JP4578840B2 - 射出成形機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、本発明は、射出成形機の制御装置に関し、作業者による煩雑な設定を廃止すると共に、金型内における異物の残留等の異常を正確に検知する技術に関するものである。
従来の射出成形機の制御装置は第1の従来技術として特許第2515355号公報、第2の従来技術として特許第3080617号公報に記載されたものがある。かかる第1の従来技術は、正常に金型閉成動作が終了すると、正常金型閉成時の各時点の電流を基準値とし、該基準値にオフセットを加えたものを閾値とする。次回金型閉成動作時において、前回の閾値と今回金型閉成動作時の電流とを比較し、今回金型閉成の電流のほうが大きければ金型内に異常が発生したと判定するものである。
第2の従来技術は、外乱オブザーバを組込み、各時点の外乱トルクを推定し、前正常時の複数回型締時外乱トルク平均値に、許容範囲を決めるシフト量Kを加えることにより閾値を得る。該閾値と、今回金型閉成動作時の推定外乱トルクとを比較し、閾値を今回の外乱トルクが上回ったら異常ありと判定する。
特許第2515355号公報 特許第3080617号公報
しかしながら、上記第1及び第2の従来技術は2つの問題がある。第1に、検出された電流値又は、計算された外乱オブザーバ値と閾値を直接比較する際、異物が挟まっても閾値の設定によっては検出データが閾値を超えなかったり、閾値を上回らないぎりぎりの値をとったりすることがある。このため、異物が挟まっても異常の判定が正確にできないという問題があった。
第2に、オフセット、シフト量の設定値によって、異物の感知性能が大きく変化するという点である。すなわち、オフセット値、シフト量を小さく設定しすぎると高感度になるが、正常でも異常と判断してしまう誤検出を招き、逆に大きく設定しすぎると誤検出は防げるが感度良く異物を検出できない。
よって、適切なオフセット値、シフト量を得るために基準値、平均値と検出電流、推定外乱トルク値とをモニタ等で比較し、正常時の検出電流や推定外乱トルクが閾値をこえないようオフセット、シフト量の調整を、手動で試行錯誤を繰返しながら行わなければならないという問題点があった。
また、金型の金型閉成動作指令パターン、金型によって最適なオフセット値が異なるため、金型閉成動作指令パターン又は金型を変えたときに再度オフセット量、シフト量を調整しなければならいという問題点もある。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、金型間に異物があるかないかを正常か異常かを早く判定し、また、判定閾値を自動的に得ることができる射出成形機の制御装置を提供することを目的としている。
発明に係る射出成形機の制御装置は、開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの電流X(t)を検出する電流検出手段と、前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記電流X(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み出した前記電流X(t)に対応する前記時点毎の平均値Mx(t)、分散値Vx(t)を求める平均・分散算出手段と、(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Mx(t)、分散値Vx(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zx(t)を求める標準化算出手段と、
Zx(t)={X(t)−Mx(t)}/{Vx(t)}1/2
前記金型閉成動作における前記標準化値Zx(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bx(t)を求める積算算出手段と、
Bx(t)=Zx(t)+Zx(t−1)+Zx(t−2)+・・・+Zx(t−N)
前記積算値が、予め設定された値B(B>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
発明に係る射出成形機の制御装置は、開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの速度Y(t)を検出する速度検出手段と、前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記速度Y(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み出した前記速度Y(t)に対応する前記時点毎の平均値My(t)、分散値Vy(t)を求める平均・分散算出手段と、(A−1)回までの任意の回数における前記平均値My(t)、分散値Vy(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zy(t)を求める標準化算出手段と、
Zy(t)={Y(t)−My(t)}/{Vy(t)}1/2
前記金型閉成動作における標準化値Zy(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値By(t)を求める積算算出手段と、
By(t)=Zy(t)+Zy(t−1)+Zy(t−2)+・・・+Zy(t−N)
前記積算値が、予め設定された値−B(B>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
発明に係る射出成形機の制御装置は、開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置P(t)を検出する位置検出手段と、前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置P(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み出した前記位置P(t)に対応する前記時点毎の平均値Mp(t)、分散値Vp(t)を求める平均・分散算出手段と、(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Mp(t)、分散値Vp(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zp(t)を求める標準化算出手段と、
Zp(t)={P(t)−Mp(t)}/{Vp(t)}1/2
前記金型閉成動作における標準化値Zp(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bp(t)を求める積算算出手段と、
Bp(t)=Zp(t)+Zp(t−1)+Zp(t−2)+・・・+Zp(t−N)
前記積算値が、予め設定された値−B(B>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
発明に係る射出成形機の制御装置は、開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置を検出位置として求める位置検出手段と、位置指令と前記検出位置との差となる位置偏差に基づいて前記モータを制御する制御手段と、前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置偏差E(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み出した前記位置偏差E(t)に対応する前記時点毎の平均値Me(t)、分散値Ve(t)を求める平均・分散算出手段と、(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Me(t)、分散値Ve(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Ze(t)を求める標準化算出手段と、
Ze(t)={E(t)−Me(t)}/{Ve(t)}1/2
前記金型閉成動作における標準化値Ze(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Be(t)を求める積算算出手段と、
Be(t)=Ze(t)+Ze(t−1)+Ze(t−2)+・・・+Ze(t−N)
前記積算値が、予め設定された値B(B>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
