JP3841499B2 - 斜面作業用足場及び斜面作業用足場の架設方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、傾斜面や傾斜のある屋根等の斜面高所での補修作業、傾斜のあるコンクリート擁壁工事、あるいはブロック積み擁壁築造時等に用いる斜面作業用足場の構造及びその架設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
斜面を備える構造物を構築あるいは補修する際には、斜面の傾斜角に適合した作業場が必要となる。例えば、宅地造成工事等の盛土部及び切土部の法面にはプレキャストコンクリートブロックを積み上げたブロック積み擁壁が構築されるが、その施工方法は次のように行っている。先ず法尻部分の根切り部に所定の基礎コンクリートを施工した後、この基礎コンクリート上にコンクリートブロックを人力により1個づつ積み上げ、同時にコンクリートブロックの背面に間詰めコンクリートを打設してブロック積み擁壁としての一体化を図っている。そしてこのブロック積み上げ作業を所定の法面高さまで繰り返して擁壁状の壁面を築造している。
【0003】
ところで、ブロックの積み上げ作業は、擁壁を構築する法面の高さによっては、いわゆる高所作業となるため、作業場に手摺等を設ける措置が義務づけられているが、その積み上げ作業は、積み上げられたブロックの最上段に新たなブロックを順次積み上げて行く作業となるため、その都度手摺を設けておくことは非常に煩雑となる。また、ブロック等の材料を作業場に搬入する際には手摺が邪魔になるため搬入時には手摺を撤去しなければならなかった。このため従来のブロック積み上げ作業では、手摺を設けず作業場上の所定の高さに張った親綱から安全帯を着用している作業員が命綱を取って高所作業を行う場合が多かった。
【0004】
また、ブロック積み擁壁では積み上げ完了後に目地仕上げを行っているが、この作業のためには擁壁前面に作業用足場を組み立てる必要がある。目地仕上げ用に用いる従来の作業用足場は、法面に沿ってパイプや丸太または鋼製の枠組足場を組み立て、これに足場板を敷設するいわゆる本足場か、水抜孔を利用して架設する簡易足場か、あるいは法面の水平方向に沿って移動可能とする移動式足場であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、親綱から命綱を取って作業を行う方法では、親綱の位置によっては足場上を作業員がスムーズに移動できない。このため実際には、命綱を親綱から外して作業する場合が多く高所作業の安全が必ずしも確保されていなかった。
【0006】
また、目地仕上げ等に用いる斜面作業用足場を本足場で構築するとなると、その足場材の数量が非常に多くなるため、作業効率面からもコスト面からも不利であった。また、単管パイプ等を組み立てて足場を構築する作業は技術的にも難しいため、熟練工が不足している今日では設置が容易でなく、その構築時の安全確保にも不安があった。
【0007】
また、このような本足場をブロックの積み上げ時に構築する場合には、作業工程に応じて逐次構築しなければならないが、その組立作業に時間を要する欠点があり、しかもバックホー等の重機により資材搬入やコンクリート打設を行う際には足場材が邪魔になる欠点もあった。
【0008】
一方、水抜孔に単管パイプや鉄筋等を挿入して構築する簡易足場の場合は、本足場以上に難しい作業となるため、設置作業に一般作業員ではなく鳶職等の熟練工が必要となり施工が非常に制限される不利があった。また、挿入したパイプ等が抜ける恐れもあるため安全性にも問題があった。更に水抜孔の位置によってはブロックの積み上げ高さと合致しない場合もあり、積み上げ作業が困難となることもあった。
【0009】
また、移動式足場はその構造からブロック積み上げ時には不適であり、しかも凹凸のあるブロック積み擁壁では組立及び操作が難しい面もあった。また広い面積を有する擁壁で同時に作業する場合には適さなかった。
【0010】
この発明は、上記課題を解決し、足場に使用する資材の数量が少なく、軽量であり、しかも組立解体作業が容易で、鳶職や熟練工を必要とせずに安全に構築することができ、工程的にもコスト的にも有利な斜面作業用足場を提供することを目的としている。
【0011】
また、斜面完成時のみならず斜面構築時にあっても作業員の安全を確保しながら、しかも足場材が資材搬入等の邪魔にならない斜面作業用足場及びその架設方法を提供することを目的としている。また、斜面基部に縦断勾配がある場合でも同一高さで足場板を架設できる斜面作業用足場を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するため、請求項1記載の発明の斜面作業用足場は、傾斜角調整機構を備え斜面基部の基盤上に載置するジャッキベースと、このジャッキベースに下端部を連結し斜面の勾配方向に沿って所定間隔で設置する組立支柱と、この組立支柱間を連結する連結部材と、斜材角度調整機構を備え組立支柱に係止する支柱ブラケットと、この支柱ブラケットの足場板支持部材の先端部に係止しその上部高さを変更し得る高さ調整機構付の手摺柱と、隣接する手摺柱同士を連結する手摺とを備え、
前記ジャッキベースは、台板に対してネジ棒を全方向に旋回可能に軸支し、
前記組立支柱は、互いに長さが異なるパイロット支柱と調整支柱の組み合わせから構成され、
前記パイロット支柱及び前記調整支柱は、それぞれ支柱ジョイントで接続して斜面の勾配方向に沿って設置し、
