JP3844280B2 - 板圧延における圧下レベリング設定方法 - Google Patents
板圧延における圧下レベリング設定方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3844280B2 JP3844280B2 JP2000324999A JP2000324999A JP3844280B2 JP 3844280 B2 JP3844280 B2 JP 3844280B2 JP 2000324999 A JP2000324999 A JP 2000324999A JP 2000324999 A JP2000324999 A JP 2000324999A JP 3844280 B2 JP3844280 B2 JP 3844280B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rolling
- rolling mill
- amount
- mill
- plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Control Of Metal Rolling (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンデム板圧延ミルにおいて圧延中、特に板先端通板中の蛇行やキャンバー(横曲がり)の発生を抑制し、被圧延材の通板性を向上させるための圧下レベリング設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧延中の蛇行やキャンバーの発生を防止もしくは修正・制御するため、一般には、圧延機の作業側および駆動側(以下、左右と称する)のロール開度の差(以下、圧下レベリング量と称する)を調整する、いわゆる圧下レベリング操作が行われている。この圧下レベリング操作を自動的に行う技術は、圧延中の各種検出値(およびその変化)に応じて圧下レベリング量を調整する(以下、圧下レベリング制御と称する)方法と、圧延開始前に測定および/もしくは予測した各種情報に基づき、予め圧下レベリング量を設定する(以下、圧下レベリング設定と称する)方法に大別される。
【0003】
圧下レベリング制御技術に分類される従来技術としては、圧延中の圧延荷重検出値の左右差(以下、圧延荷重差と称する)に応じて圧下レベリング量を調整する方法(例えば、特開昭62−166016号公報に開示されている従来技術)や、圧延中の蛇行量の検出値に応じて圧下レベリング量を調整する方法(例えば、特開昭64−2712号公報に開示されている従来技術)、および両検出値を用いて圧下レベリング量を調整する方法が一般的である。
【0004】
また、圧下レベリング設定技術に分類される従来技術としては、特開昭62−68619号公報に開示されているように、ミル入側の板厚ウェッジを実測し、これを考慮して圧下レベリング設定量を調整する方法や、特開昭63−180315号公報に開示されているように、前材圧延中の蛇行量(キャンバー量)検出値を考慮して圧下レベリング設定量を調整する方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
圧延中の蛇行やキャンバーは、圧延機入側の板の左右温度差(偏熱)、左右板厚差(板厚ウェッジ)、キャンバー形状などの被圧延材に内在する左右非対称性、圧延機のガタ、剛性の左右差などの圧延機固有の左右非対称性、などの種々の左右非対称要因により当該圧延パスでの板の延伸に左右差が生じて発生すると考えられる。圧延中に発生する板の蛇行や圧延後に残存するキャンバーおよび板厚ウェッジは、圧延製品の寸法精度不良のみならず、左右ガイドとの接触やいわゆる絞り込みによる通板事故や、比較的軽微な場合でも巻き取り後のコイル形状不良やこれに起因したコイル搬送中の板エッジ部の損傷、後工程でのトリム不良などの原因となるため、蛇行、キャンバーの直接要因である板の左右延伸差を修正する圧下レベリング調整が必要となる。タンデム板圧延ミルにおいては、特に、板先端の通板中に上流側圧延機で発生した蛇行やキャンバーは、下流側圧延機入側ガイドとの接触などにより容易に座屈し、通板事故に繋がりやすいため、その防止もしくは制御技術の必要性は極めて高い。
【0006】
前述した従来技術の内、圧延中の各種検出値を用いる圧下レベリング制御技術では、板先端がタンデム板圧延ミル内の各圧延機を通過する、極めて短い時間内で検出→計算→圧下レベリングを行う必要があり、かつ板先端が圧延機に噛み込む際の衝撃力に起因した圧延荷重の顕著な振動や、板先端の波形状、フライングなどによる蛇行量検出誤差など、検出値に無視し得ない外乱が混入するため、板先端通板中の蛇行、キャンバーを修正することは極めて困難である。
