JP3844419B2 - メタリック塗料の調色方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタリック塗料の調色方法に関するものであり、詳細には、着色顔料からなる原色塗料と光輝顔料を含有する光輝ベース塗料からなるメタリック塗料の調色方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体などの塗料として、着色顔料及び光輝顔料を含有するメタリック塗料が知られている。このようなメタリック塗料の調色は、通常の着色顔料を含むソリッド色の塗料と同様に、予め、予想される色に合わせて、樹脂、顔料、溶剤を任意の量で配合、混合して行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、メタリック塗料は、光輝顔料を含有しているため、調色が難しく、何度も配合比を変えて作り直さなければならないという問題があった。
【0004】
従って本発明は、何度も作り直しをすることなく、調色することができる経済的なメタリック塗料の調色方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、着色顔料からなる原色塗料と光輝顔料を含有する光輝ベース塗料を別々にして用いると、調色する回数を減らすことができ、調色の確実性が高まることを見出した。
【0006】
本発明は、このような新規な知見に基づいて成されたものである。
【0007】
即ち、本発明のメタリック塗料の調色方法は、(A)着色顔料からなる原色塗料、及び(B)着色顔料を含有せず、または塗料の透明性を損なわない量の着色顔料を含有し、アルミ粉、パール顔料、マイカから選ばれる少なくとも1種の光輝顔料を含有する光輝ベース塗料、からなる塗料を混合して調色を行うことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
本発明で用いるメタリック塗料は、(A)着色顔料からなる原色塗料、及び(B)着色顔料を含有せず、または塗料の透明性を損なわない量の着色顔料を含有し、アルミ粉、パール顔料、マイカから選ばれる少なくとも1種の光輝顔料を含有する光輝ベース塗料、からなる。
【0010】
本発明で用いるメタリック塗料は、金属製またはプラスチック製の自動車外板などに直接塗装してもさしつかえないが、通常、これらの被塗物に下塗塗料(例えばカチオン電着塗料など)や中塗塗料(省略可能)などをあらかじめ塗装し、その塗膜を硬化させてなる被塗物に塗装することが好ましい。
【0011】
これらのカチオン電着塗料や中塗塗料としては下記に例示するものを使用することが好適である。
【0012】
カチオン電着塗料:カチオン性高分子化合物の塩の水溶液もしくは水分散液に、必要に応じて顔料や各種添加剤を配合してなるそれ自体既知のものを使用することができ、その種類は特に限定されない。カチオン性高分子化合物としては、架橋性官能基を有するアクリル樹脂またはエポキシ樹脂にアミノ基を導入しものがあげられ、これを有機酸または無機酸などで中和することによって水溶化もしくは水分散化せしめる。これらの樹脂を硬化するための架橋剤としては、ブロックポリイソシアネート、脂環式エポキシ樹脂などが好適である。
【0013】
該カチオン電着塗料の浴中に、自動車外板部やカラーバンパーなどの金属製素材を陰極として浸漬し、陽極との間に常法の条件で通電して該素材に上記樹脂などを析出させることによって電着塗装が行われる。該電着塗膜の膜厚は硬化塗膜を基準にして通常10〜40μmの範囲が好ましく、電着塗膜は一般に140〜220℃で10〜40分加熱することによって架橋硬化することができる。本発明では、該電着塗膜を硬化させてから中塗塗料を塗装することが好ましい。
【0014】
中塗塗料:電着塗料などの下塗り塗面に塗装する塗料であり、樹脂成分及び溶剤を含有し、さらに必要に応じて着色顔料、体質顔料及びその他の塗料用添加剤などを配合してなり、形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性、光沢などを向上させるために使用される。
【0015】
かかる中塗塗料における樹脂成分は熱硬化性樹脂組成物が好ましく、具体的には水酸基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂などの基体樹脂にメラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤を併用したものがあげられ、そして溶剤としては有機溶剤もしくは水が使用できる。
【0016】
中塗塗料は、未硬化の、または硬化せしめた電着塗料塗面に、静電塗装、エアースプレー、エアレススプレーなどの方法で塗装することができ、膜厚は硬化塗膜に基いて10〜50μmの範囲内が好ましい。その塗膜は100〜170℃に加熱することにより架橋硬化することができる。
【0017】
本発明のメタリック塗料は、金属製またはプラスチック製の自動車外板などの被塗物に直接塗装してもよいが、これらの被塗物に上記の下塗塗料や中塗塗料(省略可能)などを塗装し硬化させてなる塗面に塗装することが好ましい。
【0018】
原色塗料(A)は、着色顔料からなる。
【0019】
樹脂成分としては熱硬化性樹脂組成物が好ましく、具体的には、水酸基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂を、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤と併用したものがあげられ、これらは有機溶剤及び/または水などの溶剤に溶解または分散して使用される。
