JP3838385B2 - 電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶及びそれを用いる電子写真感光体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の置換基を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶及びそれを感光層又は中間層に用いる電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、導電性基体上に感光層を設けた電子写真感光体には、感光層が電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離した積層型感光体及び電荷発生能と電荷輸送能とを単一層に有する単層型感光体があり、従来より、これらの感光体に高帯電性、高感度、低残留電位性、繰り返し耐久性及び画質の維持等の諸特性を付与するために種々の試みがなされてきた。
【0003】
上記の電子写真感光体における感光材料としては、種々の無機系及び有機系の光導電物質が知られており、感光層に使用される電荷発生材料には、種々の有機化合物が数多く提案されている。
【0004】
近年、従来の有機光導電材料について、その感度波長領域を近赤外線の半導体レーザー波長(780〜830nm)にまで伸ばすことにより、レーザープリンター等のデジタル記録用の感光体として利用する要求が高まっており、このような観点から、スクエアリリウム化合物(特開昭49−105536号公報及び特開昭58−21416号公報)、トリフェニルアミン系トリスアゾ化合物(特開昭61−151659号公報)、フタロシアニン化合物(特開昭48−34189号公報及び特開昭57−148745号公報)等が、半導体レーザー用の光導電材料として提案されている。
これらの有機光導電材料を半導体レーザー用の感光材料として使用する場合には、まず、感光波長が長波長まで伸びていること、次に、形成される感光体の電気特性及び耐久性に優れていること等が要求されており、上記した有機光導電性物質の中で、フタロシアニン化合物が、半導体レーザー波長領域にも感度を示すものとして注目されている。しかしながら、可視光領域から半導体レーザー発振領域において、また、負帯電型において電子写真特性に優れたフタロシアニン化合物は見出されていないのが現状である。さらに、従来のフタロシアニン化合物は、電子写真感光体、特に単層型感光体の感光材料として用いると、残留電位の上昇が著しいという欠点がある。
【0005】
また、一般に感光層が顔料及び結着樹脂からなる電子写真感光体は、帯電−露光プロセスの繰り返しにより、程度の差はあるものの帯電性の低下、暗減衰の増大、残留電位の上昇及び画質不良等が発生してくる。これらの欠陥を防止するために、感光体の導電性基体と感光層との間に各種材料からなる中間層を設けることが検討されている。この中間層は、導電性基体からの不必要な電荷の注入を阻止すること、露光時に電荷発生層で発生した電荷の受容を適度に維持すること及び感光層と導電性基体との接着性を向上させること等を目的として設けられるものである。
【0006】
これまでに中間層に用いる材料としては、例えば、硝酸セルロース系樹脂(特開昭47−6341号公報)、ポリアミド系樹脂(特開昭48−47344号公報、特開昭61−110153号公報)、酢酸ビニル系樹脂(特開昭48−26141号公報)及びポリビニルアルコール系樹脂(特開昭58−105155号公報)等が提案されている。しかし、これらの材料では、帯電性や画質維持性を改善するために中間層の膜厚を増すと感光体の感度低下及び残留電位の増大を招きやすいという問題がある。
【0007】
一方、中間層に電子受容性物質を含有させることにより、層内に電荷移動能を付与して中間層の機能を改良するもの(特公昭61−35551号公報、特開昭59−160147号公報)が提案されている。しかし、これらに開示されているフルオレノン、テトラシアノキノジメタン等の電子受容性物質は、溶剤に可溶性であるため、中間層の上に感光層を形成させる際に、感光層に溶出するため、感光層塗工液の溶剤が制限される等の問題がある。これらの問題を解決するために、電子移動性顔料を含有する中間層を設けること(特開昭63−208853号公報、特開昭64−3671号公報)が提案されているが、これらの中間層は、電子移動性顔料を樹脂材料に分散させて形成されているために、中間層としての諸機能が顔料の分散状態に左右されやすく、特に繰り返し使用時の画質の維持という点では必ずしも十分満足すべきものではなかった。また、従来使用されている電子移動性顔料の電子移動性能は、長期の高帯電制及び低残留電位性を維持できる繰り返し使用に対して必ずしも十分満足できるものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記した実情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、優れた電子写真特性を有する電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を提供することにある。本発明の他の目的は、負帯電型において、高感度、高帯電性であり、残留電位が低いという優れた電子写真特性を示す電子写真感光体を提供することにある。本発明のその他の目的は、繰り返し使用しても、高感度を維持しながら、高帯電性及び低残留電位性が劣化することがなく、したがって、画像濃度の低下や地汚れを生じない良好な画像が得られる電子写真感光体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ガリウムフタロシアニン系光導電物質について鋭意研究を重ねた結果、特定の置換基を有するガリウムフタロシアニン結晶が優れた電子写真特性を有すること、それを感光層に使用して形成された電子写真感光体及びそれを中間層に使用して形成される電子写真感光体は、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、下記一般式(I)で表され、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)が5〜40度の範囲において、最も高強度の回折ピークの30%以上の強度を示す回折ピークの半値幅が、いずれも0.5〜5度の範囲のものであることを特徴とする。
【0011】
【化3】
(式中、Xはハロゲン原子及びニトロ基から選ばれる電子吸引性基、nは2〜4の整数を示す。)
【0012】
本発明においては、一般式(I)で表される電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の中で、下記式(II)で表され、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の6.5°、15.3°及び27.0°、または、7.0°、15.6°、25.1°及び27.5°に回折ピークを有するフッ素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
【0013】
【化4】
【0014】
本発明の電子写真感光体は、上記一般式(I)で表される電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を感光層に用いることを特徴とする。また、この電子写真感光体の帯電極性は、負帯電型であることが好ましい。