発明に係る射出成形機の制御装置は、開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、射出成形機、金型に加わる外乱を推定する推定外乱算出手段と、前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記推定外乱算出手段に推定された推定外乱値D(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み出した前記推定外乱値D(t)に対応する前記時点毎の平均値Md(t)、分散値Vd(t)を求める平均・分散算出手段と、(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Md(t)、分散値Vd(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zd(t)を求める標準化算出手段と、
Zd(t)={D(t)−Md(t)}/{Vd(t)}1/2
前記金型閉成動作における前記標準化値Zd(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bd(t)を求める積算算出手段と、
Bd(t)=Zd(t)+Zd(t−1)+Zd(t−2)+・・・+Zd(t−N)
前記積算値が、予め設定された値B(B>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
発明に係る射出成形機の制御装置は、電流が予め定められた制限電流に達すると、前記モータに流れる電流を制限する電流制限手段と、前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの速度Y(t)を検出する速度検出手段と、前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記速度Y(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み出した前記速度Y(t)に対応する前記時点毎の平均値My(t)、分散値Vy(t)を求める平均・分散算出手段と、(A−1)回までの任意の回数における前記平均値My(t)、分散値Vy(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zy(t)を求める標準化算出手段と、
Zy(t)={Y(t)−My(t)}/{Vy(t)}1/2
前記金型閉成動作における標準化値Zy(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値By(t)を求める積算算出手段と、
By(t)=Zy(t)+Zy(t−1)+Zy(t−2)+・・+Zy(t−N)
前記積算値が予め設定された値−B(B>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
発明に係る射出成形機の制御装置は、電流が予め定められた制限電流に達すると、前記モータに流れる電流を制限する電流制限手段と、開放・閉成指令信号に基づいて前記モータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置P(t)を検出する位置検出手段と、前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置P(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み出した前記位置P(t)に対応する前記時点毎の平均値Mp(t)、分散値Vp(t)を求める平均・分散算出手段と、(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Mp(t)、分散値 Vp(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zp(t)を求める標準化算出手段と、
Zp(t)={P(t)−Mp(t)}/{Vp(t)}1/2
前記金型閉成動作における標準化値Zp(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bp(t)を求める積算算出手段と、
Bp(t)=Zp(t)+Zp(t−1)+Zp(t−2)+・・・+Zp(t−N)
前記積算値が、予め設定された値−B(B>0)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
発明に係る射出成形機の制御装置は、電流が予め定められた制限電流に達すると、前記モータに流れる電流を制限する電流制限手段と、開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置を検出位置として求める位置検出手段と、位置指令と前記検出位置との差となる位置偏差E(t)に基づいて前記モータを制御する制御手段と、前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置偏差E(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記記憶手段から読み出した前記位置偏差E(t)に対応する前記時点毎の平均値Me(t)、分散値Ve(t)を求める平均・分散算出手段と、(A−1)回までの任意の回数における前記平均値Me(t)、分散値Ve(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Ze(t)を求める標準化算出手段と、
Ze(t)={E(t)−Me(t)}/{Ve(t)}1/2
前記金型閉成動作における標準化値Ze(t)を過去から現時点までの積算値Be(t)を求める積算算出手段と、
Be(t)=Ze(t)+Ze(t−1)+Ze(t−2)+・・・+Ze(t−N)
前記積算値が、予め設定された値B(B>0)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、を備えたものである。
発明に係る射出成形機の制御装置における平均・分散算出手段は、過去最近K回の金型の閉成動作における電流X(t)、速度Y(t)、位置P(t)、位置偏差E(t)、推定外乱D(t)から平均値、分散値を求めることを特徴とするものである。
発明に係る射出成形機の制御装置の前記平均・分散算出手段は、今回の金型の閉成動作における前記電流X(t)、前記速Y(t)、位置P(t)、位置偏差E(t)、推定外乱D(t)と、前回の前記金型の閉成動作における前記平均値Mx(t)、前記分散値Vx(t)又は、前記平均値My(t)、前記分散値Vy(t)又は、前記平均値Mp(t)、前記分散値Vp(t)又は、前記平均値Me(t)、前記分散値Ve(t)、前記平均値Md(t)、前記分散値Vd(t)とから平均値、分散値を求めることを特徴とするものである。
第1、第2、第3、第4、第5の発明によれば、それぞれ電流X(t)、速度Y(t)、位置P(t)、位置偏差E(t)、推定外乱値D(t)に基づいて平均・分散算出手段が平均値、分散値を求め、標準化算出手段が平均値、分散値に基づいて標準化値を算出し、積算算出手段が標準化値を積算して積算値を求め、判断手段が該積算値と予め定められた値とを比較して、金型内の異物の有無を判定する。これにより金型内の異物の有無を精度良く検出できる。
また、平均値、分散値をもとにした標準化値を用いる。これにより各時点毎に電流、速度、位置、位置偏差、推定外乱値にばらつきがあっても、閾値を自動的に決定することができる。
第6、第7、第8の発明によれば、電流制限手段が動作してもそれぞれ速度Y(t)、位置P(t)、位置偏差E(t)に基づいて異常を検出するので、第1の発明の効果に加え、金型内の異物の判定をより正確にできる。
第9の発明によれば、過去最近K回の金型の閉成動作における電流等から平均・分散値を求めたので、周囲温度、機械摩擦等の変化により電流X(t)等が変化しても、過去最近K回分のみの電流X(t)等から該閾値又は標準化値を得る。これにより、周囲温度、機械摩擦等の変化を受けにくくなる。
第10の発明によれば、第9の発明の効果に加えて、記憶手段の記憶容量を少なくできるという効果がある。
第11、第12、第13、第14、第15の発明によれば、それぞれ電流X(t)、速度Y(t)、位置P(t)、位置偏差E(t)、推定外乱値D(t)に基づいて平均算出手段が平均値を求め、差分算出手段が検出データと平均値との差分値を求め、それらを積算算出手段が積算値を求め、判断手段が積算値と閾値を比較するので金型内の異物の判定を精度よくできるという効果がある。
第16、第17、第18の発明によれば、電流制限手段が動作しても、それぞれ速度、位置、位置偏差に基づいて異常を検出するので、第11の発明の効果に加え、金型内の異物の判定をより速くできるという効果がある。
実施の形態1.