【0007】
通板開始前に予め圧下レベリング量を設定する圧下レベリング設定技術では上述の困難さは生じないが、前述した特開昭62−68619号公報に開示されている従来技術では圧延ミル入側のキャンバー形状が考慮されておらず、実際にはミル入側の板先端に無視し得ないキャンバー(いわゆる鼻曲がり)が生じ易いことを考えると、不十分である。厚板圧延ミルのようなリバース圧延機の場合には、入側および/もしくは出側にキャンバー量検出器および板厚ウェッジ検出器を有し、両検出器からの検出値に基づき次圧延パスの圧下レベリング量を設定する技術もあるが、タンデム板圧延ミル(例えば、薄板の熱間仕上げ圧延機)のように圧延機台数が多く、かつ各圧延機間の間隙が小さいため、設備費増および設備寸法制約等の観点で適用することは事実上不可能である。
【0008】
前述した特開昭63−180315号公報に開示されている従来技術は、本質的に当該材が前材と同一程度の左右非対称要因を有していることを前提としており、被圧延材寸法やタンデム板圧延ミルの上流の圧延機(例えば、薄板の熱間粗圧延機)での圧下スケジュール、加熱炉での加熱スケジュールの変化により当該非対称要因の度合が容易に変化し得ることを考えると、実用上十分な効果を得ることは期待し難い。
【0009】
本発明は、上記した従来技術に見られる種々の問題を解消し、被圧延材の左右非対称要因によるタンデム板圧延ミルでの蛇行、キャンバーの発生を抑制し、かつ圧延後の寸法精度を可能な限り向上させ得る、タンデム板圧延ミルの圧下レベリング設定方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、綿密な調査分析および検討の結果、先ず、熱間薄板圧延工程の仕上げ圧延ミル(タンデム板圧延ミル)の入側材料、即ち粗圧延後の材料、いわゆる粗バー先端のキャンバー量と板厚ウェッジ量の相関関係が、被圧延材の寸法や粗圧延での圧下スケジュールが同一条件の場合でも無視し得ない誤差(分散)を有することを知見し、タンデム板圧延ミル入側のキャンバー量と板厚ウェッジ量の測定もしくは推定がミル内の各圧延機の圧下レベリング量設定に不可欠であることを結論した。また、比較的板厚が厚いタンデム板圧延ミル中の前段圧延機では、各圧延機の入側から出側の板厚ウェッジ量変化(正確には該圧延機入側もしくは出側の平均板厚で除した板厚ウェッジ比率の変化:後述のΔψ)が生じるように該圧延機の圧下レベリング設定を行った場合でも、より板厚の薄い後段圧延機で同程度の板厚ウェッジ比率変化が生じた場合に比べ、圧延中の蛇行やキャンバーの発生が少ないことも知見した。
【0011】
本発明は上記の知見に基づき為されたもので、前記の目的を達成するため、本発明の請求項1では、2台以上の圧延機を有するタンデム板圧延ミル入側での被圧延材のキャンバー量κ0および板厚ウェッジ量hdf 0を測定もしくは推定し、該ミル入側キャンバー量κ0およびミル入側板厚ウェッジ量hdf 0およびタンデム板圧延ミルの圧下スケジュールに基づき各圧延機の圧下レベリング量Sdf i:1〜Nを設定するに際して、タンデム板圧延ミルの第一圧延機を含む1台以上の前段圧延機群においては該ミル入側キャンバー量κ0を該前段圧延機群出側で目標とするキャンバー量κaimに修正するべく各圧延機の圧下レベリング量Sdf i:1〜Mを設定し、該ミル入側板厚ウェッジ量hdf 0、該前段圧延機群の圧下スケジュールおよび圧下レベリング設定値Sdf i:1〜Mに基づき該前段圧延機群出側での板厚ウェッジ量hdf Mを平均板厚hMで除した値、即ち該前段圧延機群出側の板厚ウェッジ比率ψMを予測し、該前段圧延機群に後続する後段圧延機群においては各圧延機出側の板厚ウェッジ比率ψi:M+1〜Nを該前段圧延機群出側の板厚ウェッジ比率ψMと等しくするべく各圧延機の圧下レベリング量Sdf i:M+1〜Nを設定することを特徴とする、板圧延における圧下レベリング設定方法を提案している。
本発明の請求項2では、該前段圧延機群内の第i圧延機出側の板厚ウェッジ比率ψ i:1〜M の絶対値が該第i圧延機入側の板厚ウェッジ比率ψ i−1 の絶対値より大きくなる場合には、該第i圧延機出側の板厚ウェッジ比率ψ i が該第i圧延機入側の板厚ウェッジ比率ψ i−1 と一致するように該第i圧延機の圧下レベリング量を設定することを特徴とする、請求項1に記載の板圧延における圧下レベリング設定方法を開示している。
本発明の請求項3では、前記の目標とするキャンバー量κ aim を前材までの圧延データを考慮して設定することを特徴とする、請求項1または2に記載の板圧延における圧下レベリング設定方法を開示している。
