JP3842675B2 - 誘電体共振器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体フィルタとして用いられる誘電体共振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯通信基地局用の周波数フィルタとして誘電体共振器が用いられている。従来、誘電体共振器の構造としては、図3,図4に示すように、誘電体セラミックスからなる誘電体共振子4を絶縁性セラミックスにより形成した円筒状の支持台5を介して金属ケース3の中央に配置したものであった。そして、この誘電体共振器に特定の信号を入力すると、誘電体共振子4の共振周波数のみが出力信号として出力されることから、誘電体フィルタとして使用され、各種回路に搭載されていた。
【0003】
一般に誘電体共振子4と支持台5の固定は図4に示すように、誘電体共振子4に形成された凹部4aに支持台5が挿入され、位置合わせされるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図3,4のような誘電体共振子4を支持台5を介して金属ケース3に配置してなる誘電体共振器を誘電体フィルタとして使用する際、使用するTEモードの共振周波数付近にスプリアスが存在する場合、帯域通過フィルタの特性を著しく悪化するという課題があった。
【0005】
そこで、誘電体共振子4の近くに導体のピンを立てて、スプリアスを抑制する方法(特開平6−61707号公報参照)があった。しかし、導体ピンの部品点数が増え、ピンによるQ値の低下が生じるという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点に鑑みて本発明は、円筒状の誘電体共振子を円筒状の支持台を介して金属ケース内に配置してなる誘電体共振器において、
上記誘電体共振子の下端面に、上記支持台の内径よりも小さな外径を有する凸部を設け、該凸部を支持台内径部に挿入した誘電体共振器であって、上記支持台の内径と凸部の外径の差を1.2mm以下、上記凸部の高さを0.1mm以上、上記支持台の外径と内径の差を4mm以上、上記誘電体共振子と支持台の接合面である下端面、上端面を算術平均粗さRa2μm以下、上記支持台の内径に対する誘電体共振子の外径の比を1.7以下としたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図によって説明する。
【0009】
図1,2に示すように、本発明の誘電体共振器は、誘電体セラミックスからなる円筒状の誘電体共振子1を、絶縁性セラミックスにより形成した円筒状の支持台2を介して金属ケース3の中央に配置してある。
【0010】
このとき、誘電体共振子1の下端面に凸部1aを設け、この凸部1aを支持台2の内径部に挿入し、誘電体共振子1の周辺部の下端面1bと支持台2の上端面2aを当接させてある。さらに、支持台2の内径cに対する誘電体共振子1の外径dの比を小さくすることによりスプリアスを遠ざけることができ、凸部1aを支持台2の内径部に挿入することにより、位置決め精度が向上してQ値低下を防止することができる。
【0011】
問題となるスプリアスの電磁場は、誘電体共振子1の外径d及び内径aの円周上に分布しており、誘電体共振子1の内径a側が最も強くなっている。ここで、支持台2の内径cを誘電体共振子1の外径dに近づけると、即ち、支持台2の内径cに対する誘電体共振子1の外径dの比を小さくすると、支持台2がスプリアスの電磁場に与える影響が弱くなり、スプリアスの周波数が高くなる。一方、使用するTEモードの電磁場分布は誘電体共振子1に集中しているため、その周波数はほとんど変化しない。結果として、TEモードの周波数からスプリアスの周波数を遠ざけることができるのである。
【0012】
また、図3,4のような従来の誘電体共振子4では、支持台5の外内径を大きくすると、誘電体共振子4の周辺部の肉厚iが薄くなって、工程中の取り扱い時にカケを生じやすくなり、カケが発生すると誘電体共振子4の周波数、Q値が変化してしまう。
そこで本発明では、誘電体共振子1の下端面に凸部1aを設けて支持台2の内径部に挿入して支持することにより、Q値の低下、不安定化に繋がる誘電体共振子1と支持台2の位置ずれを防止することができる。
その際、位置ずれが0.6mm以下であれば、Q値低下を防止できることから、支持台2の内径cと凸部1aの外径bの差は1.2mm以下にすることが重要である。
【0013】
また凸部1aの高さhについては、0.1mm以上とすることが重要であり、支持台2が凸部1aに乗り上げることを防止でき、正確に位置決めすることができる。
【0014】
さらに支持台2の内径cに対する誘電体共振子1の外径dの比、即ちd/cを1.7以下にすることが重要であり、スプリアスを50MHz以上遠ざけることができる。
【0015】
また支持台2の外径eと支持台2の内径cの差を4mm以上とすることが重要であり、粉末成形体の密度差が抑えられ、焼成後の磁器変形を防ぐことができる。
【0016】
誘電体共振子1と支持台2の材質としては、Ba−Nd−Ti系誘電体セラミックス(誘電率100〜120)、Nd−Al−Ca−Ti系誘電体セラミックス(誘電率43〜46)、La−Al−Sr−Ti系誘電体セラミックス(誘電率38〜41)、Ba−Ti系誘電体セラミックス(誘電率34〜36)、Ba−Mg−W系誘電体セラミックス(誘電率20〜22)、Mg−Ca−Ti系誘電体セラミックス(誘電率19〜21)、サファイヤ(誘電率9〜10)、アルミナセラミックス(誘電率9〜10)、コージライトセラミックス(誘電率4〜6)等のセラミックスを用いる。
【0017】
そして、これらの組成の原料粉末をプレス成形等の公知の方法で所定形状に成形し、所定の条件で焼成した後、外径、及び厚みを研磨加工することにより誘電体共振子1と支持台2を得ることができる。
