JP3438403B2 - 転がり軸受の振動測定装置 - Google Patents

転がり軸受の振動測定装置

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JP3438403B2
JP3438403B2 JP10685295A JP10685295A JP3438403B2 JP 3438403 B2 JP3438403 B2 JP 3438403B2 JP 10685295 A JP10685295 A JP 10685295A JP 10685295 A JP10685295 A JP 10685295A JP 3438403 B2 JP3438403 B2 JP 3438403B2
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博之 松崎
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は転がり軸受の振動(変
位、速度、加速度の変動や弾性波)を検出する転がり軸
受の振動測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、転がり軸受の振動測定装置と
して、外輪又は内輪を回転駆動する駆動手段、外輪また
は内輪の振動または弾性波を検出する振動ピックアッ
プ、および振動ピックアップで検出された信号を解析す
る周波数変換器を備えたものが知られている。 【0003】上記構成を有する振動測定装置は、検出さ
れた振動(変位、速度、加速度の変動や弾性波(AE信
号))を分析し、例えば、転がり軸受の軌道輪(内輪ま
たは外輪)や転動体(各種ころまたは玉)の転走面の
傷、面粗さ、ウェービネス、形状不良や異物混入の有無
等を調べたり、耐久試験等において軸受に異状が生じな
いか監視したりする。 【0004】この従来の振動測定装置は接触角を持たな
い軸受(例えば、円筒ころ軸受、ニードル軸受、玉ある
いはころタイプの水ポンプ軸受等)に対して外輪にラジ
アル荷重やモーメント荷重をかけ、局所的にころ等の転
動体と軌道輪との間のすきまをなくした状態で軸受を駆
動し、軸受単体の振動評価を行なうようにされている。
また、接触角を有する軸受(例えば、玉軸受等)に対し
ては軸受の寸法に応じた軸方向の荷重を負荷した状態で
軸受を駆動し、軸受単体の振動評価を行なうようにされ
ている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
転がり軸受の振動測定装置では以下に掲げる問題があっ
た。接触角を持たないころ軸受等の軸受においては外輪
に対して局所的にラジアル荷重またはモーメント荷重を
かけることで、部分的に転動体と軌道軸との間にすきま
のない負荷圏を形成することができる一方、その他の部
分では転動体と軌道輪との間にすきまが生ずる非負荷圏
が形成されてしまう。この状態で軸受を駆動すると、転
動体が負荷圏から非負荷圏に移行する境界で転動体が軌
道輪と衝突する、いわゆる「ころ落ち」と呼ばれる現象
が生じ、これにより衝撃的な振動が発生する。図8は測
定された振動信号のグラフである。衝撃的な振動による
大きなピーク信号iが発生しており、これが転走面の傷
等、評価したい情報に混ざってしまうため軸受の振動評
価を困難なものにしていることが分かる。また、衝撃が
比較的軽微な場合であってもころのすべり等によって正
しい評価が難しくなる。 【0006】さらに、従来の振動測定装置では、固定輪
全周に亘って評価するために固定輪を少しずつ回転さ
せ、負荷圏を移動することも考えられるが、全測定時間
が長くなることや固定輪を回転させてから測定すること
をくりかえすために振動測定装置が複雑な制御を行なう
構成になってしまうといった問題もあった。 【0007】また一方では、つぎのような問題もあっ
た。接触角を有する玉軸受等の軸受を実際に使用する装
置に取り付ける場合、運転時のクリープ防止のためにし
ばしば締まりばめで使用していた。このような状態では
内輪又は外輪側に弾性変形するので接触角は減少し、鋼
球等の転動体の走行位置は軌道輪の溝中央よりにずれ
る。この軸受単体の振動評価時の接触角と実用下でのそ
