JP3844476B2 - 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3844476B2
JP3844476B2 JP2004092942A JP2004092942A JP3844476B2 JP 3844476 B2 JP3844476 B2 JP 3844476B2 JP 2004092942 A JP2004092942 A JP 2004092942A JP 2004092942 A JP2004092942 A JP 2004092942A JP 3844476 B2 JP3844476 B2 JP 3844476B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
thin film
head
film magnetic
magnetic head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004092942A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005285156A (ja
Inventor
貴彦 町田
幸司 島沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2004092942A priority Critical patent/JP3844476B2/ja
Priority to US11/073,385 priority patent/US7551407B2/en
Publication of JP2005285156A publication Critical patent/JP2005285156A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3844476B2 publication Critical patent/JP3844476B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/33Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
    • G11B5/39Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
    • G11B5/3903Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects using magnetic thin film layers or their effects, the films being part of integrated structures
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子を備えた薄膜磁気ヘッド、ならびにこの薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置に関する。
近年、ハードディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッドと書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
MR素子としては、異方性磁気抵抗(Anisotropic Magnetoresistive)効果を用いたAMR素子や、巨大磁気抵抗(Giant Magnetoresistive)効果を用いたGMR素子や、トンネル磁気抵抗(Tunnel-type Magnetoresistive)効果を用いたTMR素子等がある。
再生ヘッドの特性としては、高感度および高出力であることが要求される。この要求を満たす再生ヘッドとして、既に、スピンバルブ型GMR素子を用いたGMRヘッドが量産されている。
一般的なスピンバルブ型GMR素子は、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層と、この非磁性導電層の一方の面に隣接するように配置されたフリー層と、非磁性導電層の他方の面に隣接するように配置された固定層と、この固定層における非磁性導電層とは反対側の面に隣接するように配置された反強磁性層とを有している。フリー層は信号磁界に応じて磁化の方向が変化する層である。固定層は、磁化の方向が固定された強磁性層である。反強磁性層は、固定層との交換結合により、固定層の磁化の方向を固定する層である。このようなGMR素子は、例えば、特許文献1に記載されている。
また、一般的に、GMRヘッドにおいて、GMR素子は、その上下に配置された2つのシールド層の間に配置されている。GMR素子と各シールド層との間には絶縁膜が設けられている。また、GMR素子のトラック幅方向の両側には、フリー層にバイアス磁界を印加するバイアス磁界印加層が配置される。このようなGMRヘッドは、例えば、特許文献2に記載されている。
バイアス磁界印加層によって発生されるバイアス磁界は、フリー層に記録媒体からの信号磁界が印加されない状態において、フリー層の磁化をトラック幅方向に向ける。一方、固定層の磁化の方向は、ヘッドの媒体対向面に垂直な方向に固定される。従って、フリー層に記録媒体からの信号磁界が印加されない状態では、固定層の磁化の方向とフリー層の磁化の方向とがなす角度は90°に保たれる。このGMRヘッドに、記録媒体から、媒体対向面に垂直な方向の信号磁界が印加されると、フリー層の磁化の方向が変化し、その結果、固定層の磁化の方向とフリー層の磁化の方向とがなす角度が変化する。この角度によってGMR素子の電気抵抗が変化する。従って、このGMR素子の電気抵抗の変化を検出することにより、記録媒体に記録された情報を再生することができる。
特開平11−97763号公報 特開2002−100011号公報
ところで、GMRヘッドでは、GMR素子の媒体対向面とは反対側の端部に絶縁膜を介して上部シールド層が隣接した構造のものが多い。上部シールド層の材料としては、例えばNiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)が用いられる。このNiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)の線熱膨張係数は、30℃において12×10−6/℃程度である。GMRヘッドを含む薄膜磁気ヘッドの実使用時には、GMRヘッドの温度は百数十℃になる。そのため、薄膜磁気ヘッドの実使用時には、上部シールド層が膨張し、その結果、GMR素子に対して、媒体対向面側に押す力が加えられる。一方、GMR素子のフリー層に用いられる磁性材料は、一般的には磁歪定数がゼロであることはほとんどなく、正または負のある大きさの磁歪定数を有している。そのため、上述のように、薄膜磁気ヘッドの実使用時に、上部シールド層の膨張によって、GMR素子に対して、媒体対向面側に押す力が加えられると、逆磁歪効果によりフリー層に磁気異方性が発生する。このフリー層に発生する磁気異方性は、フリー層に用いられる磁性材料の磁歪定数が正の値か負の値かに応じて、フリー層の磁化をトラック幅方向または媒体対向面に垂直な方向に向けるように作用する。
上述のように、フリー層に逆磁歪効果による磁気異方性が発生すると、ヘッドの出力のアシンメトリ(非対称性)が変化する。ヘッドの出力のアシンメトリとは、ヘッドに対して、媒体対向面に垂直な方向に+Hの磁界を印加したときのヘッドの出力波形と、ヘッドに対して、媒体対向面に垂直な方向に−Hの磁界を印加したときのヘッドの出力波形との非対称性を言う。ヘッドの出力のアシンメトリは、具体的には、ヘッドに対して+H、−Hの磁界を印加したときのヘッドの抵抗変化量をそれぞれΔR(+H)、ΔR(−H)としたときに、以下の式で表される。
100×{ΔR(+H)−ΔR(−H)}/{ΔR(+H)+ΔR(−H)}(%)
同じ仕様の薄膜磁気ヘッドを多数製造しても、実使用時における上部シールド層の膨張によってGMR素子に対して加えられる力には、ヘッド間でばらつきがある。そのため、従来は、上部シールド層の膨張に起因して、実使用時におけるヘッドの出力のアシンメトリのばらつきが拡大するという問題点があった。
ところで、特許文献1に記載されているように、GMRヘッドにおけるGMR素子には、内部応力として、媒体対向面に垂直な方向の引っ張り応力が存在していることが知られている。特許文献1には、この引っ張り応力に起因するアシンメトリの悪化を防止するために、フリー層の磁歪定数の値を−2×10−6〜0とする技術が記載されている。
しかしながら、この技術では、フリー層の磁歪定数の値がゼロより小さい場合には、前述の上部シールド層の膨張に起因したアシンメトリのばらつきの拡大を防止することができない。また、この技術では、フリー層の磁歪定数の値をゼロとする場合には、フリー層に使用する磁性材料の選択が制約を受けるという問題点がある。