【0012】
本発明の請求項4では、2台以上の圧延機を有するタンデム板圧延ミル入側での被圧延材の板厚ウェッジ量hdf 0を測定もしくは推定し、該ミル入側板厚ウェッジ量hdf 0およびタンデム板圧延ミルの圧下スケジュールに基づき各圧延機の圧下レベリング量Sdf i:1〜Nを設定するに際して、タンデム板圧延ミルの第一圧延機を含む1台以上の前段圧延機群においては該ミル入側板厚ウェッジ量hdf 0を該前段圧延機群出側で目標とする板厚ウェッジ量hdf aimに修正するべく各圧延機の圧下レベリング量Sdf i:1〜Mを設定し、該前段圧延機群の圧下スケジュールおよび圧下レベリング設定値Sdf i:1〜Mに基づき該前段圧延機群出側での板厚ウェッジ量hdf Mを平均板厚hMで除した値、即ち該前段圧延機群出側の板厚ウェッジ比率ψMを予測し、該前段圧延機群に後続する後段圧延機群においては各圧延機出側の板厚ウェッジ比率ψi:M+1〜Nを該前段圧延機群出側の板厚ウェッジ比率ψMと等しくするべく各圧延機の圧下レベリング量Sdf i:M+1〜Nを設定することを特徴とする、板圧延における圧下レベリング設定方法を開示している。
本発明の請求項5では、前記の目標とする板厚ウェッジ量h df aim を前材までの圧延データを考慮して設定することを特徴とする、請求項4に記載の板圧延における圧下レベリング設定方法を開示している。
【0013】
本発明の請求項6では、該前段圧延機群内の第i圧延機の入側と出側における板厚ウェッジ比率の差、即ち板厚ウェッジ比率変化Δψi:1〜Mの絶対値が、予め定められた板厚ウェッジ比率変化の上限値Δψi(Limit)以下となるように、圧延機の圧下レベリング量Sdf i:1〜Mを設定することを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の板圧延における圧下レベリング設定方法を開示している。本発明の請求項7では、前記の板厚ウェッジ比率変化の上限値ΔψLimitを前材までの圧延データを考慮して設定することを特徴とする、請求項6に記載の板圧延における圧下レベリング設定方法を開示している。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。 図2は、本発明の方法を実施対象となるタンデム板圧延ミルの一形態を示した模式図であり、圧下レベリング量設定が可能な圧下装置6を各々装備した7台の板圧延機5と、タンデム板圧延ミル入側での板4のキャンバー量(曲率κ0 )を測定するキャンバー測定器2、板厚ウェッジ量(左右板厚差hdf 0 )を測定する板厚分布測定器3、および測定された両測定値および圧下スケジュールなどから後述する計算手順により各圧延機5の圧下レベリング設定値(Sdf i )を算出し、かつ各圧延機5の圧下装置6に圧延に先立って送出する、圧下レベリング設定計算機1を有している。
【0015】
図1は、本発明の請求項1に示した方法の一実施形態を示すフロー図である。上述のキャンバー検出器2、板厚分布測定器3の出力、もしくはタンデム板圧延ミルの上流側圧延機での圧延実績などから、ミル入側のキャンバー量(例えば、以下では曲率κ0 を用いる)および板厚ウェッジ量(左右板厚差hdf 0 )を測定もしくは推定する。次に、タンデム圧延ミル内の各圧延機の圧下スケジュール (入/出側(平均)板厚H/h、板幅b、予測圧延荷重Pなど)の入力と、予め指定された前段圧延機群(例えば、以下では第1圧延機から第M圧延機とする)出側の目標キャンバー量κaim の設定を行う。
【0016】
これら測定値(もしくは推定値)、入力値、設定値に基づき、前段圧延機群内の各圧延機の圧下レベリング設定値Sdf i:1 〜 M (以下、Xi:1 〜 n はi=1〜nの何れかのXi を表す)を計算する。前段圧延機群内の各圧延機の圧下レベリング設定値Sdf i:1 〜 M の計算については、例えば、下記の手順によればよい。先ず、下記の(1)式で各圧延機でのキャンバー量(曲率)変化Δκi:1 〜 M を決定する。
Δκi =F1 i (κ0 ,κaim ,H1 ,・・・,HM ,h1 ,・・・,hM ,b1 ,・・・,bM ,・・・) (1)
【0017】
上記(1)式で計算された各圧延機でのキャンバー量(曲率)変化Δκi から、下記の(2)式を用いて各圧延機の圧下レベリング設定量Sdf i を計算し、次いで、(3)式を用いて各圧延機出側の板厚ウェッジ比率を計算する。
Sdf i =F2 i (Δκi ,Hi ,hi ,hdf i-1 ,bi ,σi-1 ,σi ,Pi ,D(i) ,K(i) ,・・・・) (2)