本発明の他の電子写真感光体は、上記一般式(I)で表される電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を中間層に用いることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶について説明する。本発明は、前記一般式(I)で表される化学構造を有する電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を提供するものであり、その一般式(I)中の電子吸引性基Xは、その電気特性等の点から、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子のようなハロゲン原子及びニトロ基から選ばれるが、より好ましくはフッ素原子及び塩素原子である。また、一般式(I)中のnは電子吸引性基Xの数を示しており、nの数は、電子の輸送性に関与するものであり、2〜4であることが必要である。電子輸送性は電子吸引性基の数が多くなるにつれて高くなるものであり、したがって、nの数が1のものは、電子の輸送性が低く、電子写真感光体の感光層または中間層のいずれに用いる場合にも好ましくない。
【0016】
本発明の電子吸引性基含有ヒロドキシガリウムフタロシアニン結晶は、次のようにして製造される。すなわち、電子吸引性基を有するフタロニトリルと金属塩化物とを加熱融解または有機溶媒の存在下で加熱するフタロニトリル法、電子吸引性基を有するジイミノイソインドリンと金属塩化物とを有機溶媒の存在下で加熱するジイミノイソインドリン法、電子吸引性基を有する無水フタル酸を尿素及び金属塩化物とを加熱融解または有機溶媒の存在下で加熱するワイラー法、電子吸引性基を有するシアノベンズアミドと金属塩とを高温で反応させる方法、電子吸引性基を有するジリチウムフタロシアニンと金属塩とを反応させる方法等、の公知のフタロシアニンの合成方法を適用して電子吸引性基含有金属フタロシアニンを得、次いで、後述のアシッドペースティング法を用いて加水分解させることによって電子吸引性基含有ヒロドキシ金属フタロシアニンを製造する。
【0017】
上記の合成方法に使用する有機溶媒としては、α−クロロナフタレン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、メトキシナフタレン、ジフェニルエタン、エチレングリコール、ジアルキルエーテル、キノリン、スルホラン、ジクロロベンゼン、ジクロロトルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキシド、ジメチルスルホアミド等の反応に不活性な高沸点の溶媒が好ましい。
【0018】
本発明においては、例えば、電子吸引性基含有フタロニトリルと塩化ガリウム化合物を上記有機溶媒中140〜300℃の範囲で加熱撹拌することにより電子吸引性基含有ガリウムフタロシアニン類を合成する。次に、得られたクロロガリウムフタロシアニン、アルコキシガリウムフタロシアニンまたはガリウムフタロシアニンのエチレングリコールダイマー等の電子吸引性基含有ガリウムフタロシアニン類を、下記するアシッドペースティング法を用いて加水分解することによって、電子吸引性基含有ヒロドキシガリウムフタロシアニンが得られる。なお、上記電子吸引性基含有フタロニトリルは、電子吸引性基含有ジイミノイソインドリンに代えて使用することもできる。
【0019】
本発明に用いるアシッドペースティング法は、電子吸引性基含有ガリウムフタロシアニン類の酸ペースト液をアルカリ性水溶液またはアルカリ性水溶液と有機溶剤の混合液中に加えることによって行われる。使用される有機溶剤としては、メタノール等のアルコール類、エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジクロルメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等があげられる。この有機溶剤の量は、水に対して10倍以下、好ましくは5倍以下の範囲で用いる。アシッドペースティングの温度は、−15〜100℃の範囲で行うが、混合溶剤の沸点以下であることが好ましい。また、使用されるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、各種の水酸化アンモニウム塩等が挙げられる。上記混合液は、電子吸引性基含有ガリウムフタロシアニン類の酸ペースト液に対して、1〜100倍、好ましくは3〜20倍の範囲で用いる。酸ペースト液に用いる酸としては、硫酸、塩酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられるが、濃硫酸が溶解度も高く、取扱い易いために好ましい。濃硫酸は、電子吸引性基含有ガリウムフタロシアニン類に対し、5〜100倍の範囲で用いられるが、15〜40倍の範囲で用いることが望ましい。
【0020】
本発明においては、電子吸引性基含有ガリウムフタロシアニン類の酸ペースト液を撹拌しながら、アルカリ性水溶液またはアルカリ性水溶液と有機溶剤の混合液中に、その溶液温度を沸点以下に保持しつつ滴下すると、電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニンが生成する。得られた電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、水等を用いて洗浄することにより精製され、また、必要に応じて乾式磨砕や湿式処理を行うことができる。
【0021】
上記の方法で得られた電子吸引性基含有ガリウムフタロシアニンの結晶は、必要に応じて微細化される。この微細化は、得られた結晶をサンドミル、遊星式ミル、ボールミル、振動式ボールミル、コボールミル、アトライター、ダイノミル等の機械的方法で磨砕メディアとともに溶剤中で湿式磨砕するか、自動乳鉢、遊星式ミル、振動式ボールミル、竪型円筒振動ミル、CFミル、ニーダー等の機械的処理法で乾式磨砕するか、あるいは乾式磨砕後、さらに磨砕メディアとともに湿式磨砕することにより実施されるが、これらの方法に限定されるものではない。また、この乾式磨砕処理の際、必要に応じて、食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いることもでき、また、乾式磨砕の処理は2時間以上が好ましい。
【0022】
上記の湿式磨砕処理に使用する溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の脂肪族アルコール類、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、α−フェニルエチルアルコール等の芳香族アルコール類、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、フェノール、クレゾール、カテコール等のフェノール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の脂肪族アミド類、ジメチルスルホキシド、プロパンスルトン等のイオウ誘導体、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、塩化メチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、水等の単独もしくは2種以上の混合溶剤から適宜選択することができる。使用する溶剤の量は、電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン1重量部に対して1〜200重量部、好ましくは、10〜100部が用いられる。また湿式磨砕の処理時間は3時間以上が好ましく、処理温度は、0℃から溶剤の沸点以下の範囲、好ましくは10〜60℃の範囲である。
【0023】