本発明の一実施の形態を図1、図2、図3によって説明する。図1は射出成形機の金型閉成動作機構及び制御装置のブロック図、図2は各サンプリング時間に対応した検出電流、平均値、分散値をメモリに記憶した状態を示す記憶状態図、図3は射出成形機の金型閉成動作時の(a)時間対電流、(b)時間対電流標準化値、(c)時間対積算値を表すグラフである。
図1において、射出成形機は、d軸電流及びq軸電流を流すように制御されるモータ3と、モータ3の回転をタイミングベルト5によりボールネジを有する回転軸6に伝達するように形成されている。
モータ3の回転運動を直線運動に変換すると共に、一端部が固定され、他端部を有するトグル機構7と、他端部が可動金型9に固定され、可動金型9に対向して固定金型11とが設けられており、可動金型9と固定金型11とにより金型10を成している。
制御装置は、金型10の閉成指令信号に同期して、モータ3に流れるq軸電流を各サンプリング時刻毎に電流X(t)を検出する電流検出手段としての電流検出部23と、作業者が金型10の閉成指令及び開放指令等を入力する操作パネル25と、操作パネル25から入力された指令に基づいて金型10の開閉指令信号を作成して発生する指令生成部26と、指令信号およびエンコーダ21により検出される位置、速度からモータ3に与える電流指令を求めて、該電流指令に基づいてモータ3にd軸電流及びq軸電流を流す駆動制御部27と、モータ3に流れる電流が予め定められた電流を上回ると、所定の電流に制限する電流制限手段としての電流リミッタ28と、金型10の閉成過程において検出した検出電流に基づいて金型10の間に異物があるか否かを判定する異物検出判定部29と、金型10の開閉情報を表示する表示部31と、異物検出判定部29が金型10の型閉じ動作において異物があったと判定した場合、金型10の閉成動作を停止又は開放する指令信号を生成する異常指令部33と、異物検出判定部29が出力する信号eaに基づいて指令信号を、正常指令信号から異常指令信号に切換る指令切換部35とを備えている。
異物検出判定部29には、
(1).射出成形機は、同一の成形品を多数製作しており、金型10の閉成を一周期とする工程を複数回A繰り返して各サンプリング時刻毎に対応する検出電流X(t) をそれぞれ記憶する記憶手段としてのメモリ29rと、
(2).メモリ29rから読み出した検出電流X(t)に対応する時点毎の平均値Mx(t)、分散値Vx(t)を求める平均・分散算出手段と、求めた平均値Mx(t)、分散値Vx(t)を記憶する記憶手段と、
(3).(A−1)回までの任意の回数における電流平均値Mx(t)、電流分散値Vx(t)を用いて次式のようにしてサンプリング時刻毎の標準化値を算出する標準化算出手段と、
Zx(t) = (X(t) −Mx(t) )/ {Vx(t) }1/2
求めた標準化値Zx(t)を記憶するメモリ29r(記憶手段)と
(4).標準化値を過去のある時点から現時点までの積算値を算出する積算算出手段と
Bx(t) =Zx(t)+Zx(t−1)+Zx(t−2)+・・・+Zx(t−N)
(5).各時点において、積算値Bx(t)と予め定められた値B(B>0)とを比較し、
積算値がこれを上回ることにより異常と判断する判断手段とを備えている。
<メモリ>
メモリ29rの記憶構造を図2によって説明する。図2(a)における各行は、一回の金型閉成動作において、T個のサンプリングデータを要し、各サンプリング時刻の検出電流X(t)を記憶し、各列は、各サンプリング時刻毎のK回分の検出電流X(t)を記憶している。検出電流xi(t)はi行目の金型の閉成におけるデータを示すものである。p行目、p−1行目、p−2行目・・・、1行目、0行目、K−1、・・・、p+1行目の順に新しい金型の閉成における検出電流を記憶しており、正常な金型閉成動作が終了するごとに、最も古いデータ行に、最も新しいデータを書き込んでいくリングバッファリングが実行されている。図2(B)のポインタpは、図2(a)の最新の検出電流を示す行に記憶している。図2(c)は、各サンプリング時刻における電流平均Mx(t)、電流分散Vx(t)と、下式で求められた電流の和Sx(t)、電流の2乗和Ux(t)が記憶されている。
Figure 0004578840
ここで、xi(t)は図2(a)の第i行データを示す。図2(d)は、後述する算出方法にて求めた各サンプリング時刻における電流標準化値が記憶されている。
<平均、分散>
記憶された電流検出値等から各サンプリング時刻における平均、分散を算出する(後の実施の形態において詳細説明する。)
<標準化値>
電流標準化値Zx(t)は、各時点の平均Mx(t)および分散Vx(t)を用いて下式のように求める。
Zx(t) = (X(t) − Mx(t) ) /{ Vx(t) }1/2
Zx(t)は検出電流の平均からのずれ具合を示す指標となり、0に近ければ近いほど平均値に近く、0から離れれば離れるほど平均値からのずれが大きいということになる。一般に金型閉成時には区間ごとにデータのバラツキ程度が異なるため、平均と検出電流との差ではなく、さらに分散により標準化することにより検出電流が平均とどれだけ離れているかのよりよい指標となる。
<積算値>
積算値、および、閾値の設定を図3によって説明する。ここで、図3(a)の501は検出電流を示し、502は電流平均値を示す。異物が挟まるまでは、電流は電流平均値付近の値をとるが、異物が金型10間に挟まった場合、図1の駆動制御部27は指令に追従しようと、より大きな電流を流そうとする。このため、異物が挟まり始めると電流は平均値から離れていく挙動を示す。
これを電流標準化値に変換した図が図3(b)である。異物が金型10間に挟まっていない場合、統計的性質から電流標準化値Zx(t)はほぼ零付近の値をとり、かつ、時間経過に従って+、−の値をほぼランダムにとるような挙動を示す。一方、異物が金型間に挟まった場合、電流標準化値Zx(t)は時間経過に従って継続して0より大きな値をとる挙動を示す。
さらに、この電流標準化値を時間ごとに積算したグラフが図2(c)である。時刻t=t0での積算値Bx(t0)は、下式となる。
Bx(t0)=Zx(t0)+Zx(t0−1)+Zx(t0−2)+・・・+Zx(0)
直感的に説明すれば、標準化値Zx(t)とZx(t)=0および、t=0、t=t0とで囲まれる面積の総和に相当する。ただし、Zx(t)=0より上の部分と標準化値Zx(t)で囲まれる部分は正の面積として考え、Zx(t)=0より下の部分と標準化値Zx(t)で囲まれる部分は負の面積として考えるものとする。
上記の標準化値の性質により、異物が挟まっていない場合には、 プラスとマイナスとがキャンセルされて積算値Bx(t)は0付近の値をとる。一方、異物が金型10間に挟まった場合、+の値が加算され続けるので積算値Bx(t)は0よりかなり大きな値をとる。つまり、異物が挟まると、電流標準化値はある特定の値を上回るというより、0よりも大きな値を継続してとり続けるという傾向がある。このため、電流標準化値の積算値を用いることにより、電流が0よりも大きな値を継続してとり続ける状態、すなわち、異物の挟まった状態を検知することができるのである。よって、積算値Bx(t)が予め定められた閾値Bを上回る場合には金型10間に異物が挟まっていると判断することができる。また、積算値Bx(t)が閾値Bを上回らない場合には金型10間に異物が挟まっていないと判断することができる。
