JP6709089B2 - 迅速組立足場 - Google Patents
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Description
(1)線路閉鎖後、軌道内に進入して資材を作業現場まで搬送し、足場の基礎部分の設置等の準備作業を行う
(2)き電停止後、足場を組み立てる
(3)本作業
(4)き電停止解除までに足場の解体を完了する
(5)片付け確認後、線路閉鎖解除までに軌道内より退出
足場の組立作業はき電停止後に迅速に行う必要があるが、従来から用いられている作業足場は軌道内での組立解体に平均き電停止時間の37%を要してしまう。
この組立解体時間の割合が本作業時間を圧迫する問題となっている。
本願の第2発明は、第1発明の迅速組立足場において、前記昇降ジャッキは、前記台車に取り付けたボルト軸の回転に伴いパンタグラフが開閉するパンタグラフジャッキであることを特徴とする、迅速組立足場を提供する。
本願の第3発明は、第1発明又は第2発明の迅速組立足場において、前記作業床は、床板と、前記床板の周囲に折り畳み可能に取り付ける手摺と、前記床板に設けるハッチと、からなり、前記支柱体は、伸縮可能な2本の縦木と、前記縦木間に渡設する複数本の横木と、からなり、前記ハッチは、前記作業床を前記支柱体の上端に取り付けた際に、いずれか一つの前記支柱体の前記横木と略同一平面となることを特徴とする、迅速足場を提供する。
(1)迅速な組立・解体が可能であり、き電停止時間を有効に活用できる。
(2)駅構内および軌道上に人力で持ち運び、組立・解体ができる。
(3)軌道上を現地へ運ぶことができ、本作業時間を長く確保することができる。
<1>迅速組立足場の構成。
本発明の迅速組立足場は、台車1と、台車1に立設する4本の支柱体2、支柱体2の上部に取り付ける作業床3と、作業床3を昇降するための昇降ジャッキ4と、からなる(図1)。
台車1は、下面に車輪11を設けると共に、上面にジャッキベース12を立設する平面視略矩形の部材である(図2)。
本発明の迅速組立足場は軌道上で使用するため、車輪11は軌道に合わせた配置とする。
ジャッキベース12は、台車1の四隅付近に、各支柱体2ごとに2本ずつ、軌道に平行な方向に立設する。
支柱体2は台車1の四隅に配置する。
支柱体2は梯子状であり、縦木21が伸縮可能であり、かつ、所定の高さで固定可能な構造とする(図3)。
支柱体2は横木22が軌道と平行になるように、縦木21の下端にジャッキベース12を嵌挿して台車1上に立設する。
本発明の迅速組立足場は軌道上で使用するため、カントに合わせた高さ調整が必要となる。支柱体2の下端にはジャッキベース12を嵌挿するため、ジャッキベース12により高さ調整が可能である。
支柱体2の縦木21には、アウトリガー23を枢設する。
作業床3は支柱体2の上端に渡して配置する部材である。
作業床3は、床板31と、床板31の周囲に取り付ける手摺32と、床板31に設けるハッチ33と、からなる(図4、5、7)
手摺32は、床板31側に折り畳み可能である。また、床板31の側辺(軌道と略平行な辺)側は拡幅床部321を折り畳み可能に取り付けてその端辺に手摺32を取り付ける構成とする。拡幅床部321を折り畳んだ状態のとき、作業床3の横幅は車両限界内とする。
作業床3の下面には支柱体2の上端に対応する位置に鞘管34を設けて、鞘管34に支柱体2の上端を挿通し、鞘管34および支柱体2を横から貫通するロックピン341により、支柱体2と作業床3とを固定する(図6)。
支柱体2は、作業員が作業床3に登るための梯子であり、別途昇降用の梯子が不要であり、構成部材が少なくすむ。
ハッチ33は、床板31に形成した開口部331を開閉するものである(図7)。
ハッチ33は一辺にヒンジ35を取り付けて、ヒンジ35を介して開口部331に取り付ける。
ハッチ33は、閉止時には床板31と同一平面状とし、開放時はヒンジ35を介して床板31より上方に押し上げられる。
