JP3842596B2 - 金型保護制御を行う型閉装置が設けられた射出成形機および型閉装置の制御方法 - Google Patents

金型保護制御を行う型閉装置が設けられた射出成形機および型閉装置の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は可動金型の型閉時に、金型内に異物が残留していた際に金型の損傷を防止する金型保護制御を行う型閉装置が設けられた射出成形機および型閉装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
型閉時に金型内に異物が残留していた際に金型の損傷を防止することを目的として金型保護制御を行う型閉装置が設けられた射出成形機としては、特公平2−30848号公報に記載されたものが知られている。この公報に記載されたものは、サーボモータを用いて型閉制御を行うものであって、金型の位置検出器により金型保護開始位置を検出し、可動金型が前記金型保護開始位置と型当接位置の間にあるときには、サーボモータを制御する制御装置から型閉方向へのトルクリミット指令を出力し、低トルクで可動金型を型閉させ、一定の時間内に可動金型が型当接位置に到達しないときには異常と判断しアラームを出すようにしたものである。
【0003】
ところで固定金型と可動金型の間に温度上昇の相違により熱膨張の差が発生し、型閉の際、固定金型のガイドピンが可動金型に挿入される際の摩擦力が大きくなる場合がある。しかしながら、前記従来技術のものは、金型保護開始位置と型当接位置の間の全区間にわたり、低トルクで可動金型の型閉を行う金型保護制御を行っているため、前記の金型同士の摩擦力が強い場合は、可動金型が固定金型との型当接位置に到達する直前で、金型間に異物が挟まれていないにもかかわらず停止してしまうことがごくまれに発生し、連続生産に支障をきたしていた。
【0004】
また油圧機構を用い、可動金型の型閉時に金型内に異物が残留していた際に金型の損傷を防止することを目的として金型保護制御を行う型閉装置が設けられた射出成形機としては、特開平8−252847号公報に記載されたものが知られている。
前記技術のものは、油圧機構においては応答性に問題があるため、型当接位置の直前から型締に向けて増圧を開始するものであり、意図的に前記の型当接位置の直前で金型間の摩擦等により可動金型が停止してしまうといった問題の解決を目指したものではないが、金型保護制御区間を型当接位置より型開側で終了させ、以後の区間で昇圧させることにより、可動金型が型当接位置の直前で停止してしまうという問題に対し、一応問題解決の効果は期待できるものである。
しかしこの技術のものはリミットスイッチにより金型保護制御区間の終了を設定するため、金型保護制御区間の調整に時間がかかるとともに熟練を要し、また油圧機構によるために金型保護制御区間やその前後の区間の型閉力を正確に調整することが困難であるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであって、型閉装置による可動金型の型閉時に駆動手段による型閉力を低下させ金型保護制御を行う際に、固定金型のガイドピンが可動金型に挿入される際の摩擦力等により型当接位置の直前で可動金型が停止し、型閉ができなくなることを防止するとともに、ランナー等が金型間へ挟まれた場合にはそれを確実に検出し金型の保護を可能にすることを目的とするものである。また前記設定の際に調整に時間がかかるとともに熟練を要するいう問題を解決することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決しようとするものであって、請求項1の成形機は、型閉力を低下させ金型保護制御を行う型閉装置が設けられた射出成形機において、設定入力部から入力することにより金型保護開始位置と型当接位置の間に金型保護制御区間を終了させる金型保護終了位置の有無を設定可能に設けるとともに、設定位置を有に設定する場合、金型保護終了位置と型当接位置との間に金型保護終了区間が設けられることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の型閉装置の制御方法は、金型保護開始位置に可動金型が到達するとサーボモータのトルク値の上限値を制限し金型保護制御を行う型閉装置の制御方法において、金型保護開始位置と型当接位置との間に設定された金型保護終了位置に可動金型が到