<閾値>
閾値BはB>0以上の値が用いられるが、より好ましくはB>30である。この数値の由来は以下の通りである。
正常時には、統計的性質から おおよそMx(t)±6×( Vx(t) )1/2の値をとる。標準化値で換算すれば、下記の範囲の数値となる。
−6<Zx(t)<+6
異常時には、標準化値Zx(t)は+6以下であっても+6付近の値、あるいは+6以上の値をとる状態がしばらく持続する。より好ましい閾値の下限は異常状態が5サンプリング時刻分程度持続したときの数値 6×5=30 から由来するものである。
また、上記は積算する範囲を時刻0から時刻tとしたが、時刻tから過去最近Nサンプリング時刻分だけ積算しても同様の効果が得られる。すなわち、下式のようにしても良い。
Bx(t)=Zx(t)+Zx(t−1)+Zx(t−2)+・・・+Zx(t−N)
さらに、図3(a)のように正常時に電流が正に流れる場合には、正の閾値を設定し、この閾値を上回ったら異常有と判定するが、図6に示すように正常時に電流が負の値をとる場合には、閾値を−B(B>0)とし、この閾値を下回ったら異常有と判定する。これは、駆動制御部27は異物が挟まると電流の絶対値が大きくなる方向に電流を流そうとするためである。
このように、標準化値を用いることによって、統計的な数値から閾値を求めたので金型10や金型閉成動作パターンが変化し、区間ごとのデータのばらつき程度、すなわち分散Vx(t)が変化しても閾値Bを設定しなおす必要がないという効果がある。特にスライドコア付の金型10のような複雑な構造の金型10を閉成する際、電流の時点tごとのばらつきが、大きい時点と小さな時点が存在することがある。
本実施の形態によれば、検出電流と電流平均との差が電流のばらつきが大きい時点と小さい時点で同じであっても、ばらつきの大きな時点では分散Vx(t)は大きな値をとるので、ばらつきの大きい時点では標準化値は小さな値をとる。ばらつきの小さな時点では、分散Vx(t)が小さな値をとるので標準化値は大きな値をとる。この性質から、ばらつきの大きい時点では、積算値上昇の感度を鈍くすることにより正常時であっても異物があると判断してしまう誤検出現象を防ぐという効果がある。
一方、ばらつきが小さい時点では積算値上昇の感度を鋭くすることにより精度良く異物を判定する性質がある。
さらにデータのばらつき程度が金型閉成を繰り返すごとに変化していってもこれに追従してVx(t)が変化するという性質があり、適切な閾値を構成することができるという効果もある。
上記のように構成された射出成形機の制御装置の動作を、図1乃至図4のフローチャートを用いて説明する。まず、金型10に樹脂を流し込まない(以下、空金型という)状態において、作業者が操作パネル25に金型の開閉指令信号を入力し、指令生成部26が開閉指令信号を生成して指令切換え部35を介して駆動制御部27に入力する。駆動制御部27は該開閉指令信号に基づいて電流をモータ3に流して、エンコーダ21により検出したモータ3の位置検出値、速度検出値と、電流検出器23から検出される検出電流とに基づいてモータ3をフィードバック制御しながら駆動する。かかるモータ3の回転運動がタイミングベルト5を介してトグル機構7により直線運動に変換され、空金型の開閉を数回行い平均、分散の更新をする(ステップS101)。ここで、ステップS101を設けたのは、金型10に樹脂を流した状態における金型10の金型閉成動作の開始から早期に異物の判定を行うためである。かかるステップS101における詳細を図5のフローチャートによって説明する。時刻を表すパラメータt=0と設定する(ステップS11)。異常検出判定部29は空金型動作時の各サンプリング時刻の電流を検出し、メモリ29rに記憶する(ステップS15)。金型閉成動作が完了したかどうかを確認し(ステップS21)、完了していなければ、t=t+1とし(ステップS23)、ステップS15以下を再度実行する。
一方、ステップS21において、金型閉成動作が完了していれば、異常検出判定部29はメモリ29rに記憶された直前の金型閉成動作時の検出電流を用いて、電流平均Mx(t)、電流分散Vx(t)を更新し(ステップS27)、所定の空金型状態での金型閉成動作回数が終了したかをチェックする(ステップS31)。所定の空金型状態での金型閉成動作が実行されていると、ステップS101を終了する。ここで、所定の空金型状態での金型閉成動作が実行されていないと、上記ステップS11以下を実行する。
次に、所望の成形品を得るために金型10に樹脂を流し込む成形サイクルが開始され、時刻を示すパラメータt=0と設定する(ステップS103)。異常検出判定部29は、金型10の開閉動作の工程において、各サンプリング時刻における検出電流を、電流検出部23によりそれぞれ検出してメモリ29rに記憶する(ステップS105)。これによりメモリ29rには、金型10の開閉動作の工程を複数回A繰り返して各サンプリング時間に対応する検出電流を記憶したことになる。ここで、上記複数回Aとは、図5のステップS31における初期空型締め回数と、樹脂を入れて金型10を開閉した回数との和をいう。
次に、求めた平均、分散値から電流標準化値を算出する(ステップS107)。さらに、過去から現時点までの電流標準化値を加算することにより、現時点での積算値Bx(t)を求める(ステップS109)。現時点での積算値Bx(t)と閾値Bとを比較する(ステップS111)。比較の結果、積算値Bx(t)が閾値Bを上回っていたら異状と判定して異常信号を発生する(ステップS113)。
該異常信号eaを表示部31に入力して表示部31が金型10に異常が発生した旨を文字等によって表示する。同時に、異常信号eaを指令切換部35に入力してスイッチを上側に倒して異常指令部33からの指令に切換える。異常指令部33は、金型10の停止の指令を発生し、該停止指令信号を、指令切換部35を介して駆動制御部27に入力する。駆動制御部27はモータ3への電流の供給を停止する。したがって、金型10に異物を挟み込んだと感知した時点で直ちに可動金型9の動作を停止させるという一連の異常処理を行う(ステップS109)。
一方、ステップS111において積算値Bx(t)が閾値Bを上回っていなかったら、検出電流に異常無と判定し、金型閉成動作を続行する。次に、金型閉成動作が終了したかどうかを判定し(ステップS115)、完了していなければサンプリング時刻をt=t+1とし(ステップS123)、ステップS105以下の処理を再度実行する。ステップS115において、金型閉成動作が完了と判断されれば、このときの金型閉成動作時の電流を用いて、電流平均Mx(t)、電流分散Vx(t)を更新する(ステップS117)。更新終了後、所望の成形回数が終了しているのなら、成形動作を完了し、終了していないのならステップS103以下を再実行する(ステップS121)。
また、上記実施の形態では異常発生時に金型閉成動作を停止させたが、金型を開放(後退)動作をさせてもよい。
実施の形態2.
同一の型閉成指令信号に従う金型の閉成過程における検出電流でも、検出値のばらつき以外に周囲温度、機械摩擦の変化等の原因により、金型閉成動作を繰り返していく毎に検出電流、検出速度が全サンプリング時刻において微小ながら、しだいに大きくなったり、小さくなったりという大域的な変化が生じることがある。したがって、金型の開閉サイクルの開始直後から最新の検出値すべてを用いて各サンプリング時刻の平均、分散から求めた閾値よりも、過去の最近数回における検出電流のみの平均、分散から求めた閾値が適切な異常判定ができる。
かかる現象を考慮した本発明の実施の形態となる異常検出判定部29の平均、分散算出手段について図7のフローチャートによって説明する。
図7は、図4の上記ステップS117、図5の上記ステップS27における、検出電流から、各サンプリング時刻における電流平均、電流分散の算出、更新に相当するものである。
異常検出判定部29は、過去K+1回前の検出値の影響を電流の和Sx(t)、電流の2乗和Ux(t)から除去する(ステップS151)。最新の行を示す第p行に直 前に正常終了したときの金型閉成動作時の検出値時系列をメモリ29rに書き込む(ステップS153)。該書き込んだ検出値の影響を電流の和Sx(t), 電流の2乗和Ux(t)に反映させるために図7に図示された演算処理を行い(ステップS155)、電流の和Sx(t)、電流の2乗和Ux(t)から、電流平均Mx(t)、電流分散Vx(t)を下式によって求める(ステップS157)。
Figure 0004578840
図2(a)上の最新行を示すポインタをインクリメントする(ステップS161)、ポインタpがKかどうかをチェックし(ステップS163)、ポインタがKに等しければ、ポインタpを0にセットする(ステップS165)。
また、本実施の形態と上記実施の形態1を組み合わせて実施する場合、初期金型閉成回数は少なくてもK回以上とする。
実施の形態3.
上記実施の形態2では、メモリ29rに金型閉成動作回数に応じた検出電流を記憶していたので、金型閉成動作回数とサンプリング回数の積の記憶容量を必要としていた。本発明の実施の形態では、メモリ29rの容量が少ない例を図8及び図9によって説明する。
図8はメモリ29rの記憶構造を示すもので、図8において、(a)が各サンプリング時刻の過去1回分の正常金型閉成動作時の検出電流X(t)、(B)が各サンプリング時刻の電流平均Mx(t)、(c)が各サンプリング時刻の電流分散Vx(t)を、(d)が各サンプリング時刻の電流標準化値を記憶している。
次に、本実施の形態の各サンプリング時刻の電流平均Mx(t)、電流分散Vx(t)の算出、更新について図9のフローチャートを参照して説明する。
図9の処理は実施の形態1の図4に示すステップS117、図5に示すステップS27における平均、分散の更新を、第2の実施の形態に代えて実行するものである。
異常判定部29は、前回求めた各サンプリング時刻の電流平均Mx(t)、電流分散Vx(t)を下式に従って更新する(ステップS501、ステップS503)。
Mx(t) ← αX(t)+(1−α)Mx(t) ・・(1)
Vx(t) ← β( X(t)−Mx(t) )+(1−β)Vx(t) ・・(2)
ここで、α、βは定数で、0<α、β<1を満たす数で、より好ましくは、0.01<α、β<0.3程度の数値である。
上記(1)、(2)式に従って求めた電流平均Mx(t)、電流分散Vx(t)がそれぞれ一種の平均、分散となることを説明する。上記(1)式を再帰的に適用すると、下式となる。
Mx(t)=αx(0)(t)+α(1−α) x (1) (t)+α(1−α)2 x (2)+… ・・(3)
ここで、x(j) (t)は、j回前の金型の閉じ動作におけるサンプリング時刻tの検出電流を示している。
また、α+α(1−α)+α(1−α)+…=1となることから、上記(3)式により求めた値は、過去の複数のデータに重みをつけ加算した平均とみなすことができる。
また、上記(1)式により求めた平均は、最近の検出値ほど、より大きく反映させる平均となる。また、同様に上記(2)式を再帰的に適用すると下式となる。
Vx(t)=β( x(0)(t)−Mx(0)(t) )2+β(1−β)( x(1)(t)−Mx(1)(t) )2
+β(1−β)2( x(2)(t)−Mx(2)(t) )2+・・・ ・・(4)
ここで、Mx(j)(t)はj回前に求めたサンプリング時刻tにおける平均を示す。
上記のように、検出値は周温、機械摩擦等の変化により、微小ではあるが金型閉じる毎に全サンプリング時刻において除々に検出値が大きくなったり、小さくなったりすることがある。しかしながら、かかる変化は金型の閉じ回数に対して極めて遅い変化であるため、各サンプリング時刻における該閉じ回数の近い検出値どうしは、非常に近い値をとる傾向がある。以上より、jを小さな数とした場合には、下式のように近似できる。
Mx(i) (t)≒Mx(i+j) (t) ・・(5)
よって、Vx(t)は下式となる。
Vx(t)≒β(x(0)(t)−Mx(0)(t))2+β(1−β)(x(1)(t)−Mx(0)(t))2
+β(1−β)2(x(2)(t)−Mx(0)(t))2+・・・ ・・(6)
ここで、jが大きくなるにつれて上記(5)式の近似が一般に成立しなくなるが、上記(6)式におけるβ(1−β)jの係数が小さくなり、近似からのずれが全体のVx(t)への影響は小さくなる。
先ほど同様、β+β(1−β)+β(1−β)+・・・=1ということより、Vx(t)は各サンプリング時刻の過去の検出電流と電流平均Mx(0)(t)との差の2乗に重みをつけて足し合わせた量、すなわち一種の分散とみなすことができる。この分散もまた平均と同様、最近の検出値と平均との差が大きいほどより大きく反映させるものとなる。
上記式(1)、(2)で求めた平均は最近のデータほど影響が大きい平均、分散となる。これにより、周温、金型閉成動作回数によるデータの微妙な変化等に速く追従した平均、分散となる。該平均、分散から求めた閾値は、より異常判定に適した閾値となる。
かかる射出成形機の制御装置によれば、図8で示すように前回金型閉成動作時に求めた平均、分散と今回検出された検出値のみを記憶しておけば、上記(1)、(2)式の演算ができるので、メモリ29rの記憶容量を少なくできるという効果がある。
実施の形態4.
上記実施の形態1においては、電流を用いて、金型閉成動作時の各時点の平均、分散を計算し、さらにそれらをもとに標準化値を算出し、その標準化値を過去から現時点まで加算した積算値と閾値を比較することにより異常判定を行ったが、同様のことは速度、位置、位置偏差、推定外乱値を用いても、電流の場合と同様の効果を得ることができる。
速度を用いるときには、エンコーダ21により速度を検出し、その検出速度をもとに、電流と同様の処理手順を踏んで異常判定を行う。ただし、速度に関して、異物が挟まらない正常状態のときの速度の絶対値に比べ、異物が挟まると速度の絶対値が小さくなるという性質がある。よって、正常時に速度が正の値をとる区間において異物が挟まると、速度標準化値は0より小さい状態が持続し、積算値は負の値をとる。よって、閾値は−B(B>0)とし、積算値がこの閾値−Bを下回ったときに異物有と判定する。一方、正常時に速度が負の値をとる区間において異物が挟まると、速度標準化値は0より大きい状態が持続し、積算値は正の値をとる。よって、閾値はB(B>0)とし、積算値がこの閾値Bを上回ったときに異物有と判定する。
位置を用いるときには、エンコーダ21により位置を検出し、その検出位置をもとに、電流と同様の処理手順を踏んで異常判定を行う。位置を用いる場合には、異物が挟まらない正常状態のときの位置の絶対値に比べ、異物が挟まると位置の絶対値が小さくなる。よって、正常時に位置が正の値をとる区間において異物が挟まると、位置標準化値は0より小さな状態が持続し、積算値は負の値をとる。
よって、閾値は−B(B>0)とし、積算値がこの閾値−Bを下回ったときに異物有と判定する。一方、正常時に位置が負の値をとる区間において異物が挟まると、位置標準化値は0より大きい状態が持続し、積算値は正の値をとる。よって、閾値はB(B>0)とし、積算値がこの閾値Bを上回ったときに異物有と判定する。
金型閉成動作制御が位置指令と検出位置の差をもとに行われているのなら、位置偏差をもとに異常判定することができる。金型閉成動作指令から、エンコーダ21により検出された位置を引いた位置偏差をもとに、電流と同様の処理手順を踏んで異常判定を行う。位置偏差を用いる場合には、異物が挟まらない正常状態のときの位置偏差の絶対値に比べ、異物が挟まると位置偏差の絶対値が増大する。
よって、正常時に位置偏差が正の値をとる区間において異物が挟まると、位置標準化値は0より大きな状態が持続し、積算値は正の値をとる。よって、閾値はB(B>0)とし、積算値がこの閾値Bを上回ったときに異物有と判定する。
一方、正常時に位置偏差が負の値をとる区間において異物が挟まると、位置標準化値は0より小さい状態が持続し、積算値は負の値をとる。よって、閾値は−B(B>0)とし、積算値がこの閾値−Bを下回ったときに異物有と判定する。
駆動制御部に外乱オブザーバを組み込んでいる場合には、外乱オブザーバにより算出される推定外乱を用いることもできる。以下に外乱オブザーバにより、推定外乱を算出する一例を示す。図12は外乱オブザーバにより外乱を推定算出するブロック図である。図12の601において、Jは機械総イナーシャ、602においてsは微分作用素、603においてKは電流に対する発生トルクの比を表すトルク定数、604はカットオフ周波数ωのローパスフィルタである。図1のエンコーダ21から検出される速度Y(t)に総イナーシャJをかけ微分したものから、図1の駆動制御部27が電流を制御する際の電流指令X*(t)にトルク定数KTをかけたものを引き、ローパスフィルタを作用させたものが推定外乱D(t)をとする。このD(t)をもとに、電流と同様の処理手順を踏んで異常判定を行う。
推定外乱を用いた場合には、異物が挟まると推定外乱は大きくなるので、B(>0)を閾値とし、積算値がこの閾値Bを上回ったときに異物有と判定する。
実施の形態5.
実施の形態1、4では使用するデータとして、電流、速度等をそれぞれ単独で使用したが、これらを組み合わせて使用することもできる。特に図1における電流リミッタ28の制限値が小さい場合には有効である。
一般に、駆動制御部27は指令信号と検出された現在値とを比較し、この差に応じて電流を出力するフィードバック制御が構成されているため、たとえ金型間に異物が挟まっても発生できる電流に余裕がある限り、指令に追従しようと電流を大きく流そうとする。このため、異物が挟まった場合、まず電流に異常が現れ、次に速度や位置、位置偏差に異常が現れやすいという傾向がある。しかし、制御装置の電流リミッタ28の制限値が小さく、かつ、電流リミッタ28が動作すると、異物が金型に挟まっても検出電流に異常が生じにくいので、電流検出による異物の異常判定の精度が低下する。
そこで、電流および速度のそれぞれのデータに対し、金型閉成動作時の各時点の平均、分散を計算し、さらにそれらをもとに標準化値を算出し、その標準化値を過去から現時点まで加算した積算値と閾値を比較するという処理を行う。電流または速度のどちらか一方に異常がありと判定されたら、金型間に異物有と判定する。また、この際使用メモリ、計算量が、単独データのみを記憶する場合に比べて倍になってしまうが、モータ3に流れる電流が増加して電流リミッタ28が動作しても、異物判定部29は、異常速度Y(t)に基づいて判定するので、正確な異物判定ができるのである。このような効果は、電流と速度の組合せによる判定だけではなく、電流と位置、電流と位置偏差の組合せにおいても得ることができる。
実施の形態6.
異常判定部29の計算量が限られている場合には分散の情報を用いずに、平均のみの情報から異物を判定することができる。
異物が金型間に挟まっていない場合、統計的性質から電流と平均値との差は0を挟んで、かつ、+、−の値をほぼランダムにとる。よって、このときの電流と平均値との差分値の積算値は0付近の値をとる。一方、異物が金型間に挟まった場合、図1の駆動制御部27は指令に追従しようとより多くの電流を流そうとするこのため、電流と平均値との差分値は継続して0より大きな値をとる。
よって、このときの積算値は0より大きな値をとる。よって、電流と平均値との差分値をそのまま判定に用いるのではなく、差の積算値を用いることにより、差が0よりも大きな値を継続してとり続ける状態を検知するのである。
図11は、このフローを表した図である。および、図10は、このとき使用するメモリを表すものである。
空金型の開閉を数回行い平均、分散の更新をする(ステップS101)。まず、空金型状態において、金型閉成動作を数回繰り返し、電流の平均を算出する(ステップS201)。次に、所望の成形品を得るために金型10に樹脂を流し込む成形サイクルが開始され、時刻を示すパラメータt=0と設定する(ステップS203)。異常検出判定部29は、金型10の開閉動作の工程において、各サンプリング時刻における検出電流を、電流検出部23によりそれぞれ検出してメモリ29rに記憶する(ステップS205)。これによりメモリ29rには、金型10の開閉動作の工程を複数回A繰り返して各サンプリング時間に対応する検出電流を記憶したことになる。ここで、上記複数回Aとは、図5のステップS31における初期空型締め回数と、樹脂を入れて金型10を開閉した回数との和をいう。
次に、検出電流X(t)と求めた電流平均Mx(t)との差との差を算出する(ステップS207)
Fx(t) =X(t)−Mx(t)
さらにその差を過去のある時点から現時点まで積算する(ステップS209)。
Cx(t)=Fx(t)+Fx(t−1)+・・・+Fx(t−N)
現時点での積算値Cx(t)と閾値C1とを比較する(ステップS211)。
比較の結果、積算値Cx(t)が閾値C1を上回っていたら異状と判定して異常信号を発生する(ステップS213)。一方、ステップS111において、積算値Cx(t)が閾値C1を上回っていなかったら、検出電流に異常無と判定し、金型閉成動作を続行する。次に、金型閉成動作が終了したかどうかを判定し(ステップS215)、完了していなければサンプリング時刻をt=t+1とし(ステップS223)、ステップS205以下の処理を再度実行する。ステップS215において、金型閉成動作が完了と判断されれば、このときの金型閉成動作時の電流を用いて、電流平均Mx(t)を更新する(ステップS217)。更新終了後、所望の成形回数が終了しているのなら、成形動作を完了し、終了していないのならステップS203以下を再実行する(ステップS121)。
また、ステップS201の処理は、図5の処理とほぼ同様である(ただし分散の計算、記憶は必要ない)。また、ステップS217は実施の形態2、3で示したものから、分散の計算、記憶処理を省いたものである。分散の計算を省略するため、実施の形態2のデータの2乗和を計算、および記憶する必要はない。平均の算出は、過去最近K回分の金型閉成動作時の電流と、時点毎の過去数回分電流の総和Sx(t)を記憶しておくだけでよい。実施の形態2で示したように、正常時の金型閉成動作時のデータの時点ごとの総和から最も古い正常時のデータを引き、最も新しい正常時のデータを加え、最後に時点毎にKで割ることにより平均を算出することができる。
実施の形態7.
実施の形態6では、使用データとして電流を用いたが、電流に限らず速度、位置、位置偏差、推定外乱値を用いても実施することができる。また、それぞれのデータを用いる際、検出データと平均値との差の積算値が、予め定められた閾値を上回るか、あるいは、下回るかにより判定するかは実施の形態4と同様である。
実施の形態8.
実施の形態6、7では使用するデータとして、電流、速度等をそれぞれ単独で使用したが、これらを組み合わせて使用することもできる。特に図1における電流リミッタ28の制限値が小さい場合には有効である。
一般に、駆動制御部27は指令信号と検出された現在値とを比較し、この差に応じて電流を出力するフィードバック制御が成されているため、たとえ金型間に異物が挟まっても発生できる電流に余裕がある限り、指令に追従しようと電流を大きく流そうとする。このため、異物が挟まった場合、まず電流に異常が現れ、次に速度や位置、位置偏差に異常が現れやすいという傾向がある。しかし、制御装置の電流リミッタ28の制限値が小さく、かつ、電流リミッタ28が動作すると、異物が金型に挟まっても検出電流に異常が生じにくいので、電流検出による異物の異常判定の精度が低下する。
そこで、電流および速度のそれぞれのデータに対し、金型閉成動作時の各時点の平均、分散を計算し、さらにそれらをもとに標準化値を算出し、その標準化値を過去から現時点まで加算した積算値と閾値を比較するという処理を行う。電流または速度のどちらか一方に異常がありと判定されたら、金型間に異物有と判定する。また、この際使用メモリ、計算量が、単独データのみを記憶する場合に比べて倍になってしまうが、モータ3に流れる電流が増加して電流リミッタ28が動作しても、異物判定部29は、異常速度Y(t)に基づいて判定するので、正確な異物判定ができるのである。このような効果は、電流と速度の組合せによる判定だけではなく、電流と位置、電流と位置偏差の組合せにおいても得ることができる。
本発明に係る射出成形機の制御装置により射出成形機を円滑に駆動できる。
本発明の一実施例による射出成形機の金型閉成機構及び制御装置のブロック図である。 実施例による各サンプリング時間に対応した検出電流、平均値、分散値をメモリの記憶状況を示す記憶状態図である。 時間−検出電流、時間−標準化値、時間−積算値を表すものである。 実施例による射出成形機の動作示すフローチャートである。 図4に示す空金型状態での金型閉成動作時における閾値の更新の詳細フローチャートである。 正常電流が負の値をとるときの、時間対検出電流、時間対標準化値、時間対積算値を表すものである。 図4におけるステップS117の詳細動作示すフローチャートである。 他の実施例による平均、分散の更新手順を示したフローチャートである。 他の実施例のおける平均、分散の更新手順を示したフローチャートである。 他の実施例における平均、分散を更新するのに必要なメモリの記憶状況を示す記憶状態図である。 他の実施例による射出成形機の制御装置の動作示すフローチャートである。 他の実施例における外乱オブザーバのブロック線図である。
符号の説明
3 モータ、10 金型、21 エンコーダ(位置検出手段)、23 電流検出部(電流検出手段)、29r メモリ(記憶手段)、29 異物判定部。

Claims (8)

  1. 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
    前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの電流X(t)を検出する電流検出手段と、
    前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記電流X(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から読み出した前記電流X(t)に対応する前記時点毎の平均値Mx(t)、分散値Vx(t)を求める平均・分散算出手段と、
    (A−1)回までの任意の回数における前記平均値Mx(t)、分散値Vx(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zx(t)を求める標準化算出手段と、
    Zx(t)={X(t)−Mx(t)}/{Vx(t)}1/2
    前記金型の閉成動作における前記標準化値Zx(t)を、次式のようにして過去から現
    時点までの積算値Bx(t)を求める積算算出手段と、
    Bx(t)=Zx(t)+Zx(t−1)+Zx(t−2)+・・・+Zx(t−N)
    前記積算値が、予め設定された値B(B>30)を上回ることにより異常と判断する判
    断手段と、
    を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。
  2. 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
    前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの速度Y(t)を検出する速度検出手段と、
    前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記速度Y(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から読み出した前記速度Y(t)に対応する前記時点毎の平均値My(t)、分散値Vy(t)を求める平均・分散算出手段と、
    (A−1)回までの任意の回数における前記平均値My(t)、分散値Vy(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zy(t)を求める標準化算出手段と、
    Zy(t)={Y(t)−My(t)}/{Vy(t)}1/2
    前記金型の閉成動作における標準化値Zy(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値By(t)を求める積算算出手段と、
    By(t)=Zy(t)+Zy(t−1)+Zy(t−2)+・・・+Zy(t−N)