さらに、本発明の電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、乾式磨砕した後、必要に応じて溶剤中で湿式処理することができる。湿式処理に使用する溶剤は、例えば、特開平5−98181号公報、特開平5−194523号公報等に開示されているメタノール、エタノール、n−ブタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の脂肪族アルコール類、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、α−フェニルエチルアルコール等の芳香族アルコール類、グリセリン、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール類、フェノール、クレゾール、カテコール等のフェノール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の脂肪族アミド類、ジメチルスルホキシド、プロパンスルトン等のイオウ誘導体、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、塩化メチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、水等の単独、または2種以上混合溶剤から選択することができる。また、処理装置としては、ボールミル、アトライター、ロールミル、コボールミル、サンドミル、ホモミキサー等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。使用する溶剤の量は、電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン1重量部に対して1〜200重量部、好ましくは10〜100部が用いられる。この湿式処理は、3時間以上行うことが好ましく、また、その処理温度は、0℃から溶剤の沸点以下、好ましくは10〜60℃の範囲である。
【0024】
本発明の電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、上記した処理を行うことにより得られたものの中で、その結晶のCuKαをX線源とした粉末X線回折において、ブラッグ角(2θ±0.2°)の5〜40度の範囲において、最も高い強度を示す回折ピーク及びその30%以上の強度を示す回折ピークが、いずれの回折ピークも、半値幅が0.5〜5度の範囲の角度のみを有する結晶であることが必要であり、好ましくは0.8〜4度の範囲の角度のみを有する結晶である。
【0025】
この回折ピークの半値幅が、0.5度未満の角度を有するものは、分散性が低く、塗布性や電気的特性上好ましくなく、また、5度より大きい角度を有するものは、感度や暗減衰等の電気的特性が好ましくない。なお、本発明において、結晶の回折ピークの半値幅とは、得られた粉末X線回折図の回折ピークからベースラインを差し引いた強度値の1/2の位置におけるブラッグ角(2θ)の幅を測定した値である。
【0026】
本発明の電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶としては、前記した一般式(I)で表される化合物の中で、式(II)で表される下記(a)及び(b)のものが、それぞれ半値幅が0.5〜5度の範囲に含まれる回折ピークを有する結晶であることから好ましいものである。
(a)電子吸引性基Xがフッ素原子であり、nが2であるフッ素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶の中で、CuKα特性X線に対するブラッグ角 (2θ±0.2°)の6.5°、15.3°及び27.0°(図13)に回折ピークを有する結晶、または、7.0°、15.6°、25.1°及び27.5°(図17)に回折ピークを有する結晶。
(b)電子吸引性基Xが塩素原子であり、nが2である塩素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の中で、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)の14.2°及び24.0〜27.5°(図14、図18)に回折ピークを有する結晶。
【0027】
次に、本発明の上記した電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を感光層における光導電材料として使用する電子写真感光体について説明する。本発明の電子写真感光体は、感光層が単層構成のものでも、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離された積層構成のものでもよい。感光層が積層構造を有する場合において、電荷発生層は、少なくとも一般式(I)で表される電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(以下、これを、単に「ガリウムフタロシアニン」ともいう。)の1種及び結着樹脂から構成される。
【0028】
一般に、帯電方式が負帯電で積層型の感光体の場合、電荷発生層の表面近傍で発生した電荷のうち、正の電荷は電荷輸送層を移動して感光体表面の帯電電荷を打ち消すが、その時に同時に発生した負電荷は電荷発生層を移動して基板に到達しなければ電荷が残留電位として残ってしまうことになる。つまり、電荷発生層が電子輸送性を持っていない場合、残留電位が上昇することになる。特に、単層型の感光体の場合は、電子の移動距離が長くなることから、この傾向が顕著になる。本発明のガリウムフタロシアニンは、電子輸送性を有するため残留電位の上昇を押さえると考えられる。
【0029】
図1〜図4は、いずれも本発明の電子写真感光体を模式的に示す断面図である。図1は、電荷発生層1及びその上に積層された電荷輸送層2からなる感光層が導電性支持体3上に形成されているものである。図2は、電荷発生層1と導電性支持体3の間に中間層4が介在されているものである。また、図3は、感光層の表面に保護層5が被覆されているものである。さらに、図4は、図1のものに、中間層4と保護層5の両者がそれぞれ設けられているものである。
【0030】
以下、感光層が積層構造を有する場合について、単層構造からなる感光層の説明を適宜追加しながら、上記各層1〜5について詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体における電荷発生層1は、結着樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、前記ガリウムフタロシアニンを分散させて塗布液を調製し、それを導電性支持体3上に塗布することによって形成される。使用する結着樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性ポリエーテル型ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼイン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができ、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマ−も選択することができるが、これらの絶縁性樹脂及び有機光導電性ポリマーに限定されるものではない。また、これらの結着樹脂は、単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0031】
結着樹脂を溶解する分散媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の環状または直鎖状のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、リグロイン等の鉱油、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類等を、単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0032】