特許文献2には、MR素子の媒体対向面とは反対側の端部に隣接するように、後部絶縁膜を設け、この後部絶縁膜を、MR素子と各シールド層間の絶縁膜に比べて熱伝導率の高い絶縁材料によって形成する技術が記載されている。この技術によれば、MR素子の温度上昇を抑制することができる。しかしながら、この技術では、MR素子の媒体対向面とは反対側に、硬い無機の絶縁材料よりなり、且つ大きな体積の後部絶縁膜が配置されることから、以下のような問題点がある。すなわち、薄膜磁気ヘッドの製造工程における媒体対向面の研磨加工の際には、MR素子に応力が加えられる。MR素子の媒体対向面とは反対側に、硬く且つ大きな体積の後部絶縁膜が配置されていると、媒体対向面の研磨加工の際にMR素子に加えられる応力が大きくなり、固定層の磁化の方向が変化する可能性がある。
なお、以上の問題点は、MR素子がスピンバルブ型GMR素子である場合に限らず、種々のMR素子を用いた薄膜磁気ヘッド全般に当てはまる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、磁気抵抗効果素子を用いた薄膜磁気ヘッドであって、出力のアシンメトリのばらつきを小さくできるようにした薄膜磁気ヘッド、ならびにこの薄膜磁気ヘッドを含むヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置を提供することにある。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面と、媒体対向面の近傍に配置された磁気抵抗効果素子とを備えている。磁気抵抗効果素子は、媒体対向面側の第1の端部と、第1の端部とは反対側の第2の端部とを有している。薄膜磁気ヘッドは、更に、第2の端部に隣接するように配置された絶縁膜と、絶縁膜を介して第2の端部に隣接するように配置され、30℃における線熱膨張係数の絶対値が6×10−6/℃以下の金属材料よりなる隣接層とを備えている。
本発明の薄膜磁気ヘッドでは、磁気抵抗効果素子の第2の端部に、絶縁膜を介して、線熱膨張係数の絶対値の小さな隣接層が隣接する。これにより、本発明では、温度変化に伴って磁気抵抗効果素子に加えられる力が小さくなり、出力のアシンメトリの変化も小さくなる。
本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、隣接層を構成する金属材料の30℃における線熱膨張係数の絶対値は、1×10−6/℃以下であってもよい。
また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、隣接層を構成する金属材料は、鉄−ニッケル合金、鉄−白金合金、鉄−パラジウム合金、鉄−コバルト−ニッケル合金、鉄−コバルト−クロム合金、鉄−ニッケル−クロム合金、鉄−ニッケル−マンガン合金、反強磁性のクロム−鉄−マンガン合金のいずれかを含んでいてもよい。
本発明のヘッドジンバルアセンブリは、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを弾性的に支持するサスペンションとを備えたものである。
本発明のハードディスク装置は、本発明の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、スライダを支持すると共に記録媒体に対して位置決めする位置決め装置とを備えたものである。
本発明では、磁気抵抗効果素子の第2の端部に、絶縁膜を介して、線熱膨張係数の絶対値の小さな隣接層が隣接することから、温度変化に伴って磁気抵抗効果素子に加えられる力が小さくなり、出力のアシンメトリの変化も小さくなる。これにより、本発明によれば、出力のアシンメトリのばらつきを小さくすることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図4および図5を参照して、本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成および製造方法の概略について説明する。図4は薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面および基板に垂直な断面を示す断面図、図5は薄膜磁気ヘッドの磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、アルティック(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ(Al23)等の絶縁材料よりなる絶縁層2を、例えば1〜5μmの厚さに形成する。次に、絶縁層2の上に、スパッタリング法またはめっき法等によって、パーマロイ(NiFe)等の磁性材料よりなる再生ヘッド用の下部シールド層3を、例えば約3μmの厚さに形成する。
次に、下部シールド層3の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる下部シールドギャップ膜4を、例えば10〜200nmの厚さに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、再生用のMR素子5と、図示しない一対のバイアス磁界印加層と、一対の電極層6を、それぞれ、例えば数十nmの厚さに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4およびMR素子5の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる上部シールドギャップ膜7を、例えば10〜200nmの厚さに形成する。
次に、上部シールドギャップ膜7の上に、磁性材料からなり、記録ヘッドの下部磁極層を兼ねた再生ヘッドの上部シールド層8を、例えば3〜4μmの厚さに形成する。なお、上部シールド層8に用いる磁性材料は、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN等の軟磁性材料である。上部シールド層8は、スパッタリング法またはめっき法等によって形成される。なお、上部シールド層8の代わりに、上部シールド層と、この上部シールド層の上にスパッタリング法等によって形成されたアルミナ等の非磁性材料よりなる分離層と、この分離層の上に形成された下部磁極層とを設けてもよい。
次に、上部シールド層8の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の非磁性材料よりなる記録ギャップ層9を、例えば50〜300nmの厚さに形成する。次に、磁路形成のために、後述する薄膜コイルの中心部分において、記録ギャップ層9を部分的にエッチングしてコンタクトホール9aを形成する。
次に、記録ギャップ層9の上に、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第1層部分10を、例えば2〜3μmの厚さに形成する。なお、図4において、符号10aは、第1層部分10のうち、後述する薄膜コイルの第2層部分15に接続される接続部を表している。第1層部分10は、コンタクトホール9aの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第1層部分10およびその周辺の記録ギャップ層9を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層11を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層11の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層11の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
次に、絶縁層11のうちの後述するエアベアリング面20側の斜面部分からエアベアリング面20側にかけての領域において、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のトラック幅規定層12aを形成する。上部磁極層12は、このトラック幅規定層12aと、後述する連結部分層12bおよびヨーク部分層12cとで構成される。
トラック幅規定層12aは、記録ギャップ層9の上に形成され、上部磁極層12の磁極部分となる先端部と、絶縁層11のエアベアリング面20側の斜面部分の上に形成され、ヨーク部分層12cに接続される接続部とを有している。先端部の幅は記録トラック幅と等しくなっている。接続部の幅は、先端部の幅よりも大きくなっている。
トラック幅規定層12aを形成する際には、同時に、コンタクトホール9aの上に磁性材料よりなる連結部分層12bを形成すると共に、接続部10aの上に磁性材料よりなる接続層13を形成する。連結部分層12bは、上部磁極層12のうち、上部シールド層8に磁気的に連結される部分を構成する。
