JP4313260B2 - 型締装置の金型保護方法 - Google Patents

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Description

本発明は、型締装置に支持された可動型と固定型からなる金型を保護する型締装置の金型保護方法に関する。
従来、射出成形機に備える金型を型締するトグル式型締装置は、可動型を支持する可動盤と圧受盤に支持される駆動部により進退変位するクロスヘッド間をトグルリンク機構により連結し、クロスヘッドの加圧力を増圧して可動盤に伝達する機能を有しており、トグルリンク機構がほぼ伸長しきった状態におけるタイバーの伸びに基づいて所定の型締力が発生する。また、型締動作では、通常、型開位置から高速型閉が行われ、予め設定された低速低圧切換位置に達したなら低速低圧型閉に移行する。この低速低圧型閉は、金型保護区間となり、正常に排出されなかった成形品等が異物として検出される。そして、予め設定された高圧切換位置に達したなら高圧型締に移行して高圧型締が行われる。
このように、トグル式型締装置の場合、クロスヘッドの加圧力を増圧して可動盤に伝達するとともに、トグルリンク機構の持つ増圧特性により、可動型が固定型に近付くに従って増圧率が大きくなり、型締位置において最大の型締力を発生する。このため、型締位置の手前ではかなりの高圧になるとともに、このことは型開きの際も同様となり、型開き直後は、かなりの高圧が発生する。この結果、型開工程において、例えば、金型に大きな傷が付いたりスライド部位に異物が挟まるなど、トグルリンク機構を介さない場合には動作が停止してしまうような重大な異常が発生しても、駆動側(クロスヘッド側)のトルクは小さい状態にあることからそのまま動作が継続し、結局、金型を破損させてしまうなどの問題を生じる。
一方、この問題に対処するため、特開2002−59467号公報には、少なくとも型開き行程における型開閉機構の負荷(駆動電流)を検出する負荷検出手段と、この負荷検出手段が検出した型開き行程における型開閉機構の実測負荷と予め設定された許容範囲とを対比し、実測負荷が許容範囲を外れた場合には、型開閉駆動源の動作を停止させる制御手段を具備する成形機の型開閉装置が開示されている。
特開2002−59467号
しかし、上述した従来における成形機の型開閉装置による型締装置の金型保護方法は、次のような問題点があった。
第一に、型開閉機構の実測負荷(駆動電流)を許容範囲と対比するため、許容範囲を明確に外れるような高い負荷が発生した際には異常として検出できるものの、許容範囲を外れないが許容範囲に近い実測負荷が継続するような異常に対しては検出することができないなど、検出能力及び信頼性の面に難がある。
第二に、型開工程において重大な異常が発生し、金型に非常に大きな加圧力が付加される状態にあっても、圧力をそのまま発生させることにより異常を検出するため、金型の破損を確実に防止する観点から不十分であるとともに、フィードバック制御系の動作と相俟って型開速度の暴走等を生じる虞れがあり、安定性及び安全性にも難がある。
第三に、実測負荷が型開位置によって変化するため、この実測負荷と対比する許容範囲を型開位置に対応して変化させる必要があり、制御の煩雑化を招くとともに、安定した検出精度を確保しにくく誤動作も生じやすい。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した型締装置の金型保護方法の提供を目的とするものである。
本発明に係る型締装置の金型保護方法は、上述した課題を解決するため、型締装置Mcに支持された可動型Cmと固定型Ccからなる金型Cを保護するに際し、型開工程における可動型Cmが型締位置Xmから型開方向Foに移動する所定の区間に金型保護区間Zpを設定し、この金型保護区間Zpではトルクリミッタ2によりトルク制限を行い、かつ可動型Ccが金型保護区間Zpを通過したならトルク制限を解除するとともに、金型保護区間Zpでは、速度指令値Vcと速度検出値Vdの絶対値を比較し、速度指令値Vcよりも速度検出値Vdが小さくなるという切換条件を満たさないときは、速度指令値Vcと速度検出値Vdの速度偏差値Veにより可動型Cmの移動速度に対するフィードバック制御を行い、かつ切換条件を満たしたときは、速度偏差値Veの代わりに速度検出値Vdを用いるクローズドループ制御を行うとともに、他方、金型保護区間Zp内における時間的要素を監視し、この時間的要素が予め設定した許容範囲を越えたなら所定の異常処理を行うようにしたことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、時間的要素として、可動型Cmが金型保護区間Zp内を移動する移動時間Teを監視し、この移動時間Teが予め設定した許容時間Tesを越えたなら所定の異常処理を行うことができる。