【0018】
誘電体共振子1と支持台2の接合面である下端面1b、上端面2aは算術平均粗さRa2μm以下にすることが重要であり、接合面に接着剤が均一に塗れて接合強度が保たれる。また、誘電体共振子1と支持台2はエポキシ系等の非導電性接着剤により接合する。
【0019】
【実施例】
本発明実施例として図1に示す誘電体共振器を作成した。
【0020】
誘電体共振子1はBa−Ti系誘電体セラミックス(誘電率34〜36)で形成し、外径d 67.5mm、内径a 20mm、高さf 25mmのものを作成した。さらに凸部1aの外径bは支持台2の内径cより0.1mmだけ小さくなるように調整し、凸部1aの高さhは2mmとした。また、支持台2はBa−Ti系誘電体セラミックス(誘電率34〜36)で形成し、外径e 30mm、内径c 20mm、高さg 25mmを基準品として、さらに外径eと内径cの差が10mmとなるように種々の内径、外径のものを作成した。なお、高さは平面研削盤にて研磨加工を行った。誘電体共振子1,支持台2はエポキシ系の接着剤にて接着した。
【0021】
このようにして得られたそれぞれの試料を用いて、外径100mm、高さ75mmの金属ケース4の中央部にサンプルを設置し、ネットワークアナライザーによりQ値を測定した。
【0022】
結果は表1および図5に示す通りである。
【0023】
表1と図5より、支持台2の内径cを基準20mmから、30mm、40mm、50mmと大きくした場合、つまり誘電体共振子1の外径d/支持台2の内径cが2.3、1.7、1.4と小さくなった場合、スプリアスの周波数が使用するTEモードの共振周波数から14MHz、65MHz、125MHzと正の方向に移動していることが分かる。このとき、使用するTEモードの共振周波数はほとんど変化してなく、スプリアスの周波数だけを遠ざけることができている。これは、スプリアスの電磁場分布が誘電体共振子1の内径軸付近に集中しており、誘電体共振子1の凸部1aの外径b及び支持台2の内径cを大きくすることにより、その電磁場分布を弱めることができるからである。
【0024】
また、一般的にスプリアスを50MHz以上遠ざける必要があるため、誘電体共振子1の外径d/支持台2の内径cは1.7以下とすることが重要である。
このとき支持台2の外径eは50mmかそれより大きくなることから、従来の誘電体共振子4の形状では、誘電体共振子4の周辺部の肉厚iが薄くなりカケが発生してしまうが、本発明では、誘電体共振子1に凸部1aを設けて、誘電体共振子1と支持台2との位置決めを行っていることにより、Quの低下率は2%以内に抑えることができている。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、円筒状の誘電体共振子を円筒状の支持台を介して金属ケース内に配置してなる誘電体共振器において、上記誘電体共振子の下端面に、上記支持台の内径よりも小さな外径を有する凸部を設け、該凸部を支持台内径部に挿入して、さらに、上記支持台の内径に対する誘電体共振子の外径の比を1.7以下とすることにより、製造コストや使用する周波数、Q値特性を変えることなく、スプリアスの周波数のみを遠ざけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体共振器を示す一部破断側面図である。
【図2】図1に示す誘電体共振器の誘電体共振子と支持台の接合部の拡大断面図である。
【図3】従来の誘電体共振器を示す一部破断側面図である。
【図4】図3に示す誘電体共振器の誘電体共振子と支持台の接合部の拡大断面図である。
【図5】本発明の誘電体共振器における、共振子の外径/凸部径の比と、スプリアスの周波数とTEモードの共振周波数の差との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:誘電体共振子
1a:凸部
1b:下端面
2:支持台
2a:上端面
3:金属ケース
4:誘電体共振子
4a:凹部
5:支持台
a:誘電体共振子の内径
b:凸部の外径
c:支持台の内径
d:誘電体共振子の外径
e:支持台の外径
f:誘電体共振子の高さ
g:支持台の高さ
h:凸部の高さ
i:誘電体共振子の周辺部の肉厚
Claims (1)
- 円筒状の誘電体共振子を円筒状の支持台を介して金属ケース内に配置してなる誘電体共振器において、
上記誘電体共振子の下端面に、上記支持台の内径よりも小さな外径を有する凸部を設け、該凸部を支持台内径部に挿入した誘電体共振器であって、
上記支持台の内径と凸部の外径の差を1.2mm以下、
上記凸部の高さを0.1mm以上、
上記支持台の外径と内径の差を4mm以上、
上記誘電体共振子と支持台の接合面である下端面、上端面を算術平均粗さRa2μm以下、
上記支持台の内径に対する誘電体共振子の外径の比を1.7以下とした
ことを特徴とする誘電体共振器。
Priority Applications (1)
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JP2002068990A JP3842675B2 (ja) | 2002-03-13 | 2002-03-13 | 誘電体共振器 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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2002
- 2002-03-13 JP JP2002068990A patent/JP3842675B2/ja not_active Expired - Fee Related
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