ψi =F3 i (Sdf i ,Hi ,hi ,hdf i-1 ,bi ,σi-1 ,σi ,Pi ,D(i) ,K(i) ,・・・・) (3)
ここで、σi-1 、σi は第i圧延機入り出側張力、Pi は予測荷重、D(i) 、K(i) は各々第i圧延機の寸法パラメータ、剛性パラメータである。(2)式および(3)式の右辺中の第i圧延機入側板厚ウェッジ量hdf i-1 は、第i−1圧延機について(3)式で得られる板厚ウェッジ比率ψi-1 に板厚hi-1 を乗じることで評価される。
【0018】
前段圧延機群の出側の板厚ウェッジ比率ψM は、上記(3)式を前段圧延機群の最終圧延機(i=M)に適用することで計算され、これを下流の後段圧延機群(i=M+1〜N)で維持する(ψi:M+1 〜 N =ψM )ように、下記の(4)式に代入することで後段圧延機群の圧下レベリング設定量Sdf i:M+1 〜 N が計算され、上述の(2)式の計算結果(前段圧延機群の圧下レベリング設定量)と併せて、圧延開始に先だってタンデム板圧延ミル内の各圧延機の圧下装置6に送出、圧下レベリング調整が為される。
Sdf i =F4 i (ψM ,Hi ,hi ,hdf i-1 ,bi ,σi-1 ,σi ,Pi ,D(i) ,K(i) ,・・・・) (4)
【0019】
タンデム板圧延ミル入側での板キャンバー量の測定値もしくは推定値が0もしくは実用上無視し得る程度に小さい場合や、板厚ウェッジ量の修正を優先して圧下レベリング設定を行いたい場合には、図3にその一実施形態をフロー図として示した、本発明の請求項4の方法を用いればよい。この方法では、上述のミル入側の板厚分布測定器3の出力、もしくはタンデム板圧延ミルの上流側圧延機での圧延実績などから、ミル入側の板厚ウェッジ量(左右板厚差hdf 0)を測定もしくは推定する。次に、タンデム板圧延ミル内の各圧延機の圧下スケジュールの入力と、予め指定された前段圧延機群出側の目標板厚ウェッジ量hdf aimの設定を行う。これら測定値(もしくは推定値)、入力値、設定値に基づき、前段圧延機群内の各圧延機の圧下レベリング設定値Sdf i:1〜Mを、下記(5)式による各圧延機出側の板厚ウェッジ量hdf iの計算を経て、(6)式により算出する。
hdf i=F5 i(hdf 0,hdf aim,H1,・・・,HM,h1,・・・,
hM,b1,・・・,bM,・・・) (5)
Sdf i=F6 i(hdf i、Hi、hi、hdf i−1,bi,σi−1,σi,
Pi,D(i),K(i),・・・・) (6)
【0020】
後段圧延機群内の各圧延機の圧下レベリング設定値Sdf i:M+1 〜 N については、下記(7)式による前段圧延機群の出側の板厚ウェッジ比率ψM の計算後、上述した本発明の請求項1の方法と同手順(上述の(4)式など)で計算され、前段圧延機群の圧下レベリング設定量と併せて圧下装置6への送出、圧下レベリング調整が為されることとなる。
ψM =hdf M /hM (7)
【0021】
上述した、例えば、(2)式もしくは(6)式で計算された前段圧延機群の圧下レベリング設定量Sdf i:1 〜 M に従って圧延が行われた場合、一般には、前段圧延機群内の各圧延機の入側から出側の板厚ウェッジ比率変化Δψi (=ψi −ψi-1 )は零ではなく、当該圧延パス中には当該板厚ウェッジ比率変化Δψi に略比例する蛇行やキャンバー発生(例えば、公知文献:社団法人日本塑性加工学会発行・昭和55年度塑性加工春季講演会論文集、P.63、(10)式など)が懸念される。しかしながら本発明の方法では、前述した知見に基づいて板厚ウェッジ比率変化を生じさせる圧延機を比較的板厚が厚い前段圧延機群に限定しているため、従来技術に比べ、発生する蛇行、キャンバーの程度は相当に軽減される(板厚が厚い場合には圧延中の幅方向メタルフローが生じ易いため、板厚ウェッジ比率変化の一部が当該幅方向メタルフローに吸収され、蛇行やキャンバーの発生が軽減されるものと考察される)。
【0022】
上述した、前段圧延機群で目標とするキャンバー量κaim や目標とする板厚ウェッジ量hdf aim は、零、もしくは通板性、製品の寸法精度、巻き形状精度等の観点で実用上問題とならない程度の小さい数値で設定されればよい。
【0023】
キャンバー形状を極力修正し、かつ板厚寸法精度上、板厚ウェッジ比率を悪化させたくない場合には、例えば、前述の(3)式で計算された第i圧延機の出側板厚ウェッジ比率ψi と入側板厚ウェッジ比率ψi-1 を比較し、[出側板厚ウェッジ比率ψi の絶対値]≧[入側板厚ウェッジ比率ψi-1 の絶対値]となる場合には、例えば、(4)式の右辺中のψM をψi-1 に代えて当該圧延機iの圧下レベリング設定量Sdf i を計算すればよい。