【0020】
着色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄土、黄色酸化鉄、チタン黄、ベンガラ、酸化鉄粉、群青、酸化クロムなどの無機系着色顔料、ハンザイエロー、パーマネントイエロー、パーマネントレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの有機系着色顔料などが挙げられる。
【0021】
着色顔料を含有せず、または塗料の透明性を損なわない量の着色顔料を含有し、アルミ粉、パール顔料、マイカから選ばれる少なくとも1種の光輝顔料を含有する光輝ベース塗料(B)は、樹脂成分、溶剤、光輝顔料を必須成分として含有し、さらに必要に応じて着色顔料、体質顔料及びその他の塗料用添加剤などを配合してなる液状塗料である。
【0022】
樹脂成分としては熱硬化性樹脂組成物が好ましく、具体的には架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂を、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤と併用したものがあげられ、これらは有機溶剤及び/または水に溶解もしくは分散して使用することができる。
【0023】
光輝顔料としては、通常のノンリーフィングタイプのアルミニウム顔料、アルミニウムペーストなどのアルミ粉、白色〜銀色に濁った色を示すホワイトマイカまたはシルバーマイカと称される顔料、及び光干渉作用により各種の色調を示す光干渉顔料などが包含される。前者のホワイトマイカまたはシルバーマイカ顔料は、燐片状雲母粉末の表面を酸化チタンで被覆したものであり、一般にその長手方向直径が5〜60μm、特に5〜25μm、厚さが0.25〜1.5μm、特に0.5〜1μmで、ホワイトパール調またはシルバーパール調に仕上げるために、酸化チタンの被覆厚さが、光学的厚さを基準にして90〜160nm、そして幾何学的厚さを基準にして40〜70nmであることが好ましい。一方、光干渉顔料としては、シリカフレーク、アルミナフレーク、雲母フレーク、酸化チタンや酸化鉄などで被覆した雲母フレーク(これらの被覆厚さは上記のホワイトマイカまたはシルバーマイカ顔料よりも厚い)などがあげられ、これらの長手方向は5〜60μm、特に5〜25μm、厚さが0.25〜1.5μmであることが好ましい。
【0024】
光輝顔料の配合量は、厳密に制限されるものではないが、通常、樹脂成分の合計固形分100重量部あたり3〜20重量部、特に7〜13重量部の範囲内が好ましい。(B)には、さらに必要に応じて、銀メッキガラスフレーク、チタンコートグラファイト、金属チタンフレーク、板状酸化鉄、フタロシアニンフレークなどを配合することができる。
【0025】
本発明のメタリック塗料の調色方法は、以上説明した、着色顔料からなる原色塗料(A)及び着色顔料を含有せず、または塗料の透明性を損なわない量の着色顔料を含有し、アルミ粉、パール顔料、マイカから選ばれる少なくとも1種の光輝顔料を含有する光輝ベース塗料(B)を混合して調色を行う。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明する。なお、部及び%はことわらない限り重量が基準である。
【0027】
<原色塗料Aの調整>
イソインドリノンを含有する黄色原色;2.5部、カーボンブラックを含有する黒色原色;1.0部、キナクリドンレッドを含有する赤色原色;2.0部、マイクロチタンを含有する白色原色;1.0部、ジオキサンバイオレットを含有する紫色原色;0.5部を混合し、調色して原色塗料Aを調整する。
【0028】
<光輝ベース塗料Bの調整>
ポリエステル樹脂ワニス;60部、溶剤;33部、アルミ粉;7部を混合し、光輝ベース塗料Bを調整する。
【0029】
<実施例1>
光輝ベース塗料B:93部に、原色塗料A:7部を加え調色を行う。
【0030】
<比較例1>
ポリエステル樹脂ワニス;60部、溶剤;33部、イソインドリノンを含有する黄色原色;2.5部、カーボンブラックを含有する黒色原色;1.0部、キナクリドンレッドを含有する赤色原色;2.0部、マイクロチタンを含有する白色原色;1.0部、ジオキサンバイオレットを含有する紫色原色;0.5部、アルミ粉;7部を仕込み、各原色をさらに加えながら調色を行った。
【0031】
<調色回数試験>
見本色に対し、何回の調色を行ったら良いかを3ロット分作成し、それぞれの係った回数を示す。
【0032】
<色の再現性試験>
三角度測色系による測色結果を示す。
【0033】
各試験の結果は、表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】
本願発明は、着色顔料からなる原色塗料と光輝顔料を含有する光輝ベース塗料を別々にして用いることにより、メタリック塗料の調色回数を減らすことができ、調色の確実性が増加する。
Claims (1)
- メタリック塗料の調色方法であって、(A)着色顔料からなる原色塗料、及び(B)着色顔料を含有せず、または塗料の透明性を損なわない量の着色顔料を含有し、アルミ粉、パール顔料、マイカから選ばれる少なくとも1種の光輝顔料を含有する光輝ベース塗料、からなる塗料を混合して調色を行うことを特徴とするメタリック塗料の調色方法。
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JP2000248540A JP3844419B2 (ja) | 2000-08-18 | 2000-08-18 | メタリック塗料の調色方法 |
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