JP2004108406A - 転がり軸受の回転精度の測定方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測定装置11は、外輪3の端面を位置決め固定する基準平面26aと、中心軸線を転がり軸受2の中心軸に揃えて回転可能に装備されて先端を内輪4の端面に押圧接触する荷重軸30と、該荷重軸30の先端に装備されたマスターボール37と、内輪4の内周面の半径方向の変位を測定する第1の変位測定器39と、マスターボール37の半径方向変位を測定する第2の変位測定器38と、荷重軸30と伴に回転しながらマスターボール37に対する外輪3の外周面の半径方向変位を測定する第3の変位測定器51と、これら各測定器38,39,40,51によって測定した各測定値から内輪4の半径方向回転振れ、内周面の真円度及び偏心を個々に算出すると共に、外輪3の外周面の真円度及び偏心を個々に算出処理する計算装置14とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、転がり軸受の回転精度の測定方法及びその装置に関し、特に、荷重軸に固定された基準回転体の変位の測定値と、各軌道輪の変位の測定値から、転がり軸受の半径方向回転振れ、又は軸方向回転振れを個々に求めるようにした、転がり軸受の回転精度の測定方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、転がり軸受の回転精度の測定方法及びその装置として、JIS B1515に規定された方法及び装置、或いは、JIS B1515に規定の方法及び装置の一部を改良したものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
しかし、これらの測定方法及び装置は、例えば、転がり軸受の内輪のラジアル振れを測定する場合、実際には、内輪の内径(内周面)とは関係の無い本来的な回転精度(以下、「内輪の半径方向回転振れ」と呼ぶ)と、内径の真円度と、内径の偏心とを含んだ値を測定していて、測定する回転精度の信頼性が低いという問題があった。
【0003】
そこで、このような問題を解決するべく、図13及び図14に示す転がり軸受の回転精度の測定方法及びその装置が本願出願人により提案された。
ここに示した転がり軸受の回転精度の測定方法及びその装置は、特許第2762636号に記載のものである(特許文献3参照。)。
【0004】
この転がり軸受の回転精度の測定装置1は、図13に示したように、転がり軸受2の一端側(図では、下方側)から転がり軸受2の外輪3の端面を位置決め固定する基準平面26aと、中心軸線を転がり軸受2の中心軸に揃えて転がり軸受2の他端側(図では、上方側)に回転可能に装備され、先端を内輪4の端面に押圧接触する荷重軸30と、荷重軸30の先端の中心軸上に装備されて荷重軸30から受ける回転力で回転するマスターボール37と、荷重軸30によって内輪4を回転駆動させた際に荷重軸30の回転量を検出する回転量測定器40と、荷重軸30によって回転駆動される前記内輪4の半径方向(ラジアル方向)の変位を測定する第1の変位測定器39と、前記マスターボール37の半径方向変位を測定する第2の変位測定器38と、各測定器38,39,40によって測定した各測定値に基づいて、前記内輪4の半径方向回転振れ、内輪4における内径の真円度及び偏心を個々に算出処理する計算装置14とを備えている。
【0005】
前記基準平面26aは、固定枠であるベース24に組み付けられた略円筒状のアダプタ26の上端に形成されている。このアダプタ26は、ベース24に形成された基準インロー25に下端を嵌合させることで、荷重軸30に対する心出し位置決めが成されている。
【0006】
前記荷重軸30は、荷重軸ハウジング29によって、中心軸回りに回転自在に保持されており、回転量測定器40が装備されたモータ34によって回転駆動される。該回転量測定器40は、この例の場合、モータ34の出力軸の回転量を検出するロータリーエンコーダである。
【0007】
前記荷重軸ハウジング29は、ベース24に上下動可能に取り付けられたスライダ27に固定されている。スライダ27は、ベース24に取り付けられた駆動シリンダ28によって上下動される。
前記荷重軸30は、スライダ27の昇降によって、先端部が内輪4を押圧接触した状態、或いは先端部が内輪4から離脱して上方に退避した状態になる。
【0008】
前記各測定器38,39,40の測定値は、増幅回路41,42,43によって所定の増幅処理がなされた後、計算装置14に渡される。
前記計算装置14は、予め記憶した情報やプログラムに基づいて、各測定器38,39,40からの測定値を演算処理して、測定対象の転がり軸受2における内輪4の半径方向回転振れ、真円度及び偏心を個々に算出処理し、各測定器38,39,40の測定値や処理結果を表示記録装置45に出力する。
【0009】
前記マスターボール37は、真円度(真球度)の高い球体であり、第2の変位測定器38によってこのマスターボール37の半径方向変位を測定し、転がり軸受2の回転中心とマスターボール37の中心のズレ(偏心)を演算にて除去することで、転がり軸受2の回転精度を測定することができる。
