JP3842055B2 - 軸受荷重計測のための軸受支持構造 - Google Patents

軸受荷重計測のための軸受支持構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸受が支持される軸受ハウジングに取り付けられる超音波探触子から入射波を前記軸受の軸受外輪に向けて発生させ、前記軸受ハウジングと前記軸受外輪との境界位置からの反射波を測定することにより、軸受荷重を測定する軸受荷重計測のための軸受支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
軸受(特に転がり軸受)は、回転する軸を支持する機械要素として良く知られている。軸受の一般的な構成として、内輪と、外輪と、内輪と外輪に挟持されて転動するボールを備えている。外輪の内径部分が軸受ハウジングに形成された嵌合孔に挿入され、内輪の内径部分に回転軸が嵌合される。
【0003】
軸受の寿命を知る方法として、軸受に作用する荷重を測定する方法が考えられる。一般的に機械は運転中に振動や衝撃を伴うことが多く、軸受に作用する荷重を知ることができれば、軸受の寿命(余寿命)を知ることができると考えられる。
【0004】
そこで、軸受に作用する軸受荷重を非接触で計測する方法として、超音波探触子を用いた計測技術が知られている。超音波探触子は、自ら超音波を発生し、調査対象物に反射して跳ね返ってきた反射波(エコー)を受信する。超音波探触子は、上述のごとく軸受ハウジングに取りつけられ、軸受外輪に向けて超音波を発生し、軸受ハウジングと軸受外輪との境界からの反射波を受信する。そして、軸受ハウジングと軸受外輪との密着度が大きい(固体接触面積が大きい)と発せられた超音波は境界から透過し、この透過率は上記密着度に比例する。
【0005】
ここで軸受荷重が大きい時は、密着度が大きくなるので超音波の透過率が大きくなる。透過率が大きくなるということは、反射波の大きさは小さくなる。逆に、軸受荷重が小さい時は、反射波の大きさは大きくなることになる。したがって、この反射波を測定することにより軸受荷重の大きさを推定することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、軸受荷重の計測を行うためには軸受ハウジングの適切な個所に適切な個数だけ超音波探触子を取りつける必要がある。取り付ける超音波探触子の個数は、取りつけ作業の煩雑さやコスト的な面からみるとできるだけ少ない方が好ましい。
【0007】
一方、機械の運転中においては、軸受荷重の作用する方向が変動することがある。例えば、振れまわり現象が発生すると、軸受荷重の作用する方向は上下左右のあらゆる方向が考えられるため、かかる変動する軸受荷重も正確に計測できるような超音波探触子の取付構造が望まれる。
【0008】
また、機械の運転において軸受の内輪の内径部分に結合した軸を回転させる場合は、軸受外輪と軸受ハウジングの嵌合孔との嵌め合いは、<焼きばめ>による嵌合は通常行わない。つまり、軸受外輪と嵌合孔とは<すきまばめ>による嵌合が行われる。そうすると、軸受荷重の作用する方向によっては軸受外輪と軸受ハウジングとの境界に空気層の隙間が生じたり生じなかったりする現象が起こることになる。
【0009】
軸受の嵌合として、すきまばめを採用した場合に、軸受外輪と軸受ハウジングとの隙間が密着する方向に軸受荷重が作用する場合には、反射波の大きさから軸受荷重の大きさを推定することが可能である。しかし、軸受外輪と軸受ハウジングとの隙間が離れる方向に軸受荷重が作用すると、密着度はゼロになる(境界に空気層ができる)ため、軸受荷重が作用しているにもかかわらず無負荷の状態と測定結果が何ら変わらない。これは、空気の音響インピーダンスが軸受外輪や軸受ハウジングに比べて極端に異なることに起因するものである。
【0010】
したがって、運転中に変動荷重が作用することを考慮すれば、荷重が作用する方向(軸受外輪と軸受ハウジングの境界の密着度が高まる方向)に超音波探触子を取り付ける必要がある。そうすると、例えば図8に示すように、上下左右に4つの超音波探触子を取り付ける必要がある。超音波による計測は常時行うものではなく、定期的に行うのが通常である。そうすると、超音波探触子の取り付け作業や取り外し作業が煩雑化する。また、超音波探触子を数多く用意するのはコスト的にも改善の必要がある。
【0011】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、超音波探触子を用いて軸受荷重の計測を行うにあたり、超音波探触子の取り付け個数を必要最小限で済ますことのできる軸受荷重計測のための軸受支持構造を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る軸受荷重計測のための軸受支持構造は、軸受が支持される軸受ハウジングに取り付けられる超音波探触子から入射波を前記軸受の軸受外輪に向けて発生させ、前記軸受ハウジングと前記軸受外輪との境界位置からの反射波を測定することにより、軸受荷重を測定する軸受荷重計測のための軸受支持構造であって、
前記軸受ハウジングに前記軸受外輪が嵌合する嵌合孔が形成されており、前記嵌合孔と前記軸受外輪の間に充填材を介在させていることを特徴とするものである。
【0013】
この構成によると、軸受は軸受ハウジングに形成された嵌合孔に嵌合されるが、嵌合孔と軸受外輪との間に充填材を介在させている。この充填材としては、例えば、軸受外輪や軸受ハウジングと音響インピーダンスが近いものを採用することができる。かかる充填材を介在させることにより、この充填材膜にて超音波の多重反射が起こる。この多重反射が、軸受外輪と軸受ハウジングとの境界位置からの反射波に及ぼす影響は、充填材膜の厚さによって異なる。よって、軸受荷重の作用する方向や大きさの増減に伴い、充填材膜の厚さに変化が生じることにより、軸受荷重の計測を行うことができる。また、この充填材が介在している限り、軸受荷重の作用する方向や大きさにかかわらず、反射波を計測することができる。したがって、軸受荷重の作用する方向を考慮して数多くの超音波探触子を設ける必要はない。
【0014】
以上のように、超音波探触子を用いて軸受荷重の計測を行うにあたり、超音波探触子の取り付け個数を必要最小限で済ますことのできる軸受荷重計測のための軸受支持構造を提供することができた。
【0015】
本発明の好適な実施形態として、前記充填材はゲル状物質であるものがあげられる。
【0016】
機械の運転中は、軸受荷重の作用する方向や大きさの変動により、軸受外輪と軸受ハウジングとの隙間が増大したり減少したりする。したがって、この隙間の変動に充填材が追従する必要がある。ゲル状物質は、弾性的な性質を有しており隙間の変動に対して追従することができる。これにより、安定した充填膜を形成することができ、軸受荷重の計測も精度よく行うことができる。
【0017】
本発明の別の好適な実施形態として、前記ゲル状物質は、少なくとも、前記超音波探触子からの入射波が照射される領域に介在させているものがあげられる。
【0018】
ゲル状物質は、軸受外輪と軸受ハウジングとの嵌合面の全領域にわたって介在させる必要はなく入射波が照射される領域のみでもよい。これにより、測定準備のための労力を軽減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる軸受荷重計測のための軸受支持構造が用いられている軸受荷重推定装置の構成を図面により説明する。図1は、軸受荷重推定装置の構成を示す図である。
【0020】
<軸受荷重推定装置の構成>
軸受ハウジング1の中央部に形成された嵌合孔に軸受2が支持されている。軸受ハウジング1の周辺部を一部カットし、超音波探触子3が取りつけられている。超音波探触子3は左側と右側にそれぞれ1つずつ取り付けられる。軸受2は、転がり軸受であり、外輪20と、内輪21と、外輪20と内輪21との間に挟持される多数個のボール22(転動体)とを備えている。内輪21の内径部分には回転軸4が圧入等の適宜の方法により固定される。また、軸受外輪2の外径部分も軸受ハウジング1に形成された嵌合孔に嵌合される。
【0021】
超音波探触子3は、取付面に対して垂直な方向に横波超音波を発生する。発生した超音波は、軸受外輪20と軸受ハウジング1との境界で反射し、その反射波を受信することができるように構成されている。
【0022】
超音波探触子3は超音波探傷器5と接続されている。超音波探傷器5には、超音波探触子3を駆動する駆動回路や、反射波を受信するための受信回路等が組み込まれている。また、超音波探傷器5はパソコン6に接続されており、超音波探触子3により受信した信号はAD変換されてパソコン6に送信される。パソコン6には、受信した反射波の信号から軸受荷重を推定するプログラムが組み込まれており、このパソコン6が軸受荷重推定装置として機能するように構成されている。
【0023】
<原理の説明>
次に、超音波探触子3を用いて軸受荷重を推定する方法の原理を図2により説明する。図2(a)は超音波探触子3の直下にボール22が位置している状態、(b)は超音波探触子の直下にボール22とボール22の間が位置している状態である。超音波探触子3から発せられた超音波は、軸受ハウジング1と軸受外輪2おとの境界に向かい、一部はその境界から透過し、残りは境界で反射する。この反射波を超音波探触子3により受信する。
【0024】
そして、軸受ハウジング1と軸受外輪20との密着度が大きい(固体接触面積が大きい)と発せられた超音波は境界から透過しやすくなり、この透過率は上記密着度にほぼ比例する。図2(a)のようにボール22が超音波探触子3の直下に位置するときは、密着度が大きくなり反射波の大きさは小さくなる。逆に、(b)のような状態だと密着度が小さくなるため超音波は透過しにくくなり反射波の大きさは大きくなる。また、軸受荷重が大きいときも密着度が大きくなる。
【0025】
本発明において、上記反射波の大きさを定量的に表すために、エコー高さ比と呼ばれる物理量を用いる。エコー高さ比(H)とは、次式により定義される。
【0026】
(式)H=(1−h/h0 )×100
hは外的な軸受荷重(図1にWで示す。)が作用している時のエコー高さであり、h0 は外的な軸受荷重が作用していない時(無負荷時)のエコー高さである。なお100倍しているのは%表示するためであり、これに限定されるものではない。軸受荷重が大きいほど軸受2と軸受ハウジング1との密着度は大きくなり、hは小さくなる(反射波の大きさは小さくなる)ため、エコー高さ比(H)は大きくなる。
【0027】
図3は、回転軸4を回転駆動した場合の観測例を示す図である。縦軸はエコー高さ比を示し、横軸は時間を示す。エコー高さ比曲線は周期的な繰り返し波形(又は正弦波に近い波形)で表されるが、ボール22が超音波探触子3の直下に来たときにエコー高さ比は最大値を示し、ボール22とボール22の間が超音波探触子3の直下にあるときはエコー高さ比は最小値を示す。また、軸受荷重の推定を行う場合のエコー高さ比は、図3に示すような最大値HM または平均値HB を用いる。また、Mm は最小値であるが演算には用いない。
【0028】
<軸受荷重推定装置の主要部の構成>
次に、軸受荷重推定装置として機能するパソコン6の主要部の構成を図4に示す。
【0029】
パソコン6は、表示装置60と、CPU61と、RAM62を有している。また、軸受荷重推定プログラムが格納されているプログラムファイル63と、データファイル64とを有している。これらはデータバスを介して接続されている。軸受荷重推定プログラムは、パソコン6にエコー高さ比算出手段63a、軸受荷重算出手段63b等の機能を実現させるためのプログラムが格納されている。このプログラムは、RAM62に読み込まれた状態で実行される。また、このプログラムはCD−ROMやフロッピーディスク等の記録媒体を用いてパソコン6にインストールすることができる。
【0030】
エコー高さ比算出手段63aの機能については前述したとおりである。また、軸受荷重算出手段63bの機能は、あらかじめ求めておいた軸受荷重とエコー高さ比の関係式から軸受荷重を算出することである。
【0031】
データファイル64には、軸受荷重をゼロに設定したときに得られたエコー高さ(h0 )のデータがエコー高さデータファイル64aとして書き込まれている。また、関係式データファイル64bには、軸受荷重とエコー高さ比との関係式(あるいは関係を表すテーブル)をあらかじめ求めたものが書き込まれている。
【0032】
<軸受支持構造>
次に、軸受2を軸受ハウジング1に対して支持するための構造を説明する。
【0033】
ところで、軸受荷重の計測を行うためには軸受ハウジング1の適切な個所に適切な個数だけ超音波探触子3を取りつける必要がある。取り付ける超音波探触子3の個数は、取りつけ作業の煩雑さやコスト的な面からみるとできるだけ少ない方が好ましい。
【0034】
一方、機械の運転中においては、軸受荷重の作用する方向が変動することがある。例えば、振れまわり現象が発生すると、軸受荷重の作用する方向は上下左右のあらゆる方向が考えられるため、かかる変動する軸受荷重も正確に計測できるような超音波探触子3の取付構造が望まれる。
【0035】
また、機械の運転において軸受2の内輪の内径部分に結合した回転軸4を回転させる場合は、軸受外輪20と軸受ハウジング1の嵌合孔との嵌め合いは、<焼きばめ>による嵌合は通常行わない。つまり、軸受外輪20と嵌合孔とは<すきまばめ>による嵌合が行われる。そうすると、軸受荷重の作用する方向によっては軸受外輪20と軸受ハウジング1との境界に空気層の隙間が生じたり生じなかったりする現象が起こることになる。
【0036】
軸受の嵌合として、すきまばめを採用した場合に、軸受外輪20と軸受ハウジング1との隙間が密着する方向に軸受荷重が作用する場合には、反射波の大きさから軸受荷重の大きさを推定することが可能である。しかし、軸受外輪20と軸受ハウジング1との隙間が離れる方向に軸受荷重が作用すると、密着度はゼロになる(境界に空気層ができる)ため、軸受荷重が作用しているにもかかわらず無負荷の状態と測定結果が何ら変わらない。これは、空気の音響インピーダンスが軸受外輪20や軸受ハウジング1に比べて極端に異なることに起因するものである。
【0037】
したがって、運転中に変動荷重が作用することを考慮すれば、荷重が作用する方向(軸受外輪と軸受ハウジングの境界の密着度が高まる方向)に超音波探触子を取り付ける必要がある。そうすると、例えば図8に示したように、上下左右に4つの超音波探触子を取り付ける必要がある。超音波による計測は常時行うものではなく、定期的に行うのが通常である。そうすると、超音波探触子の取り付け作業や取り外し作業が煩雑化する。また、超音波探触子を数多く用意するのはコスト的にも改善の必要がある。
【0038】
そこで本発明においては、軸受外輪20と軸受ハウジング1の嵌合孔の間(境界)に充填材としてゲル状物質Gを介在させる構造を採用している。これを図5に概念的に示す。軸受荷重の変動が起こると、軸受ハウジング1と軸受外輪20の隙間の大きさも増大したり減少したりしようとする。ゲル状物質Gは、弾性的な性質を有しており。隙間の変動に十分に追従することができる。
【0039】
ゲル状物質Gを介在させると、図5に示すように、ごく薄い膜厚間で多重反射が発生する。つまり、超音波探触子3から発せられた入射波Iは、境界で多重反射して1次反射波a、2次反射波b、3次反射波c、4次反射波d・・・を発生する。これらの反射波が重畳された形でエコー高さ比として検出される。つまり、ゲル状物質Gが介在している限り、反射波を計測することができるので、軸受荷重の作用する方向にかかわらず軸受荷重の計測を行うことができる。
【0040】
図1の構成例では、左右に一対の超音波探触子3を設けているが、これは偏荷重を測定するためである。図1に示す軸受荷重Wが上下垂直方向に作用している場合は、右側のエコー高さ比HR から求められる軸受荷重と左側のエコー高さ比HL から求められる軸受荷重とは等しくなるはずであるが、偏荷重が作用している場合は左右で異なる軸受荷重が計測される。よって、偏荷重の計測を行う場合は左右に超音波探触子3を設ける必要がある。なお、偏荷重の測定を行わないような場合には超音波探触子3は1つだけ取り付ければよい。
【0041】
また、充填材としてのゲル状物質を介在させることにより、安定的に境界に膜を形成することができる。軸受荷重の変動に伴い、ゲル状物質の膜厚は変動するが、膜厚の変動に伴い気泡が混入すると反射波の大きさがかなり変わってくる。これは空気のインピーダンスが軸受外輪20や軸受ハウジング1とは大きく異なるからである。従って、膜厚が切れて空気が介在することのないようにすることが好ましい。
【0042】
そのためには、軸受荷重の変動による隙間の変動が生じても、膜が破壊したりせず安定した多重反射を保証することのできる膜を形成させなければならない。かかる充填材としては、音響インピーダンスが軸受ハウジング1や軸受外輪20に近い値を持ち、膜部における超音波の減衰が少なく、できるだけ膜中に気泡が混入されないものが好ましい。ゲル状物質としては、例えば商品名スターゲル(三ツ星製)があげられる。
【0043】
<ゲル状物質の充填方法>
ゲル状物質の注入(充填)は、軸受2を軸受ハウジング1に組み付けた後に行う。例えば、溶剤で溶かした充填材(例えば、スチレン系樹脂に多量のオイルを含有させたもの)を注射器等で注入する。ゲル状物質の形成場所は、少なくとも、超音波が入射される領域であるが、軸受外輪20の外周全域にわたって注入するようにしてもよい。なお、軸受ハウジング1と軸受外輪20の境界への潤滑油の混入を防ぐために、ゲル状物質により境界面全域をシールすることが好ましい。
【0044】
また、注射器により溶剤で溶かした充填材を注入する場合に、ゲル化のため多少の気泡が混入することもありうるが、気泡が混入した膜の性状が運転時間により変化せず、気泡の含有率が変化しないのであれば、多少の気泡の混入は許容することができる。注入方法としては、注射器によるのではなく、刷毛塗りによる方法やスプレーによる注入方法など適宜の方法を採用することができる。
【0045】
軸受ハウジング1には、割型により構成されるものがある。例えば、嵌合孔の中心で下側ハウジングと上側ハウジングとを組み合わせる構成である。かかる構成の場合は、軸受2を組み付ける前にゲル状物質を注入することが可能である。軸受2を組み付ける前にあらかじめ、嵌合孔の内周や軸受外輪の外周の該当個所にスプレーや刷毛によりゲル状物質の膜を容易に形成することができる。
【0046】
<軸受荷重の推定(計測)>
上記のようにしてゲル状物質を充填させた状態で機械を運転し、反射波を計測する。なお、反射波からエコー高さ比を求め、関係式データファイル64bに格納されている関係式に基づいて軸受荷重を演算(推定)する。この関係式はあらかじめ求めておくものである。つまり、ゲル状物質を介在させた状態で軸受を軸受ハウジングに組み付け、既知の軸受荷重を作用させる。この既知の軸受荷重を作用させたときのエコー高さ比を求めて両者の関係式を求めておく。
【0047】
この関係を表したものの一例が図7に示される。既知の軸受荷重として、5000N,10000N,15000N,20000Nの4通りを作用させている。グラフの縦軸がエコー高さ比H(%)、横軸が軸受荷重W(N)である。データとしてグラフに示すように、左右の平均値、左右の最大値、左右の最小値がプロットされている。なお、平均値、最小値、最大値については図3を参照のこと。この図からも明らかなように、エコー高さ比の最大値と平均値のいずれも軸受荷重とほぼ比例関係にあることが理解される。したがって、これらのデータから軸受荷重とエコー高さ比の関係式(直線式)を数学的に求めることができる。
【0048】
以上のようにしてあらかじめ求められた関係式に基づいて、実際に得られたエコー高さ比から未知の軸受荷重を演算により求めることができる。
【0049】
<別実施形態>
(1)本実施形態では充填材としてゲル状物質を説明したが、グリースを用いることも可能である。グリースとしては、できるだけ粘性の強いものが好ましい。
【0050】
(2)本発明が適用される軸受は特定の構造の軸受に限定されるものではない。例えば,通常の玉軸受だけでなくアンギュラ玉軸受にも応用することができる。例えば、ボールは単列ではなく複列の場合にも応用することができる。
【0051】
(3)本実施形態では、軸受荷重推定プログラムについてのみ説明しているが、このプログラムが他の目的のプログラムと一体になっていても良い。既に説明したように、左右の超音波探触子3から得られるデータから偏荷重を得ることができるので、かかる機能を有するプログラムと一体になっていても良い。さらに別の機能を有するプログラムと一体になっていても良い。もちろん、このプログラムが記録される記録媒体についても同様である。
【0052】
(4)超音波探触子3については図1の構造に限定されるものではなく、図6に示すような斜角探触子3’を用いても良い。斜角探触子3’は、軸受ハウジング1の外周部ではなく正面部(回転軸に直交する面内)に取り付けられる。斜角探触子3’から発せられる超音波は角度θをもって軸受ハウジング1と軸受外輪20の境界に到達し、一部は透過し一部は斜角探触子3に向かって反射される。この取り付け構成の利点は、軸受ハウジング1に機械加工を施さなくて済む点である。
【図面の簡単な説明】
【図1】軸受荷重推定装置の構成を示す概念図
【図2】軸受荷重を推定する方法の原理を説明する図
【図3】観測例を示す図
【図4】軸受荷重推定装置の主要部の構成を示す図
【図5】ゲル状物質を介在させた軸受支持構造を説明する図
【図6】斜角探触子の構成を示す図
【図7】観測結果を示すグラフ
【図8】超音波探触子の取り付け例を示す図
【符号の説明】
1 軸受ハウジング
2 軸受
3 超音波探触子
20 外輪
21 内輪
22 ボール
63 プログラムファイル
63a エコー高さ比算出手段
63b 関係式算出手段
63c 予荷重算出手段

Claims (1)

  1. 軸受が支持される軸受ハウジングに取り付けられる超音波探触子から入射波を前記軸受の軸受外輪に向けて発生させ、前記軸受ハウジングと前記軸受外輪との境界位置からの反射波を測定することにより、軸受荷重を測定する軸受荷重計測のための軸受支持構造であって、
    前記軸受ハウジングに前記軸受外輪が嵌合する嵌合孔が形成されており、前記嵌合孔と前記軸受外輪の間に充填材を介在させていることを特徴とする軸受荷重計測のための軸受支持構造。
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