次に、磁極トリミングを行う。すなわち、トラック幅規定層12aの周辺領域において、トラック幅規定層12aをマスクとして、記録ギャップ層9および上部シールド層8の磁極部分における記録ギャップ層9側の少なくとも一部をエッチングする。これにより、図5に示したように、上部磁極層12の磁極部分、記録ギャップ層9および上部シールド層8の磁極部分の少なくとも一部の各幅が揃えられたトリム(Trim)構造が形成される。このトリム構造によれば、記録ギャップ層9の近傍における磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止することができる。
次に、全体に、アルミナ等の無機絶縁材料よりなる絶縁層14を、例えば3〜4μmの厚さに形成する。次に、この絶縁層14を、例えば化学機械研磨によって、トラック幅規定層12a、連結部分層12bおよび接続層13の表面に至るまで研磨して平坦化する。
次に、平坦化された絶縁層14の上に、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第2層部分15を、例えば2〜3μmの厚さに形成する。なお、図4において、符号15aは、第2層部分15のうち、接続層13を介して薄膜コイルの第1層部分10の接続部10aに接続される接続部を表している。第2層部分15は、連結部分層12bの周囲に巻回される。
次に、薄膜コイルの第2層部分15およびその周辺の絶縁層14を覆うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁層16を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層16の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層16の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
次に、トラック幅規定層12a、絶縁層14,16および連結部分層12bの上に、パーマロイ等の記録ヘッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のヨーク部分を構成するヨーク部分層12cを形成する。ヨーク部分層12cのエアベアリング面20側の端部は、エアベアリング面20から離れた位置に配置されている。また、ヨーク部分層12cは、連結部分層12bを介して上部シールド層8に接続されている。
次に、全体を覆うように、例えばアルミナよりなるオーバーコート層17を形成する。最後に、上記各層を含むスライダの機械加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドを含む薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面20を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。なお、スライダの機械加工には、エアベアリング面20の研磨加工が含まれる。
このようにして製造される薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面としてのエアベアリング面20と再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッドは、エアベアリング面20の近傍に配置されたMR素子5と、エアベアリング面20側の一部がMR素子5を挟んで対向するように配置された、MR素子5をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層8とを有している。
記録ヘッドは、エアベアリング面20側において互いに対向する磁極部分を含むと共に、互いに磁気的に連結された下部磁極層(上部シールド層8)および上部磁極層12と、この下部磁極層の磁極部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層9と、少なくとも一部が下部磁極層および上部磁極層12の間に、これらに対して絶縁された状態で配設された薄膜コイル10,15とを有している。この薄膜磁気ヘッドでは、図4に示したように、エアベアリング面20から、絶縁層11のエアベアリング面20側の端部までの長さが、スロートハイトTHとなる。なお、スロートハイトとは、エアベアリング面20から、2つの磁極層の間隔が開き始める位置までの長さ(高さ)をいう。
次に、図1ないし図3を参照して、本実施の形態における再生ヘッドの構成について詳しく説明する。図1は、再生ヘッドのエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、再生ヘッドの要部を示す平面図である。図1ないし図3では、トラック幅方向、すなわちエアベアリング面20に平行で且つMR素子5の面に平行な方向をX方向とし、エアベアリング面20に垂直な方向をY方向とし、X方向およびY方向に垂直な方向をZ方向としている。
再生ヘッドは、所定の間隔を開けて配置された下部シールド層3および上部シールド層8と、この下部シールド層3と上部シールド層8との間に配置されたMR素子5と、下部シールド層3とMR素子5との間に配置された下部シールドギャップ膜4と、上部シールド層8とMR素子5との間に配置された上部シールドギャップ膜7とを備えている。
MR素子5は、互いに反対側を向き且つエアベアリング面20と交差するように配置された第1の面(下面)5aおよび第2の面(上面)5bと、エアベアリング面20側の第1の端部5cと、第1の端部5cとは反対側の第2の端部5dと、2つの側部5e,5fとを有している。下部シールドギャップ膜4はMR素子5の第1の面5aに隣接するように配置され、上部シールドギャップ膜7はMR素子5の第2の面5bに隣接するように配置されている。
端部5dは、端部5c,5d間の距離がMR素子5の上側ほど小さくなるように傾斜している。また、側部5e,5fも、側部5e,5f間の距離がMR素子5の上側ほど小さくなるように傾斜している。
再生ヘッドは、更に、MR素子5の各側部5e,5fに隣接するように配置され、MR素子5に対してバイアス磁界を印加する2つのバイアス磁界印加層18と、それぞれ各バイアス磁界印加層18の上面に隣接するように配置され、MR素子5に対して信号検出用の電流であるセンス電流を流す2つの電極層6とを備えている。図1では、電極層6はバイアス磁界印加層18の上に配置されているが、バイアス磁界印加層18のない領域では、電極層6は下部シールドギャップ膜4の上に配置されている。バイアス磁界印加層18および電極層6は、下部シールドギャップ膜4と上部シールドギャップ膜7との間に配置されている。なお、図3は、上部シールドギャップ膜7および上部シールド層8を除いた状態を表している。
バイアス磁界印加層18は、硬磁性層(ハードマグネット)や、強磁性層と反強磁性層との積層体等を用いて構成される。電極層6は、例えば、Ta層とAu層との積層体、Ti層とTa層の積層体、あるいはTiN層とTa層の積層体等によって構成される。
バイアス磁界印加層18は、バイアス磁界印加層18の磁化がトラック幅方向に向くように着磁され、MR素子5に対してトラック幅方向のバイアス磁界を印加する。
図2に示したように、再生ヘッドは、更に、下部シールドギャップ膜4の上に配置され、一部がMR素子5の第2の端部5dに隣接するように配置された絶縁膜60と、この絶縁膜60の上に配置された隣接層61とを備えている。また、MR素子5が配置された領域およびその周辺の一部の領域を除いて、下部シールドギャップ膜4と上部シールドギャップ膜7との間には、アルミナ等の絶縁材料よりなる絶縁層19が形成されている。この絶縁層19の一部は、隣接層61の上に配置されている。
絶縁膜60は、アルミナ等の絶縁材料によって形成されている。隣接層61は、絶縁膜60を介してMR素子5の第2の端部5dに隣接するように配置されている。また、隣接層61は、30℃における線熱膨張係数の絶対値が6×10−6/℃以下の金属材料によって形成されている。隣接層61を構成する金属材料の30℃における線熱膨張係数の絶対値は、1×10−6/℃以下であることが好ましい。
絶縁膜60の厚さは、MR素子5の厚さよりも小さい。従って、MR素子5の第2の端部5dと隣接層61との距離は、MR素子5の厚さよりも小さい。絶縁膜60の厚さは、 5〜20nmであることが好ましい。
隣接層61を構成する金属材料は、鉄−ニッケル合金、鉄−白金合金、鉄−パラジウム合金、鉄−コバルト−ニッケル合金、鉄−コバルト−クロム合金、鉄−ニッケル−クロム合金、鉄−ニッケル−マンガン合金、反強磁性のクロム−鉄−マンガン合金のいずれかを含んでいてもよい。