このとき、ヒンジ35を取り付けたハッチ33および開口部331の辺の近傍下面に鞘管34を取り付けることにより、ハッチ33開放時に開放したハッチ33と下部に位置する支柱体2が連続するため、梯子状の支柱体2を登ってきた作業員が容易にハッチ33を通ることができる。
ハッチ33の下面にはハッチステー332を設けて、作業員が支柱体2から作業床3上に上がる際のサポートとする。
作業床3の向きを反転することにより、軌道に対するハッチ33の位置を選択できる。
昇降ジャッキ4は、複数のリンク411を組み合わせてなるパンタグラフ41と、下端のリンク411aと連結するボルト軸42と、からなる(図8)。
リンク411は複数の棒状のアーム412をピン413によりX字状に枢支したものであり、各リンク411a、bどうしもアーム412の端部どうしをピン413により枢支する。
ボルト軸42は、台車1にとりつけた軸受43を介して両端付近を支持する。
ボルト軸42の一端には六角のボルト頭部421を設ける。
ボルト軸42には雌ねじ44を螺合する。
パンタグラフ41の下端のリンク411aの一方の端部は台車1に回動自在に枢支し、他方の端部は雌ねじ44に枢支する。
これにより、ボルト頭部421を回動すると、ボルト軸42の回動により雌ねじ44が往復移動し、各リンク411の角度が変動してパンタグラフ41が伸縮する。ボルト頭部421をレンチ等で回すことで、容易に伸縮できる。ボルト頭部421にクランク状のハンドルを取り付けて、ハンドルを介してボルト頭部421を回転してもよい。
パンタグラフ41の上端のリンク411bは、作業床3の下面に取り付けるスライドレール45を連結する。
リンク411bの一方の端部はスライドレール45の端部付近に回動自在に枢支し、他方の端部はスライドレール45にスライド自在に連結する。
これらの機構により、ボルト軸42を回動すると、パンタグラフ41の伸縮により昇降ジャッキ4のスライドレール45を取り付けた作業床3が昇降する。
昇降ジャッキ4は、軌道に沿って2台を平行に設けて、両者のボルト軸42を同時に回動することにより、作業床3を水平な状態で昇降することができる。
次に、迅速組立足場の施工方法を説明する。
終電後、線路閉鎖を確認する。
軌道近傍にあらかじめ運び入れておいた台車1を、軌道上に配置する(図9A)。
台車1は平板に車輪11とジャッキベース12を設けたものであるため、人力で容易に軌道内に運ぶことができる。
カントのついた位置で使用する場合には、左右のジャッキベース12でカント調整を行う。
アウトリガー23を取り付けた支柱体2の下端を、台車1のジャッキベース12に挿し込んで固定する(図9B)。アウトリガー23は、支柱体2の2本の縦木21a、bのうち、台車1の端部側の縦木21aに取り付ける。
アウトリガー23は支柱体2に枢設しているため、ホーム位置などにより軌道幅内に納めることが可能である。
支柱体2は伸縮可能な梯子状であるため、人力で容易に軌道内に運ぶことができる。
支柱体2の上端を作業床3の鞘管34に挿通し、ロックピン341を貫通して、作業床3を固定する(図9C)。
作業床3は手摺32を畳んだ状態、支柱体2も縮めた状態であり、作業床3の架線からの距離は3m程度である。
ジャッキベース12によりカント調整が行われているため、作業床3は略水平である。
昇降ジャッキ4を台車1上に取り付ける。
昇降ジャッキ4のスライドレール45を作業床3の下面に取り付ける(図9D)。
昇降ジャッキ4はパンタグラフ41とボルト軸42とからなるため、人力で容易に駅構内に運ぶことができる。
アウトリガー23のジャッキが上がっているのを確認して、迅速組立足場を現地へ移動させる。軌道上を移動させることで、現地へ容易に運ぶことができる。
作業床3は拡幅床部321が展開されていないため、車両限界が確保されており、ホーム脇なども移動可能である。