ガリウムフタロシアニンと結着樹脂との配合比(重量)は、40:1〜1:20、好ましくは10:1〜1:10の範囲である。ガリウムフタロシアニンの比率が高すぎる場合には、塗布液の安定性が低下し、一方、低すぎる場合には、感光体の感度が低下するので、上記範囲に設定するのが好ましい。ガリウムフタロシアニンを分散処理するには、公知の方法、例えば、ボールミル、サンドグラインドミル、遊星式ミル、コボールミル、ロールミル等の方法を用いることができる。結着樹脂とガリウムフタロシアニンの混合方法としては、例えば、ガリウムフタロシアニンを分散処理中に結着樹脂を、粉末状態でまたはポリマー溶液として加えて同時に分散する方法、分散液を結着樹脂のポリマー溶液中に混合する方法、またはその逆に分散液中にポリマー溶液を混合する方法等のいずれの方法を用いてもよい。本発明では、分散処理することによってガリウムフタロシアニンの結晶型が変化しない条件が必要とされるが、これらの分散法のいずれを採用しても分散前と結晶型が変化していないことを確認した。
【0033】
上記で得られた塗布液を塗布するには、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の方法を用いることができる。また、塗布液の乾燥は、室温における指触乾燥後、30〜200℃の温度で5分〜2時間静置するか、または送風下で加熱乾燥するのが好ましい。電荷発生層1の膜厚は、通常0.05〜5μmの範囲、好ましくは0.15〜2.0μmの範囲である。膜厚が0.05μm未満では十分な光感度を得ることが難しく、一方、5μmを越えると暗減衰の増加が生じて好ましくない。
【0034】
本発明の電子写真感光体における電荷輸送層2は、電荷輸送材料を適当な結着樹脂中に含有させて形成される。電荷輸送材料としては、例えば、2,5−ビス−(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニルピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、ベンジルアニリン等の芳香族第3級モノアミノ化合物、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(m−トリル)ベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(p−ジエチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(p−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−2,2−ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリルキナゾリン等のキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ−(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N′−ジフェニルアニリン等のα−スチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、またはこれらの化合物からなる基を主鎖または側鎖に有する重合体の電子供与物質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送材料は単独でまたは2種以上混合して用いられ、電荷輸送材料がポリマーの場合はそれ自体で層を形成してもよい。
【0035】
電荷輸送層2を形成する結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等、前記電荷発生層1に使用されるものと同様の樹脂が使用できる。
【0036】
電荷輸送層2は、上記電荷輸送材料と結着樹脂及び前記電荷発生層1を形成する際に用いる有機溶剤と同様のものを用いて塗布液を調製した後、前記コーティング法と同様の手段により塗布液を電荷発生層1上に塗布して形成することができる。その際、電荷輸送材料と結着樹脂との割合は、結着樹脂100重量部に対して電荷輸送材料が5〜500重量部の範囲で使用される。また、電荷輸送層2の膜厚は、一般的には5〜50μm程度、好ましくは10〜40μm程度が適当である。
【0037】
また、感光層が単層構造の場合には、感光層は電子吸引性基含有ガリウムフタロシアニン結晶が結着樹脂に分散された光導電層よりなる。また、この層に電荷輸送材料を含んでいてもよい。結着樹脂及び電荷輸送材料は、前記と同様のものが使用され、また、前記と同様の方法により光導電層が形成される。この場合の結着樹脂としては、ポリビニルアセタール系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、フェノキシ樹脂及び変性エーテル型ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種より選択することがより好ましい。感光層には、必要に応じて、酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。上記ガリウムフタロシアニン結晶と結着樹脂との配合比(重量)は、40:1〜1〜20、好ましくは10:1〜1:10の範囲である。このガリウムフタロシアニン結晶の比率が高すぎる場合には塗布液の安定性が低下し、一方、低すぎる場合には感光体の感度が低下するので、上記範囲に設定するのが好ましい。そして、電荷輸送材料を含む場合は、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(重量)は1:20〜5:1程度に設定するのが好ましい。また、光導電層の膜厚は、通常5〜50μm、好ましくは10〜40μmが適当である。膜厚が5μm未満では帯電性の低下が見られ、50μmを越えると残留電位の上昇が見られることから好ましくない。
【0038】
導電性支持体3としては、電子写真感光体として使用可能のものを適宜使用することができる。具体的には、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、アルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO等の薄膜を被覆したプラスチックフィルム等または導電性付与剤を塗布または含浸させた紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。さらに、導電性支持体3の表面は、必要に応じて画質に影響のない範囲で各種の処理を行ってもよく、例えば、表面の酸化処理や薬品処理及び着色処理または砂目立て等の乱反射処理等を施してもよい。
【0039】
また、導電性支持体3と感光層との間には、中間層4が設けられていてもよい。この中間層としては、例えば、アルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、アミノ澱粉、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の有機層、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物等の有機金属類、シランカップリング剤等の公知の結着樹脂を用いることができる。中間層の膜厚は0.01〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜10μmである。
【0040】