上記のように列挙した各種の合金には、インバー合金や、コバール(商標)合金が含まれる。インバー合金には、ニッケルを34〜36重量%含む鉄−ニッケル合金や、ニッケルを34〜36重量%程度、コバルトを4〜5重量%程度含む鉄−コバルト−ニッケル合金が含まれる。ニッケルを34〜36重量%含む鉄−ニッケル合金の30℃における線熱膨張係数は、およそ1×10−6/℃〜2×10−6/℃である。ニッケルを34〜36重量%程度、コバルトを4〜5重量%程度含む鉄−コバルト−ニッケル合金の30℃における線熱膨張係数は、およそ0/℃〜1×10−6/℃である。コバール合金は、ニッケルを29重量%程度、コバルトを17重量%程度含む鉄−コバルト−ニッケル合金である。コバール合金の30℃における線熱膨張係数は、およそ5×10−6/℃である。なお、列挙した、いずれの合金においても、合金を構成する主要な金属以外の添加物を含んでいてもよい。
MR素子5は、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層53と、この非磁性導電層53における一方の面に隣接するように配置され、外部磁界に応じて磁化の方向が変化するフリー層54と、非磁性導電層53の他方の面に隣接するように配置され、エアベアリング面20に垂直な方向に磁化の方向が固定された固定層52と、この固定層52における非磁性導電層53とは反対側の面に隣接するように配置された反強磁性層51とを含んでいる。なお、図1は、フリー層54が非磁性導電層53の上に配置され、固定層52および反強磁性層51が非磁性導電層53の下に配置された例を示している。しかし、フリー層54が非磁性導電層53の下に配置され、固定層52および反強磁性層51が非磁性導電層53の上に配置されていてもよい。
MR素子5は、各層51,52,53,54となる膜を順に形成した後、これらの積層体をパターニングすることによって形成される。積層体のパターニングは、例えば、積層体の上に、フォトリソグラフィによってマスクを形成し、このマスクを用いて、イオンミリング等のドライエッチングによって、積層体を選択的にエッチングすることによって行なわれる。このエッチングによって、傾斜した端部5dおよび側部5e,5fが形成される。
非磁性導電層53は、Cu、Au、Ag等の非磁性の導電性材料によって構成されている。フリー層54は、1つ以上の軟磁性層を含んでいる。固定層52は、磁化の方向が固定された強磁性層である。反強磁性層51は、固定層52との交換結合により、固定層52の磁化の方向を固定する。固定層52の磁化の方向は、エアベアリング面20に垂直な方向に固定される。
次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの作用について説明する。薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。
再生ヘッドにおいて、フリー層54に外部磁界が印加されない状態では、フリー層54の磁化は、バイアス磁界印加層18からのバイアス磁界によって、トラック幅方向Xに向けられている。一方、固定層52の磁化の方向は、エアベアリング面20に垂直な方向Yに固定されている。従って、フリー層54に記録媒体からの信号磁界が印加されない状態では、固定層52の磁化の方向とフリー層54の磁化の方向とがなす角度は90°に保たれる。この再生ヘッドに、記録媒体から、エアベアリング面20に垂直な方向の信号磁界が印加されると、フリー層54の磁化の方向が変化し、その結果、固定層52の磁化の方向とフリー層54の磁化の方向とがなす角度が変化する。この角度によってMR素子5の電気抵抗が変化する。従って、このMR素子5の電気抵抗の変化を検出することにより、記録媒体に記録された情報を再生することができる。MR素子5の電気抵抗は、MR素子5にセンス電流を流したときの2つの電極層6間の電位差より求めることができる。
本実施の形態において、MR素子5の第2の端部5dには、絶縁膜60を介して隣接層61が隣接している。隣接層61を構成する材料の30℃における線熱膨張係数の絶対値は、6×10−6/℃以下であり、好ましくは、1×10−6/℃以下である。このように、本実施の形態では、隣接層61を構成する材料の線熱膨張係数が小さいため、薄膜磁気ヘッドの実使用時において、隣接層61の膨張量は少ない。従って、薄膜磁気ヘッドの実使用時において、隣接層61がMR素子5をエアベアリング面20側に押す力も小さい。その結果、本実施の形態によれば、温度変化に伴う再生ヘッドの出力のアシンメトリの変化は小さくなり、実使用時における再生ヘッドの出力のアシンメトリのばらつきも小さくなる。
また、本実施の形態では、MR素子5の第2の端部5dには、絶縁膜60を介して、金属材料よりなる隣接層61が隣接している。一般的に、隣接層61に使用されるような金属材料は、無機の絶縁材料よりも柔らかい。そのため、薄膜磁気ヘッドの製造工程におけるエアベアリング面20の研磨加工の際に、MR素子5に加えられる応力が、隣接層61によって緩和される。従って、本実施の形態によれば、エアベアリング面20の研磨加工の際にMR素子5に加えられる応力による不具合、例えば、逆磁歪効果により固定層52の磁化の方向が変化することを防止することができる。
次に、本実施の形態の効果を確認するために行なった実験の結果について説明する。この実験では、実施例の再生ヘッドと比較例の再生ヘッドとを作製した。実施例の再生ヘッドの構成は、図1ないし図3に示した通りである。実施例における隣接層61の材料には、NiFe(Ni:36重量%,Fe:64重量%)を用いた。この材料の線熱膨張係数は、30℃において1×10−6/℃であった。
次に、図10および図11を参照して、比較例の再生ヘッドの構成について説明する。図10は、比較例の再生ヘッドのエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。図11は、図10のB−B線断面図である。図10および図11における方向X,Y,Zは、図1ないし図3と同様である。
比較例の再生ヘッドは、所定の間隔を開けて配置された下部シールド層103および上部シールド層108と、この下部シールド層103と上部シールド層108との間に配置されたMR素子105と、下部シールド層103とMR素子105との間に配置された下部シールドギャップ膜104と、上部シールド層108とMR素子105との間に配置された上部シールドギャップ膜107とを備えている。
MR素子105は、互いに反対側を向き且つエアベアリング面120と交差するように配置された第1の面(下面)105aおよび第2の面(上面)105bと、エアベアリング面120側の第1の端部105cと、第1の端部105cとは反対側の第2の端部105dと、2つの側部105e,105fとを有している。下部シールドギャップ膜104はMR素子105の第1の面105aに隣接するように配置され、上部シールドギャップ膜107はMR素子105の第2の面105bに隣接するように配置されている。