そして、第2の変位測定器38の測定値に基づいて、第1の変位測定器39の測定値を補正することで、転がり軸受2における内輪4の内径の半径方向回転振れ、真円及び偏心を個別に求めることができ、従来の方法及び装置によって回転精度を測定した場合と比較すると、回転精度の信頼性を向上させることができる。
【0010】
また、上記の測定装置1では、図14に示すように、第2の変位測定器38の変位検出アームを荷重軸30の中心軸上で、マスターボール37に当接するようにすると、内輪4の軸方向(アキシアル方向)回転振れを検出することも可能である。
【0011】
【特許文献1】
特公昭49−48153号公報(第1−2頁、第1図)
【特許文献2】
特公昭57−60561号公報(第1−3頁、第1−3図)
【特許文献3】
特許第2762636号公報(第3−7頁、第1,8図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の測定方法では、例えば回転駆動される内輪4に接触させた第1の変位測定器39の測定値から軸受の半径方向回転振れを算出している。しかし、軸受の半径方向回転振れには、内外輪間の転動体5と内輪軌道面との接触、及び転動体5と外輪軌道面との接触が関与しており、例えば、外輪3を支承するアダプタ26の交換等で基準インロー25に対するインローが変わり、外輪3の支持力バランスが変わると、回転精度測定時における外輪3の真円度や端面の平坦度などが変わり、半径方向回転振れも変動する可能性が高い。
【0013】
即ち、軸受の半径方向回転振れは、各軌道輪の変形が密接に関与しており、これら各軌道輪の変形量との相関で測定しておかないと、実際の軸受箱等への組付けで各軌道輪の変形量が変わる場合に、軸受の半径方向回転振れの変動を予測することができず、実用的な回転精度の評価ができない。
【0014】
さらに、具体例で説明すると、径方向の寸法に比較して軸方向寸法の小さい薄肉の転がり軸受の場合、それぞれの軌道輪は、自重や取り扱い時に作用する外力、或いは回転精度の測定時に作用する荷重軸による負荷で、変形し易い。しかも、このような転がり軸受は、実際の機械に組み込むと、組み込む軸やハウジングの形状に倣って変形してしまうので、各軌道輪が測定時とは異なった変形状態となり、測定時とは異なる回転精度を示すことになる。
【0015】
そこで、測定時に各軌道輪の変形量との相関で半径方向回転振れを測定しておけば、実際に機械等で使用される時の回転精度を予測することができ、実用的な回転精度の評価が可能になる。
ところが、前述した測定装置1は、回転側の軌道輪の振れだけを検出し、非回転側の軌道輪の振れは検出していないため、測定時に各軌道輪の変形量との相関で半径方向回転振れを測定することができないという問題があった。
【0016】
また、前述した測定装置1では、軸方向振れの検出の際には、第2の変位測定器38を球状のマスターボール37の下面に接触させているが、この方法では、軸受にコニカル運動的な振れが有る場合に感度が大幅に低下した。
【0017】
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、測定時に各軌道輪の変形量との相関で、各軌道輪の半径方向回転振れ、周面の真円度及び偏心を個々に算出することができる転がり軸受の回転精度の測定方法及びその装置、又、実用時の回転精度を正確に予測可能な転がり軸受の回転精度の予測方法、更に、軸受の軸方向振れにコニカル運動的な振れが含まれる場合にも、正確にその軸方向振れを検出することができる転がり軸受の回転精度の測定方法及びその装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、内輪及び外輪の2つの軌道輪を有する転がり軸受の一方の軌道輪を基準平面に固定し、前記転がり軸受の他方の軌道輪を荷重軸と一体回転可能に押圧接触させると共に、該荷重軸の軸心に基準回転体を固定し、
前記荷重軸によって他方の軌道輪を回転させながら該他方の軌道輪の周面の半径方向変位と前記基準回転体に対する前記一方の軌道輪の周面の半径方向変位とをそれぞれ測定すると共に、前記基準回転体の半径方向変位を測定し、
これら各測定値から前記他方の軌道輪の半径方向回転振れ、周面の真円度及び偏心を個々に算出すると共に、前記一方の軌道輪の周面の真円度及び偏心を個々に算出することを特徴とする転がり軸受の回転精度の測定方法により達成される。
【0019】
また、本発明の上記目的は、内輪及び外輪の2つの軌道輪を有する転がり軸受の一方の軌道輪を固定する基準平面と、
前記転がり軸受の他方の軌道輪と一体回転可能に押圧接触する荷重軸と、
該荷重軸の軸心に固定された基準回転体と、
前記他方の軌道輪の周面の半径方向変位を測定する測定器と、
前記荷重軸と伴に回転しながら前記基準回転体に対する前記一方の軌道輪の周面の半径方向変位を測定する測定器と、
前記基準回転体の半径方向変位を測定する測定器と、
これら各測定器の測定値から前記他方の軌道輪の半径方向回転振れ、周面の真円度及び偏心を個々に算出すると共に、前記一方の軌道輪の周面の真円度及び偏心を個々に算出処理する計算装置と、
を備えることを特徴とする転がり軸受の回転精度の測定装置により達成される。
【0020】
