JP3843339B2 - 排水構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は内、外装材として使用する乾式壁材の端部を出隅、入隅にてカバーすると共に、一般の樋として機能し、さらに、乾式壁材の下端を被覆する端部材に入った雨水等をも流下させる樋としても機能する排水構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の樋Dとしては、図19に示すように、軒の樋Dに集まった雨水を、樋Dにより地面や、流水溝等に流すものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の樋Dは外部に露出して形成され、美感性に劣ると共に、壁面から突出しているために、邪魔になるものであった。また、乾式壁材Cの下端部の納まりを良くするために、図20に示すような断面略J字状に形成した端部材B(止縁)により乾式壁材Cの下端部を被覆した場合に、端部材Bの内部に雨水が浸入するために、これを排出するための流水孔bを端部材Bに形成する必要あった。さらに、端部材Bと乾式壁材C間にコーキング材を形成することも行われるが、万が一に浸入した雨水が端部材Bの中に溜まってしまい、最悪の場合には躯体内部まで雨水が浸入し、躯体を腐食してしまう危険性があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような欠点を除去するため、略90度で交わる2片の水平面状の固定部と、固定部の交点、あるいは各固定部の途中を外方に突出した立ち上がり片と、立ち上がり片の先端を外方に屈曲したカバー片と、カバー片の先端を外方に屈曲した側面化粧面とから断面略コ字状に形成した嵌合溝と、立ち上がり片の先端を内方に屈曲して略90度で交わる化粧面と、化粧面と立ち上がり片により形成された筒状の流水路とから形成した隅部材と、垂直平面状の固定片と、固定片の下端を外方に屈曲した載置片と、載置片の先端を内方に屈曲した段差片と、段差片の下端を外方に屈曲した底片と、底片の先端を外方に屈曲した化粧片と、化粧片の先端を外方に屈曲した側面化粧片とから断面略J字状に形成した端部材とからなり、隅部材を家屋のコーナ部分に縦に形成すると共に、乾式壁材の下端部を被覆した端部材および軒の樋が隅部材の流水路と連結されている排水構造とすることにより、上記欠点を排除した排水構造を提供するものである。
【0005】
【実施例】
以下に図面を用いて本発明に係る排水構造の一実施例について詳細に説明する。すなわち、図1(a)、(b)は本発明に係る排水構造の施工部位を示す斜視図と平面図、図2は本発明に係る排水構造を出隅に形成した一実施例を示す断面図、図3は本発明に係る排水構造を出隅に形成した場合の部材を示す断面図、図4は本発明に係る排水構造を入隅に形成した一実施例を示す断面図、図5は本発明に係る排水構造を入隅に形成した場合の部材を示す断面図、図6は本発明に係る排水構造を中間水切り部分に形成した場合の断面図である。図において、Aは隅部材、Bは端部材、Cは乾式壁材、Dは樋、Eは水切りである。
【0006】
隅部材Aは図3、図5に示すように、略90度で交わる2片の水平面状の固定部1と、固定部1の交点、あるいは各固定部1の途中(図では交点)を外方に突出した立ち上がり片2と、立ち上がり片2の先端を外方に屈曲したカバー片3と、カバー片3の先端を外方に屈曲した側面化粧面4とから断面略コ字状に形成した嵌合溝5と、立ち上がり片2の先端を内方に屈曲して略90度で交わる化粧面6と、化粧面6と立ち上がり片2により形成された筒状の流水路7とから形成したものである。
【0007】
固定部1は壁下地α上に固定具βにより隅部材Aを固定する部分である。
【0008】
カバー片3、側面化粧面4、嵌合溝5は、乾式壁材Cの端部を被覆し、乾式壁材Cの木口端部が外部に露出するのを防止し、美感性、防水性の向上、乾式壁材Cの端部からの吸水を防止するものである。
【0009】
その素材としては、金属薄板、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(勿論、これらを各種色調に塗装したカラー板を含む)の一種をロール成形、プレス成形、押出成形等によって各種形状に成形したものである。
【0010】
流水路7は、雨水を地面や、流水溝等に流すためのものである。
【0011】
勿論、隅部材A、乾式壁材C、樋D間には必要によりパッキング材を形成して防水性を強化するものである。
【0012】
端部材Bは図7(a)に示すように、垂直平面状の固定片8と、固定片8の下端を外方に屈曲した載置片9と、載置片9の先端を内方に屈曲した段差片10と、段差片10の下端を外方に屈曲した底片11と、底片11の先端を外方に屈曲した化粧片12と、化粧片12の先端を外方に屈曲した側面化粧片13とから断面略J字状に形成し、嵌合溝14を形成したものである。
【0013】
また、端部材Bの樋Dと連結しない端部には、図7(b)、(c)に示すようなキャップB1 、キャップB2 を嵌合式、あるいは接着剤を介して一体化し、連結しない方からの水漏れを防止するものである。
【0014】
パッキング材は、隅部材A、端部材B、乾式壁材Cと樋D間から内部に雨水が浸入しないように形成したものである。その素材としては、例えば定型で弾性のあるパッキング材としては、例えば発泡ゴム、ポリ塩化ビニル系、クロロプレン系、クロロスルホン化ポリエチレン系、エチレンプロピレン系、アスファルト含浸ポリウレタン系、EPM、EPDM等の一般的に市販されているもの、あるいは硬化型のパッキング材としてはシリコーン系(反応硬化型、湿気硬化型)、変成シリコーン系(反応硬化型)、ポリサルファイド系(反応硬化型)、ポリウレタン系(反応硬化型、湿気硬化型)、SBR系(乾燥硬化型)、アクリル系(乾燥硬化型)等よりなるものであり、主に防水材、気密材等の機能として有用なものである。勿論、これらの成分中に無機材等の難燃材、あるいは耐火性、防火性を有する例えばポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニウム、フェノール樹脂粒、カーボンブラック、グラファイト(発泡、非発泡)等の難燃材を混入した耐火性のあるパッキング材を使用しても良いものである。
【0015】
乾式壁材Cの一例としては、図8に示すように表面材15と裏面材16間に芯材17を形成し、両端に雄型連結部18と雌型連結部19を形成したものであり、図9に示すように、固定具βの打設と、雄型連結部18と雌型連結部19を嵌合することにより乾式壁材Cを連結するものである。
【0016】
表面材15、裏面材16は金属薄板、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(勿論、これらを各種色調に塗装したカラー板を含む)の一種をロール成形、プレス成形、押出成形等によって各種形状に成形したもの、あるいは無機質材を押出成形、プレス成形、オートクレーブ養生成形等して各種任意形状に形成したものである。
【0017】
芯材17は例えばポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリアフォーム、等の合成樹脂発泡体からなるものであり、例えばレゾール型フェノールの原液と、硬化剤、発泡剤を混合し、表面材15、もしくは裏面材16の裏面側に吐出させ、加熱して反応・発泡・硬化させて形成したものである。また、芯材17中には各種難燃材として軽量骨材(パーライト粒、ガラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウム等)、繊維状物(グラスウール、ロックウール、カーボン繊維、グラファイト等)を混在させ、防火性を向上させることも出来る。
【0018】
さらに詳説すると、芯材17は主に断熱材、防火材、接着剤、補強材、緩衝材、吸音材、嵩上材、軽量化材、等として機能するものである。勿論、芯材17としてロックウール、グラスウール、セラミックウール等の無機材を使用しても良いものである。
【0019】
なお、隅部材Aの樋Dと軒の樋Dを連結する部材としては、従来の図10(a)〜(f)に示すような樋Dを用いて形成するものである。勿論、連結に際しては、各部材を切断、切り欠き、屈曲、等して形成し、必要により前記した硬化型のパッキング材(コーキング材)を形成して防水性を強化するものである。
【0020】
次に、本発明に係る排水構造の出隅部の施工方法について、図1、図2、図6、図9、図11(a)、(b)を用いて簡単に説明する。まず、図3に示すような隅部材Aを固定具βを介して壁下地αに固定する。次に、図8に示すような乾式壁材Eを縦に図9に示すように順次連結して固定する。次に図7(a)に示すような端部材Bの端部を隅部材Aと水漏れの無いように連結する。最後に、全ての隅部材A、端部材Bの施工が完了したら、まだ張っていない部分に残りの乾式壁材C、役物、コーキング材を施工し、施工を完了するものである。
【0021】
【その他の実施例】
以上説明したのは本発明に係る排水構造の一実施例にすぎず、隅部材Aを図12(a)〜()、図13(a)〜()、乾式壁材Cを図14(a)〜(f)、図15(a)〜(d)(窯業系サイディング材)に示すように形成することも出来る。
【0022】
図16〜図18は中間水切り、窓上、土台に形成した排水構造のその他の実施例を示す断面図である。
【0023】
【発明の効果】
上述したように本発明に係る排水構造によれば、(1)隅部材を、出隅材、入隅材、樋として使用できる。(2)隅部材が樋として機能するために、樋が壁面より外部に突出することが無く、美感性が良く、邪魔にならない。(3)端部材に浸入した雨水を速やかに流すことが出来る。等の特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排水構造の施工状態を示す説明図である。
【図2】本発明に係る排水構造の施工状態を示す断面図である。
【図3】本発明に係る排水構造に使用する隅部材を示す説明図である。
【図4】本発明に係る排水構造の施工状態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る排水構造に使用する隅部材を示す説明図である。
【図6】本発明に係る排水構造の施工状態を示す断面図である。
【図7】本発明に係る排水構造の端部材を示す説明図である。
【図8】本発明で使用する乾式壁材を示す断面図である。
【図9】本発明で使用する乾式壁材の施工状態を示す断面図である。
【図10】汎用品の樋を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る排水構造を施工する乾式壁材の施工状態を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る排水構造に使用する隅部材のその他の実施例を示す説明図である。
【図13】本発明に係る排水構造に使用する隅部材のその他の実施例を示す説明図である。
【図14】本発明で使用する乾式壁材のその他の実施例示す断面図である。
【図15】本発明で使用する乾式壁材のその他の実施例示す断面図である。
【図16】本発明に係る排水構造のその他の実施例を示す断面図である。
【図17】本発明に係る排水構造のその他の実施例を示す断面図である。
【図18】本発明に係る排水構造のその他の実施例を示す断面図である。
【図19】従来例を示す説明図である。
【図20】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
A 隅部材
B 端部材
1 キャップ
2 キャップ
C 乾式壁材
D 樋
E 水切り
α 壁下地
β 固定具
b 流水孔
1 固定部
2 立ち上がり片
3 カバー片
4 側面化粧面
5 嵌合溝
6 化粧面
7 流水路
8 固定片
9 載置片
10 段差片
11 底片
12 化粧片
13 側面化粧片
14 嵌合溝
15 表面材
16 裏面材
17 芯材
18 雄型連結部
19 雌型連結部

Claims (1)

  1. 略90度で交わる2片の水平面状の固定部と、該固定部の交点、あるいは各固定部の途中を外方に突出した立ち上がり片と、該立ち上がり片の先端を外方に屈曲したカバー片と、該カバー片の先端を外方に屈曲した側面化粧面とから断面略コ字状に形成した嵌合溝と、立ち上がり片の先端を内方に屈曲して略90度で交わる化粧面と、該化粧面と立ち上がり片により形成された筒状の流水路とから形成した隅部材と、垂直平面状の固定片と、該固定片の下端を外方に屈曲した載置片と、該載置片の先端を内方に屈曲した段差片と、該段差片の下端を外方に屈曲した底片と、該底片の先端を外方に屈曲した化粧片と、該化粧片の先端を外方に屈曲した側面化粧片とから断面略J字状に形成した端部材とからなり、隅部材を家屋のコーナ部分に縦に形成すると共に、乾式壁材の下端部を被覆した端部材と軒の樋が隅部材の流水路と連結されていることを特徴とする排水構造。
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