端部105dは、端部105c,105d間の距離がMR素子105の上側ほど小さくなるように傾斜している。また、側部105e,105fも、側部105e,105f間の距離がMR素子105の上側ほど小さくなるように傾斜している。
比較例の再生ヘッドは、更に、MR素子105の各側部105e,105fに隣接するように配置され、MR素子105に対してバイアス磁界を印加する2つのバイアス磁界印加層118と、それぞれ各バイアス磁界印加層118の上面に隣接するように配置され、MR素子105に対して信号検出用の電流であるセンス電流を流す2つの電極層106とを備えている。図10では、電極層106はバイアス磁界印加層118の上に配置されているが、バイアス磁界印加層118のない領域では、電極層106は下部シールドギャップ膜104の上に配置されている。バイアス磁界印加層118および電極層106は、下部シールドギャップ膜104と上部シールドギャップ膜107との間に配置されている。バイアス磁界印加層118は、バイアス磁界印加層118の磁化がトラック幅方向に向くように着磁され、MR素子105に対してトラック幅方向のバイアス磁界を印加する。
MR素子105は、互いに反対側を向く2つの面を有する非磁性導電層153と、この非磁性導電層153における一方の面に隣接するように配置され、外部磁界に応じて磁化の方向が変化するフリー層154と、非磁性導電層153の他方の面に隣接するように配置され、エアベアリング面120に垂直な方向に磁化の方向が固定された固定層152と、この固定層152における非磁性導電層153とは反対側の面に隣接するように配置された反強磁性層151とを含んでいる。反強磁性層151は、固定層152との交換結合により、固定層152の磁化の方向を固定する。固定層152の磁化の方向は、エアベアリング面120に垂直な方向に固定される。
図11に示したように、比較例の再生ヘッドでは、MR素子105の第2の端部105dには、上部シールドギャップ膜107を介して上部シールド層108が隣接している。上部シールド層108を構成する材料には、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)を用いた。この材料の線熱膨張係数は、30℃において12×10−6/℃であった。
実施例の再生ヘッドと比較例の再生ヘッドは、それぞれ1枚のウェハを用いて同時に多数作製した。実験では、このように作製した多数の実施例の再生ヘッドと多数の比較例の再生ヘッドに対して、擬似静的試験(Quasi static test)を行なって、再生ヘッドのアシンメトリを測定した。再生ヘッドのアシンメトリは、具体的には、ヘッドに対して媒体対向面に垂直な方向に+H、−Hの磁界を印加したときのヘッドの抵抗変化量をそれぞれΔR(+H)、ΔR(−H)として、以下の式によって求めた。Hの値は、500Oe(500×79.6A/m)とした。
100×{ΔR(+H)−ΔR(−H)}/{ΔR(+H)+ΔR(−H)}(%)
また、再生ヘッドのアシンメトリの測定は、30℃の環境下と、120℃の環境下で行った。
図12は、多数の比較例の再生ヘッドについて、30℃の環境下で測定したアシンメトリとMR素子105の抵抗値との関係を示している。この測定結果におけるアシンメトリのばらつきを表すアシンメトリの標準偏差は、9.7%であった。
図13は、多数の比較例の再生ヘッドについて、120℃の環境下で測定したアシンメトリとMR素子105の抵抗値との関係を示している。この測定結果におけるアシンメトリのばらつきを表すアシンメトリの標準偏差は、14.0%であった。
図14は、多数の実施例の再生ヘッドについて、30℃の環境下で測定したアシンメトリとMR素子5の抵抗値との関係を示している。この測定結果におけるアシンメトリのばらつきを表すアシンメトリの標準偏差は、10.1%であった。
図15は、多数の実施例の再生ヘッドについて、120℃の環境下で測定したアシンメトリとMR素子5の抵抗値との関係を示している。この測定結果におけるアシンメトリのばらつきを表すアシンメトリの標準偏差は、11.1%であった。
図16は、図12ないし図15に示した測定結果より求められたアシンメトリの標準偏差を示したものである。図16から分かるように、比較例の再生ヘッドでは、環境の温度が、30℃から実使用時における薄膜磁気ヘッドの温度に近い120℃に変化すると、アシンメトリの標準偏差が9.7%から14.0%に大きく変化している。このことから、比較例の再生ヘッドでは、温度の上昇に伴い、再生ヘッドのアシンメトリのばらつきが大きく拡大することが分かる。
一方、実施例の再生ヘッドでは、環境の温度が30℃から120℃に変化しても、アシンメトリの標準偏差は10.1%から11.1%に、1%変化するに過ぎない。このことから、実施例の再生ヘッドでは、温度の上昇に伴う再生ヘッドのアシンメトリのばらつきの拡大を抑制することができることが分かる。
以下、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置について説明する。まず、図6を参照して、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ210について説明する。ハードディスク装置において、スライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体であるハードディスクに対向するように配置される。このスライダ210は、主に図4における基板1およびオーバーコート層17からなる基体211を備えている。基体211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の六面のうちの一面は、ハードディスクに対向するようになっている。この一面には、エアベアリング面20が形成されている。ハードディスクが図6におけるZ方向に回転すると、ハードディスクとスライダ210との間を通過する空気流によって、スライダ210に、図6におけるY方向の下方に揚力が生じる。スライダ210は、この揚力によってハードディスクの表面から浮上するようになっている。なお、図6におけるX方向は、ハードディスクのトラック横断方向である。スライダ210の空気流出側の端部(図6における左下の端部)の近傍には、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