さらに、感光層の表面には、必要に応じて保護層5を被覆してもよい。保護層は導電性材料を適当な結着樹脂中に含有させて形成される。導電性材料としてはジメチルフェロセン等のメタロセン化合物、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(m−トリル)ベンジジン等の芳香族アミノ化合物、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン等の金属酸化物を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、保護層に用いる結着樹脂としては、例えば、前記結着樹脂として例示したものを使用することができる。上記保護層は、その電気抵抗が109 〜1014Ω・cmとなるように構成することが好ましい。電気抵抗が1014Ω・cmより高くなると、残留電位が上昇してカブリの多い複写物となり、一方、109 Ω・cmより低くなると、画像のボケ、解像力の低下が生じてしまう。また、保護層は解像光に照射される光の透過を実質上妨げないように構成されなければならない。この保護層の膜厚は、0.5〜20μmであり、好ましくは1〜10μmである。
【0041】
次に、本発明の上記した電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を中間層に使用した電子写真感光体について説明する。
中間層は、少なくとも電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の1種を結着樹脂に分散させて形成される。結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。また、必要に応じて、トリレンイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのようなイソシアネート基含有化合物とビスフェノールA型エポキシ樹脂あるいはシリコーンカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムアルコキサイド等を加熱重合させて得られる種々の熱硬化性樹脂を用いることもできる。
【0042】
また、中間層の結着樹脂を溶解させる分散媒としては、前記した電荷発生層における結着樹脂の溶解に使用される溶媒と同一のものが用いられる。中間層内の電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の含有量は、樹脂10重量部に対して3〜100重量部、好ましくは5〜70重量部の範囲である。この結晶を樹脂に分散させる方法としては、公知の方法、例えば、ボールミル、サンドグラインドミル、遊星式ミル、コボールミル、ロールミル等の方法を用いることができる。また、分散によって電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の結晶形を変化させない条件が必要とされるが、上記した分散法のいずれを採用しても、分散前の結晶形と変化しないことを確認した。
【0043】
この際の中間層の層厚は、0.05〜12.0μmの範囲に設定され、好ましくは0.1〜10.0μmの範囲である。それより薄くすると、膜厚を均一に保持することが難しく、一方、それより厚くすると、長期の使用において残留電位が上昇してくる。また、暗時の抵抗率は、本発明中の電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニンが電子輸送能に優れているため、従来知られている105 〜1014Ω・cmより高いものも使用することができるが、106 〜1016Ω・cm程度であることが好ましい。
【0044】
感光体の中間層に、上記の電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を使用する際には、電荷発生層の電荷発生材料としては、例えば、スーダンレッド、ダイアンブルー、ジェスナグリーンB等のアゾ顔料、アルゴンイエロー、ピレンキノン、インダンスレンブリリアントバイオレットRRP等のキノン顔料、キノシアニン顔料、ベンズイミダゾールペリレン等のペリレン顔料、インジゴ、チオインジゴ等のインジゴ染料、チタニルオキシフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、キナクリドン顔料等の従来公知のものが用いられる。
【0045】
本発明において、感光体に上記した中間層を形成する場合には、その他の感光体の導電性基体、感光層及び必要に応じても設けられる保護層等の各機能層は、前記した感光層中に電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を使用する場合と同様の材料を用いて同様にして形成することができる。
本発明の上記した電子写真感光体は、各機能層を種々選択することにより、電子写真複写機に使用されるばかりでなく、レーザービームプリンター、電子写真方式製版システム用感光体としても使用することができる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における「部」は、すべて「重量部」を意味する。
合成例1
(2,3,6,7,10,11,14,15−オクタフルオロ−クロロガリウムフタロシアニンの合成)
4,5−ジフルオロフタロニトリル10部をα−クロロナフタレン20部中に分散させた溶液に、三塩化ガリウム2.7部及びα−クロロナフタレン45部を窒素雰囲気下、室温で添加し、次いで200℃において5時間反応させた後、生成物を熱時に濾過し、これをジメチルスルホキシド(DMSO)及びメタノールを用いて洗浄した。洗浄後の湿ケーキを減圧乾燥することにより、反応生成物として2,3,6,7,10,11,14,15−オクタフルオロ−クロロガリウムフタロシアニン8.7部を得た。
得られた化合物の結晶の粉末X線回折図(理学電機社製のRotaflexX線回折装置 CN2726A1:CuKα線をX線源としてTube電圧40kV、Tube電流30mAにて測定した。以下、同様にして測定した。)を図5に示す。この化合物の結晶の粉末X線回折図は、ブラッグ角(2θ±0.2°)の7.0°、15.2°及び27.1°の角度に強い回折強度を有するものであった。また、得られた化合物の赤外線吸収(IR)スペクトル図(日立製作所社製の270−30 Infrared Spectrophotometerを用いて測定した。以下、同様にして測定した。)を図6に示す。このIRスペクトル図から、この化合物は、2,3,6,7,10,11,14,15−オクタフルオロ−クロロガリウムフタロシアニンであることを確認した。
【0047】
合成例2
(2,3,6,7,10,11,14,15−オクタクロロ−クロロガリウムフタロシアニンの合成)
4,5−ジクロロフタロニトリル10部をα−クロロナフタレン20部中に分散させた溶液に、三塩化ガリウム2.3部及びα−クロロナフタレン45部を窒素雰囲気下、室温で添加し、次いで、200℃において6時間反応させた後、生成物を熱時に濾過し、これをDMSO及びメタノールで洗浄した。洗浄後の湿ケーキを減圧乾燥することにより、反応生成物として2,3,6,7,10,11,14,15−オクタクロロ−クロロガリウムフタロシアニン6.9部を得た。
得られた化合物の結晶の粉末X線回折図を図7に示す。この化合物の粉末X線回折図は、ブラッグ角(2θ±0.2°)の26.8°の角度に強い回折強度を有するものであった。
また、得られた化合物のIRスペクトル図を図8に示す。このIRスペクトル図から、この化合物は、2,3,6,7,10,11,14,15−オクタクロロ−クロロガリウムフタロシアニンであることを確認した。
【0048】
実施例1
合成例1で得られた2,3,6,7,10,11,14,15−オクタフルオロ−クロロガリウムフタロシアニン3.3部を濃硫酸132部に溶解し、2時間撹拌した後、この溶解液を氷冷した蒸留水110mlと濃アンモニア水326mlの混合溶液中に滴下して結晶を析出させた。析出した結晶を蒸留水で十分に洗浄し、乾燥することにより、反応生成物として2,3,6,7,10,11,14,15−オクタフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニン2.6部を得た。