また、時間的要素として、可動型Cmが金型保護区間Zp内を移動する際におけるトルク制限される時間の累積時間Ttを監視し、この累積時間Ttが予め設定した許容時間Ttsを越えたなら所定の異常処理を行うこともできる。さらに、時間的要素として、可動型Cmが金型保護区間Zp内を移動する移動時間Te及び可動型Cmが金型保護区間Zp内を移動する際におけるトルク制限される時間の累積時間Ttの双方を監視し、移動時間Te及び累積時間Ttが予め設定した所定の条件を満たしたなら所定の異常処理を行うこともできる。なお、異常処理は、可動型Cmの移動を直ちに停止する制御処理を行うことができる。また、型締装置Mcにはトグル式型締装置を適用することが望ましい。
このような手法による本発明に係る型締装置Mcの金型保護方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 型開工程における所定の区間に金型保護区間Zpを設定し、かつこの金型保護区間Zpにおいてトルク制限を行うようにしたため、異常が発生してもトルクが制限されることにより金型Cの破損を確実に防止することができることに加え、金型保護区間Zp内における時間的要素が予め設定した許容範囲を越えたなら所定の異常処理を行うようにしたため、制御の単純化を図れるとともに、誤動作の回避及び安定した検出精度の確保を実現できる。
(2) 金型保護区間Zpではトルクリミッタ2によりトルク制限を行うとともに、可動型Ccが金型保護区間Zpを通過した後は、トルク制限を解除するため、トルク制限を行うことに基づく型開工程の長時間化を回避できる。
(3) 金型保護区間Zpにおいて、速度指令値Vcと速度検出値Vdの絶対値を比較し、速度指令値Vcよりも速度検出値Vdが小さくなるという切換条件を満たしたときに、速度偏差値Veの代わりに速度検出値Vdを用いるクローズドループ制御を行うようにしたため、トルク制限を解除した際におけるフィードバック制御系の不安定動作(外乱によるハンチング)や暴走(型開速度の暴走)等を回避できるため、安定性及び安全性の向上に寄与できる。
(4) 好適な態様により、時間的要素として、可動型Cmが金型保護区間Zp内を移動する移動時間Teを用いれば、さほど高くないトルクが継続するような異常であっても検出できるとともに、時間的要素として、可動型Cmが金型保護区間Zp内を移動する際におけるトルク制限される時間の累積時間Ttを用いれば、過大トルクが発生した異常検出及び対応する異常処理を速やかに行うことができる。また、移動時間Teと累積時間Ttの双方を用いれば、双方を組合わせた相乗効果を享受できるなど、全体の検出能力に優れ、しかも高い信頼性を確保できる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る金型保護方法を実施できるトグル式型締装置Mcの構成について、図2及び図3を参照して説明する。
図2中、Mで示す射出成形機は、トグル式型締装置Mcと射出装置Miを備える。トグル式型締装置Mcは、離間して配した固定盤10と圧受盤11を備え、固定盤10は不図示の機台上に固定されるとともに、圧受盤11は当該機台上に進退変位可能に支持される。また、固定盤10と圧受盤11間には、四本のタイバー12…を架設する。この場合、各タイバー12…の前端は、固定盤10に固定するとともに、各タイバー12…の後端は、圧受盤11に対して挿通させる。
一方、タイバー12…には、可動盤13をスライド自在に装填する。この可動盤13は可動型Cmを支持するとともに、固定盤10は固定型Ccを支持し、可動型Cmと固定型Ccは金型Cを構成する。さらに、圧受盤11と可動盤13間にはトグルリンク機構3を配設する。トグルリンク機構3は、圧受盤11に軸支した一対の第一リンク3a,3aと、可動盤13に軸支した一対の出力リンク3c,3cと、第一リンク3a,3aと出力リンク3c,3cの支軸に結合した一対の第二リンク3b,3bを有し、この第二リンク3b,3bはクロスヘッド4に軸支する。
また、圧受盤11とクロスヘッド4間には型締用駆動部14を配設する。型締用駆動部14は、圧受盤11に回動自在に支持されたボールねじ部15と、このボールねじ部15に螺合し、かつクロスヘッド4に一体に設けたボールナット部16を有するボールねじ機構17を備えるとともに、ボールねじ部15を回転駆動する回転駆動機構部18を備える。回転駆動機構部18は、型締用サーボモータ19と、このサーボモータ19に付設して当該サーボモータ19の回転数を検出するロータリエンコーダ20と、サーボモータ19のシャフトに取付けた駆動ギア21と、ボールねじ部15に取付けた被動ギア22と、この駆動ギア21と被動ギア22間に架け渡したタイミングベルト23を備えている。