達すると、金型保護制御区間を終了させ、金型保護終了位置と型当接位置の間の金型保護終了区間においてサーボモータの型閉方向へのトルク値の上限値を上昇させることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の型閉装置の制御方法は、請求項2において、金型保護開始位置より型開側に可動金型の減速開始位置が設けられ、前記減速開始位置に可動金型が到達すると、サーボモータの型開方向へのトルク出力を行い可動金型の減速を行った後、金型保護開始位置に可動金型が到達すると前記サーボモータの型閉方向へのトルク値の上限値を制限することを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の型閉装置の制御方法は、請求項2又は請求項3において、金型保護終了位置は型当接位置から型開側へ0.05ないし1.0ミリメートルの範囲に設定可能に設けられたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の型閉装置の制御方法は、請求項2ないし請求項4のいずれか1項において、金型保護終了位置から型当接位置までの間のトルク値の上限値は、漸次上昇制御させることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に示すものは、本発明の型閉装置が設けられた射出成形機の概略説明図である。図2に示すものは、本発明の型閉装置の制御方法におけるサーボモータの制御を示す説明図である。図3に示すものは、本発明の型閉装置の制御方法を示すフローチャートである。図4に示すものは、本発明の型閉装置の制御方法に関するサーボモータの電流値と可動金型の移動速度を示すグラフである。
【0012】
1は本発明の実施の形態の射出成形機であって、固定金型2が取付けられた固定盤3と支持盤4の間には複数のタイバー5が固定され、タイバー5に対し可動金型6とサーボモータ7,7が取付けられた可動盤8が摺動自在に設けられている。
【0013】
型閉装置としてのサーボモータ7,7は可動盤8の両側に固着され、サーボモータ7,7にはボールネジ9,9がそれぞれ設けられており、ボールネジ9,9の他端は支持盤4の両側に設けられたボールナット10,10にそれぞれ螺合されている。
そしてサーボモータ7,7が駆動されることにより、可動金型6は、型開位置P0から固定金型2との型当接位置P4に向けて型閉可能に設けられている。
【0014】
また型閉装置には、サーボモータ7,7の回転数を検出する位置検出手段としてのエンコーダ11が設けられるとともに、サーボモータ7,7を制御する制御手段12が設けられている。エンコーダ11はサーボモータ7,7にそれぞれ取付けられ、サーボモータ7,7の回転を回転角度パルスとして出力し、出力部18を介してサーボアンプ20に送信する。
【0015】
サーボモータ7,7に接続される制御手段12は、設定入力部13、表示部14、記憶部15、計時部16、CPU17、出力部18、入力処理部19等から構成され、それらの間はバス21等により接続されている。
設定入力部13は、金型保護開始位置P2、金型保護終了位置P3等の成形条件の設定値の入力を行う部分であり、この実施の形態ではタッチパネルから入力される。しかし、設定入力部13はパソコンのキーボードやテンキーのボードまたは音声入力手段やワイヤレス遠隔入力手段等としてもよい。
表示部14は、前記により入力された設定値の表示、成形実測値の表示を行う部分であり、CRTや液晶パネルが用いられる。この実施の形態では前記のタッチパネルが、表示部14の表面に配設されている。また、表示部14にはプリンタ等も含まれる。
記憶部15はアプリケーションプログラムが格納されたROMと、演算データ等を一時的に記憶したRAMとからなっている。また、成形条件等を記憶したメモリカード等を挿入し、そのデータを読み込むようにしてもよい。
【0016】
計時部16はタイマー機能を有するものであり、各種のアプリケーションプログラム制御の際の計時に用いられている。そして特にこの実施の形態では金型保護制御において、金型保護開始位置P2の位置検出から所定時間までに可動金型6が金型保護終了位置P3または型当接位置P4に到達することができないときに異常と判断する際の時間計測や、金型保護終了位置P3からのトルク値の上限値を時間経過とともに上昇させる際に計時部16が使用されている。