得られた化合物の結晶の粉末X線回折図を図9に示す。この2,3,6,7,10,11,14,15−オクタフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶の粉末X線回折図によれば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の6.7°、15.6°及び26.8°の角度に強い回折強度を有するものであった。その中で、26.8°の角度に最も高強度の回折ピークがあり、その30%以上のものとしては、15.6°及び6.7°に回折ピークを有するものである。そして、これらの回折ピークの半値幅は、それぞれ6.7°のものが0.7度、15.6°のものが1.6度、26.8°のものが2.1度であった。
また、得られた化合物のIRスペクトル図を図10に示す。このIRスペクトル図から、この化合物は、2,3,6,7,10,11,14,15−オクタフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニンであることを確認した。
【0049】
実施例2
合成例1で得られたフタロシアニン化合物に代えて、合成例2で得られた2,3,6,7,10,11,14,15−オクタクロロ−クロロガリウムフタロシアニン3.3部を用いたこと以外は、実施例1と同様に処理することにより、反応生成物として2,3,6,7,10,11,14,15−オクタクロロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニン3.2部を得た。
得られた化合物の結晶の粉末X線回折図を図11に示す。この2,3,6,7,10,11,14,15−オクタクロロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニンの粉末X線回折図によれば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の14.2°及び24.0〜27.5°の角度に強い回折強度を有するものであった。その中で、24.0〜27.5°の角度に最も高強度の回折ピークがあり、その30%以上のものを有しない。そして、この回折ピークの半値幅は、24.0〜27.5°のものが2.0度であった。
また、得られた化合物のIRスペクトル図を図12に示す。このIRスペクトル図から、この化合物は、2,3,6,7,10,11,14,15−オクタクロロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニンであることを確認した。
【0050】
実施例3〜4
実施例1及び実施例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部を、それぞれN,N−ジメチルホルムアミド13.5部及び直径2mmのガラスビーズ30部とともに1週間溶剤処理した後、析出した結晶を分離し、乾燥することにより、それぞれ2,3,6,7,10,11,14,15−オクタフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニン0.3部及び2,3,6,7,10,11,14,15−オクタクロロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部を得た。
得られた化合物の結晶の粉末X線回折図を、それぞれ図13及び図14に示す。図13に示される2,3,6,7,10,11,14,15−オクタフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニンの粉末X線回折図によれば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の6.5°、15.3°及び27.0°の角度に強い回折強度を有するものであった。その中で、27.0°の角度に最も高強度の回折ピークがあり、その30%以上のものとしては、15.3°に回折ピークを有するものである。そして、これらの回折ピークの半値幅は、それぞれ15.3°のものが1.8度、27.0°のものが1.3度であった。
また、図14に示される2,3,6,7,10,11,14,15−オクタクロロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶の粉末X線回折図によれば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の14.2°及び24.0〜27.5°の角度に強い回折強度を有するものであった。その中で、24.0〜27.5°の角度に最も高強度の回折ピークがあり、その30%以上のものとしては、14.2°のみに回折ピークを有するものである。そして、これらの回折ピークの半値幅は、それぞれ14.2°のものが0.7度、24.0〜27.5°のものが2.4度であった。また、得られた化合物のIRスペクトル図を、それぞれ図15及び図16に示す。
【0051】
実施例5〜6
N,N−ジメチルホルムアミド13.5部に代えてメタノール13.5部を用いたこと以外は、それぞれ実施例3及び実施例4と同様に処理することにより、それぞれ2,3,6,7,10,11,14,15−オクタフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部及び2,3,6,7,10,11,14,15−オクタクロロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部を得た。
得られた化合物の結晶の粉末X線回折図を、それぞれ図17及び図18に示す。図17に示される2,3,6,7,10,11,14,15−オクタフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶の粉末X線回折図によれば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の15.6°、25.1°及び27.5°の角度に強い回折強度を有するものであった。その中で、27.5°の角度に最も高強度の回折ピークがあり、その30%以上のものとしては、15.6°及び25.1°に回折ピークを有するものである。そして、これらの回折ピークの半値幅は、それぞれ15.6°のものが0.7度及び27.5°のものが0.8度であった。
また、図18に示される2,3,6,7,10,11,14,15−オクタクロロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶の粉末X線回折図によれば、ブラッグ角(2θ±0.2°)の14.2°及び24.0〜27.5°の角度に強い回折強度を有するものであった。その中で、24.0〜27.5°の角度に最も高強度の回折ピークがあり、その30%以上のものとしては、14.2°のみに回折ピークを有するものである。そして、これらの回折ピークの半値幅は、それぞれ14.2°のものが0.7度、24.0〜27.5°のものが1.8度であった。また、得られた化合物のIRスペクトル図を、それぞれ図19及び図20に示す。
【0052】
実施例7
アルミニウム基板上に、ジルコニウム化合物(オルガノテックスZC540、マツモト製薬社製)10部、シラン化合物(A1110、日本ユニカー社製)1部、イソプロパノール40部及びn−ブタノール20部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃において10分間加熱乾燥して膜厚0.2μmの中間層を形成した。