これにより、サーボモータ19を作動させれば、駆動ギア21が回転し、駆動ギア21の回転は、タイミングベルト23を介して被動ギア22に伝達され、ボールねじ部15が回転することによりボールナット部16が進退移動する。この結果、ボールナット部16と一体のクロスヘッド4が進退移動し、トグルリンク機構3が屈曲又は伸長し、可動盤13が型開方向(後退方向)又は型閉方向(前進方向)へ進退移動する。
他方、圧受盤11には型厚調整装置25を付設する。型厚調整装置25は、四本のタイバー12…の後端側にねじ部26…を形成し、各ねじ部26…にそれぞれ調整ナット27…を螺合してなるねじ機構28…を備える。この場合、調整ナット27…は圧受盤11に対するストッパを兼ねている。これにより、各調整ナット27…を回転させれば、ねじ部26…に対して相対変位するため、圧受盤11を進退変位させることができる。
また、圧受盤11の側面には、この圧受盤11を移動させる駆動源となるギアードモータ30を取付ける。このギアードモータ30は、型厚調整用の駆動モータとなる。ギアードモータ30は、モータ本体部31を備え、このモータ本体部31は、後半部に設けた誘導モータによるモータ部と、前半部に設けることにより当該モータ部の回転が入力する減速ギア機構とを備え、モータ本体部31の前端面には、減速ギア機構の回転が出力する出力シャフト32が突出する。さらに、モータ本体部31の後端面からはモータ部におけるモータシャフトが突出し、このモータシャフトに対して位置をロックし又はロック解除するモータブレーキ部33及びモータシャフトの回転数を検出するロータリエンコーダ部34を付設する。このロータリエンコーダ部34は、インクリメンタルエンコーダを利用し、基準位置に対するエンコーダパルスの発生数により絶対位置の検出を行うことができる。なお、ロータリエンコーダ部34とモータブレーキ部33は、モータ本体部31に対して一体に組付けるため、エンコーダ付サーボモータと同様に全体の小型コンパクト化に寄与できる。
一方、出力シャフト32の前端側には、駆動ギア35を取付けるとともに、各調整ナット27…には、それぞれスモールギア36…を一体に取付ける。この場合、各調整ナット27…とスモールギア36…はそれぞれ同軸上に位置する。また、各スモールギア36…及び駆動ギア35に噛合するラージギア37を配設する。ラージギア37は、リング形に形成し、内周面に沿って設けたレール部が圧受盤11に取付けた四つの支持ローラにより支持される。即ち、各スモールギア36…は、正方形の四隅位置にそれぞれ配され、かつラージギア37は各スモールギア36…に囲まれる位置に配されるため、各スモールギア36…はラージギア37に対して同時に噛合する。
よって、ギアードモータ30を作動させれば、駆動ギア35の回転によりラージギア37が回転するとともに、このラージギア37の回転により各スモールギア36…が同時に回転する。そして、各スモールギア36…と一体に回転する各調整ナット27…がタイバー12…のねじ部26…に沿って進退変位するため、圧受盤11も進退変位し、その前後方向位置が調整される。また、40は、成形機コントローラであり、型締用サーボモータ19,ロータリエンコーダ20,ギアードモータ30,モータブレーキ部33及びロータリエンコーダ部34を接続する。
図3は、成形機コントローラ40における速度制御系を抽出したサーボ回路41を示す。このサーボ回路41は、偏差演算部42、加算器43、速度ループゲイン設定部44、積分ゲイン設定部45、トルクリミッタ2,速度変換器(微分器)46,電流制御部47,制御系切換部48,トルクリミッタ選択部49を備え、同図に示す系統によりサーボ制御系(サーボ回路41)を構成する。そして、電流制御部47の出力側には、前述した型締用サーボモータ19を接続する。なお、20はサーボモータ19に付設したロータリエンコーダ20を示す。また、40mは、コントローラ本体を示し、このコントローラ本体40mとサーボ回路41により成形機コントローラ40が構成される。このような構成を有する成形機コントローラ40における各部の動作(機能)は後述するトグル式型締装置Mcの全体動作とともに説明する。
次に、本実施形態に係る金型保護方法を含むトグル式型締装置Mcの型開工程における動作(機能)について、図1〜図6を参照して説明する。