【0024】
上述の前段圧延機群において過度の板厚ウェッジ比率変化に起因した過度の蛇行、キャンバーの発生が予想される場合には、前段圧延機群内の第i圧延機で許容される板厚ウェッジ比率変化の上限値Δψi(Limit)を予め定め、例えば、(3)式で計算される第i圧延機の入側および出側の板厚ウェッジ比率ψi-1 、ψi (但し、ψ0 は、測定もしくは推定されたミル入側板厚ウェッジhdf 0 をミル入側板厚h0 で除した値を用いる)の差の絶対値が該上限値を越える場合には、下記(8)式で制限された第i圧延機出側の板厚ウェッジhdf i(Limited)を計算し、例えば、前記(6)式の右辺中のhdf i に代えてhdf i(Limited)を用いて該第i圧延機の圧下レベリング設定量Sdf i を計算すればよい。
hdf i(Limited)=[ψi-1 +sign{ψi −ψi-1 }×Δψi(Limit)]×hi (8)
ここで、sign{X}は、X>0では+1、X<0では−1、X=0では0となる関数である。
【0025】
上述の前段圧延機群とは、少なくともタンデム板圧延ミル内の第1圧延機を含む1台以上の圧延機群であればよく、例えば、第1圧延機のみを前段圧延機とし、第2圧延機から最終圧延機を後段圧延機群としてもよい。この場合には、上述した(1)式〜(3)式、(5)式、(6)式に代えて、下記の比較的単純な(1′)式〜(3′)式、(5′)式、(6′)式を用いてもよい。
Δκ1 =κaim −(κ0 /λ1 2 ) (1′)
Sdf 1 =(a1 /b1 )×{(1+m1 KD 1 )hdf 1 −m1 KD 1 hdf 0 } (2′
)ψ1 =hdf 1 /h1 =b1 Δκ1 +hdf 0 /h0 (3′)
hdf 1 =hdf aim (5′)
ここで、λi は第i圧延機での延伸(=Hi /hi )、mi は塑性係数、KD 1 は平行剛性、ai は圧下装置6の支点間距離である。
また、(4)式についても、より簡易的な下記(4′)式を用いてもよい。
但し、hdf i =hi ×ψM .上述の前段圧延機群出側で目標とするキャンバー量κaim 、目標とする板厚ウェッジ量hdf aim 、板厚ウェッジ比率変化の上限値Δψi(Limit)、などに対していわゆる学習を適用し、例えば、前材までの圧延実績データを用いて該諸量を設定してもよい。
また、本発明の方法で予め各圧延機の圧下レベリング量を設定し、圧延を開始した後、圧延中の各種検出値を用いる圧下レベリング制御のための従来技術を適用してもよい。
【0026】
【実施例】
ミル入側にキャンバー計および板厚分布計を有する、7台の4段圧延機から成る熱間仕上げ板圧延ミルに本発明の方法を適用した。その際、前段圧延機群としては第1圧延機のみを指定し、目標とするキャンバー量を零とし、当該圧延機で許容する板厚ウェッジ比率変化の上限値を板幅、板厚、圧下率毎に定め、請求項2および請求項6の方法を用いた。その結果、いわゆる板先端の蛇行に起因した通板事故は皆無となり、また、巻き取り後の板厚ウェッジ量、キャンバー量も略半減し、製品寸法精度も著しく向上した。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述した様に、本発明の方法によれば、タンデム板圧延ミルにおいて圧延中、特に板先端通板中の蛇行やキャンバー(横曲がり)の発生を抑制することで被圧延材の通板性を飛躍的に向上させ、かつ圧延後の寸法精度を可能な限り向上させ得る等、産業上裨益するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の請求項1の方法の一実施形態を示すフロー図である。
【図2】 本発明の方法を実施対象となるタンデム板圧延ミルの一形態を示した模式図である。
【図3】 本発明の請求項4の方法を示すフロー図である。
Claims (7)
- 2台以上の圧延機を有するタンデム板圧延ミル入側での被圧延材のキャンバー量κ0および板厚ウェッジ量hdf 0を測定もしくは推定し、該ミル入側キャンバー量κ0およびミル入側板厚ウェッジ量hdf 0およびタンデム板圧延ミルの圧下スケジュールに基づき各圧延機の圧下レベリング量Sdf i:1〜Nを設定するに際して、タンデム板圧延ミルの第一圧延機を含む1台以上の前段圧延機群においては該ミル入側キャンバー量κ0を該前段圧延機群出側で目標とするキャンバー量κaimに修正するべく各圧延機の圧下レベリング量Sdf i:1〜Mを設定し、該ミル入側板厚ウェッジ量hdf 0、該前段圧延機群の圧下スケジュールおよび圧下レベリング設定値Sdf i:1〜Mに基づき該前段圧延機群出側での板厚ウェッジ量hdf Mを平均板厚hMで除した値、即ち該前段圧延機群出側の板厚ウェッジ比率ψMを予測し、該前段圧延機群に後続する後段圧延機群においては各圧延機出側の板厚ウェッジ比率ψi:M+1〜Nを該前段圧延機群出側の板厚ウェッジ比率ψMと等しくするべく各圧延機の圧下レベリング量Sdf i:M+1〜Nを設定することを特徴とする、板圧延における圧下レベリング設定方法。