上記構成の測定方法及び測定装置によれば、測定時には、回転側及び非回転側のそれぞれの軌道輪の周面における半径方向変位と、回転側軌道輪を回転させる荷重軸の軸心に固定された基準回転体の半径方向変位とを測定し、測定した各測定値に基づいて軸受の半径方向回転振れ、各軌道輪の真円度及び偏心を個々に算出するため、各軌道輪の変形量との相関で半径方向回転振れを算出することができ、測定時の軸受姿勢を把握できる。
【0021】
また、本発明の上記目的は、上記測定方法により算出した前記他方の軌道輪の半径方向回転振れ、周面の真円度及び偏心と、前記一方の軌道輪の周面の真円度及び偏心とにより、
少なくとも何れか一方の軌道輪の周面が真円又は測定時と異なる真円度とした場合の軸受の回転振れ精度を算出し、これを転がり軸受の回転精度として予測することを特徴とする転がり軸受の回転精度の予測方法により達成される。
上記構成の予測方法によれば、各軌道輪の真円度に応じた実用時の転がり軸受の回転精度を予測することが可能になる。
【0022】
更に、本発明の上記目的は、内輪及び外輪の2つの軌道輪を有する転がり軸受の一方の軌道輪を基準平面に固定し、前記転がり軸受の他方の軌道輪を荷重軸と一体回転可能に押圧接触させると共に、該荷重軸の軸心に基準円筒体を固定し、
前記荷重軸によって他方の軌道輪を回転させながら該他方の軌道輪の端面の軸方向変位と前記基準円筒体に対する前記一方の軌道輪の端面の軸方向変位とをそれぞれ測定すると共に、前記基準円筒体の端面の軸方向変位を測定し、
これら各測定値から前記他方の軌道輪の軸方向回転振れを算出すると共に、前記一方の軌道輪の軸方向回転振れを算出することを特徴とする転がり軸受の回転精度の測定方法により達成される。
【0023】
また、本発明の上記目的は、内輪及び外輪の2つの軌道輪を有する転がり軸受の一方の軌道輪を固定する基準平面と、
前記転がり軸受の他方の軌道輪と一体回転可能に押圧接触する荷重軸と、
該荷重軸の軸心に固定された基準円筒体と、
前記他方の軌道輪の端面の軸方向変位を測定する測定器と、
前記荷重軸と伴に回転しながら前記基準円筒体に対する前記一方の軌道輪の端面の軸方向変位を測定する測定器と、
前記基準円筒体の軸方向変位を測定する測定器と、
これら各測定器の測定値から前記他方の軌道輪の軸方向回転振れを個々に算出すると共に、前記一方の軌道輪の軸方向回転振れを個々に算出処理する計算装置と、
を備えることを特徴とする転がり軸受の回転精度の測定装置により達成される。
【0024】
上記構成の測定方法及び測定装置によれば、軸受の軸方向回転振れの測定時には、各軌道輪の端面の軸方向変位と、基準円筒体の軸方向変位とを測定し、測定した各測定値に基づいて各軌道輪の軸方向回転振れを個々に算出するため、正確にその軸方向回転振れを算出することができる。
又、回転中心線から離れた位置で基準円筒体の軸方向変位を測定すると共に、この基準円筒体の測定位置における軸方向変位の測定値に、転動体ピッチ円半径/(基準円筒体の測定位置−回転中心)の比を乗ずることで、前記基準円筒体の測定位置における軸方向変位を軸受の振れ位置に換算することができ、軸受にコニカル運動的な振れが含まれる場合にも、正確にその軸方向回転振れを検出することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る転がり軸受の回転精度の測定方法及びその装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る転がり軸受の回転精度の測定装置の概略構成を示す要部破断正面図である。
【0026】
本第1実施形態に係る転がり軸受の回転精度の測定装置11は、図1に示したように、転がり軸受2の一端側(図では、下方側)から該転がり軸受2の一方の軌道輪である外輪3の端面を位置決め固定する基準平面26aと、中心軸線を転がり軸受2の中心軸に揃えて転がり軸受2の他端側(図では、上方側)に回転可能に装備され、先端を転がり軸受2の他方の軌道輪である内輪4の端面に押圧接触する荷重軸30と、該荷重軸30の先端の中心軸上に装備されて荷重軸30から受ける回転力で回転する基準回転体としてのマスターボール37と、荷重軸30によって内輪4を回転駆動させた際に荷重軸30の回転量を検出する回転量測定器40と、荷重軸30によって回転駆動される内輪4の内周面(周面)の半径方向(ラジアル方向)の変位を測定する第1の変位測定器39と、マスターボール37の半径方向変位を測定する第2の変位測定器38と、前記荷重軸30と伴に回転しながら前記マスターボール37に対する前記外輪3の外周面(周面)の半径方向変位を測定する第3の変位測定器51と、これら各測定器38,39,40,51によって測定した各測定値から前記内輪4の半径方向回転振れ、内周面の真円度及び偏心を個々に算出すると共に、前記外輪3の外周面の真円度及び偏心を個々に算出処理する計算装置14とを備えている。
【0027】
前記基準平面26aは、固定枠であるベース24に組み付けられた略円筒状のアダプタ26の上端に形成されている。このアダプタ26は、ベース24に形成された基準インロー25に下端を嵌合させることで、荷重軸30に対する心出し位置決めが成されている。
【0028】
前記荷重軸30は、荷重軸ハウジング29によって、中心軸回りに回転自在に保持されており、回転量測定器40が装備されたモータ34によって回転駆動される。