前記パイロット支柱及び前記調整支柱は、それぞれ1本の鋼製パイプの下部に前記支柱ジョイントを有し、上部に支柱ジョイント嵌合部を有し、さらに支柱ブラケット係合部及び連結部材係止部を有することを特徴としている。斜面基部の基盤上にジャッキベースを載置し、このジャッキベースに組立支柱の下端部を連結し、ジャッキベースの調節によって斜面の勾配方向に沿って組立支柱を設置する。ジャッキベースは、台板に対してネジ棒が全方向に旋回可能に軸支するため、基盤の傾斜角にも対応することができ、斜面の勾配方向に合わせて角度を調整できるものであり、これに連結する組立支柱は単位枠を適宜組み立ててその全体長さを調整することができる。また、互いに長さが異なるパイロット支柱と調整支柱の組み合わせにより簡単に組立支柱の高さ調節ができ、同一高さで足場板を架設できる。また、パイロット支柱及び調整支柱が、1本の鋼製パイプに支柱ジョイント、支柱ジョイント嵌合部、支柱ブラケット係合部及び連結部材係止部を有し、小型かつ軽量で、保管、運搬に便利で、しかも低コストである。このため、足場に使用する資材の数量が少なく、軽量であり、しかも組立解体作業が容易で、鳶職や熟練工を必要とせずに安全に構築することができ、工程的にもコスト的にも有利である。また、支柱ブラケットの足場板支持部材の先端部に係止した手摺柱の上部高さを変更することで、斜面完成時のみならず斜面構築時にあっても作業員の安全を確保しながら、しかも手摺柱や手摺が資材搬入等の邪魔にならない。
【0014】
請求項2記載の発明の斜面作業用足場は、前記支柱ブラケットは、縦部材の上端部を前記組立支柱の係止部材に掛止し、下端部を前記組立支柱の他の係止部材に掛止することを特徴としている。組立支柱は係止部材を有し、支柱ブラケットにより適切な高さの係止部材を選択して簡単に支柱ブラケットを組立支柱に係止することができる。
【0018】
請求項3記載の発明の斜面作業用足場は、前記組立支柱は、下端を斜面に支持する間隔保持部材を備えることを特徴としている。間隔保持部材は、組立支柱と斜面との間を調整することができるため、斜面に凹凸がある場合にも組立支柱の斜面からの離れを一定にすることができる。
【0019】
請求項4記載の発明の斜面作業用足場は、前記手摺柱は、手摺の高さ調節可能な手摺係止部材を有し、さらにこの手摺柱は前記足場板支持部材の先端部に設けた鞘管に高さ調節可能に挿通支持したことを特徴としている。手摺柱に設けた手摺係止部材により手摺の高さを調節することができ、さらに手摺柱は手摺を下げる場合には鞘管内を降下させ、作業の種類に応じて手摺柱の高さを容易に変化させることができる。
【0020】
請求項5記載の発明の斜面作業用足場は、前記手摺は、伸縮機構を備えることを特徴としている。手摺柱を下げる時には、手摺柱間に設けた手摺が手摺柱の下げに従って斜めとなりその支点間距離が長くなるが、伸縮機構を備えているのでこれに対応することができ、作業の種類に応じて手摺柱及び手摺の高さを容易に変化させることができる。
【0021】
請求項6記載の発明の斜面作業用足場は、前記組立支柱に、踏み桟を有する昇降兼用支柱を組み合わせて設置可能に構成したことを特徴としている。組立支柱に、昇降兼用支柱を組み合わせて設置することで、作業者は昇降兼用支柱を利用して容易に昇降でき作業効率が向上する。
【0022】
請求項7記載の発明の斜面作業用足場は、前記組立昇降兼用支柱の下端部を、傾斜角調整機構を備え斜面基部の基盤上に載置するジャッキベースの上部に連結可能に構成したことを特徴としている。踏み桟を有する組立昇降兼用支柱も組立支柱と同様に、簡単なジャッキベースにより高さ調節を行なうことができる。
【0023】
請求項8記載の発明の斜面作業用足場の架設方法は、法尻部分の根切り部に所定の基礎コンクリートを施工した後、所定の法面高さまで壁面を築造し、
その後、斜面基部の基盤上に傾斜角調整機構付のジャッキベースを所定間隔で載置し、このジャッキベースは、台板に対してネジ棒を全方向に旋回可能に軸支し、
前記ジャッキベースに組立支柱の下端部を連結して斜面の勾配方向に沿って支柱を組み立てながら延伸すると共に隣接する組立支柱間に連結部材を係止し、この組立支柱は、互いに長さが異なるパイロット支柱と調整支柱の組み合わせから構成され、
前記パイロット支柱及び前記調整支柱は、それぞれ支柱ジョイントで接続して斜面の勾配方向に沿って設置し、
前記パイロット支柱及び前記調整支柱は、それぞれ1本の鋼製パイプの下部に前記支柱ジョイントを有し、上部に支柱ジョイント嵌合部を有し、さらに支柱ブラケット係合部及び連結部材係止部を有し、
前記組立支柱の適宜高さに係止して斜材角度調整機構により水平となった支柱ブラケットの足場板支持部材に足場板を装着し、この足場板上あるいは斜面上方に機材を搬入する際にはブラケット先端部に係止する高さ調整機構付の手摺柱を低位置に移動し、足場板上で作業を実施する際には手摺柱及び手摺を所定高さで固定して作業床を構築し、
この作業床を利用して所定高さまで壁面を施工し、次の作業床を架設することを特徴としている。支柱ブラケットは斜材角度調整機構により斜面勾配に合わせて相互の部材角を変更できるため、足場板支持部材の水平を確保することができる。支柱ブラケットは斜面に適宜間隔をあけて設置する組立支柱の同一高さに係止するものであるが、その横方向の間隔は足場板の長さに応じて定める。足場を構築する斜面が平坦な場合には隣接する支柱ブラケットは平行となるので所定形状の爪付きの鋼製足場板を用いることもできるが、斜面が平坦でない場合には木製や鋼製の足場板を結束バンド等で固定することになる。斜面の勾配方向に合わせて設置される組立支柱は、その高さを容易に揃えることができ、同一高さで足場板を架設できる。また、組立解体作業が容易で、鳶職や熟練工を必要とせずに安全に構築することができ、工程的にもコスト的にも有利である。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1はこの発明の斜面作業用足場の正面図、図2は同側面図、図3はパイロット支柱を示す図、図4は調整支柱を示す図、図5は調整支柱を示す図、図6は昇降兼用支柱を示す図、図7はジャッキベースの側面図、図8は図7のVIII-VIII断面を示す断面図、図9は支柱ブラケットを示す図、図10は他の実施の形態の支柱ブラケットを示す図、図11は支柱ブラケットの係止部を示す拡大図、図12はさらに他の実施の形態の支柱ブラケットの係止部を示す図、図13はさらに他の支柱ブラケットの係止部を示す拡大図、図14は手摺柱を示す図、図15は間隔保持部材を示す図である。