- 該前段圧延機群内の第i圧延機出側の板厚ウェッジ比率ψi:1〜Mの絶対値が該第i圧延機入側の板厚ウェッジ比率ψi−1の絶対値より大きくなる場合には、該第i圧延機出側の板厚ウェッジ比率ψiが該第i圧延機入側の板厚ウェッジ比率ψi−1と一致するように該第i圧延機の圧下レベリング量を設定することを特徴とする、請求項1に記載の板圧延における圧下レベリング設定方法。
- 前記の目標とするキャンバー量κaimを前材までの圧延データを考慮して設定することを特徴とする、請求項1または2に記載の板圧延における圧下レベリング設定方法。
- 2台以上の圧延機を有するタンデム板圧延ミル入側での被圧延材の板厚ウェッジ量hdf 0を測定もしくは推定し、該ミル入側板厚ウェッジ量hdf 0およびタンデム板圧延ミルの圧下スケジュールに基づき各圧延機の圧下レベリング量Sdf i:1〜Nを設定するに際して、タンデム板圧延ミルの第一圧延機を含む1台以上の前段圧延機群においては該ミル入側板厚ウェッジ量hdf 0を該前段圧延機群出側で目標とする板厚ウェッジ量hdf aimに修正するべく各圧延機の圧下レベリング量Sdf i:1〜Mを設定し、該前段圧延機群の圧下スケジュールおよび圧下レベリング設定値Sdf i:1〜Mに基づき該前段圧延機群出側での板厚ウェッジ量hdf Mを平均板厚hMで除した値、即ち該前段圧延機群出側の板厚ウェッジ比率ψMを予測し、該前段圧延機群に後続する後段圧延機群においては各圧延機出側の板厚ウェッジ比率ψi:M+1〜Nを該前段圧延機群出側の板厚ウェッジ比率ψMと等しくするべく各圧延機の圧下レベリング量Sdf i:M+1〜Nを設定することを特徴とする、板圧延における圧下レベリング設定方法。
- 前記の目標とする板厚ウェッジ量hdf aimを前材までの圧延データを考慮して設定することを特徴とする、請求項4に記載の板圧延における圧下レベリング設定方法。
- 該前段圧延機群内の第i圧延機の入側と出側における板厚ウェッジ比率の差、即ち板厚ウェッジ比率変化Δψi:1〜Mの絶対値が、予め定められた板厚ウェッジ比率変化の上限値Δψi(Limit)以下となるように、圧延機の圧下レベリング量Sdf i:1〜M設定することを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の板圧延における圧下レベリング設定方法。
- 前記の板厚ウェッジ比率変化の上限値ΔψLimitを前材までの圧延データを考慮して設定することを特徴とする、請求項6に記載の板圧延における圧下レベリング設定方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000324999A JP3844280B2 (ja) | 2000-10-25 | 2000-10-25 | 板圧延における圧下レベリング設定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000324999A JP3844280B2 (ja) | 2000-10-25 | 2000-10-25 | 板圧延における圧下レベリング設定方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002126813A JP2002126813A (ja) | 2002-05-08 |
| JP3844280B2 true JP3844280B2 (ja) | 2006-11-08 |
Family
ID=18802443
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000324999A Expired - Fee Related JP3844280B2 (ja) | 2000-10-25 | 2000-10-25 | 板圧延における圧下レベリング設定方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3844280B2 (ja) |
Families Citing this family (15)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102007035283A1 (de) | 2007-07-27 | 2009-01-29 | Siemens Ag | Verfahren zur Einstellung eines Zustands eines Walzguts, insbesondere eines Vorbands |