次に、図7を参照して、本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリ220について説明する。ヘッドジンバルアセンブリ220は、スライダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサスペンション221とを備えている。サスペンション221は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね状のロードビーム222、このロードビーム222の一端部に設けられると共にスライダ210が接合され、スライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプレート224とを有している。ベースプレート224は、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向Xに移動させるためのアクチュエータのアーム230に取り付けられるようになっている。アクチュエータは、アーム230と、このアーム230を駆動するボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223において、スライダ210が取り付けられる部分には、スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が設けられている。
ヘッドジンバルアセンブリ220は、アクチュエータのアーム230に取り付けられる。1つのアーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタックアセンブリと呼ばれる。
図7は、ヘッドアームアセンブリの一例を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アーム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイスコイルモータの一部となるコイル231が取り付けられている。アーム230の中間部には、アーム230を回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸受け部233が設けられている。
次に、図8および図9を参照して、ヘッドスタックアセンブリの一例と本実施の形態に係るハードディスク装置について説明する。図8はハードディスク装置の要部を示す説明図、図9はハードディスク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ250は、複数のアーム252を有するキャリッジ251を有している。複数のアーム252には、複数のヘッドジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ251においてアーム252とは反対側には、ボイスコイルモータの一部となるコイル253が取り付けられている。ヘッドスタックアセンブリ250は、ハードディスク装置に組み込まれる。ハードディスク装置は、スピンドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディスク262を有している。各ハードディスク262毎に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つのスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル253を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を有している。
スライダ210を除くヘッドスタックアセンブリ250およびアクチュエータは、本発明における位置決め装置に対応し、スライダ210を支持すると共にハードディスク262に対して位置決めする。
本実施の形態に係るハードディスク装置では、アクチュエータによって、スライダ210をハードディスク262のトラック横断方向に移動させて、スライダ210をハードディスク262に対して位置決めする。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記録ヘッドによって、ハードディスク262に情報を記録し、再生ヘッドによって、ハードディスク262に記録されている情報を再生する。
本実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置は、前述の本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様の効果を奏する。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明は、磁気抵抗効果素子としてスピンバルブ型GMR素子を用いた薄膜磁気ヘッドに限らず、種々の磁気抵抗効果素子を用いた薄膜磁気ヘッド全般に適用することができる。
また、本発明において、隣接層を構成する材料の30℃における線熱膨張係数は負の値であってもよい。
また、実施の形態では、基体側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
また、読み取り専用として用いる場合には、薄膜磁気ヘッドを、再生ヘッドだけを備えた構成としてもよい。
本発明の一実施の形態における再生ヘッドのエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の一実施の形態における再生ヘッドの要部を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面および基板に垂直な断面を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るヘッドジンバルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るハードディスク装置の要部を説明するための説明図である。 本発明の一実施の形態に係るハードディスク装置の平面図である。 比較例の再生ヘッドのエアベアリング面に平行な断面を示す断面図である。 図10のB−B線断面図である。 比較例の再生ヘッドについて30℃の環境下で測定したアシンメトリとMR素子の抵抗値との関係を示す特性図である。 比較例の再生ヘッドについて120℃の環境下で測定したアシンメトリとMR素子の抵抗値との関係を示す特性図である。 実施例の再生ヘッドについて30℃の環境下で測定したアシンメトリとMR素子の抵抗値との関係を示す特性図である。 実施例の再生ヘッドについて120℃の環境下で測定したアシンメトリとMR素子の抵抗値との関係を示す特性図である。 図12ないし図15に示した測定結果より求められたアシンメトリの標準偏差を示す特性図である。
符号の説明
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、4…下部シールドギャップ膜、5…MR素子、6…電極層、7…上部シールドギャップ膜、8…上部シールド層、9…記録ギャップ層、10…薄膜コイルの第1層部分、12…上部磁極層、15…薄膜コイルの第2層部分、17…オーバーコート層、18…バイアス磁界印加層、20…エアベアリング面、51…反強磁性層、52…固定層、53…非磁性導電層、54…フリー層、60…絶縁膜、61…隣接層。