前記荷重軸ハウジング29は、ベース24に上下動可能に取り付けられたスライダ27に固定されている。スライダ27は、ベース24に取り付けられた駆動シリンダ28によって上下動される。
【0029】
更に、前記荷重軸30は、下部のテーパ軸部30aと中部の軸部30bと上部の大径の延長軸部30cとからなり、テーパ軸部30aは位置決め空気軸受31を介して荷重軸ハウジング29に回転自在に支持され、延長軸部30cは支持空気軸受32を介して荷重軸ハウジング29に回転自在に支持されている。該荷重軸30は、スライダ27の昇降によって、荷重軸ハウジング29と一体に軸方向に移動し、先端部が内輪4を押圧接触した状態、或いは先端部が内輪4から離脱して上方に退避した状態になる。
【0030】
前記スライダ27の上部に固定された支持アーム33には、前述のモータ34が取り付けられ、このモータ34によりユニバーサルジョイント35,35及び回転伝達部36を介して、荷重軸30が回転駆動される。回転伝達部36は、支持空気軸受32の位置に設けられている。
【0031】
上述した各測定器38,39,40,51の測定値(検出信号)は、増幅回路41,42,43,53によって所定の増幅処理がなされた後、計算装置44に渡される。
前記第1の変位測定器39及び前記第2の変位測定器38は、ベース24等の非回転側に取り付けられている。一方、前記第3の変位測定器51は、前記荷重軸30と一体に回転する支持部55に取り付けられている。
【0032】
前記計算装置44は、予め記憶した情報やプログラムに基づいて、各測定器38,39,40,51からの測定値を演算処理して、測定対象の転がり軸受2における内輪4の半径方向回転振れ、内周面の真円度及び偏心を個々に算出すると共に、前記外輪3の外周面の真円度及び偏心を個々に算出し、各測定器38,39,40,51の測定値や処理結果を表示記録装置45に出力する。
【0033】
上記測定装置11の場合、基準回転体としてのマスターボール37は、真円度(真球度)の高い球体であり、第2の変位測定器38によってこのマスターボール37の半径方向変位を測定することで、該マスターボール37自体の真円度や偏心を検知することができる。
そして、前記第2の変位測定器38の測定値に基づいて、第1の変位測定器39や第3の変位測定器51の測定値を補正することで、転がり軸受2の半径方向回転振れや真円度等を個別に求めることができる。
【0034】
そこで、前記計算装置44は、前記回転量測定器40も含めて、各測定器38,39,40,51が測定した各測定値を所定の演算処理によって分析して、軸受の半径方向回転振れと、真円度と、偏心とを個々に算出する。
【0035】
次ぎに上記実施形態における測定装置11の動作を説明する。
まず、スライダ27を駆動シリンダ28により上昇させておく。このとき、荷重軸30は位置決め空気軸受31と支持空気軸受32とにより支持され、転がり軸受2の内輪4とは離れている。
【0036】
次いで、駆動シリンダ28によりスライダ27を下降させていくと、下降端の寸前で荷重軸30は転がり軸受2の内輪4の上側の端面に接触する。さらに、荷重軸30を少しだけ下げて、下降端で停止する。このとき、位置決め空気軸受31の隙間が大きくなり、軸受としての支持作用がなくなる。
従って、荷重軸30は、支持空気軸受32と転がり軸受2により支持されることになる。このとき、位置決め空気軸受31への空気の供給は切るようにしてもよい。
【0037】
そして、モータ34を回転することにより荷重軸30が回転され、荷重軸30と転がり軸受2の内輪4とが一体に回転する。
この状態で、回転量測定器40からの荷重軸30の回転角θを表わす検出信号と、第2の変位測定器38からのマスターボール37の半径方向変位r1(θ)を表わす検出信号と、第1の変位測定器39からの転がり軸受2における内輪4の内周面の半径方向変位r2(θ)を表わす検出信号と、第3の変位測定器51からの前記マスターボール37に対する前記外輪3の外周面の半径方向変位r3(θ)を表わす検出信号とが、それぞれ増幅回路41,42,43,53により増幅されて計算装置44へ供給される。
【0038】
図2に示すように、前記マスターボール37に係る第2の変位測定器38の測定値r1(θ)は、玉の真球度や相互差、内外輪の溝の精度等によって決まる。内輪4の内径とは関係のない本来的な内輪の半径方向回転振れb(θ)と、偏心e1に基づく値とを加え合わせたものである。
そして、その内輪の半径方向回転振れb(θ)は、回転精度のうちの繰返し性のある成分であり、θの1回転中の周期をnとすると、下記式(1)として表される。
【0039】
【数1】
【0040】
従って、マスターボール37の半径方向変位の測定値r1(θ)は、下記式(2)で表される。この変位測定値r1(θ)には、マスターボール37の偏心に内輪の半径方向回転振れが加算されている。
【0041】
【数2】
【0042】
また、図3に示すように、第1の変位測定器39の測定値r2(θ)は、上述した内輪4の半径方向回転振れb(θ)と、内輪4の内径の真円度a(θ)と、偏心e2に基づく値とを加え合わせた値である。内輪4の内径の真円度a(θ)が下記式(3)として表されるから、r2(θ)は下記式(4)で表される。
なお、内輪4の変位測定値r2(θ)は、内輪4の偏心e2に回転振れb(θ)と、内輪4の真円度a(θ)を加算した値で表される。
