるようになっている。各空隙部23は、詳しくは後述するが、光ファイバ被覆部をたわませるための場所を確保するために設けられている。
ケーブル固定部22は、図3に示した鬼目部31を有する固定部材24ではなく、別形状の固定部材を有していてもよい。たとえば、図4に示すように、鬼目部31の代わりに光ファイバケーブルの表面形状に対応した湾曲部41を有する固定部材42を有していてもよい。
なお、ケーブル固定部22がキャピラリ10側に光ファイバ被覆部を固定する被覆固定部を有するようにしてもよい。例えば、図示しないが、固定部材24のキャピラリ10側の部分を、光ファイバ被覆部を把持可能な形状に変更してもよい。
ここで、図6はケーブル固定部70を有するハウジング60の右側部分を示す断面図、図7はケーブル固定部70を構成する固定部材71を示す斜視図である。このケーブル固定部70は、固定部材71に光ファイバケーブルを把持させた状態で、軸方向にスライド可能になっている。
次に、光ファイバ接続部材100を用いた光ファイバの接続方法について、図8〜図10を参照して説明する。光ファイバ接続部材100は、光ファイバの接続に先立ち、各ケーブル固定部22において、固定部材24が係止部25と係合してなく、挿通孔20bに沿って摺動自在な状態にある。
そして、まず、光ファイバ接続部材100により接続しようとする光ファイバを有する光ファイバケーブル50,51について、それぞれの外被を一部除去して光ファイバ心線を取り出し、光ファイバ心線の被覆を除去してから所定の長さに切断し、光ファイバ50a,51aを露出させる。次に、光ファイバケーブル50,51をそれぞれ光ファイバ50a,51aが先になるようにして、光ファイバ接続部材100に両側から挿入する。
そして、光ファイバ50a,51aは屈折率整合剤16の配置箇所において、それぞれの端面が突き当たる。このとき、光ファイバ被覆部50b、51bは光ファイバ用テーパ部13に接触すると、そこで行き止まりとなり、それよりも奥へは進行することができない。そのため、光ファイバ50a,51aが突き当たった後でさらに光ファイバ被覆部50b、51bを押し込もうとする力が作用しても、光ファイバ50a,51aが押し込まれすぎるようなことはなく、光ファイバ50a,51aを保護することができる。
また、キャピラリ10には、光ファイバ被覆用テーパ部14が形成されているから光ファイバ被覆部50b,51bは、光ファイバ被覆用テーパ部14が形成されている方に向かって曲がりやすく、たわみやすくなっている。つまり、光ファイバ被覆用テーパ部14が光ファイバ被覆部50b,51bのたわみやすい方向を形成している。
また、光ファイバ接続部材100は、光ファイバの接続を行った後に、上述の手順で、光ファイバケーブルを取り外せば、別の光ファイバの接続に用いることも可能である。つまり、光ファイバ接続部材100は再利用が可能である。
このように、光ファイバ接続部材100がケーブル固定部70を有するときは光ファイバケーブル50,51を挟み込んだ後にスライドさせることによって、光ファイバケーブルを押し込むことなく、上述した光ファイバ被覆部のたわみを発生させることができる。これにより、押込み力を発生させ光ファイバの当接を確実なものにすることができる。
12…光ファイバ被覆孔
13…光ファイバ用テーパ部
14…光ファイバ被覆用テーパ部
15…スリット、16…屈折率整合剤
20,60…ハウジング
21,61…ハウジング本体
22,55,70…ケーブル固定部
23…空隙部、24,42,53,71…固定部材
25…係止部、31,73…鬼目部
41…湾曲部、50,51…光ファイバケーブル
50a,51a…光ファイバ
50b,51b…光ファイバ被覆部
54…環状部材、72…環状部
74…突起付アーム、100…光ファイバ接続部材
Claims (8)
- 光ファイバを挿通するキャピラリと、該キャピラリの全体を被覆した筒状のハウジングとを有する光ファイバ接続部材であって、
前記キャピラリは、前記光ファイバよりも若干大きい径を有する光ファイバ孔と、
該光ファイバ孔の両側にそれぞれ設けられ、前記光ファイバの周囲にある光ファイバ被覆部よりも若干大きい径を有する光ファイバ被覆孔とを有し、
前記ハウジングは、前記キャピラリよりも外側の両側に、光ファイバケーブルの外被を固定するケーブル固定部を有し、
該ケーブル固定部は、拡開可能なチャック構造の固定部材を有し、該固定部材がスライド可能な環状部材またはねじ部材により、前記光ファイバケーブルの外被を締め付け把持可能なことを特徴とする光ファイバ接続部材。 - 前記光ファイバ被覆孔と前記ケーブル固定部との間に、光ファイバ被覆部をたわませるための空隙部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ接続部材。
- 前記キャピラリは、前記光ファイバ孔が光ファイバ用テーパ部を介して前記各光ファイバ被覆孔と接続され、かつ前記各光ファイバ被覆孔の外側に設けられた光ファイバ被覆用テーパ部を有し、
該各光ファイバ被覆用テーパ部が、半円形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバ接続部材。 - 前記キャピラリおよび前記ハウジングが透明材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の光ファイバ接続部材。
- 前記キャピラリが前記ハウジングの外につながり、かつ屈折率整合剤が配置されているスリットを有し、前記ハウジングが、前記スリットに屈折率整合剤を注入可能な孔部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の光ファイバ接続部材。
- 前記ケーブル固定部が前記ハウジングにそってスライド可能な構成を有し、
前記ケーブル固定部を内側にスライドさせて光ファイバ被覆部にたわみを発生可能なことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の光ファイバ接続部材。 - 請求項1〜6のいずれか一項記載の光ファイバ接続部材を用いた光ファイバ接続方法であって、
前記光ファイバ接続部材により接続しようとする光ファイバを有する第1および第2の光ファイバケーブルについて、それぞれの外被を除去し、前記光ファイバの周囲にある光ファイバ被覆部を除去してから所定の長さに切断し、前記第1および第2の光ファイバケーブルを前記光ファイバ接続部材に両側から挿入し、前記第1および第2の光ファイバケーブルにおける光ファイバが突き当たり、かつ前記光ファイバ被覆部がたわんだ状態で前記光ファイバ接続部材のケーブル固定部で前記第1および第2の光ファイバケーブルの外被を固定して、前記光ファイバを接続することを特徴とする光ファイバ接続方法。 - 前記光ファイバ同士が突き当たったところで、その接続状態を目視またはCCDにより確認する工程を有することを特徴とする請求項7記載の光ファイバ接続方法。
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