Claims (5)

  1. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    前記媒体対向面の近傍に配置された磁気抵抗効果素子とを備えた薄膜磁気ヘッドであって、
    前記磁気抵抗効果素子は、前記媒体対向面側の第1の端部と、前記第1の端部とは反対側の第2の端部とを有し、
    薄膜磁気ヘッドは、更に、
    前記第2の端部に隣接するように配置された絶縁膜と、
    前記絶縁膜を介して前記第2の端部に隣接するように配置され、30℃における線熱膨張係数の絶対値が6×10−6/℃以下の金属材料よりなる隣接層とを備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記隣接層を構成する金属材料の30℃における線熱膨張係数の絶対値は、1×10−6/℃以下であることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記隣接層を構成する金属材料は、鉄−ニッケル合金、鉄−白金合金、鉄−パラジウム合金、鉄−コバルト−ニッケル合金、鉄−コバルト−クロム合金、鉄−ニッケル−クロム合金、鉄−ニッケル−マンガン合金、反強磁性のクロム−鉄−マンガン合金のいずれかを含むことを特徴とする請求項1または2記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドを含み、記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを弾性的に支持するサスペンションと
    を備えたことを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドを含み、回転駆動される円盤状の記録媒体に対向するように配置されるスライダと、
    前記スライダを支持すると共に前記記録媒体に対して位置決めする位置決め装置と
    を備えたことを特徴とするハードディスク装置。
JP2004092942A 2004-03-26 2004-03-26 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置 Expired - Fee Related JP3844476B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004092942A JP3844476B2 (ja) 2004-03-26 2004-03-26 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
US11/073,385 US7551407B2 (en) 2004-03-26 2005-03-07 Thin-film magnetic head, head gimbal assembly and hard disk drive