【0025】
斜面作業用足場1は、斜面2基部の基盤3上に載置するジャッキベース4と、このジャッキベース4に下端部を連結し斜面2の勾配方向に沿って設置する組立支柱5と、組立支柱5に係止する支柱ブラケット6と、手摺柱7及び手摺8を備え、支柱ブラケット6間には足場板9が掛け渡され、組立支柱5には連結部材10及び間隔保持部材11が取り付けられる。連結部材10として、この実施の形態ではブレースが用いられている。
【0026】
組立支柱5は、図3に示すパイロット支柱50と、図4及び図5に示す調整支柱51,52の組み合わせから構成され、それぞれ支柱ジョイント50a,51a,52aで接続して斜面2の勾配方向に沿って設置する。パイロット支柱50と調整支柱51,52の組み合わせにより簡単に組立支柱の高さ調節ができる。
【0027】
即ち、パイロット支柱50及び調整支柱51,52は、それぞれ1本の鋼製パイプ50b,51b,52bの下部に支柱ジョイント50a,51a,52aを有し、上部に支柱ジョイント嵌合部50c,51c,52cを有し、さらに支柱ブラケット係合部50d,51d,52c及び連結部材係止部50e,51e,52eを有している。支柱ジョイント50a,51a,52aはピン貫通孔50f,51f,52fを有し、鋼製パイプ50b,51b,52bにボルト・ナット50g,51g,52gにより固定されている。支柱ジョイント嵌合部50c,51c,52cはピン貫通孔50h,51h,52hを有し、ピン貫通孔50f,51f,52fを合わせてピンを挿入して連結される。
【0028】
支柱ブラケット係合部50d,51d,52cは、鋼製パイプ50b,51b,52bの両側に丸鋼を略U字状に屈曲して両端部溶接して設けられているが、支柱ブラケット6を引っ掛けることができればどのような形状でもよく、例えばピン状でも、あるいはピン状の先端を曲げて係止するような形状のものでもよい。連結部材係止部50e,51e,52eは、一般に用いられているグラビティーロックが用いられている。
【0029】
このように、パイロット支柱50及び調整支柱51,52が、1本の鋼製パイプ50b,51b,52bに支柱ジョイント50a,51a,52a、支柱ジョイント嵌合部50c,51c,52c、支柱ブラケット係合部50d,51d,52c及び連結部材係止部50e,51e,52eを有し、小型かつ軽量で、保管、運搬に便利で、しかも低コストであり、支柱ジョイント50a,51a,52aを工場で取付けてから現場に搬入すれば特に工具を用いなくとも足場の組立が可能になる。
【0030】
また、斜面作業用足場1は、組立支柱5に、組立昇降兼用支柱53を組み合わせて設置可能に構成されている。組立昇降兼用支柱53は、図6に示すようにパイロット昇降兼用支柱54と、図示しない調整昇降兼用支柱との組み合わせにより簡単に高さ調節ができる。パイロット昇降兼用支柱54は、パイロット支柱50と同じ長さに形成されており、図示しない調整昇降兼用支柱は調整支柱51,52と同様な長さに形成され、これらは同様に構成されるから、パイロット昇降兼用支柱54についてのみ説明する。
【0031】
即ち、パイロット昇降兼用支柱54は、一対の鋼製パイプ54bに踏み桟54aを所定間隔溶接して連結し、鋼製パイプ54bの下部に支柱ジョイント54cを有し、上部に支柱ジョイント嵌合部54dを有し、さらに支柱ブラケット係合部54e及び連結部材係止部54fを有している。支柱ジョイント54cはピン貫通孔54gを有し、鋼製パイプ54bにボルト・ナット54hにより固定されている。支柱ジョイント嵌合部54dはピン貫通孔54iを有し、ピン貫通孔54gを合わせてピンを挿入して連結される。
【0032】
支柱ブラケット係合部54eは、鋼製パイプ54bの両側に丸鋼を略U字状に屈曲して両端部溶接して設けられているが、支柱ブラケット6を引っ掛けることができればどのような形状でもよく、例えばピン状でも、あるいはピン状の先端を曲げて係止するような形状のものでもよい。連結部材係止部54fは、一般に用いられているグラビティーロックが用いられている。踏み桟54aには、鋼製角パイプが用いられ、その中央部に踏み面54a1が形成されている。
【0033】
このように、組立支柱5に、組立昇降兼用支柱53を組み合わせて設置することで、作業者は昇降兼用支柱53を利用して容易に昇降でき作業効率が向上する。
【0034】
ジャッキベース4は、図7及び図8に示すように、台板4aに対してネジ棒4bが全方向に旋回可能に軸支する構成であって、斜面2の勾配と平行になるようネジ棒4bの角度を調整すると共に基盤3の傾斜にも対応することができる。即ち、台板4aを支持する基盤3が前後左右に傾斜していても組立支柱5及び組立昇降兼用支柱53を斜面勾配方向に揃えて設置することができる。なお、台板部分を水平に整地する場合には、少なくとも斜面勾配方向の傾斜角が調整でき、隣接する組立支柱5及び組立昇降兼用支柱53の高さが調整ができるものであればピボット式のジャッキベースでなくともよい。
【0035】
支柱ブラケット6は、図9に示すように、足場板支持部材である水平材6aと、斜材6bと、手摺柱7を挿通係止する鞘管6cから構成されている。水平材6aは鞘管6cに溶接され、その先端部には掛止部6dが設けられ、この掛止部6dの切欠き6d1を例えば支柱ブラケット係合部50dに引っ掛けてロックピン6eで抜け止する。斜材6bは、内側パイプ6b1と外側パイプ6b2をピン6fにより長さを調節可能に構成され、内側パイプ6b1は鞘管6cに支持ピン6gを支点に回動可能に連結され、斜材6bの角度調整機構を構成している。外側パイプ6b2の先端部には掛止部6hが設けられ、この掛止部6hの切欠き6h1を例えば支柱ブラケット係合部50dに引っ掛けてロックピン6iで抜け止する。掛止部6d,6hのロックピン6e,6iは両方ロックしなくて、少なくとも一方をロックすれば支柱ブラケット6の抜け止になる。鞘管6cには、手摺柱7を固定するピン6jが設けられている。