| KR100966812B1 (ko) | 2007-09-06 | 2010-06-29 | 주식회사 포스코 | 스트립 캐스팅 공정에서 압연기의 레벨 설정방법 |
| JP5476799B2 (ja) * | 2009-06-02 | 2014-04-23 | Jfeスチール株式会社 | 熱延鋼帯の製造方法 |
| EP2527052A1 (de) | 2011-05-24 | 2012-11-28 | Siemens Aktiengesellschaft | Betriebsverfahren für eine Walzstraße |
| DE102011078150A1 (de) | 2011-06-08 | 2012-12-13 | Sms Siemag Ag | Verfahren, Computerprogramm und Walzstraße zum Walzen eines Metallbandes |
| KR101322120B1 (ko) * | 2011-08-10 | 2013-10-28 | 주식회사 포스코 | 강판의 웨지 및 캠버의 제어 방법 및 장치 |
| JP2013075326A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-04-25 | Jfe Steel Corp | 熱間圧延設備 |
| JP5765456B1 (ja) * | 2014-01-22 | 2015-08-19 | Jfeスチール株式会社 | 圧延機の制御装置及び制御方法 |
| JP6620777B2 (ja) * | 2017-03-16 | 2019-12-18 | Jfeスチール株式会社 | 圧延機のレベリング設定方法および圧延機のレベリング設定装置 |
| JP6809488B2 (ja) * | 2018-01-18 | 2021-01-06 | Jfeスチール株式会社 | 熱間圧延の粗圧延方法、熱間圧延の粗圧延装置、熱延鋼板の製造方法及び熱延鋼板の製造装置 |
| JP7156318B2 (ja) * | 2020-01-08 | 2022-10-19 | Jfeスチール株式会社 | 圧延装置の制御方法、圧延装置の制御装置、および鋼板の製造方法 |
| JP7405106B2 (ja) * | 2021-03-09 | 2023-12-26 | Jfeスチール株式会社 | 熱間圧延におけるレベリング制御方法、レベリング制御装置及び熱間圧延設備 |
| WO2022201327A1 (ja) * | 2021-03-23 | 2022-09-29 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 連続式圧延機の蛇行制御装置 |
| JP7685721B2 (ja) * | 2022-01-25 | 2025-05-30 | 可治 安部 | 熱間可逆板圧延における板ウェッジの制御と設定方法 |
| JP2024031268A (ja) * | 2022-08-26 | 2024-03-07 | Jfeスチール株式会社 | 冷間圧延方法及び冷間圧延設備 |
-
2000
- 2000-10-25 JP JP2000324999A patent/JP3844280B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2002126813A (ja) | 2002-05-08 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3844280B2 (ja) | 板圧延における圧下レベリング設定方法 | |
| EP3006126B1 (en) | Tandem rolling mill comprising a control device and control method | |
| JP5239728B2 (ja) | 金属板材の圧延方法及び圧延装置 | |
| JP6620777B2 (ja) | 圧延機のレベリング設定方法および圧延機のレベリング設定装置 | |
| JPH0871628A (ja) | 厚鋼板の耳波形状発生防止方法 | |
| JP7626100B2 (ja) | 熱間圧延におけるレベリング制御方法、レベリング制御装置、熱間圧延設備、及び熱間圧延鋼帯の製造方法 | |
| JP4232230B2 (ja) | 熱間仕上圧延機のレベリング制御方法及び装置 | |