    前記積算値が、予め設定された値−B(B>30)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。
  3. 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
    前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置P(t)を検出する位置検出手段と、
    前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置P(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から読み出した前記位置P(t)に対応する前記時点毎の平均値Mp(t)、分散値Vp(t)を求める平均・分散算出手段と、
    (A−1)回までの任意の回数における前記平均値Mp(t)、分散値Vp(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zp(t)を求める標準化算出手段と、
    Zp(t)={P(t)−Mp(t)}/{Vp(t)}1/2
    前記金型の閉成動作における標準化値Zp(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bp(t)を求める積算算出手段と、
    Bp(t)=Zp(t)+Zp(t−1)+Zp(t−2)+・・・+Zp(t−N)
    前記積算値が、予め設定された値−B(B>30)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。
  4. 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
    前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置を検出位置として求める位置検出手段と、
    位置指令と前記検出位置との差となる位置偏差に基づいて前記モータを制御する制御手段と、
    前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置偏差E(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から読み出した前記位置偏差E(t)に対応する前記時点毎の平均値Me(t)、分散値Ve(t)を求める平均・分散算出手段と、
    (A−1)回までの任意の回数における前記平均値Me(t)、分散値Ve(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Ze(t)を求める標準化算出手段と、
    Ze(t)={E(t)−Me(t)}/{Ve(t)}1/2
    前記金型の閉成動作における標準化値Ze(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Be(t)を求める積算算出手段と、
    Be(t)=Ze(t)+Ze(t−1)+Ze(t−2)+・・・+Ze(t−N)
    前記積算値が、予め設定された値B(B>30)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。
  5. 開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
    射出成形機、金型に加わる外乱を推定する推定外乱算出手段と、
    前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記推定外乱算出手段に推定された推定外乱値D(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から読み出した前記推定外乱値D(t)に対応する前記時点毎の平均値Md(t)、分散値Vd(t)を求める平均・分散算出手段と、
    (A−1)回までの任意の回数における前記平均値Md(t)、分散値Vd(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zd(t)を求める標準化算出手段と、
    Zd(t)={D(t)−Md(t)}/{Vd(t)}1/2
    前記金型の閉成動作における前記標準化値Zd(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bd(t)を求める積算算出手段と、
    Bd(t)=Zd(t)+Zd(t−1)+Zd(t−2)+・・・+Zd(t−N)
    前記積算値が、予め設定された値B(B>30)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする射出成形機の制御装置。
  6. 電流が予め定められた制限電流に達すると、前記モータに流れる電流を制限する電流制限手段と、
    前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの速度Y(t)を検出する速度検出手段と、
    前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記速度Y(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から読み出した前記速度Y(t)に対応する前記時点毎の平均値My(t)、分散値Vy(t)を求める平均・分散算出手段と、
    (A−1)回までの任意の回数における前記平均値My(t)、分散値Vy(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zy(t)を求める標準化算出手段と、
    Zy(t)={Y(t)−My(t)}/{Vy(t)}1/2
    前記金型の閉成動作における標準化値Zy(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値By(t)を求める積算算出手段と、
    By(t)=Zy(t)+Zy(t−1)+Zy(t−2)+・・+Zy(t−N)
    前記積算値が予め設定された値−B(B>30)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の制御装置。
  7. 電流が予め定められた制限電流に達すると、前記モータに流れる電流を制限する電流制限手段と、
    開放・閉成指令信号に基づいて前記モータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
    前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置P(t)を検出する位置検出手段と、
    前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置P(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から読み出した前記位置P(t)に対応する前記時点毎の平均値Mp(t)、分散値Vp(t)を求める平均・分散算出手段と、
    (A−1)回までの任意の回数における前記平均値Mp(t)、分散値 Vp(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Zp(t)を求める標準化算出手段と、
    Zp(t)={P(t)−Mp(t)}/{Vp(t)}1/2
    前記金型の閉成動作における標準化値Zp(t)を、次式のようにして過去から現時点までの積算値Bp(t)を求める積算算出手段と、
    Bp(t)=Zp(t)+Zp(t−1)+Zp(t−2)+・・・+Zp(t−N)
    前記積算値が、予め設定された値−B(B>30)を下回ることにより異常と判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の制御装置。
  8. 電流が予め定められた制限電流に達すると、前記モータに流れる電流を制限する電流制限手段と、
    開放・閉成指令信号に基づいてモータを駆動して金型を開閉する射出成形機の制御装置において、
    前記金型の開放から閉成に至るまでの工程における、前記閉成指令信号に同期して、多数時点の前記モータの位置を検出位置として求める位置検出手段と、
    位置指令と前記検出位置との差となる位置偏差E(t)に基づいて前記モータを制御する制御手段と、
    前記工程を複数回A繰り返して前記時点毎に対応する前記位置偏差E(t)をそれぞれ記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から読み出した前記位置偏差E(t)に対応する前記時点毎の平均値Me(t)、分散値Ve(t)を求める平均・分散算出手段と、
    (A−1)回までの任意の回数における前記平均値Me(t)、分散値Ve(t)を用いて次式のようにして前記時点毎の標準化値Ze(t)を求める標準化算出手段と、
    Ze(t)={E(t)−Me(t)}/{Ve(t)}1/2
    前記金型の閉成動作における標準化値Ze(t)を過去から現時点までの積算値Be(t)を求める積算算出手段と、
    Be(t)=Ze(t)+Ze(t−1)+Ze(t−2)+・・・+Ze(t−N)
    前記積算値が、予め設定された値B(B>30)を上回ることにより異常と判断する判断手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の制御装置。
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