次いで、実施例3で得られた2,3,6,7,10,11,14,15−オクタフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニン0.2部を、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学社製)0.13部及びn−ブタノール8.0部と混合し、これをガラスビーズとともにペイントシェーカーで2時間処理して分散させた。得られた塗布液を、上記中間層の上にワイヤーバーコーティング法によって塗布し、115℃において10分間加熱乾燥して膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0053】
次に、下記構造式(III) で示される電荷輸送材料2部及び下記構造式(IV)で示される繰り返し単位からなるポリカーボネート樹脂3部をクロロベンゼン20部に溶解し、得られた塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布法により塗布し、120℃で1時間加熱乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成することにより電子写真感光体を作製した。
【0054】
【化5】
【0055】
実施例8〜10
電荷発生層に使用するガリウムフタロシアニンとして、それぞれ実施例4〜6で得られたものを用いたこと以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0056】
実施例11
アルミニウム基板上に、実施例7と同様にして、膜厚0.2μmの中間層を形成した。
次いで、実施例4で得られた2,3,6,7,10,11,14,15−オクタクロロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニン0.2部を、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学社製)0.13部及びn−ブタノール3.0部と混合し、ガラスビーズと共にペイントシェ−カーで2時間処理して分散させた。得られた塗布液を、上記中間層の上にワイヤーバーコーティング法によって塗布し、115℃において60分間加熱乾燥して膜厚約20μmの単層型電子写真感光体を作製した。
実施例12
電荷発生層に使用するガリウムフタロシアニンとして、実施例5で得られたものを用いたこと以外は、実施例11と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0057】
比較合成例1(ヒドロキシガリウムフタロシアニンの合成)
フタロニトリル10部をα−クロロナフタレン20部中に分散させた溶液に、窒素雰囲気下、室温で三塩化ガリウム3.1部及びα−クロロナフタレン45部と共に添加し、200℃において5時間反応させた後、生成物を熱時に濾過し、DMSO及びメタノールで洗浄した。次いで、湿ケーキを減圧乾燥してクロロガリウムフタロシアニン7.1部を得た。このクロロガリウムフタロシアニンを実施例1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン3.0部を得た。
【0058】
比較合成例2(テトラフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニンの合成)
4−フルオロフタロニトリル10部をα−クロロナフタレン20部中に分散させた溶液に、窒素雰囲気下、室温で三塩化ガリウム2.9部及びα−クロロナフタレン45部と共に添加し、200℃において5時間反応させた後、生成物を熱時に濾過し、DMSO及びメタノールで洗浄した。次いで、湿ケーキを減圧乾燥してテトラフルオロ−クロロガリウムフタロシアニン7.0部を得た。このテトラフルオロ−クロロガリウムフタロシアニンを実施例1と同様に処理し、テトラフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニン3.0部を得た。
【0059】
比較例1
比較合成例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンを用いたこと以外は、実施例3と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン0.4部を得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニンの粉末X線回折図を図21に示す。
比較例2
比較合成例2で得られたテトラフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニンを用いたこと以外は、実施例3と同様に処理し、テトラフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニン0.4部を得た。得られたテトラフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニンの粉末X線回折図を図22に示す。
【0060】
比較例3〜4
電荷発生層に使用するガリウムフタロシアニンとして、比較例1〜2で得られたものを用いたこと以外は、実施例7と同様にして、それぞれ電子写真感光体を作製した。
比較例5〜6
電荷発生層に使用するガリウムフタロシアニンとして、比較例1〜2で得られたものを用いたこと以外は、実施例11と同様にして、それぞれ電子写真感光体を作製した。
【0061】
上記実施例7〜12及び比較例3〜6で得られた電子写真感光体の電子写真特性を下記のようにして測定した。
マシンスキャナーを用いて、常温常湿(20℃、40%RH)環境下のコロナ放電により、感光体を初期表面電位−800Vに帯電させ、0.538秒間放置してVDDP (V)を測定することにより、暗減衰VDDR (V)[VDDR =VDDP −(−800)]を算出した。その後、タングステンランプの光をモノクロメーターを用いて780nmの単色光に分光し、これを感光体表面上に照射して、初期感度(単位光量当たりの初期の減衰電位)dV/dE(kV・m2 /J)を測定した。さらに、10mJ/m2 照射後の残留電位VRP(V)を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
実施例13
実施例3で得られた2,3,6,7,10,11,14,15−オクタフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニン5部を、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学社製)1部及び酢酸ブチル80部と混合し、1/8インチのスチール球250部とともにペイントシェーカーで5時間分散させ、得られた塗布液を浸漬コーティング法でアルミニウム基板上に塗布し、100℃において15分間加熱乾燥し、膜厚2μmの中間層を形成した。
次に、x型無金属フタロシアニン1.0部を、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学社製)1部及び酢酸ブチル100部と混合し、1/8インチのスチール球250部とともにペイントシェーカーで2時間分散させ、得られた塗布液を浸漬コーティング法で上記の中間層の上に塗布し、100℃において10分間加熱乾燥し、膜厚0.18μmの電荷発生層を形成した。
次に、前記実施例7中に記載の構造式(III) で示されるN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(m−トリル)ベンジジンからなる電荷輸送材料2部及び同じく構造式(IV)で示される繰り返し単位からなる1,1′−ジ−(p−フェニレン)シクロヘキサンカーボネート樹脂3部をクロロベンゼン20部に溶解し、得られた塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布法により塗布し、115℃で1時間加熱乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成することにより電子写真感光体を作製した。