【0043】
【数3】
【0044】
一方、前記外輪3の真円度c(θ)、及び外輪3の半径方向変位の測定値r3(θ)は、下記式(5),(6)のようになる。
外輪3の半径方向変位の測定値r3(θ)は、図6に示すように、マスターボール37の偏心に、内輪の半径方向回転振れと、外輪偏心量と、外輪真円度とを加算した値である。
【0045】
【数4】
【0046】
上記の式(1)に示したマスターボール37の変位測定値r1(θ)にsinθとcosθとをそれぞれ乗じて積分すると、下記式(7),(8)のようになる。
従って、偏心e1と、上記αは、下記式(9),(10)のように表される。
【0047】
【数5】
【0048】
従って、b(θ)=r1(θ)−e1・sin(θ−α) ……(11)
となる。
【0049】
回転振れ精度は、図4に示すように、bmaxとbminとの差をとって、B0と表示する。
また、内輪4の変位測定値r2(θ)にsinθとcosθとをそれぞれ乗じて積分すると、下記式(12),(13)のようになる。従って、偏心e2と、上記βは、下記式(14),(15)に示される。
【0050】
【数6】
【0051】
従って、内輪4の内径の真円度a(θ)は、
となる。
実際には、内輪4の内径の真円度a(θ)は、図5に示すように、amaxとaminの差をとってA0として表示する。
【0052】
前記外輪3の半径方向変位の測定値は、マスターボール37の半径方向変位の測定値と測定方向、角度の方向及び位相を合わせて差し引き、これをr3´(θ)とすると、
r3´(θ)=r1(θ)−r3(θ´) ……(17)
と表すことができる。
このr3´(θ)にsinθとcosθとをそれぞれ乗じて積分すると、下記式(18),(19)のようになる。
従って、偏心e3´と、γは、下記式(20),(21)のように表される。
【0053】
【数7】
【0054】
従って、外輪3の外径の真円度c(θ)は、
c(θ)=r3´(θ)−e3・sin(θ−γ) ……(22)
となる。
実際には、図示しないが外輪3の外径の真円度c(θ)は、cmaxとcminの差をとってC0として表示する。
【0055】
上述した測定装置11による回転精度測定では、従来のJISの方法と同様の第1の変位測定器39による内輪ラジアル振れAの測定値に加えて、内輪4に荷重を加えながら回転させる荷重軸30に固着したマスターボール37の半径方向の測定値を用いることにより、転がり軸受の本来的な内輪4の半径方向回転振れb(θ)(実際にはB0)と、内径の真円度a(θ)(実際にはA0)と、内輪4の偏心e2と、外輪3の半径方向回転振れc(θ)(実際にはC0)とを分離して測定することができる。なお、これらの値B0,A0,C0及びe2は表示記録装置45に表示され、あるいは記録される。
【0056】
即ち、上記測定装置11による回転精度測定では、測定時には、回転側軌道輪である内輪4の回転量と、内輪4の内周面の半径方向変位(変形量)と、マスターボール37に対する外輪(非回転側軌道輪)3の外周面の半径方向変位(変形量)と、マスターボール37の変位(変形量)とを測定し、測定した各測定値に基づいて各内外輪4,3の半径方向(ラジアル方向)回転振れ、真円度、偏心等を個々に算出するため、各内外輪4,3の変形量との相関で半径方向回転振れを算出することができ、測定時の軸受姿勢を把握できると共に、各内外輪4,3の真円度に応じた実用時の転がり軸受2の回転精度を予測することが可能になる。
【0057】
上記回転精度の予測は、具体的には次のようにして行うことができる。
例えば、転がり軸受が、軸方向寸法が小さい偏平な形態で、組み込まれる軸やハウジングに倣って変形し易い場合、軸受の回転精度は、軸やハウジングの真円度に依存する割合が大きい。そこで、仮に軸やハウジングが真円の場合、軸受の回転精度がどのようになるかを予測する。
回転振れ精度B0は、内輪内径の真円度A0や外輪外径の真円度C0に比べて値が小さくなり、直接そのデータの差を採る事ができないので、B0/A0又はB0/C0の比を乗じて計算する。
又、回転振れ精度には、外輪内輪各々が半分づつ影響するとして2で除する。内輪内径の真円度振れの平均をa ̄、外輪外径の真円度振れの平均をc ̄として計算し、回転振れ測定値を内輪内径が真円とした形状に倣わせる場合、
【0058】
ba(θ)=b(θ)−(a−a ̄)/2×B0/A0 …… (23)
となる。
また、振れデータを外輪外径が真円とした形状に倣わせる場合、
bc(θ)=b(θ)−(c−c ̄)/2×B0/C0 …… (24)
となる。
同様に、回転振れ測定値を、内輪内径及び外輪外径が真円とした形状に倣わせる場合、
となる。
【0059】
なお、上記第1実施形態の測定装置11では、転がり軸受2の内輪4を回転駆動して回転精度の測定を行ったが、図7に示した第2実施形態の測定装置71のように、転がり軸受2の内輪4の端面をアダプタ26の基準平面26aに位置決め固定し、外輪3の端面に荷重軸30の先端を押圧接触することで、該外輪3を回転駆動して、回転精度の測定を行うこともできる。
【0060】
その場合、前記第1の変位測定器39は、荷重軸30によって回転駆動される外輪3の外周面(周面)における半径方向(ラジアル方向)の変位を測定する為にベース24側に装備され、前記第3の変位測定器51は、前記マスターボール37に対する内輪4の内周面(周面)の半径方向変位を測定する為に荷重軸30側に直接装備される。