CPU17は記憶部15から読み出されたアプリケーションプログラムに基づいて出力部18を介してサーボモータ7,7に型閉位置指令、型閉速度指令、トルク指令を送るとともに、サーボモータ7に設けられたエンコーダ11から入力処理部19を介して送られる信号および計時部16による計測時間に基づいて演算を行い、逐次の指令を出力する。
【0017】
制御手段12の出力部18に接続される20はサーボアンプであり、図2に示されるように、位置制御ループ、速度制御ループ、電流制御ループの3つの制御系から構成されている。
可動金型6の型閉時の位置制御については、CPU17からの指令がなされ、サーボアンプ20を介してサーボモータ7が駆動され、位置検出手段であるエンコーダ11から出力される回転角度パルスが位置ループを介して偏差カウンタ22に入力、比較され、位置制御部23を介して、電流制御部26により電流値の制御を行うことにより可動金型6の位置制御を行う。そして後述する金型保護開始位置P2、金型保護終了位置P3などの位置制御を行う。
【0018】
可動金型6の型閉時の速度制御については、CPU17から電流値を指令する信号が出力され、サーボアンプ20を介してサーボモータ7が駆動され、エンコーダ11から出力される回転角度パルスが速度ループを介して速度制御部24に入力比較され、電流制御部26、電力変換部27を介して電流値の制御を行うことにより可動金型6の速度制御を行う。この際可動金型6の速度はCPU17からの指令以外に、可動盤8等のイナーシャの問題や、固定金型2のガイドピンが可動金型6に挿入される際の摩擦力といった外乱による負荷によっても影響を受けるから、それらによる速度変化を修正しつつ制御がなされる。
【0019】
可動金型6の型閉時のトルク制御もCPUから電流値を指令する信号が出力され、サーボモータ7に通電される電流値を電流測定部28において計測し、電流ループを介して電流制御部26において比較し電流値の制御を行う。また型閉時の減速区間T2においては、速度制御部24によりサーボモータ7のトルクの方向が切り替えられ、型開方向へのトルクがかかり制動が行われる。
金型保護制御区間T3においては、CPU17からトルクリミット指令が電流制限部25に送られ、サーボモータ7に送られる電流値の上限値が制限され、型閉方向へのトルク値の上限値が制限される。そして位置指令パルスがCPU17から送られているにもかかわらず、金型間に異物があり可動金型6の前進が停止した際に金型にサーボモータ7の過剰なトルク力が作用し、金型が損傷するのを防止している。
【0020】
次にこの発明の型閉装置の制御方法について記載する。
まず、金型保護制御に関する設定値の入力について説明すると、設定入力は前記したように設定入力部13のタッチパネルから行われる。設定入力は、型閉位置から型開位置までの最大間隔であるデーライトT0を設定する他、高速型閉区間T1の速度を多段階に設定するとともに、金型保護開始位置P2、金型保護終了位置P3、金型保護圧等の入力を行う。
これらの設定入力値は、成形に用いられる金型やその他成形条件によりそれぞれ設定可能であるが、金型保護終了位置P3は型当接位置P4から型開側へ0ミリメートル〜2.0ミリメートルの範囲に設定される。また更に金型保護終了位置P3は型当接位置P4から型開側へ0.05ミリメートル〜1.0ミリメートルの範囲に設定されるのが特に好ましい。
上記において金型保護終了位置P3を型当接位置P4から型開側へ0ミリメートルに設定するとは、金型保護終了区間T4を設けずに金型保護制御区間T3を金型保護開始位置P2から型当接位置P4まで継続させることを意味する。
【0021】
また、金型保護開始位置P2は、型当接位置P4から10ミリメートル〜20ミリメートル型開側に設けることが好ましい範囲である。そしてこれらの金型保護開始位置P2や金型保護終了位置P3は表示部14とタッチパネルにより容易に監視、修正ができるように設けられている。また、これらの設定入力値は、記憶部15のRAMに記憶される。
【0022】
型閉装置の制御方法について図3のフローチャートおよび図4のサーボモータ7の電流値とトルク値を示す折れ線グラフにより説明するが、この制御に用いられるサーボモータは制御の開始から終了まで同一のサーボモータ7,7について継続的に行われる。