れとの相違はしばしば問題となっているが、これまで有
効な手段がなかった。 【0008】以上のような問題を解決するため、測定対
象の転がり軸受の嵌合部の寸法(内輪等が嵌合される取
付軸の外径や外輪を取付けるハウジングの内径)を、転
がり軸受を嵌合した状態での軸受すきまが所定の値(接
触角を持たない転がり軸受の場合は零、接触角を有する
転がり軸受の場合は、所定の軸方向荷重を負荷した状態
で接触角が予め設定された角度となるようなすきま量)
となるような寸法に仕上げるためには、極めて精密な加
工を要する。また、設計寸法は同じでも転がり軸受毎に
寸法にはばらつきがあるため、測定対象が変わるたびに
嵌合部をこれに合ったものにしなければならない等の困
難も生じる。さらに締代を過大にすると軌道輪や転動体
の形状等に影響を及ぼすような変形を生じ、正しい評価
ができなくなる場合がある。 【0009】そこで、本発明はかかる問題を解決し、転
がり軸受の振動測定を正確に行なえる振動測定装置を提
供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の転がり軸受の振動測定装置は少なくとも1
つの軌道輪と複数の転動体を有する転がり軸受が嵌合さ
れる保持部材と、該保持部材に嵌合された前記転がり軸
受を駆動し、前記軌道輪に対して前記複数の転動体を転
がり運動させる駆動手段と、前記転がり軸受の振動を検
出する振動検出手段とを備えた転がり軸受の振動測定装
置において、前記転がり軸受が嵌合された保持部材を半
径方向に一様に弾性変形させる変形手段と、前記転がり
軸受と前記保持部材との嵌合状態を示す状態量を検出す
る嵌合度検出手段と、該嵌合度検出手段によって検出さ
れた嵌合状態を示す状態量に応じた軸受すきま量が所定
量に達するまで前記変形手段による弾性変形を許可する
変形制御手段とを備える。 【0011】 【作用】本発明の転がり軸受の振動測定装置では、保持
部材に転がり軸受が嵌合した状態で駆動手段により転が
り軸受を駆動し、前記軌道輪に対して前記複数の転動体
を転がり運動させ、振動検出手段により前記転がり軸受
の振動を検出する。この際に、変形手段により前記転が
り軸受が嵌合された保持部材を半径方向に一様に弾性変
形させ、嵌合度検出手段により前記転がり軸受と前記保
持部材との嵌合状態を示す状態量を検出し、該検出され
た嵌合状態を示す状態量に応じた軸受すきま量が所定量
に達するまで変形制御手段により前記変形手段による弾
性変形を許可する。 【0012】したがって、変形手段による保持部材の弾
性変形につれて変形する軌道輪の形状を崩すことなく、
軌道輪に半径方向に一様に弾性変形を与えることがで
き、外輪の場合には軌道輪は収縮し、内輪の場合には膨
脹する。これにより、振動測定装置に組み込まれた転が
り軸受の軸受すきまを所定量に調整する。 【0013】 【実施例】本発明の転がり軸受の振動測定装置の実施例
を図面に基づいて説明する。 【0014】[第1実施例]図1は第1実施例の転がり
軸受の振動測定装置を概略的に示す構成図である。本実
施例の振動測定装置1は特許請求の範囲でいうところの
保持部材としての公知のシュリンク型チャック5、スピ
ンドル14およびサーボモータ16を主要な機械要素と
して構成される。チャック5は測定対象のころ軸受2を
把持するものであり、ころ軸受2の内輪3にはスピンド
ル14の先端に取り付けられたアーバ13が装着され
る。スピンドル14はカップリング15を介してサーボ
モータ16の回転軸に接続される。スピンドル14およ
びサーボモータ16は図示しないボールねじ等のスライ
ド機構によってその軸方向に移動自在な構成とされてい
る。 【0015】また、チャック5のころ軸受2を把持する
外輪拘束部5aの内側の面には環状溝5bが形成されて
いる。図2は外輪拘束部5aの構造を示す断面図であ
る。この環状溝5bには肉厚の薄い円環状のシェル18
が装着されており、シェル18はころ軸受2の外輪4と
接触しており、後述する油圧装置21からの背圧を受け
て半径方向に収縮する。チャック5の内部には環状溝5
bとその上部のポート5dとを接続する連通路5cが形
成されており、連通路5cは油密状態に保持されてい