【0036】
また、支柱ブラケット6は、図10に示すように構成される。この実施の形態では、図9と同様に構成される部材は、同じ符号を付して説明を省略する。この実施の形態では、掛止部6d,6hには、切欠き6d1,6h1より外側にロック溝6d2,6h2が形成され、このロック溝6d2,6h2にロック爪6k,6lがロック解除位置とロック位置とに移動可能に設けられている。ロック爪6k,6lを手で持ち上げて、例えば支柱ブラケット係合部50dに引っ掛けて手を離すと自動的に落下してロック位置になって簡単な操作で抜け止となる。
【0037】
また、掛止部6d,6hは、図11に示すように構成できる。この実施の形態では、掛止部6d,6hの切欠き6d1,6h1より内側にロックピン6m,6n及びロックピン6o,6pが設けられている。このロックピン6m,6n及びロックピン6o,6pにロック爪6q,6rがロック溝6q1,6r1及びロック溝6q2,6r2を係合して解除位置とロック位置とに移動可能に設けられている。
【0038】
さらに、掛止部6d,6hは、図12に示すように構成できる。この実施の形態では、掛止部6d,6hの切欠き6d1,6h1を例えば支柱ブラケット係合部50dに引っ掛けて、下側の掛止部6hをボルト6sにより固定して抜け止する。
【0039】
また、支柱ブラケット6は、図13に示すように構成される。この実施の形態では、図9と同様に構成される部材は、同じ符号を付して説明を省略する。この実施の形態の斜材6bは、内側パイプ6b1と外側パイプ6b2をピン6fにより長さを調節可能に構成され、外側パイプ6b2には2又状の掛止部6tが固定されている。この掛止部6tを例えば支柱ブラケット係合部50dに引っ掛けて、内側パイプ6b1をスライドしてピン6fにより固定して抜け止する。
【0040】
このように支柱ブラケット6は、斜材角度調整機構により斜面勾配に合わせて相互の部材角を変更できるため、足場板9の水平を確保することができる。また、支柱ブラケット6は斜面2に適宜間隔をあけて設置する組立支柱5及び組立昇降兼用支柱53の同一高さに係止するものであるが、その横方向の間隔は足場板9の長さに応じて定める。足場を構築する斜面2が平坦な場合には隣接する支柱ブラケット6同士は平行となるので所定形状の爪付きの鋼製足場板を用いることもできるが、斜面が平坦でない場合、例えば曲面を有する場合、段差を備える場合等には木製や鋼製等の足場板を結束バンド等で固定することになる。
【0041】
鞘管6e側面には手摺柱7を支持するピン6jが挿通するが、これを抜くことで手摺柱7を落し込みその高さを低くすることができる。また、手摺柱7は、このピン6jを挿通するための孔部7aが下部に設けられ、上端部にはグラビティロック7dが突設している。手摺柱7の中央部には、グラビティロック7dを有する手摺8の高さ調節可能な手摺係止部材70が係止ピン71により係止されている。
【0042】
手摺柱7は、鞘管6cに高さ調節可能に挿通支持される。手摺柱7に設けた手摺係止部材70は、係止ピン71を抜くことで下方へ移動可能になり、手摺係止部材70に支持した手摺8の高さを調節することができる。さらに、手摺柱7は手摺8を下げる場合には鞘管6c内を降下させ、作業の種類に応じて手摺柱7の高さを容易に変化させることができる。
【0043】
手摺柱7を下げる時には、手摺柱7間に設けた手摺8が手摺柱7の下げに従って斜めとなりその支点間距離が長くなるが、伸縮機構を備えているのでこれに対応することができる。なお、手摺柱7の高さ調整機構はこのような落し込み方式でなくとも可能である。例えば手摺柱と支柱ブラケットの水平材とを回動可能に軸支する構成でもよい。
【0044】
間隔保持部材11は組立支柱5及び組立昇降兼用支柱53に装着する単クランプの緊結部材11aと、これに溶接して固定され両端部にナット11bを溶接した連結プレート11cと、ナット11bに螺着したボルト11dを備えている。ボルト11dの下端部には斜面2に当接する支承部11eを設けている。支承部11eは構造物を傷めないように色の付きにくいゴム、樹脂等の支承とする。間隔保持部材11は組立支柱5及び組立昇降兼用支柱53と斜面2との間を調整することができるため、斜面2に凹凸がある場合にも組立支柱5及び組立昇降兼用支柱53を同一平面に並置することができる。
【0045】
次に、斜面作業用足場の架設方法を図16に基づき説明する。図16はブロック積み擁壁を構築する際に設ける斜面作業用足場の架設手順の説明図である。先ず法尻部分の根切り部に所定の基礎コンクリート12を施工した後、コンクリートブロック13を重機及び人力により1個づつ積み上げ背面に間詰めコンクリートを打設して一体化を図りつつブロック積み上げ作業を所定の法面高さ(地上高さ約2m)まで繰り返して壁面を築造する(図16(a))。
【0046】
その後、基盤3上に傾斜角調整機構付のジャッキベース4を所定間隔で載置して斜面の勾配方向に沿って第1層部分の組立支柱5を立設し、支柱ブラケット6及び足場板9等からなる作業床を構築し(図16(b))、この作業床を利用して例えば地上約3mの高さまで壁面を施工する(図16(c))。次に、第2層部分の組立支柱5等を建て込みながら壁体を構築し次の作業床を架設して、更に上部のブロック積み上げ作業を行う。このようにして擁壁の高さがかなり高くなってきた時には、基盤3上に仮盛土14を行って重機の高さを調整する(図16(d),(e))。最上部までの擁壁及び足場の構築が完了した後に(図16(f))、仮盛土14を撤去し、仮撤去した作業床を復旧して、ブロックの目地仕上げを行う(図16(g))。
【0047】