ステップ1において、CPU17からサーボアンプ20に位置を指令する信号と電流値を指令する信号が出力され、サーボモータ7に通電がされ型開位置P0にある可動金型6および可動盤8は型閉方向へ移動を開始する。所定速度になるまでサーボモータ7に対する増速指令が継続され、所定速度に達するとサーボアンプ20からサーボモータ7に送られる電流値を低下させ、可動金型6等はほぼ一定の速度で移動がなされる。
これらの速度制御はサーボアンプ20の位置制御部23、速度制御部24により、常に位置設定値および設定速度と実際の測定位置および実速度の偏差を監視し、設定速度に近づけるように、電流値の微調整を実施しながら行われる。
なお、型開位置P0から次の減速開始位置P1までが高速型閉区間T1であるが、この間で可動金型6の速度を多段階に制御してもよい。
【0023】
ステップ2において、可動金型6が減速開始位置P1に到達したかが判定される。この実施の形態では減速開始位置P1は可動金型6の速度と、チューニングデータにより予め設定された減速率を基にしてCPU17において金型保護開始位置P2から逆算することによりその位置が決定される。
ステップ3において、減速区間T2では可動金型6等の型閉方向へのイナーシャに対抗して前記したチューニングデータにより予め設定された減速率になるようにサーボモータ7に対する型開方向へのトルク出力を行うことにより、可動金型6等にブレーキがかけられ、次に記載する金型保護開始位置P2に到達するまでに可動金型6はほぼ金型保護制御区間T3における設定速度まで減速される。
また、減速開始位置P1は設定入力可能に設け、エンコーダ11により前記減速開始位置P1を検出することにより、可動金型6等の減速を開始するようにしてもよい。
【0024】
ステップ4において、エンコーダ11から出力される回転角度パルスにより金型保護開始位置P2が検出されると、ステップ5において、サーボアンプ20からサーボモータ7に対して送られる電流値に上限値を設け、型閉方向へのサーボモータ7のトルク制限を行ってサーボモータ7への電流値を低下させる。
そして上記の制御により、金型保護制御区間T3において可動金型6は低速で前進し、またサーボモータ7のトルク値が制限がされているから、異物等を挟んだ場合にトルクが異常に上昇し金型を損傷することがない。
また、金型保護開始位置P2の検出と同時に計時部16であるタイマーにより計時が開始される。
【0025】
そしてステップ7において、タイマーが所定の時間を計時するよりも前にエンコーダ11からの回転角度パルスにより金型保護終了位置P3が検出されると、金型保護制御区間T3において異物等の挟み込み等がなかったものとCPU17が判断して、次のステップ8に移行する。
また、ステップ6において、タイマーが所定時間を計時したのに、エンコーダ11からの回転角度パルスが指令パルスと一致せず溜りパルスを残して、タイムアップしたときは、金型保護制御区間T3において異物の挟み込み等があったものとCPU17が判断して、サーボモータ7の制御を停止し、アラーム表示する。なお異物の挟み込み等があったときに、サーボモータ7の制御を停止せずに、型開方向に移動させるように制御してもよい。
【0026】
ステップ8においては、エンコーダ11から出力される回転角度パルスにより可動金型6が金型保護終了位置P3に到達したことが検出されると、CPU17からサーボアンプ20に対しサーボモータ7の型閉方向のトルク値の上限値を上昇させる指令が出力され、金型保護制御区間T3が終了する。
これは前記したようにガイドピンとの摩擦による可動金型6の停止は型当接位置P4の直前において多発するからである。
金型保護終了区間T4についても型閉方向へのトルク値の上限値の設定はされるが、金型保護制御区間T3と比較して大きいトルク値の上限値に上昇される。この実施の形態ではトルク値の上限値は、金型保護終了位置P3から時間の経過とともに直線状または曲線状に漸次上昇制御される。
【0027】
これは可動金型6が固定金型2との摩擦力が増大し、サーボモータ7が減速又は停止した場合、トルク値の上限値を段階状に上昇制御すると、サーボモータ7の型閉方向へのトルク値が急上昇し、前記摩擦力に打ち勝って、可動金型6が急速に移動され、固定金型2に対し衝突して型を損傷させる危険があるからである。そこで上記のように時間の経過とともにトルク値の上限値を直線状または曲線状に漸次上昇制御させることにより、可動金型6と固定金型2との間の摩擦力に対し徐々にトルクを上昇させ、型閉力を作用させることができ、滑らかに可動金型6の移動を行わせることができる。なお、トルク値の上限値の漸次上昇制御は、時間の経過に対し2次関数曲線や僅差づつ多段階に上昇させるようにしてもよい。