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004092942A JP3844476B2 (ja) 2004-03-26 2004-03-26 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005285156A JP2005285156A (ja) 2005-10-13
JP3844476B2 true JP3844476B2 (ja) 2006-11-15

Family

ID=34989536

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004092942A Expired - Fee Related JP3844476B2 (ja) 2004-03-26 2004-03-26 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7551407B2 (ja)
JP (1) JP3844476B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008192632A (ja) * 2007-01-31 2008-08-21 Fujitsu Ltd 磁性薄膜および磁気抵抗効果素子

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0675554A1 (en) * 1994-03-24 1995-10-04 Nec Corporation Magnetoresistive effect element
JPH10241123A (ja) * 1997-02-28 1998-09-11 Nec Corp 磁気抵抗効果ヘッド
JP3274392B2 (ja) * 1997-09-17 2002-04-15 アルプス電気株式会社 スピンバルブ型薄膜素子
AU7316500A (en) * 1999-09-21 2001-04-24 Kabushiki Kaisha Ohara Holding member for information storage disk and information storage disk drive device
US6661605B1 (en) * 2000-07-28 2003-12-09 Seagate Technology Llc Transducing head having a reduced thermal pole tip recession
US6747841B1 (en) * 2000-09-06 2004-06-08 Seagate Technology Llc Optimization of temperature dependent variations in shield and pole recession/protrusion through use of a composite overcoat layer
JP2002100011A (ja) 2000-09-26 2002-04-05 Sony Corp 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法
JPWO2002037480A1 (ja) * 2000-10-26 2004-03-11 株式会社日立製作所 磁気ヘッドスライダ及び磁気ディスク装置
US7031122B2 (en) * 2001-10-26 2006-04-18 Seagate Technology Llc Magnetic shields for reduced variations of head-media spacing
US6775108B2 (en) * 2001-11-02 2004-08-10 Seagate Technology Llc Magnetic head having a read element shield and substrate with matching coefficients of thermal expansion
US7092208B2 (en) * 2002-07-11 2006-08-15 Seagate Technology Llc Magnetic transducers with reduced thermal pole-tip protrusion/recession
US7123447B2 (en) * 2003-06-16 2006-10-17 Seagate Technology Llc Patterned multi-material basecoat to reduce thermal protrusion

Also Published As

Publication number Publication date
US7551407B2 (en) 2009-06-23
JP2005285156A (ja) 2005-10-13
US20050213261A1 (en) 2005-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4849158B2 (ja) 一対のシールド層に結合する一対の強磁性層を有する磁気抵抗効果素子
JP3260740B1 (ja) 磁気抵抗効果装置の製造方法および薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP4146818B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
US7525773B2 (en) Thin film magnetic head, head gimbal assembly, and hard disk drive having a dual spin-valve magneto-resistive element
JP2008047737A (ja) 磁気抵抗効果装置、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP2007317824A (ja) 磁気抵抗効果素子およびその製造方法、ならびに薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP3865738B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
US7948718B2 (en) Magnetoresistive head having an insulating layer with a particular compressive stress
JP3699714B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
JP4854002B2 (ja) 垂直磁気記録用磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP2008227457A (ja) 磁歪低減層を含むフリー層を有する磁気抵抗効果素子および薄膜磁気ヘッド
JP2008042103A (ja) 交換結合膜、磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP2006286669A (ja) 磁気抵抗効果素子の製造方法
JP3683577B1 (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP3818592B2 (ja) 磁気抵抗効果装置およびその製造方法、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリならびにハードディスク装置
JP2008021896A (ja) Cpp構造のgmr素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
JP3383293B1 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法、ヘッドジンバルアセンブリならびにハードディスク装置
JP3844476B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置
JP4387923B2 (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP4134080B2 (ja) 磁気抵抗効果素子およびその製造方法、ならびに磁気抵抗効果装置、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP4539876B2 (ja) 磁気抵抗効果素子の製造方法
JP2008034689A (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリ、磁気ディスク装置、磁気センサおよび磁気メモリ
JP2004326853A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法、ヘッドジンバルアセンブリならびにハードディスク装置
JP2005347512A (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP2005150292A (ja) 磁気抵抗効果素子、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリおよびハードディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060811

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060815

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100825

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100825

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110825

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120825

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees