JP3842970B2 - チケットプリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チケットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4はチケットプリンタの印字機構部を示す模式図で、1はチケット用紙、2は印字ヘッド、3はプラテンローラ、4はフィードモータ、5はカッタ、6はブラックマークセンサである。
【0003】
チケット用紙1は、図5に示すように、縦Xcm,横Ycmの一定サイズのチケット部1a,1b,…が横方向に連続して形成された横長の用紙であり、図4に示すように、後端より芯部7に巻回されてロール体を形成し、図示しない用紙フォルダにセットされる。そして先端より引き出され、プラテンローラ3及びカッタ5を順に介して、図示しないチケット発行口から外部に排出されるようになっている。
【0004】
印字ヘッド2は、チケット用紙1の縦方向にXcm以上の幅で複数の発熱素子を配列してなるラインサーマルヘッドであり、プラテンローラ3と対向する位置に設けられている。そして、この印字ヘッド2とプラテンローラ3との間をチケット用紙1が搬送されるようになっている。
【0005】
フィードモータ4は、正逆転自在のステッピングモータであり、正転時にはその駆動力が図示しない伝達機構を介してプラテンローラ3に伝達されて該プラテンローラ3が図4中矢印A方向に回転し、逆転時にはその駆動力が同伝達機構を介してプラテンローラ3に伝達されて該プラテンローラ3がA方向とは反対方向に回転する。プラテンローラ3がA方向に回転するとそれに伴ってチケット用紙1が図4中矢印B方向にフィードされ、A方向と反対方向に回転するとそれに伴ってチケット用紙1が図4中矢印B方向とは反対方向にバックフィードされる。
【0006】
カッタ5は、チケット用紙1のフィード方向(図4中矢印B方向)に対して印字ヘッド2よりも下流側に、チケット用紙1をその縦方向に直線状に切断するように設けられている。そして、チケット部1a,1b,…の境界で切断を行なうように制御され、切断された先端側のチケット部がチケットとして発行されるようになっている。
【0007】
ブラックマークセンサ6は、チケット用紙1のフィード方向(図4中矢印B方向)に対して印字ヘッド2よりも上流側に設けられ、チケット用紙1の各チケット部1a,1b,…の裏面後端側にプレ印刷されたブラックマーク8(図5を参照)を光学的に検出するセンサであり、チケット用紙1の位置決め制御に供せられるものである。
【0008】
このような構成のチケットプリンタは、従来、ホスト装置からチケット1枚分の印字データ(チケットデータ)を受信し、チケット印字開始時になると、チケット用紙の先端が既に印字ヘッド2とプラテンローラ3との間の印字位置Pに位置決めされているので、直ちにフィードモータ4を正転駆動させてチケット用紙1をフィードさせる。そして、1ラインフィードさせる毎に印字ヘッド2で1ラインのドット印字を行なう。そして、チケットデータの最終ラインのドット印字を終了すると、チケット用紙1を一定量フィードさせて、データが印字されたチケット部1aとその後端側のチケット部1bとの間の境界線をカッタ5による切断位置Cに位置決めする。この状態で、カッタ5を駆動してチケット用紙1をその境界線に沿って縦方向に切断する。これにより、チケット部1aがチケットとしてチケット発行口から発行されていた。
【0009】
ところで、チケット用紙1の用紙切断時、図6(a)に示すように、その先端はカッタ5の切断位置Cに位置している。そこで従来は、直ちにフィードモータ4を逆転駆動してプラテンローラ3を図中矢印−A方向に回転させることにより、チケット用紙1を図中矢印−B方向に切断位置Cから印字位置Pまでの距離Tだけバックフィードさせて、図6(b)に示すように、チケット用紙1の先端を印字ヘッド3による印字位置Pに位置決めして次のチケット印字に備えていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、チケット用紙1を切断位置Cから印字位置Pの距離Tだけバックフィードさせると、チケット用紙1のロール体の部分はチケット用紙1を巻き取らないので、図6(b)に示すように、ロール体から引き出された部分の用紙が撓んでしまっていた。このため、次のチケット印字までの間隔が長く空きすぎたときには、チケット用紙1が変形してしまい、印字が掠れたり、用紙ジャムが発生したりするおそれがあった。
【0011】
そこで本発明は、チケット用紙が変形するのを防止でき、信頼性を向上できるチケットプリンタを提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一定サイズのチケット部が連続して形成されたチケット用紙に対して印字ヘッドによりチケット部毎にチケットデータを印字し、チケット用紙のフィード方向に対して印字ヘッドより下流側に設けられたカッタによりチケット部間で切断してチケットの発行を行なうチケットプリンタにおいて、チケット部に印字されるチケット1枚分のチケットデータをドット展開して格納する編集バッファと、この編集バッファに展開されたドットデータをチケット部先端側のラインから順にチェックし、1ライン分のドットデータに印字ドットが含まれる直前までのライン数を計数する計数手段と、この計数手段により計数されるライン数がカッタから印字ヘッドまでの距離に相当するライン数より多いか否かを判断する判断手段とを設ける。
【0013】
そして本発明は、カッタによりチケット用紙を切断した後、次のチケット印字開始まで待機する。そして、次のチケット印字開始時になると計数手段及び判断手段を実行し、計数手段により計数されるライン数がカッタから印字ヘッドまでの距離に相当するライン数以下と判断されたときにはチケット用紙をカッタから印字ヘッドまでの距離だけバックフィードさせてからチケットデータの印字を開始し、多いと判断されたときにはバックフィード無しにチケットデータの印字を開始するようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態におけるチケットプリンタの印字機構部は、従来と同一なので、図4を用いてその説明を省略する。また、使用するチケット用紙1も従来と同様なので、図5を用いてその説明を省略する。
【0016】
この実施の形態におけるチケットプリンタの制御回路構成を図1に示す。図示するように、このチケットプリンタは、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)11を備えている。また、このCPU11が実行するプログラムデータやキャラクタジェネレータデータ等の固定的データが予め格納されたROM(Read Only Memory)12、可変的な各種のデータを一時的に格納するメモリエリアが形成されるRAM(Random Access Memory)13、プリンタの上位機であるホスト装置(不図示)とのデータ通信を制御する通信インタフェース14、ラインサーマルヘッドからなる印字ヘッド2の駆動回路15、正逆転自在なステッピングモータからなるフィードモータ4の駆動回路16、カッタ5の駆動回路17、ブラックマークセンサ6からの信号を入力するI/Oポート18等を備えている。そして、CPU11と、ROM12,RAM13,通信インタフェース14,ヘッド駆動回路15,モータ駆動回路16,カッタ駆動回路17及びI/Oポート18とを、アドレスバス,データバス等のバスライン19で接続している。
【0017】
RAM13には、図2に示すように、チケット1枚分の印字データであるチケットデータをドット展開して格納する編集バッファ20が形成されている。図2において、L1はドット展開されたチケットデータの1ライン目の印字データを示しており、Lzは最終ライン目の印字データを示している。また、Lnはnライン目(nは2以上)の印字データを示している。ここで、nライン目は、チケット用紙の先端より1ライン目L1から順にライン印字したとき、その先端がカッタ5による切断位置Cに達した時点で印字ヘッド2により印字されるラインである。
【0018】
しかしてCPU11は、図3の流れ図に従いチケット印字を制御するようにプログラムされている。すなわちCPU1は、ST1としてチケットデータを受信するのを待機している。そして、通信インタフェース14を介して接続されたホスト装置からチケットデータを受信すると、ST2としてROM12のキャラクタジェネレータデータを参照してそのチケットデータをドットデータに編集し、編集バッファ20に展開する。そして展開後、ST3としてカウンタiを「0」にリセットする。
【0019】