【0028】
ステップ9においては、可動金型6が型当接位置P4に到達したかどうかがエンコーダ11から出力される回転角度パルスにより検出される。
そしてステップ10において、偏差カウンタ22において溜りパルスが0になり、可動金型6が型当接位置P4に到達して型同士が密着したことが確認されると、CPU17からサーボアンプ20に対しサーボモータ7のトルク制限を解除する指令が出力され、次に型締が行われる。
【0029】
またこの実施の形態においては、サーボモータ7,7を可動盤8の両側に固着した電動式射出成形機の型閉装置について説明したが、サーボモータ7は可動盤8または支持盤4に一個が設けられたものでもよく、型閉装置はトグル機構を用いたものでもよい。
また、この実施の形態ではタイマーが所定時間を計時した際に金型保護終了位置P3の検出できなかったときに異常と判断するが、タイマーが所定時間を計時した際に型当接位置P4を検出できなかった時に異常と判断するようにしてもよい。
【0030】
更に油圧機構を用いた型閉装置であってもこの金型保護開始位置および金型保護終了位置を任意に設定することは可能である。油圧機構の場合もタッチパネル等からの入力設定により、簡単な入力により金型保護開始位置と型当接位置の間に金型保護終了位置を設け、金型保護終了位置から油圧力を徐々に増加させることができる。
その場合の制御としては、可動盤8の位置を検出するエンコーダを設け、前記金型保護終了位置をエンコーダが検出すると、油圧機構を制御する制御手段からブースターラムの油圧力を制御するサーボバルブをコントロールすることにより油圧力を徐々に増加させるように設ける。
また、これらの制御に際し、可動金型6、固定金型2の熱膨張にあわせて、金型保護開始位置、金型保護終了位置等を自動補正するように設けてもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、金型保護制御を行う型閉装置が設けられた射出成形機において、設定入力部から入力することにより金型保護開始位置と型当接位置との間に金型保護制御区間を終了させる金型保護終了位置の有無を設定可能に設け、金型保護終了位置を有に設定する場合、金型保護終了位置と型当接位置との間に金型保護終了区間が設けられるようにしたので、固定金型のガイドピンが可動金型に挿入される際の摩擦力が大きく可動金型が型当接位置の直前で停止し、型閉ができなくなることを防止するとともに、それぞれの成形条件や金型の問題に対応してランナー等が金型間へ挟まれた場合にそれを確実に検出し金型の保護を行うことが可能になった。更に金型保護制御区間の設定の際の調整に時間を必要とせず、また熟練者でなくとも簡単に調整することが可能になった。
【0032】
また、サーボモータを用いた型閉装置の制御方法において、金型保護開始位置と型当接位置との間に設けられた金型保護終了位置に可動金型が到達すると、金型保護制御区間を終了させ、金型保護終了位置と型当接位置の間の金型保護終了区間においてトルク値の上限値を上昇させることにより、可動金型が型当接位置の直前で停止してしまうという問題を防止しつつ、ランナー等が金型間へ挟まれた場合にはそれを確実に検出し、金型の保護が行えるようになった。
【0033】
また、前記のサーボモータを用いた型閉装置の制御方法において、金型保護開始位置より型開側に可動金型の減速位置が設けられ、サーボモータにより型開方向へのトルク出力を行い可動金型の減速を行った後、金型保護開始位置に可動金型が到達すると前記サーボモータの型閉方向へのトルク値の上限値を制限したので、複雑な機構を必要とせず、可動金型を金型保護開始位置までに急速に減速させてから、金型保護を開始することが可能になった。そして可動金型が型当接位置の直前で停止してしまうという問題を防止しつつ、ランナー等が金型間へ挟まれた場合にはそれを確実に検出し、金型の保護を行えるようになった。
【0034】
また、前記のサーボモータを用いた型閉装置の制御方法において、金型保護終了位置の設定は型当接位置から型開側に0.05ないし1.0ミリメートルの範囲に設定可能に設けられたので、金型保護終了位置の有無を自在に設定でき、金型に応じて発生する可動金型が型当接位置の直前で停止してしまうという問題を防止しつつ、ランナー等が金型間へ挟まれた場合にはそれを確実に検出し、金型の保護を行えるようになった。