このようにブロック積み上げ作業はバックホー等の重機を用いながら材料を足場板9や背面の盛土15上に搬入して新たなブロックを順次積み上げて行くので重機旋回の邪魔にならないよう該当する部分の手摺及び手摺柱は一時低位置に移動し、足場板9上で作業を実施する際にはこれらを元の位置に復旧する。従って、ブロック積み上げ時には所定の位置で安全に作業が行え、目地仕上げを行いながら足場を順次解体することができるので資材・工程面においても効率的である。
【0048】
この斜面作業用足場は傾斜面の勾配に沿って簡単に設置できるので、上記のような法面におけるブロック積み工事等の他コンクリート打設された法面擁壁の補修工事にも有効である。
【0049】
以上説明した斜面作業用足場は基盤面の高さがほぼ一定で、作業床が基盤と平行に設置できる場合であるが、基盤に縦断勾配があって作業床と基盤が平行にならない時には図4及び図5に示す調整支柱51,52を用い、支柱ジョイント51a,52aによりパイロット支柱50に連結する。これにジャッキベース4の調整代を加えることで基盤3に縦断勾配がある場合でも隣接する支柱の下端高さを揃え、同一高さで水平に足場板を架設することが可能になる。
【0050】
次に、この発明の他の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図17はこの発明の斜面作業用足場の正面図、図18は同側面図、図19は組立支柱の正面図、図20は支柱ブラケットの側面図、図21は間隔保持部材の正面図である。
【0051】
斜面作業用足場101は、斜面102基部の基盤103上に載置するジャッキベース104と、このジャッキベース104に下端部を連結し斜面102の勾配方向に沿って設置する梯子状の組立支柱105と、組立支柱105に係止する支柱ブラケット106と、手摺柱107及び手摺108を備え、支柱ブラケット106間には足場板109が掛け渡され、組立支柱105には連結部材110及び間隔保持部材111が取り付けられる。
【0052】
組立支柱105は、図19に示すような梯子状のパイロット支柱150を支柱ジョイント151により適宜組み立ててその全体長さを調整するものであり、パイロット支柱150は2本の柱材152と適数本の横材153からなる。長さの異なる単位枠を複数種類揃えると組立支柱105の全体長さを斜面長に応じて適切に調整することができる。パイロット支柱150はアルミニウムパイプのような軽量な材質が望ましく、支柱ジョイント151を工場で取付けてから現場に搬入すれば特に工具を用いなくとも足場の組立が可能になる。
【0053】
ジャッキベース104は、図7及び図8と同様に構成されるから説明を省略する。支柱ブラケット106は、足場板支持部材である水平材106aと、上下端に掛止部106b,106jを設けた縦部材106cと、これらを連結する斜材106dを有し、水平材106aの先端には、手摺柱107を挿通係止する鞘管106eを固着する。斜面102の勾配に合わせて水平材106aと縦部材106cの交角αを例えば傾斜勾配1:0.3,1:0.4,1:0.5,1:0.6に合わせられるように斜材106dは角度調整機構を備える。
【0054】
この支柱ブラケット106の斜材角度調整機構は、縦部材106cに突設する板体の係合部106gに斜材下端部のピン106fを適宜選択しながら係止する方式であるが、もちろんこれに限定されるものではなく、例えば係合部を縦部材に穿設する複数のピン孔とするものでもよい。また、長めの斜材上部に複数のピン孔を穿設し、これを適宜選択しながら水平材とピン結合する方式でもよい。
【0055】
このように支柱ブラケット106は、斜材角度調整機構により斜面勾配に合わせて相互の部材角を変更できるため、足場板109の水平を確保することができる。また、支柱ブラケット106は斜面102に適宜間隔をあけて設置する組立支柱105の同一高さに係止するものであるが、その横方向の間隔は足場板109の長さに応じて定める。足場を構築する斜面102が平坦な場合には隣接する支柱ブラケット106同士は平行となるので所定形状の爪付きの鋼製足場板を用いることもできるが、斜面が平坦でない場合、例えば曲面を有する場合、段差を備える場合等には木製や鋼製等の足場板を結束バンド等で固定することになる。
【0056】
鞘管106e側面には手摺柱107を支持するピン106hが挿通するが、これを抜くことで手摺柱107を落し込みその高さを低くすることができ、手摺柱107は、図14に示すものと同様に構成されるから説明を省略する。
【0057】
手摺柱107を下げる時には、手摺柱107間に設けた手摺108が手摺柱107の下げに従って斜めとなりその支点間距離が長くなるが、伸縮機構を備えているのでこれに対応することができる。なお、手摺柱107の高さ調整機構はこのような落し込み方式でなくとも可能である。例えば手摺柱107と支柱ブラケット106の水平材とを回動可能に軸支する構成でもよい。
【0058】
また、支柱ブラケット106は掛止部106bを組立支柱105の適宜高さの横材153に掛止し、縦部材106cの下端の掛止部106jを他の横材153に掛止して固定する方式であるが、支柱ブラケット106の浮き上がりを防止するため、掛止部106b下方に回動可能なL字金具106iを付設する。
【0059】
間隔保持部材111は柱材152に装着する緊結部材111aと、これに連結するボルトナット111bを備え、その下端部には斜面102に当接する支承部111cを設ける。支承部111cは構造物を傷めないように色の付きにくいゴム、樹脂等の支承とする。間隔保持部材111は組立支柱105と斜面102との間を調整することができるため、斜面102に凹凸がある場合にも組立支柱105を同一平面に並置することができる。
【0060】
以上説明した斜面作業用足場は基盤面の高さがほぼ一定で、作業床が基盤と平行に設置できる場合であるが、基盤に縦断勾配があって作業床と基盤が平行にならない時には図22に示す調整支柱を用いる。図22は調整支柱の正面図、図23はパイロット支柱の正面図である。調整支柱116は略H形のスライド部材116aと、これを挿入支持する略H形の支持部材116bからなり、スライド部材116aは支柱ジョイント151により組立支柱105のパイロット支柱150に連結する。