次に、ST4としてこのカウンタiを「1」だけカウントアップする。そしてカウントアップ後、ST5としてカウンタiが設定値nを超えたか否かを判断する。設定値nは、図2におけるnライン目の“n”である。ST5にてカウンタiが設定値n以下の場合には、ST6として編集バッファ20をサーチして、カウンタiの値であるiライン目Liのドットデータをチェックする。ここで、iライン目L1のドットデータがすべて非印字ドットであった場合にはST4に戻り、カウンタiを「1」だけカウントアップして、上記ST5およびST6の判断処理を繰り返す。
【0020】
ST6にてiライン目Liのドットデータに印字ドットが含まれる場合には、ST7としてフィードモータ4を逆転駆動して、チケット用紙1をカッタ5による切断位置Cから印字ヘッド2による印字位置Pまでの距離Tだけバックフィードさせる。そしてバックフィード終了後、ST8として印字開始位置を1ライン目L1に設定してST10に進み、印字を開始する。
【0021】
ST5にてカウンタiが設定値nを越えた場合、つまり1ライン目L1からnライン目Lnまで全て非印字ドットの空白行であった場合には、ST9として印字開始位置をnライン目Lnに設定してST10に進み、印字を開始する。
【0022】
ST10では、フィードモータ4を正転駆動させてチケット用紙1をフィードさせる。そして、1ラインフィードさせる毎に編集バッファ20にドット展開されたチケットデータのうち印字開始位置に設定されたラインから順に1ラインずつ読込み、印字ヘッド2で1ラインのドット印字を行なう。
【0023】
こうして、印字開始位置より順に1ライン毎のドット印字を繰り返し、ST11としてチケットデータの最終ラインLzのドット印字終了を判断すると、ST12としてチケット用紙1を一定量フィードさせて、データが印字されたチケット部とその後端側のチケット部との間の境界線をカッタ5による切断位置Cに位置決めする。具体的には、データが印字されたチケット部の裏面にプレ印刷されたブラックマーク8をブラックマークセンサ6により検出してからのフィード量が、ブラックマークセンサ6からカッタ5までの距離とブラックマーク8から後端側チケット部との境界線までの距離を加算した距離に一致するまで、チケット用紙1をフィードさせる。これにより、データが印字されたチケット部とその後端側のチケット部との間の境界線がカッタ5による切断位置Cに位置決めされるので、ST13としてカッタ5を駆動してチケット用紙1をその境界線に沿って縦方向に切断する。そして切断後、ST1に戻り、次のチケットデータを受信するまで待機する。
【0024】
このように本実施の形態のチケットプリンタにおいては、チケットデータの印字を終了し、データが印字されたチケット部とその後端側のチケット部との間の境界線でカッタ5によりチケット用紙1が切断されてチケットが発行されると、その状態のまま次のチケット印字開始まで待機する。このときのチケット用紙1の状態を図6(a)に示す。図示するように、ロール体から引き出されたチケット用紙1は撓んでいない。したがって、たとえ次のチケット印字開始まで長時間を要しても、チケット用紙1が変形することはない。
【0025】
この状態で、ホスト装置から次のチケットデータを受信すると、フィードモータ4を逆転駆動してプラテンローラ3を図6(a)中矢印−A方向に回転させることにより、チケット用紙1を図中矢印−B方向に切断位置Cから印字位置Pまでの距離Tだけバックフィードさせてチケット用紙1の先端を印字ヘッド3による印字位置Pに位置決めする。しかる後、チケットデータがドット展開された編集バッファ20の1ライン目L1のドットデータから順にライン印字を行なう。したがって、チケットデータを確実にチケット用紙1のチケット部1a,1b,…に印字して、チケットを発行することができる。
【0026】
ただし、チケットデータを受信する毎に距離Tだけバックフィードする方式では、チケット用紙切断後に同等の距離だけバックフィードして次のチケット印字に備えていた従来のプリンタと比較して、チケット印字開始からチケットが発行されるまでの時間が長くかかる不具合がある。
【0027】
そこで本実施の形態では、チケット印字開始時に印字するチケットデータのチケット部先端からの空白幅を検出し、この空白幅がカッタ5から印字ヘッド2までの距離Tより短いとき、つまり1ライン目L1からnライン目Lnまでのドットデータに印字ドットが含まれる場合にはバックフィードを行なうが、空白幅がカッタ5から印字ヘッド2までの距離Tより長いとき、つまり1ライン目L1からnライン目Lnまでのドットデータが全て非印字ドットであった場合には、印字開始位置をnライン目Lnに設定して、バックフィード無しにチケットデータの印字を開始するようにしている。こうすることにより、チケット部先端からの空白幅がカッタ5から印字ヘッド2までの距離Tより長いチケットデータに関しては、印字を高速に行なうことができる。
【0028】
なお、前記一実施の形態では、チケットデータのチケット部先端からの空白幅がカッタ5から印字ヘッド2までの距離Tより短いときには、距離Tだけバックフィードさせてからチケット印字を開始したが、図3のST6にてiライン目Liのドットデータに印字ドットが含まれるとき、ST7としてフィードモータ4を逆転駆動して、チケット用紙1を1ライン目L1からiライン目Liまでに相当する距離だけバックフィードさせる。そしてバックフィード終了後、ST8として印字開始位置をiライン目Liに設定してST10に進み、印字を開始するようにプログラムを変更する。こうすることにより、チケットデータのチケット部先端からの空白幅がカッタ5から印字ヘッド2までの距離Tより短いときには、チケット用紙1を距離Tだけバックフィードさせるのでなく、距離Tより短い空白幅の距離だけバックフィードさせてからチケットデータの印字を開始するので、印字時間を節約できる。
【0029】
また、ブラックマークセンサ6は印字ヘッド2より下流側に設けてもよいものである。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、チケット印字開始時にチケット用紙をバックフィードさせるようにしたので、次のチケット印字が開始されるまでの間にチケット用紙が変形してしまうことがなく、チケット用紙の変形による印字の掠れや用紙ジャムを防止できて信頼性を向上できるチケットプリンタを提供できる。
【0031】
また、チケット部先端からの空白幅がカッタから印字ヘッドまでの距離より長いチケットデータを印字する際にはバックフィードを行なわないので、高速に印字を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態であるチケットプリンタの制御回路構成を示すブロック図。
【図2】 同チケットプリンタのRAMに形成される編集バッファの概念図。
【図3】 同チケットプリンタのCPUが実行するチケット印字制御の手順を示す流れ図。
【図4】 同チケットプリンタの印字機構部の構成を示す模式図。
【図5】 同チケットプリンタで使用するチケット用紙の構成図。
【図6】 同チケットプリンタにおける印字機構部の特定の状態を示す模式図。
【符号の説明】
1…チケット用紙
2…印字ヘッド
3…プラテンローラ
4…フィードモータ
5…カッタ
6…ブラックマークセンサ
11…CPU
20…編集バッファ
Claims (1)
- 一定サイズのチケット部が連続して形成されたチケット用紙に対して印字ヘッドにより前記チケット部毎にチケットデータを印字し、前記チケット用紙のフィード方向に対して前記印字ヘッドより下流側に設けられたカッタにより前記チケット部間で切断してチケットの発行を行なうチケットプリンタにおいて、
前記チケット部に印字されるチケット1枚分のチケットデータをドット展開して格納する編集バッファと、
この編集バッファに展開されたドットデータを前記チケット部先端側のラインから順にチェックし、1ライン分のドットデータに印字ドットが含まれる直前までのライン数を計数する計数手段と、
この計数手段により計数されるライン数が前記カッタから前記印字ヘッドまでの距離に相当するライン数より多いか否かを判断する判断手段とを具備し、
前記カッタにより前記チケット用紙を切断した後、次のチケット印字開始まで待機し、次のチケット印字開始時になると前記計数手段及び判断手段を実行し、前記計数手段により計数されるライン数が前記カッタから前記印字ヘッドまでの距離に相当するライン数以下と判断されたときには前記チケット用紙を前記カッタから前記印字ヘッドまでの距離だけバックフィードさせてから前記チケットデータの印字を開始し、多いと判断されたときにはバックフィード無しに前記チケットデータの印字を開始することを特徴とするチケットプリンタ。
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