る。油圧装置21は油圧シリンダからなるブースタ2
3、サーボバルブ25、油圧ポンプ27および油圧コン
トローラ29を備え、チャック5の上部のポート5dに
通じる油圧を制御する。 【0016】サーボモータ16はサーボコントローラ3
1によって制御されるACサーボモータであり、その回
転軸にはロータリエンコーダ(図示せず)が取り付けら
れている。サーボコントローラ31はコンピュータ35
から一定の速度指令信号を受け、ロータリエンコーダか
らのパルス信号に応じてサーボモータ16の位置フィー
ドバック制御および速度フィードバック制御を行なう。 【0017】チャック5の外輪拘束部5aの外側の面に
は振動検出手段としての振動ピックアップ41が取り付
けられており、この振動ピックアップ41は外輪4から
半径方向や軸方向に伝幡する振動を検出し、その信号は
アンプ部44とA/D変換器51とからなる信号測定部
45に出力される。アンプ部44は増幅器とローパスフ
ィルタを備え、アンプ部44によって増幅された信号は
A/D変換器46に送られる。コンピュータ35はA/
D変換器51によりディジタル信号に変換された信号に
基いて振動の周波数解析を行なう。 【0018】つぎに、本実施例の転がり軸受の振動測定
装置の測定手順について説明する。測定に際して、スラ
イド機構によりスピンドル14を退避しておき、測定対
象のころ軸受2をチャック5の外輪拘束部5aの内側に
挿入し、スピンドル14を近付けてその先端に設けられ
たアーバ13をころ軸受2の内輪3に嵌合する。 【0019】さらに、ころ軸受2の軸受すきまを零にす
るために、油圧装置21を作動させてシェル18を収縮
させる。シェル18の収縮量はシェル18ところ軸受2
の外輪4とのすきま及び軸受2の軸受すきまにより決定
される。また、シェル18を収縮するのに必要な圧力は
円筒の弾性変形理論(例えば機械工学便覧 第4編材料
力学 P98〜参照)により、例えばFEM(有限要素
法)により外圧(または内圧)に対する円筒の半径方向
の変位量の関係より導かれる。また、軸受すきまは一定
の分布を有し、また1個の軸受についてもころ寸法は相
互差を有するために軸受すきまが零となるシェル収縮条
件は個々の軸受により異なる。従って、軸受すきまを零
とし、ころと軌道面の間に過大な面圧が生じないように
チャック圧(シェル18の背圧)を制御する必要があ
る。 【0020】図3はチャック圧の制御を行なう振動測定
ルーチンを示すフローチャートである。この振動測定ル
ーチンはコンピュータ35によって実行される。まず、
コンピュータ35は油圧装置21に対して外輪収縮開始
を出力して(ステップS1)、外輪4を軽くクランプす
る(ステップS2)。外輪4が滑らないように保持され
た状態にしてサーボモータ16を一定回転まで立ち上げ
る(ステップS3、S4)。ついで、コンピュータ35
は油圧装置21に対して増圧信号を出力して徐々にチャ
ック圧を上げると(ステップS5,S6)軸受トルクは
変化する。 【0021】図4はチャック圧に対して軸受トルクが変
化するグラフである。チャック圧がa〜b間にあるとき
はころ軸受2がすきま状態にあり、軸受トルクはグリー
スの粘性抵抗が主である。さらに、チャック圧が高まっ
てb点でころと軌道輪が接触を始めると、トルクは急に
増加する。c点を越えると軸受トルクの増加が急に小さ
くなるので、この変曲点cでほぼ全数のころが接触した
とみなすことができる。この変曲点cでチャック圧を保
持し(ステップS7)、ころ軸受2からの振動を振動ピ
ックアップ41で検出し、周知の信号処理を行なって判
定を行なう(ステップS8)。ここで、ステップS5,
S6において軸受トルクはサーボモータ16の電機子電
流をモニタすることにより得ることができる。すなわ
ち、周知の通り、モータの電機子電流は負荷トルクに比
例する。このことを利用し、予めサーボモータ16の電
機子電流から負荷トルクの値を求める比例定数を求めて
コンピュータ35のメモリに蓄えておき、コンピュータ
35は、サーボコントローラ31から入力される電機子
電流値に前記比例定数を乗算し、負荷トルク値を得る演
算を行う。また、コンピュータ35は連続的に入力され
る電機子電流を所定のサンプリング周期(チャック増圧
の速度に対し十分小さく、かつ上記演算およびトルクチ
ェックの演算に必要な時間を考慮した周期)毎に取込
み、上記演算を繰り返す。また、前記c点に達したかど
うかの判断方法としては、例えば予め所定トルク値(図
4のb,c間のできるだけc側寄りの点に対応するトル
ク値)を越えた時点をもって達したと判断する方法や、
前回測定値との差分の変動をみることにより判断する方
法等がある。また、上記のように、負荷トルクは電機子
電流に比例すること、および負荷トルクの絶対値は必要
ないこと(図4の変曲点cがわかればよい)から、上記
のような演算を省略し、直接電機子電流について上記の
ような判断方法を適用してもよい(実質的に負荷トルク
の変動で軸受すきまの状態を知るのと同じことであ
る)。測定を終了すると、サーボモータ16の駆動を停
止し(ステップS9)、チャック圧を開放して(ステッ
プS10)本ルーチンを終了する。 【0022】上記第1実施例においては、請求項1に係
る転がり軸受の嵌合状態を示す状態量は軸受トルクであ
り、嵌合状態における軸受すきま量の所定値は零であ
る。 【0023】本実施例の振動測定装置1によれば、ころ
と軌道輪が衝突するいわゆる「ころ落ち」を防止でき、
正しい振動評価を得ることができる。 【0024】[第2実施例]つぎに、第2実施例の転が
り軸受の振動測定装置について説明する。図5は第2実
施例の振動測定装置の機械的構成を示す断面図である。
本実施例の振動測定装置51は前記第1実施例の測定対
象であるころ軸受と異なり、玉軸受を測定対象とするも
のである。図6は玉軸受52の構造を示す断面図であ
る。玉軸受52は接触角αを有する転がり軸受の一種で
あり、外輪53、内輪55および外輪53の軌道53a
と内輪55の軌道55aの間に転動体である複数の玉5
6を有する。振動測定装置51はスピンドル67、外輪
押圧装置84、ブースタ86およびサーボモータ69を
機械要素として構成する。 【0025】スピンドル67の一端面の中心部にテーパ
孔が形成されており、アーバ66が嵌合される。公知の
エキスパンド型チャックを構成する特許請求の範囲でい
うところの保持部材としてのアーバ66は玉軸受52の
内輪55に嵌合される。スピンドル67を回転自在に支
持する軸受構造78としては、静圧気体軸受、磁気軸
受、超電導軸受などスピンドル67の回転に伴って振動
を発生しない構造のものであればいずれを使用しても差
し支えない。 【0026】玉軸受52の内輪55と接するアーバ66
の先端部66aの側面には環状溝66bが形成されてお
り、この環状溝66bの外側にはシェル74が外嵌され
ている。環状溝66bの内側にはシェル74を変形させ
る油圧の連通路66cが形成されており、連通路66c
の後部にはピストン72が設けられており、ピストン7
2を押圧することにより連通路66c内の油圧が調節さ
れる。ピストン72の後部には油圧シリンダ86aを備
えたブースタ86が設けられている。油圧シリンダ86
aはシリンダ室86cにピストン86dが設けられたも
のであり、図1と同様の油圧発生回路から油圧の供給を
受ける(図示せず)。従って、ブースタ86によってピ
ストン72を押すことで玉軸受52が嵌合されたアーバ
66の先端部66a側面のシェル74が半径方向に膨脹
する。シェル74が膨脹する圧力を受けて玉軸受52の
内輪55も半径方向に膨脹し、接触角αは減少する。 【0027】また、スピンドル67はサーボモータ69
により回転駆動自在となっており、スピンドル67の後
部に固定された従動プーリ80とサーボモータ69の出
力軸に固定した駆動プーリ81との間にベルト82が掛
け渡されている。サーボモータ69の通電によりスピン
ドル67は、たとえば1800rpm程度の一定速度で
回転する。 【0028】外輪押圧装置84はアーバ66に支持され
た玉軸受52の外輪53の端面に対向した状態で固定さ
れる。この外輪押圧装置84は予圧シリンダ84aと揺
動継手84bと押圧リング84cとを有する。予圧シリ
ンダ84aに嵌装された予圧ピストン84dにロッド8
4eの基端部を固定し、このロッド84eの先端部に揺
動継手84bを結合している。この揺動継手84bは2
枚の板片84f、84gの間に1個の球体84hを挟持
することで両板片84f、84g同士の揺動変位を自在
としたものである。 【0029】前記押圧リング84cは玉軸受52と対向
する一方の板片84fの側面に緩衝材84iを介して支
持される。この押圧リング84cは予圧シリンダ84a
のシリンダ室84jへの圧力流体の送り込みに伴って玉
軸受52の外輪53の端面に押し付けられ、この外輪5
3を軸方向に押圧する。この押圧により内輪55がサー
ボモータ69の通電によって回転した場合においても、
この外輪53が回転するのを防止するとともに、所定の
軸方向予圧が玉軸受52に負荷される。 【0030】揺動継手84bはこの押し付け作業時に押
圧リング84cを外輪53の端面に、全周に亘って均等
な力で押し付ける役目を有する。緩衝材84iは予圧シ
リンダ84aや揺動継手84bで生じる振動が外輪53
に伝達されるのを防止する。押圧リング84cを軸方向
に押圧するための手段は予圧シリンダに代えてソレノイ
ド等、他の機構とすることもできる。 【0031】振動ピックアップ83の測定子83aは外
輪53の外周面に当接している。この振動ピックアップ
83は外輪53の半径方向に伝幡する振動を測定する。
図5の振動測定装置51は機械要素部分だけを示してお
り、振動ピックアップ83からの出力信号を測定する信
号測定部、油圧シリンダ86a、予圧シリンダ84aを
駆動する油圧装置、およびサーボモータ69を駆動する
サーボコントローラの構成は前記第1実施例と同様なの
で、その説明を割愛する。 【0032】つぎに、振動測定装置51の測定動作につ
いて説明する。図7は第2実施例の振動測定ルーチンを
示すフローチャートである。本ルーチンは前記第1実施
例と同様のコンピュータ(図示せず)によって実行され
る。 【0033】まず、外輪押圧装置84を駆動し、玉軸受
52の外輪53を緩衝材84iおよび振動絶縁された押
圧リング84cを介して軸方向に予圧する(ステップS
11)。つづいて、サーボモータ69を駆動して玉軸受
52の内輪55を回転させる(ステップS12)。玉軸
受52の回転に従って発生する外輪53の半径方向の振
動を振動ピックアップ83によって検知する(ステップ
S13)。検知された振動信号に基いて接触角αを演算
する(ステップS14)。接触角αの演算は特開平4−
364408号公報に記載されている周知の算出方法で
ある。即ち、接触角αは数式1により算出される。 【0034】 【数1】 ここで、Daは玉56の外径であり、dmは玉56の公
転軌道のピッチ直径であるので、これらのDa、dmの
値は製造時に定まる既知の寸法である。また、fc、f
rはそれぞれ玉56の公転周波数、内輪53の回転周波
数であり、以下の理由によりコンピュータ(図示せず)
によって算出される。 【0035】玉56および内輪55の回転周波数が求め
られる理由について説明する。玉軸受52を構成する各
部材は極めて精密に仕上げられるが、その表面形状並び
に寸法には極僅かの誤差を生じている。例えば、外輪5
3の軌道は回転中心に対して極僅かながら偏心してい
る。この偏心により回転周波数成分に振動が生じる。外
輪53の半径方向の振動を測定することにより内輪55
の回転周波数を知ることができる。また、玉軸受52に
組み込まれる複数の玉56の外径は同じ筈であるが、製
造誤差により完全に外径を揃えることは難しい。外径が
微妙に異なる複数の玉56の公転によつて外輪53が半
径方向に振動する。この振動の周波数は玉52の公転周
波数成分を含んでいるので、振動の周波数を求めれば玉
56の公転周波数が求められる。 【0036】すなわち、特開平4−364408号公報
に開示のごとく一定回転で回転するアーバが軸受の内輪
内側に挿入されると、内輪はアーバと共に回転し、この
内輪の回転に伴って保持器によって円周方向に等しく配
せられた転動体は内輪の回転方向に公転する。このと
き、外輪は静止しており、外輪の外周面に軸受の振動を
電気信号に変換する振動ピックアップを当接する。 【0037】かかる振動ピックアップによって検知され
る振動には、複数の転動体の公転及び外内輪軌道のうね
りにより、ラジアル方向、角方向、アキシアル方向に振