作業床3の上昇前は、作業床3の架線からの距離は3m程度であるため、き電停止を待たずに現地へ運ぶことができ、本作業時間を長く確保することができる。
現地に到着し、き電停止を確認した後に、作業床3の手摺32を展開する(図9E)。
そして、昇降ジャッキ4のボルト軸42をレンチやハンドル等で回して昇降ジャッキ4を伸張して、作業床3を上昇する。作業床3を上昇させるのは、レンチやハンドル等で回すのみであり、短時間で容易に上昇することができる。
支柱体2は上端を作業床3に固定しているため、作業床3の上昇に合わせて伸長する。
作業床3を当日設定する高さまで上昇させた後、昇降ジャッキ4を少し下げて、作業床3を支柱体2により支持する。支柱体2は所定の高さで固定する。
作業床3を、当日設定する高さまで上昇させた後、この高さに使用する筋交24をあらかじめ用意して、台車1の端部にある左右の支柱体2どうしに掛け渡して、支柱体2どうしを固定する(図9F)。
筋交24は、その中点どうしをピン結合した公知の形状である。
筋交24と支柱2の接合は、筋交24の4つの先端部に設けた孔を、支柱2の上端部や端部に取り付けた公知のグラビティロックに通すことにより行う。
筋交い24は延長または短縮できる構成にすることもできる。
作業員は、梯子状の支柱体2を登り、ハッチ33を押し上げて、作業床3上に上がって作業を開始する(図9G)。
台車1の範囲内にある梯子状の支柱体2を登るため、安全に登ることができる。
作業員が上がるときには作業床3は手摺32が展開されているため、手摺先行の足場となり、労働安全衛生規則を満たす。
作業が終了したら、筋交24を外し、支柱体2の高さの固定を解除し、昇降ジャッキ4を縮めて、作業床3を下降する。昇降ジャッキ4を縮める作業はレンチやハンドル等によってボルト軸42を回すのみであり、短時間で容易に下降することができる。
そして、手摺32を折り畳んで最小の高さとする。
容易に最小の高さにすることができるため、き電停止時間を有効に利用することができる。
そして、アウトリガー23のジャッキを上げて、軌道上を移動させて搬出位置まで運び、昇降ジャッキ4、作業床3、支柱体2を取り外して、台車1を搬出して作業終了となる。
11 車輪
12 ジャッキベース
2 支柱体
21 縦木
22 横木
23 アウトリガー
24 筋交
3 作業床
31 床板
32 手摺
321 拡幅床部
33 ハッチ
331 開口部
332 ハッチステー
34 鞘管
341 ロックピン
35 ヒンジ
4 昇降ジャッキ
41 パンタグラフ
411 リンク
412 アーム
413 ピン
42 ボルト軸
43 軸受
44 雌ねじ
45 スライドレール
Claims (3)
- 軌道上を移動可能な台車と、
前記台車上に立設する4本の支柱体と、
前記支柱体の上端に取り付ける作業床と、を有し、
前記作業床は、前記台車の上面に設けた昇降ジャッキにより昇降自在であり、
前記支柱体は、前記作業床の昇降に追従して伸縮可能な梯子であり、前記台車上に固定したジャッキベースを下端に嵌挿して前記台車上に立設する、迅速組立足場。 - 請求項1に記載の迅速組立足場において、
前記昇降ジャッキは、前記台車に取り付けたボルト軸の回転に伴いパンタグラフが開閉するパンタグラフジャッキであることを特徴とする、迅速組立足場。 - 請求項1又は請求項2に記載の迅速組立足場において、
前記作業床は、床板と、前記床板の周囲に折り畳み可能に取り付ける手摺と、前記床板に設けるハッチと、からなり、
前記支柱体は、伸縮可能な2本の縦木と、前記縦木間に渡設する複数本の横木と、からなり、
前記ハッチは、前記床板に設けた開口部に取り付けたヒンジを介して前記開口部を開閉可能に前記床板に取り付け、
前記開口部のヒンジをつけた一辺は、前記作業床を前記支柱体の上端に取り付けた際に、いずれか一つの前記支柱体の前記横木と略同一平面となることを特徴とする、迅速足場。
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