まず、成形機コントローラ40には、同金型保護方法の実施と関連して、予め、金型保護区間Zp及びトルクリミッタ2のトルク制限値TLを設定するとともに、可動型Cmが金型保護区間Zp内を移動する移動時間Teに対する許容時間Tes及び可動型Cmが金型保護区間Zp内を移動する際におけるトルク制限される時間の累積時間Ttに対する許容時間Ttsを設定する。
この場合、金型保護区間Zpは、型開工程における可動型Cmが、図4(a)に示すように、型締位置Xmから型開方向Foに移動する所定の区間に設定する。具体的には、型締位置Xmから型開方向Foに数〔mm〕程度、例えば、2〔mm〕程度を可動型Cmの移動距離(型開位置)により設定する。また、トルクリミッタ2のトルク制限値TLは、例えば、設定した金型保護区間Zp内における正常時の発生トルクの最大値に対して所定の余裕度を加えた大きさにより設定することができ、特に、想定される異常により発生する過大トルクに対して確実にトルク制限できる大きさを実験等により設定できる。なお、型開工程において想定される異常としては、金型Cに使用するスライドコアに発生するいわゆるカジリ等がある。さらに、同様に、許容時間Tesに対しても、例えば、可動型Cmが金型保護区間Zp内を正常に通過する際の通過時間に対して、所定の余裕度を加えた時間を設定できるとともに、許容時間Ttsに対しては、トルク制限される時間の累積時間Ttが金型Cの異常により生じるものとして確実に検出できる時間を実験等により設定できる。
次に、具体的な処理手順について説明する。図1は金型保護方法の全体の処理手順を示すフローチャートである。
まず、型開指令の出力により型開工程が開始する(ステップS1)。これにより、同時にコントローラ本体40mによりトルクリミッタ選択部49が切換制御され、フィードバック制御系にトルクリミッタ2が接続されることによりトルク制限状態になるとともに、コントローラ本体40mに備えるタイマ機能により計時が開始する。この場合、型開指令が出力する直前には、型締動作が停止して型締力が解除されており、金型Cは、高圧(型締力)が付加された状態から解放された、いわゆる圧抜きが行われた状態にある。なお、型開指令の出力により型締動作が停止してもよく、いずれの場合であっても、圧抜きが行われた状態でトルク制限状態に切換制御する。
また、型開指令により型締用サーボモータ19が作動し、クロスヘッド4が後退移動する。これにより、可動型Cmが型締位置Xmから型開方向Foへ後退移動する(ステップS2)。この場合、サーボ回路41では、可動型Cmに対する速度制御及び位置制御が行われる。即ち、コントローラ本体40mからサーボ回路41の偏差演算部42に対して速度指令値(速度指令信号)Vcが付与され、ロータリエンコーダ20のエンコーダパルスに基づいて得られる位置検出値(位置検出信号)を速度変換器46により微分して得た速度検出値(速度検出信号)Vdと比較される。これにより、偏差演算部42からは速度偏差値(速度偏差信号)Veが得られ、この速度偏差値Veは、速度ループゲイン設定部44により補償されて加算器43の一方の入力部に付与されるとともに、さらに、速度偏差値Veは、積分ゲイン設定部45によっても補償されて加算器43の他方の入力部に付与される。そして、加算器43の出力は、トルクリミッタ2を介して電流制御部47に付与され、これにより、可動型Cmに対する移動速度のフィードバック制御が行われる。
型開指令により可動型Cmが後退移動することにより、最初に、金型保護区間Zpを移動する。この金型保護区間Zpでは、本発明に従って時間的要素の監視処理が行われる(ステップS3,S4)。図6は、監視処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、正常時には、円滑な型開きが行われるため、発生するトルクはトルクリミッタ2に設定されるトルク制限値TL未満となり、トルク制限されることはない。このため、金型保護区間Zp内を移動する際におけるトルク制限される時間の累積時間Ttは、許容時間Ttsを越えることはない。また、型保護区間Zp内を移動する移動時間Teも許容時間Tesを越えることはない。したがって、可動型Cmは、正常に金型保護区間Zpを通過する。この場合、ロータリエンコーダ20のエンコーダパルスに基づいて得られる位置検出値を監視し、金型保護区間Zpを通過したか否かを判断し、正常に通過したならトルクリミッタ選択部49を切換制御し、トルクリミッタ2を外してトルク制限を解除するとともに、型開指令により開始したタイマ機能による計時をリセットする(ステップS5)。可動型Ccが金型保護区間Zpを通過した後にトルク制限を解除することにより、トルク制限を行うことに基づく型開工程の長時間化を回避できる。そして、型開き速度が高速に変更され、高速型開が行われるとともに、可動型Cmが全開位置に達したなら型開工程を終了させる(ステップS6,S7)。