【0061】
スライド部材116aと支持部材116bの縦材には複数のピン孔116cを穿設し係合ピン116dにより両者を固定する。係合ピン116dの挿入位置を適宜選択して調整支柱部材116の高さH1を段階的に変更し、これにジャッキベース104の調整代H2を加えることで基盤103に縦断勾配がある場合でも隣接する支柱の下端高さを揃え、同一高さで水平に足場板を架設することが可能になる。
【0062】
このように、2個のジャッキベース104を用い、それぞれのジャッキベース104は調整支柱116を介して組立支柱105の下端部と連結され、ジャッキベース104による調整と調整支柱部材116の高さを段階的に変更する簡単な構成で組立支柱5の高さを揃えて設置することができる。
【0063】
また、ジャッキベース104と組立支柱105の下端部との連結構造は、この実施例に限定されず、単一のジャッキベース104の上部に、後記する受部材220を嵌合し、この受部材220と組立支柱105の下端部と連結可能に、または調整支柱部材116を介して組立支柱105の下端部と連結可能に構成することができる。受部材220を用いることで、単一のジャッキベース104により組立支柱105の下端部または、調整支柱116を介して組立支柱105の下端部と連結でき、しかもジャッキベース104と組立支柱105または調整支柱116との連結構造を簡単にすることができる。
【0064】
ところで爪付きの鋼製足場板を用いる場合には各支柱ブラケットの相互の位置関係が固定されるため、組立支柱105の横材に支柱ブラケット106を引掛けるだけでも横ずれすることはないが、木製の足場板を結束バンド等で固定する場合には支柱ブラケット106の固定状態が緩いため横材上を移動する恐れがある。前述したように斜面が平坦でない場合には爪付きの足場板が使用できないので支柱ブラケット106の固定状態を改良した足場が必要となる。
【0065】
その支柱ブラケットの実施形態を図24に示す。この支柱ブラケット126はパイロット支柱150に装着するもので、柱材151に固着する角形鞘管154に同形断面の縦部材126cを挿通係止する方式である。このため支柱ブラケット126の固定状態は引掛方式より確実になりずれや回転がなくなるので、木製の足場板109を載置しても安全である。
【0066】
支柱ブラケット126の斜材126dは中間部と縦部材連結部にそれぞれ係合ピン126fを設け、これらのピン位置を移動組み合わせることで水平材126aの角度調整を行うものである。また角形鞘管154は縦部材126cが移動しやすい最小長さとする。
【0067】
図25乃至31は斜面作業用足場のさらに他の実施例を示している。図25は斜面作業用足場の設置した状態を示す概略図、図26はジャッキベース、受部材及び調整支柱の組み合わせを示す説明図、図27は調整支柱を示す図、図28は受部材を示す図、図29は組立昇降兼用支柱を示す図、図30は組立昇降兼用支柱の桟を示す図、図31は組立昇降兼用支柱の桟の他の実施例を示す図である。
【0068】
図25に示すように、基盤に縦断勾配があって作業床と基盤が平行にならない時には、図26乃至図28に示すジャッキベース、受部材及び調整支柱を用い、昇降には図29乃至図31に示す組立昇降兼用支柱を用いる。
【0069】
基盤に縦断勾配があって作業床と基盤が平行にならない時には、ジャッキベース104と、長さが異なる複数の調整支柱部材210,211,212と、この調整支柱部材210,211,212をジャッキベース104に支持する受部材220とを用い、斜面102の勾配の勾配に応じて、ジャッキベース104の高さ調節と、長さが異なる調整支柱部材210,211,212の選択とにより、組立支柱105の高さを揃える。
【0070】
ジャッキベース104は、図26(a)に示すように、台板104aに対してネジ棒104bが全方向に旋回可能に軸支され、ネジ棒104bには高さを調節するハンドル104cが螺着され、斜面102の勾配と平行になるようネジ棒104bの角度を調整すると共に基盤103の傾斜にも対応することができる。
【0071】
長さが異なる3種類の調整支柱部材210,211,212は、図26(c)〜(e)及び図27に示すように、下部が受部材220に嵌合され、上部には組立支柱105が嵌合される。調整支柱部材210,211,212の下部及び上部にはそれぞれ取付孔210a,211a,212a及び取付孔210b,211b,212bが形成されている。
【0072】
受部材220は、図26(b)〜(e)及び図28に左右一対の有底支柱嵌合パイプ220a,220bが棒材220cで連結され、さらに左右一対の有底支柱嵌合パイプ220a,220bの中央にジャッキ嵌合パイプ220dが板材220eで連結して構成される。図28(a)に示すように、左右一対の有底支柱嵌合パイプ220a,220bの間で両者の中心を結ぶ線L1から一方へ偏位した位置にジャッキ嵌合パイプ220dが配置され、ジャッキ嵌合パイプ220dに嵌合されるジャッキベース104と、左右一対の有底支柱嵌合パイプ220a,220bに嵌合される組立梯子状の支柱5や調整支柱部材210,211,212とが干渉しないようになっている。
【0073】
この受部材220は、そのジャッキ嵌合パイプ220dをジャッキベース104のネジ棒104bに嵌合支持し、この受部材220の左右一対の有底支柱嵌合パイプ220a,220bに組立支柱105の下端部を嵌合し、あるいは長さが異なる複数の調整支柱部材210,211,212を選択して嵌合しさらに調整支柱部材210,211,212に組立支柱105の下端部を連結する。そして、斜面102の勾配に応じて、ジャッキベース104のハンドル104cを回動して高さ調節し、また異なる複数の調整支柱部材210,211,212の選択による簡単な構造で組立支柱105の高さを揃えることができる。特に、組立支柱105や調整支柱210,211,212の下端部が左右一対の場合でも、受部材220を用いることで単一のジャッキベース104により高さ調節ができ、部品点数が少なくしかも簡単な操作で高さ調節ができる。