この様に、本発明の転がり軸受の回転精度の測定装置では、軌道輪の一方を回転させて測定するだけで、もう一方の軌道輪を回転させた場合の測定値を得られるので、測定装置として使い易いレイアウトを採用することができる。
【0061】
又、図8に示した測定装置81のように、内輪4と共にマスターボール37をベース24側のアダプタ26に固定し、該マスターボール37の半径方向変位を測定する第2の変位測定器38と前記マスターボール37に対する内輪4の内周面の半径方向変位を測定する第3の変位測定器51とを荷重軸30側に装備して回転しながら測定する方法も考えられる。
【0062】
更に、図9及び図10に示した本発明の第3実施形態に係る転がり軸受の回転精度の測定装置91では、図1に示した第1実施形態に係る測定装置11におけるマスターボール37に代えて、基準回転体としての基準円筒体59が用いられている。尚、前記基準円筒体59は、中空であっても良いし、また、中実であっても良い。
【0063】
先ず、転がり軸受2のラジアル方向の振れを検出する場合には、図9に示したように、荷重軸30によって回転駆動される内輪4の内周面(周面)の半径方向変位を第1の変位測定器39で測定すると共に、前記基準円筒体59の外周面の半径方向変位を第2の変位測定器38で測定し、前記荷重軸30と伴に回転しながら前記基準円筒体59に対する前記外輪3の外周面(周面)の半径方向変位を第3の変位測定器51で測定する。
【0064】
そして、これら各測定値に基づいて、図示しない計算装置44が前記内輪4の半径方向回転振れ、内輪4における内径の真円度及び偏心を個々に算出すると共に、前記外輪3の外周面の真円度及び偏心を個々に算出処理する。この算出処理は、上述した第1実施形態に係る測定装置11における算出処理と同様である。
ここで、前記基準円筒体59の外周面は、玉であるマスターボール37ほど高い真円度に加工することができないかもしれないが、予め真円度測定機にて真円度を測定しておき、測定後に補正することで玉並みの精度を確保することが可能である。
【0065】
また、転がり軸受2のアキシャル方向の振れを検出する場合には、図10に示したように、荷重軸30によって回転駆動される内輪4の端面の軸方向変位を第1の変位測定器39で測定し、前記基準円筒体59の端面59aの軸方向変位を第2の変位測定器38で測定し、前記荷重軸30と伴に回転しながら前記基準円筒体59に対する前記外輪3の端面の軸方向変位を第3の変位測定器51で測定する。
【0066】
そして、これら各測定値に基づいて、図示しない計算装置44が各内外輪4,3の軸方向回転振れを個々に算出するため、軸受にコニカル運動的な振れが含まれる場合にも、正確にその軸方向回転振れを検出することができる。
即ち、本第3実施形態に係る測定装置91によれば、軸受のアキシャル方向振れの検出の際には、中心軸線100から距離L1だけ離れた位置における前記基準円筒体59の平坦な端面の軸方向変位を測定する。該基準円筒体59の端面の平面度は、外周面の真円度と同様に事前に真円度測定機にて測定しておき、測定後に補正する。
【0067】
更に、前記基準円筒体59の軸方向変位の測定値に、転動体ピッチ円半径L2/(基準円筒体の測定位置L1−回転中心)の比を乗ずることで、前記基準円筒体59の測定位置(中心軸線100から距離L1だけ離れた位置)における軸方向変位を軸受の振れ位置に換算することができ、転がり軸受2にコニカル運動的な振れが含まれる場合にも、正確にその軸方向回転振れを検出することができる。 尚、前記転動体ピッチ円半径L2の代わりに外輪3又は内輪4の半径を用いることもできる。
【0068】
ところで、上述の各実施形態における測定装置は、転がり軸受の軸方向寸法に対して径方向寸法がそれほど大きくない場合であった。大型の転がり軸受になると、荷重軸や基準回転体を支持する構造体の支持アームを延ばす等して懐を深くする必要があり、構造体の構成が複雑になる。
図11は、軸受の軸方向寸法に対して径方向寸法が極めて大きい場合の転がり軸受の回転精度の測定装置21を示している。
この測定装置21は、外輪3の端面を構造体65上の基準平面65aが固定支持すると共に、内輪4の端面に荷重軸60が一体回転可能に押圧接触している。
【0069】
前記荷重軸60は、軸継手67を介してモータ34に連結された駆動軸66と、該駆動軸66の上端に固定されて内輪4の端面に押圧接触する荷重盤61とからなり、軸心に基準回転としての基準円筒体63が固定されている。
即ち、荷重軸60及び円筒体63を軸受中心の下側から回転駆動すれば、特に大型の転がり軸受用の測定装置としての構成が容易になり、装置のコンパクト化を図れる。その際、前記基準円筒体63に貫通穴をあけて、下側から荷重軸60の駆動軸66を挿通した方が、駆動力による基準円筒体63の歪みが生じ難い。
又、支持部材80は、基準円筒体63や駆動軸66や荷重盤61と僅かに離れて設置されており、セット替え時に荷重盤61を取り除いた際、基準円筒体63が倒れないように支持する事ができる。
【0070】