【0063】
実施例14〜16
中間層に使用するガリウムフタロシアニンとして、それぞれ実施例4〜6で得られたものを用いたこと以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0064】
比較例7
実施例13において、中間層を設けなかったこと以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体を作製した。
比較例8
実施例13において、中間層形成用塗布液として、メトキシメチル化ナイロン(トレジンEF−30T、帝国化学産業社製)5部をメタノール90部に溶解させた溶液を用いたこと以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体を作製した。
比較例9
実施例13において、中間層に使用したガリウムフタロシアニンをペリレンレッドR−190結晶1.0部に代えたこと以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0065】
上記実施例13〜16及び比較例7〜9で得られた電子写真感光体の電子写真特性を、下記のようにして測定した。
静電複写紙試験装置(エレクトロスタッティクアナライザーEPA−8100、川口電気社製)を用いて、常温常湿(20℃、50%RH)環境下に−6KVのコロナ放電により感光体を帯電させた後、タングステンランプの光をモノクロメーターを用いて780nmの単色光に分光し、これを感光体表面上で1μW/cm2 になるように調整し照射した。そして、その初期表面電位V0 (ボルト)、V0 の1/2になるまでの半減露光量E1/2 (μJ/cm2 )を測定し、その後10luxのタングステンランプ光を1秒間感光体表面に照射し、その残留電位VRP(ボルト)及び減衰率DDR(%)について測定した。また、上記の帯電、露光を3000回繰り返した後のV0 、E1/2 、DDR及びVRPも測定した。さらに、実施例13〜16及び比較例7〜9で作製した電子写真感光体を、それぞれレーザービームプリンター(FX XP−15、富士ゼロックス社製)に装着し、2万回の繰り返し複写画像を形成した。これらの結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】
本発明の電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、優れた電子写真特性を有する光導電材料であり、特に、感光波長が780nm近辺まで伸びているため、半導体レーザーを利用するプリンター、デジタルコピー等の電子写真感光体用光導電材料として非常に有用である。
また、上記の電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を感光層の光導電材料に用いて作製される電子写真感光体は、負帯電型に適し、高感度で、帯電性が高く、かつ残留電位が低いという優れた利点を有するので、広範囲に利用することができる。さらに、上記の電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の少なくとも1種を中間層に含有させて作製される電子写真感光体は、繰り返し使用しても、高感度を維持しながら高帯電性及び低残留電位が劣化せず、したがって、長期間の使用において画像濃度の低下や地汚れの発生しない良好な画像を形成できる信頼性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における電子写真感光体の模式的断面図である。
【図2】 本発明における電子写真感光体の他の模式的断面図である。
【図3】 本発明における電子写真感光体の他の模式的断面図である。
【図4】 本発明における電子写真感光体の他の模式的断面図である。
【図5】 合成例1で得られたフッ素含有クロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図6】 合成例1で得られたフッ素含有クロロガリウムフタロシアニンの赤外線吸収スペクトル図を示す。
【図7】 合成例2で得られた塩素含有クロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図8】 合成例2で得られた塩素含有クロロガリウムフタロシアニンの赤外線吸収スペクトル図を示す。
【図9】 実施例1で得られたフッ素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図10】 実施例1で得られたフッ素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニンの赤外線吸収スペクトル図を示す。
【図11】 実施例2で得られた塩素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図12】 実施例2で得られた塩素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニンの赤外線吸収スペクトル図を示す。
【図13】 実施例3で得られたフッ素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図14】 実施例4で得られた塩素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図15】 実施例3で得られたフッ素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニンの赤外線吸収スペクトル図を示す。
【図16】 実施例4で得られた塩素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニンの赤外線吸収スペクトル図を示す。
【図17】 実施例5で得られたフッ素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図18】 実施例6で得られた塩素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図19】 実施例5で得られたフッ素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニンの赤外線吸収スペクトル図を示す。
【図20】 実施例6で得られた塩素含有ヒドロキシガリウムフタロシアニンの赤外線吸収スペクトル図を示す。
【図21】 比較例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図22】 比較例2で得られたテトラフルオロ−ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【符号の説明】
1…電荷発生層、2…電荷輸送層、3…導電性支持体、4…中間層、5…保護層。
Claims (5)
- 導電性基体上に、感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、請求項1又は2に記載の電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 帯電極性が負帯電であることを特徴とする請求項3記載の電子写真感光体。
- 導電性基体上に、少なくとも中間層及び感光層を有する電子写真感光体において、該中間層が、請求項1又は2に記載の電子吸引性基含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を含有することを特徴とする電子写真感光体。
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