【0074】
図25に示すように、基盤に縦断勾配があって作業床と基盤が平行にならない場合の実施例について説明すると、斜面102と、高さを揃える組立支柱105の下部との間隔は、L1〜L9に示すような長さである。この間隔L1〜L4の位置では、ジャッキベース104と最短の調整支柱部材210との組み合わせより間隔が短いため、最短の調整支柱部材210を用いないで、ジャッキベース104の上部に受部材220を嵌合し、この受部材220に組立支柱105の下部を嵌合し、ハンドル104cを操作して組立支柱105の高さを揃える。
【0075】
間隔L6〜L9の位置では、ジャッキベース4と最短の調整支柱部材210とを用い、ジャッキベース4の上部に受部材220を嵌合し、この受部材220に最短の調整支柱部材210の下部を嵌合し、この調整支柱部材210の上部に組立支柱105の下部を連結し、ハンドル104cを操作して組立支柱105の高さを揃える。
【0076】
また、斜面作業用足場101は、組立支柱105に、踏み桟301を有する組立昇降兼用支柱300を組み合わせて設置可能に構成されている。組立昇降兼用支柱300は、図29に示すように下部及び上部に取付孔300a,300bが形成され、上部に同様な踏み桟を有する組立昇降兼用支柱300の下部が嵌合される。下方の組立昇降兼用支柱300の下端部は、それぞれのジャッキベース104の上部に嵌合され、このジャッキベース104により高さ調節が行なわれる。なお、図26及び図28に示すような単一のジャッキベース104に受部材220を嵌合し、この受部材220に組立昇降兼用支柱300の下部を嵌合してもよく、ジャッキベース104と組立昇降兼用支柱300との連結構造が簡単である。
【0077】
組立支柱105と、組立昇降兼用支柱300を組み合わせて設置することで、作業者は組立昇降兼用支柱300を利用して容易に昇降でき作業効率が向上する。
【0078】
この組立昇降兼用支柱300は、図30に示すように桟301の中央部に略1/3程度の幅に踏み面301aを形成しても、また、図31に示すように桟301に略全幅に踏み面301aを形成してもよい。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明の斜面作業用足場では、斜面作業用足場のジャッキベースは斜面の勾配方向に合わせて角度を調整できるものであり、またジャッキベースは、台板に対してネジ棒が旋回可能に軸支するため、基盤の傾斜角にも対応することができる。また、ジャッキベースに連結する組立支柱は適宜その全体長さを調整することができるため、同一高さで足場板を架設できる。また、組立支柱が、互いに長さが異なるパイロット支柱と調整支柱の組み合わせから構成され、パイロット支柱と調整支柱の組み合わせにより簡単に組立支柱の高さ調節ができる。また、パイロット支柱及び調整支柱が、1本の鋼製パイプに支柱ジョイント、支柱ジョイント嵌合部、支柱ブラケット係合部及び連結部材係止部を有し、小型かつ軽量で、保管、運搬に便利で、しかも低コストである。このように、足場に使用する資材の数量が少なく、軽量であり、しかも組立解体作業が容易で、鳶職や熟練工を必要とせずに安全に構築することができ、工程的にもコスト的にも有利である。また、支柱ブラケットの足場板支持部材の先端部に係止した手摺柱の上部高さを変更することで、斜面完成時のみならず斜面構築時にあっても作業員の安全を確保しながら、しかも手摺柱や手摺が資材搬入等の邪魔にならない。
【0081】
請求項2記載の発明の斜面作業用足場では、組立支柱は係止部材を有し、支柱ブラケットにより適切な高さの係止部材を選択して簡単に支柱ブラケットを組立支柱に係止することができる。
【0085】
請求項3記載の発明の斜面作業用足場では、間隔保持部材が、組立支柱と斜面との間を調整することができるため、斜面に凹凸がある場合にも組立支柱の斜面からの離れを一定にすることができる。
【0086】
請求項4記載の発明の斜面作業用足場では、手摺柱に設けた手摺係止部材により手摺の高さを調節することができ、さらに手摺柱は手摺を下げる場合には鞘管内を降下させ、作業の種類に応じて手摺柱の高さを容易に変化させることができる。
【0087】
請求項5記載の発明の斜面作業用足場では、手摺柱を下げる時には、手摺柱間に設けた手摺が手摺柱の下げに従って斜めとなりその支点間距離が長くなるが、伸縮機構を備えているのでこれに対応することができ、作業の種類に応じて手摺柱及び手摺の高さを容易に変化させることができる。
【0088】
請求項6載の発明の斜面作業用足場では、組立支柱に、昇降兼用支柱を組み合わせて設置することで、作業者は昇降兼用支柱を利用して容易に昇降でき作業効率が向上する。
【0089】
請求項7記載の発明の斜面作業用足場では、踏み桟を有する組立昇降兼用支柱も組立支柱と同様に、簡単なジャッキベースにより高さ調節を行なうことができる。
【0090】
請求項8記載の発明の斜面作業用足場の架設方法では、支柱ブラケットは斜材角度調整機構により斜面勾配に合わせて相互の部材角を変更できるため、足場板支持部材の水平を確保することができる。支柱ブラケットは斜面に適宜間隔をあけて設置する組立支柱の同一高さに係止するものであるが、その横方向の間隔は足場板の長さに応じて定める。足場を構築する斜面が平坦な場合には隣接する支柱ブラケットは平行となるので所定形状の爪付きの鋼製足場板を用いることもできるが、斜面が平坦でない場合には木製や鋼製の足場板を結束バンド等で固定することになる。斜面の勾配方向に合わせて設置される組立支柱は、その高さを容易に揃えることができ、基盤上から延伸して組立てていくことができ、作業床を利用して所定高さまで壁面を施工し、次の作業床を架設し、組立解体作業が容易で、鳶職や熟練工を必要とせずに安全に構築することができ、工程的にもコスト的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】斜面作業用足場の正面図である。