そして、前記測定装置21には、図11に示したように、荷重軸60によって回転駆動される内輪4の内周面(周面)の半径方向(ラジアル方向)の変位を測定する第1の変位測定器71と、基準円筒体63の半径方向変位を測定する第2の変位測定器72と、前記荷重軸60と伴に回転しながら前記基準円筒体63に対する前記外輪3の外周面(周面)の半径方向変位を測定する第3の変位測定器73と、前記内輪4の端面の軸方向変位を測定する第4の変位測定器74と、前記基準円筒体63の端面63aの軸方向変位を測定する第5の変位測定器75と、前記荷重軸60と伴に回転しながら前記基準円筒体63に対する前記外輪3の端面の軸方向変位を測定する第6の変位測定器76とが、それぞれ配設されている。
【0071】
そこで、上記第1乃至第3の変位測定器71,72,73の各測定値に基づいて、図示しない計算装置44が前記内輪4の半径方向回転振れ、内輪4における内径の真円度及び偏心を個々に算出すると共に、前記外輪3の外周面の真円度及び偏心を個々に算出処理する。
又、上記第4乃至第6の変位測定器74,75,76の各測定値に基づいて、図示しない計算装置44が各内外輪4,3の軸方向回転振れを個々に算出処理する。
【0072】
なお、上述の各実施形態において、各測定器からの測定値に基づいて軸受の半径方向回転振れ、真円度、偏心から回転精度を算出するには、最小二乗法を利用することもできる。
図12に示すように、中心Oに対する円弧をC、中心OからX方向には距離a、Y方向には距離bだけ離れた点O´を中心とする円弧をC´、これらの中心の偏心に起因する振れ軌道をCxとして、図示のように、振れ軌道をCxまでのパラメータを設定すると、最小二乗法演算は、下記式(26),(27),(28)によって行うことができる。
【0073】
【数8】
【0074】
基準回転体の変位測定値S1(θ)を最小二乗演算することにより、a1,b1,R1を求める。更に、軸受回転部分の変位測定値であるr1(θ)を求める。このとき基準回転体の形状誤差を補正するために補正データm(θ)を差し引くと、下記式(29)、(30)、(31)、(32)のようになる。
【0075】
【数9】
【0076】
また、基準回転体の測定値によって偏心補正した軸受回転部分の変位測定値r1(θ)を測定時の回転中心における基準回転体の変位測定値S1m(θ)としてフィードバックしておく。
S1m(θ)=r1(θ)+R1+a1・cosθ+b1・sinθ ……(33)
【0077】
次に、内輪4の変位測定値S2(θ)を最小二乗法演算することにより、下記式(34)、(35)、(36)のように、a2,b2,R2を求める。
更に、回転振れ成分を除いた内輪形状r2(θ)を、下記式(37)によって求める。
【0078】
【数10】
【0079】
最後に外輪形状r3(θ)を演算するために、下記式(38)のように外輪3の変位測定値S3(θ)からθを合わせて基準回転体の変位測定値を差し引く。この時、基準回転体の変位測定値には補正した変位測定値S1m(θ)を使用する。
そして、外輪4の変位測定値S3´(θ)を最小二乗法演算することにより、下記式(39),(40),(41)のように、R3,a2,b2を求める。
更に、回転振れ成分を除いた外輪形状r3(θ)を、下記式(42)によって求める。
【0080】
【数11】
【0081】
【発明の効果】
上述したように、本発明の請求項1及び2に記載の転がり軸受の回転精度の測定方法及びその装置によれば、測定時には、回転側及び非回転側のそれぞれの軌道輪の周面における半径方向変位と、回転側軌道輪を回転させる荷重軸の軸心に固定された基準回転体の半径方向変位とを測定し、測定した各測定値に基づいて各軌道輪の半径方向回転振れ、真円度及び偏心を個々に算出するため、各軌道輪の変形量との相関で半径方向回転振れを算出することができ、測定時の軸受姿勢を把握できると共に、各軌道輪の真円度に応じた実用時の転がり軸受の回転精度を予測することが可能になる。
【0082】
又、本発明の請求項3に記載の転がり軸受の回転精度の予測方法によれば、各軌道輪の真円度に応じた実用時の転がり軸受の回転精度を予測することが可能になる。
又、本発明の請求項4及び5に記載の転がり軸受の回転精度の測定方法及びその装置によれば、軸受の軸方向回転振れの測定時には、各軌道輪の端面の軸方向変位と、基準円筒体の軸方向変位とを測定し、測定した各測定値に基づいて各軌道輪の軸方向回転振れを個々に算出するため、正確にその軸方向回転振れを算出することができる。
又、回転中心線から離れた位置で基準円筒体の軸方向変位を測定すると共に、この基準円筒体の測定位置における軸方向変位の測定値に、転動体ピッチ円半径/(基準円筒体の測定位置−回転中心)の比を乗ずることで、前記基準円筒体の測定位置における軸方向変位を軸受の振れ位置に換算することができ、軸受にコニカル運動的な振れが含まれる場合にも、正確にその軸方向回転振れを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る転がり軸受の回転精度の測定装置の概略構成を示す要部破断正面図である。
【図2】図1における基準回転体の半径方向変位の測定例を示す図である。
【図3】図1における転がり軸受の内輪の内径の半径方向変位の測定例を示す図である。
【図4】図1の測定装置における内輪の半径方向回転振れの計算結果を示す図である。