【0035】
更に、金型保護終了位置から型当接位置までの間のトルク値の上限値は、漸次上昇制御させることにより、可動金型が固定金型との摩擦力によって減速または停止した場合、その後サーボモータの型閉方向へのトルク値が徐々に上昇されて型閉力が前記摩擦力に徐々に打ち勝って可動金型の移動が滑らかに行われるため、可動金型が固定金型に対し衝突して型を損傷させる危険がなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の型閉装置が設けられた射出成形機の概略説明図である。
【図2】本発明の型閉装置のサーボモータの制御を示す説明図である。
【図3】本発明の型閉装置の制御方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の型閉装置の制御方法に関するサーボモータの電流値と可動金型の移動速度を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ……… 射出成形機
2 ……… 固定金型
3 ……… 固定盤
4 ……… 支持盤
5 ……… タイバー
6 ……… 可動金型
7 ……… サーボモータ
8 ……… 可動盤
9 ……… ボールネジ
10 …… ボールナット
11 …… エンコーダ
12 …… 制御手段
13 …… 設定入力部
14 …… 表示部
15 …… 記憶部
16 …… 計時部
17 …… CPU
18 …… 出力部
19 …… 入力処理部
20 …… サーボアンプ
21 …… バス
22 …… 偏差カウンタ
23 …… 位置制御部
24 …… 速度制御部
25 …… 電流制限部
26 …… 電流制御部
27 …… 電力変換部
28 …… 電流測定部
P0 …… 型開位置
P1 …… 減速開始位置
P2 …… 金型保護開始位置
P3 …… 金型保護終了位置
P4 …… 型当接位置
T0 …… デーライト
T1 …… 高速型閉区間
T2 …… 減速区間
T3 …… 金型保護制御区間
T4 …… 金型保護終了区間

Claims (5)

  1. 可動金型を型開位置から型当接位置に向けて移動させる駆動手段と、可動金型の位置を検出する位置検出手段とからなり、可動金型が金型保護開始位置に到達すると駆動手段による型閉力を低下させ金型保護制御を行う型閉装置が設けられた射出成形機において、
    設定入力部からの信号により金型保護開始位置と型当接位置との間に金型保護制御区間を終了させる金型保護終了位置の有無が設定自在に設けられるとともに、前記金型保護終了位置を有に設定する場合、前記金型保護終了位置と型当接位置との間に金型保護終了区間が設けられることを特徴とする射出成形機。
  2. 可動金型を型開位置から型当接位置に向けて移動させるサーボモータとサーボモータを制御する制御手段と可動金型の位置を検出する位置検出手段からなる型閉装置が設けられ、設定された金型保護開始位置に可動金型が到達するとサーボモータの型閉方向へのトルク値の上限値を制限し金型保護制御を行う型閉装置の制御方法において、
    金型保護開始位置と型当接位置との間に設定された金型保護終了位置に可動金型が到達すると金型保護制御区間を終了させ、金型保護終了位置と型当接位置の間の金型保護終了区間においてサーボモータの型閉方向へのトルク値の上限値を上昇させることを特徴とする型閉装置の制御方法。
  3. 金型保護開始位置より型開側に可動金型の減速開始位置が設けられ、前記減速開始位置に可動金型が到達すると、サーボモータの型開方向へのトルク出力を行い可動金型の減速を行った後、金型保護開始位置に可動金型が到達すると前記サーボモータの型閉方向へのトルク値の上限値を制限することを特徴とする請求項2に記載の型閉装置の制御方法。
  4. 金型保護終了位置は型当接位置から型開側へ0.05ないし1.0ミリメートルの範囲に設定可能に設けられたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の型閉装置の制御方法。
  5. 金型保護終了位置から型当接位置までの間のトルク値の上限値は、漸次上昇制御させることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の型閉装置の制御方法。
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