| JP3241566B2 (ja) | 熱間圧延におけるキャンバ・ウェッジ同時制御方法 | |
| JP2968647B2 (ja) | 熱間圧延における板幅制御法 | |
| JP4267609B2 (ja) | 金属板材の圧延方法および圧延装置 | |
| EP1322433B1 (en) | Sheet width control method in hot rolling | |
| JP3403330B2 (ja) | 熱間圧延における板幅制御方法 | |
| JP2002045907A (ja) | 金属板の平坦度制御方法及び装置 | |
| JP7567847B2 (ja) | 熱間圧延におけるレベリング制御方法、レベリング制御装置、熱間圧延設備、及び熱間圧延鋼帯の製造方法 | |
| JP2017225988A (ja) | 圧下レベリング制御装置および圧下レベリング制御方法 | |
| JP6601451B2 (ja) | 圧延機の制御方法、圧延機の制御装置、および熱延鋼板の製造方法 | |
| JP2767508B2 (ja) | 冷間圧延におけるエッジドロップ制御方法 | |
| JP3397967B2 (ja) | 形鋼の圧延方法 | |
| JP3664067B2 (ja) | 熱間圧延鋼板の製造方法 | |
| JPH0636929B2 (ja) | 被圧延材の板幅制御方法 | |
| JP2019107675A (ja) | 圧延機の制御装置および制御方法 | |
| JPS629711A (ja) | 薄板熱間圧延ラインの板幅制御方法 | |
| JPH10156415A (ja) | 熱間仕上圧延におけるウェッジ制御方法 | |
| JPH10235420A (ja) | 冷間圧延におけるキャンバ制御方法 | |
| JPH081220A (ja) | 熱延鋼板の板幅制御方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041217 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060425 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060516 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060714 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060809 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060811 |
|
| R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 3844280 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825 Year of fee payment: 3 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100825 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100825 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110825 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120825 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130825 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130825 Year of fee payment: 7 |
|
| S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130825 Year of fee payment: 7 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130825 Year of fee payment: 7 |
|
| S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130825 Year of fee payment: 7 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |
