JP3806784B2 - 窓下水切り構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は内、外装材として使用する乾式壁材の端部をカバーし、窓下の納めに使用する窓下水切り構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から使用されている端部をカバーする止縁Cの一例としては、図15に示すような家屋において、図16、図17に示すように当接目C1 を有する止縁Cを壁下地α(木造下地、鉄骨下地、防水シート等、あるいは既存壁下地、等よりなる)と窓γ間に固定具βにより施工し、乾式壁材Bの木口端部をカバーするものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら窓廻り部分は雨水が集まって流れるために、水垢、埃、塵、シーリング材等に付いた埃、等が雨水の流れにより流下し、乾式壁材Cの化粧面9aを図16に示すように汚してしまうものであった。これは、乾式壁材Cにとどまらず、湿式のモルタル壁、コンクリート壁等でも生じるものであった。さらに、芯材として合成樹脂発泡体を使用した乾式壁材Bは経年変化により、図18、図19に示すように乾式壁材B自体が凸条に変形してしまうことが希にあった。このため、上記のような止縁Cを使用した壁は、乾式壁材Bが凸条に変形することにより、止縁Cの化粧面と乾式壁材Bの化粧面9a間に間隙aが形成され、美感上問題が生じることもあった。その上、止縁Cと窓γとの間の空隙aから、雨水等が内部へと浸入してしまう欠点があった。さらに、乾式壁材Bを張り直す作業は非常に手間とコストがかかるものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような欠点を除去するため、垂直平面状の化粧面と、化粧面の両端に形成した傾斜化粧面と、下端の傾斜化粧面の先端を外方に突出した水切り片とからなるカバー部と、上端の傾斜化粧面の先端を上方に突出した係合片と、係合片の先端近傍を外方に突出した係合爪とからなる係合部とから形成したことにより、上記欠点を排除した窓下水切り構造を提供するものである。
【0005】
【実施例】
以下に図面を用いて本発明に係る窓下水切り構造の一実施例について詳細に説明する。すなわち、図1(a)、(b)は上記窓下水切りAを示す一部切り欠き斜視図とa−a部断面図、図2は窓γ部分に窓下水切りAを形成した場合を示す説明図、図3は施工順序を示す説明図、図4は施工状態を示す平面図あり、既存の乾式壁材Bと既存の止縁C間に窓下水切りAを形成したものである。また、Dはシーリング材である。
【0006】
窓下水切りAは垂直平面状の化粧面1と、化粧面1の下端に形成した傾斜化粧面2と、傾斜化粧面2の先端を外方に突出した当接面3と当接面3の先端をさらに延長した水切り片4と、化粧面1の上端に形成した傾斜化粧面5とからなるカバー部1aと、傾斜化粧面5の先端を上方に突出した係合片7と、係合片7の先端近傍を外方に突出した係合爪8とからなる係合部6とから形成したものである。
【0007】
勿論、流れる雨水を乾式壁材B上に流下しないように形成するために、図4(a)のように長尺状に形成した場合には、窓γの幅をL、窓下水切りAの長さをWとすると、W=L+(30mm〜100mm)程度に形成するものである。また、図4(b)のように短尺状に形成し、窓γの両サイド部分にのみ形成した場合には、W=30mm〜100mm程度に形成するものである。なお、図では窓γの枠として止縁Cを窓γに形成した場合を示しているものである。
【0008】
カバー部1aは図2に示すように乾式壁材Bの上端を固定した固定具βの頭部β1 を隠蔽し、外部に固定具βが露出しないように形成したものである。
【0009】
水切り片4は窓γの枠を流れてきた雨水等を下方の乾式壁材Cの化粧面9a上に流下しないように形成したものである。
【0010】
係合部6は図2に示すように、乾式壁材Bと止縁C間に挿入され、係合爪8を止縁Cの当接面C1 に係合することにより窓下水切りAを固定するものである。
【0011】
また、係合爪8は図1(b)に示すようにピッチPで形成し、施工性、脱落防止を図ったものである。なお、ピッチPは30〜500mm位である。
【0012】
その素材としては、金属薄板、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(勿論、これらを各種色調に塗装したカラー板を含む)の一種を押出成形、ロール成形、プレス成形、等によって各種形状に成形したものである。
【0013】
乾式壁材Bは図5(a)、(b)(施工後の経時変化により凸条に変形した乾式壁材B)に示すように表面材9と裏面材10間に芯材11を形成し、両端に雄型連結部12と雌型連結部13を形成したものであり、図7に示すように、固定具βの打設と、雄型連結部12と雌型連結部13を嵌合することにより乾式壁材Bを連結するものである。勿論、窓下水切りAは縦張りの乾式壁材B、横張りの乾式壁材Bの両方に使用できるものである。
【0014】
表面材9、裏面材10は金属薄板、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(勿論、これらを各種色調に塗装したカラー板を含む)の一種をロール成形、プレス成形、押出成形等によって各種形状に成形したもの、あるいは無機質材を押出成形、プレス成形、オートクレーブ養生成形、焼成等して各種任意形状に形成したものである。
【0015】
芯材11は例えばポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリアフォーム、等の合成樹脂発泡体からなるものであり、例えばレゾール型フェノールの原液と、硬化剤、発泡剤を混合し、表面材9、もしくは裏面材10の裏面側に吐出させ、加熱して反応・発泡・硬化させて形成したものである。また、芯材3中には各種難燃材として軽量骨材(パーライト粒、ガラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウム等)、繊維状物(グラスウール、ロックウール、カーボン繊維、グラファイト等)を混在させ、防火性を向上させることもできる。
【0016】
さらに詳説すると、芯材11は主に断熱材、防火材、接着剤、補強材、緩衝材、吸音材、嵩上材、軽量化材、等として機能するものである。勿論、芯材11としてロックウール、グラスウール、セラミックウール等の無機材を使用しても良いものである。
【0017】
シーリング材Dは目地部の防水性の強化のために形成するものであり、例えば定型で弾性のあるシーリング材Dとしては、例えば発泡ゴム、ポリ塩化ビニル系、クロロプレン系、クロロスルホン化ポリエチレン系、エチレンプロピレン系、アスファルト含浸ポリウレタン系、EPM、EPDM等の一般的に市販されているもの、あるいは硬化型のシーリング材Dとしてはシリコーン系(反応硬化型、湿気硬化型)、変成シリコーン系(反応硬化型)、ポリサルファイド系(反応硬化型)、ポリウレタン系(反応硬化型、湿気硬化型)、SBR系(乾燥硬化型)、アクリル系(乾燥硬化型)等よりなるものであり、主に防水材、気密材等の機能として有用なものである。勿論、これらの成分中に無機材等の難燃材、あるいは耐火性、防火性を有する例えばポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニウム、フェノール樹脂粒、カーボンブラック、グラファイト(発泡、非発泡)等の難燃材を混入した耐火性のあるシーリング材Dを使用しても良いものである。
【0018】
次に、本発明に係る窓下水切り構造の施工方法について簡単に説明する。まず、施工から何年も経ち、経時変化により図5(b)に示すように変形してしまった乾式壁材Bが、図3、図7に示すように縦張りで施工されており、窓γ部分で図6に示すような止縁Cによりカバーされた既存の壁体が有るとする。
【0019】
この壁体の乾式壁材B上端の化粧面9aを平面(間隙aを無くす)とするために、図3に示すように乾式壁材Bの上端部中央部分を固定具βで打設し、化粧面9aを平面とする。乾式壁材Bへの固定具の打設が完了したら、次に、図1に示すような窓下水切りAの係合部6を、図2に示すように乾式壁材Bの化粧面9aと止縁Cの当接面C1 間に差し込み、当接面C1 に窓下水切りAの係合爪8を係合し施工を完了するものである。
【0020】
【その他の実施例】
以上説明したのは本発明に係る窓下水切り構造の一実施例にすぎず、窓下水切りAを図8(a)〜(h)、図9(a)〜(i)、図10(a)、(b)、図11(a)、(b)、図12、図13(a)、(b)、乾式壁材Bを図14(a)〜(g)に示すように形成することもできる。
【0021】
すなわち、図8(a)〜(h)はにおいて、(a)〜(c)図は係合爪8を連続状で形成した窓下水切りA、(d)〜(g)図は水切り片4を各種変形した窓下水切りA、(h)図は係合片7の先端を屈曲し、間隔を有して係合爪8を複数個形成した窓下水切りAである。
【0022】
また、図9(a)〜(i)はアルミ合金、合成樹脂(プラスチック)の押出品により形成した窓下水切りAである。
【0023】
図10(a)、(b)、図11(a)、(b)は窓下水切りAの左右端部分を残してカバー部1a、水切り片4を切り欠いた窓下水切りAである。なお、図では(a)、(b)図にその左右端部分のみを示してある。
【0024】
図12、図13(a)、(b)は窓下水切りAの左右端部に側面4aを形成し、窓γの枠を流れる雨水が確実に水切り片4より流れ落ち、乾式壁材Bの化粧面9a上に流れ落ちることが無く、乾式壁材Bの汚れを確実に防止するものである。なお、図12は長尺材、図13(a)、(b)は短尺材であり、図13(a)、(b)は左右端部に形成する窓下水切りAを示すものである。
【0025】
【発明の効果】
上述したように本発明に係る窓下水切り構造によれば、(1)乾式壁材を脳天打ちした固定具の釘頭が外装面に露出しない。(2)乾式壁材端部の変形、特に合成樹脂発泡体を芯材とするサンドイッチ板では凸条を確実に抑制、固定でき、耐風圧性も向上する。(3)固定具と窓下水切りが、乾式壁材の凸条により形成された止縁と乾式壁材間の空隙を小さくするので、雨水が下地内部にまで浸入することがない。(4)乾式壁材を張り替えなくても凸条の補正が可能である。等の特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る窓下水切り構造の代表例を示す説明図である。
【図2】 本発明に係る窓下水切り構造の施工状態を示す説明図である。
【図3】 本発明に係る窓下水切り構造の施工順序を示す説明図である。
【図4】 本発明に係る窓下水切り構造の施工状態を示す説明図である。
【図5】 本発明で使用する乾式壁材を示す断面図である。
【図6】 本発明に係る窓下水切り構造で使用する止縁を示す断面図である。
【図7】 本発明で使用する乾式壁材の施工状態を示す断面図である。
【図8】 本発明で使用する窓下水切りのその他の実施例を示す説明図である。
【図9】 本発明で使用する窓下水切りのその他の実施例を示す説明図である。
【図10】 本発明で使用する窓下水切りのその他の実施例を示す説明図である。
【図11】 本発明で使用する窓下水切りのその他の実施例を示す説明図である。
【図12】 本発明で使用する窓下水切りのその他の実施例を示す説明図である。
【図13】 本発明で使用する窓下水切りのその他の実施例を示す説明図である。
【図14】 本発明で使用する乾式壁材のその他の実施例を示す断面図である。
【図15】 本発明に係る窓下水切り構造を使用する家屋を示す説明図である。
【図16】 従来例を示す説明図である。
【図17】 従来例を示す説明図である。
【図18】 従来例を示す説明図である。
【図19】 従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
A 窓下水切り
B 乾式壁材
C 止縁
C1 当接面
D シーリング材
α 壁下地
β 固定具
β1 頭部
γ 窓
a 間隙
1 化粧面
1a カバー部
2 傾斜化粧面
3 当接面
4 水切り片
4a 側面
5 傾斜化粧面
6 係合部
7 係合片
8 係合爪
9 表面材
10a 化粧面
10 裏面材
11 芯材
12 雄型連結部
13 雌型連結部
Claims (1)
- 垂直平面状の化粧面と、該化粧面の両端に形成した傾斜化粧面と、下端の傾斜化粧面の先端を外方に突出した水切り片とからなるカバー部と、上端の傾斜化粧面の先端を上方に突出した係合片と、該係合片の先端近傍を外方に突出した係合爪とからなる係合部とから形成した窓下水切りを、窓下に形成した止縁の当接面に窓下水切りの係合部を係合して一体化して形成したことを特徴とする窓下水切り構造。
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JP10595197A JP3806784B2 (ja) | 1997-04-23 | 1997-04-23 | 窓下水切り構造 |
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JPH10299108A JPH10299108A (ja) | 1998-11-10 |
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1997
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