動する信号が混在して得られる。 【0038】これらの振動の周波数は上記転動体の公転
周期及び転動体の公転周波数fcの整数倍の周波数に一
致することから、前記振動の周波数から公転周波数fc
を求めることができる。 【0039】そして、外輪または内輪の上記3方向の何
れかの方向の振動の周波数を求めれば、公転周波数fc
が分かり内輪の回転周波数fr(rev/sec、条件
一定)が既知であるから、これにより既知のdm,Da
を与えることによりfcとαの関係が数式1により演算
することができる。 【0040】つまり、前記振動ピックアップから得られ
る上記3方向の振動の信号の1つからfcが求まり、数
式1を用い、fc/frを与えればαが演算により求め
ることができることが知られている。 【0041】演算された接触角αが所定の接触角αA に
なるまで、シェル74を変形させる圧力をブースタ86
によってピストン72を押圧することで制御し(ステッ
プS15、S16、S17)、α=αAとなったところ
でその圧力を保持して内輪55の膨脹を維持する。内輪
55を膨脹させた状態で玉軸受52の外輪55の半径方
向または軸方向振動を検出し、軌道輪、鋼球走行跡内に
存在する傷や形状等の欠陥を判定する(ステップS1
8)。 【0042】なお、軸方向荷重の値を特に所定の値に決
める必要のない場合は、外輪押圧装置84による押圧力
を制御し、接触角αが所定値となるようにしてもよい。
すなわち、まず、ブースタ86により軸受を嵌合状態と
し、次に外輪押圧装置84による押圧力を増圧しながら
接触角αをチェックするようにしてもよい。チェック方
法としては、接触角αが所定の接触角αAに達したか否
かを判別する方法などが挙げられる。また、両方を併用
してもよい。 【0043】このように、本実施例の振動測定装置51
によれば実際の使用状態に合った嵌合条件で玉軸受単体
の振動評価を行なうことができる。 【0044】上記第2実施例においては、請求項1に係
る転がり軸受の嵌合状態を示す状態量は内輪の回転周波
数及び玉の公転周波数及びこれらより演算される接触角
であり、嵌合状態における軸受すきま量の所定値は、所
定の軸方向予圧下における接触角が所定の値である場合
に対応する一義的なすきま量である。 【0045】尚、前記各実施例において、振動検出手段
としては、例えば、AEセンサ、圧電素子、光学的変位
計、速度計、加速度計等を用いることができる。また、
複数取り付けてもよく、外輪の対称の位置に取り付けて
振動以外に共通する雑音信号を減算して検出精度を高め
てもよいし、軸方向の振動を検出するために軌道輪の側
面に取付けてもよい。さらに、外輪の圧縮や内輪の膨脹
を、本実施例では油圧装置を用いて行っていたが、油圧
装置の代わりにコレットチャックを使用してもよい。 【0046】また、前記第1実施例においては、測定対
象を円筒ころ軸受としているが、接触角を持たないタイ
プの転がり軸受であれば他の種類でも構わず、例えば内
輪のないタイプのニードル軸受等も対象とすることがで
きる。さらに同実施例では、変形手段をハウジングに設
けられているが、例えば第2実施例のようなアーバの外
径を膨張させるようなものとしてもよい。また、内輪を
駆動するようにしているが、内輪を固定とし外輪を回転
させ、内輪の振動を測定するようにしてもよい。 【0047】また、前記第2実施例においては、測定対
象をアンギュラ玉軸受としているが、接触角を有するタ
イプのものであれば他のものでもよく、深溝玉軸受等の
玉軸受の他にも円すいころ軸受等にも適用できる。ま
た、外輪をハウジングに嵌合させ、変形手段をハウジン
グに設けても構わない。その他、第1実施例と同様の変
更が可能である。 【0048】さらに、嵌合状態を示す状態量及びその検
出手段も上記各実施例に限定されるものではなく、前記
状態量から一義的に軸受すきまを導き出せるものであれ
ばよい。例えば第1実施例ではトルクを別の方法(例え
ば歪ゲージ等を使用)により検出してもよい。 【0049】すなわち、振動測定装置に嵌合した状態に
おける測定対象の転がり軸受の軸受すきまが所定値とな
るようにハウジングまたは取付軸を半径方向に一様に変
形するように制御できる変形制御手段を有するものであ