【図2】斜面作業用足場の側面図である。
【図3】パイロット支柱を示す図である。
【図4】調整支柱を示す図である。
【図5】調整支柱を示す図である。
【図6】昇降兼用支柱を示す図である。
【図7】ジャッキベースの側面図である。
【図8】図7のVIII-VIII断面を示す断面図である。
【図9】支柱ブラケットを示す図である。
【図10】他の実施の形態の支柱ブラケットを示す図である。
【図11】支柱ブラケットの係止部を示す拡大図である。
【図12】さらに他の実施の形態の支柱ブラケットの係止部を示す図である。
【図13】さらに他の支柱ブラケットの係止部を示す拡大図である。
【図14】手摺柱を示す図である。
【図15】間隔保持部材を示す図である。
【図16】斜面作業用足場の架設方法を説明する図である。
【図17】他の実施の形態の斜面作業用足場の正面図である。
【図18】斜面作業用足場の側面図である。
【図19】組立支柱の正面図である。
【図20】支柱ブラケットの側面図である。
【図21】間隔保持部材の正面図である。
【図22】他の実施の形態の調整支柱の正面図である。
【図23】他の実施の形態の調整支柱の正面図である。
【図24】他の実施の形態のパイロット支柱の正面図である。
【図25】他の実施の形態の斜面作業用足場の設置した状態を示す概略図である。
【図26】ジャッキベース、受部材及び調整支柱の組み合わせを示す説明図である。
【図27】調整支柱を示す図である。
【図28】受部材を示す図である。
【図29】組立昇降兼用支柱を示す図である。
【図30】組立昇降兼用支柱の桟を示す図である。
【図31】組立昇降兼用支柱の桟の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 斜面作業用足場
2 斜面
3 基盤
4 ジャッキベース
5 組立支柱
6 支柱ブラケット
7 手摺柱
8 手摺
9 足場板
10 連結部材
11 間隔保持部材
Claims (8)
- 傾斜角調整機構を備え斜面基部の基盤上に載置するジャッキベースと、このジャッキベースに下端部を連結し斜面の勾配方向に沿って所定間隔で設置する組立支柱と、この組立支柱間を連結する連結部材と、斜材角度調整機構を備え組立支柱に係止する支柱ブラケットと、この支柱ブラケットの足場板支持部材の先端部に係止しその上部高さを変更し得る高さ調整機構付の手摺柱と、隣接する手摺柱同士を連結する手摺とを備え、
前記ジャッキベースは、台板に対してネジ棒を全方向に旋回可能に軸支し、
前記組立支柱は、互いに長さが異なるパイロット支柱と調整支柱の組み合わせから構成され、
前記パイロット支柱及び前記調整支柱は、それぞれ支柱ジョイントで接続して斜面の勾配方向に沿って設置し、
前記パイロット支柱及び前記調整支柱は、それぞれ1本の鋼製パイプの下部に前記支柱ジョイントを有し、上部に支柱ジョイント嵌合部を有し、さらに支柱ブラケット係合部及び連結部材係止部を有することを特徴とする斜面作業用足場。 - 前記支柱ブラケットは、縦部材の上端部を前記組立支柱の係止部材に掛止し、下端部を前記組立支柱の他の係止部材に掛止することを特徴とする請求項1記載の斜面作業用足場。
- 前記組立支柱は、下端を斜面に支持する間隔保持部材を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の斜面作業用足場。
- 前記手摺柱は、手摺の高さ調節可能な手摺係止部材を有し、さらにこの手摺柱は前記足場板支持部材の先端部に設けた鞘管に高さ調節可能に挿通支持したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の斜面作業用足場。
- 前記手摺は、伸縮機構を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の斜面作業用足場。
- 前記組立支柱に、踏み桟を有する昇降兼用支柱を組み合わせて設置可能に構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の斜面作業用足場。
- 前記組立昇降兼用支柱の下端部を、傾斜角調整機構を備え斜面基部の基盤上に載置するジャッキベースの上部に連結可能に構成したことを特徴とする請求項6記載の斜面作業用足場。
- 法尻部分の根切り部に所定の基礎コンクリートを施工した後、所定の法面高さまで壁面を築造し、
その後、斜面基部の基盤上に傾斜角調整機構付のジャッキベースを所定間隔で載置し、このジャッキベースは、台板に対してネジ棒を全方向に旋回可能に軸支し、
前記ジャッキベースに組立支柱の下端部を連結して斜面の勾配方向に沿って支柱を組み立てながら延伸すると共に隣接する組立支柱間に連結部材を係止し、この組立支柱は、互いに長さが異なるパイロット支柱と調整支柱の組み合わせから構成され、
前記パイロット支柱及び前記調整支柱は、それぞれ支柱ジョイントで接続して斜面の勾配方向に沿って設置し、
前記パイロット支柱及び前記調整支柱は、それぞれ1本の鋼製パイプの下部に前記支柱ジョイントを有し、上部に支柱ジョイント嵌合部を有し、さらに支柱ブラケット係合部及び連結部材係止部を有し、
前記組立支柱の適宜高さに係止して斜材角度調整機構により水平となった支柱ブラケットの足場板支持部材に足場板を装着し、この足場板上あるいは斜面上方に機材を搬入する際にはブラケット先端部に係止する高さ調整機構付の手摺柱を低位置に移動し、足場板上で作業を実施する際には手摺柱及び手摺を所定高さで固定して作業床を構築し、
この作業床を利用して所定高さまで壁面を施工し、次の作業床を架設することを特徴とする斜面作業用足場の架設方法。
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