一方、金型Cに使用するスライドコアにカジリ等の異常が発生し、これに基づく過大トルクが発生した場合には、次のような金型保護処理が行われる。この場合、可動型Cmが金型保護区間Zp内を移動する際には、過大トルクの発生はトルクリミッタ2によりトルク制限される(ステップS21,S22)。コントローラ本体40mは、トルクリミッタ2によりトルク制限される時間を累積して累積時間Ttを求めるとともに、この累積時間Ttを監視する(ステップS23,S24)。図4(c)は、時間(時刻)tsで金型保護区間Zpが開始し、時間taから時間tbの間で、累積時間Ttだけトルク制限された状態を示している。そして、累積時間Ttが予め設定した許容時間Ttsを越えた場合には異常処理を行う(ステップS24,S8,S9)。異常処理は、可動型Cmの移動を直ちに停止する制御処理を行う。また、必要によりアラームランプの点灯処理や所定の通信手段によるオペレータへの通報処理等を行う。監視する時間的要素として、このような累積時間Ttを用いれば、許容時間Ttsを越えた時点で直ちに可動型Cmの移動を停止させることができるなど、異常検出及び対応する異常処理を速やかに行うことができる利点があり、特に、過大トルクが発生して金型Cを破損する虞れのある場合に有効である。なお、累積時間Ttが生じても許容時間Ttsを越えない場合は、成形状態等に応じた一時的な過大トルクの発生と考えられるため、異常処理は行われず、キャンセルされる。したがって、誤動作の防止が図られる。
他方、型開指令により、タイマ機能が計時を開始しているため、トルク制限されているか否かに拘わらず、可動型Cmが金型保護区間Zp内を移動する移動時間Teを監視する(ステップS3,S25)。この場合、金型保護区間Zpを通過し終える前に、移動時間Teが設定した許容時間Tesを越えたなら、異常処理を行う(ステップS25,S9)。即ち、タイマ機能が金型保護区間Zpを通過し終える前に、許容時間Tes分を計時し、タイムアップした場合には、許容時間Tesを越えたものとする。図4(b)は、時間tsで金型保護区間Zpを通過し始め、時間teでタイムアップした状態を示している。したがって、この場合、時間tsから時間teまでの時間は、許容時間Tesとなる。監視する時間的要素として、このような移動時間Teを用いれば、例えば、トルク制限される状態にはないが、トルク制限される直前の状態が継続したような異常を検出できる。この場合、累積時間Ttの監視では、異常として検出されないが、金型保護区間Zp内の移動時間Teが長くなることによる異常として検出できる利点がある。
ところで、型開工程において過大トルクが発生した場合、速度に対するフィードバック制御系では、次のような不具合を生じる虞れがある。即ち、トルク制限を行った後、トルク制限を解除する場合、実際の速度検出値Vdと速度指令値Vcが大きく乖離する場合があり、この状態でトルク制限を解除すると、フィードバック制御系が不安定となり、可動型Cmが暴走するなどの不具合を生じる。そこで、制御系の状態を監視し、制御系の状態に応じて、通常のフィードバック制御系と速度偏差値Veの代わりに速度検出値Vdを入力させるクローズドループ制御系に切換える処理を行うようにした(ステップS10)。図5は、この処理手順を示すフローチャートである。
まず、金型保護区間Zpにおいて、コントローラ本体40mは、速度指令値Vcと速度検出値Vdの絶対値を比較する(ステップS31)。そして、速度指令値Vcに対して速度検出値Vdが小さくなるという切換条件を満たすか否か監視する(ステップS32)。この際、当該切換条件を満たさない状態のときは、通常のフィードバック制御、即ち、速度指令値Vcと速度検出値Vdの速度偏差値Veに基づいて可動型Cmの移動速度を制御する通常のフィードバック制御を行う。この場合、図3における制御系切換部48が切換制御され、速度偏差値Veが速度ループゲイン設定部44及び積分ゲイン設定部45に付与される(ステップS33)。これに対して、過大トルクが発生し、上述した切換条件を満たす状態にあるときは、実際の速度検出値Vdと速度指令値Vcが乖離している状態にあるため、制御系切換部48が切換制御され、速度検出値Vdが速度偏差値Veの代わりに速度ループゲイン設定部44及び積分ゲイン設定部45に付与されるクローズドループ制御が行われる(ステップS34)。よって、このような処理を行うことにより、トルク制限を解除した際におけるフィードバック制御系の不安定動作(外乱によるハンチング)や暴走(型開速度の暴走)等を回避でき、安定性及び安全性の向上に寄与できる。