【図5】図1の測定装置における内輪の内径の真円度の計算結果を示す図である。
【図6】図1の測定装置における外輪の外径の半径方向変位の測定例を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る転がり軸受の回転精度の測定装置の概略構成を示す要部拡大図である。
【図8】本発明の変形例に係る測定装置の概略構成を示す要部拡大図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る転がり軸受の回転精度の測定装置によりラジアル方向の振れを検出する場合を示す要部拡大図である。
【図10】図9に示した測定装置によりアキシアル方向の振れを検出する場合を示す要部拡大図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る転がり軸受の回転精度の測定装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図12】本発明に係る転がり軸受の回転精度の測定方法及びその装置において、回転精度を最小二乗法で算出する際の各パラメータの説明図である。
【図13】従来の転がり軸受の回転精度の測定装置の概略構成を示す要部破断正面図である。
【図14】従来の転がり軸受の回転精度の測定装置によるアキシャル方向の振れの測定方法を示す要部断面図である。
【符号の説明】
2 転がり軸受
3 外輪
4 内輪
11 転がり軸受の回転精度の測定装置
26a 基準平面
30 荷重軸
37 マスターボール(基準回転体)
38 第2の変位測定器(測定器)
39 第1の変位測定器(測定器)
44 計算装置
51 第3の変位測定器(測定器)
Claims (5)
- 内輪及び外輪の2つの軌道輪を有する転がり軸受の一方の軌道輪を基準平面に固定し、前記転がり軸受の他方の軌道輪を荷重軸と一体回転可能に押圧接触させると共に、該荷重軸の軸心に基準回転体を固定し、
前記荷重軸によって他方の軌道輪を回転させながら該他方の軌道輪の周面の半径方向変位と前記基準回転体に対する前記一方の軌道輪の周面の半径方向変位とをそれぞれ測定すると共に、前記基準回転体の半径方向変位を測定し、
これら各測定値から前記他方の軌道輪の半径方向回転振れ、周面の真円度及び偏心を個々に算出すると共に、前記一方の軌道輪の周面の真円度及び偏心を個々に算出することを特徴とする転がり軸受の回転精度の測定方法。 - 内輪及び外輪の2つの軌道輪を有する転がり軸受の一方の軌道輪を固定する基準平面と、
前記転がり軸受の他方の軌道輪と一体回転可能に押圧接触する荷重軸と、
該荷重軸の軸心に固定された基準回転体と、
前記他方の軌道輪の周面の半径方向変位を測定する測定器と、
前記荷重軸と伴に回転しながら前記基準回転体に対する前記一方の軌道輪の周面の半径方向変位を測定する測定器と、
前記基準回転体の半径方向変位を測定する測定器と、
これら各測定器の測定値から前記他方の軌道輪の半径方向回転振れ、周面の真円度及び偏心を個々に算出すると共に、前記一方の軌道輪の周面の真円度及び偏心を個々に算出処理する計算装置と、
を備えることを特徴とする転がり軸受の回転精度の測定装置。 - 前記請求項1の測定方法により算出した前記他方の軌道輪の半径方向回転振れ、周面の真円度及び偏心と、前記一方の軌道輪の周面の真円度及び偏心とにより、
少なくとも何れか一方の軌道輪の周面が真円又は測定時と異なる真円度とした場合の軸受の回転振れ精度を算出し、これを転がり軸受の回転精度として予測することを特徴とする転がり軸受の回転精度の予測方法。 - 内輪及び外輪の2つの軌道輪を有する転がり軸受の一方の軌道輪を基準平面に固定し、前記転がり軸受の他方の軌道輪を荷重軸と一体回転可能に押圧接触させると共に、該荷重軸の軸心に基準円筒体を固定し、
前記荷重軸によって他方の軌道輪を回転させながら該他方の軌道輪の端面の軸方向変位と前記基準円筒体に対する前記一方の軌道輪の端面の軸方向変位とをそれぞれ測定すると共に、前記基準円筒体の端面の軸方向変位を測定し、
これら各測定値から前記他方の軌道輪の軸方向回転振れを算出すると共に、前記一方の軌道輪の軸方向回転振れを算出することを特徴とする転がり軸受の回転精度の測定方法。 - 内輪及び外輪の2つの軌道輪を有する転がり軸受の一方の軌道輪を固定する基準平面と、
前記転がり軸受の他方の軌道輪と一体回転可能に押圧接触する荷重軸と、
該荷重軸の軸心に固定された基準円筒体と、
前記他方の軌道輪の端面の軸方向変位を測定する測定器と、
前記荷重軸と伴に回転しながら前記基準円筒体に対する前記一方の軌道輪の端面の軸方向変位を測定する測定器と、
前記基準円筒体の軸方向変位を測定する測定器と、
これら各測定器の測定値から前記他方の軌道輪の軸方向回転振れを個々に算出すると共に、前記一方の軌道輪の軸方向回転振れを個々に算出処理する計算装置と、
を備えることを特徴とする転がり軸受の回転精度の測定装置。
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- 2002-09-13 JP JP2002268725A patent/JP2004108406A/ja active Pending
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