れば本願発明の範囲を逸脱するものではない。 【0050】 【発明の効果】本発明の転がり軸受の振動測定装置によ
れば、軌道輪の形状を崩すことなく、軌道輪に半径方向
に一様に弾性変形を与え、転がり軸受の軸受すきまを所
定量に調整した状態で駆動手段により転がり軸受を駆動
して転がり軸受の振動を振動検出手段によって検出する
ので、転がり軸受の振動測定を正確に行なうことができ
る。 【0051】即ち、円筒ころ軸受などの接触角を持たな
い軸受では軌道輪全周に亘って負荷圏を形成することが
でき、全転動体が軌道輪とすきまのない状態で確実な接
触状態を得ることができる。その結果、いわゆる「ころ
落ち」現象による衝撃の発生がなくなり、転動体が転動
する外輪の軌道と内輪の軌道との間の転送面内に傷が付
いたり、異物が混入したりする等の欠陥を精度良く検出
できるようになる。 【0052】併せて、転動体と軌道輪の局所的な接触か
ら全周の接触になることで、軌道輪と転動体の接触面の
欠陥を確実に検出でき、1回のセットで固定輪全周に亘
っての評価が可能になる。したがって、固定輪を回転さ
せて負荷圏を移動させては測定を繰り返すといった場合
に較べて、測定時間を短縮できる上に制御構成を簡単に
できる。 【0053】また、玉軸受等の接触角を持つ軸受では測
定時における軸受の接触角を実際に使用される締まりば
め等の嵌合状態における接触角と揃えることができるの
で、実際の使用状態に合致した軸受単体の振動評価を行
なうことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】第1実施例の転がり軸受の振動測定装置を概略
的に示す構成図である。 【図2】外輪拘束部5aの構造を示す断面図である。 【図3】チャック圧の制御を行なう振動測定ルーチンを
示すフローチャートである。 【図4】チャック圧に対して軸受トルクが変化するグラ
フである。 【図5】第2実施例の振動測定装置の構成を示す断面図
である。 【図6】玉軸受52の構造を示す断面図である。 【図7】第2実施例の振動測定ルーチンを示すフローチ
ャートである。 【図8】軸受すきまがある状態で測定された振動信号の
概略図である。 【符号の説明】 1 … 振動測定装置 2 … ころ軸受 3 … 内輪 4 … 外輪 18 … シェル 21 … 油圧装置 41 … 振動ピックアップ 45 … 信号測定部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−128424(JP,A) 特開 昭59−188535(JP,A) 特開 昭60−122327(JP,A) 特開 平4−244620(JP,A) 特開 平4−364408(JP,A) 特開 平5−10835(JP,A) 特開 平5−126628(JP,A) 特開 平5−256635(JP,A) 実開 平5−66538(JP,U) 実開 平6−21803(JP,U) 実公 昭47−9904(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01H 1/00 - 1/16 G01H 17/00 G01M 13/04 F16C 19/52

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも1つの軌道輪と複数の転動体
    を有する転がり軸受が嵌合される保持部材と、 該保持部材に嵌合された前記転がり軸受を駆動し、前記
    軌道輪に対して前記複数の転動体を転がり運動させる駆
    動手段と、 前記転がり軸受の振動を検出する振動検出手段とを備え
    た転がり軸受の振動測定装置において、 前記転がり軸受が嵌合された保持部材を半径方向に一様
    に弾性変形させる変形手段と、 前記転がり軸受と前記保持部材との嵌合状態を示す状態
    量を検出する嵌合度検出手段と、 該嵌合度検出手段によって検出された嵌合状態を示す状
    態量に応じた軸受すきま量が所定量に達するまで前記変
    形手段による弾性変形を許可する変形制御手段とを備え
    たことを特徴とする転がり軸受の振動測定装置。
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