このように、本実施形態に係る金型保護方法によれば、型開工程における所定の区間に金型保護区間Zpを設定し、かつこの金型保護区間Zpにおいてトルク制限を行うようにしたため、異常が発生してもトルクが制限されることにより金型Cの破損を確実に防止することができることに加え、金型保護区間Zp内における時間的要素が予め設定した許容範囲を越えたなら所定の異常処理を行うようにしたため、制御の単純化を図れるとともに、誤動作の回避及び安定した検出精度の確保を実現できる。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の手法,構成,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、例示の実施形態では、時間的要素として、移動時間Teと累積時間Ttを挙げ、それぞれ独立して監視する場合を示したが、双方を監視し、移動時間Te及び累積時間Ttが予め設定した所定の条件を満たしたなら所定の異常処理を行うこともできる。具体的には、移動時間Teと累積時間Ttの双方が許容時間Tes,Ttsを越えた場合にのみ異常処理を行い、一方のみ許容時間Tes又はTtsを越えた状態では予備警報を発するに留めるなどの処理を行うことができる。また、型締装置Mcとして、トグル式型締装置を挙げたが、直圧式型締装置等の他の異なるタイプの型締装置にも同様に適用することができる。
本発明の最良の実施形態に係る金型保護方法の処理手順を示すフローチャート、 同金型保護方法を実施できるトグル式型締装置の平面図、 同トグル式型締装置に備える成形機コントローラの一部を示すブロック回路図、 同金型保護方法の作用説明図、 同金型保護方法における速度の制御系の切換処理の処理手順を示すフローチャート、 同金型保護方法における時間的要素の監視処理の処理手順を示すフローチャート、
符号の説明
2 トルクリミッタ
Mc 型締装置
C 金型
Cm 可動型
Cc 固定型
Xm 型締位置
Fo 型開方向
Zp 金型保護区間
Vc 速度指令値
Vd 速度検出値
Ve 速度偏差値

Claims (6)

  1. 型締装置に支持された可動型と固定型からなる金型を保護する型締装置の金型保護方法において、型開工程における可動型が型締位置から型開方向に移動する所定の区間に金型保護区間を設定し、この金型保護区間ではトルクリミッタによりトルク制限を行い、かつ前記可動型が前記金型保護区間を通過したなら前記トルク制限を解除するとともに、前記金型保護区間では、速度指令値と速度検出値の絶対値を比較し、前記速度指令値よりも前記速度検出値が小さくなるという切換条件を満たさないときは、前記速度指令値と前記速度検出値の速度偏差値により前記可動型の移動速度に対するフィードバック制御を行い、かつ前記切換条件を満たしたときは、前記速度偏差値の代わりに前記速度検出値を用いるクローズドループ制御を行うとともに、他方、前記金型保護区間内における時間的要素を監視し、この時間的要素が予め設定した許容範囲を越えたなら所定の異常処理を行うことを特徴とする型締装置の金型保護方法。
  2. 前記時間的要素として、前記可動型が前記金型保護区間内を移動する移動時間を監視し、この移動時間が予め設定した許容時間を越えたなら所定の異常処理を行うことを特徴とする請求項1記載の型締装置の金型保護方法。
  3. 前記時間的要素として、前記可動型が前記金型保護区間内を移動する際におけるトルク制限される時間の累積時間を監視し、この累積時間が予め設定した許容時間を越えたなら所定の異常処理を行うことを特徴とする請求項1記載の型締装置の金型保護方法。
  4. 前記時間的要素として、前記可動型が前記金型保護区間内を移動する移動時間及び前記可動型が前記金型保護区間内を移動する際におけるトルク制限される時間の累積時間の双方を監視し、前記移動時間及び前記累積時間が予め設定した所定の条件を満たしたなら所定の異常処理を行うことを特徴とする請求項1記載の型締装置の金型保護方法。
  5. 前記異常処理は、前記可動型の移動を直ちに停止する制御処理であることを特徴とする請求項1記載の型締装置の金型保護方法。
  6. 前記型締装置はトグル式型締装置であることを特徴とする請求項1記載の型締装置の金型保護方法。
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